お久しぶりです。
No.1067で小西さんのおっしゃる通り、難産に苦しんでおりました「『新青年』趣味」第9号ができあがりました。ご予約の皆さま、お待たせして申し訳ありませんでした。
ご予約の方へは、順次発送しておりますので、近日中にお手元に届きます。
ご予約がまだの方は、上のURLに目次などがありますので、ご覧のうえご注文いただければうれしいです。
渡辺啓助先生の追悼本『K file 渡辺啓助を偲ぶ』も発売中です。併せてご注文をお待ちしております。
小西様
私も講演会に参ります。よろしくお願いいたします。
やよい様、オーナー様
十蘭の満州本は、何年か前古書市場に出たということを川崎賢子さんに伺いましたが、現物は確認できなかったということです。顎十郎で間違いないようなのですが。
海野さんの『無人島菌の秘密』の例もありますし、気長に待てばいつか目にすることができるかと思っておりますが、現実は厳しそうですね。
小林様
掲示板、毎日拝見しております。
中さんの「名張人外境」の掲示板でごぞんじと思いますが、
5月12日の日下さんの講演会(演題「海野十三・再々評価に向けて」、会場:阿波観光ホテル)には、
末永昭二さん(『新青年』研究会)、神戸の野村恒彦さん(畸人郷)、
うまく行けば中相作御大まで来て下さるということになりそうです。
会場では、完成したばかりの『「新青年」趣味』海野特集号も販売します。
昨日末永さんと、渡辺啓助先生の追悼の集まりで配布された資料集も販売しようという相談をいたしました。
皆さん、四国近辺でお知り合いがいたらぜひご案内下さいますよう、よろしくお願いいたします。
おじゃまいたしました。
同じく、「彷書月刊」5月号、何と、通巻200号。
「古本屋奇人伝」として、平井通、が登場。
奇の右には、田が付く。
いくつかのエピソード、とともに、
写真も掲載されています。
何かの本からでしょうか。歓談中の写真のよう
でもあります。
本当に、こんなに、数冊しか古書を入手していないのは
久しぶりです。
新刊で、文庫を購入の日々。
「彷書月刊」5月号、「特集 古書のへそ」。そのアンケート
には、例えば、佐伯さん、下川さん、末永さん、山中さん。
同じところに、注文され、ひいきにされておられます。
日下さん、すばらしい仕事、読者にはありがたく思います。
日下様
いつもいろいろなところで文章を読ませていただいているご本人にまで
お答えいただき感激しております。
日下さんも持っていらっしゃらなくて、手に入る可能性が少ないと
おっしゃるのなら仕方ないですね。
気長に探してみます。ありがとうございました。
>小林オーナー
大東亜出版社から出ている久生十蘭はタイトルや収録作を見ると、「顎十郎」シリーズのようなのですが、新聞広告等では「十郎シリーズ」と紹介されています。
顎十郎のことなのか、はたまた別の主人公のことなのかは現物をあたってみなくてはいけないようですね。
OKUさま
私も「別巻」は持っていません。それ以外のミステリ関係の巻は、バラで
あつめて何とかそろいましたが、別巻をバラ売りしているのは一度も見た
ことがありません。可能性がゼロとは言いませんが、よほどの僥倖がない
限り、これを店頭で拾うのは極めて困難かと思われます。
桜さま
>いつも連載をたのしみにしていますので、残念。
ありがとうございます。今月は、半村良さんの追悼ブックガイドに力を
入れすぎて、通常の連載分が間に合わなくなってしまいました。お詫び
いたします〜。
小林さん、桜さんお返事ありがとうございます。
全集の最後の巻だけ見つけるのは確かに難しいですね。
ネット上で探しても、「全巻揃い」または半端物は見つかるのですが、
『通史資料』だけはないですよね。
図書館を探してみることにします。
都内の古書店に詳しい方がありましたら、また、お教え下さい。
OKUさん、小林さんが書かれておられますように、図書館
にあるので、私も購入していません。
いえ、大衆文学大系、バラででているのを古書店で見ますが、
いつも素通りしています。月報があれば、購入するのですが、
ないことが多いようですね。以前、揃いで25で出ていました。
単位は万です。
小林さん、書かれました内容、大変勉強になります。
土屋光司は単なる誤植であると推測しています(根拠はあり
ません)。
「SFマガジン」6月号。コンテンツに、日下さんの連載が
あるようになっていますが、そこには、広告がありました。
「編集後記」には、休載、とあります。
いつも連載をたのしみにしていますので、残念。
OKU さん
はじめまして。
小林文庫においで頂き、ありがとうございます。
これからもよろしくお願いします。
『通史資料 大衆文学大系別巻』は、手元に置きたいと思いながら、私も所有していません。
図書館には置いてあることが多いので、もっぱら図書館で利用しています。
全集の中の最後の1巻のうえ、探している人も多いので、バラで見つけるのは、かなり難しいのではないでしょうか?
