末永さん、桜さん、須川さん、岩堀さん、1年最後のご挨拶をいただき、ありがとうございます。
この一年間、「小林文庫」を訪れていただいた皆様、ゲストブックに書き込んでいただいた皆様、大変ありがとうございました。
たまたま、今日トップページのカウンタが、36万を越えました。
ここまで、来る事ができたのも、皆様のおかげです。
あらためて、感謝いたします。
この1年間も、沢山の事を教えていただき、楽しい時を過すことができました。
大阪圭吉の傑作選が出版され、評価が高かった事も、忘れる事のできない出来事です。
今年は、仕事の忙しさと、体力の低下(男の更年期障害か?:笑)により、ゲストブックに書き込んでいただいた皆さんには、ほとんど応対が出来ず、申し訳ありませんでした。
来年は、少しは復帰し、皆さんの話題にも、入って行きたいと思っています。
来年もまた、よろしくお願いいたします。
桜さん
> タカハシさん、やはり、収集するしかないように思われますね。
耳が痛いです。(汗)
タカハシさんの『海底諜報局』に関するご質問など、積み残した宿題には、来年ご返事します。
ちょっと、猶予を下さい。
今年の初めに、一週間に一度はゲストブックに書きこみたい
と書きこみましたが、須川さんおっしゃるようにハイレベル
(濃密な)の話題多くてキチンキチンと毎週書き込みとは
いかなかったような気がします。でも湘南オフ会など、オー
ナー始め皆様の参化で楽しくやる事が出来ましたし、世間は
大変な年でしたが、ゲストブックでは楽しい一年でした。
来年は自由時間が増える筈ですし、週一レベルは達成したいと
思います。
皆様、尚一層よろしくお願い致します。
オーナー&他のみなさん
最近のレベルについてゆけず
脱落気味なのですが、1年間
楽しませていただきました。
一年間に、私のところにきた古書目録をかぞえてみますと、12月が四十三点になり、313点となりました。
「日本古書通信」では、350点でしたので、あらためて、それを確認しますと、約80数点はきていませんでした。おそらく、400点はあるように思われます。この時代、昨年よりも、紙の目録は多いです。
『探偵実話殺人事件』喜久地 寒
という昭和二四年刊行の本、入手。きくち かん、と読むようです。「序」には、三角 寛の文章があります。
小林さん、今年もお世話になりました。よいお年を。
葉山さん、ある雑誌を入手しました。
藤岡真さんについては、創元推理文庫『ゲッベルスの贈り物』の解説(千街晶之)からの情報しか私は知りません。
しかし、以下のことは、葉山さんはご存知かもしれませんが。
・「日本変倶楽部 第四号」平成八年三月
・執筆者には、「藤岡真」さん、ミステリの短編、「破動拳」
・経歴などは、さきの解説に合致
ということがわかりました。上の、1、2については、あたらしい情報と思われます。なお、逢坂剛氏へのコメントもありました。
おそらく、創元推理文庫の作者と同一だ、と思います。
タカハシさん、やはり、収集するしかないように思われますね。
桜様
遅くなってすみません。ご教示どうもありがとうございました。これはやはり初版かもしれませんね。
古書展で、このところ、収集している分野のもの、2冊、手にいれる。
「人魚の結婚」阪田英一
「ベルギーの女」楢橋渡
いずれも、昭和二十年代のカストリ小説。そのほかに、新典社の、岡田鯱彦、光文社の高城高、各一冊。
後者の「ベルギーの女」、これは作者が怪しくて、研究の価値がありそうでした。
「戦線文庫」二冊、入手。ひとつには、大坂圭吉「ガダル島総反撃」、と、目次で。総攻撃は、本文で。大坂、とされていました。
小林さんは、確認済でした。
もうひとつは、七六号、昭和二十年二月、海野十三が司会(?)で、座談会。
「ロマンス」、飛び飛びながら確認しますと、こちらは、五十冊あまりありそうですね、創刊が昭和二一年六月。
宮澤さん、中井英夫全集、まだ完結していないのですね。購入していますが、完結してほしいです。
末永さん、彷書月刊、渾身の、那珂良二篇、来月号のインタビュが楽しみです。
今日から年末年始の間、ネットのつながらないところで過ごしますので、これが今年最後の書き込みです。
オーナー様をはじめ皆さまには大変お世話になりました。
来年もよろしくお願いいたします。
では、よいお年をお迎えください。
金光さん
貴重な情報、ありがとうございました。さすが、プランゲ文庫ですね。こ
れでシムノン書誌は、現時点ではもっとも完璧に近いものになりました。
G7物の中編集の収録作がすべて翻訳されていることが判明したり、メグレ
がちょい役で出てくる『死せるギャレ氏』以前の長編があったりと、なかな
か新発見があって、(のべ五十時間以上を費やしましたが)エキサイティン
グな書誌作りでした。あとはスケジュールどおり、来年の晩秋に出せればよ
いのですが。
森さん
「ロマンス」1946年12月号(第1巻第7号, ロマンス社)はプランゲ文庫に所蔵されていました。
邦題「百萬長者と老刑事」、中野 榮訳、探偵アリ・ベイ老、挿絵般若 寧、角書"名作探偵小説"、
p32-39、総64頁定価6円でした。
それから、それから、「阿呆宮一千一夜譚」が本になっていたとは気がつきませんでした。
願ってもいない情報で、こちらも当ってみました。
『阿呆宮一千一夜譚』 1939.2.28 八紘社/淡海堂書店 375頁 \1.60 130x185
『阿呆宮一千一夜譚』 1953.8.20 数寄屋書房 237頁 \220 125x180
※中表紙は「あほうきゆういつせんいちやものがたり」
『阿呆宮一千一夜』 1956.9.1 東方社[東方新書] 238頁 \120 108x175
つごうこの三冊で、八紘社版と戦後の数寄屋書房・東方社版は (ざっと見たところ)収録内容が
異なっているようです。数寄屋と東方は同内容みたいですが。
雑誌掲載時には併載で翻訳コントなどありましたので、もしかして単行本にもダンセイニ「牝鶏」
(1929年3月号掲載) が収録されているかもしれないと思いましたが、思っただけに終り
ました。もちろん「無い」ということが「確認」できたのは重要な事であります。
いまちょっと時間がなくて、追ってまた少し書きたいと思います。
>岩堀さん、桜さん
風太郎と英夫の日記の読み較べは前から一度やってみたかったんです。以前こちらの掲示板で岩堀さんが『戦中派不戦日記』の話題を出されたときからです。
岩堀さんが『虚無への供物』以外のものを未読とは意外でした。中井英夫と塔晶夫は全くの別人と割り切って読むのも一興かと思います。
創元ライブラリの中井英夫全集は売れていないために続刊が後回しにされているそうなので、折に触れ思い入れを語って少しでも読者を増やしていきたいと思っています。
大月恒志著『牢獄記』昭和二一年、入手。あの『赤龍館殺人事件』昭和二二年
よりもまえの作品でした。
あるとは、知りませんでした。
中には、橘外男さんと似たような同じ経歴がかかれていて、驚愕。
しばしば、「トップ」編集長、とされていますが、執筆者のようです。
岩堀さん、角川文庫の二冊、ライブラリーが印象にのこりました。田中潤司さんには、さらに何かのこしてほしいですね。
本年度のマイベスト(?)テンです。
私が今年読んだものの中で印象に残ったものということで、必ずしもベストという
意味ではありません。一昨年も書き込みましたが、去年は作りそこなって、2年ぶり
です。
新・本格推理01 二階堂黎人編 光文社文庫 (新刊)
待望の第1巻です。「本格推理」より収録数は減っていますが、その分、1つの
作品のページ数が増えていてどの作品も読み応えありました。「本格推理」15巻は
全巻購入・全作読破したので、「新・本格…」も全巻…と思っていますが、1年1巻で
15巻となると15年、その前に自分ががサプライズ・エンディングを迎えるのでは
ないかと心配です。
消失! 中西智明 講談社文庫
是非読みたかったのですが、なかなか入手出来ず、4月のミスコン交換コーナーで
幸運にも入手、期待通りの面白さ!なんとかアンフェアな記述を見つけてやろうと
再読、三読しましたが、憎らしいくらい巧妙にかかれていて全面降伏…、参りました。
人狼城の恐怖(全4部作) 二階堂黎人 講談社ノベルス
二階堂さんの作品は、「地獄の奇術師」「吸血の家」「聖アウスラ修道院の惨劇」と読ん
でいますが、今回の「人狼城…」が一番面白かったです。夏休みの4日間で一気読み
したのが良かったと思いますが、作者の意図に沿った読み方かどうかは別問題でしょう。
翔んでる警視 胡桃沢耕史 双葉文庫
プレミスコンの名探偵対決で、やよいさんが「岩崎白昼夢」警視を推しておられたので
読んでみました。正直言って、それまでは胡桃沢耕史なんて・…と思っていたのですが
結構面白く読めました。それにしても、ところどころで、シミショウ的なものを感じて
しまう私の心は不純なのでしょうか?
A:有栖川有栖の本格・ミステリ・ライブラリー 角川文庫 (新刊)
B:北村 薫の本格・ミステリ・ライブラリー 同 上
Aを読んでいるとB収録の某作品を読んでみて…とあり、Bには又A収録の某作品名が
出てくる…といわけで両方そろえなければいかんという、なんというか商法としてもう
まいですね。珍品、奇作が満載で楽しかったです。今年の「このミス」のバカミスコー
ナーでも、「本格」を「バカ」と置きかえて読むべしと紹介されていますが、あながち的
外れでもありません。
海鰻荘奇談 香山 滋 大衆文学館(講談社)
香山 滋は、「キキモラ」くらいしか読んでいなくてじっくりと読んだのは始めて…。
圧倒されました、特に表題作などには…。「ゴジラ」の原作者などという紹介はわきへ
置くべきでしょう。
幽霊紳士 柴田錬三郎 東京文芸社
柴錬のミステリは初めてでしたが、うまいですねえ。人まねではない、独特のスタ
イルに感服しました。もっと長生きして書いて欲しかったと思います。もともと短編
がうまい作家ではありましたね。柴錬立川文庫なども完読したくなりました。
半七捕物帳 (全6巻) 岡本綺堂 光文社時代小説文庫
学生時代に、講座担当の教授が「江戸時代の雰囲気が実によく出ている」とほめて
いましたが、本当に江戸情緒を堪能しました。半七親分が重要参考人と都合よく出
会う場面がしばしば出てきたりしてミステリーとしてはやや不満はありますが、それ
を補って余りあると思います。
豚と薔薇 司馬遼太郎 東方社
ミステリーとしてはどうという事はないですが、司馬遼太郎の作品という事での珍品。
本欄で一時期盛り上がった探偵論の引き金となった本(金光寛峯さん書き込み、本書
も金光さんより入手しました)ですね。題名の「豚」はともかく、「薔薇」は意味不明
です。
密室の妻 島 久平 東都ミステリー
本作のメイントリックは乱歩のトリック集成にも採られているという話を聞いて以来
40年近くも読みたいと思っていたものです。読めてスッキリはしたけれど、何といい
ますか、若い頃に遠くから憧れていた女性と何十年ぶりに会ってお話をしたが、憧れ
のままでいた方が幸せだったかも…という心境です。
ひさしぶりに、金鈴社発行の、『ぼんくら与力捕物帖』山手樹一郎、昭和二二年、入手。
検印には、金鈴社、とある。
山手、ではなく、また、価格も、あとから、のり付け。
このところ、捕物帖の入手が多いような気がします。
オーナー様
724は変な書きこみになってしまいました。削除お願いします。
宮澤様
レス遅くなりました。山田風太郎「戦中派不戦日記」、中井英夫「彼方より」「黒鳥館
戦後日記」の読み比べ拝読致しました。桜さんも書かれていますが、別々に読むの
とは又別の面白さが出てきますね。私は「虚無への供物」の塔晶夫というイメージを
大事にしたくて、中井英夫の物は全く未読ですが、宮澤さんの感想拝読して、日記は
読みたくなってきました。「戦中派…」では、やはり私も、大空襲の焼け跡で二人の
女性が、「そのうち又いいことがあるよ…」と話していた場面と、それを書き残した
山田青年の豊かな感受性に感動を覚えました(←どうも拙い表現で我ながらもどか
しいのですが)。
それにしても、こういう感想をきちっとまとめる宮澤さんの読書姿勢にはただ感服…、
のんべんだらりと読んでいるわが身に忸怩たる思いです。
末永さん、「GORO作家クラブ」情報、参考になります。「豪朗」とは、その意味を本で拝見します。
一郎、次郎、・・・、海音寺潮五郎の、「五つの郎」かな、とぼんやり考えていました。そうではなく、「豪朗」とは。
大塚さん、なじみのない本ですが、奥が深そうな本ですね。
もぐらもちさん、「実話講談の泉」、まさしく、大倉さんの主戦場ですね、この「実話講談の泉」では、手持ちの最初のものは、昭和二三年十一月二五日印刷で、昭和二四年一月一日発行の、2巻1号です。
果たして、それよりも前に、あるのでしょうか。
飛び飛びながら、号数を信じて、勘定をしてみますと、2巻1号からですが、
四一冊は、5巻3号までですが、あるような感じです。
それにしても、昭和二七年までもあるとは知りませんでした。
大倉さんの作品、確かに、「新吉捕物控」のひとつです。
桜様
「実話講談の泉」、国会図書館所蔵分はチェックしていたのですが、
昭和27年3月号は所蔵されておらず未見でした。大倉作品発見、
非常に嬉しいです。早速HPのリストにも反映させて頂きたいと思います。
タイトルの感じからすると、新吉捕物帖の一編かなあ。この雑誌は大倉の
主戦場の一つなので、私も気合いを入れ直して探す事にします。
情報、ありがとうございました。
最近の風太郎追悼本ラッシュの中でも、名前が挙がっている掲題の原作映画ですが、今、CSのVシネパラダイスで放映中です。
PS.先日は高い敷居をますます高くしてしまったようですが、更に補足を加えておきます。
プルーストをメタフィクションとして論じた本として、土田知則「プルースト 反転するトポス」(新曜社)があり、この本の中で日本のメタフィクションの例として竹本健治が挙げられています。土田氏による竹本健治の具体的な分析は、最近出た入門書である「現代文学理論のプラクティス」(新曜社)の中で行われています。
ずいぶんお久しぶりです。
昨日でやっと年内の本業が片づきました。今日から副業(?)の原稿書きです。
古本も新刊(喜国さんのご著書も無事入手)も買っていたのですが、全然読む時間がなかったので、ここに書くことがなかったような次第です。
桜さま。
「GORO」は「豪朗」のことでしょう。ローマ字表記は初めて見ましたが、そういう団体があったことは、『大衆文芸』誌だったかで見たことがあります。
「豪朗(ゴロワズリー)」については、拙著の宮本幹也のところで少々触れていますので、ご覧ください。どういう文学理念なのか、いまいちよくわからないのですが。
いくつか、古書を入手しています。
どのくらいまで発行されていたのでしょうか、雑誌「実話講談の泉」。
昭和二十七年二月号、三月号入手。
二月号には、久生十蘭の、平賀源内捕物帖が再録。
三月号では、楠田匡介「三味線草紙」
大倉火華子「装束檜の白狐」
などがあります。「推理小説研究 11」には、いずれも掲載されていないようです。
もぐらもちさんのHPを見ても、大倉さんのもないようです。
GORO(ゴーロー、とルビ)作家クラブ提携、とかかれていましたが、これは何のクラブなのでしょうか。捕物作家クラブ、とはことなるように思われます。
宮澤さん、二冊の読み比べ、読書のひとつの方法ですね、私もこころみたい、と思います。
日記にはひきつけられます。
宮澤さんが書かれた件、成田さんのところで知り、購入しました。この情報がないと、知り得ないことでした。これは、あまり流布していないようですね。
宮澤さんや成田さんのところには、いつも訪問し、拝見しています。ありがたく拝読しています。
「朱夏」10周年記念特大号、第16号、2001、12。
「南方」の文献には、こころ動かされました。
「秋田分科会からのお知らせ」が来ました。来年には、「横溝本」の、第4弾がでるようです。資料も同封されていました。
>岩堀さん、桜さん
ちょうど自分の頁に山田風太郎『戦中派不戦日記』と中井英夫『彼方より』『黒鳥館戦後日記』の読み較べ感想をUPしたところです。中井の命日の前から読んでいたのに随分とかかってしまいました。
風太郎と言えば、成田さんの掲示板によると光文社文庫『十三角関係』ニ刷から「帰去来殺人事件」が削除されたそうです。とんでもないことです。
今、富士見ミステリーの「天知未来がいる街」普及運動をしております。
とても、心にグサっとくるのでオススメです。
http://red-universe.com/dragon-za4/factory/amati/amati_main.html
厚い、と思いながら、宅急便の小包をあけますと、五冊の古書目録がはいっていました。
すべて、先着順でしたので、探していたものを入手。ここ、二、三年では、こんな経験はありませんでした。
送り主は、北海道の古書店。そこにあるのは、その目録以外には、長野が一冊、埼玉が一冊、東京が二冊。どれも、あらかじめ見た形跡がありませんが、これは不思議です。
北海道の古書店に送られたのを、わざわざ、こちらにおくっていただいたのでしょうか、真相は不明です。
目録から入手したのは、他の店からのものです。感謝の気持で一杯です。
他の店でしたが、郵便番号を電話でいいますと、すぐに、名前が言われて、電話番号などが確認されます。ちなみに、それ以前に、何を購入したのか、わかるようでした。そういう状況になりつつあるのでしょうか。
岩堀さん、再読したくなりますね、新刊本ででても、購入するようにしています。雑誌で出た、二冊も、購入しています。
読書好きな大学一年です。
最近、書店ではタリバンとハリポタばかりが目に付きますね。
ここは色んな小説の話が出ていて、楽しく拝見させていただきました。
膨大な書籍の中から、自分にピッタリの本を見つけるのは難しいですが、
参考にさせていただきます。
わたしは藤木稟先生の作品が好きで、この間「crook」を読みました。
怒りと諦めのようなものが漂っている不思議な世界で、共感が持てました。
桜様
私も、山田風太郎の全著作の中で普遍的に読まれて後世まで
残る(残るべき)ものは「戦中派不戦日記」だと思います。
先の大戦中の稀有な記録としても、永井荷風の「断腸亭日乗」
と並ぶものでしょう。
氷川、という名前に惹かれて、氷川肇の、あまとりあ社系の本を入手。
原比露志の別名義でした。それにしても、多くあります。
別の本を読むと、住んだ場所にちなんで、名義を作成したようでした。四谷左門というのもありました。
乾信一郎さんでは、「「新青年」の頃」という本を読んで、刺激をうけました。
東方社から出ていた乾信一郎の『阿呆宮千夜一夜』というタイトルの本が
ずっと気になっていたのですが、先日、ようやく入手できました。同社から
出ているこの作家のほかの本とはちがって、新書版でした。
想像していたとおり、戦前の『新青年』に連載していたユーモア・コント
を部分的に再録したものでした。
その作家のベストテンを決める基準がふらついて決められないのが私の性格でしょうか、山田さんのを岩堀さんがあげられていますが、
「戦中派不戦日記」
の文庫版をあげたいですね。
大塚さん、『本棚探偵の冒険』入手されましたか、紐もありますので、完璧な装丁です。帯にいる猫も気になります。
「犯罪小説集」武野藤助、昭和22、「謎の大密林」日下恭介、昭和23
「覆面の魔人」久我恭平、昭和23、「小平義雄の告白」佐山、昭和22
などを入手。この頃の小説、まだまだ二十冊ほどを探求中です。集まりません。
やっと、見つかりました。古本よりも探すのが難しく、値段も高かった。でも、皆さんのお顔が拝見できてよかったです。
それから、プルーストの「失われたときを求めて」の完読者に私もカウントしておいてください。(304ページ)
ついでに付け加えておきますと、綾辻さんの「どんどん橋落ちた」の「サザエさん」のプロットは「失われたときを求めて」のパクリです。つまり、何であんなに長いかというと、第一次世界大戦で空襲が始まったとき=上流階級の没落とともにこの小説が書き始められているわけで、長い長い時間の停止したような過去の回想と、最後の1巻で空襲とともに時間が流れ始め、一気に年をとっていく主人公たちが描かれているわけです。世界最長の叙述トリックといってもいいかもしれません。
下の書きこみ(No.706)での「くの一忍法帖」は「くノ一忍法帖」
の間違いでした。このミスはどうでもいいミスではなく大ミスです。
「の」では意味がないですからね。すみません。最近、こういうミスが
多いなあ…。他人のミスはわかるのに自分のミスはわからない…。
世の中でどういう新刊本が話題になっているかなあという興味で
今年も「このミステリーが凄い!」を買いました。内外のベストテン
表はいつもの感じですが、今年は追悼企画「山田風太郎ベスト」が
嬉しかったです。著名人がベスト(最も好きな)6を選んでいるのですが、
総計30作品が挙げられています。単純に登場回数の多い作品を挙げ
ると以下の通りです。
1位 甲賀忍法帖
2位 幻燈辻馬車
3位 魔界転生、明治断頭台、人間臨終図巻
6位 妖異金瓶梅、警視庁草紙、誰にもできる殺人、戦中派不戦日記、
風来忍法帖
偶然にも、ベストテンという具合になりましたが、もちろんこの外にも
「くの一忍法帖」「厨子家の悪霊」「黒衣の聖母」をトップに書いた方も
います。ただ30作品の中に、「十三角関係」が入っていないのが私としては
意外な気もしますが、どなたかが言っているように、順位などつけられない、
明日になれば別の作品を選ぶかもしれない…というのは尤もな意見でしょう。
久世光彦さんのコメントで、「…遼太郎は、死んで時代の光を遺し、風太郎は、
その墨絵のような影を遺した。」というのは至言だと思います。
どーも、自然先紀(じねん・さきのり)と申します。
ちょくちょく拝見させて頂いておりました。
いい加減歳食ってますので、話題の古さは気になりません(ぷっ)。
お宝は、『赤毛のレッドメーン』イーデン・フィルポッツ(大岡昇平訳、世界推理小説全集十一巻、昭和31年9月5日初版、東京創元社、検印アリ)ってトコですか。(何と古本屋で百円で購入)
推理クイズ「自転車に乗った男」の冤罪を晴らすべく暗躍中でもあります。
先日、自サイトで連載していた長編推理小説をようやく完結しました(全7回)。ひ〜。お暇なときにのぞいてみたってくださいね。
でわ、今後ともよろしく!
徳島の小西昌幸です。
前にご報告した徳島県山城町の子なきじじい石像の件ですが、
私の職場の広報紙「創世ホール通信」12月号に書きました。
当該文章は「北島町」のホームページの「文化ジャーナル」12月号で読めます。
下記へリンクしてください。
http://www.infoeddy.ne.jp/kitajima/hole/bunka/12.html
子なきじじい石像は、京極夏彦氏がカンパを寄せ碑文の題字を書くなど、
建立に深く関わっておりますので、ファンの皆さんは要チェックです。
西村京太郎著『焦げた密室』幻冬社ノベルス、2001.12。
あとがきによれば、
江戸川乱歩賞への応募は、7、8編、
とされているので、「日本ミステリー事典」をみると、第3回(1957)が、『二つの鍵』二次予選
で、最初のようです。受賞が、第11回(1965)ですので、これをいれて、九年間には、受賞作をのぞいて、7編から6編、あるのでしょうか。
そのうちの一つが、『殺人の喜劇』改題『焦げた密室』ということのようでした。
資料では、それらすべての題名は明らかなのでしょうか。
なお、第6回(1960)では、最終候補作として、『醜聞』があげられています。これは、すでに、刊行されているのか、と、気になりますが、これはないように思います。
タカハシさん、私も、所有しているだけで安心して、注意していませんでした、
大阪圭吉『防諜小説 海底諜報局』の印刷、発行日。
昭和十七年二月十五日印刷
昭和十七年二月二十日発行
となっていました。小林さんの書影をみますと、異装版として、三刷表示の本がこのあとにだされていますが、注のように、これは昭和十八年の誤植かもしれないようです。
最近の目録では、例えば、西村文生堂の目録をみますと、昭和十七年、初箱、と記載されていました。
喜国さん、推察の通りで、修行の身です。
みなさんお買い上げありがとうございます。
部数が少なくて迷惑をおかけしています。僕の見たところでは
芳林堂で比較的多く見かけました。あと、コミックスのコーナー
に置かれていることが多々あるようです。
岩堀さん
>足元の引出しを開けて棚に補充したのが「本棚探偵…」でした。
これはまた貴重な体験を。
僕の本屋通い人生ではこんなこと(求めていた本が出てくる瞬間)
に立ち会ったことはまだありません。
オーナーさん
>このまま保管すると、帯が破れそうなので。
本当は帯を外して並べて欲しいんですけど(笑)。僕はもちろん
外しています。
>大阪圭吉は大好きなのでちょっと無理したい」と言うところに、
>反応して投稿したのがなつかしいです
結局無理しなかったんですけどね(汗)。
桜さん
本体の装幀は春秋社を意識しました。本当は「同じピンク色」に
したかったのですが、函の色と合わなかったので泣く泣く諦めたの
です。
でもそんなことより気になったのは
>そこへ、陶芸家の主人が
という一文。てことは桜さんって……
中野実(1901年生まれ)の本が、昭和二七年以後、16点が掲載されています。「はぎしょぼうかっぽ」36号、全部購入すれば、二万六千円。
タカハシさん、このところ、この本は、いろいろな目録で出ていますが、昭和十七年、と記載されているようです。
詳しくは、小林さんがお答えになるか、と思います。
古書目録が何点かきていますが、とりあえず、1点ねらいで出しました。少し前進を期待しています。
はじめまして。いつも楽しく拝見させていただいております。さっそくの質問で恐縮なのです。私の所持しております、大阪圭吉「海底諜報局」の奥付が昭和17年2月の発行になっておりまして重版の表記がないのですが、こちらのHPの著書目録では昭和16年12月の発行となっております。やはりこれは重版なのでしょうか?どなたかご教示願えれば幸いです。
小林文庫オーナー さま
当店のHPについては、昨日もHP制作担当の友人と打ち合わせをして、書影を
何点か持っていってもらいました。
商品についても、検索システム自体はできているので、HPでの販売ができない
訳ではないのですが、最初は、「古本雑記帖」(「白蟻」や「ヒッチコックマガジ
ン」終刊号についても書影付で載せたい)や、店の近くにある「猪高緑地の自然紹
介」コーナー、「掲示板」の三つくらいで、早期に立ち上げたいと思っています。
「日記」を書いてもいいのですが、横のつながりの強い業界ですし、ついつい口を
すべらして、やばいことを書いてしまいそうなので、しばらくの間は控えようと思
っています。
もうすぐ年末、早い、早すぎる。来年1月3日即売会用の商品の搬入と会場作
り。お正月は家で、日頃できない本の修理をやりたいと言ったら、やっぱり怒られ
るだろうな。
喜国さんの本を、たのまれしごとでの庭掃除のあいまにみるために、軒先においていました。そこへ、陶芸家の主人が、いいね、ということで、『本棚探偵の冒険』の装丁でもりあがりました。
箱には、仕掛けがあるのでしょうか。
・「棚」の月の字には、4つの眼があります
・「探」には、星があります
・「の」がいくつかデフォルメされています
・字は、白と赤、これは検印にも踏襲されています
・帯には、白と黒、黒と黄が主体の「箱」の表紙
・だましえ、なのでしょうか
帯をつけると、「猫」が箱にあります、帯には、裏表に、一匹ずつの猫。
帯をはずすと、「ワイングラス」があらわれて、さらに、「猫」から「人間の
骸骨」があられます
・月報に、書影、だれも考えつきません
さらに、ということで、楽しむことができ、もちろん、本文もよみ続けました。
いい本です。
小林さん、「小説」情報、ありがとうございます。探求するしかないようですね。いま、雑誌「物語」に困惑しています、50冊近くもあるのですから。
週末は、忘年会で伊香保温泉に、宿泊してきました。
東京の企業や、役所の忘年会も多かったですね。
まだまだ、不況じゃない会社も多いのか!?
土曜日は忘年会の帰りに、電車、バスと乗り継いで、県内一番の老舗書店へ。
喜国さんの『本棚探偵の冒険』は、ここに置いていなければ、地元で購入する事は不可能だろうと思っていましたが、1冊だけ在庫あり。
ようやく購入する事ができました。
ちなみに、森さんの『ミステリ美術館』は、数冊平積みになっていました。
(『ミステリ美術館』を県内で見たのは初めて。私は東京で購入しました)
『本棚探偵の冒険』は、自宅に帰ってからパラフィン紙でカバーをかけました。
このまま保管すると、帯が破れそうなので。
中身は、初出誌でをちゃんと購入して、リアルタイムで総て読んでいますからね
「大阪圭吉は大好きなのでちょっと無理したい」と言うところに、反応して投稿したのがなつかしいです。(笑)
土曜日には、文生堂に注文した本が届いていました。
今回、はずみで「SRの会 広島支部会報」を購入してしまいました。
これが手に入った事で、「SR Monthly」を集めたい、総て集めるのは無理だろうからコピーでも良いから手元で読める状況にしたい、と思いはじめています。
SRの会50周年記念の「マンスリーインデックス」にも、期待しています。
古本まゆ さん
HPの開設の方は、どうなりましたか?
> ちょっとミステリの話題とはズレていますが、ミステリの検索にも役に立つ貴重
> な情報ということでお許し下さい。洋書の達人が書き込みしてみえるのは、この掲
> 示板以外に、ちょっと思いつきませんでした。
気にしないで、どんどんご利用下さい。
ただ「洋書の達人が書き込みしている」サイトと言えば、かつろう さんの「風読人:ふーだにっと」が一番でしょうね。
もちろん、私のHPを利用しないで下さい、という事ではありません。
りえぞん さん、いつも色々教えていただいて、ありがとうございます。
中 相作 さん
ご無沙汰しています。
東京での、大宴会には参加したかったですが、なにぶん住んでいるのが田舎なもので。残念です。
この時に、乱歩邸と土蔵に行かれたのですね!!
調査の成果をお待ちしています。
中さんのHPによると、乱歩の蔵書目録はCD−ROMで発行する計画があるとか?
