ええと、はじめまして
ハルトマンはDr. Frantz Hartmannです。その主著「生者の埋葬」Buried Alive (1895) は、いわゆる「早すぎた埋葬」の例が700ばかり載っているという素敵な本で、虫太郎「黒死館」や日夏耿之介「吸血妖魅考」にも言及があったかと思います。
ケンプナーについては小酒井不木が「趣味の医学」の中で何か書いてました。
また、乱歩自身にも「早すぎた埋葬」を主題とするエッセイがあったかと思います。
今原本に当たれないので記憶で書いてます。間違いがあったら許してください。
>末永さん
「心の花」の件、そういうことだったのですか。いや驚きです。
当方は翻訳家としても著名な片山廣子 (松村みね子) の調査のため
に同誌を少し調べたことがありまして、久作が短歌を投稿していた
1915(大正 4)年ごろの分も目を通していたはずなのですが、まさか
竹柏園の閨秀歌人と後の猟奇歌の杉山萠圓が同居していたとは…
まったく思いもよりませんでしたし、気がつきませんでした。
でも、異色な組み合わせで面白いですね。こういうことがあるから
古雑誌を読むのは楽しいです。
でもでも、本当に書誌というのは万巻の、ありとあらゆるジャンル
の本を読んでいないとできないのだなぁと痛感されられるエピソー
ドだと思いました。『夢野久作著作集』第 6巻所収の執筆年譜を見
たのですが「よくこそここまで」と涙が出そうになるくらいの捜索
ぶりではないでしょうか。「心の花」の雑報欄もあらかた調べられ
たようですね、今まで沿革が不明だった九州の短歌団体のことがか
なり判明した旨書いておられましたし。
>森下さん
慶應義塾大学推理小説同好会の『宝石作品総目録 付・作家別索引』
には私も助けられました。遺漏や誤植はたしかに目につくのですが
珠瑕というのも気の毒で、なによりそれらを上回ってありがたいこと
には書評の類まで、しかも評者ばかりか取り上げられた本についても
索引化されていることでした。よくぞここまで、と感動しました。
この本は知るかぎりでは神奈川近代文学館に所蔵されています。平井
呈一翁やダンセイニ卿の調査のためにえっちらおっちら自転車こいで
閲覧しに行きました。同館は土日も開館しているので閲覧は比較的楽
なのですが、だからといってみんなが見に行けるわけではないし、と
いって各地のめぼしい図書館に寄贈しまくるってわけにもいかないし
(破産するって)、別冊だけでも森下さんにまとめていただければ皆
すごく助かると思います。『宝石推理小説傑作選』だってけっこうな
古書価ですし。さらに電子データならば検索も柔軟にできます。
ごあいさつが遅れました、森下さんの「ミスダス」には助けられまし
た。ミステリー文学資料館等で大方の雑誌は実物を当たっていたので
すが、どうしても限られた時間内で慌てて見るものですからコラムや
エッセイ等は見落としが多くなります。「ヒッチコックマガジン」に
「二瓶のソース」のパロディが載っていたなんてミスダスがなければ
気がつかないままだったと思います。
森下様:
この小西書店のは探偵文藝叢書5/大正12年ですね。
これならば、ひょっとすると並べて確認できるかも知れませんので
首尾良ければご報告します。
芦辺様、
おっしゃるとおりに、このシリーズには新作の講談が数多くふくまれています。ルパンは出だしが「此度は評判講談全集より特に変り種をとの御注文によって長講いたします」ということから、もしかしたら読み物用に書き下ろしたのかもしれません。それはともかく、このシリーズの巻末広告を見るとあきらかに西洋ものだとおもわれるのは、「ベニスの商人」(一巻)、「モンナバンナ」(三巻)、「復活(カチウシャ)」(五巻)、「モンテ・クリスト伯」(七巻)、「月光の曲」(八巻、たぶんベートーベン)です。ほかにも「怪傑星亨」なんてのもありますが、これはこれとして新しいものでしょう。
■奈良さま
私も原書はおろか翻訳書も持っていないので、他の書誌類の引用になってしまい
ますが。
『新青年』昭和12年2月号の廣川一勝編「邦訳海外長篇探偵小説総目録」に