都内の古書店事情や、相場については疎いので、良く解りません。
定価が7800円ですから、1万円くらいなら購入しても良いのではないですか?(全く根拠なし!)
神保町あたりの事情に詳しい方、教えて下さい。
小林文庫です。
「ミステリマガジン」6月号を立ち読み。
最近私が調べている事とシンクロするエッセイが載っていたので驚き、久し振りに購入しました。
エッセイは、新保博久さんの「ミステリ再入門」。
新保さんは、「海外ミステリで日本人が重要な役割を果たす」最初期の作品として、H.W.ベレットの『沈黙の環』と言う作品を紹介しています。
◆ 『沈黙の環』 H.W.ベレット作 伊東鋭太郎訳 日本公論社 昭和12年発行?
『武士の子』と改題して、昭和16年再刊(日本公論社)
実はこの本は、大阪圭吉の『人間灯台』『香水夫人』を出版した、満州の出版社・大東亞出版社から、『日東選手』と改題されて出版されているらしいのです。
◆ 『日東選手』ベレット作 土屋光司訳(?) 大東亞出版社 康徳10年(昭和18年)4月ころ発行
同一の作品と判断したのは、作品紹介がほぼ一致しているから。
大東亞出版社版の作品紹介は、次の通り。
「盟邦日本人を主人公として我が武士道精神を謳歌した異色ある独逸探偵小説、深夜の
ベルリンに現れる殺人魔に対しオリンピックの日本の青年選手は決然として
如何に戦いを挑んだか、秘密は誰の手によって − 手に汗握る一大圧巻。」
ただし、訳者は土屋光司となっています。
(土屋光司と伊東鋭太郎が、同一人物と言うことはないですよね?)
大東亞出版社からは、もう1冊 F.W.クロフツ作の『都会の奇蹟』という作品も、発行されているようです。
◆ 『都会の悲劇』F.W.クロフツ作 土屋光司訳 大東亞出版社 康徳10年(昭和18年)3月ころ発行
こちらは、作品紹介から、『船から消えた男』が原作と思われます。
『船から消えた男』は、日本公論社から土屋光司訳で発売されているので、おそらくこの作品の再刊に間違い無いでしょう。
◆ 『船から消えた男』F.W.クロフツ作 土屋光司訳 日本公論社 昭和12年発行
『ガソリンの悲劇』と改題して、昭和15年再刊(日本公論社)
大東亞出版社は、耶止説夫=矢切止夫が起こした出版社で、私の興味は、何故大阪圭吉は満洲で出版したのか?、耶止説夫と大阪圭吉の関係は?、というところにあります。
耶止説夫と大阪圭吉は面識が有ったはず、と考えていますが、それなら大東亞出版社から書籍を出している他の著者と耶止説夫の関係も知りたい、と思っています。
日本公論社と言えば、怪訳『魔棺殺人事件』をはじめ伴大矩訳のミステリーを出版した版元。
大東亞出版社の2冊の翻訳書が、日本公論社から出版されたものの再刊だとすると、耶止説夫と伴大矩の関係にも、新たな光を当てられそうな、気がします。
「かもしれない」「らしい」ばかりですみませんが、私は翻訳書には全く弱い上、大東亞出版社版はもちろん、日本公論社版も、確認したわけではありません。
上のようなこと考えていたら、新保博久さんのエッセイを読んだので、まだ何もわかっていない状況ながら、書いてみました。
耶止説夫については、桜さんが研究されているので、どこかで整理、発表してくださるのではないかと、期待しています。
ついでに書いておくと、大東亞出版社からは、日本人作家のミステリーも出しています。
探偵小説ファンとして興味の有るところを挙げてみると、南沢十七や久生十蘭の著書も出版しているようです。
久生十蘭の本は少なくても3冊有るらしいですが、これが「顎十郎捕物帖」くさいのです。
こんなところにも「顎十郎」が、と言う事で戦前の「顎十郎捕物帖」刊行の謎はまだまだ有るようです。
>おどるさん
まず、訂正から。
おっしゃる通り、抜けています。
EQMMに載ったビーストンの短篇を、二編、書き漏らしていました。
The Sensation Club (EQMM 1952-02 )
Volturio Investigates (EQMM 1951-10)
[初出 Detective Story Magazine 1921-04-20]
ですから、総数は11編、掲載されたのですね。
ぼくが利用しているMystery Short Fictionは下記URLでも
確認できます。EQMM本国版は創刊号からのすべての目次があります。
ただし、いくつかの間違いはあるようです。
http://users.ev1.net/~homeville/msf/0start.htm
ビーストンの親戚の話、興味深いですね。
>藤原さま
情報、ありがとうございます。
「怪毛」はやはりThe Hairでしたか!