どんな形にせよ、嬉しいニュースです。
とはいえ、CD−ROMは斜め読みが出来ないので、やっぱり紙の形の目録も欲しいところですね。
かもめ書房『屋根裏の散歩者』の情報、ありがとうございました。
早速、「熊谷市郎氏関係 出版物リスト」を更新しておきました。
中島河太郎さんのリストには「小型本」と有りましたが、本当に小型な、文庫本より小さいサイズだったのですね。
一度、現物を見てみたいものです。
桜 さん
> 小林さん、雑誌「小説」、九冊まで確認していますが、乱歩が書いていますように、昭和二四年まであるのでしょうか、
> 二巻六号には、改題などの注はないですね。このあたりは、続巻があると、考えていいのでしょうか。
> 文献にあらわれる作品リストでは、この「小説」掲載の作品がないようなのです。
雑誌「小説」は、かなり以前に揃いで購入しました。
総の号に、綴じ穴が空いていることから、前の所有者の方が揃いで所有し、製本して保管していたのだろうと思います。
おそらく、リアルタイムで購入されたのでは、と想像されます。
乱歩の所有しているのも9冊だけ、私の手もとのセットも9冊だけ、と言うことからは、発行されたのは9冊だけと言う可能性が高いのでは、と考えられます。
一方、乱歩も、九鬼紫郎も、昭和24年にも発行された、と書いています。
そうすると、桜さんのおっしゃるように、昭和24年には、改題されるとか、発行者が変わるとかして、雑誌の性格が変わっているのかも知れませんね。
「ロック」の晩年のようなものですか。
なお、2巻6号には、改題予告のようなものは書かれていませんでした。
小林文庫です。
Aki さん
はじめまして。
「小林文庫」に、遊びに来ていただいて、ありがとうございます。
このHPは、古い作品の話題が多くてスミマセン。(笑)
最近のお勧めの作品ですか?
どんな傾向の作品がお好きか解らないと、難しいですが、私が好きな作家として、加納朋子さんの『ささらさや』をお勧めします。
心温まる、ホロリと来てしまう、それでいてミステリーテイストの溢れた作品です。
HP内の「新本格作品リスト」や「年間ベスト10」のリストなども、参考にして見てください。
みっちゃん さん
はじめまして。
お誉めいただいて、ありがとうございます。
最近、初めての方の投稿が少なかったので、ことのほか嬉しいです。(Akiさんもです)
ミステリーサイトは沢山ありますので、色々なサイトを訪問して、ミステリーを楽しんで下さい。
「小林文庫」も楽しんでいただければ、幸いです。
これからも、よろしくお願い致します。
初めまして、Akiと申します。
最近、このサイトを見つけました。
昔は、よく読んでいたのですが、最近の作品はあまり知らないので、
何かお勧めの作品がありましたら教えてください。
早速買って読んでみます。
ミステリが好きで色々読んでいますが、いざどんなあらすじだったかと聞かれるとう〜んとうなって思い出せない乱読気味の私ですので、色々な感想が書かれているのを見ると感心してしまいます。
本日、北鎌倉の円覚寺で「鎌倉漱石の会」というのがありまして、午後は
平岡敏夫さんの講演でした。「漱石 ある佐幕派子女の物語」というタイ
トルで、その中で山田風太郎さんの作品が引用されていました。樋口一葉
の父親に関する話の中でですが、この会には何年も出席していて、山風さん
の作品が出てきたのは恐らく初めてです。山風さんの話は奇想天外な話では
あっても、歴史的な事実はきちんと押さえているという事の証明とも思えて、
一愛読者として嬉しくなりました。ちなみに引用作品は「修羅維新牢」、恥ず
かしながら私は未読…。山風さんの作品は既読・未読がゴチャマゼになって
いて、少し整理すべきかと自省しているところです。
過日、本欄で司馬遼太郎を巡っての明治国家論など出ましたが、明治時代を
知る上で、山風さんの明治物もそれなりの意義をもつものではないかと思い
ました。
会社の帰り、戸塚駅(横浜)前の書店に寄って喜国さん「本棚探偵の冒険」を
買おうと思ったら書棚に並んでいない…、う〜んここは田舎でまだ入っていない
かと思いつつも未練がましく立っていたら、店員さんが「失礼…」とか言い
ながら足元の引出しを開けて棚に補充したのが「本棚探偵…」でした。と言う
事はその前に何人かが買っていったということで、結構売れているようですね。
なんにしても、自分の欲しい本が目の前ですぽっと書棚に並んだというのは初
体験で私にとっては嬉しい話でした。今のところ巻末の座談会の写真を拝見した
だけ…、こんなに立派な装丁とは思っていませんで、いつ読もうかと悩んでい
ます。原則として函入り本は通勤電車では読まないことにしています。
りえぞん さま
早速のご返事、ありがとうございます。お気に入りに登録して活用させていただ
きます。
小林文庫オーナー さま
ちょっとミステリの話題とはズレていますが、ミステリの検索にも役に立つ貴重
な情報ということでお許し下さい。洋書の達人が書き込みしてみえるのは、この掲
示板以外に、ちょっと思いつきませんでした。
古本まゆ様:
洋書の横断検索で私がよく利用しているのはSFBというオーストリアのサイトです(http://www.sfb.at/index.php)。ここで書名や著者名を打ち込むと英米独仏西他の古書店データが一気に検索されます。"Nur Ergebnisse aus"のところを"dem Land 'FR'"にすることによってフランスの店だけに範囲を絞ることもできます。
日本の洋書検索サイトでは赤い靴(http://akaikutsu.cyber-com.co.jp/search00.php3?aap=10000000&BID=)が有名ですが、ここでは個々の本の値段は分かっても店名を知ることができません。(しかしここの検索で出てくる値段は一般の相場よりいつも高めのような気がするのは気のせいでしょうか?)
また、この手のウェブ書店情報では、有名な中野善夫さんのサイトTolle et Lege( http://www3.justnet.ne.jp/~yoshio-nakano/index.html)が圧倒的に充実していますので、未見でしたら一度ご覧になってみてください。
ミステリの話題ではなく、商売絡みです。
倉阪鬼一郎氏のミステリには、インターネットで海外から古書を取り寄せる話が
出てきますし、実際にこうしたことをしてみえる方も多いと思うのですが、仏蘭西
には、「日本の古本屋」のような古書の検索サイトはあるのでしょうか? 先日書
き込んだように洋書がかなり入荷しまして、今までは経験と勘で値段を付けて売れ
れば良し、という感じだったのですが、洋書の価格についてもきちんと勉強してデ
ータベース化してみたいと思っています。
ご存知の方に、ご教授いただけると助かります。
手元の、伊藤松雄「殺人日記」を、初版昭和二二年、北信書房、としましたが、三版発行、昭和二三年六月、と訂正します。
このころののものが、三版まで 印刷発行されていたのは珍しいかもしれません。
七編が収録されていました。
須川さん、「マイナー通信」、「EQインデックス」のあと、でていないということですね。
中さん、ついに、乱歩の蔵を訪問されたのですね、この蔵の蔵書目録を他の人がされている、ということをきいていますが、大学に移管されるまえに、完成させてほしいです。
●小林文庫オーナー様
ご無沙汰いたしました。お元気のことと存じます。ぼんやりしてるあいだにもう師走。あさって十日は中井英夫の命日という、心急かれる極月の一日です。あす九日は夏目漱石の命日ですけど。
かもめ書房の出版物でひとつだけ確認できたものがありますので、とりいそぎお知らせ申しあげます。
屋根裏の散歩者
著 者:江戸川乱歩
叢書名:かもめ叢書1
体 裁:B7判 外装なし 二〇六頁
定 価:二五円
内 容:屋根裏の散歩者/黒手組/鬼
発行日:昭和二十二年十二月十五日
発行者:京都市中京区衣棚通御池上ル
熊谷市郎
発行所:京都市中京区衣棚通御池上ル
株式会社かもめ書房
B7判というのはあまり見かけない判型ですが、B6判の半分の大きさで、厳密にいえば縦128ミリ×横91ミリ。いわゆる袖珍本の部類に入るのではないかと思われます。装幀者の名義は記されていません。ご遺族のご高配をたまわり、乱歩の蔵書を確認させていただきました。所在は乱歩邸土蔵階段下です。
それでは失礼いたします。
(御本人にお答え頂くのが正解なのですが)
「マイナーインデックス通信2号」(HMM)の後
「マイナー通信」7、8、9号と続き、その後
昨年4月に「EQインデックス」が刊行されました。
お元気なのでしょうか?
「ヒッチコックマガジンインデックス」荻巣康紀編、1997、をみます。
雑誌がかさなっているので、みられないので。3巻1号は通巻で18号、スレッサー傑作特集。
コラムで、田中潤司さんの役割を知りました。
そのほかに、当時、HPBがあと八冊で完集とかかれていましたが、その後、達成されたのでしょうか。
その後、「マイナー通信」は継続されて、発行されておられるのでしょうか。どなたかご存知でしょうか、これも知りたくなりました。
「週末から」→「終末から」
桜さま
当店の入手した「ヒッチコックマガジン」の欠号は、別冊ではなくて第3巻1号
です。一応「全50冊のうち1冊欠」で売りに出す予定ですが、どこで売るかはま
だ決めておりません。1月4日からの名古屋古書会館での即売会は、目録は発行し
ないことになりました。
もし「ヒッチコックマガジン」についての資料の必要な方がみえれば、今日明日
のうちでしたらお調べできます。OPPにむ包んでしまってからはちょっと面倒で
すので。
ここのところ、音楽の本を多量に仕入れしたのですが、フランスのボロボロの革
装本などの傷み止めと修理の手間を考えると頭が痛い。ついでにフランス語は読め
ない。
情報ということです。十一月には、26点古書目録がきて、今年は一月から十一月まで、270点でした。昨年の同時期よりも6点多く来ました。
これで、年間、約300点の目録がくることになります。
古本まゆさん、以下の雑誌、一冊不足しているのは、別冊の号でしょうか。
ヤフーオークションで、原比露志さんの、別名義の、遺稿集をみつけて、早速、他の書店で、同じ「会津の人」八重岳書房、昭和55、をさがして購入。
森下祐行 さま
検品の時には読み飛ばしていたのですが、これはなかなかのものですね。
終刊号が印象に残っている雑誌としては「週末から」がありますが、やはりこの
くらいのエネルギーを保ったまま終刊ををむかえると、読者としては結構楽しめま
す。
ネットで、検索して、佐川さんとか、北村さんの、昭和三十年代の小説を一冊ずつ入手しましたが、多くありそうですね。
小林さん、雑誌「小説」、九冊まで確認していますが、乱歩が書いていますように、昭和二四年まであるのでしょうか、二巻六号には、改題などの注はないですね。このあたりは、続巻があると、考えていいのでしょうか。文献にあらわれる作品リストでは、この「小説」掲載の作品がないようなのです。
先日、「物語」の四巻十二号を入手して、それまで、四巻二号まで、と思っていたのが、そうではありませんでした。そこには、「改題躍進号」とかかれていて、それが翌年でたようなのです。
「小説」が翌年、改題されていた、ということはないのでしょうか。
手元にあるのは、「青春ロマンス」でした。
11月26日付けでお知らせした文章で一部誤りがあったので、お詫びと訂正です。
徳島県山城町の子なきじじい石像横の碑の件ですが、碑の本文は多喜田昌裕氏、題字「児啼爺の碑」の文字が京極夏彦さんの書だということです。訂正してお詫びします。
昨日、多喜田氏からご指摘を受けました。碑の文章は、京極さんにチェックしてもらったものだそうです。
来年刊行の事典用のシムノンの書誌、9割方は終わったのですが、
以前もっていたカストリ雑誌『ロマンス』の1946年12月号に掲載
された「百万長者と老刑事」のデータがわかりません(手放す前
にメモしておくべきでした)。どなたか所持されているかたはい
らっしゃいませんでしょうか。もしいらっしゃったら、訳者名と
探偵役の名前をご教示いただけると助かります。
>古本まゆさま
ヒッチコックマガジン終刊号では、「次号予告」も笑えますよ。
今日ヒッチコックマガジン(全50冊のうち49冊)を入手して見ているのです
が、終刊号の表紙はなんと小学生くらいの女の娘が墓標を持ったお母さんらしい女
性の近くで、ヒッチコックマガジンの墓穴を掘っているグラビアです。目次の頁で
は既に埋葬も終わっているようですね。個人的にはもう一段の展開も期待したので
すが、中原弓彦氏が編集を退いた跡も最後まで、こうした洒落た感覚を喪っていな
かった判り、嬉しい気持ちになります。終刊号の表紙だけでも、ヒッチコックマガ
ジンを買っておく価値は充分にありそうです。
ところで、その中原弓彦氏、ミステリマガジンに予告の「大統領の最後」はどう
なったのでしょうか? 読者は、こうした予告はなかなか忘れないものです。
以前、土田さんに教えていただいた、伊藤松雄さんの略歴が書いてある本。そこにあった、昭和二二年の、『殺人日記』北信書房、長野に疎開した出版社からの本です。短編集でした。
これは、未入手でしたので、小説関係としては、依然として、戦前一三冊、戦後九冊のままです。戦後では、『山禍(左がなくて、上にウ冠)流血伝』が未入手です。
「探偵科学冒険作品資料目録 7」2001.11、が手元にきました。4点を出しました。目録をみますと、
大阪圭吉、初版、函付で、昭和17年、20
初版が珍しい宝石選書の、高木、昭和23年、1
そのほかに、甲賀三郎の、2点。これは、全集が復刻されたので、通過すればいい、という気持ちになります。
土田さん、ありがとうございます。HPを拝見しました。書影をみましたら、いい感じですね、確かにこれが横並びならば、置き場に困りそうです。
また、この在庫があるならば、この置き場にもこまりそうですね、
私のものには、輸送用の箱があり、さらに、しっかりした箱がありました。
「ブックマン」という雑誌のバックナンバーをみて、まだ、在庫がある、ということで注文したのですが(定価で)、それにしては、サイン入り番号が初期のものでしたので、かなり在庫があるのかな、と思いました。サインを888部もされるということはこれも大変な作業のような気もします。
末永さん、北川さんの作品としては、本名のほうでかなりある、というような文章をどこかで読んだ記憶があります。
桜さん
手持ちは横置きの立派な木箱に入ったもので、ダンボールの輸送筒箱つき。
本自体は金色のハードカバーに表紙のみ青地に目が書かれています。(HPに書影あり)
箱は重いし、でかいし、金色の装丁は正直、あまり品の良い物とは思えません。
(逆に自分は手持ちがそうだったので、縦置きと異装版は後で知りました)
前に猟奇の鉄人で話題に出したところ、
日下さんに「保管場所の問題」と答えていただきました。
なあんだ、といったところですね。
目録の整理をしていましたら、意識的に、「古書 芳林文庫」の掲載の目録を手元に残していました。
それをみていましたら、「宝石推理小説傑作選」全3巻、の横並びで、目、がかかれた装丁のものを発見。
所有しているのは、縦3冊のものです。黄色のラベルが、箱にはられています。
よこ、たての、このシリーズ、どのような経緯ででてきたのでしょうか、教えてください。
末永さん、林さんのことでした。「船中の殺人」を入手できませんでしたが、選集で入手できるようです。
桜様。
「白日夢」の件、ありがとうございました。
やっぱり、昭和20年代前半でしたか。『妖奇』にはいくつか書いているみたいですね。
北川千代三は、昭和30年くらいまで倶楽部雑誌に書いているようですが、その後がよくわかりません。上手いといえば上手いし、下手といえば下手(粗い)という、例によって評価の難しい作家だと思います。
『SFマガジン』も読みました。
林熊王については、この掲示板で話題になったばかりですね。
小西さん、何時も後悔しながら、本を集めています。新刊を読んで、ある時期、それを処分して、古い本を購入、というような、繰り返しです。
あれ、これを購入しなければ、少し高いのも集中して買えるのに、とも思います。
また、古いものを処分しても、いつも、後悔しています。
いつの間にやら、読まなくて、ながめて、めくる作業が多くなり、読んでいないような今日このごろです。読んでもわすれやすくて、困り者です。
どこで、いくらで購入したか覚えていて、それの記憶が強いようです。
桜様
昨日はわざわざお電話いただき、ありがとうございました。
どうか今後ともご指導お願いいたします。
ご文章を拝見しておりますと、ずいぶん蔵書があるようですが、収納がきっと大変なのでしょうねえ。
来年の海野さんの資料集には、当然最近の研究成果を盛り込むわけですが、理想科学工業の会長である羽山昇さんのインタビューを掲載したいと考えております。
羽山氏は、うちが世田谷区若林で海野さんのご近所であり、理想科学を敗戦直後にスタートさせる際に海野さんの援助を受けているのです。
海野さんは、ポプラ社のときもそうですが、青雲の志に燃える若い人をずいぶん応援された方です。
羽山さんには、今年7月に、池田・瀬名・山前3氏と共に佐野英さん宅を訪問した際、短時間でしたがお目にかかることができました。
実は先ほど、11月29日8時頃、その羽山さんからお電話があり、「海野さんのことは何かの形で残しておきたい。スケジュールさえ都合がつけば、来年1月以降、いつでもOKである」旨の、メッセージを頂戴しました。
葉山さんは謄写印刷のご出身ですから、徳島謄写印刷研究会事務局長という立場でもある私は、その方面のこともお聞きしたいと思っております。
小西さんがここにあげられていました、神戸新聞文化生活部・編『ひと萌ゆる』(神戸新聞総合出版センター、2001年12月)をもうしこみますと、すでに刊行すみで、切手でおくりました。情報、ありがとうございます。
いろいろな行事が盛況で、また、来年には、3冊目の、海野十三のブックもでるようなので、楽しみにしています。
昨夜は電話で失礼しました。今後ともよろしくおねがいします。
SFマガジンで、横田さんの連載が始まりましたが、登場した作家の著作にはすこし気になる箇所がありました。
徳島の小西です。桜様という方に質問です。
海野十三の会の講演会に参加していただいたお友達というのは、ひょっとしたら愛媛のFさんのことでしょうか。間違っていたらごめんなさい。
そろそろ、6年前のを処分しようとしましたら、少し古いものがでてきました。探偵小説の古いものは値段はあまり変化ないようでした。
りゅうせい、泥花、探偵1号(1枚刷り)、探偵2号など、揃いは手元においていたようです。それらのなかで、
紅薔薇咲男『電波犯罪 科学探偵小説 夜の蜘蛛』昭和二三年、銀座堂
ある本に書影がでていたのが、再版。掲載のものは昭和二三年でしたが、初版でしょうか。
たまたま、猟奇、と言う字が1部表示されている雑誌を入手していたので、長谷川卓也さんの、本を見ていました。
また、北川千代三の本(昭和三一年)も見ていました。
翌日、「彷書月刊」十二月号に、末永さんの草稿があるので、不思議な思いです。
北川さんの本には、赤い腰巻ならぬ、「ピンクの帯」があります、本文からの江戸川乱歩の推薦文が抜すいされています。
本に収録の「白日夢」は雑誌「妖奇」昭和二四年六月に掲載されています。あとの収録作については、まだ未確認ですが、難しそうです。
おかげさまでシンポジウム、無事終了いたしました。
ありがとうございました。
内容は来年の「『新青年』趣味」の特集となる予定なのですが、肝心の今年の「『新青年』趣味」を早く作らなければなりません。
徳島の海野十三の会・小西です。2点報告させていただきます。
■徳島県山城町のこなきじじい石像の碑文を京極夏彦氏が執筆
昨日・11月25日、徳島県の西の端にある山城町でこなきじじいの石像の建立除幕式があり、参加してきました。
これは徳島県阿南市に住む多喜田さんというサブカル寄りの郷土史研究家が数年前に、こなきじじいの伝承を調査(徳島県内全市町村の図書館や教育委員会に、調査依頼状を送ったり、山城町に的が絞り込まれると町内にビラを全戸配布するなどして探索)するうち、地元でその伝承を知っていた人・平田五郎さんが石像建立を決意し、波乱万丈のドラマがあって結実したものです。
実は、平田さんは昨年5月志半ばで、病没。その遺志を息子さんや地元有志が引き継いで行政の力に一切頼らず民間のカンパのみで建立費を集めたのです。
途中では目標額達成が危ぶまれたりしました。しかし、地元の人の尽力、マスコミの応援や全国の妖怪愛好家のカンパ等で最終的には目標額を大きく上回ることができました。京極夏彦さんの巨額カンパもあったと聞いています。そんなこんなで事情を多少なりとも知る者にとっては、感慨無量の石像建立除幕式でした。
仕掛け人となった多喜田さんは、海野十三の会主催の講演会にもよく来てくださる方で、私の知人です。
石像の隣には、由来を書いたかなり長文の碑文が立てられており、その文章は京極夏彦その人のものであります。
水木さんは海外取材のため、徳島入りできませんでしたが、メッセージが読み上げられました。『怪』のライターや、『季刊幻想文学』の東雅夫編集長も駆けつけ、関連イベントの「妖怪談義」で座談会を行ないました。参加者は200人以上。地元のお年寄りや子どもたちのほか、明らかにわかる県内外からの妖怪マニアも混じっており、ものすごく面白い光景でした。私は、持参した「澁澤スペシャル」の表2部分にしっかりと東編集長のサインをいただきました。
■神戸新聞総合出版センター刊『ひと萌ゆる』は、推理マニアも要注目
すでにご存じの方もおいでることと存じますし、神戸の偉大な野村さんからも報告が寄せられると思いますが、ご報告させていただきます。
「神戸新聞」で2000年5月から2001年7月まで毎週水曜日に1頁を使って連載されていた評伝「ひと萌ゆる」では海野十三、平田晋策が登場し、推理マニアの話題を呼んでいました。今回その連載が単行本としてまとまりました。サブタイトルが「知られざる近代神戸の先覚者たち」ということで、57人の神戸ゆかりの人たちが登場します。各人6頁のスペースですが、海野についてはここで新発見資料(これは神戸高校の永田実先生と神戸新聞の平松正子記者の尽力で古い『校友会誌』から見つかった海野のエッセイ)が披露されているので、重要だと思います。海野の神戸時代は謎に包まれていましたから。徳島中央公園にある海野の石碑の写真も掲載されています。平松記者が徳島取材に来られたときは、海野の会から山下会長と私が案内させていただきました。
海野が『校友会誌』に書いたエッセイ5編は、来年発行予定の資料集に収録する予定です。私は今年8月に池田憲章氏と神戸高校を訪問し、永田先生のお世話で古い資料を大量に調査させていただきました。平松記者もその場に来られました。
神戸新聞文化生活部・編『ひと萌ゆる』(神戸新聞総合出版センター、2001年12月4日発行)は本体1800円です。版元の電話番号は078・362・7140です。
森さんの、『ミステリ美術館』をようやく入手。表誌のカバーに採用された、左部分の隅が欠けた表誌、これを見ていても、かけた部分も計算された「Art]、と思いました、みせられて行きます。
次は日本版ですね。
目録は、次々にきています。昨年よりも、ふえています。
古書店から、宅急便でおくられてきた、博文館文庫一冊、送料のほうが高くなりました。
いまごろ、書店で、「東京創元社 解説目録」2001.7、を入手。出ていることをしらず、尋ねますと、ありました。
「八勝堂古書目録」第十五号、江戸川乱歩の解説草稿、何点かでています。探偵小説は少ないです。
北から出た目録、こちらは、2千円で、探偵小説がでています。甲賀三郎が一点、ありました。
喜国様、石井様
『古本探偵の冒険』、例の座談会は立ち読みでしたので今回はきちんと
買わせて頂きます。
ところで、石井さんのあの書庫の4段重ねの本棚には悲ミステリ系(谷崎
とか荷風とか)も入っているのですか?それとも別・・・、とすると尚
凄い…、尚羨ましい…。
末永様
「『新青年』趣味」楽しみにしています。
他のことで、「芳林文庫古書目録」第4号、平成八年、をみていましたら、発見。
伴龍二『怪奇幻想小説 幽霊塔』親潮書房、昭和二三年
がでていました。これですね、2冊目のものは。
末永さん、原田さんのエピソードでしたか、それにしても、検印は大変な作業ですね、昭和二二年の、吉良運平の、本には、吉良ではなく、全然別の、検印がおされていました。本名でしょうか、気になりました。
ご無沙汰しています。
ここのところ熱を出して寝込んでおりました。
もう全快しましたが、結局高島平には行けませんでした。仕事を空けて用意していたのに。
おかげさまで、1日ゆっくりめたのでよかったのですが。
いよいよ明日は『新青年』研究会の「医学と探偵」シンポジウムです。
ご興味のある方はどうぞお越しください。詳しくは上のURLをご覧ください。
おかげさまで「『新青年』趣味」の原稿が揃い、あとは私の作業だけになりました。お待たせしてすみません。
桜様。
一家総出で検印を捺していたのは原田康子の『挽歌』だそうらしいです。作者の弟さんは専属の「検印捺し係」になったのだとか。ウソかほんとか、ゴシップなのですが。
喜国さま
『古本探偵の冒険』は多少なりとも関わった身ですから、誠心誠意、宣伝に務める
つもりですが、今後の身の保全のために、親兄弟および借金のある友人等に
関してはこの本の存在を伏せさせてくださいね。
それにしても、角川文庫の横溝を集めていた喜国さんのように、河出のメグレを
集めていた私ですが、いつの間にこんなに道を踏み外してしまったのやらという
のが最近の心境でございます。これもあれも、すべて某「絶好調」のせいと
申しましょうか。あ、余談ですが、機会がありましたら、ぜひ私の人生を崩壊
させた本棚を見に来てくださいませ。たぶん、目の保養にはなりませんが、
笑いは取れると思いますので。
伴 龍二、という人は怪奇探偵小説をかいていますが、著作が2冊あることを、おくられてきた、北海道で出ている、雑誌から知りました。
所有のは、『蠢く影』親潮書房(東京、札幌が併記されています、しかも、新ではなくて、親です)昭和二三年。
もう一冊は、何でしょうか、知りたくなります。
このひとは、北海道ででた、雑誌「チャーム」昭和二二年、に、「怪奇小説 幽霊事件」をかいているようです。
読みたくなりました。
喜国さん、検印もあるなんて、すごいです。しかも函付き、月報も、これは買い!ですね。
末永さんがここにかかれた話ですが、昭和20年代には、家族総出で検印をおしていたということですが、この検印は押すだけで大変そうですね。
日下さん
>私も宣伝に努めさせていただきます
ありがとうございます。よろしくお願いします。
間違いも見つけてもらいもらいましたし(笑)。他になかったか心配です。
みなさん石井さんの蔵書に驚かれていますが、間違えてはいけないのは彼女は
「フレンチミステリを集めている」ということです。
他にいっぱいあったのは、「それらを集めているときにたまってしまった雑本」です。恐ろしい人です。
乱歩事典の方も峠を越えそうになっていますが、まだまだみなさんのお力を借りなくてはいけません。すいません。よろしくお願いします。
ハンス・グロースの「採証学」、ミュンスターベルヒの「心理学と犯罪」の原題と発行年と場所、お分かりになりますでしょうか。
またジェローム・K・ジェロームの「ダンス人形」を探しています。収録されているアンソロジーは御存じですか(できれば解題もついているほうが)。
あと「虫」で柾木愛造の蔵書だった「木乃伊」という本、御存じありませんか。
「暗黒星」で明智は、嫌疑をまぬがれるために自分自身をピストルで撃って、ある名探偵に事件の捜査を依頼した、アメリカのある非常に聡明な殺人犯人の話を読んだことがあるといった、このエピソードの元ネタもいまだ探しています。「グリーン家」でしょうか。
葉書には、「横浜そごう古書籍大即売会」中止のお知らせ、とあります。過去29回にわたった、この古書展も中止のやむなきに至る。
神奈川県古書会館での古書展を企画しているそうです。
あの厚いカタログがみられないのですね。
日下さん、小栗虫太郎の『地蟲』高志書房、についての情報、ありがとうございました。『海底殺人事件』再版の広告をみて、驚いたものです。
無いものを探す、1例のようですね。
末永さんがみられた、1作削除の『夢殿殺人事件』版と、従来あった、『夢殿殺人事件』の、ふたつの本。あれは存在していました。
その後、この書房には気をつけています。
>平山さま
ルパン情報ありがとうございました。その昔、ポプラ社の「三十三棺桶島」で読んだ事があるようなないようなエピソードでしたので、お尋ねしてみました。
今回原稿を準備しているとある作品なのですが、昭和ひとけた代に発表された作品ですが、他にもかなりルパンを意識していたのでは?という代物です。機会があればルパン同好会の方にもお邪魔してみたいと思っています。
とりいそぎお礼まで
●海野十三の次の資料集は、池田憲章さんの仕事の進行状況次第です。
「名張人外境」をご覧いただいている方にはご存じと思いますが、幸い池田さんはとうとう『「新青年」趣味』用の原稿を書き上げました。
池田氏の次の仕事は『未来趣味』の原稿だと思います。それがすんだら、本格的に、
次の資料集に取りかかることになります。私たちは単行本未収録のエッセイを中心に収録したいと考えています。
ご承知のように、横溝さんの本にしても、随筆関係はあまり出回っておりません。小説ほど、多くの部数が刷られることもありません。
小説なら、既存の出版社から出される可能性は高いのですが、探偵作家の随筆がまとまって読めることは本当にまれだと思います。
そうした意味では、日下三蔵さんの最近のお仕事は実に有意義なものであり、氏は重要な足跡を残されているわけです。
最近では、平井呈一さんの東京創元社からの文庫も大変志の高い重要な仕事だったと、私は思います。
あと、資料集では佐野英さんにも大きなスポットを当てることになっています。
私の『ハードスタッフ』もそうですが、ファンが買って思わず抱きしめずにはいられないような、そんな本を作りたいと私は常々考えています。
●日下三蔵様。
あの依頼は本当です。別便でメールをお送りしました。今後ともよろしくお願いいたします。
●小西が毎月作っている職場の広報誌『創世ホール通信』は、日下さんや池田さんや名張の中さんや
東京創元社の小浜さんや柴野さんや紀田順一郎さんにお送りしていますが、
その中の「文化ジャーナル」が、8月発行分から「北島町」のホームページでも読めるようになっています。
「北島町」で検索したらホームページが出てきますから、その中の「創世ホール」の情報を呼び出してください。
そこに「文化ジャーナル」とあるのが私の文章です。この4箇月は、職場での杉浦康平先生の講演会の準備から開催までのことを綴ったものになっております。
暇つぶしにはもってこいですから、ご覧になってください。
それでは、また。
亀レスですが、ルパンの件についてルパン同好会の友人にきいてみたところ、
そのエピソードは記憶になく、似た話だと、
『バーネット探偵社』の短編「ベシュー、バーネットを逮捕する」
暴走する自動車から女性が転落し、その衝撃で女性が死亡する。
短編というか中編「山羊皮を着た男」
自動車事故があり、運転席にいた「山羊皮を着た男」は消えていた。
くらいしか思い出せません。ボワロー&ナルスジャックの3冊(新潮文庫)も確認しまし
たが、それではないようです。何だろう、女性を誘拐する話だろうか??