よると、『空中よりの聲』が小西書店から出たことになっています。
訳者は『無線電話の罪』と同じ。
他に古澤仁編の目録に載ってないものとして、
『カジノの秘密』→『燃ゆる戀』昭和書房 桃井津根雄訳
があります。
おそらく、おなじ版を使用した別本と思いますが、この目録は発行日
が記載されていませんので、これ以上はわかりません。
生半可な知識ですいませんでした。
■中さま
>慶應義塾大学推理小説同好会の『宝石作品総目録 付・作家別索引』には、
>随筆も記載されています。
>もしも可能であるならば、『宝石作品総目録 付・作家別索引』を
>一度ご覧になることが必要かもしれません。
全くその通りです。先行するリストを見ないでこういう作業をやることの
危険性は充分に承知しております。あとから作成したものが、すでに出て
いるものより劣っていては、作成する意味はありませんから。
ということで、誰か閲覧させてくれたら、うれしいんだけど。(笑)
>それから、私のような探偵小説の素人には作品名による索引が不可欠なの
>ですが、これはその索引の利用者をどういった層に想定するかの問題だと
>思います。
著書リストの場合は作品名の索引も必要と思うのですが、雑誌の総目録では
短編・エッセイが中心になりますので、作品名で検索することってあまり
ないと思っていました。わたしがこれまでに見た他のミステリ雑誌総目録でも
作品名の索引はなかったと思います。(これも違っていたらすいません)
>平山さん
ありがとうございます! 実は昭和初年の「キング」だか「講談倶楽部」の広告にルパンものの講談が載っているなと思っていました。ひょっとしたらご指摘のものかもしれません。そういえば、巌窟王の講談もあったような……。講談による改作・再話というのが幅広く行なわれていた時代なのですね。
中様、
お忙しいところすいませんが、各事典のハルトマンの当該部分のコピーをお送りいただけないでしょうか。よろしくおねがいします。
ミュンスターベルヒの本は、一九一五年に寺田精一訳で出た「犯罪心理学」と同じものでしょうか。すいませんが、その英訳本のデータもメールでお教え下さいませんか。
芦辺様、
私も探偵講談には詳しくありませんが、ホームズ関係ものとして、「評判講談全集第九巻(昭和六年、大日本雄弁会講談社)に白雲斉楽山の「怪盗ルパン」という短篇の講談がのっています。内容は「ルパン対ホームズ」です。名前が「堡無須」(ホームズ)、「流安」(ルパン)などとなっていて、けっこう昭和六年にしては古めかしいです。
森下様
>この翻訳は、戦前に出た小西書店版のル・キュー作品と同じものでしょうか?
>訳者の安藤禾村って、安東鶴城と同じ人?
ええっと、これは大正12年?の盛光館版「無線電話の罪」のことでしょうか。
原題はA VOICE FROM VOIDで原本を所持していないので何とも言えませんが、あの終戦時に飜譯が進んでいたとはとても思えませんので譯者も内容も同じだとは思いますが…。
小西書店版の刊年はいつでタイトルはどうでしょう?
販売代理店と思いますが。この書店では「処女と妖僧=怪教の秘密」というのを出していますね。
古澤仁編の目録によれば戦前の飜譯作品は
「放浪者の手記」「密偵の告白」「カシノの秘密」「ピムリコの博士」
「暗號の骨牌」「誘惑の日」「怪教の秘密」「邪悪の家」「覆面」「毒蜘蛛の眼」
「妖姫」「青衣の乙女」「黒い影」「悪の巷」「希代の結婚魔」「露国革命まで」
となっていますが。
風々子さん、H書房では、一度もアタリになりません。ここ、3年あまり。ミステリの購読者がふえたので(店主の言)、なかなかめぐってきませんが、これも運ですから。 それにしても、21分の1、とはすばらしい。私は、そのときには、他のもので2分の1でした。
しかし、ある同人誌のひとから譲られることもあり、こちらはうれしいです。
「探偵趣味」18号、昭和30年3月25日印刷。ここには、
「古本屋気質」という署名Mの記事。