今後ともよろしく。
気になったのでちょっと調べてみたら、
Try and Stop Meのベネット・サーフと
「イ*ン・フレ*ミ*グ」のクリストファー・ベネット・サーフは
別人でした。曖昧な記憶で書いてはいけませんね。
初めておじゃましました。探偵・推理小説を含み大衆小説大好きなOKUと申します。よろしくお願いします。
さて、この掲示板でも話題に出ていた『通史・資料大衆文学大系別巻』を探しているのですが、なにしろ田舎住まいなもので、近所に大きな古書店もなく、なかなか見つかりません。
今度、東京へ行く機会がありますので古書店巡りをして探したいと思うのですが、売っていそうな古書店が分かりましたら教えていただけないでしょうか。
また、相場はどの程度なのでしょうか。いくら程度でしたら「買い」でしょうか。
この掲示板には場違いな発言でしたらお許しください。
おどるさん、そうですね、そのリンクのことです。
話題にされていないようなので、おそるおそる、ここに
とりあげてみたのですが、巡回がリアルタイムででき
ませんね。
わたしは、ここの文庫にあげられている個々の
リンクからはいっています。更新がやはりリアル
タイムにされたものから、はいりたいですね。
文献の探索、勉強になります。おどるさん、下の
長谷部さんの本、ネット上にありますので、購入
できますね。私は、何度も読んで、文献の出し方
などの書きかたを学びました。とても参考になります。
はやみ。さん、新刊もだされたのですね。巡回方法
勉強してみます。ありがとうございます。
森下さん
お疲れさまでございます。ぼくも引き写しです。しかも、ビーストンについて調べるにはたまたま手元にあった本とインターネットを活用しただけで、汗を流して調べるということさえしませんでした。長谷部史親氏の「探偵小説談林」は遺憾ながら読んでおりませんでしたので、入手したいと思います。森英俊氏の「世界ミステリ作家事典[サスペンス編]」期待したいですね。
「The Pipe」の初出誌を参考にしたサイトは以下の通りです。森下さんはEQMMに9編が掲載されたと紹介されていましたが、このサイトには5編しか掲載されていませんでしたので、ぼくが見たサイトは完全ではないのでしょうね。ちなみに森下さんのリストになく、下記サイトでEQMM掲載作品として載っていた作品に「Volturio Investigates」(EQMM1951年10月号)がありました。この作品は森下さんのリストでは初出は1921年とありますね。
http://members.tripod.com/~rimes12/eqmmA.html
また、森下さんのリストに含まれていなかったビーストンの作品として、「A Star Fell 」(初出 1904年)がありました。こちらはEQMMに掲載されたものではないようですが。
最後にビーストンの義弟の件ですが、アメリカのウェストヴァージニア州カナワ郡を紹介したサイトで、地元の著名人の略伝を紹介しているところがあるのですが、そこに記載されていました。ビーストンは文中の最後から二行目に「a well-known English author」として紹介されています。中島河太郎の「推理小説展望」には、作家として活躍していた当時も人名録に載っていないと書かれていましたが、決り文句であっても「よく知られている」と表現されるとうれしくなります。EQMMの効果でしょうか。
ちなみに妹さんのお名前が文中最後から三行目に記載されています。正確にいうと、Delco Light社の経営者が7歳以上年上の姉さん女房を迎えていたら、義兄になるのかもしれませんけどね。アドレスは以下のとおりです。
http://ftp.rootsweb.com/pub/usgenweb/wv/kanawha/bios/stapp.txt
でも、ここまでくると、これ以上先になにが待っているのか、果たしてそれはビーストンの作家活動にどれくらい関係があるのか暗黒面が広がっておりわけがわかりません。
蛇足ながら、森下さんのリストになく、ぼくが把握しているルヴェル作品の英題は以下の通りです。ご参考まで。
「The Cripple」 原題「L’infirme」 (初出誌:Le Journal 1919年)
「The Look」 原題「Le Regard」 (初出誌:Le Journal 1906年)
「Night and Silence」
桜さま