ということでして、お役にはたてなかったのですが、とりあえず御参考までに。
乱歩邸が蔵書も含めて立教大学に譲渡・寄贈される事に
なったそうですね。一般公開も決まったとか…。
大変な朗報ですね。生きていて良かったです。
日下さま
前にも書きこみましたが、オフ会では帰りの電車で起こして
頂いて有り難う御座いました。もしいっしょでなかったら、多分
終点まで行ってしまって浦賀まで戻れなかったでしょう(過去に
実績ありです)。
忘年会シーズンを控えて自戒していますが、どうなるか…。
日下です。
遅くなりましたが、オフ会お疲れさまでした。幹事の方々にお礼申し上げます。
大変楽しかったです。次の機会にも、ぜひ参加したいと思っています。
皆さん書かれておられますが、石井さんの本棚は非常に綺麗に整理されていて
圧倒的でしたね。初めて見た本も多く勉強になりました。帰宅してからネット
の目録で持っていなかった本を検索して、『夜の馬』と『花火』を買うことが
出来ました〜。
>森さま
>先日入手した三橋一夫の『仮面の花』のカバーがあまりに衝撃的だったもので。
HPで見て爆笑させていただきました。家にある『仮面の花』はハードカバー
版の裸本ですが、あれにあんな凄いカバーが付いていたとは……。
>彩古さま
>しかし、帰宅すると、O舎の目録は届いておらず、暗澹たる気分に。
>先着順だというのに。
そうそう、家に届いたのもオフ会明けの月曜日でガッカリでした。しかし、
だからといって、日曜に直接行きますか(笑)うーん、流石だ……。
私は十冊たのんで七冊当選。一番欲しかった渡辺啓助が残っていたので、
満足です。オフ会の時に新発見(!)の慰問文庫を須川さんから譲って
いただいたので(ありがとうございます!)これでM3です。ふう。
>金光さま
>詳細は大阪圭吉掲示板の方に書かせていただきましたが、かれの少女ユーモア
>探偵小説「香水紳士」を青空文庫に送りました。いずれ公開の運びになると思
>います。読んでいただけたら幸いです。
やっぱり某所で煽っているのは金光さんでしたか(笑)西尾正ほとんど読んだ
とかいってるから、十中八九そうだろうとは思いましたが。ごく一般の人の方
が多いところですから、お手柔らかにお願いしますよ〜。
>喜国さま
> 僕の初エッセイ『本棚探偵の冒険』の発売日が12月7日(早いところ
>では4日)に決まりました。
「小説推理」に紹介を書く関係で、一足早く青焼きを送っていただきましたが、
400ページをイッキ読みの面白さでした。というか、あれは途中で止められ
ませんわ(笑)私も宣伝に努めさせていただきます〜。
>小西さま
>徳島の海野十三の会の理事をしております小西昌幸です。
はじめまして、日下です。いつも通信を送っていただきありがとうございます。
今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。ところで、最新号の封筒の連絡
みましたが、マジですか? 驚いてしばらく声が出ませんでした。えー、自宅
の電話は基本的に留守電とFAX受信専用ですので、一度メールをいただけれ
ば、ケイタイの番号をお知らせいたします。
> 桜さま
> その再版の、巻末には、『地蟲』高志書房、定価45円、が刊行されていました。
> これは、日下さんの作品リストにもないようです。目録ではみたことがないよう
>な思いです。
高志書房『地虫』は巻末広告だけで、実際には刊行されなかった本と思われます。
所持している人はおろか、見たことがあるという人すらいないので、リストには
加えずにおきました。もし「持ってるぞ」という方がおられましたら、ぜひ書誌
情報のご提供をお願いいたします。
その後、小栗虫太郎『地蟲』高志書房、を手もとの古書目録をしらべても、その書名が見つかりません。
同じ題の短編が収録されているのには『屍体七十五歩にて死す』、その改題『謎の刺青』高志書房、がありますが、もう1度、改題ということはないでしょう。また、同じ巻末には、それが掲載されていることから可能性はすくないようです。
それでは、可能性として、『地中海』でしょうか、探求中です。
森下さん、下の、大野さん、純文学のほうも、入力されているようですね。
>金光さま
青空文庫の渡辺温はここしばらくさぼっていたら、創元文庫の企画が
出てしまっただけです。(笑)創元の企画を知っていたら、こんな
作業は始めなかったかもしれません。
まあ、ここまできらた、小説だけでも全部、入力してしまおうとは
思っていますが。
ところで、青空文庫で金光さんのほかに大阪圭吉を入力なさっている
大野晋さんて方、あの有名な国語学者じゃないですよね。この方はほか
に小酒井不木もやられていて、探偵小説のファンだとは思うのですが。
小西さん、海野十三さん関連の、次のブック、来年になるのでしょうか。
ここに書いて、末永さんより、教えていただきました、幻だった『無人島菌の秘密』について(その書影は、ある古書目録に掲載されていました)、さらなる情報を知りたくなります。
そこに掲載されるのでしょうか。
ところで、「阪急古書のまち」26周年記念古書目録(平成13年)には、海野さんのものが3点。
大阪圭吉さんのものが1点、あります。
これらをみていますと、同じ物が回転しているように思われてきます。
金光さん、FD入力は大変な作業なのですね。それにしても、大阪圭吉さんの、第3巻、ユーモアものでほしい気がいたします。
大阪圭吉「香水紳士」はやっと校正待ちまで。初めてだと手間かかるものですね。
ところで、つらつらと青空文庫の作家リストを眺めていると…… おお、渡辺温が
たくさん登録されているではないですか。好きな作家です、「かわいそうな姉の
話」、「父を失った話」、「ある兵隊の死」etc... 薔薇十字社の本を底本にして、
いったい誰がやってるんだろうと思ったら……
おお、森下さんじゃないですか!
そうですかぁ、「今忙しいので別冊宝石総目次は来年やります」とおっしゃって
いましたがそうですか、渡辺温で忙しかったのですね! すばらしいです。創元推理
文庫は待たない、温はオレがやる! という気合を感じました。
海野十三は入力中がずいぶんたくさんありますが、分量的になかなかはかどらない
ようですねぇ。
徳島の海野十三の会の理事をしております小西昌幸です。初めて寄稿させていただきます。私は、携帯電話は生涯所有することはないであろうタイプの人間で、我が家にパソコンが導入されたのも今年の夏のことでした。
この度、膨大な「小林文庫」様の過去の掲示板資料を拝見し、『JU通信・復刻版』や『海野十三メモリアル・ブック』のことを大変好意的に皆さんが話題にしてくださっていたことを知りました。ありがとうございました。関係各位に深く感謝いたします。
おかげさまで『JU通信・復刻版』は版元品切れとなりました。地方・小の倉庫在庫、新刊書店や古書店の店頭在庫を残すのみとなっています。私が確認しているのは、「さっぽろ萌黄書店」さんともう1つ札幌の古書店、大阪・梅田の梅田古書倶楽部内「光国屋書店」さんなどには店頭在庫があり、定価販売されているようです。一部古書店では、品切れになる前から3600円の値段をつけて目録掲載しているところがありましたから、皆さん気をつけてください。
来年、海野さんの資料集をもう1冊作ることになりました。池田憲章氏が大量発掘した新発見資料が中心になります。外装装釘は、前2冊同様、敬愛する府川充男氏(元『同時代音楽』『リベルタン』、現・築地電子活版、印刷史研究会)にお願いする予定です。また、来年5月には海野十三の会で、東京の研究者の方を講師に講演会を開催する予定です。これは毎年5月の海野十三忌の前後に開いている講演会で、過去には紀田順一郎、平井隆太郎、池田憲章、瀬名尭彦、天瀬裕康などの諸氏をお招きしました。
資料集ともども、具体化しましたら、様々な形で皆さんにお知らせしたいと思います。それでは、失礼いたします。寒くなりましたので、どうか皆さんご自愛ください。
新刊では、文庫購入が多いこの頃です。
フォア文庫、ブックオフでよくみかけますが、「ゴジラとアンギラス」香山滋・作、楢喜八・画、に手が伸びました。
そのほかに、創元推理文庫の古いのを、3点購入。
古書店からは、何も来ない先週でした。
小林文庫様どうもありがとうございます。
他の方も掲示板に質問していたんですね、気が付きませんでした(^^;
クイズはナウゲットという所なんですが、進行中のクイズなので
参加者しか見られないのです。
ノワールという言葉は調べてもでてこなかったのでとても
助かりました。ありがとうございました。
小林さん、本当に、福島コレクションの量に驚きました。あまり知られていない展覧会ですね。
小林さん、そうですね、その「雑誌展」は、日本古書通信誌上でも、宣伝されていました。
その展覧会のことではないですが、同誌に掲載されています、ある人の文章には、資料提供の人として、小林さんのお名前がかかれていました。
喜国さん、待ち望んでいました、著書、来月刊行ですか、購入します。
宣伝です。
僕の初エッセイ『本棚探偵の冒険』の発売日が12月7日(早いところ
では4日)に決まりました。
函入り、月報付きの気合いの入った造本の上、初回配本分には、
いまどき珍しい著者検印が付いています。
函の装幀、イラスト、タイトルロゴ、帯の惹句と描き文字、
月報のフォーマット、検印のハンコ作り等、自分で出来るところは、すべて自分でやったという、まるで同人誌ような意気込みの本ですので、
どうかよろしくお願いします。
宣伝です。
僕の初エッセイ『本棚探偵の冒険』の発売日が12月7日(早いところ
では4日)に決まりました。
函入り、月報付きの気合いの入った造本の上、初回配本分には、
いまどき珍しい著者検印が付いています。
函の装幀、イラスト、タイトルロゴ、帯の惹句と描き文字、
月報のフォーマット、検印のハンコ作り等、自分で出来るところは、すべて自分でやったという、まるで同人誌ような意気込みの本ですので、
どうかよろしくお願いします。
小林文庫です。
ぐっち さん。
その質問の答えは、「ノワール」だと、ほぼ意見統一されています。(笑)
全く同じことが、(別の方から)複数のミステリーサイトで、質問されていますね。
その問題の出所は、どこなのでしょう? 知ってる人は教えて下さい。
なお、「ノワール」とは何か、については、たまたま最近吉野仁さんが日記内で考察しています。
URL http://homepage2.nifty.com/yoshinojin/Mutter.files/Mutter.html
孤低のつぶやき
桜さん
昨日は、プロバイダーの調子が悪く、掲示板に接続し難い時間があったようです。
ご迷惑をおかけしてすみません。
福島鋳郎コレクション「雑誌展 戦中〜戦後」は、日本古書通信で知りました。
見に行きたいですね。
はじめまして、ぐっちと申します。
知りたい事がありまして、あちこちさまよいこちらにお邪魔しました。
あるクイズで、
ごく普通の人が登場し、推理を楽しむミステリーのタイプをコージー派と
いうそうです。さてこの反対に位置するアンダーグラウンドな世界を描い
たミステリーは何派というでしょう?
という問題があったのですが、どなたか御存じないでしょうか?
よろしければ教えて頂きたいのですが。
よろしくお願い致します。
中央区郷土資料館にて、福島鋳郎コレクションによる、
「雑誌展 戦中〜戦後」。11月30日まで開かれています。
見事な雑誌群です。
通信不良のため、ご迷惑をおかけしました。ご容赦ください。
通信がかないませんので、練習です。
あしからず、お許しください。
創元文庫の大阪圭吉集(「とむらい機関車」「銀座幽霊」)は初出
当時の挿絵がついていて大変嬉しいですが、清水昆(*)が結構書いて
いるんですね。彼は「河童天国」で一世を風靡した漫画家ですが、
(鎌倉の荏柄天神に「河童の筆塚」というのがあって、彼の河童の
絵が彫りこまれています)そのイメージとは全く違うので、
見開き裏(というのかな)の挿絵画家名一覧見るまで気付きません
でした。
* 正確には、「昆」の上に山カンムリがつく字ですが、漢字検索
さぼりました。
先に書きました、大河内常平さんの謹呈先は、今村プロ作品「人類学入門」の脚本家のひとに当てたものでした。
謹呈先のひとを見つけることはないのですが、その後、ネットでの探索で簡単にわかりました。
「九十九本の妖刀」の映画化のときに知り合うことになったように思われます。
「趣味の日本刀」をのぞけば、『黒い奇蹟』昭和38、が最後の作品集でしょうか。
以前、末永さんが書かれていて、偶然みつけました、丸まる、1作が削除されていた『夢殿殺人事件』小栗虫太郎、熊谷書房。
すべて、概観は削除されていないものと同じですが、本の厚さは薄いものでした。
その小栗さんの、『海底殺人事件』高志書房、昭和23年、再版。初版と異なる箇所もありました。
その再版の、巻末には、『地蟲』高志書房、定価45円、が刊行されていました。
これは、日下さんの作品リストにもないようです。目録ではみたことがないような思いです。
刊行されていたのでしょうか、このあたりをあつめているものとしては、情報を知りたいです。よろしくおねがいします。
森さま
ああ、「仮面の花」それはとっても欲しいです。裸本であろうと、落丁があろうと
十分です。
それにしても、少女小説史上おそらく最も過酷な運命に見舞われるヒロインの
姿があれでは別な意味で泣けてしまいますね。いや、本当にインパクトのある
表紙でした。
森下さま
でもですねぇ、あのオフ会のときには、私などよりもっと豊かな蔵書を
お持ちの方が何人もいらっしゃってたんですよ。そういう方達を前にして
私程度の蔵書をお見せするのは結構度胸がいりました。とりあえず、
愉しんでいただけたようですので、それだけで感無量でしたが。
石井さん
『仮面の花』、以前にお貸ししたほうのでよければ(2頁分破れているの
でコピーで補う必要あり)お譲りできますので、とりあえず確保しておきま
すね。カバーは残念ながら貼り付きなので、カラーコピーをとることはでき
ませんが。
ちょっと楽しみにしてるのが、巻末広告を見てから某ミステリ専門店より
買った穂積純太郎の『げんこつお嬢さん』(カバー欠)。紹介文によれば、
「青雲のこころざしを立て上京するゲン子。仲よしアンミツ嬢とまき起す、
大騒動珍探偵の爆笑小説」──ということで、少女向けユーモア・ミステリ
のよう。
こしぬまさん、「少女ミステリアンソロジー」、でれば、購入したくなりますね、これは知らない領域なのです。
本を読んでいて、探偵作家が雑誌「少女の友」に連載している情報がありますので、アンソロジーがでてくれば、と希望したいです。
大河内常平さんのもの、「趣味の日本刀」、「日本の名刀」、手元にありました。これには雄山閣出版から、増補版(?)がありますが、私は各1冊しか所有していませんでした。
手元のサイン本をみますと、ふるえるような、小さなサインが印象的です。
オフ会、楽しかったです。
僕も酔っぱらって反対方向の電車に乗り、横浜までいってしまいました。
帰りは大変でした。(笑)
石井さん、あれを「それほどの蔵書でもないというのに」と言われたら、
僕なんか本を持っていないことになります。
オフ会参加者の皆様、遅蒔きながらお疲れさまでした。たまたま、我が家が移動中の
中間あたりにあったものですから、それほどの蔵書でもないというのに、皆様を
予告無しに寄らせてしまいました。しかし、あの狭い部屋によくぞ10人も入れた
ものです。ほとんどの方が立ちっぱなしとはいえ、よく一時間も我慢して下さいました。
ちなみに、オフ会の前夜までは部屋中に本が山積みで、それを片付けるのに追われて、
今ひとつ本棚の整理が行き届かなかったことが心残りです。日頃の整理整頓の大切さを
ひしひしと感じましたわ。
また機会がありましたら、ぜひオフをしましょうね。さて、次回はどこら辺に
しましょうか。もはや、湘南地区にこだわりませんので企画&参加者を募集中。
森さま
三橋の「仮面の花」は以前お借りして読みましたが、唖然とする内容でした。
しかし、まさか表紙がそれを上回ろうとは……。どちらにしても、内容、表紙共々
復刊は難しそうですね。
それにしても、当時の読者はこの本をどう思われたことでしょう。私も多感な
時期に読んでいたら、確実にトラウマになっていたかも(笑)
ご無沙汰しています。
とある所で発表する予定の原稿のために、またしても古新聞と格闘しています。
で、皆さんにお尋ねしたいのですが、ルパンのシリーズで「走る自動車中から美女が消える」というモチーフが出てくるものがあったと思いますが、そのタイトルと発表年がお分かりになる方がいらっしゃったら教えて頂けますか?
「少女ミステリアンソロジー」、楽しみです。学研M文庫でも似た企画ものが出ていますが、「少女」には何とも魅了されてしまいます。二昔ほど前に雑誌の企画で頼まれて「少女」作品ノートを貸したことがあります。今、その雑誌を眺めていますが、やはり、詩、短歌、俳句は短くていいのですが、ミステリとなると、収録数が限られますね。ミステリには入りませんが、私の好みは、稲垣足穂「或る小路の話」、三島霜川「解剖室」など一杯です。
以前書いた大阪の古書展目録より、大河内常平、2点入手。
『餓鬼の館』浪速書房、昭和35.11、カバ付
『夜光獣』雄山閣出版、昭和38.1、カバ・帯
帯には、偵探、とあり、探偵のミスプリント。
これは、大河内さんの後年あたりの作品でしょうか。
彩古さんのように、まだ、完集には至っていませんが、少しだけ増えています。
土曜日はお疲れ様でした。
飲み会3次会まで、ほとんどの人が脱落もせず、残っていたのは楽しかったからなの
でしょうね。
あの時間に帰って、終電ぎりぎりセーフでした。
あと5分遅かったら、路頭に迷っていたかも。
しかし、帰宅すると、O舎の目録は届いておらず、暗澹たる気分に。
先着順だというのに。
しかも、日曜午前中も届かず、なりゆきで、結局、夕方に直接O舎を訪ねることに
なってしまいました。
ほとんど売れてしまっていたけど、2冊確保できただけでもよしとしますか。
O舎主人と世間話を1時間ほどして、帰宅。
鷲尾三郎が単行本テキスト完集となりました。
本も全部揃ったかと思っていたら、青樹社が1冊なかった。
まあ、これは再録本なので、気は楽ですが。
今年は大河内の単行本テキストも完集しています。
まさしく、落穂ひろいですが、古書目録をみて、注文。
なぜか、目に付きます、大阪圭吉さんの『死の快走船』極美函、昭和11、
36。
3点注文です。
森さんの『ミステリ美術館』もでて、カラーの書影。購入します。EQ誌連載以来、楽しみにしていました。
拙著『ミステリ美術館』がぼちぼち書店に並びはじめたようですので、告知
させていただきます。
これはミステリの原書や翻訳書のジャケットをテーマに沿って紹介したも
ので、オールカラーの書影が460点ほど載っています(国書刊行会,本体価格
\4,000)。画集のような感覚でお楽しみいただける、肩のこらない本です。
本にまつわるエピソードを満載したコラムも充実。山口雅也氏や喜国雅彦氏
のゲスト・エッセイもすばらしい内容ですので、どうか手にとってみてくだ
さい。
昨日(正確には一昨日)はどうもありがとうございました。
石井さんの、女性らしい無駄のないコレクションには敬服しました。
コレクターではないといいながら、雑本が溜まっていく現状を反省しています。
今日は、荏原中延から武蔵小山、西小山まで、大井から自転車で回りました。
古本屋の密度は高くはないものの、穴場も結構ありました。
有隣堂が恵比寿まで進出して、渋谷新宿を虎視眈々とねらっている今、この辺も湘南オフ会のテリトリーにしても面白いかもしれません。
小林文庫です。
金光寛峯さん、すっかり「香水紳士」に惚れ込んで(かな?)いただいて、各方面で推奨していただき、ありがとうございます。
青空文庫に、という話はお聞きしていましたが、もう入力が終わり、青空文庫に送っていただいたのですか!!
素晴らしい。心から感謝いたします。
「香水紳士」は文庫未収録の中では、一押しの作品です。
青空文庫で公開されたら、是非皆さんに読んでいただいて、圭吉にはまだまだ傑作が残っている事を、確認していただきたいですね。
金光さん推奨企画の『少女ミステリアンソロジー』に、私は宮野叢子の「斑の消えた犬(ぶちのきえたいぬ)」(「名作」昭和14年11月号)を推薦しておきます。
大人の雑誌に掲載された異色ジョブナイル・ミステリーです。
『新人傑作探偵小説選集 9年版』は、所有しています。裸本ですが…
カバー付きに置き換えたいけど・・・、無理ですね。 (;^_^;)
で、西尾正の収録作は「土蔵」です。
オフ会御盛況だったようですね。
さて、切望の短編集刊行記念かつ少女小説ギャラリー作成に歩調を合わせて――
は、たまたま時期が一致しただけですが ;-p
詳細は大阪圭吉掲示板の方に書かせていただきましたが、かれの少女ユーモア
探偵小説「香水紳士」を青空文庫に送りました。いずれ公開の運びになると思
います。読んでいただけたら幸いです。
西條八十「花束の秘密」や三橋一夫らの作品と並べて『少女ミステリアンソロ
ジー』などが出たら面白いですね。いや、待てよ、ここは少女だけにぜひとも
"精華集" と呼びたいところです。
落穂舎の目録は貧書生の当方のところへも来ました。ボーナス無しが決まった
身(涙)には眼の毒ですね。
『新人傑作探偵小説選集 9年版』(1935, ぷろふいる社) \90,000-
西尾正収録、うう… 何が入っているんだろう? 「海よ! 罪つくりな奴」かなぁ。
それにしても 9万円かぁ…
昨日は大変楽しい会で、幹事の皆さまをはじめ、皆さまありがとうございました。
図らずも石井さんのお宅に寄せていただき棚を拝見できるとは、またとない機会で。
いいなあ、10人も入れる書庫って。
古書店まわりではいろいろ買えて、結構な収穫でした。後でよくよく見たら、なかなか面白いものでした。
また、誘っていただけると嬉しいです。
森様。
ギャラリー拝見しました。
少女小説はぜんぜんわからないですが、あんな表紙でお客さんは買ったのかと心配になります。
ところで、三橋の発表年が違ってましたよ。1929年だと戦前です。
「幻の探偵雑誌」が10巻までいきそうなので、次の「「探偵クラブ」傑作選」に続いては、何でしょうか、「探偵」、そして「月刊探偵」であれば、昭和初期の雑誌のアンソロジーが完結します、これは個人的な希望です。ぜひ、お願いします。
ところで、この傑作選、1、2面白いことに気付きました。
・表紙の女性は一人
・どちらに向いていますでしょうか、1そして2巻は右向き、そして左向き(うつむく)、3,4巻が左向き、5,6巻が右向き、7巻が左向き。規則正しくなっています。
・傑作選というタイトルが表紙の右か、左か、ですが、これも規則正しくなっていました。
1巻から、5巻までは、右、左、と順序よくあります。
6巻からは、7巻と、左にありました。
大阪圭吉さんの、2冊の文庫本も、売れ行き好調のようですが、2刷はかかるのでしょうか。
昨日の湘南オフ会は大変ご苦労様でした。オーナー始め参加の皆様
有り難う御座いました。石井蔵書拝観(石井さんお世話様でした)、
古書店巡り(後で「あの集団はなんだったの?」とレジの話題に
なったかもしれませんね)、宴会での談論風発…と、お蔭様で非常に
濃密な時間を持てたと思います。次回もよろしくお願いいたします。
今朝は完全に二日酔いで、朝風呂に入ってやっと人心地がついてきた
ような感じです。
日下さま
帰りの電車ではお世話になりました。挨拶もせずに飛び降りてしまい
申しわけありませんでした。
小林文庫です。
湘南オフから戻り、さきほど家にたどり着きました。
本日の、オフに参加していただいた皆様、ありがとうございます。
集まっていただいたメンバーの知識量といったら、半端じゃないですけれど、おもいっきり書誌の話などできて、非常に楽しかったです。
日下さんから、河出文庫の第3期、4期の計画をじっくり聞き出せなかったのが心残りです。
石井さんの蔵書も凄かった!
あれを、7、8年で蒐めているなんて…!!
皆様、また第3回をお願いします。
追伸:落穂舎の目録は届いていました。
ホームページの Gallery のサブメニューに、「少女小説」のコーナーを
作ってしまいました。というのも、先日入手した三橋一夫の『仮面の花』
のカバーがあまりに衝撃的だったもので。ちなみにハードカバー版に先行
して昭和24年にソフトカバーで出ていたこともわかりました。三橋の戦後
長編第1作(本になったものでは)でしょうか。
大塚俊一様
本日はよろしく…。
>もっと悩ましいのは、岡田鯱彦のネーミングのうまさ?
>裸女観音 をはじめとして、
岡田鯱彦は表紙しか見なかったのですがやはり買いか…、
う〜ん、たしかに悩ましいなあ。
明日はよろしくお願いします。
>岩堀さん
>大変悩ましいです。
もっと悩ましいのは、岡田鯱彦のネーミングのうまさ?
裸女観音
をはじめとして、
生き不動ズボン、殺人と雪だるま、
女にたかる、
からだに弱点を持った男、相似人間、光頭連盟、
三味線殺人事件、
と全部読んでみたくなります。
岩堀さん、扶桑社文庫、でれば、やはり既読でも買いたくなりますね。解説が充実していますから、さきにその方を読みます。
ちくま文庫、河出文庫とこちらも買い得ですね。
新刊で、山前さんが解説の、シリーズ(?)かもしれない、京都ミステリー傑作選、先に出た、河出文庫のものとはことなるようですが、徳間文庫から出ていました。
末永さん、ご教示ありがとうございます。『捕物倶楽部』の休刊は突然おとずれたのでしょうか、みのがせない雑誌のようですね。
いよいよオフ会が明日になりました(暦の上では)。皆さまどうぞよろしくお願いいたします。
今週前半は調子が悪かったのですが、オフ会には万全の態勢で臨もうとしています。ということで、本業の原稿書きに精を出しているところです。
桜様。
『捕物倶楽部』の創刊ははっきりしています。『読切小説集』の臨時増刊『捕物小説祭り』がレギュラー化・分離独立したものです。
『探偵実話』などと同じようなものですが、当時はこういった「別冊で様子を見てレギュラー化」というのが多かったのでしょうか。
残念ながら終刊はわかりませんが、荒木書房自体それほど続かなかったはずなのであまり長命ではなかったのではないでしょうか。捕物と謳っていながら、現代物や赤毛物まで入っているので、なかなか見逃せません。
喜国様。
私は『ワンダフル』『トゥナイト2』のどちらも見るのですが、アニメをやめてからは『トゥナイト2』が多いようです。
毎晩続き物だと、習慣になってみてしまうタチなものでして。
今度の扶桑社文庫の昭和ミステリ秘宝シリーズ、「二十世紀鉄仮面」といい
「妖異金瓶梅」といい大変悩ましいです。作品的には大体既読なのですが、
「二十
世紀…」は笹沢佐保「悪霊」完結版が大変珍しいし、「妖異…」は廣済堂
版未収録作品が欲しい…。悩み苦しんだ挙句に、結局「妖異…」は夕べ買い
ましたけど。ここらあたり、10日の湘南オフ会(日下さんんもご出席)でも
話題になるでしょう。
湘南オフ会ご出席の皆様へ
詳細DM送っておりますが、よろしくお願いいたします。
1日おいてですが、連続書きのようになりました。
ご容赦ください。
この月曜日に、約2年半ぶりにでた「天城一作品集」の「別冊シャレード 61号 天城一特集」を受け取りました。
竹下敏幸氏の思い出に捧げる、と見開きにあります。
文庫でよみたい作家です。最新作3篇ほか、評論あり。
古書目録で、大阪圭吉の、箱付が、ありました。15、です。このところ、目録で目にすることがありますね。
北から、第一号の古書目録がきました。ネットでは、知られていますが、目録ははじめてでしょうか。
探偵小説、創元推理文庫、サンリオSF文庫、山田風太郎さんの単行本のほか、その旺文社文庫、6点がならんでいます。
2,3日後に抽選。
ページの後ろには、漫画の目録、第8号の近刊予告があります。また、古書店が山の名前であることから、他の共同目録で見かけた店であることを思い出しました。かなり、気合が感じられます。紙の目録、このように、ネットの他にあらたに出て、昨年よりもさらに多くなるのでしょうか。
河出文庫『岡田鯱彦名作選』日下三蔵編、を拝受しました。日下さん、ありがとうございます。
扶桑社文庫とダブルことなく、また単行本未収録の「情炎」も収録され、買い、の一冊です。
岡田さんは、本当に、文庫になる機会にめぐまれた作家ですね、書かれた文章で納得しています。
成田さん、末永さんがいい文脈のなかでかかれているので、私も、おお、と思いました。
>小林文庫オーナー様
新本格著書リストの更新、ありがとうございました。あ、これはメールでお伝えしようかと思っていたのですが、霧舎巧さんの項目が京極夏彦氏を挟んで二か所あるようです。このような場での差し出がましい指摘ですみません。
それにしても、これぐらいミステリ界の動向が読めるデータはありません。書き手の側からすると、ちょっと空恐ろしいぐらいです。引き続き掲載のほどを切望する次第です。
「新青年」が本の友社から息長く復刻版刊行されつづけ、ミステリー文学資料館もでき、
プランゲ文庫もマイクロフィッシュ化されて国会図書館に入った。
私などもだいぶおかげをこうむっている。本当にありがたい。
しかし、プランゲとて完璧ではなく欠号もあり、まだまだ収集を要する資料は多い。
純文学の分野でこういう本が出ている。
『国立国会図書館所蔵昭和前期文芸・同人雑誌集成』全35巻 アイ・アール・ディー企画 68万円
読んで字のごとく、昭和初期の「不同調」「赤門文学」「手帖」などの文芸誌・同人誌を
まとめて合本複製した本。
それで考えてしまうわけです。
この本が何セット売れたかは知らない。けれど、これが商売として成立するのならば、こう
いう企画は実現できないだろうか?
山前譲・若狭邦男・日下三蔵監修
『戦前探偵雑誌集成』
『昭和二十年代探偵雑誌集成』
別冊:若狭「戦後探偵雑誌総目録」(別売化)
殊に戦後編、「ロック」「ぷろふいる」「新探偵小説」「真珠」「探偵と奇譚」「X」「Gメン」
「探偵新聞」「探偵実話(入手困難な初期分)」「ウィンミルドン」「犯罪実話」から「探偵王」、
同人誌「黄色の部屋」「鬼クラブ」「密室」まで根こそぎ集大成。幸か不幸かこの時期の雑
誌は薄っぺらいものが多いからそれほど冊数も膨らまないでしょう。
いや、そもそも紙の本でコスト高ならばマイクロフィッシュ・CD-ROM形式もありでしょう。
どうでしょうかねぇ。出すならば今だと思うのですが。
山前氏や日下さんが号令かければ、協力する人は多いでしょうし… 前掲図書の倍は
いくのじゃないですか?