『海野十三メモリアル・ブック』に掲載された、「高尾書店」の記事と関連があるような気がします。上の記事は、「1954年度の高尾書店の古書目録」からの転載。
そこには、海野さんの奥さん、横溝さんとのやりとり、などが店主の目から書かれていました。ブック掲載記事を補填しています。
貴重な資料でしょうか。
末永さん、明日、葉書でご連絡します。ぜひ、お譲りください。ありがとうございます。
■森下祐行様
慶應義塾大学推理小説同好会の『宝石作品総目録 付・作家別索引』には、随筆も記載されています。ただしコラムの類は割愛されているようで、巻頭の凡例には「本書はコラムの内容には余り重点を置いていない。又随筆もミステリに余り関係のないと思われるものは省いた」と記されています。
しかしだからといって、つまり同書に随筆がおおむね記載されているからといって、これから森下さんが新たに目録を作成されることの意義はいささかも減ずることがないと思います。名のみ伝え聞くだけで手には取れない目録なんて、何の役にも立ちません。
しかしもしも可能であるならば、『宝石作品総目録 付・作家別索引』を一度ご覧になることが必要かもしれません。やはり参考にはなるはずですし、これよりいいものをつくってやるんだい、という励みにもなると思います。
それから、私のような探偵小説の素人には作品名による索引が不可欠なのですが、これはその索引の利用者をどういった層に想定するかの問題だと思います。
期待しております。
■平山雄一様
乱歩はドイツ語には堪能ではなかったと思われます。フロイト(1856−1939)の著作も、邦訳が出るのを待って読んでいます。ミュンスターベルヒ(1863−1916)はどうだったかというと、「D坂の殺人事件」で明智小五郎はたしかに『心理学と犯罪』を「古ぼけた洋書」で読んでいますが、これはたぶん英訳書でしょう。試みにインターネットを検索してみたところ、『Psychology and Crime』が1911年にロンドンで刊行されていたらしいことがわかりました。
さて、「パノラマ島奇談」のハルトマンが果たしてニコライ・ハルトマン(1882−1950)なのかどうか、やはりよくわかりません。ニコライ・フセヴォロドヴィチ・スタヴローギン(1993− )なら、うちの犬なのですが。
平凡社の『哲学事典』によれば、ニコライ・ハルトマンの邦訳は昭和17年の『存在論の基礎附け』を嚆矢とするようで、もしも乱歩がニコライ・ハルトマンを読んでいたとしたら、ドイツ語の原書か英訳本によるしかなかったでしょう。フロイトの例からも知れるとおり、その可能性は低いようですが。
ただし「パノラマ島奇談」の場合、乱歩にはあの三人の著作を直接読んでいる必要はありませんでした。彼らが「死に関する書物」を著していたことさえ弁えていれば、人見広介の教養の体系を肉づけするために三人の名前を利用することはいくらだって可能だったはずです。
●肩の上の気味の悪い人の顔
について、何かご存じの方はいらっしゃるでしょうか。
ある方から、乱歩の作品に「肩の上に気味の悪い人の顔が出来て……」といったような話があるらしいのだが、それは何か、というお問い合わせをいただきました。わかりませんでした。谷崎の「人面疽」めいた話なのかとも思われますが、乱歩作品にそんなのは存在しないのではないでしょうか。乱歩作品であろうとなかろうと、とにかく「肩の上の気味の悪い人の顔」が出てくる小説をご存じの方、お手数ですがお知らせください。
いま思いついたのですが、瀬下耽の「柘榴病」には人面疽が出てきたのではなかったかしらん。いや別に、人面疽の話だと限ったわけではないのですが。
>皆々様
旭堂南湖さんがお尋ねの「探偵講談」について、何か僕も急に知りたくなってきましたが、何かご存じよりの件や参考資料はありませんか?
せいぜい乱歩が“明治の指紋小説”として紹介した快楽亭ブラックの「幻燈」(あれは落語か?)とか伊藤秀雄氏の『明治の探偵小説』ぐらしいしか思い当たりませんが。ここはぜひ諸賢の知識を拝借したいところです。
涙香ものとか講座にかけてられそうな気もしますが……。あ、それと「幻燈」ってどこかに翻刻されてました?