最近「あなたまミステリ系掲示板」が繋がらなくなってしまい、困っているのですが、「HP巡回の手段がなくなった」とはその件でしょうか。どなたも話題になされていないので、不思議に思っていたのですが。
森下さま
原題情報、とりあえずすぐわかるのは下記の2点。
ご参考になりましたら幸いです。
マイクル・アレン(Michael Arlen)
「アメリカから来た紳士」The Gentleman from America
A・J・アラン「怪毛」The Hair
ベネット・サーフ(Bennet Cerf)は「イ*ン・フ*ミ*グ」名義で
「アリゲーター」を書いた人でしたっけ(うろ覚えですが)。
横溝正史の話題でこれだけ盛り上がる掲示板も少ないようで(関連サイトは別として)、ファンとしては有難い限りです。
それも、日下さんのおかげです。日下さん、企画、本当に楽しみにしています。発表された際には、ありとあらゆる手段を使って宣伝し、微力ながらも売り上げにご協力致します。もちろん自分でも買います。ついでに日下さんの他の本も、もっともっと買います。
>桜さん
HPを見ていただいたようで、恐縮です。
ただ、企画というほどのことはしません。できるだけ多くの横溝正史に関連するサイトを紹介することと、初心者に入りやすいサイトを作ることだけです。
あとは、今、「サスペリア・ミステリー」誌で、「不死蝶」の連載が始まるので、それに絡めて簡単な解説を書きますが、同誌の担当者氏はかなりのミステリファンですし、今後も金田一耕助のコミカライゼーションをしたがっているので、焚きつけ、煽り、できれば私も混ぜてもらう――といったところですか。
有難いもので、HPを開いたところ、国語の授業で推理小説について調べている、という女子高生から、横溝正史についての質問が来ました。もちろん丁寧に答えたのは、相手が女子高生だからではなく、十代にも読んで欲しいからであります。はい。
ところで、HP巡回の手段がなくなった、とは? 私は、とりあえずmamimiで、不完全ながらも読み込みは可能になりました。これから更に、カスタマイズの予定です。
>芦辺拓さん
竹中労聞き書きの「鞍馬天狗のおじさんは」(ちくま文庫)を読んで以来、比佐芳武氏には興味津々です。「三本指の男」が見られるのは、私にとっては特別の意味があります。ああ、CSに入っていてよかった。
>桜さん
ある書店で、初老の紳士が私の目の前で『少年探偵王』を本棚から抜いてレジに向かっていかれたのを見たときにはうれしかったです。ちゃんと買ってくれたかまでは確認しませんでしたが。
ところで、最近、片岡千恵蔵主演の多羅尾伴内シリーズおよび金田一耕助シリーズの脚本家、比佐芳武氏のご遺族とかかわりが生じまして、いやもう東映京都に君臨した大脚本家のエピソードの面白いの何の。
実は若き日の横溝氏が店頭にいた薬局の前を、神戸に来てちょっと不良がかっていた比佐氏がしょっちゅう行き来していたのだそうで、それがはるかのちの戦後、「宝石」の広告に『本陣殺人事件』のタイトルを見出して、連載終了はおろか中身も読まずに映画化権を手に入れることで再び縁がつながったとか。
どうも、比佐氏のアダプトになる横溝映画(来月、CSの東映チャンネルでやるそうですね。ことに『本陣』の映画化「三本指の男」はご遺族がフィルムは残っていないのではと思っておられた作品だけに、見たい!)の脚本がどこかに残っているらしく、これを何とかできないか考え中です。
小林さん、情報にはしびれてきますね。
日下さんの企画、全体がみえてきましたが、
実現してほしいです。
森下さん、得られたその他の情報も公開
されて、本当に敬服致しています。
芦辺さん、「少年探偵王」好調、うれしく思います。
HPを巡回する手段がなくなり、本当に困惑のこの頃
です。
>森下さん
昨日調べたときには、確かにFinal kissとした目録があったように思ったのですが……確かにLastみたいですね。
ただ、グラン・ギニョール劇の英訳版脚本集みたいなのがあって、そこではFinalとなっていました。小説の訳題としては「ラスト・キス」なのでしょうか。
>みなみなさま
数々の情報提供、まことにありがとうございます。
>桜さま
>>私も、ある雑誌のもので、暗礁にのりあげています。
いや、桜さまとはたぶん、暗礁のレベルが違うような気が……。
桜さんの暗礁は、もっと大変なものかと推察します。
はやくまとまることを期待しております。
>芦辺さま
失礼をしたのは、当方も同じです。恐縮しております。
情報、ありがとうございます。
ただ、「暗中の接吻」の英題 The Last Kiss ではありませんか?