平山さんの書き込みを拝読していますと、山前さんと新保さんによって乱歩の蔵にある、蔵書目録は是非完成していただきたいと思いますね。
じつに種々の本がでてくるので、乱歩の作品別に、でてくる著書のリストがあげられることになるのでしょうか、これもわくわくさせます。
そのまえに、蔵から出てきた、手紙が公表されるのでしょうか。
いずれにしても、将来に向けての蔵の帰属が心配されます。
ハンス・グロース著、向軍治訳の「採証学」、まさかとおもったんですが検索してみたところ、都立図書館にありました。すいません。おさわがせしました。
ところで「暗黒星」で、明智は、嫌疑をまぬがれるために自分自身をピストルで撃って、ある名探偵に事件の捜査を依頼した、アメリカのある非常に聡明な殺人犯人の話を読んだことがあるといったのですが、これはヴァン・ダインのににているとは思うのですが、あれ、でいいのでしょうか。
まいどすいません。
ハンス・グロース著、向軍治訳の「採証学」というのが「化人幻戯」にでてくるのですが、国会図書館に納められていませんでした。どなたか御存じ無いでしょうか。
またミュンスターベルヒの「心理学と犯罪」というのも御存じでしたら原題をおおしえください。
ちなみにミュンスターベルヒを批判したデ・キロスというのはわかりました。スペインの犯罪学者で、「近代犯罪学説」という邦訳書が大正時代にでていました。
10,11点目の、『黒死館殺人事件』高志書房、を入手しました。装丁が異なるので、買うことにしました。
10『黒死館殺人事件』高志書房 昭和22.11.25
カバ付(白)、帯(白のみ)
11『続 黒死館殺人事件』高志書房 昭和23.1.25
カバなし、帯(白に赤縁)
が追加されました。今までのものをまとめますと、
「発行」について
・高志書房版正編は、昭和22.6.15、11.25(2種類)
・高志書房版続編は、昭和23.1.25(1種類)
・「福屋出版部」版正・続編は、いずれも昭和24.11.15(各1種類)
「カバ」について
・カバ(白) 正・続編
「帯」について(推薦者の順序のみが異なる、内容同じ)
・正編 (白のみ、及び白に赤縁) 2種類
・続編 (白のみ) 1種類
「検印」について
・「福屋出版部」版には、検印なし
かなり複雑な様相でした。まだまだあるような予感がします。
末永さん、上げられたなかに、二瓶さんの文章が再録(?)されていることになるようですね。
二瓶さんの本を読んで、他に他の筆名で作品があるような思いがしています。
喜国さん、情報ありがとうございます。装丁もご自分でなされるのでしょうか、そうだ、としたら、これもすごく楽しみです。
遅いレスです
桜さん
『本棚探偵の冒険』発売日が決まったらここには一番に書き込みます。
もうしばらくお待ちください。
末永さん
僕のマンガがワンダフルアニメになったときもその時間だけワンダフル
を観て、それ以外の時間はトゥナイト観てました。ブランドが好きそうな
女の子がたくさん出てる番組は好かんのですよ。
とある作品のハジッコにテレビが出てて、そこに「今晩はトゥナイトです」とふきだしが入ったシーンがあったのですが、アニメでは「今晩はワ
ンダフルです」に変わってて笑いました。
間違いに気付いて戻ってきました。
『ワンダー暗号ランド』が正しいです。
すみません。
今、検索したら「日本暗号協会を懐かしむページ」というのがありました。
なるほど。
末永さん、りえぞんさん、情報ありがとうございます。
二瓶寛さんのことがわかってきました。さらに、SFマガジンのコンテストにも、努力賞として、名前があるようですね。
先に上げた雑誌には、二平完(上に、山)と言う名義があり、これはどうなのかな、と思います。それらしいですね、よくわかりませんが。
日下さん、お役にたてそうで、すごくうれしいです。山田さんの、少年もの、難しそうですが、みつかることを祈念します。
りえぞん様。
その記事についてでしたら、講談社文庫の『暗号ワンダーランド』というアンソロジーに詳しいです。私は筆者の名前までは覚えていませんでしたが。
そのなかには、たしかに『週刊朝日』に発表された内容であると書いてありました。
例によって、現物はどこかに紛れ込んでしまっておりますが。
日下です。
>桜さま
> 日下さん、コンビ二でコピーして、そのまま出しましたので、手紙は
>同封していませんでしたが、収録される一篇であれば、と思います。
貴重なコピーをお送りいただき、ありがとうございました(「妖奇」は国会に
ありましたが複写不可でした)さっそく一読しましたが、内容はバッチリです。
二本とも収録させていただきます。
>金光さま
弥生美術館は次に行こうと思っていました。
今のところ、「夜の皇太子」11話(「探偵王」昭和28年2月〜12月)のうち、
2月、3月、9月、10月、12月の5回分は入手済もしくはその目処が立って
います。残る6回がなんとか見つかるといいのですが……。
桜さま:
20年くらい前の週刊朝日に、「虫太郎『源内焼六術和尚』の暗号を解読した人」として二瓶氏の記事が写真入りで掲載されてました。(例によって怪しげな記憶なので勘違いがあるかもしれませんが) 記事には簡単な人物紹介も載っていて、その中に「乱歩賞候補になったこともある」と書かれていたので、おそらく桜さんが書かれている人と同一人物でしょう。
平山さま:
返事がおくれて失礼しました。ウルフェンの経歴、残念ながら私にもわかりません。何かの拍子に判明したら改めてお知らせします。
略歴が、かかれていなくて、また、帯にも作者紹介がかかれていない、不思議な本、『古代学入門』二瓶寛、近代文藝社、をすこしまえに、ここに書きましたが、
同姓同名(?)で、江戸川乱歩賞の、第24回の、候補作、「盲執の人」があります。
その他にも、おなじ読み方で、雑誌掲載で、2,3、ありました。
末永さん、「『新青年』趣味」広告拝見しましたが、遅れているのですね、特集が3本あるので、読み応えがありますね。
『捕物倶楽部』は、古書目録で、何度かみますが、購入していませんが、創刊、休刊などは明らかな雑誌でしょうか。気になります。
『新青年』研究会は、毎年恒例のシンポジウムを開催いたします。
結構盛りだくさんです。今回は広い会場をご用意しておりますので、奮ってご参加ください。
★「医学と探偵」シンポジウム★
日時:11月24日(土) 13:00〜17:30
会場:専修大学神田校舎 203教室
■演題及び発表者
(正木不如丘)「「医学」と「人情」の人」 湯浅篤志
(小酒井不木)「短篇「闘争」について」 阿部 崇
(木々高太郎)「 (演題未定) 」 横井 司
(三橋 一夫)「三橋一夫でみるみる元気になる」 末永昭二
(山田風太郎)「「小説に書けない奇談」をどう読むか」 谷口 基
発表後、質疑応答及びフリーディスカッション
司会:小松史生子
※詳しくは上のURLをご覧ください。
さて、おわびです。
『彷書月刊』には広告を出してしまいましたが、「『新青年』趣味」第9号「特集・海野十三/浜尾四郎」は、発行が大幅に遅れています。申し訳ありません。
これまでに「『新青年』趣味」「渡辺啓助100」を一度でもお買い上げいただいた方には、近日中にDMで詳細内容などをお知らせいたします。
また、発行日が決まった時点で、この掲示版でもお知らせいたします。
もうしばらくお待ちください。
宣伝ばかりですみません。>オーナー様。
森様。
引っ越しのお話、私も承っていますよ。
ギャラリー拝見しました。まとめてみると、「地味路線」の装幀も多いですね。私はあのタイプのはあまり持っていません。
前にも書きましたが、最近『捕物倶楽部』を読んでいます。同誌の創刊号から連載されている冨賀さんの絵物語「アルセーヌ・ルパン物語」はなかなか楽しいです。全然西洋人っぽくない、いつもの「冨賀調」のルパンですから。
11月。10月は今年最高の、33点の古書目録。これで、年間、244冊の古書目録がきました。昨年は、同時期で238点でしたので、ネットの普及をかんがえても、まだまだ、目録は発行され続けられることになるのでしょうか。
「くろがね叢書」第7輯、第8輯、昭和18年、の2冊を入手。雑誌のように、毎月発行されていたことを知りました。
2001/10/29 日下三蔵 wrote:
>山田風太郎の少年もの (中略) を探して、
>以下の雑誌をお持ちの方、または所蔵されている公共施設を
>ご存知の方は、ぜひご一報ください。よろしくお願いします。
>山田風太郎篇
>「少年少女譚海」昭和28年10月号、11月号(「黄金密使」第二回、第三回掲載)
>「探偵王」昭和28年2〜11月号(鬼クラブの連作「夜の皇太子」連載)
>「探偵王」昭和28年12月号(「怪盗魔猿伝」掲載、読切?)
>「探偵王」昭和29年1月号〜(「肉仮面」連載)
弥生美術館はどうでしょうか?
本屋さんで、非売品と表紙に書いてある、雑誌「本の窓」特集 時代とコミック。通巻210号、とある。この本体に連載中の、横田さん、いよいよ、新年号「SFマガジン」に、「日本古典奇想小説史(仮)」連載開始のようです。ながらく、公知されていたので、どのようなものなのでしょうか。
さらに、日下さんの「日本SF全集「第2期」」も新連載となります。
日下さん、コンビ二でコピーして、そのまま出しましたので、手紙は同封していませんでしたが、収録される一篇であれば、と思います。
小林さん、大阪圭吉の短編集、それぞれの巻では、発表順に収録されていないのですね。そこで、どのような順序で読むかでしたが、私は、発表順に読んでいます。
風々子さま
> 手持ちの「矢柄頓兵衛戦場噺」も、
> 初版で、おっしゃるとおりの状態になっています。
> やはり初版すべてがこういう状態かもしれませんね。
貴重な情報をありがとうございます。末永昭二さまのご教示もあり、初版全部の
面付けミスの可能性が高いとは思っていたのですが、これで完全にすっきりしまし
た。
推理小説についてのこうした情報は、HPを解説した時に公開させていただきた
いと思っていますので、宜敷くお願いします(勿論情報元などはきちんと書きま
す)。
古本まゆさま、はじめまして
しばらくネットにつなげない環境だったのですっかり亀レスです。
手持ちの「矢柄頓兵衛戦場噺」も、
初版で、おっしゃるとおりの状態になっています。
やはり初版すべてがこういう状態かもしれませんね。
日下です。
>桜さま
>日下さん、島久平の小説、2点、「妖奇」及び「探偵よみもの」掲載の小説を
>送りました。
> 明日にはお手元に届くと思います。
うわっ、ありがとうございます! 助かります。
「国際新聞」は国会図書館でぜんぶ見つかりました。これでとりあえず弾は
そろったので、取捨選択に取り掛かれます。しかし、新聞連載の中篇が三本
(「悪魔の手」「女人三重奏」「人魚の舌」)あるけど、ぜんぶ入れたら、
これだけで四百枚。短篇の入る余地が半分になってしまう……。悩みどころ
です。
先週末の飲み会で後輩が、15年ほど前にライターをやっている先輩宅に
引っ越しのお手伝いに行ったところ、引っ越しに式貴士氏と若山三郎氏が
お見えになった、という話をしてくれました。たしかにくだんのライター
のかたは『恋愛小説読本』で若山氏の本をとりあげているので、おつきあ
いがあったのでしょう。このあいだ『トゥナイト』を見ていて思い出した、
といっていました。
さて、『トゥナイト』放映記念というわけでもないのですが、ホームペ
ージの〈ギャラリー〉のコーナーに、富賀正俊装幀による探偵小説の書影
を12点ほどアップしておきました。
黒沼健さんの本、『科学小説 遊星人現わる』中学生の友1月号付録、昭和31年、を入手。「日本ミステリー事典」によれば、1953年(昭和28)、「妖蜂」、「白い異邦人」を発表、とある。
後年のものは異なるので手に入れる。
日下さん、島久平の小説、2点、「妖奇」及び「探偵よみもの」掲載の小説を送りました。
明日にはお手元に届くと思います。
日下様、森様
さっそくの返事、助かります。
ありがとうございました。
文庫に関する、九月に出た本、2冊。新刊本ですが、きっちりと、ヤスリがけがされていました。
個人的には、汚れていてもいいのです。そこきは、2冊とも、とりはがされるラベルがはられ、「x販」、書店CD、コメント、受注日付、受注No,ISBN、ここからはがしてください、とかかれています。
これは、何という名称でしょうか、気になります。そのまま受け取り、新刊でしたが、5%引き。
このシステムも?、でした。新刊の割引きはすでに開始されているのでしょうか、わからないことがある日でした。
庭の草刈にかりだされていたので、ここをみていませんでした。日下さん、お役にたてるかもしれませんので、後で、連絡します。
森下さん
とりあえず専門分野の1件だけはお答えできます。「死の遺産」は中編
集 Three Men Out(1954)に収録されている Invitation to Murder(別
題:Will to Murder)を訳したもので、のちに「美しい容疑者たち」とし
て、『ミステリマガジン』1986年2月号に新訳が載っています。
喜国さん
結果的には、喜国さんにもエッセイを書いていただいた小生の『ミステリ
美術館』(国書刊行会)のほうが若干はやく出ることになりましたね。見本
出来が来月の6日、店頭に並ぶのは9日以降になるそうです。
日下です。
山田風太郎の少年ものと島久平の短篇を探して、本物の探偵のような日々を
送っています。以下の雑誌をお持ちの方、または所蔵されている公共施設を
ご存知の方は、ぜひご一報ください。よろしくお願いします。
山田風太郎篇
「少年少女譚海」昭和28年10月号、11月号(「黄金密使」第二回、第三回掲載)
「探偵王」昭和28年2〜11月号(鬼クラブの連作「夜の皇太子」連載)
「探偵王」昭和28年12月号(「怪盗魔猿伝」掲載、読切?)
「探偵王」昭和29年1月号〜(「肉仮面」連載)
島久平篇
「妖奇」昭和23年10月号(「五年目の殺人事件」掲載)
「探偵よみもの」昭和25年8月号(「村の殺人事件」掲載)
「国際新聞」昭和27年2〜4月(「人魚の舌」連載)
>森下さま
>C・P・ダネル・Jrの「別荘の女神」はアンソロジー『美食ミステリー傑作選』に
>掲載の「殺人料理」Recipe for Murder と同一作品と思うのですが、このアンソロ
>ジーをもっていないため、確証がありません。
『美食ミステリー傑作選』が出てきたので、確認してみましたが、同一作品の
ようです。小鷹さんの解説に「別荘の女神」としてヒッチコック・マガジンに
載った際の紹介文が引用されています。
《ヒッチコックマガジン》に掲載された以下の作品の原題をご存知の方は
いらっしゃいませんか?
ご存知の方がいらっしゃいましたら、教えていただければうれしいです。
「黒い船客」ロバート・エドモンド・オルター Robert Edmond Alter 八木順子訳 1960年6月号掲載
「阿呆」ジョン・ヒューストン John Huston 沢史郎訳 1962年6月号掲載
「別荘の女神」C・P・ダネル・Jr C. P.Donnel Jr. 沖山昌三訳 1962年8月号掲載
「7人目のアリバイ」コーネル・ウールリッチ Cornell Woolrich 森郁夫訳 1963年6月号掲載
「死の遺産」レックス・スタウト Rex Stout 井上一夫訳 1963年7月号掲載
「黒い船客」は本国版のAHMMに掲載された作品だと思われます。
「阿呆」は映画監督ジョン・ヒューストンの小説作品。
C・P・ダネル・Jrの「別荘の女神」はアンソロジー『美食ミステリー傑作選』に掲載の
「殺人料理」Recipe for Murder と同一作品と思うのですが、このアンソロジーをもっていない
ため、確証がありません。
ちなみに、「別荘の女神」では別荘の女主人の名前がマダム・シャロンで、刑事の名前が
ミロン警部です。
スタウトとウールチッチも題名を変えてどこかのアンソロジーにでも入っているような
気がするのですが、調べがつきませんでした。
二瓶寛、とかいて、にへい かん、と読んでいましたが、昭和20年代雑誌や、江戸川乱歩賞の候補作で、なまえを見ていました。
同姓同名かもしれませんが、その名前の人の著作、『古代学入門』、近代文芸社、1994,12.15。
中身は、悲恋伝説の源流、蛇神とは何か、など、7章。
単なる歴史書ではなく、ミステリーをよんでいるようです。
奥付けなどには、経歴など、何もなく、にへい ゆたか、とある。
何やらずいぶんご無沙汰したような気がしますが、そうでもないですね。
古本まゆ様。
いえいえ、どうも失礼いたしました。
プロのお仕事の資料にしていただけるというのは光栄です。拙著に載ったような本が少しでも発掘されて、市場に現れると非常にうれしいし、ありがたいです。
『矢柄頓兵衛戦場噺』は面付けミスの線が濃厚ですね(折り間違いではありません)。珍しいことですが、絶無ではありません。私も一回雑誌でやったことがあります。見開きの左右が入れ替わってました(笑)。当時は笑い事ではなかったですが。
桜様。
『彷書月刊』で、情報とお名前を使わせていただきました。
ここをご覧の方には珍しくない内容でしたが、どうしても言っておきたい内容でした。分量のせいでちょっと舌ッ足らずでしたが、私にはどうも詰め込み癖があるようで。分載すると内容が薄くなるので、難しいところです。
岩堀様はじめ幹事の皆さま。
ありがとうございます。川崎は私にとっては都合がいいのですが、いつも遠出になってしまうオーナー様がちょっとお気の毒ですね。楽しみにしています。
『トゥナイト2』をご覧になった皆さま、ご覧いただけなかった皆さま。
宮澤さんと言い、私と言い、古本ネタは呪われているのでしょうか。見られなかった方はお気の毒です。「セクシーポカポカ娘」(タイトルが貸本風!)で時間切れになったみたいですね。
大変に誠実な内容で、非常にありがたく思いました。説明はわかりやすかったし、若山先生の現在のお仕事にも言及されていたし。
おかげさまで、アマゾンのトップページに掲載されて、瞬間的に300位くらいまで上がったらしいです。テレビは影響力がありますね。版元に教えていただいて見に行ったら4000位あたりに落ちてましたが。
拙宅においでいただいた方は同様に驚いておられたのですが、当日はヨソイキの本棚でした。貸本に関係ない本は、ポリ袋に入れて風呂場に山積みしていましたので、スッキリしてましたが、普段はメチャクチャです。
私は「ワンダフル派」かと思っていましたよ。>喜国様
それから、宮澤さんのように未編集のテープが入手できるか交渉してみましたが、地上波では管理が厳しく、入手は難しいということでした。残念。
喜国さん、11月末ですか、情報をありがとうございます。本屋さんに行く度に、本を探し、なければ本屋の人に、PC探索で新刊の有無をきいていました。
楽しみにしています。
末永さんの番組、所用でみのがしました。友人から録画を頂く予定にしています。
末永さん、「彷書月刊」11月号、HNの名前をだしていただき、ありがとうございます。今後ともよろしくおねがいします。
大阪の目録で,5,6頁にわたり、昭和三十年代の推理小説がでています。あたらない予感がします。
多岐川 13点、戸川 6点、樹下 5点、大河内 3点、島 1点、島田 5点、鷲尾 1点、下村明 1点、千円から、高いもので、3、4千円。11月中旬の古書展です。店頭で得られるかもしれませんので、葉書をだすよりも店に訪れた方がいいかもしれませんね。
ああっ、創元文庫の大阪圭吉集に『人喰ひ風呂』が入ってない!!
買っとくべきでした、千五百円の新青年掲載号。
にしても、この本に名前が載っているオーナーカッコイイぞ。
でお詫び。「おかしいなあ、この本をオーナーが見ていないはずはないのになぁ」と思ったのは僕が「未見」の記号を見間違えていたからでした。
トゥナイト2は毎日見てるので見逃すはずがありません。あれは現在日本で一番おたくな番組ですからね。仕事的にルーズな人たちの情報入手にもかかせませんし。
思ったよりもたくさん出演してましたね末永さん。流ちょうにしゃべっててカッコよかったです。
それからあの日のプログラムはどう見ても末永さんの著作を元にしての構成でしたね。
遅れに遅れていた僕の本ですが、どうにか11月の末には出せそう(実はまだ確実じゃない)であります。
遅れた代わりに気合いの入った造本にしました。古本の横に置いても違和
感がないので、これならママも安心ね(?)です。
わーん、ビデオ録画しておいたら野球放送が伸びちゃったんで、裸のオネエチャンを少し見ただけで終わっちゃったよお。失敗しちゃったよお。
悔しいです。
ビデオ録画していた「トゥナイト2」を昨日、見ました。
末永さんの部屋も拝見させていただきました。
思ったよりきれいに整頓されていて感心。
部屋の本棚より、ちょっとだけ映った押し入れのなかの
ほうをもっと拝見したかった気がします。
文庫で読めるのはいいですね、大阪圭吉さんの二冊。裏カバーには、どちらも、乱歩の序文が引用されています。
『銀座幽霊』での山前さんの解説に引用された文章が、『とむらい機関車』の裏カバーに印刷されており、また、引用されていない文章が『銀座幽霊』の裏カバーに印刷されている。少し複雑。
昭和十一年の、出版記念会。解説に述べられた人たち以外には、小栗さん、熊谷晃一さん、木々さん、延原さんも出席。「探偵小説四十年 3」(55巻)より。
こんばんは、青霧です。
なんだか毎日ばたばたしていて久しぶりにきてみたら
早速URLを変更していただいたようでありがとうございます。
こちらのサイトはオフ会の告知があり楽しそうですね。
何となく気になったので書き込んでみました。
No.535に書き込んだ湘南オフ会の概略決まりました。
日時:11月10日(土) 15時〜20時
場所:川崎大師(世界平和はもちろんですが、本格ミステリーの隆盛、
探求古本ゲットなど諸々を祈願)〜??・古書店歩き〜大宴会
申し込み25日までと書きましたが、今週中でも充分間に合います。宴会場は
「交通至便・駅から数分」(JR川崎駅付近)を狙っています。是非ご参加下
さい。
尚、日下三蔵さんもご出席確定しました。
*幹事団:石井春生、奈良、須川、岩堀
末永さま
オフ会、ご提案を受けまして川崎に致しました。
昨夜のテレビ、見逃してしまいました。
夜、旅行から帰ってきてメールチェックのみで、バタンキュー
だったもので…。う〜ん 痛恨の極み!
全国的に、もうすでに、大阪圭吉さんの、文庫は出ているようですね。無事入手しました。
小林さんの名前が、編集協力として、作品リスト、また、資料提供として、名前が掲載されています。
とりあえず、もう2,3冊購入したくなりますね。
あとは、幻(?)の著作が出現されればいいですね。
ところで、大阪圭吉さんの著作がひさしぶりに、落丁があるという注とともに掲載されていましたが、文庫の出版が刺激となり、あらわれることを祈念しています。
末永昭二 さま
> 当時の貸本専用本は箱入りじゃないんですよ。
> 箱入りは貸本流行以前のものか、貸本ルート以外のルートでも流れたものだと思> います。東京文芸社の時代ものあたりを想定されていたのかと思いますが、あれ> はちょっと違うんです。拙著は「ホンモノ」の「泥臭い」貸本そっくりに仕立て> てあります(紙は似せましたが糊や花切れなどは当然当時より高品質)が、なか> なかオリジナルが知られていないので、パロディとしてはちょっと勇み足、とい> うか凝りすぎだったかと思ったりしています。ちょっと反省。
そうでしたか、貸本小説については大雑把なイメージしか持っていなかったので
すが、はからずも浅学を暴露してしまいました。実際「貸本小説」は仕事の貴重な
資料として使わせていただきます、と書くと一部の方の顰蹙をかうこともあるかも
しれませんが、古本屋としても商品の知識は、多ければ多いほどいいです。
> 『矢柄頓兵衛戦場噺』の件、どういう状態になっているかわからないのですが、> 折り丁の入れ替わりでない(面付けのミス)とすれば、初版のすべてが異常、と> いうことになります。
そうですね。具体的には、
@1頁(頁表記なし) 第一話の扉
A2頁(頁表記なし) 目次2頁目
B3頁(頁表記なし) 目次1頁目
C4頁 第一話本文1頁目
という順番になっていまして、@とA、BとCは、一枚の紙の裏表です。順番とし
ては、やはりBA@Cですので、乱丁ではなく、印刷の段階で@とBが入れ替わっ
たと考えるのが自然です。
ただ、出版の段階でこんなにも明白な印刷ミスが発生するのか?についてもちょ
っと疑問ですし、古書目録にこの本が載っていた時にも、特別な但し書きがあった
ような記憶がありません。
同じ本を持って見える方のRESをいただければ、その点すっきりとするのです
が。
小林文庫の「大阪圭吉」から、大阪圭吉のすべてがわかります。全エッセイでは、未見のものがなく、また、「にっぽん」、「戦線文庫」、「ユーモアクラブ」などは手ごわそうです。
まだ、文庫2冊、入手していません。
芦辺さん、小説宝石では、山前さんのは2ページのエッセイでしたので、今後の展開を期待したいですね、願わくば、手紙の公開も望まれます。
新保博久&逆密室「ネット探偵局の推理簿」ワニ文庫。「殺人トリック劇場」につぐ、ワニ文庫の新刊。帯には大きく、イラスト野間美由紀、とあり、作者と間違えそうです。
発売中の「小説宝石」11月号に、例の新発見の書簡のことを報じた山前譲さんの「『江戸川乱歩と横溝正史』の交遊秘録」が載っていますが、その202ページで乱歩が戦後まもなく書き下ろすつもりだった本格長編のことに触れられています。
これ自体は乱歩―正史書簡ではなく、森下雨村宛ての手紙に書き記されているそうですが、不勉強でそのことすら知りませんでした。幻の乱歩作・書下ろし本格長編! このことについてご存じよりの方があればぜひご教示ください。
うーむ、パスティーシュ(贋作というより戯作ですね)大好き作家の血が騒ぐ。こいつまたアホなこと考えてるなとご想像の皆さん、大当たりです。どうか情報を!
なお、この号の472ページ、作家近況欄にはこちらのゲストブックでもおなじみの旭堂南湖さんの探偵講談「ルパン対ホームズ」の告知もしておきました。
古本まゆさま、
どうもお楽しみいただけたようで、ありがとうございます。
りえぞんさま、
過日の犯罪学者たちですが、だいたいは経歴がわかったのですが、ウルフェンだけがわかりません。御存じないでしょうか。
前々からずっと気になっていた時代物の連作『雄鷲雌鷲』(和同出版社)
が、ぼろぼろの裸本ながら、ようやく入手できました。執筆順は、下記の
なかなか豪華な顔ぶれです。
陳出達朗/並木行夫/黒部渓三/永瀬英一/青木春三/高木彬光/
北園孝吉/楠田匡介/城昌幸
この順序での執筆でないのであれば、だれがどの短編を担当したのか、
まるで見当がつきません。ただ暗号解読ものもあるようなので、その分
は高木か楠田が執筆したのかもしれませんが。
こしぬま様。
なんか各紙のテレビ欄はすごいことになっているようで、朝から「ほんとにオマエ、あれに出るんか?」という電話が何本か。
私も夜更かしして予告編を見ました。テレビはデブに見えますね。
正味30分くらい収録したうち、どれだけ放映されるかわかりませんが、トーク部分とは別に、本棚や押し入れの接写をずいぶん録ってましたよ(笑)。
リポーターの勝谷さんが拙著をずいぶん読み込んできていらしたので、なかなか話が弾みました。
彩古様。
先日、日下さんともお話ししましたが、あのリストは「完全」ではないので、落ちているのは山ほどあります。私が気付いただけでもずいぶんあります。重要度で選択したようにもみえないので、著者の現在の手持ちデータ、ということらしいです。
『探偵実話』の「宝の山」は再録ですね。「『文芸首都』であの内容?」と思ったのですが、やっぱり同じものでした。おげまるさん、ありがとうございます。『評伝』読んでないのがバレバレ。
水島爾保布の評伝を書いたかわじさんに先日お目にかかったのですが、やはり『評伝・SFの先駆者今日泊亜蘭』は普通の書店ではなかなか置いていないとのこと。私もずいぶん探して、やっと入手しました。
古本まゆ様。
当時の貸本専用本は箱入りじゃないんですよ。
箱入りは貸本流行以前のものか、貸本ルート以外のルートでも流れたものだと思います。東京文芸社の時代ものあたりを想定されていたのかと思いますが、あれはちょっと違うんです。拙著は「ホンモノ」の「泥臭い」貸本そっくりに仕立ててあります(紙は似せましたが糊や花切れなどは当然当時より高品質)が、なかなかオリジナルが知られていないので、パロディとしてはちょっと勇み足、というか凝りすぎだったかと思ったりしています。ちょっと反省。
『矢柄頓兵衛戦場噺』の件、どういう状態になっているかわからないのですが、折り丁の入れ替わりでない(面付けのミス)とすれば、初版のすべてが異常、ということになります。
末永様
予告編に末永さんの部屋がちょこっとでてましたね。おお、これは楽しみです。ビデオ予約もしておかなくては。新聞テレビ欄の番組特集は別の題。見逃す人がかなり出るのでは?
最近の『鮎川哲也読本』では、作品リストには掲載されている、鮎川哲也さんの「ライバル」。中部日本新聞は、現在の中日新聞です(知らなくて調べてみました)が、講談社文庫『自選ショート・ミステリー 2』には、初出「中日新聞」、先の読本では、「中部日本新聞」でした。
古本まゆさん、これは本に書かれていたのですが(思い出せず)、一万部印刷、というのは余り信用できなくて、実際は多く印刷されていた、ということ。疑問には答えられませんが、乱丁はときどきみかけますね。
彩古さん、「実話」増刊、ですか、名義が気になりますね。
下に書いた挨拶文へのサイン、大下さんが逝去されたあとでしたので、東京作家クラブ会長の、白井喬二さんによる、挨拶文です、そこに宛さきが書かれていました。
横溝正史の「矢柄頓兵衛戦場噺」(昭和19年初版)という本を仕入れてきたのですが、どうも目次の部分がおかしいのです。最初は乱丁かと思ったのですが、よく見ると扉頁の次の次の2枚目と3枚目の表の印刷が入れ替わっているようなのです。
通常本文部分は正常で、この部分だけ印刷が入れ替わるということは考えられないと思うのですが、ひょっとしてこの本は、奥付にある10,000部発行の全てに印刷ミスがあるのでしょうか?