桜さま
H書房の「水平線の男」、21分の1の当選者は私です(^^)
でもその他のミステリ関係の注文結果は低調でした。
こんな注文殺到の状況では、1冊でも当たったことを喜ぶべきでしょうね。
この店は以前ちょっとしたわがままをきいてもらったことがあり、
以来贔屓にしています。
昨日は久しぶりに若山三郎先生にお目にかかって、いろいろお話を伺いました。『貸本小説』をお読みいただき、ご意見や新情報をいただきました。
ホントに狭い業界、というか、人間というものはどこでどうつながりがあるかわかりません。当時の編集者でご存命の方を何人か紹介していただきました。
野村敏雄さんは、今年「長谷川伸賞」を受賞されたそうです。>中様。
桜様。
『さんどりあ』という雑誌は、実は私が作っています(制作のみ)。
「橘外男の満州物考察」とは、中央書院の『橘外男ワンダーランド』の続満州編(「皇帝溥儀」などを収録予定)の解説として書かれていたもので、同シリーズが中絶したためにオクラ入りしていたものを改めて発表したものです。
ほかには長谷川卓也氏の食味エッセイなどが掲載されています。
在庫は私がお預かりしており、販売もしていますので、ご一報いただければすぐにお送りできます。
中様、
ハルトマン、有望かと思います。四十代半ばならすでに本をだしていても不思議ではありません。しかし邦訳がでていたかというと判りませんが…。乱歩は英語は上手だったようですが、フランス語、ドイツ語はよめたのでしょうか。ブーシェなんかどうみてもフランス人という感じですが、いくらさがしてみてもロココの画家しか出てきません。
森下さん、中さん、失礼しました。交錯して、皆様、読みにくいかもしれませんが、申し訳ありません。
古書店にて入手。現代教養文庫「探偵小説の「謎」」江戸川乱歩、カバなし、昭和31年8月15日発行、には、紙がはられて、8、とされていました。その下の数字は、何でしょうか、気になりました。
桜さま
わたしの発言も、桜様の発言を読まずに書き込んだものです。
中さま
>「宝石」の目録としては、『宝石推理小説傑作選3』所収のもの以外に、
>慶應義塾大学推理小説同好会が「推理小説論叢」第三十七輯として1973年
>3月に発行した『宝石作品総目録 付・作家別索引』(慶應義塾大学推理小
>説同好会編、SRの会協賛)があります。
これ、知ってはいるのですが、未見なんです。でも、もう手に入らないし、
持っている人に聞いた話だと、エッセイ類は索引に入ってないとのこと。
だから、エッセイ類を含めての作業なら新たに作成する意味もあるかと。
>残念ながら作品名の索引はありません。期待しております。
基本的に、雑誌の場合、総目次と作家別索引があればいいと思っています。
作品名での索引があるにこしたことはありませんが、経験からいえば、
作家名が不明で作品名で探す場合って、ほとんどないんじゃないですかね。
わたしの場合、翻訳作品をおもに確認したいので、原題はつけたいと思って
いますが。それも、原題での索引はいまのところ考えていません。
奈良さま
>「空中よりの聲」 昭和二十年八月三十日(印刷昭和二十年八月二十日!)
> 文園社 364頁 定價二十五圓
> ウエリヤム・キュ− 安藤禾村編著
この翻訳は、戦前に出た小西書店版のル・キュー作品と同じものですしょうか?
訳者の安藤禾村って、安東鶴城と同じ人?
私が書き込み中に、中さんのが先に出てしまいました。森下さん、私があげた「宝石」についてのコメントは、さらにくわしく、中さんが書かれていますので、よろしく。
H書房の、記事から。
「水平線の男」21名、「屍の記録」15名、「魔人」10名、「死刑台へどうぞ」9名、「シナの鸚鵡」7名、「ナイン・テーラーズ」6名
のように、注文殺到書と人数が書かれています。
これらには、私は出していませんが、他のものにだしても、ここではアタリ、ということがありません。
奈良さん、風々子さん、ありがとうございます。それぞれ書かれておられますように、
さらに古い探偵小説(翻訳)があつたのですね。 さらに、あるのでしょうか。しかし、限りなく、ちかいですね、八月二十日印刷ですから。
いままでに、これらがとりあげられなかったので、注目していました。山前譲さんの「日本ミステリーの100年」には、昭和二十一年の7月、雄鶏社「推理小説叢書」が年表では取り上げられていますが、「戦後最初の探偵小説」の視点からではないですね。
「さんどりあ 1号」には、「橘外男の満州物考察」山下武、は掲載されているようです、「日本古書通信」9月号より。
「参土会」(と関係があるのでしょうか)会員のみ、入手できるのでしょうか。
森下さん、ご存知のように、「宝石掲載作品総目録」からは、ラフに、見られますので、私はそれを参考にしています。
■末永昭二様
私、きょうもきょうとて地方の方です。