Crime Fiction III で確認すると、The Fainal Kiss という題名はないのですが。
>おどるさま
おどるさまにも、失礼をしたのは私です。(もう、穴があったら入りたい!)
みなさまの情報や、ほかでも教えていただした情報は以下の通りです。
********************
「世界連邦」The Meadow レイ・ブラッドベリイ
「選択」 The Choice ヒルトン・W・ヤング Hilton w. Young
ルヴェル
「碧眼」Nes Yeux (Le Journal 1904) 英題 All Saints' Day [または Blue Eyes]
「暗中の接吻」Le Baiser dans la Nuit (Le Journal 1912) 英題 The Final Kiss[The Last Kiss]
「犬舎」Le Chenil (Le Journal 1906) 英題 The Kennel ←題名からの類推
*******************
L・J・ビーストンについて
おどるさんの発言にもくわしいですが、ほかにルシアン・デイヴィス、リチャード・キャムデンの別名が
あること、セクストン・ブレーク譚を執筆したこともあること、1890年代から《チャムズ》などの新聞・雑誌
に子供向け探偵小説を書いたことがあること、などが長谷部史親氏の『探偵小説談林』に書かれています。
>おどるさま
>>社会福祉団体であるキワニスクラブの初期メンバーでもあったアメリカのDelco Light社の社長は義理の弟。
この情報の出所はわかりますか?
なお、中島河太郎の「ビーストン傑作集」(1970年 創土社刊)には原題等の情報は載っていません。
たぶん、『新青年』に翻訳されたときから、原題は不明だったはずです。
とりあえず、わたしが調べた部分を報告しておきます。
《別冊宝石》掲載時に原題がついていたのは一作のみ。
「洞窟の蜘蛛」The Cavern Spider
本国版EQMMに掲載されたビーストンの短篇は以下の通り。
すべて、Mystery Short Fiction の引き写しです。
邦訳の題名は、原題からの類推ですが、まず間違いないでしょう。
The Pipe (EQMM 1951-06)[初出 The Strand 1924 -09]「パイプ」
Loveday's Secret (EQMM 1952-03)[初出 The Strand 1922-10]
The Human Leopards (EQMM 1952-09)[初出 The Strand 1923-11]「人間豹」
In the Pincers (EQMM 1953-03)[初出 The Strand 1919 -06]
The Mark of the Flail (EQMM 1954-10)
The Hand in the Dark (EQMM 1955-03)[初出The Strand 1918-11]
L5000 for a Confession (EQMM 1955-12) 「五千ポンドの告白」(原題のL5000のLはポンド記号)
The Return of Backshaw (EQMM 1966-10)
Melodramatic Interlude (EQMM 1967 -04)
The Pipe の初出誌がおどるさんの情報と食い違っているけど、とりあえずそのままにしてあります。
Crime Fiction III による英米での著作は以下の通り。
Every Night About Half-Past Eight, and other stories (Hutchinson, 1923, hc)
Happy Ever After (Nicholson, 1932, hc)
The Secret of St. Udolph's [as by Anonymous]
The Spy at Sedgemere School [as by Anonymous]
で、上記の短篇集に収録された短篇の題名は以下の通り。
The Bartlebee Case
The Beckoning Finger
The Chessways Pearls
Chips of One Block [初出 Hutchinson's Magazine Apr '22]
The Crawling Glare
Denise
Every Night About Half-Past Eight
The Fiendish Laugh [初出 The Grand Magazine Nov '21]
Loveday's Secret
Philistrina Listens
The Rivers of Paradise
The Sapphire-Blue Brilliant
The Six Blind Mastiffs
The Spirit of Night
Ten Years Deep
The Terrible Celsus
A Treasure from the East 「東方の宝」
Volsham the Crook 「 悪漢ウォルシャム」
Volturio Investigates [初出 1921 ]
The Vulture's Swoop
わたしは、引き写すことしかできません。(泣)
この辺りは森英俊氏の『世界ミステリ作家事典[サスペンス編]』で明らかになるのではと、
期待しているのですが。
一方、ルヴェルは英米で発行された短篇集、アンソロジー、雑誌などに掲載された短篇は以下の通り。
もちろん、すべて英題で、ほとんどフランスの原題が不明です。
英語題名と邦題はたしかによく似ていますが、訳者は田中早苗なので、たぶんフランス語からの
翻訳だと思います。英題がフランス原題に忠実だったのではないでしょうか?