仕事絡みの話で申し訳ないのですが、この本についてもしご存知の方がおみえになったらご教示くたせさい。
感想が遅れましたが、末永さんの「貸本小説」と、平山さんの「明智小五郎年代学」は無茶面白かったです。「貸本小説」は昔の貸本風の函入りの装丁なら、尚良かったです。
『探偵実話』ではなく、『実話』の増刊号(S.33)にも今日泊亜蘭の
作品が載っていたはずですが、峯島さんのリストに入っていませんね。
サイン本でも、印刷された挨拶文に、自筆で(?)謹呈先がかかれている本がありますが、先に示した、大下宇陀児の『土性骨風雲録』にもありました。あてさきは、画家である、田中佐一郎、でした。
また、仁科透さんの第三作、『黄金の麒麟』講談社、1994.5。これにも、同じく、挨拶文が印刷されて、自筆(?)で、佐野洋さん宛、でした。
挨拶文を挟み込んだものははじめてでした。謹呈、やサイン本のほうがいいですね。
日下です。
>末永さま
>日本推理作家協会の「土曜サロン」がおかげさまで無事終了し(日下さん
>ありがとうございます)
とんでもないです。大変面白かったです。テレビも楽しみにしています。
>おげ丸さま
>以前古本屋で拾った「東キャナル年鑑」という同人誌の座談会に今日泊氏が
>出席していて、紹介蘭に「(主著書。但し戦前を省く)」とあるのが気になって
>いました。
>「戦前の著書」というのはなにかの間違いということでよいのでしょうか?
うわっ、あれを拾いますか。えー、著書というか、訳書ですが、戦前にも
出ているようです。ポーランドの女流作家の作品で、『慈愛夫人』という
五十ページほどの小冊子。名義は不明です。(今日泊さんも忘れてしまった
とのこと)
おげまるさん、戦前の著書をのぞく、刺激的ですね。
いぜん、ここでも、島田一男さんの処女作、満州の新聞に掲載されていたというの記事も、座談会からでした。
これについてはまだその作品が出現していないようですね。
末永さん、楽しみな放送です、拝見したくなります。
本屋さんで、探し物をしていたら、久しぶりのような思いですが、春陽文庫の新刊が、でていました。2001.10.20、1刷、大栗丹後さんの書き下ろし作品。思わず、手に取り、読みました。
桜さま、末永さま、日下さま、ご教示ありがとうございました。
やはり雑誌というのは奥が深いですねえ。さらっとお答えをいただけるこちらの
掲示板の底力というのもすごいです。いまさらですが。
文芸首都の「宝の山」は峯島氏の評伝の126頁に紹介がありました。同一作品のよ
うですね。
以前古本屋で拾った「東キャナル年鑑」という同人誌の座談会に今日泊氏が出席し
ていて、紹介蘭に「(主著書。但し戦前を省く)」とあるのが気になっていました。
「戦前の著書」というのはなにかの間違いということでよいのでしょうか?
末永さん。放送が楽しみです。
日本推理作家協会の「土曜サロン」がおかげさまで無事終了し(日下さんありがとうございます)、ほっとする間もなく、来る24日の深夜(24時06分〜)、テレビ朝日の『トゥナイト2』に出演することになりました。
レポーターは勝谷誠彦さんで、アシスタントは白井真琴さん。テーマは「今、蘇る貸本文化 日本のパルプフィクションの世界」というものだそうです。実作者として若山三郎先生も出演されます。
内容は、私の本棚から始まって、若山先生、現代マンガ図書館の内記館長の
インタビューなどが続くというものだそうですが、ロケは23日なので、どうなるかはわかりません。
私が主役ではないので、VTRで5分くらいしか出ないのではないかと思われます。宮澤さんのように出ずっぱりではないです(笑)。
関西以外には全国的にネットされていると思いますので、よろしかったらご覧いただければと思います。
取り急ぎお知らせいたします。
目録が5通、きていましたが、先着順、電話可で、出遅れました。
名古屋の目録で、探偵小説、宝石その他多くの雑誌やら、おおかた売れたようです。同時にだしても、到着日は異なる、という人もいた、と店主はいっていました。「文学情報」のみ入手。
今日泊亜蘭をかいておられた人の、出版記念会もおこなわれたようです。日下さんが下に書かれたのを見ますと、掲載雑誌の未確認のものはB6判のようですので、やはり、オール読切、でしょうか。
おげまるさん、いわれていた雑誌の、昭和29年には、ありませんでした。
日下様。
「宝の山」というタイトルなので、リストを見て『文芸首都』掲載のものの再録かと思ったのですが、別作品なのでしょうか。
と思って押し入れの奥から『探偵実話』を引っ張り出したら、「宝の山」は見開き2ページのコントでした。
「帽子」は戦前の探偵雑誌にも出ている(有名な?)ネタの再話だし、読み返してみたら「宝の山」も乱歩やルブランに先例のある(乱歩のがこの時期発表されていたかはわかりませんが)コントだから、『探偵実話』掲載作は結構カルイ調子で書いたものだったのでしょうか。
ちなみに、「宝の山」は目次では今日泊蘭児名義ですが、本文では今日泊蘭二名義でした。
日下です。
>末永さま
>例えば、昭和27年5月号の「帽子」(今日泊蘭児名義のコント)は確実に
>掲載されています(ほかにも何か見たような記憶が……「宝の山」の再録
>だったっけかしらん)。
>今日泊蘭児と今日泊亜蘭が別人ならば話は別なのですが、どうなのでしょう。
>>桜様。
むろん、今日泊蘭児は今日泊亜蘭です。他の筆名に今日泊蘭二があり、
艶笑譚に使用した蘭亭亜楼と、その発展型(?)南亭夜楼もあります。
「宝の山」は、「探偵実話」昭和27年9月号に掲載されておりますが、
これって何かの再録なのですか?
>おげ丸さま
ナイス情報、ありがとうございます。永年の疑問が一挙に氷解して、
驚いています。「黒女神の呪い」は、切り抜きのコピーのみ所持して
いますが、B6判なので、おそらく「オール読切」だと思われます。
末永さん、蘭児名義では、もうひとつ、あると思います、昭和27年では。下に書かれておられる作品ですので、すごい記憶力ですね。
キンコにいますので(何も資料をみられず)、古書店の帰りです。
おげまるさん、未確認のものについては、日曜日にここに書きますので、そのときまで、失礼します。
おげまる様。
『探偵実話』は先日押し入れの奥に突っ込んでしまい、すぐには出て来ないようになっておりますし、完全揃いで持っているわけではないのではっきりしたことはわかりませんが、例えば、昭和27年5月号の「帽子」(今日泊蘭児名義のコント)は確実に掲載されています(ほかにも何か見たような記憶が……「宝の山」の再録だったっけかしらん)。
今日泊蘭児と今日泊亜蘭が別人ならば話は別なのですが、どうなのでしょう。>桜様。
『オール読切』は好きな雑誌なので、見れば必ず買っているのですが、なかなか集まりませんね。同じ版元(共栄社)の『探偵倶楽部』と執筆者を比べてみると、いろいろな人間関係がわかるはずだと思います。だれか研究してほしいです。
また、共栄社と三世社とは一時的に同じ住所だったから、『実話雑誌』や『読切倶楽部』も比較するのも面白そうです。
来月早々、『実話雑誌』ゆかりの方にインタビューするのですが、なにかそのあたりの人脈がわかるかもしれません。
峰島氏のリストは「主要作品リスト」だと理解しています。『光の塔』の元版もないし、「刈り得ざる種」もジュブナイルも載ってないので。
だから、このリストに載っていないというという作品と言ってもそんなに珍しいものではないと思われます。
おじゃまいたします。
桜さま、ご無沙汰しております。
ちょっと事情で出遅れてしまいました。蛇足ながら報告いたしますと、
妖艶白蛇夫人 昭和29年5月号 (今日泊蘭二名義)
終発バス 昭和30年4月号 (今日泊繞名義)
いずれも「オール読切」、ということなのですが、問題は残る「黒女神の呪い」
の初出ですね。昭和29年以降の「探偵実話」にも載っていないのでしょうか?
とすると「27、8年頃のオール読切」ということになりますか。
ちなみに私が確認した(=北海道立図書館所蔵の)「オール読切」バックナンバー
は以下のとおりです。
26年7月、27年10月、28年10月
29年4月増刊、5月、8月、8月増刊、9月、10月、11月、12月
30年2月、3月、4月、6月増刊、7月、9月、11月、12月
31年2月、4月、5月、6月、8月、9月、10月、11月、12月
(以下略)
末永さま。
いつもお世話になっております。
ええと、「探偵実話」等の掲載作で、短編集未収録のものが他にもある、というこ
となのでしょうか? すごく気になります。お手数ですが、お暇な折にでもリスト
アップしていただけませんでしょうか。
蛇足を重ねますが、高木彬光の「白蝋の鬼」の雑誌版と単行本版を比較してきまし
た。連載では各回冒頭に「これまでのお話」めいた導入部分があるのですが、ポプ
ラ社版ではカットされており、その他こまかい語句の訂正もありました。しかし総
じて同一テキストとみなしてよいかと思われます。
ついでに武田武彦の「人間豹」もポプラ社版と比べてみました。こちらの方は、
「大暗室」同様、全面的に書き直されているようです。
以前から目録に出ていて、買い逃していた『土性骨風雲録』大下宇陀児、昭和42、を購入。
大下さんの死後刊行されているようです。
また、白井喬二さんによるあとがきによれば、楠田匡介さんとの共著(?)のようにも思われます。大下さんのあと、一ヶ月後に楠田さんも死去(昭和41年)、というような本でした。
末永さん、今日泊亜蘭についてのこと、ありがとうございます。探偵実話ではなく、オール読切に掲載ですね。成田さんの掲示板で確認しました。
ところで、末永さんの本『城戸禮 人と作品』平成十年、によれば、今日泊蘭児(二ではなくて、児)も、今日泊さんの作品にはいるのですね。「城戸」と言う人物も登場していて、いわれるように、彼らには交遊があったのでしょうか。
明日から、2、3日、南の方にでかけます。古書の成果が楽しみです。
桜様。
今日泊亜蘭の初出不明作品については、ストラングル・成田さんの掲示板の「今日泊亜蘭」スレッドでおげまるさんが報告されています。やっぱり『オール読切』です。
それはそうと、峯島氏のリストには、探偵雑誌掲載分がいくつか抜けてますね(『探偵実話』はゼロですね)。意図的なものなのではないのでしょうが。
天瀬さんは自費出版を含め、何冊かお出しになっているようです(『梶山季之全仕事』など)。ローカルな雑誌にみもお書きになっていますし、同人誌にも関わっておられます。
森様。
その本はほんとうに単行本扱いしていいのか、ちょっと気持ち悪いです。単行本なのでしょうが。ラジオ関係は思わぬ人が書いていて面白いです。まだまだいろいろな発見ができそうな分野です。
北海道でだされている雑誌。今年の4月発行号(第6号)、まとめて、他の号も入手。
そこには、疎開出版社、十二社、単行本凡そ二百冊が掲載されています。少年ものもあり、また、乱歩の『恐怖王』も、印刷が札幌の、須田印刷所でなされていることがわかります。発行は、新日本文化協会、昭和22年5月20日。
末永さま
さっそくのご返答、ありがとうございました。春陽文庫版は所持して
いなかったものですから、山前さんの解説も未見でした。本自体は一見
して「おやっ!?」と思うほどのチープな造りだったもので、思わず「こ
んなのがほんとに初刊本?」と疑問にとらわれてしまったのです。
峯島正行さんが書かれた『評伝・SFの先駆者 今日泊亜蘭』青蛙房、を購入。日下さんの文献も巻末にあげられていました。
峯島さんがあげられた、年月、掲載誌の未確認の、3点では、昭和27、28年の、探偵実話にはないようでした。それでは、オール読切かもしれませんが、これは分かりませんでした。
その帰り、天瀬裕康さんの(本を出されていたのですね、知りませんでした)、『停まれ、悪夢の明日』近代文藝社、1988年4月、均一棚にて入手。SFマガジン、宇宙塵などに執筆、1931年11月生まれ。
なぜか、本が本を呼ぶ一週間でした。
末永さん、そうです、「闘魂」、「進撃」では、海野さんの記事はその採録記事のなかの一部でした。
森様。
春陽文庫版の山前氏の解説ではNHK版について触れられていますが、新潮社版には言及していませんね(會津さんの年表には3種とも出ています)。私はNHK版が初刊だと思ってます。
改めて驚いたのですが、山前氏の解説を読むと、これって「朗読」だったんですね。ずっとラジオドラマだと思っていました。
先日、地方旅行したさいの話ですが、浜尾四郎の『博士邸の怪事件』
の戦前版を見かけ、状態はあまりよくなかったものの、文庫本をひと
回り大きくした珍しい判型に惹かれ、値段も安かったので購入してき
ました。これが昭和6年の4月に社団法人日本放送協会(NHK)の
東海支部が編集・発行したもので、同協会の「はしがき」が添えられ、
表紙には「浜尾四郎先生」の「放送探偵小説」と刷られています。
この何ヶ月かあとに新潮社からも刊行されている(長篇文庫)ようで
すが、NHK版についてはあまりふれられている資料もないようなの
で(「はしがき」には、講演集の第四巻第四号として刊行する、とあ
ります)、NHK版のほうが本来の初刊本というべきものなのかどう
か、いまひとつよくわかりません。
このあたりの経緯についてご存じのかたがいらっしゃいましたら、
ご教示をお願いいたします。
日下様。
そう言えば捕物作家クラブは年鑑がありましたね。
『SPA!』の件、知りませんでした。早速買ってきました。ありがとうございます。
今週は、何だかいろいろ取り上げていただきまして、『本の雑誌』『噂の真相』『文学界』『女性セブン』『日本古書通信』『TV Bros.』『毎日新聞』(本日付け、こしぬまさん、ありがとうございました!)に載りました。
編集部経由などで書評をお願いしたところはだいたい把握できるのですが、コラムなどの場合は、どこで取り上げられるかわからないので、お気づきの方はこれからもお知らせいただければありがたいです。書評は書店営業の「武器」になりますので、よろしくお願いいたします。
でも、そろそろ平積みじゃなくなりかけていて、惜しい気がします。書評が出るころになると返品が始まるというのは、どの版元も悩みのタネらしいですね。
岩堀様。
オフ会の件、了解いたしました。なんか恥ずかしいですが。
幹事団の皆さま、よろしくお願いします。
横浜〜品川沿線ということは、石井さんお膝元?
桜様。
海野さんのが300円とは安いですね。よく見る本なのですが、やたらと高いことがある不思議な本です。海野さんはごく一部しか書いてないし、ほかでも読めるものだったのではないでしょうか(確認しておりませんが)。
奈良さん
ご教示ありがとうございました。7巻、けっこう豪華な顔ぶれですね。
このシリーズ、現物にお目にかかるまでまったく知らなかったので、ノー
マークでした。
又々 「小林文庫 湘南オフ会」を行うことにしました。
詳細はこれからですが、とりあえず人数を把握したいと思います
ので、参加ご希望の方は10月25日頃まで上記宛て又は幹事団の
どなたでも結構ですからご連絡下さい。
場所:横浜〜品川沿線
開催日:11月10日(土)
時間:詳細は未定ですが、イベント行う場合は午後2〜3時頃集合、
大宴会は6〜8時頃
*詳細は参加の方にDMでお知らせします。
前回(鎌倉)よりは東京に近いですから是非どうぞ!
尚、小林オーナー、「貸本小説」の末永昭二さんにもご出席頂く
予定です。
幹事団:石井春生、須川、奈良、岩堀
日下です。
捕物作家クラブに関しては、↓こちらのページに詳しい解説があります。
http://member.nifty.ne.jp/yoshifumi_noji/
>捕物作家クラブ(とりものさっかくらぶ)
>1949年(昭24)創立。1947年(昭22)に探偵作家クラブ創設の際、捕物作家も入会
>するはずだったが、木々高太郎の反対にあい、実現しなかった。そのために江
>戸川乱歩が横溝正史、城昌幸に助言をおこない、捕物作家クラブ設立にいたる。
>その際、横溝正史の肝いりで、浅草花やしきにて、岡本綺堂の半七塚の除幕式が
>おこなわれた。
>会長は野村胡堂が就任。副会長は土師清二、城昌幸。
>1955年(昭30)には遠山金四郎祭を催す。
>1964年(昭39)には書記長の佐佐木杜太郎が作家と内紛を起こして去ると、クラブ
>は解消し、日本作家クラブとして発足する。
岩谷書店から昭和二十八年度版と昭和三十年度版、二冊の年鑑が出ていて、巻末に
名簿も付いています(この二冊以外に見たことがないのですが、その後の分は出て
いるのでしょうか?)
転記しようと思いましたが、昭和三十年度版で160人もいるので断念。会長は
野村胡堂、副会長が土師清二、城昌幸、書記長が陣出達朗。探偵作家では、潮寒
二、江戸川乱歩、大倉てる子、大坪砂男、九鬼紫郎、楠田匡介、島田一男、高木
彬光、角田喜久雄、永瀬三吾、日影丈吉、水谷準、夢座海二、横溝正史といった
面々が参加しています。
捕物作家クラブ編のアンソロジーとしては、他に東京文芸社から出た『捕物絵図』
があります。私が所持しているのは昭和二十八年版(函入)ですが、同一内容の
二十九年版もあるようです。
奈良さま
鮎川さんのコピー送っていただき、ありがとうございました。無事、届いて
おります〜。
末永さま
今週の「SPA!」書評欄で『貸本小説』が紹介されていました。チェック済み
かもしれませんが、念の為。
森さん未見のこの第七巻には9人の作家が書いています。
岡田八千代、北園孝吉、九鬼紫郎、笹本 寅、高木彬光、長田幹彦、橋爪彦七、
村上元三、山手樹一郎です。
胡堂の序文“同人の愛児”によると京都新聞に連載され、その別働隊の合作は
面白倶楽部に掲載されたとなっています。
第八巻の帯にはこの中の連作「黄金弁天」は松竹で映画化と書いてあります。
版元は桃源社でこの社主は捕り物作家クラブのメンバ−ですね、
この方(奥付では森本元一氏)が編集に関わったのかも知れません。
森様、桜様。
捕物作家倶楽部については、同倶楽部の根城(?)となっていた『捕物倶楽部』という雑誌を見るといろいろわかってきます。
同誌は昭和29年に『読切小説集』から派生したもので、荒木書房新社の発行。編集長は(ごく初期は荒木社長ですが)後に白峰社を興す那須万弘さんです。
創刊はわかるのですが、終刊が不明です。いつまで発行されていたご存じの方はいらっしゃいませんか?
大倉さんは『読切小説集』別冊時代から「新吉捕物帳」シリーズをいくつか書いているようで、当時は会員だったのだと思います。
捕物作家倶楽部の正式メンバー名簿というのが発表されているかどうかは知りませんが、当時の雑誌や山村さんの本などを見ると、結構意外な人物も入ってますね。海野さん(「くろがね天狗」)だとか城戸さん(別名義で発表した「お雪捕物帳」シリーズ)だとか。
『捕物倶楽部』のグラビアページは、捕物作家倶楽部の運動会やら講談会やら作家の女装写真(笑)なんかの写真が多く掲載されています。なかなか楽しい団体だったようですね。このころは景気が良かったから余裕があったのか。
伝七については、光文社文庫版の解説に何か書いてあったような気がしますが、例によって本が行方不明です。面白い試みですが、作家によって温度差がありすぎるような気がします。共同作業しなくても単独で充分稼げる作家は、どうしても気合いが入らないようですし。『修羅桜』にしても、陣出さん以外の作家は「企画会議に参加した」程度の関わりではないかと推測しています。
桜様。
漫画雑誌については現代マンガ図書館に(多少の欠号はあるものの)揃っていますが、総目次などは作っていないということでした。
来週20日、推理作家協会の「土曜サロン」で貸本ミステリのお話をさせていただくことになりました。私は会員ではないのでどんな会か知らないのですが、おっかなびっくりお引き受けしました。
実は、キャリアの長い方々が参加されるそうなので、正体不明の作家の消息がつかめるかもしれないと、密かに期待しています。
森さんがかかれた中にある、大倉てる子。探偵小説は有名ですが、ほかに、時代小説がアンソロジーに採用されているのですね。
編集者(クラブ)はだれか、気になります。
先ごろ、再開した、古書の会報。前回から、香山、海野、小栗などのものが出ています。高くて、2千円、やすくて、300円のものがあります。状態を問わなければ、競争がありますが、入手できる確率は古書店の目録に比べて少しだけ高いようです。
海野さんの関係で、『闘魂』、『進撃』、『赤道南下』の3点。各300、400円。昭和17年の、ラバウル行き以後の作品でした。
「黒門町の傳七」といえば、陳出達朗の創出した時代劇ではおなじみの
キャラですが、桃源社からこのキャラを借りた大競作アンソロジーが出
ているのをつい最近、知りました。『黒門町傳七捕物百話』として、第
1巻から8巻まで出ていますが、おのおのの収録作家は
1巻:大林清、大倉てる子、邦枝完二、戸川貞雄、野村胡堂、松波治郎、
榊原緑風
2巻:土師清二(全作)
3巻:城昌幸(全作)
4巻:島田一男、瀬戸口寅雄、高桑義正、谷屋充、玉川一郎、角田喜久
雄、横溝正史
5巻:佐々木杜太郎(全作)
6巻:陳出達朗(全作)
7巻:山手樹一郎・他(未見)
8巻:野村胡堂連作集──野村胡堂が問題篇を書き、他の作家が解答篇
を書くといった趣向。城昌幸、陳出達朗、土師清二、佐々木杜太郎、高木
彬光、三好一光が参加
これとはべつに2冊の合作があります。
女郎蜘蛛:陳出達朗、野村胡堂、土師清二、城昌幸
人肌千両:陳出達朗、野村胡堂、土師清二、城昌幸、佐々木杜太郎
捕物作家クラブの会員が中心でしょうが、いずれにせよ、かなりユニーク
な試みですね。
戦後、北海道で出版されていた本や出版社のことが書かれている、雑誌がでていましたが、創刊号と2号はすでに所有しているので、その続刊はどうなのか、と思っていたところ、7号まで出ていました。
その5、6号には、札幌の出版社のことが本道出版ブームと地元出版社の活動として書かれているとのこと。
サッポロ堂で入手可能で、昨日連絡しますと、在庫があるようでした。
りえぞんさま、
重ね重ねありがとうございます。まるで魔法のように情報を教えて下さるので、もうただびっくりするばかりです。
ラストスパートということで、この際なりふり構わずみなさんのお助けを乞います。「人魚攻め」という拷問を御存じありませんでしょうか。「大暗室」にあった拷問具なんですが、これだけがわかりません。どうぞよろしくお願いします。
末永さん、漫画雑誌の推理小説は、「推理小説研究」をみても、かなりあるようですね。HPが何処かにないのでしょうか。
『別冊シャレード Vol.62 山沢春雄特集4』2001.9月、送られてくる。年に1度の山沢さんです。
今回は、13、と表誌にかかれた魅力的な短編集の、砧シリーズ。最後の事件はのびているようです、二年余りも。須川さんの2ページの文章もあります。
その他に、関連記事・書籍リスト(1954−2001)も掲載されていました。
小林さんが書かれていた「くろがね叢書」。その第6集、昭和18年5月、をある目録で入手。非売品で、毎月出されていたようです。
古書店カタログとウェブサイトからの情報なのですが、
Ellis,Havelock. : The Criminal (London, 1890)
Ferri,Enrico. : Sociologia Criminale (Torino, 1884)
Wulffen, Dr. Erich.: Kriminalpsychologie (Berlin, 1926)
Birnbaum, Karl. : Kriminalpsychopathologie und psychobiologische Verbrecherkunde (初版不明、増補改定版(第2版)はBerlin, 1931)
Kraft-Ebing, Richard von : ?
Lenz, Adolf.: Grundriß der Kriminalbiologie (Wien, 1927)
Matthews, W.H.: Mazes & Labyrinths their history & development (London, 1922)
Alexandre Dumas : Crimes célèbres (全8巻 Paris,1839-1841)
フェルリの本はイタリア語原著タイトルが分かったのでそれに訂正しました。英訳は不完全版が1896年にロンドンとニューヨークで、完全版が1917年にボストンで出ているようです。)
なお最後のデュマの本の一部は、例の平凡社の世界猟奇全集で横溝正史が「ボルジヤ家犯罪史」と題し訳しているようです。
>管理人様
前回の投稿がダブってしまったようです。お手数ですが折を見て削除いただければ幸甚です。
さすがりえぞんさんは素晴らしい!
ありがとうございます。
ついでといってはナンですが、それぞれの本の出版年と出版地はおわかりになりますか。いやしかし、こんなにすぐわかるなんて、本当にびっくりしています。
おやすい御用です、といっても分かる範囲でですが…
Ellis,Havelock. : The Criminal
Ferri,Enrico. : Criminal Sociology
Wulffen, Dr. Erich.: Kriminalpsychologie
Birnbaum, Karl. : Kriminalpsychopathologie und psychobiologische Verbrecherkunde
Kraft-Ebing, Richard von : ?
Lenz, Adolf.: Grundriß der Kriminalbiologie
Matthews, W.H.: Mazes & Labyrinths their history & development
Alexandre Dumas : Crimes célèbres
クラフト-エビングの書名原題は残念ながら分かりません。またフェルリの原著はイタリア語で上記はその英訳です。デュマは父の方です。
「化人幻戯」の大河原侯爵の蔵書についてまたおしえてください。
犯罪者」(ハヴロック・エリス)
「犯罪社会学」(フェルリ)
「犯罪心理学」(ウルフェン、ビルンバウム、クラフト・エビングそれぞれ)
「犯罪生理学」(レンツ)
「迷路の歴史」(W・H・マシューズ)
「予審判事必携」(ハンス・グロース)
「著名犯罪物語集」(デューマ)
とその著者について(グロース以外)御存じありませんでしょうか?デューマは親子どちらでしょう。どうぞよろしくお願いいたします。
締切が迫らないと仕事をしないことでは定評ある(?)末永です。
漫画雑誌の小説連載は気になっていたんですよ。というのは、城戸禮さんの小説(たぶん『野良犬二匹』の原型になったもの)が漫画週刊誌(誌名失念)に連載されていたからです。ほかにも面白そうなネタがあるのだろうとは思うのですが、私は漫画には興味がないのでほったらかしているところです。私がやらなくっても、漫画だったら誰かが調べてくれるものと思っていますし、今さら週刊誌を集めるのもナンですし。
オーナー様。
「某誌」というのは本日発売の『MJ無線と実験』で、真空管式のギターアンプ特集でした。珍しく署名で回路解説などを書いてます。『無線と実験』と言えば海野さんですね。いまだに私の真空管の教科書は海野さんの『おはなし電気学』と『僕らのラヂオ』です(実にわかりやすい!)。
畑違いとはいえ、やっぱり「古い物件」を扱うというのは私の宿命なのでしょうか。
『貸本小説』書評は、私の把握している範囲では、『週刊大衆』(日下氏)、『サンデー毎日』(岡崎武志氏)、『週刊現代』(無署名)です。あと数誌掲載予定で、文芸誌や新聞も取り上げてくれるらしいです。それから、『週刊朝日』10月19日号の高橋源一郎氏のコラムでは1ページまるまる使って紹介されており、びっくりしました。ありがたいありがたい。
先週の休み、古書店では、赤木駿介さんの『春砂』友人社、1990.10.27、を入手。赤木駿介傑作短編集、と帯にかかれています。
6篇のうち、書き下ろしが2篇。
「推理小説研究21号」では、『回転木馬』、『五冠馬の謎』があげられていますが、その後の著作集にあたるようです。
最近では、どうなのでしょうか、作品を見ていないように思われます。
土田さん、「増刊」について、その号数がない(カウントされていない)こと、ひき続き、ご教示感謝いたします。
目録ででても、もし集めるならば、増刊はどうなっているのかな、と思っていましたので。
それにしても、かなりの冊数ですね。
ミステリマガジンでも、何冊かの増刊号には苦労しましたので、増刊には、こころ動かされます。
SFマガジンは、雑誌の、掲示板で、入手したように思います。「小説ハヤカワ「ハイ!」No13」は、通巻426号ですね。
今年遭遇さた、SFマガジンの、乱丁には、驚きましたが、1冊だけ確保しています。
岩堀さん、1989年刊「『漫画読本』傑作選」、文春文庫ビジュアル版についてのこと、ありがとうございます。
桜さん
タイプミスしました。
>創刊は通巻には含まれず、出ていたのを知っているのは
正しくは「増刊は通巻には含まれず」です。
したがって増刊の通巻はないと思います。
>「タウンムック 平井和正スペシャル vol2」
いついてはご指摘のとおりでSFアドベンチャーが休刊になったからでしょう。
お持ちの大判の末期のSFAは比較的見ないように思います。
刊行当時も中途半端であまりお店に入らない上、季刊なので難儀しました。
買っていた人も少なかったのかもしれません。
増刊の刊行年月に関しては現物が全て実家にて確認不可能なため
後日確認可能でしたら、投稿させていただきます。
申し訳ありません。
桜さんは前にもSFマガジンに関してかかれてましたが、
SF雑誌までおさえていらっしゃるんですね。すごいです。
今日は弥生美術館(文京区弥生)に行って、「少女の友」昭和15年 5月号を閲覧・
複写することができました。大阪圭吉の少女ミステリ「香水紳士」掲載、詳し
くは大阪圭吉掲示板をご覧ください。単行本『ほがらか夫人』収録の作品です。
これは復刻したらおもしろいと思いました。
西條八十あたりとならべて「少女ミステリ傑作選」なんてぐあい。よくわかり
せんが、あのあたりの遺産はほとんど手つかずで放置されているのではないで
しょうか。
同館では 12月までの展示企画で昭和の少女雑誌を特集、初期楳図かずおの美
少女絵に影響をあたえた(?) 佐藤漾子(ナミコ)や、凛々しい糸賀君子など挿絵
の数々を見ているだけで飽きません。どうも私は "守ってあげたい!" なタイプ
より "凛々しい!" な方がツボなようです、って誰も聞いてませんかそうですか。
八十の少女ミステリ「なぞの紅ばら荘」 (「少女」昭30新年特大号掲載) が展示
してあって、うおぉ読みてぇぞお。全集に入っていたかなぁ。
森英俊さんでしたらさぞや面白いのではないでしょうか。
*
もぐらもちさん、はじめまして。
やっぱり好きな人が好きなことを語るのを見ているのはきもちがいいものだと
おもいました。まさに立て板に水といった調子で。名前をお挙げになった雑誌
も興味を惹かれますね。「科学と文芸」なんて、「すわ、早すぎた SF雑誌か!」
とおもわず目をむきそうです。
# 昔、大正時代の「電気と文芸」という雑誌を古書目録で見つけて "もしや"
# と思って注文したことがありました。ぜーんぜん、SFとは無関係なものでした。
# そうそう新発見てないのね ;-p
「漫画読本」の総目次、作りたくなりました。でもいつになるやら…。ああ。
最近の古書誌の話題とは全く無縁で申しわけありませんが…
角川文庫「北村 薫の本格ミステリ・ライブラリー」(前に
桜さんが言及されていたような気が…)読みましたが、中で
「あいびき」(吉行淳之介)が凄いです。先入観なしで読んで
欲しいという編者のコメントですが、よくまあ選んでくれたと
いうかなんというか…。小生が今年読んだ中でダントツに印象
的な作品ですね。角川の宣伝するつもりは毛頭ありませんけど、
一読を薦めます。文庫サイズで4ページですから充分立ち読み
も可能ですが、他にも西條八十の作品とか珍しい物満載ですから
「買い」と思います。
「漫画読本」の話題、なつかしいですね。
すでに、1989年に「『漫画読本』傑作選」というのが、
文春文庫ビジュアル版で出ています。私は、その時点で
ノスタルジーでつい買ってしまいました。
その表紙には「劇画よさらば!帰ってきた’60年代の爆笑」
とあります。この中には、「幽霊に狙われるドライバー」(大伴
昌司)という怪奇譚は載っていますが、推理小説は載っていま
せんね。
ひき続き、書き込み、ご容赦ください。
戸田さん、「漫画読本」掲載の推理小説、さらに、佐賀潜編の『ミステリー入門』にも採用されているのですか。
ありがとうございます。気をつけてさがしてみます。
「漫画読本」を読みますと、いろいろな読物が掲載されており、面白い雑誌のように感じました。
土田さん、「小説ハヤカワHi」13号もそうですが、このシリーズ、巻号数がついているので、あわてて購入したことを記憶しています。
このあたり、入手大変そうですね。
・「推理小説集2」鱒書房は昭和30年9月5日初版発行で、手持ちは再版
情報をありがとうございます。
土田さん、ありがとうございます。
とくに、平井さん、新井さんほかのこと、何かすっきりしました。
>「幻魔大戦」4冊「新井素子」「夢枕獏VS菊池秀行」「銀河英雄伝説」
「ウルフガイ」の8冊
もあるのですね。
本誌の方はすこししか所有していないので、と書きましたが、探しても見当たりませんので、どこかに隠れていると思います。
>「ウルフガイ」は同体裁でもう1冊出ていますが、これはSFアドベンチャーの増刊ではなかったはずです
これは、「タウンムック 平井和正スペシャル vol2」平成5.10.30
でしょうか。たしかに、増刊でもなく、号数もないようです。
・「パステルクラブ」について
「春季号」平成元年4.10、「夏号」平成元年7.20
「秋号」平成元年10.20、「冬号」平成元年12月中旬、ただし未見
これらは「増刊」とかかれていますが、巻号数、号数記載はありませんでした。
土田さんの情報では、最後は大判の季刊、ということですので、
おそらく、私が「灰色」としたのがそれにあたるのでしょうか。
・149号(14巻4号)平成4年10.10
・150号(15巻1号)平成5年1.10
・151号(15巻2号)平成5年4.10
・152号(15巻3号)平成5年7.10
となっていました。
所有しているのは、増刊やら、季刊のものだけですが、私の所有しているのがどうなのか、わかりました。
土田さん、ありがとうございます。ところで、下に上げられた、8冊には、号数があるのでしょうか。それにしても、複雑ですね、時間列はどうなのでしょうか、下の8冊について教えてください。
久々に反応できる話でしたので、書き込み。
実物が全て実家で記憶だけで書きますのでいくつか間違いあると思いますが、
間違いはご指摘ください。
SFアドベンチャーは最初季刊で白背で出た後、隔月刊を経て月刊化。
背は上端が赤でタイトル下に号数表示の時代が長く続き、
赤色単色黄色単色金色単色等の時代へ移り、最後は大判の季刊になって150冊くらいで生涯を終えました。
創刊は通巻には含まれず、出ていたのを知っているのは
「幻魔大戦」4冊「新井素子」「夢枕獏VS菊池秀行」「銀河英雄伝説」
「ウルフガイ」の8冊。平井和正は大判で他は本誌と一緒のサイズ。
「ウルフガイ」は同体裁でもう1冊出ていますが、これは
SFアドベンチャーの増刊ではなかったはずです。
「パステルクラブ」は知ってはおりますが、未見です。これも増刊だと
何冊出たかはわかりませんが号数はもう少し増えますね。
SFマガジンも「パステル」と同じくらいの時期だったかわかりませんが
「小説ハヤカワHi」を13冊を出していますが、こちらは通巻号数に
含まれているため、収まりが悪いです。
当時あまりにも内容がなにのため、買わないでいて苦労していて
いまだに「小説ハヤカワHi」13号が入手できていません。
まあこれは余談ですが。
あと「推理小説集2」鱒書房は
昭和30年9月5日初版発行で、手持ちは再販。
収録作は「現行犯」有馬頼義「妻の見た殺人」永瀬三吾「探偵小説」横溝正史
「キキモラ」香山滋「岩塊」大下宇陀児で、各編あとがき付き。
このシリーズでは怪奇小説集1を持ってます。
あと未所持ですが、「スリラー映画小説集1」には
日影丈吉のノベライズ?が収録されているそうです。
桜さま
『漫画読本』に載った犯人当てミステリが、ある程度『ホシは誰だ?』になっているのは確かですが、同一作者では一編しか採らない、といったようなみたいですので、恐らく収録されていないものの方が多いんじゃないかと思います。
同じく、『漫画読本』の犯人当てミステリを元にまとめたと思われるのが、佐賀潜編の『ミステリー入門』だと思うのですが、これを含めても、まだまだ足りないと思っています。
新聞の広告を見ていたらこんな旅行案内が出ていました。
「江戸川乱歩の世界」
11月4日(日帰り)
東京駅前八時三十分集合、バスで谷中(「D坂の殺人事件」団子坂)、上野、浅草、世田谷、新宿をまわって最後にミステリー文学資料館でミステリ評論家の新保博久さんの特別講演を聞く。
代金は11900円。申込先は毎日新聞旅行、03-3216-5341
友人が連絡をしてみたところ、現在の申込数は一人。十三人あつまらないとポシャるそうです…。
古書店で、状態は悪いが、「推理小説集 1」軽文学新書、鱒書房、昭和30.8.1 再版を、昨日、入手。
高木、大坪、椎名、山田風太郎、江戸川乱歩
の作品が再録されていました。江戸川乱歩「断崖」とあとがき、があります。「1」ということは、続刊があるのでしょうか。
名古屋の目録に、横溝正史「八つ墓村」河野通泰表紙、昭和46、初カバ
の書影があり、相当な値段で掲載されています。
中相作さま
今日、お客さんからの問い合わせがあってやっと思い出したのですが、
あたしが殺したのです 森田雄三 昭36 河出書房新社
の帯に、乱歩の9行の推薦文が入っていますが、既にチェック済みでしょうか?