同じく地方の方でいらっしゃるこしぬまさんが○○郡○○町でご高著を購入されました由拝読し、え、名張市の新刊流通事情は○○郡にも劣るのか、と憤りながら名張市瀬古口の別所書店名張西店を覗いてみましたところ、『貸本小説』が一冊だけですが堂々入荷しておりました。索引を手がかりに乱歩に関する記述をぱらぱら確認し、それから野村敏雄の生歿年がわかるかなと思って野村敏雄の章を眺めてみたのですが、なんと野村敏雄さんは現役作家でいらっしゃるのかとびっくりしてしまいました。野村さんの章には名張のことまでお書きいただいてあり、名張市民の一人としてたいへん嬉しく思います。これからゆっくり拝読します。
売れ行きすこぶる好調とのことで、まさにご同慶の至り、わがことのように喜んでおります。印税が入ったらぱあーっとやりましょうぱあーっとぉ。
■平山雄一様
お尋ねの三人の正体、手許の辞書にあたってみたのですが、さっぱりわかりません。ただひとつ、平凡社の『西洋思想大事典』の索引に、
ハルトマン,N.[死と不死]
という、関係がないでもなさそうな項目が見つかりましたので、項目「死と不死」の「4.哲学者と死」から当該箇所を引用してみます。現代の哲学者の大半が死の問題を扱おうとしない、といったことが記されたところなのですが、
《典型的なのは、「自らを責めさいなむ形而上学者」だけが死について随想し、不死について推測するのに時間を費やす、というドイツの哲学者ニコライ・ハルトマンの言葉である。》
とあります。このハルトマンは、『岩波哲学・思想事典』によれば「1882−1950 ドイツの哲学者。認識論から存在論へという20世紀初めの哲学界における潮流形成者の1人」とのことで、大正15年当時には四十代なかばだったという年齢から考えても、「パノラマ島奇談」には関係がないのではないかと思われますが、念のためにお知らせ申しあげます。「パノラマ島奇談」の文脈からは、あの三人が死に関して哲学的あるいは神秘学的な考察をめぐらせた人物であるというよりは、もっと即物的に死について語った人たちであったようにも推測される次第ですが、ともかくまるでわかりません。乱歩の蔵書目録の公開が待たれます。
■森下祐行様
「宝石」の目録としては、『宝石推理小説傑作選3』所収のもの以外に、慶應義塾大学推理小説同好会が「推理小説論叢」第三十七輯として1973年3月に発行した『宝石作品総目録 付・作家別索引』(慶應義塾大学推理小説同好会編、SRの会協賛)があります。B6判、三百六十八ページの大冊で、「宝石」の本誌と別冊それぞれの目録と作家別索引が収録されているのですが、残念ながら作品名の索引はありません。期待しております。
過日こちらで話題になった『凱旋門』の映画化版(リュイス・マイルストン監督、シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン主演)が、ついさっき大阪のABCテレビにて始まりました。
あ……
内容がかぶってしまいました
(^^;;;
桜さま
先日こんな本を入手しました。
「探偵小説 空中よりの声」(「声」は旧字)
ウエリヤム・キュー 作
安東未村 編著
文園社
昭和二十年八月二十日印刷
昭和二十年八月三十日発行
手にした時には、奥付の日付が面白いなあ
と、ちらりと思ってそれっきりでした。
桜さんの書き込みを見て、
なるほど「戦後初の○○」という視点もあるなと思い至り、
話の種に書いてみます。
手元で判る限りでは
「空中よりの聲」 昭和二十年八月三十日(印刷昭和二十年八月二十日!)
文園社 364頁 定價二十五圓
ウエリヤム・キュ− 安藤禾村編著
「恐怖の假面」 昭和二十年九月二十日(印刷昭和二十年九月十日)
文園社 372頁 定價二十五圓
ア−サ−・リ−ヴ
譯者名は表紙は杉山勇次ですが奥付は松山勇次
「最後に笑うもの」 昭和二十一年二月一日(印刷昭和二十一年一月二十日)
共和出版社 94頁 定價金四圓
ボワロ/チャ−タリス/オリヴァの3短篇収録 水谷 準譯
「いたづら時計」 昭和二十一年六月五日(印刷昭和二十一年六月一日)
共和出版社 63頁 定價金参圓
セイヤ−ズの3短篇を収録 黒沼 健譯
昭和二十一年からはポオやシムノンをはじめとしてかなり多くの邦訳が出ていますね。
金光さま
>「『宝石』総目録」(『宝石推理小説傑作選3』所収, いんなあとりっぷ社) は
>索引ほしかったと思いましたね。もっともこれくらいの件数ならば自作できなく
>もありませんし、そもそも無くてもなんとかなりますが。
わたしも、『宝石』の索引が欲しいと思い、別冊だけはほぼ完了させました。
本誌の251冊は自分で持っているのがほとんどないので、ちょっとしんどいけど
やってみようかと思っています。
ても、図書館で全巻確認するのは気が重い……。
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