Thirty Hours with a Corpse
The 10.50 Express「10時50分の急行」←題名からの類推
The Bastard「生さぬ児」←題名からの類推
The Beggar「乞食」←題名からの類推
The Confession
The Debt Collector 「集金係」←題名からの類推
The Empty House "La Maison vide", Le Journal 1909.
Extenuating Circumstances「情状酌量」←題名からの類推
Fascination
The Father「父と子」???←題名からの類推
For Nothing
Illusion
In the Light of the Red Lamp Le Journal 1906.
In the Wheat "Dans les bl市", Le Journal 1904.
The Kiss
The Last Kiss Le Journal 1912.
The Man Who Lay Asleep
The Maniac 「或る精神異常者」
A Mistake
Porisette
The Taint
The Test "Confrontation", Le Journal 1902.
That Scoundrel Miron
Under Chloroform「麻酔剤」???←題名からの類推
Who「誰?」←題名からの類推
今後ともよろしく!!!
ビーストンの「The Pipe」の再録は「EQMM」の1951年7月号ではなく、6月号でした。
小林オーナーさま、桜さま
コメントありがとうございます。原題がひとつしかわからなかったのに、題名を間違えて恥ずかしいです。
森下さま
「ミスダス」の充実楽しみにしております。ご協力はできませんでしたが、個人的にはビーストンの調査が進むといいと願っております。
ポーを別格にすれば、ビーストンはある意味でドイルやヴァン・ダイン以上に日本の探偵小説に影響を与えた探偵作家であると思うのですが、経歴や書誌については、自分自身なにも知らないことに気づき、前に少し調べたことがあります。新潮社の「海外ミステリー事典」にも、九鬼紫郎の「探偵小説百科」にも、乱歩の「海外探偵小説作家と作品」にも触れられておらず、かろうじて中島河太郎の「推理小説展望」にも“経歴不詳”と記されているだけでしたが、わかったこととして、
・L・J・ビーストンと表記されていることが多いが、正確にはLeonard John Beestonである。本名もビーストン(Leonard Johnかは調べがいきとどいていません)。
・生年は1874年で、1963年に死去。
・乱歩の指摘がきっかけとなり、本国版「EQMM」の1951年7月号に「The Pipe」が掲載される。「The Pipe」の初出誌は1924年の「Short Stories Magazine」。以後、1967年までに計5編が再録される。
・社会福祉団体であるキワニスクラブの初期メンバーでもあったアメリカのDelco Light社の社長は義理の弟。
ここまで調べたところで、プライバシーのダークサイドに曳きこまれそうになり、中断しました。社長の名もわかっているのですが、記さなくてもいいですよね。それにしても、Delco Light社ってなんの会社でしょう。
いずれにせよ、本国のイギリスで忘れ去られても、日本においては記憶にとどめておく必要がある作家ではないかと思います。
小舟勝二の「ビーストンの研究」(「探偵趣味」掲載)や中島河太郎の「ビーストン傑作集」(1970年 創土社刊)などを調べてみたら、経歴はともかく書誌情報はもう少しわかるのでしょうか。
ところで、「闇のカーニバル」しか読んでいないので、書き込みを遠慮していたのですが、この掲示板にはどなたもお書きになっておられないので、我慢できず書きこみますが、中薗英助氏が4月9日にお亡くなりになられましたね。中学校時代の師である渡辺啓助氏と間をおかずして逝ってしまったのは、なにか不思議な感じがします。
ご声援をくださった皆さま、ありがとうございます。
特に風々子さま、半分当たりです(笑)
というか、少し前に大ざっぱに企画を立てて放っておいたものが、
風々子さんのサイトを拝見して、あっという間に細部が固まった
のです。改めて御礼を申し上げます。
連休明けの企画会議に向け、明日版元へ行ってプレゼンしてくる
ことになりました。頑張ります。経過はまた報告します。
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