今でしたら商品が手元にありますので、詳しいことをお知らせできます。
金光寛峯 さん、いわい さん、喜国雅彦 さん、大阪圭吉について情報提供ありがとうございます。
ことに金光寛峯 さんの調査には、大感激、感謝に耐えません。
「印度洋司令の帽子」は、著書にも収録されていないので、全く読んだことがありません。
是非ともコピーをお譲りください。
本日も出社して仕事をしている状況で時間が取れませんので、お礼についてはまた明日以降に書き込ませていただきます。
と言いながら、夕方からはフクさんのオフ会に出席なのですが…。
← 忙しいと言いながら、遊んでいるんじゃねえよ!(自己つっこみ:笑)
ごめんなさい。取りあえずお礼だけ。
「漫画読本」を確認してみますと、下に書きましたが、調べますと、いくつかわからないことが判明しました。
・ある冊数までは、号だけですが、あとは、巻と号で記載されています
それで、通巻がわからないように思われます
・昭和45年9月号が17巻9号で、休刊の言葉が池島信平により述べられています。「漫画読本の16年」とされています
創刊が昭和29年12月号ですので、17年でしょうか
てもとにあるのを数えてみますと、169冊(!)でした。
古書店で入手するときには、百数十冊でしたので、いつのまにか増えていて、不思議です。
この169冊で揃いなのでしょうか、気になりまして、だれかご教示おねがいします。
また、そのとき、得たものとして(「SFアドベンチャー」は少ししか所有していません)、「SF アドベンチャー 増刊」として、何か少女小説の趣のある「パステルクラブ」3冊(一冊はダブり)、その他に、背が黄色ではなく、灰色(?)のものが3冊あります。
本誌のほうとは傾向が異なるように思われます。このような増刊号があるとはしりませんでした。本誌をふくめて、増刊号あたりの情報を教えてください。
編集部にて打ち合わせのあと、移転になった古書会館で落ち穂拾いしていたら、「新青年」が千円前後でゴロゴロしているではありませんか。背割れとか、背はがれとか状態が良くありませんでしたが、この値段で転がっていることはまず無いので、「探偵小説傑作集」ばかりを7冊拾ってきました。他に大阪圭吉の「人食い風呂」掲載号がありましたが、「創元文庫から出るからいいや」とスルーしてきたのですが、家に帰ってオーナーのリストを見ると「未見」になっているではないですか。ううむ、拾ってくるべきだったか、と、ちと後悔。
でもって「カンカン虫」掲載号所持しています。どうすればいいですか?>オーナー様
No.501 金光寛峯さま
>ところで明治文庫に雑誌「人性」復刻版 (不二出版)の内容見本が置いてありました。全17巻+別冊
>1巻を 4回配本で刊行予定、総額\374,000で、第 1回配本の第 1〜4巻+別冊と第 2回分の第 5巻〜
>8巻まではすでに出ているようです。
>創生期の医学研究誌で、心理学・衛生学のみならず性科学や民俗学・犯罪生物学まで多様な分野に
>果敢につっこんでいるそうです。乱歩が作品中で取り上げている図書や学者についても何か情報が
>得られるやもしれませんね?
>それで、主要執筆者一覧の項をみると「小酒井光次」という名前が。これって不木の本名ですか?
はい、小酒井不木の本名です。彼は大正4年くらいから本名で医学雑誌に結構頻繁に寄稿しています。
まごうことなき専門誌「中外医事新報」に書かれた「血清内溶血性物質ノ時間的増加附脂肪中毒ニ就テ」
なんていう、門外漢には全然読みたくないようなやつもあります。幅広いテーマ性を持った医学系雑誌と
いう事では、同じ不二出版から出ていた「科学と文芸」「第三帝国」「洪水以後」なんかが有名なところ
ですね。有名といっても、あくまで私にとって、ですけど。
この「人性」や「科学と文芸」なんかの医学・科学雑誌を見ていると、政治・社会と科学・医学がかなり
強力にリンクしていておもろいです。極端かも知れませんが、優生学ってイメージすれば、確かにまるで
見当違いのリンクではない、という気になりますね。
当時の科学はテクニカルな部分での努力と同じくらい「人類の進歩」に対する情熱に溢れとったのかな、と
いうのが私の印象です。
複刻版は嬉しいなあ。これでまた調査が進めやすくなります。
ちなみに不木の最も古い活字化作品と思われる「あら浪」は、「不木生」というペンネームで発表されました。
その意味では「不木」という名前の方が本名より先に世間に出ていたという事になります。
すいません、得意ネタで場所を塞いでしまいました。
やよいさん、
ご存知か思いますが、島田一男もあるようですね。犯人あての推理小説でしょうか。
しかし、下にあげられた14巻もあるということは、私のは完全な揃いではなくて、創刊号からある号までの、揃い、ということになるのでしょうか。
確認してみます。ありがとうございます。
いわいさん、「漫画讀本」掲載作品についての情報をありがとうございます。『ホシは誰だ?』文藝春秋編 にあるということで、探してみます。
実は、静岡の古書店で、ある本を購入したとき、おまけとして(?)、「漫画読本」創刊から、百数十冊、揃いで、二万円で購入しないか、といわれて、つい、購入してしまいました。
話をうかがいますと、文芸春秋社には揃いがないということで、2揃いのうちの、ひとつをおさめましたが、あと1揃いあるということでした。
購入後、置いたままにしていましたが、場所をとるので移動・整理しようと、ページをめくったのですが、初期と後半では、随分、違いがあるようです。
「推理小説研究」をみますと、漫画週刊誌にも、推理小説があるようです。集めている方は、きっとおられるのでしょうね。
金光さん、文献探索されて、「ユーモアクラブ」発見。思わず、すごい、と声をあげました。
ある時期、ブームのように、ミステリークラブのある大学で総目録が作成されていましたが、最近ではどうなのでしょうか。
先日、「漫画読本」があるところで話題になって、国会図書館でいくつか見てきましたが、確かにある時期、ミステリ・SF系の作品が多く掲載されていました。
いくつか紹介すると、
「裁判おんなと男」佐賀潜(1967.2-68.12)、「小説 珍芸シリーズ」都筑道夫
(1967.3)、「凄かとよ刑罰」梶山季之(1967.12)、「競馬夫人」三好徹1969.2)、
「あれよ、あれよ」多岐川恭(1969.5)、
「ブラック・ジョーク」都筑道夫(1968.8)、「狙った女」結城昌治(1968.8)、
「日本のお化け 日本”怪異”」戸板康二(1969.8)、
「孝女の趣向」戸板康二(1969.9)、等
1968.9は特集が「長篇漫画特集 オレは名探偵」と「小説特集 エロチック・ミ
ステリー」の2本立。小説は「憑きの実態」(川上宗薫)、「変な女に感謝」
(笹沢佐保)、「天使ミチルの唄」(河野典生)、「似たりよったり」(日影
丈吉)、「悪魔学入門」(都筑道夫)
ちなみに14巻12号〜17巻
まだまだ沢山ありそうなので、総目録、是非見たいです。
2001/09/23 小林文庫オーナーは書きました:
title:大阪圭吉作品リストについて、お願い
>「大阪圭吉作品リスト」の、再整備を行いたいと思っています。
> 特に以下情報を求めています。
> 持っている方はもちろん、所蔵している機関などの情報を、教えて下さい。
>◇ 「ユーモアクラブ」「奇譚」「讀切講談」「戦線文庫」「にっぽん」については、ほとんど未見です。
>◇ 「近代生活」「少女の友」「新天地」「新国民」の該当号も未見です。
> 「近代生活」昭和13年2月号は、何年か前に、愛知県の古書店の目録に掲載されたことがあります。
>◇ 會津信吾氏『日本科学小説年表』によると、雑誌「くろがね叢書」昭和19年12月号に、「海底諜報局」
> が再録された、とあります。
>◇ おそらく満洲で発行された雑誌「ますらお」「満洲良男」について、ご存知ありませんか?
>◇ 第8著書『誓ひの魚雷』については、本当に発行されたかどうかを、確認できていません。
これらをかたっぱしから webcat で検索したところ「ユーモアクラブ」が一冊だけ、昭和17年 5月
号が東京大学法学部所属近代日本法政史料センター明治新聞雑誌文庫に所蔵されていることがわか
りましたので、閲覧してきました。
ユーモアもの「印度洋司令の帽子」が掲載されていました。詳細は大阪圭吉掲示板の 5日付書込を
ご覧ください。青空文庫でお前ちょっと復刻しろよ、と言われたら…… ちょっと躊躇しますねぇ。
正直なところ。
ところで明治文庫に雑誌「人性」復刻版 (不二出版)の内容見本が置いてありました。全17巻+別冊
1巻を 4回配本で刊行予定、総額\374,000で、第 1回配本の第 1〜4巻+別冊と第 2回分の第 5巻〜
8巻まではすでに出ているようです。
創生期の医学研究誌で、心理学・衛生学のみならず性科学や民俗学・犯罪生物学まで多様な分野に
果敢につっこんでいるそうです。乱歩が作品中で取り上げている図書や学者についても何か情報が
得られるやもしれませんね。
それで、主要執筆者一覧の項をみると「小酒井光次」という名前が。これって不木の本名ですか?
そうそう、ついでにもう一冊興味深い辞書も見つけました。『隠語辞典集成』(大空社)というシリー
ズで、第 7巻が犯罪編、『世界犯罪隠語大辞典』(西山光・黒岩健共編, 元版「犯罪実話」昭和 8年
新年号付録, 大同書房)を含め 4冊を 1冊にまとめて復刻したものです。他にも「モダン編」の巻な
どいろいろ出ていまして、これも乱歩作品のアヤしい人名や「ワンタン屋」等を知る手がかりになり
そうです。私はちょっと時間がなくて精読は今回叶いませんでしたが。
*
「文芸春秋 漫画読本」は見かけると買っています。そのうち総目次を作りたいものなのですが…
>僭越ですが、「漫画讀本」掲載作品は『ホシは誰だ?』文藝春秋編 にある程度
>まとめられています。入っていない作品もあるかもしれませんが。
あぁ、これは貴重なご教示ありがとうございます!
*
>> 先に名前をあげられた方は、相当苦労されているようですね。
> 苦労されているんですか!?
> 「探偵実話」「探偵倶楽部」の書誌には、期待しているんで、残念ですね。
実現を期待したいですね、若狭さんがんばって! 見つけたらいくらでも送るんですが…
「探偵倶楽部」は完全収集、「探偵実話」があとわずか、昭和25年の 1巻 2号と 4号、26年が
数号残すのみ。じりじりとにじりよってはおられるのでしょうか。
*
司馬遼太郎作品では「世に棲む日々」はあまり言及されることがないようですが、故藤沢周平
氏が高く評価しておりました。なにかの司馬追悼特集誌に寄せた文章で、「司馬作品ももっと
読んでみたいと思っているのだが、もう私自身残された時間が少なく書いておくべき作品がま
だあるので暇がない。それに司馬作品は「世に棲む日々」を読んで、もう司馬はこれ一作でい
いと断言してしまうくらい感動したのであるし」云々と書いておられた記憶があります。掲載
誌が手元になく正確な引用はできませんが、趣旨の大筋は合っていると思います。
ミステリじゃありませんがね ;-p
ご無沙汰しています
>中さま
まだご覧になっていますでしょうか。一区切りした後となり恐縮です。
約一ヶ月の内容ですが、江戸川乱歩アンソロジーリストβ版昭和歿後篇で載って
いない物がありましたので一応。現物は、さてどこにしまったか状態になっていま
して、結局再確認しておりません。全てノベルスの文庫化です。
『下り「はつかり」』鮎川哲也編 光文社文庫 1986.06.20 「押絵と旅する男」
『急行出雲』鮎川哲也編 光文社文庫 1986.07.20 「一枚の切符」
『四次元の殺人』石川喬司編 光文社文庫 1990.03.20 「鏡地獄」
今頃、しかも中途半端状態で申し訳ありません。既にご承知の事かもしれません
が。
>小林オーナーさま
瑣末事ですが、探偵実話臨時増刊「春の探偵小説祭り」昭和32年3月のグラビア
「思い出の写真集」の「昭和十一年海野十三氏出版記念会にて」という集合写真に
大阪圭吉が入っていました。結構集まっていたのですね。
>桜さま
僭越ですが、「漫画讀本」掲載作品は『ホシは誰だ?』文藝春秋編 にある程度
まとめられています。入っていない作品もあるかもしれませんが。
今年、静岡にある、古書店から入手したものに、「漫画読本」がありますが、中味を読んでいなくて、しばらく振りにめくりますと、昭和30年代、40年代のものには、推理小説が掲載されていることに気付きました。飛鳥高、島田一男、高原弘吉、鮎川哲也など、その他、たくさんありますが、「推理小説研究」にもその書名がありません。一部、掲載されていますが。
この頃の漫画雑誌についての研究はあるような気もしますが、いかがでしょうか。
小林さん、「著者にとって」が最初につくと、個人的に考えるようにしていますが、深く考えたことがないので確かではありません。
そうです、手元にあるのをみますと、いくつか、改装、異装がありますね。
大阪圭吉「新婚寝台車」は、「大阪圭吉研究 4集」に掲載されています。
がんりょ さん、こんにちは。
お名前は、「カトレアの泉」で拝見しています。
リンク、ありがとうございます。
リンクには、何も問題ないです。
私も、加納朋子MLの会員ですので、そちらでも、もよろしくお願いします。
桜さん
あら、あら。 桜さんでも、持っていない雑誌がありましたか?
それは、失礼しました。
「探偵春秋」1月号は、神奈川近代文学館で閲覧した筈なので、また行けば良いんですけど、なかなか時間が取れません。
著者後書きには、『青春赤道祭』の初版本は、「日本で最初の書き下ろし長編ユーモア小説である」とありますけれど、本当なんでしょうか?
この本も改装版だと言う事は、この出版社は改装本が多いのですね。
はじめまして、加納朋子ファンで
たどってここまできました。
新作やっと手に入れてこれから読むのが楽しみです。
さて、勝手ながら私の読書系サイトから貴サイトへのリンクを張らせていただきました。問題があれば指摘してください。
古書目録、九月は、25冊。一月から九月までは、全部で211冊でした。昨年は、212冊でしたので、変化はありません。
仰天の騎士さん、いえ、そんなにアタリになりません。東都ミステリー、それぞれ、七名ぐらいの競争らしく、そのなかの、あるものはアタリになりませんでした。
偶然です、アタラナイのはここに書きませんから、アタリが多いように思われがちですが、確率的には低いと思います。
「山沢晴雄4」がでましたか、年に1度の楽しみですね。
小林さん、「探偵春秋」の12年1月号は、所有していません。欠けています。
神田の有名書店にあった『青春赤道祭』。以前、私もそこで入手しました。再版と三版がありますので、それらは異装本になるようです。
この初版本がなかなかなくて、装丁と、タイトルも異なるため、欲しいのですが、遭遇していません。
末永さん、ハリスさんの『ぼくは日本兵だった』、出版関係はなく、また、宝石への小説掲載の事情もないようですね。
新聞でのインタビュー。古書価がうごくということは考えさせられますね。
桜さん、こんにちは(^o^)ノ
ああ、東都ミステリ−も注文していたのですが、どうやら・・(/_;)ヨヨヨ
29日抽選分も音沙汰なしなので、実りのない秋です。
そういやあ「山沢晴雄4」出ましたね。これは抽選じゃないから、
良かった良かった>おいおい
桜さんのひきの強さ、あ、あやかりたいぞおおお!
小林文庫です。
あまりの展開の速さ、話題の幅広さに、とても応対できません。
掲示板のナビゲータ役を務めるのはもう無理ですが、管理人としての役割は放棄していませんので、よろしくお願いします。
古本まゆ さん
何か有りました?(笑)
基本的に、この掲示板(ゲストブック)で起きている事は、私に責任がある、と言う事で、どなたからも謝っていただく必要は有りません。
その代わり、この掲示板の管理者は私だ、と宣言させてもらいます。
管理者としては「ミステリーに関する話題であれば」発言を制限したり、方向性を定めたりするつもりは有りません。
私が、「やめて下さい」と言わない限りは許容されているものとして、遠慮無く投稿してください。
(ただし、冒頭の精神は尊重してください。
また、掲示板運営に関して、冒頭の精神と、私の意志を尊重するつもりの無い方は、投稿をご遠慮下さい。)
…ですから、ご心配なく。
中さん
わぁ、中さんが登場されなくなるのは、寂しいです。
そんな事を言わずに、せめて時々は登場して下さい。
中さんの芸(ギャグ?)も、読みたいし…。
桜さん
> 先に名前をあげられた方は、相当苦労されているようですね。
苦労されているんですか!?
「探偵実話」「探偵倶楽部」の書誌には、期待しているんで、残念ですね。
> 「ぷろふいる」も所有していますので、ないようでしたら、資料として送ります。
ありがとうございます。
手塚さんの「大阪圭吉研究」も所有されているとは、流石と言うか?、当然というか?、やはり桜さんですね。
「作品リスト」で空白となっている雑誌は、原本またはコピーを所有しているはずですが、どこにしまったか解らない、と言うものです。
「花束の虫」初出の「ぷろふいる」は、所有しているはずです。「大阪圭吉研究」も持ってます。
ついでに、お言葉に甘えて、別の事を質問して良いでしょうか?
桜さんの事ですから「探偵春秋」は所有されていると思いますが、その12年1月号の「らくがき」というコーナーは、大阪圭吉の紹介だった筈です。
本当にそうでしょうか? また、その似顔絵の作者名は記述されているでしょうか?
> 最近入手した本は?
うぅーん、これといった本の収穫がありません。
残念だったのは、末永さんも「載りますように、載りますように」と祈願されているという「奇譚」。
最近2〜3ヶ月くらいの間に、3回注文しましたが、全部外れました。
内2回は、近代文学館で所有している号だったので、いいんですけど。
神田の有名書店に注文したときは、はずみで『青春赤道祭』耶止説夫を一緒にお願いして、こちらは当たってしまいました。
(当然、桜さんは所有されてますよね)
末永さん
末永さんも登場されないと、寂しいです。
また、どんどん書き込みお願いします。
「某誌の特集」、なんだか解りませんが(笑)楽しみです。
「貸本小説」広告は良く見かけますね。
書評についても、どの雑誌に載ったとか、教えて下さい。
最期に
有る方から、「くろがね叢書」第二十五輯(昭和19年12月31日)に、大阪圭吉「海底諜報局」が再録されていると、教えていただきました。
ありがとうございました。
恐るべし「くろがね叢書」。
今日はここまでで許して下さい。
ご返事できていない方、ごめんなさい。
ここのところ某誌の特集にかかりっきりで、ご無沙汰してしまいました。どうも精神的に余裕がなかったので遠慮していましたが、やっと校了したので、またお邪魔します。
いろいろ参加したいお話もありました。司馬遼太郎はニガテだとか(笑)。
ボチボチと追いつくつもりです。
おかげさまで、拙著はいろいろなところで書評していただき(日下さん改めて御礼申し上げます)、好調とのことです。ビンラディンのおかげで2週も延期された日経も無事掲載されましたし(石井さんご紹介ありがとうございます)。週刊誌にはほとんど載りそうですし、これからは各種月刊誌に載りはじめるので、それに合わせてもう一息がんばって書店まわりをやるつもりです。
桜様。
私は今日、『ぼくは日本兵だった』を入手しました。パラパラと見たのですが、あまり出版関係の話はなさそうですね。
中様。
HPは毎日拝見しておりました。「お姉さんシリーズ」、年賀状の仕掛け(古い話ですいません)同様、笑わせていただきました。
また、何か発見したらお知らせいたします。
ということで、復帰のご挨拶でした。
中様
ゲストブックを今朝会社で見てビックリしました(夕べ家で開かなかった
のがまずかった)。もう投稿はされないという事でしょうか…。
寂しくなりますね、本当に。
探偵論、司馬論、漱石論まだまだやりたかったのですが…。
人それぞれに様々な考えがあって、それを喧嘩でなくワイワイガヤガヤ
やるのは楽しいですね。又、是非戻ってきて頂きたいと思います。
これっきりとは思いたくありません。
『江戸川乱歩著書目録』楽しみにしております。
先日の書き込みで、「名張人外境界」大宴会と書いてしまいました。中さん、
それから案内をして頂いた大熊宏俊さんにも大変失礼しました。
いつかは必ず…。
仰天の騎士さん、
海野十三著『民族凱旋曲』昭和17.2.19発行、蒼生社。
そうです、2500円でした。
時々、私がアタリ、になりますね。
今年は、魔子鬼一、でも仰天の騎士さんとは、ぶつかったような気がします。もうしわけありません。
北のほうでは、記名があるものの、東都ミステリーが、安く、10冊以上でていましたが、私は、ジェームス・ハリスの本を入手できて、幸運でした。
日本の兵隊としての、幾年かは、すざましいものを読んで感じました。
平山さん、ちくま文庫をさがしましたところ、かろうじて、新刊で見つけました。ありがとうございます。
小林さん、「ぷろふいる」昭和9.4(2巻4号)、大阪圭吉「花束の蟲」は、空欄ですが、手塚さんの「大阪圭吉研究 1集」1996.3.3発行、に掲載されています。
「ぷろふいる」も所有していますので、ないようでしたら、資料として送ります。
リストに入れていただけるほどの貢献何かあったかなぁ、と本気で思い出せ
なかったりする金光です。
中さん、また戻ってきてくださいね。そのときまでには不明事項できるだけ
調べておきたいと思ってます。「日本児童文学大系」のほるぷ出版はこの頃
機関紙「ほるぷ新聞」を出しています。ならば自社出版物の広告くらい載せ
ているでしょうから価格はそれで判明するはず、だとか、もう一つの「新青
年」復刻版 (昭和60年に国書刊行会より全 7冊 + 別巻 1冊)のこととか…
果てることもなき探索の奔流はいったい
どこへ流れ着くのかと思っていましたが
中締めとのこと。一日も早い刊行を
祈ります。まっさきに注文させていただき
ますね。
PS 今日「創元推理21冬号」を買いました。
創元推理文庫収集の話は興味尽きません。
>海野十三著『民族凱旋曲』昭和17.2.19発行、蒼生社、を入手。このとこ>ろ、昭和十年代のものを手に入れています。
ああ、それはわしも注文入れていた・・ま、負けちゃたぞお(/_;)ヨヨヨ
2500円ですよねええ、それ。
それだけかい、ほい、それだけだああ(^o^)ノ
当店の建ってる地域には、「お月見泥棒」という、子供たちが色々な家を廻って
お菓子をもらって歩く「和製のハロウィーン」とでもいうべき習慣があります。普
段はお客さんの姿のほとんどないない当店にも、沢山の子供がやってきました。
中相作さま
この掲示板での情報の収集に区切りをつけられるとのこと、どうもお疲れさまで
した。まだ道は長いことと思いますが、本の完成を楽しみにしています。過去の二
冊も、店の資料として使わせていただいております。
来年の春まで出張の予定も(大きな仕入れを行う資金も)ないので、「山羊鬚編
集長」を手に取る機会もなかなかないと思いますが、もし何か判りましたらメール
させていただきます。
小林文庫オーナーさま
当店のことでご迷惑をおかけしたようで、大変申し訳ありません。この機に、ち
ょっと当店のことを書かせてください。けっして宣伝ではありません。
この掲示板に書き込みをさせていただいているだけで、当店を「ミステリ専門
店」と誤解される方のみえることを懸念したのですが、当店が「ミステリ専門店」
というような発言をしたことは今までにありません。大衆小説の好きな親父のやっ
ている「町の古本屋」という位置づけです。独断と偏見で、当店が一定水準以上と
認める本でしたら、基本的にどんな本でも扱っております。これには、専門店化に
よる仕入れと販売価格の上昇を避ける狙いもあります。
商品は最近随分と充実してきているとは思うのですが、こと大衆小説に関する限
りは仕入れの機会が少なく、寂しいですね。
今日は、明治時代の人情雑誌や人情小説を少し手に入れたので、仕事を楽しませ
ていただきました。古本屋にとっての一番の楽しみは珍しい本に出会うことです。
桜さま、
いいわすれていましたが、もちろんナダ出版センターのが一番新しいものです。しかしあれは翻訳のみで研究やパロディはちくま文庫しか載っていません。
中さま、
よくおぼていないのですが、「花も嵐も」の後半の乱歩登場について御連絡しましたっけ。
はや10月を迎えました。いつの年も、末ちかくあらわれ、丘に霧が、川に狭霧がたちこめる、だとか、昼は足早に歩み去り、薄明が足踏みし、夜だけが長々と坐りこむ、だとかうっとり暗誦してる場合ではありません。みなさんどうも、長々お世話になりました。10月になりましたので、私は月へ帰らねばなりません。いえそんなことはないのですが、こちらの掲示板でお願いしておりました『江戸川乱歩著書目録』のための調査は、ひとまず終了とさせていただきます。
この手の作業はエンドレスになりがちなものですから、どこかで区切りをつけないと、意地汚い酔っ払いみたいに果てしなくずるずるしてしまうことになりかねません。むろん調査そのものはまだ終わっていないのですが、これからしばらくはインターネットに関係のないところで調べものをして、そのあとまたこちらのお世話になることになろうかと思います。そのときにはひきつづいてよろしくお願い申しあげます。
名張市立図書館の『江戸川乱歩著書目録』は来年度の刊行を予定しておりますが、名張市の来年度予算を獲得できるかどうか、いまだに見当がつきません。たしかこちらにお邪魔した当初、予算獲得の確率は今年の巨人がリーグ優勝する確率に等しい、みたいなことを申しあげましたが、いまとなりましては巨人優勝の可能性、どう贔屓目に見積もっても50%程度だと思われます(涙ながらに強がりいってる私です)。なんと不吉な。
名張市の平成14年度当初予算は来年3月の定例市議会で正式に決定されるのですが、名張市は来年4月に市長選挙を控えているため、当初予算は骨格予算となります。つまり、誰が市長になったって必要になる義務的経費を中心に予算編成が行われますので、市民生活には何の関わりもない『江戸川乱歩著書目録』の予算が獲れるかどうか、まったく予想がつきません。しかしまあ、それほど心配することもないのではないかと思っております。
こちらの掲示板で乱歩の著書に関してご教示をいただいたみなさんには(こちらの掲示板をご覧になり、当方に直接メールでご教示をいただいた方にも)、『江戸川乱歩著書目録』を一部ずつお贈り申しあげます。それから、同書奥付の協力者欄にお名前を列記させていただきます。手許の記録によれば、こちらの掲示板での協力者は次の方々です(敬称略)。
アイナット 芦辺拓 いわい 岩堀 金光寛峯 かわぐち 喜国雅彦 日下三蔵 小林文庫オーナー 桜 末永昭二 須川毅 奈良泰明 平山雄一 風狂 フク 古本まゆ 宮澤 森英俊 やよい Dupin iizuka
まことに失礼なお願いながら、もしもこのリストに記載洩れがありましたら、お手数ですがどうぞご連絡ください。また、上記のなかば以上の方のご住所を存じあげませんし、記載はご本名のほうがいいのかなとも思われますので、そのあたりのことは時期を見てメールでお尋ねすることにいたします。
ともあれ、今年5月に初めてお邪魔して以来(おまえの親父が「小林文庫の新ゲストブック」で話題になってるぞ、と平山雄一さんからメールでお知らせをいただいて、何が起きたのか訳もわからぬままにお邪魔したのが最初でした)、みなさんには何かとご親切にしていただいて、心からお礼を申しあげます。直接的なご教示をたまわったことももちろんですが、「声援を力に走れました」という高橋尚子ちゃんの言葉がなんとなく実感として理解できるような、そんな気持ちになれたのもたいへん嬉しいことでした。
とくにオーナーの小林さんには、平山さんの掲示板で思いがけずお声をかけていただいて以来、すっかりお世話になりっぱなしでお礼の言葉もありません。にもかかわらず、掲示板というのは私にとってなにしろひとつの舞台ですから、拙い芸を連発して見苦しく受け狙いに走りましたことをまことに心苦しく思っております。しかしこればかりは、われらが田辺聖子お姉さん風に「性分でんねん」と申すしかないものであり、いわば私の宿痾ですので、なにとぞご寛恕をいただきたいと存じます。そんな宿痾を詩にしてみました。
お酒を見れば飲みたがる
おっぱい見れば揉みたがる
舞台を見れば受けたがる
ほんに私はあほかいな
横山ホットブラザーズみたいなノリになったことを遺憾といたします。
最後に探偵嫌いに関して申しあげておきますと、私はパトグラフィを否定するものではありませんし(さして面白いものだとも思いませんが)、とくに夏目漱石や、それからたとえば南方熊楠なんて人のそれにはそれなりの興味を感じますが、パトグラフィのみに依拠していては、柄谷行人さんの言を借りれば「実証主義」の探偵にとどまるしかないのではないかと思われます。しかし本というのは、「実証主義知性にとって見えないような謎を解明する知性主義」によって読むことも可能で、というか、そっちのほうが読み方としてはるかに面白いだろうと考えております。むろん人それぞれ、眼の前の本をどう読むかは百人百様であってしかるべきですが。
などと書いていては際限がありません。とにかくお世話になりました。忘れません。みなさんのご厚意ご指導ご助言ご支援その他もろもろ。忘れません。この身にあまるほど頂戴しました。忘れません。「小林文庫」のご発展とみなさんのご多幸とを祈念して、とりあえず10月1日のご挨拶とさせていただきます。なお、この段落にある「忘れません」は、昨日の原辰徳次期巨人軍監督の挨拶をご存じの方のみにご用意させていただいたものです。
それではみなさま、さーよーおーなーらー。
かしまし娘みたいなノリになったことを遺憾といたします。
海野十三著『民族凱旋曲』昭和17.2.19発行、蒼生社、を入手。このところ、昭和十年代のものを手に入れています。
昭和十七年に、ラバウルにでかけていますので、そのときの船上での後記があります。よみやすく、子供むきのような味わいがありました。
平山さん、ちくま文庫、10巻を探してみます。ありがとうございます。ご存知のように、ナダ出版センターでは、新井さんらによる、『明治期シャーロック・ホームズ翻訳集成』全3巻、50,000円、がだされていますが、大作ですね。
金光さん、昭和25,26年のもの、小型版でしょうから、あとに残りずらいのでしょうか。
>中さん
世界大ロマン全集は1956(昭和31)年 1月に第 1巻『鉄仮面』(アレクサンドル・デュマ,
大仏 次郎訳)が出ています。
この全集の編集をやっていたのはフランス文学者として著名な曾根元吉氏だそうで
すが(「幻戯の果 曽根元吉追悼」渡辺一考, 「幻想文学」第60号, 2001.3, アトリエ
OCTA)、第 3巻に『魔人ドラキュラ』が入ったあたりは、あるいは「怪談入門」をもの
していた乱歩の意見も入っているのかもしれません。
個人的に気になっているのはそこでなぜ翻訳者として、当時岩波文庫に小泉八雲の訳
が入っていたくらいでほぼ無名の存在であり、探偵文壇ともまるきり交渉のなかった
平井呈一が抜擢されたのかという点なのですが。ただ単に『怪談』やれるならドラキュ
ラだってやれるだろう、って決め方で声がかかったわけでもなかろうし、黒沼健とか
妹尾アキ夫ら「新青年」から活躍していたよく知る翻訳者もいたはずなのに、それが
平井に決まったのにどういういきさつがあったのか分からない。
すんません、関係ない話でしたね。
>桜さん
>山前さんも、昭和25,26年の、探偵実話が入手困難である、と言われていました。
>先に名前をあげられた方は、相当苦労されているようですね。
山前譲さんをして困難と言わしめますか。ううん、たまたま運がよかったんだなぁ。
ただ、仕方ないのかもしれませんね。目次のコピーがありますので書き写しますと、
血の畳針/高山貞政, 地下鉄三四郎/城戸禮, "行動のみがすべてを決定するアプレ
男女" 日大ギャング愛欲記/安達次郎, マダム太閤行状記/小笠原宗明, 宝くじ殺
人事件/坪田宏, 聖女犯/北里俊夫などなど。
いちおう読むには読みましたが…
これは残らないだろうなというのが正直な感想でした。
>完成を待ちたい、と思っています。
本当にその通りですね。
日経新聞にて、末永さんの『貸本小説』の紹介がありました。簡潔にして的確な書評。
この本がどうして多くの反響を得たのか、その理由に頷いてしまう文章でした。
私は昔から全国紙の中でも日経新聞の文化欄は一番好きでしたが、この本の
取り上げ方を見ると、本当にここの文化欄のいい!と確信してきた自分の好みは
間違っていなかったという喜びに震えます。
ちょっとオーバーでしたが、好きな新聞に好きな本の書評が載ったという事で、
大目に見てやって下さいませ。
ところで、ついでに漱石の探偵嫌いは私も若干心当たりがありましたので、反応を。
古畑博士の『法医学ノート』で漱石がストリンドベルの戯曲(ある家族の血縁関係を
描いたもの)見た際に「気が滅入った」と言ったのを読んで、つくづく漱石という
人は、そういうこみ入った人間関係が苦手な人なのだと思ったものでした。
これぐらいの人間関係が苦手なのでしたら、確かに探偵嫌いなのも無理ないかも
しれませんね。ミステリファンとしては残念ですが。
ただ、漱石のそういう神経質なところは文学的に素晴らしい作品を生んでいるので
一概に悪しと言うつもりは全くありません。どちらにしても、漱石は素晴らしい
ですから。
オーナーさま
すでに藤原氏の「本棚の中の骸骨」でも内容が案内されていますが、
東京創元社の編集のかたから大阪圭吉の2冊の短編集の熱のこもった
紹介文をいただきました。上記URLの「News」をご覧くださいませ。
圭吉の短編はどれも好きですが、個人的には「人間燈台」を読了した
さいの衝撃が忘れられません。
現在は、以前ここでも話題になった、渡辺啓助の連作集『空気男爵』
を1編ずつ、楽しみながら読んでいます。神出鬼没の、空気投げを得意
とする正体不明(見え見え?)の怪盗「空気男爵」。それを追う、私立
探偵・蒼木麟五郎とその助手の香月鮎子。この作者のシリーズ探偵物は
『海底散歩者』にしろ『東京ゴリラ伝』にしろ、正直、通俗味がかって
いるので苦手にしていたのですが、これはなかなかいけます。なにより
後味がいいのが好みです。
中様
本日は会社へ出てきて、先刻帰ってきたところです。
最新の書きこみ拝読致しました。きちんとしたレス書くべきところですが、
疲れ気味でとりあえず簡単に…。
>漱石の探偵嫌いに関しましては、ロンドン留学も「被害妄想的な病気」も、先に引用
>した内田隆三さんの言を借りれば「事態の一面」に過ぎず、やはり根っこの部分には
>「『探。偵』という存在の仕方そのものに通底する近代文明の批評」があったと見るべ
>きかと思います。
たしかに、病気のせいと一言で片付けるべきではないかもしれませんが、漱石の場合は
司馬、三島に比べて、病的な要素が大きいと私は思います(根拠はあらためて…)。
>また三島由紀夫は(おそらく司馬遼太郎も)、推理小説に描かれた名探偵を知ることで
>探偵嫌いになったわけではなく、彼らの「厭うべき何か」の似姿が探偵であったと考
>えるべきではないでしょうか。
一般の人々が探偵小説に対するイメージを形成する上で、いわゆる「名探偵」の
イメージが果たす役割(影響の大きさ)は、決して軽くはないと思います…と言う事を
言いたかったのです。もっとあけすけに言うならば、なんで明智、金田一だけがそん
なに人気があるんだ、少しは鬼貫さんにも陽があたって欲しい…という気持ちが走って
しまいました。
あと、「名張人外境界大宴会」是非馳せ参じて中さんに拝顔したいところですが予定入って
いまして、まことに残念です。でも近未来に必ず名張訪問実現したいです。
桜さん、
1975年の私家版は私ももっていませんが、新井さんの書誌の作り方から見ていちばんあたらしいちくま文庫のホームズ全集10巻にのっているので十分だと思います。むしろ「未来趣味」の藤元さんの書誌には驚かせるものがいくつかありましたが…。新井さんのには児童書が割愛されているのが残念です。
はじめまして。私は、中相作さんのHP「名張人外境」のオフ会(大宴会と称しております)の幹事をつとめさせていただいております大熊宏俊と申します。よろしくお願いいたします。ここは、いつも目をまるくして拝見させていただいております。今日は中さんに召喚され、ご挨拶にまかりこしました。少しのあいだ失礼いたします(管理人さま、掲示板の主旨とはずれるも知れませんが、どうかお許し下さい)。
陳者(「のぶれば」とお読みください>本日の「人外境主人伝言」を参看のこと(^^;ゞ)、No.475の投稿で中さんご自身が書き込んでおられますように、きたる10月21日、「名張人外境」大宴会を開催いたします。
御存知のように当日は乱歩誕生日にあたりますが、丁度この日をもって「名張人外境」は開設されたのでした。爾来丸2年を過ぎ、いよいよ3年目に突入いたします。目出度いことです。
幸いにも今年は当日が日曜日ということで、乱歩の生地にして中さんのアジト・名張市におきまして「開設2周年記念大宴会」を、下記の次第で催すことに致しました。
友人・知人相集って、「名張人外境」のますますの発展を祈念し、歓談いたしたく存じます。
こちらの皆さまにもぜひおこし頂きたく、お誘い申し上げます。
お忙しい折とは存じますが、万障お繰り合わせの上、何卒ご臨席たまわりますようお願い申し上げます。
なお、ご参席いただけます場合、大熊までメールにて御一報下さいませ。
―― 記 ――
日時 2001年10月21日(日曜) 午後4時頃〜8時頃
会場 「せと」(名張市役所にほど近い中さん懇意のお店です。当日貸し切り)
集合 午後3時頃 近鉄名張駅(各自時刻表ご確認ください)
会費 リーズナブルなお店ですので、1万円かからないと思います。去年はたしか6、7000円だったと記憶しています。
帰りの近鉄特急があるうちに閉めたいと思います。時間を気にして飲むのもなんですから、できるだけ早い時間に始めることにいたしましょう。お泊まりの場合はビジネスホテルをご紹介いたします。
――以上、オフ会のお誘いでした。ながながと失礼いたしました。
>中さん
こんなもんで、よろしいかしら。
2分割をご容赦ください。話題がおおくて、ついていくのが大変です。
中さん、「世界大ロマン全集 全50巻」内容見本の、発行日は、1958.2月現在、でした。
個々の巻数の記載はなくて、最初の巻の発行日は不明です。
個人的には、講談社の、「ロマン・ブックス ミリオン・ブックス 総目録」全14ページ、を手に入れたのがうれしいです。1957、1.30。
金光さん、山前さんも、昭和25,26年の、探偵実話が入手困難である、と言われていました。同人誌「地下室」に掲載された情報(原稿)によれば、先に名前をあげられた方は、相当苦労されているようですね。
完成を待ちたい、と思っています。
小林さん、古書の入手具合はいかがでしょうか。
先ごろ、北のほうの目録で、ミステリが安く出ていました。
そのなかでも、目当ての、J・B・ハリスの
『ぼくは日本兵だった』1986・8・1 第1刷、旺文社
を手に入れました。1941年12月8日から1945年6月までのことが書かれています。日本名もわかり、兵隊としての行動など、貴重な資料でした。
平山さん、入手していませんが、『コナン・ドイル、シャーロック・ホームズの翻訳文献目録』1975、私家版、も貴重な文献でしょうか。
■桜様
お知らせありがとうございます。「世界大ロマン全集」の内容見本は、乱歩の推薦文だけコピーをもっているはずです(と思います)。お手許の内容見本からは、この全集の刊行開始が何年何月であったかがおわかりでしょうか。以前からそれを確認したいと思っておりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
■岩堀様
仰せのとおりだと思います。松鶴家千歳の芸風をもっときちんと踏襲していれば、ギャグにもさらに磨きがかかったものをと悔やまれます。ご指摘の点といい「黄色い下宿人」の件といい、年にひとつ出るか出ないかのギャグを前にして、私はあたふたと焦ってしまったようです。テレビでプロ野球を観戦しておりますと、あまりにもいい球が来たのでびっくりして打ち損じてしまいました、なんてことがありますが、あんな感じでしょうか(むろん言い訳にはなりません)。あるいは、あまりにもいいお姉さんが来たのでびっくりしておっぱいを揉んでしまいました、みたいな感じでしょうか(こんな言い訳も通用しません。通用したら世の中さぞや楽しくなるだろうなとは愚考されますが)。
漱石の探偵嫌いに関しましては、ロンドン留学も「被害妄想的な病気」も、先に引用した内田隆三さんの言を借りれば「事態の一面」に過ぎず、やはり根っこの部分には「『探偵』という存在の仕方そのものに通底する近代文明の批評」があったと見るべきかと思います。むろん小説だって文明批評だって、一種の病気がもたらすものと見ることは可能ですが。
また三島由紀夫は(おそらく司馬遼太郎も)、推理小説に描かれた名探偵を知ることで探偵嫌いになったわけではなく、彼らの「厭うべき何か」の似姿が探偵であったと考えるべきではないでしょうか。少なくとも三島は推理小説など取るに足りぬものだと思っていたはずですし、そこに描かれた名探偵などは読み捨ての娯楽小説を機能させるための荒唐無稽な登場人物に過ぎぬと見ていたように判断されます。
もっとも三島は、「推理小説批判」のなかで名探偵そのものをこんなふうに直截に批判してもいますが。
《第三に、探偵がキザでイヤである。どうして名探偵といふやつは、かうまでキザなのであるか。あらゆる名探偵といふやつに、私は出しやばり根性の余計なお節介を感じるが、これは私があんまり犯人の側につきすぎるからであるか。大体、知的強者といふものにはかはいげがないのだ。》
三島は「とにかく古典的名作といへども、ポオの短篇を除いて、推理小説といふものは文学ではない。わかりきつたことだが、世間がこれを文学と思ひ込みさうな風潮もないではないのである」とも書いています。文学うんぬんの話は別にしても、推理小説中心史観は推理小説ファンのあいだでしか通用しないと思われます。推理小説に興味のない人間が(私も含めて)世間には数多く存在しており、だからこそ瀬戸川さんの「ミステリ・ファンの多くは自覚していないけれども」という言葉が面白いものに感じられる次第なのですが。
●杉浦康平さんの講演会
きのうにひきつづき、私が主宰しておりますホームページの開設二周年記念大企画関連イベントをご案内申しあげます。どうも厚かましくて申し訳ありません。
10月20日土曜日、徳島県板野郡北島町立図書館・創世ホールで杉浦康平さんの講演会「ブックデザインの宇宙 本の森羅万象」が催されます。詳細は上記 URL の北島町オフィシャルサイトでご覧ください。
翌10月21日が開設二周年記念大宴会となる次第ですが、なにしろ名張市内での開催ですから集まりはひどく悪かろうと予想されます。名張まで足を運んで大宴会に出席してやろうとお考えの方は、大熊宏俊名張人外境大宴会終身大幹事にメールでご連絡ください。は? 大熊大幹事のメールアドレスをご存じない?
えー、大熊大幹事大熊大幹事、いきなりで申し訳ないけどご挨拶お願いね。
あ。お願いね、だなんてオネエ言葉になってしまいました。これにはちゃんと理由があって、今年7月に名張に住み着いた四十九歳独身男性南方熊楠ファンというのが最近拙宅に出入りしているのですが、これがどうやらその気のある男らしく、少し前に名張市立図書館でばったり顔を合わせたおりには、
「あの乱歩コーナーの岩田準一の本は貸し出しできないの」
と尋ねられました。乱歩コーナーの蔵書は貸し出せませんから私が持ってる『男色文献書志』と『本朝男色考』を貸してやったのですが、一週間ほど前にこの四十九歳独身男性から電話があり、
「あの本まだ読めてないんだけど、このままお借りしておいていいかしら」
「あーら、お仕事お忙しいの」
「じゃなくってー、活字の多い本を見てるとなんだか眠たくなっちゃって」
「ま、ばっかみたい」
「ほほほほほほほほ」
みたいな感じでどうにも調子が狂ってしまいます。きょうもきょうとてこの男が拙宅に来ることになっておりますため、私の調子は早くも狂い始めているようです。
みたいな感じで、大熊大幹事、よろしくお願いね。
芦辺様
中さんへのレス興味深く拝読しました。
>お説、ここに至ってアッと声をあげそうになりました。司馬遼太郎の推理小説嫌い
>と三島由紀夫の『Yの悲劇』批判――確かにつながってくるようです。ところで、
>ここに両作家の「大衆主導の社会への憎悪」「エリート支配への幻想」を見てしまう
>のは例によって僕の僻目でしょうか。
推理小説に出てくるいわゆる「名探偵」を、ある意味で大衆側の代表というか、大衆の
卑俗な願望(例えば、有名人のスキャンダル好みとか他人の秘密めいた事を知りたいと
か…)を代行しているという風に二人が考えていて、そこを嫌っていたのではないか、
その場合の「名探偵」は、やはり、明智、金田一のように、個性的な、そしてかなり
うろんなところのある探偵でしょう。他方、そういう「名探偵」が一般大衆に大きな人
気を得ているのが現実ですね(鬼貫さんの人気がないのはしょうがないか…)。その点で、
芦辺さんのご指摘は正鵠を得ていると思います。
私は、三島由紀夫については30年ほど前に「文化防衛論」というのを読んで、まさに
鼻持ちならないほどのエリート意識を感じて、それ以来全く読んでいません。
司馬遼太郎は、殆ど全て読んででいますが、彼の小説の特徴は、初期(「梟の城」、「風神
の門」とか)を除いては、殆どが歴史上の英雄、天才を主人公にしている事です。しか
も、その作品中に一般大衆が殆ど出てこないのです。そういう場面は全く思い出せませ
ん。司馬遼太郎の作品は、よく「俯瞰による歴史視察」と言われますが、別の言い方を
するならば「大衆」からという視点はないという事になるでしょう。彼の作品はドラマ
チックで非常に面白い、だから広く読まれているのでしょうが、私はある時期あたりか
ら「大衆不在」という点に気付いて、結局、司馬作品は純粋に小説として楽しむもので、
歴史を学ぶものではないと思っています(実際の史実と違うところもある)。「結局、お
前は司馬遼太郎が好きか、嫌いか」と迫られると困惑ですが、その欠点・限界は認識し
ながらも愛読してきたという「ヌエ的」回答になりそうです。芦辺さんの「…憎悪」と
いうのは、やや過激な感がありますが、司馬作品の本質を鋭く衝いておられると思います。
金光 寛峯様
>司馬遼太郎が死ぬまで 15年戦争時の参謀本部を唾棄しぬき、批判しぬいた事は有名
>です。……「ノモンハンを考えると頭の血管が切れてしまいそうになる」… …
>なぜこんなになってしまったのだろう。昔からこうだったのか。否、明治時代は、
>日露戦争までは違っていた(坂の上の雲)。司馬にとって明治を明るく書くことが、すな
>わち空論と観念で何もかもだいなしにした昭和戦争時代への批判だったのでしょうか。
う〜ん、難しいところですが私はそうではなくて(「昭和戦争時代への批判」)、昭和の
軍人にあきれ果てて(絶望して)明治時代に「逃避」したのではないかと思うのですが。
その結果、意識的か無意識かは知りませんが明治の「光」の部分しか見なかったのでは
ないか…。昭和20年までの歴史を批判しようとするならば、それは明治という時代ま
でつながるのが当然と思いますが、彼はそれを避けた…。仮に、「昭和戦争時代への批
判」だとしても、結果的には、彼の態度は、明治という時代又は明治という国家への手
放しの礼賛に見えます。私は、司馬遼太郎への最大の不満をそこにおきます。「光」だけ
でなく「影」(過日のメールで書いた「大逆事件」など)も見なければ、その時代を正し
く把握したことにはならないと思います。もちろん、彼の昭和前半への厳しい批判は全
く至当だと思いますが。そういう意味でも、「ノモンハン事件」は是非書いて欲しかった
と思いますね。
>それにしてもなぜ「薔薇」なんでしょうか?
金光さんもやはり不思議ですか。たしかに意味不明せすよね。
akawasさま、
ありがとうございます!まさかウイスロウのことがわかるとは思いもよりませんでした。しかしつづりとファーストネームさえわかれば、あとはどうにかなるもので、彼のことが載っているらしい事典のなまえがわかりましたので、アメリカの友人に人名事典を調べてもらうように頼みました。どうやら牧師で作家、編集者だったひとのようです。
ごぶさたしています。
ROMはつづけています。
とくにこのところの司馬遼太郎の探偵嫌いの説や
「早すぎた埋葬」をめぐる人名の掘り起こしなど
舌を巻いて拝見しています。
>平山雄一さま
ウイスロウの「ローマのカタコーム」ですが
William Henry Withrow,"The Catacombs of Rome and Their Testimony Relative to Primitive Christianity", 1874.
がそれではないでしょうか。
W.H. Withrow(1839-1908)は、宗教学者/宗教史家のようですが
イギリスの人名事典にはみあたりません。
他の著作題名から判断するにカナダ人かと思われます。
中様
本日昼頃の私の書きこみは、昨日までの中さんの投稿を見ての
レスでした。本日のご投稿(No.463)は今拝見しました。
又あらためてレスさせて頂きます。なにしろ、パッパッと文章を
書けないもので…、すみません。
管理人です。
今のところ、穏健に対応しております
ひとつ下の私の投稿は、おかしな部分があったので、再投稿します。
最近、掲示板荒らしと判断せざるを得ない書き込みが有りました。
この掲示板は、ミステリーについて、楽しく気軽に話し合える場として、設置しています。
冒頭に記述してある趣旨に反する書き込みは、削除します。
不規則発言は、止めてくださいね。
同時に、2001年06月30日以前の書き込みを、小林文庫のゲストブック過去ログへ移動しました。
No.464 中さん
と言う事で、発言番号が変わってしまいました。
汚らしいので、発言を削除した後も消してしまいました。
「No.1181とNo.1182を投稿した莫迦」と言うところが、間の抜けたものになってしまいました。ごめんなさい。
その後も懲りずに同じ発言を繰り返している「お莫迦さん」には、中さんの発言は理解できないでしょうね。
だいたい、自分について考える人は、あんな投稿はしないもの。
私からも一言。
不規則発言を繰り返すなら、せめて芸を見せましょうよ。
芸も無く、コンピュータに向かって、同じ投稿を繰り返しているとしたら、あまりに可哀想ですね。
外に出てみましょうよ。 外は秋晴れですよ。
中様 芦辺様
今週は帰りが遅くて中さん始め皆さんの書きこみ読むのがせいいっぱいでした。
それにしても皆さんの熱気は凄いですね。なにからどう書いたらいいのか、書い
ていってどうなるのか困惑の態ですが、まあ書き始めなければ…。
まず軽い?話題から…。中さんの、年にひとつ出るか出ないかという会心のギャ
グ、「俺が昔、ロンドンで黄色い下宿生だったころ、妹はスリー・キャッツで黄色
いサクランボだった…」私は即わかりましたよ。ただ、もう一言、「ワッカルカナー」とつけると、カンペキでしたね。
さて、漱石の探偵嫌いの件、中さんに触発されて私も新潮文庫「彼岸過迄」買って
しまいました。学生時代に岩波版全集を図書館から借り出して一通り読んでいたの
で、漱石を買うのは極めて珍しいことです。27日の晩に、柄谷行人さんの解説読
んで見ましたが、中さんの28日朝書きこみとほぼ同じような感想を持ちました。
「探偵の分類に無理がある」、これは正確に言うと、敬太郎の分類すなわち漱石の
分類であって、漱石の時代を考えれば無理からぬところかとも思いますが、漱石の
探偵嫌いは自然主義嫌いと等価だというのは、私も柄谷さんの考えすぎではないか
と思います。漱石の探偵嫌いは、鏡子夫人の「漱石の思ひ出」の冒頭に書かれてい
るように、若い頃から(ロンドン留学よりも前から)時々出ていたという、自分は
誰かに見張られているという被害妄想的な病気(夫人は「追跡症」という用語を使
っています)が一番の理由ではないでしょうか。「あばきたてる」「暴露する」と
いう行為をするのが探偵であると考えるならば、その被害を受けたと思っている人
間がこれを嫌うのは当然でしょう。私の単純思考かもしれませんが…。
芦辺さん
>「(司馬)氏は推理小説に登場する探偵たちを「犯罪の真実は、“お上”たる警
>察とわれわれマスコミが認定するのに、何でお前たちただの市民が口を出すの
>か」と嫌悪していたのではないでしょうか。」、
中さん、
>「二人の探偵批判にはひとつの共通項があることに気がつきます。司馬遼太郎が
>「あばきたてる」といい、夏目漱石が「暴露」と呼んだ探偵の行為です。あばき
>たてる。暴露する。三島由紀夫ならこれを、「奥底にあるものをつかみ出す」と
>表現することでしょう。
お二人の上記ご意見を見て思ったこと。漱石の時代はまだ乱歩が出現していないか
ら別として、司馬遼太郎、三島由紀夫は探偵小説に登場する探偵は、全て明知小五
郎、金田一耕助のような(市井の)「名探偵」をイメージしていたのではないか。
たしかに、こういう名探偵に対しては、上記のような考え(偏見というべきか)を
持つ人が出てきてもおかしくはないような気もします。程度の差はあれ、そういう
面はありますからね。しかし、そうでない探偵役もいるわけで、司馬、三島がそう
いう探偵を知っていたらどうだったか…という「妄想」が膨らんできます。具体例
で言うと、鮎川さんの鬼貫警部です。警視庁の現職警部ですから、司馬遼太郎の「お上云々」という批判は成立しないし、職務を誠実に果たしているわけで、「あ
ばきたてる」とか「暴露」というイメージは全くありませんね。そういう健全派探
偵(「明智、金田一は不健全だというのか」と怒る方もいるかもしれませんが…)
もいるという事を知っていれば、彼らの偏見の程度も緩和されていたのではないか
と愚考します。以下、妄言(暴言?)になりますが、明智小五郎、金田一耕助的名
探偵は多くのミステリファンを生み出したのは事実でしょうが、そのイメージにあ
る種の偏見を持つ人をも生み出した、そういう偏見を払拭するためにも鬼貫警部の
人気が上がらなければならない…、鬼貫ファンとしては切にそう思います。語るに
落ちた感じで、格調が低い文章で申しわけありません。
芦辺さんの、「両作家の「大衆主導の社会への憎悪」「エリート支配への幻想」を
見てしまうのは例によって僕の僻目でしょうか。…」、金光さんの「司馬遼太郎の
昭和・明治論」へもレスしたいのですが、長くなってきたのでひとまずこれに
て。
中さん、先日、内容見本を入手しました。
「世界大ロマン全集 全50巻 東京創元社」
推せんのことば、として、
「何度読んでも面白い 江戸川乱歩」
10行x20字
です。本ではないので、情報のみです。
管理人です。
最近、掲示板荒らしと判断せざるを得ない書き込みが有りました。
この掲示板は、ミステリーについて、楽しく気軽に話し合える場として、設置しています。
冒頭に記述してある趣旨に反する書き込みに反する書き込みは、削除します。
不規則発言は、止めてくださいね。
それから、この掲示板CGIには、元々荒らし対策が組み込まれていましたが、その一部を表に出しました。
管理人権限で削除いたしました
しつこいぞ莫迦。No.1181とNo.1182を投稿した莫迦、おまえのことだ。しつこい男はほんとにお姉さんから嫌われるのだぞ。まだわからんのか。それにしてもおまえはどうしてそんなに情けないのだ。マニュアルどおりにしか接客のできぬコンビニやファーストフードの店にばかり行きつけてると、お前のような莫迦はいよいよ莫迦になってしまうものらしい。つけあがるな。文句があるのなら関係者に直接いえ。それもできぬ根性なしが偉そうな口を叩くな。掲示板に匿名で悪口雑言を書き連ねるな。卑劣な真似をするな。おまえのそのしつこさの理由を考えてみろ。おまえにとっての「厭うべき何か」を考えてみろ。おまえはおまえのねじくれた傲慢さに思い当たるはずだ。二度と来るな。
■小林文庫オーナー様
まーたカチンと来ましたのでできるだけ差し障りのない文面にして投稿いたします。差し障りがあるとお考えでしたら削除をお願いいたします。余計なお手数をおかけして申し訳ありません。
そういったような次第で、探偵嫌いにとっての「厭うべき何か」を深いところまで探ってゆくと、最終的には二十世紀や現代文明といったものにぶちあたってしまうのではないかという気がいたします。三島由紀夫や司馬遼太郎の場合はより直截に、探偵嫌いは戦後社会への違和感の現れ、戦後社会を成立させてしまった基盤への拒絶反応であったといえるかもしれません。
むろん単なる思いつきにすぎず、公表するのも憚られるしろものですが、探偵嫌いに関して私見を申し述べました。
ここで瀬戸川猛資の『夢想の研究』に戻りますと、私が面白いと思ったのは次のくだりです。
《ミステリ・ファンの多くは自覚していないけれども、世にミステリ嫌いが存在する理由はこの点にあるのではないだろうか。
探偵たちよ、お前たちは何故そんなに他人の謎や秘密を嗅ぎまわるのだ? そんなことばかりしているお前たちの心の中にこそ謎がひそんでいるのではないか?》
「世にミステリ嫌いが存在する理由」について、あるいは「探偵嫌い」について、ミステリファンのみなさんはいったいどんなふうにお考えなのかなと、たいへん興味深く思う次第です。
■岩堀様
そういったような次第なのですが、「変質的な詮索癖」に関して申しますと、これは白い豆腐も赤い照明を当てれば赤く見えるといったことだと思います(なんという比喩なのでしょう)。
「ある対象を徹底的に調べる」という行為も、見る人によって見方は当然異なります。「根元的には皆同じ」ものが、司馬遼太郎の例で申しますと、探偵の場合には了解不能な「変質的な詮索癖」に見え、文倉平次郎の場合には「人間の情熱というもののふしぎさ」に映ったということではないでしょうか。
たとえば書誌作成にも「情熱」は必要でしょうが、人によっては、あるいは門外漢にはそれが「妄執」と感じられることもあると思われます。私自身の体験をいえば、『乱歩文献データブック』を編纂していたとき、それを聞きつけてある日刊紙の東京本社文化部から名張市立図書館に女性記者の方が取材に来てくださったのですが(このときの記事は結局ボツになったようです)、できていた原稿をしばらく眺めていらっしゃったそのお姉さん、ふと顔をあげ、感に堪えぬといった感じで、
「よくもこんなにし」
と呟いたなり口をつぐんでおしまいになりました。おやお姉さん、「し」のあとに「つこい」とか「ゅうねんぶかい」とかいいかけて危うく踏みとどまったな、と私は思ったものでしたが、こうした場合、しつこいだの執念深いだのはむしろ褒め言葉です。素人が見てもそれがわかるくらいのものでなければ、とても一人前の書誌とは呼べないのではありますまいか。ぱらぱら眺めていたお姉さんがいきなりそれをほっぽり出し、
「ああ、これをつくった男にだけは絶対抱かれたくない」
と全身に粟を生じさせてしまう。よくできた書誌とはそういったものではないかと思われます。情熱と妄執はいくらでも言い換えが可能であり、了解不能な妄執はやはり気色の悪いものだと判断される次第です。
何の話をしておりましたのやら。とりとめがなくて申し訳ありません。
●馳星周さんのミステリトーク
身も蓋もない宣伝をさせていただきます。
わが名張市は年に一度、日本推理作家協会とミステリチャンネルの協賛を頂戴してミステリ講演会を開催しております。今年は10月13日土曜日に催され、馳星周さんが「現代ミステリと世相の関連」と題してお話になります。お近くの方はどうぞお出かけください。
きのう名張市役所のミステリ講演会担当職員と話をしましたところ、この職員は江戸川乱歩賞授賞式で馳さんとお会いし、当日の講演内容が「ロマン・ノワール(暗黒小説)について」「新宿歌舞伎町最新(裏)事情について」「サッカー(ワールド・カップ)について」といったものになるとお聞きしてきたそうです。講演会の前評判は上々とのことですが、
「ここでもうワンプッシュしたい」
と申しますので、前途ある青年職員の意を体して、僭越ながらこちらの掲示板でワンプッシュさせていただく次第です。詳細は上記 URL の名張市オフィシャルサイトでご覧ください。
少し前に書誌目録のことと、京都の H書房のことが話題に上っていました。
そのとき書こうと思ったのですが「ただの自慢話じゃないか」といったん
お蔵にしたネタがありまして、思い直して書いてみることにします。
H書房の目録で個人的に嬉しかったのは「探偵実話」昭和25年12月号、第
1巻第 6号(世界社)。
数年前のミステリ・マガジン読者欄で研究家若狭邦男氏が買入れ広告を出
していたのを覚えていたので「まぁ注文多数だろうな」と思いつつ保険で
注文したら、あっさり当たってしまった。うーん、だれも見てなかったの
だろうか?
さっそく若狭氏へ連絡したらちょうど未架蔵の号だったそうで「それなら
どうぞ」とお譲りしたらたいへん喜んで戴けて、あれはいいことしたなと
思っています。
若狭氏は「戦後探偵小説雑誌掲載目録」の作成を企図されていて、現在ま
でに「探偵倶楽部」106冊を完全収集 (「怪奇探偵クラブ」「探偵クラブ」
含む)、あとは「探偵実話」第 1巻第 2号および 4号の 2冊と、昭和26年
が数号残すところまでこぎつけられたそうです。
1冊 2万円出すと「ミステリマガジン」1998年12月号の読者欄では告知さ
れておられました。もし協力できるという方がおられましたらぜひよろし
くお願い申し上げます。連絡先等詳細は同号をご参照下さい。
P.S.
『豚と薔薇』ご希望の方、目録で見つけました。まだあるかどうかは分かり
ませんが。
http://bookbigbox.com/zanmai/new/new0805.htm
司馬遼太郎が死ぬまで 15年戦争時の参謀本部を唾棄しぬき、批判しぬいた事
は有名です。ノモンハン戦についての小説は生存者への取材など進めたもの
の、ついに書かれることなく終わったのですが司馬はこの事について語って
います。「ノモンハンを考えると頭の血管が切れてしまいそうになる」
司馬は 2年間満州 (現中国東北部)の戦車隊に駐屯、曰く「軍人将棋のような」
旧軍の思考を身を持って体験させられたのが作家の原点となりました。
ロシアの戦車部隊にどうやって対抗するのですか? と尋ねれば「日本にも戦車
はある」。ここでは性能差も補給の問題も他との連携もそもそも台数すらも考
慮外で、戦車があるというだけで対等なのである。それじゃあ軍人将棋じゃな
いか。
上のような例をいくつも実見してきた。そして青年司馬は考える。ここにはど
こにもプロの「合理性」がない。観念だけで戦に勝てるのならばプロの軍人な
どいらない。
なぜこんなになってしまったのだろう。昔からこうだったのか。否、明治時代
は、日露戦争までは違っていた(坂の上の雲)
司馬にとって明治を明るく書くことが、すなわち空論と観念で何もかもだいな
しにした昭和戦争時代への批判だったのでしょうか。
フランス文学者で評論家の鹿島茂氏がこのようなことを言っています。
「司馬史観というのはじつに単純なものである。一言で言って "腹が減って
は戦はできぬ" である」
身も蓋もないくらいあまりに単純な一言ではあります。ですが、司馬が好んで
描いた竜馬や高田屋嘉平(菜の花の沖), 秋山兄弟や児玉ら日露の参謀といった
"合理主義者" に共通するのは、けっきょくこの一言でしょう。
合理主義とはけっきょくこれではないか、と。地を這うような現実主義をしっ
かり見据えてイデオロギー(司馬はこの語を "正義体系" と訳していた) を避
けぬいた。
なんだか舌足らずもいいところですが、「大義名分論或いは正義体系への徹底
的な不信」と「腹が減っては戦はできぬ(虚飾のない現実主義)」の二本をキー
ワードにすれば、対蹠的に語られることの多い司馬遼太郎と山田風太郎はあん
がい異貌の双生児なのではありますまいか。
*
ところで思い出しました。『豚と薔薇』の併録作品は「兜卒天の巡礼」、日ユ
同祖論にハマった老人の行く末を描いた作品でした。新聞記者時代たまたま出
会った日ユ論者(というのか… )がひじょうにけったいで印象に残っていたのを
モチーフにしたそうです。
「作家になってからは、論の内容よりもむしろその精神構造のありようが興味
深かった」とあとがきにはありました。
なんだか「豚と薔薇」と通底してくるものが感じられます。
それにしてもなぜ「薔薇」なんでしょうか?
>芦辺様
確か、本日打ち合わせですよね。
どのように決定しましたでしょうか。ぜひ、発売の予定と、タイトル、神津の分だけでもお教え下さい。よろしくお願いいたします。
りえぞんさま、
もう何度御礼をいってもいい足りません。どうもありがとうございます。これでブシュウは大丈夫だと思います。しかしまだまだわけのわからん人名は多いもので、特に「化人幻戯」の大河原侯爵の蔵書には悩まされています。ウイスロウの「ローマのカタコム」なんで全くのお手上げです。りえぞんさんは御存じですか?
アルゼリアは文脈からすると学者の名前だとは思うんですが、移植の歴史をみてもせいぜいウルマンとかカレルぐらいしかのっていなくて…。
芦辺さま、
はい、Sさんはネットはやっていません。本人いわく「インターネットまで始めたら取り返しのつかないことになる」。それはたしかにある…。
桜さま、
ナダ出版センターの「日本におけるシャーロック・ホームズ」ですね。あれは買わなくては…とおもっているのですが、まだ買いそびれています。友人からみせてもらったのですが、かなりの内容のようです。
■芦辺拓様
ご意見ありがとうございます。「大衆主導の社会への憎悪」「エリート支配への幻想」の件、いかにも芦辺さんらしい(あるいは、いかにも森江春策探偵らしい、というべきでしょうか)批判精神にあふれた仰せだと思いますが、当方には司馬作品に関する知識が皆無だということもあって、にわかには判断できかねる次第です。しばらく考えてみたいと思います。
●探偵嫌い
まだつづいております。
補足その二として、新潮文庫『彼岸過迄』に収録された柄谷行人さんの「解説」から引用しておきます。この「解説」には乱歩の「D坂の殺人事件」への言及も見られるのですが、柄谷さんは乱歩作品の熱心な読者ではないらしく、デビュー当初の明智小五郎をいささか誤解していらっしゃるように見受けられます。といったようなことはまあいいとして、いきなり「第二に」と始まって前段とのつながりがつかめない引用ではありますが、「探偵」の二十世紀性とでもいったものについて述べられた主旨はこの部分だけでおわかりいただけるはずです。
《第二に、十九世紀末の小説における「探偵」の出現が重要なのは、それがマルクスの経済学批判やフロイトの精神分析と平行していることである。たとえばホームズの推理は、決まってヴィクトリア朝のイギリスにおいて上品にすましかえった紳士たちの過去の犯罪(おもに海外植民地での)をあばきだすことに終る。それはつねに歴史的な遡行なのである。同様に、マルクスは自明視されたイギリスの資本制社会とその経済学を批判し、その歴史的「原罪」(資本の原始的蓄積)に遡り、さらに貨幣形態そのものの起源にまで遡行しようとしたし、フロイトは市民社会における意識の自明性を批判し、それをいわば隠蔽された「犯罪」(父殺し)にまで遡行しようとしたのである。つまり、彼らも実証的な知に反する知としての「探偵」なのだといってよい。》
しかし、やっぱり前段は必要か。文中に《実証的な知に反する知としての「探偵」》とありますのは、警察的実証主義に立った探偵に対立する、「実証主義知性にとって見えないような謎を解明する知性主義」のことです。この「解説」では『彼岸過迄』に描かれた「探偵」が、「其目的が既に罪悪の暴露にあるのだから、予じめ人を陥れようとする成心の上に打ち立てられた職業である」ところの探偵と、「自分はただ人間の研究者否人間の異常なる機関が暗い闇夜に運転する有様を、驚嘆の念を以て眺めていたい」という探偵とに分類されています。
《後者の「探偵」は、犯人を捕えることに関心をもっていない。彼の関心は、犯罪の形式的な側面にしかない。むしろ彼は犯罪者以上に善悪に無関心なのである。この種の「探偵」はポー以後の推理小説の産物であって実在しない。実在するのは、私立探偵といっても、「警視庁の探偵」と大差はない。その目的は「罪悪の暴露」にあり且つ実証的である。小説でいえば、自然主義である。漱石が探偵を嫌うというのは、文学でいえば自然主義を嫌うというのと等価である。ポーが作りだした探偵(デュパン)は、そのような警察の実証主義に対立する。しかし、それはたんにロマンティックなのではない。他方で、それは実証主義知性にとって見えないような謎を解明する知性主義でもある。》
で、マルクスもフロイトもそうしたタイプの探偵だったという寸法です。漱石の探偵嫌いは自然主義嫌いと等価だという指摘は、私にはちょっとどうかなと思われるのですが、というか、この「解説」に見られる「探偵」の分類そのものにいささか無理があるようにも思われるのですが、
あばきたてる、
暴露する、
奥底にあるものをつかみ出す、
といった「探偵」の二十世紀性を指摘する文章のひとつとして、ご紹介申しあげる次第です。
平山さん、いろいろな情報に刷り込まれていたのでしょうか、私の書き込みはペンディングとさせてください。
ご存知の、ドイル邦訳史をかかれた新井さんの基本文献は是非入手したいです。
昨年出された、松原一枝著『改造社と山本実彦』南方新社(鹿児島)には、ドイル全集の記述がありませんでした。
ドイル全集、第1巻がダブりになりました。あぁ、また、本がふえました。
巽さん、大阪圭吉さんの、文庫解説。読むのが楽しみです。
芦辺さん、今日ですか、少年探偵の復刊が待ち遠しいです、高木さん以外はどのようなラインアップとなるのでしょうか。
>平山さん
南湖さんの講談「ルパン対ホームズ」、ホームズファンの方々のMLで流してくださったとは幸甚です。となると、前述のように《ルパン同好会》のみなさんにもお知らせしなくちゃいけませんが、あそこのHさんもSさんも確かネットやってないんですよね。
さて、明日は光文社で神津ジュブナイル&ビリーパック会議であります。こんな仕事ばかりだと楽しくていいですが、そうは参りませんね。ひー。
派手に化けたのでもう一回トライしてみます。
彼の早すぎた埋葬に関する文献の名前ですが、手元の本 Carrington and Meader "Death", 1913 によると
Traité des Signes de la Mort et des Moyens de ne pas être Enterré Vivant. Paris, 1849 (死の兆候および生き埋めの防止法に関する論考)
ということです。ただしこの↓サイトを見るとブシュウは
http://digilander.iol.it/lmeneghelli/Libri_Storici/Libri_Sto_Desc/Descr_B/libri_st_descrizione_b_4.htm#B00260
1883年にも"Les signes de la mort"(死の兆候)と題する本を出版しているようです。
>アルゼリア
これは難しいですね。第一アルゼリアが人名なのか地名なのか、それさえ分かりません。乱歩が「有名な」と書いているところを見ると当時は有名だったのでしょうが・・・。なにか分かったらまたお知らせします。
芦辺さま、
御役に立てたようで、うれしいです。ホームズクラブのメーリングリストに情報を流しました。沢山の人がききにきてくれるといいですね。南湖さんのHPもみましたが、なんと芦辺さんも壇上で御話になるとは!関西方面のかたはみのがせませんね。
巽さま、
ありがとうございます。まずこのブシュウでまちがいないとおもいます。あとは彼がかいた早すぎた埋葬に関する文献の名前ですが、さすがにこれは難しいかもしれませんね。
アルゼリアはどうやらワンタン屋に続いて迷宮入りのようです…。
桜様、中さま、りえぞん様、オーナー様
いろいろお声をかけていただきありがとうございました。また、楽しく拝見させていただいております。
平山様
ブーシェの履歴は『早まった埋葬』には載っておりません。ただ、パリ大学医学部教授だったとありましたので、その限りでは矛盾していないでしょう。なお、もしかすると、この本、『黒死館殺人事件』の参考書であった可能性も考えられますので、ひまになったら対応関係をチェックしてみたいと思います。
>中さん
お説、ここに至ってアッと声をあげそうになりました。司馬遼太郎の推理小説嫌いと三島由紀夫の『Yの悲劇』批判――確かにつながってくるようです。ところで、ここに両作家の「大衆主導の社会への憎悪」「エリート支配への幻想」を見てしまうのは例によって僕の僻目でしょうか。
桜さん、
横溝正史が別名義でドイル全集で翻訳しているとは知りませんでした。ちくま文庫の書誌にもそれは言及していなかったと思います。ちなみにどれが別名義なのでしょうか?
きのうの書き込みをいま読み返したのですが、文中に「黄色い下宿生」とありますところ、これはむろん「黄色い下宿人」とするべきでした。どうしてこんなミスを犯してしまったのか。それまでに山田風太郎の名前もさりげなく記して着々と布石を打ってきたというのに、肝腎の勘どころで見事に滑ってしまいました。まだまだ修行が足りません。
さて、三島由紀夫の「奥底にあるものをつかみ出す」は、推理小説に関して述べられた言葉ではありません。昭和44年から45年にかけて発表された「日本文学小史」の冒頭に見える、二十世紀的思考方法なんてものについて書かれた言葉です。
《奥底にあるものをつかみ出す。
さういふ思考方法に、われわれ二十世紀の人間は馴れすぎてゐる。その奥底にあるものとは、唯物弁証法の教へるものでもよい、精神分析学や民俗学の示唆するものでもよい、何か形のあるものの、形の表面を剥ぎ取つてみなければ納まらぬ。》
三島由紀夫は推理小説嫌いを公言していましたし、昭和35年に書かれた「推理小説批判」は、なにしろ「Yの悲劇」を批判した内容とあって『名探偵読本 エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち』(パシフィカ)収録の座談会でも言及されていましたから、ミステリーファンの方にもよく知られているかと思います。そして三島が、推理小説以上にフロイトを嫌っていたこともまた周知の事実です。
などと書き始めると、はっはーん、三島のフロイト嫌い民俗学嫌いを漱石の探偵嫌いにリンクさせて、文明批判がどうの二十世紀批判がこうのなんてところに話をもちこむつもりだな、とお察しの読者もおありかもしれません。お察しのとおりです。
ある種の作家にとって(むろんそこいらの三文作家のことではありません。三文作家のみなさん、どうもすみません)「探偵」という存在あるいは行為は、三島の言葉でいえば二十世紀の人間の思考方法を一身に、しかもきわめて卑小な形で体現した唾棄すべきものと映ったのかもしれないということです。司馬遼太郎の探偵嫌いにしても、根っこのところにはそうした問題が存在していたのではないかと思われます。つまり彼らの探偵嫌いは、自身がそのなかで生きていた二十世紀とか、あるいは現代文明とか、それとも近代とかいうものに対する一種の拒絶反応だったのではないかと愚考される次第です。
というところで終わりにしてしまおうかとも考えましたが、補足する意味で「日本文学小史」から、三島が民俗学や精神分析について述べたくだりを引用しておきます。
《民俗学者の地味な探訪の手続は、精神分析医の地味な執念ぶかい分析治療の手続に似てゐる。個々の卑小な民俗現象の芥箱の底へ手をつつこんで、つひには民族のひろく深い原体験を探り出さうといふ試みは、人間個々人の心の雑多なごみ捨て場の底へ手をつつこんで、普遍的な人間性の象徴符号を見つけ出さうといふ試みと、お互ひによく似てゐる。かういふことが現代人の気に入るのである。マルクスとフロイトは、西欧の合理主義の二人の鬼子であつて、一人は未来へ、一人は過去への、呪術と悪魔祓ひを教へた点で、しかもそれを世にも合理的に見える方法で教へた点で、双璧をなすものだが、民俗学を第三の方法としてこれに加へると、われわれは文化意志を否定した文化論の三つの流派を持つことになるのである。》
それほど補足になっていないかもしれませんが、本日はこのへんでお開きといたします。
平山さん、コナン・ドイル全集が最近の目録では、かなり高めででていました。横溝さんの別名義の翻訳もありますね。
そこでは、博文館の世界探偵小説全集も、函付で、均一棚で、ほとんど揃いで見つけたこともありました。
たしかに、復刊も必要かもしれません。
「彷書月刊」10月号。特集 夢の久作、喜国さんのエッセイもあります。もう一度最初から読みたいと思った、とありますが、私もそう思いました、読みおわった瞬間に。
末永さんの、久生十蘭の捕物帳についての原稿では、初出誌について、未確認のものがあることが記されています。佳境にはいりこんできました。
司馬遼太郎の推理小説「豚と薔薇」を巡る一連のレス、たいへん興味深く
拝読させていただいております。
好きなものよりも嫌いなものについて書いた文章の方が、あたわず心情の
深いところを吐露したかたちになっている。面白いものではないでしょう
か。
「鏡地獄」のタイトルとここぞとばかりすかさず(おそらくは嬉々として)
使われたあたりもよかったです :-)
No.1139の芦辺さんのご意見も一瞬唸らされました。現在光文社文庫から
刊行中の山田風太郎ミステリー傑作選の第 5巻解説で縄田一男氏が「司馬
遼太郎と山田風太郎の読者数が完全に逆転する日がくれば」云々と書いて
いましたが、このくだりの意味が少し分かりやすくなったような。
# まず来ないだろう、となぜか少し暗くなったりしたりして
でも、たしかに司馬が自由民権運動について書いたものは寡聞にして知り
ません。あるんでしょうか?
かろうじて(かなり強引な引っ張り方ですが)「明治維新にはろくな革命思
想がなかった、せめてこの動乱期にルソーの一冊でも訳されていれば、そ
ののちの日本の経緯はどれだけ変わっていたものだろうか。中江兆民によっ
て「自由論」の題で邦語になったのは明治十年のことである」
くらいしか思い出せません。ほんの為書きですねこれは。
もし「豚…」が再録されるとすれば、あんがいミステリのアンソロジー
ではなくて司馬の研究本(もちろんあとがきも含めて) でかもしれません。
特別殺人課・多々野啓二シリ−ズ・全5回作品の中から、今回は、第2回作品「黒と黒」を本人の実際の声で、ドラマチックに事件の経過を進めていくインタ−ネツトドラマがオ−プンしました。前編を聞き、推理問題の回答を応募したかたに解決編を紹介する仕組み。また、「黒と黒」の手作り本を購入されたかたの中から賞品もあげちゃう。この事件を解決するのは、あなたです。一度のぞいてみてやってくだしゃんせ。
>文雅@神月堂
ご意見、大変よくわかります。光文社の担当氏にも見てもらいました。ただ、収録作品を見て残りの作品を古本屋へ探しにゆくステップのことまでを想定すべきか、それともよりよい作品で初対面の読者の度肝を抜くことを優先すべきか……今週末、東京で論議してきます。
>平山さん
ホームズファンのみなさんにご吹聴いただけるとはありがたいことです。ぜひ、ご参集ください。あ、ルパンのファン諸氏にも伝えるとしましょう。ちなみに、これは講談「怪盗ルパン」が『評判講談全集』に収録されているという情報をいただいて、南湖さんが資料を当たった結果ですから、やはりそちらのおかげといえましょう。
芦辺さま、
「ルパン対ホームズ」が実演になるとは実に愉快です。はたして私がお役に立てたかどうかはわかりませんが(おそらく南湖さんは『評判講談全集』を御存じでしょうから)、とにかくホームズがでるというのは愉快です。さっそくホームズクラブの連中にも知らせてやりましょう。
桜さま、
改造社のドイル全集が二千円ですか! 私は全部はもっていません。なんとうらやましいことでしょう。あれはあのままにしておくのがもったいですね。どこかで復刊してくれないでしょうか。横溝正史訳もありますし。(自分でやったのかな?)田中早苗は版権切れていますけど、ほかの和気律次郎とか石田幸太郎などはいつなくなったんでしょうか。いっそ自分でふっこくしてみようかな。
芦辺さん、唐沢俊一さん編集になります『少年探偵の逆襲』のこと、その後、HPにでてこないですね。
文雅@神月堂さん、ご教示ありがとうございます。雑誌「探偵王」、おげまるさん作成の資料で確認しました。最終回まで確認されておられるようでした。
二日前、「コナン・ドイル全集」改造社、昭和6.12から昭和8.11、全8冊、函付を見つける。全部で2千円。
重いので、後日取りに行くことにしました。紐にくくられていたので、中味を確認していません。主人にはなしをききますと、まだ、ほかにも、全集ものがあるようでした。
>桜 様
芦辺様より御指名いただいたので、横レス失礼します。
「白蝋の鬼」の件。
私はこの話は雑誌には直接あたっていません。私がテキストにしたのはソノラマ文庫版とポプラ社28年版の単行本ですので。雑誌はおげまる様が現物を確認しているので某所にはあるはずです。ただ、初出「探偵王」昭和26年7月〜昭和27年6月で結構長く連載されているのと、他の方から特に改稿のお話を聞かないので、挿絵以外の内容の大幅変更はないと思うのですが。お役に立てず申し訳ありませんがもし改稿が発見されましたらお教え下さいませ。
それから、これに関しては前年連載の「脱げない仮面」を改稿して「白蝋」にして連載し直したのではないかとの説もあります。確かに「はずせない仮面」というアイテムは同じですが、こちらは掲載していた雑誌自体が途中から不明なので全編がなく(中絶ではないかといわれている)、私も雑誌掲載部分は1.3回のみしか読んでいないので比較は出来ない状態です。ただ、その部分を読んだ限りではアイテムが同じだけではないかと思っています。
>芦辺拓 様
内容のまとまりというか読みやすさからいったら死神博士シリーズは一押しなんですが、でもせっかく復刻するなら、私としては手に入れにくいものの方がいいです。だって、復刻されたものを読んで神津の少年ものに興味を持って、その人が次の本を探した場合、ソノラマ文庫は見つかるかもしれませんが、その他の単行本は段違いに見つけにくいですから。
それから復刻に際しては作家ごとに簡単な「少年もの単行本リスト」をつけて下さると嬉しいです。宜しくお願いいたします。
>桜さん
唐沢俊一氏の『少年探偵の逆襲』ですね。僕もたまたまあちらの日記で見つけたのがだいぶ前で、以来非常に気にして光文社側に訊いているのですが、何だかはっきりしません。ただ向こうさんは、あくまでサブカル学の立場から、ツッコミとおちょくりの対象としてとりあげるのでしょうから、当方の作品アンソロジーとは違う内容になると思います。
■芦辺拓様
私とて漱石など昔に読んだきりで、ときに思い出したように読み返してみたりする程度のものですが、新潮文庫の『彼岸過迄』はたしか二、三年前、いつのまにかカバー画が新しくなっていたので何の気なしに手に取ってみたところ、平成2年の改版で新たに収録された柄谷行人さんの「解説」に乱歩のことが書かれてありましたので、
「あ。乱歩文献」
と思って購入した次第です。どこにどんな乱歩文献が転がっているか、まったく見当もつきません。
■平山雄一様
『シャーロック・ホームズを訪ねたカール・マルクス』の件、ありがとうございました。私の記憶力もいまだ全面的な機能不全には至っていなかったようで、一安心いたしました。しかしストーリーはまったく思い出せず、どんな感想を抱いたかも記憶にありません。これは記憶力の問題ではなく、よほどくそくだらない小説だったからだと思い込むことにいたします。どうしてこんな小説を読む気になったのでしょう。あるいは「大英図書館の閲覧室でホームズとマルクスが会ったのではないか」みたいな、つまり山田風太郎の明治ものめいた興趣を期待したのかもしれません。それにしてもフランスあたりの作家だと、掲示板で心おきなく罵倒できるからありがたい感じがいたします。
■古本まゆ様
『山羊鬚編集長』の件、よくわかりました。たしかに「夢野久作氏とその作品」なら、「探偵春秋」の昭和12年5月号(2巻5号)に掲載されております。私はまた乱歩が「氏と作品」という別稿を書いていて、自分はそれを見逃していたのかと小さな胸を痛めておりました。しかしうしろに「〇」が五つも並ぶ価格となると、廻るまわる眼が回る、とでも叫びながらぶっ倒れるしかありません。
■桜様
『山羊鬚編集長』、やはりそんなような金額ですか。廻るまわる眼が回る。
●探偵嫌い
しつこいようですが、もう少しつづけます。
近代小説なんて多かれ少なかれ人間の心理を、あるいは人間という存在を「探偵」することなしには成立しないものですから、小説家の探偵嫌いは自己撞着の傾きを帯びざるを得ないはずなのですが、にしても漱石の探偵嫌いは考察に値する何かであると思われます。
たとえば昨日ご紹介しました『探偵小説の社会学』において、内田隆三さんは漱石の探偵嫌いの背景にロンドン留学時の「穏やかならぬ影」を見ています。つまり、俺が昔、ロンドンで黄色い下宿生だったころ、妹はスリー・キャッツで黄色いサクランボだった、ってやつですね(何のことやらさっぱりおわかりになりませぬかお若い衆。個人的には年にひとつ出るか出ないかの会心のギャグなのですが。じつはスリー・キャッツではなくてゴールデン・ハーフにしたほうがいいのかなとも考えたのですが、若いやつに媚びることはあるまいと思い直してスリー・キャッツにいたしました。は? お若い衆はゴールデン・ハーフのことさえご存じない? なーるほど。おおきに失礼いたしました)。引用しましょう。
《おそらく漱石は、誰かが知らぬ間に自分のことを盗み見し、発狂の噂を立て、それを日本にまで伝え送ったことに対して、卑劣な「探偵」行為の原型を見たのだろう。とはいえ、それは事態の一面にすぎない。たしかに漱石は「探偵」にたいして口をきわめた批判を行っている。だが、もう少し読んでみると、その批判は「探偵」という存在の仕方そのものに通底する近代文明の批評につながっていることがわかるだろう。》
たいへん興味深い指摘ですが、漱石の「探偵」については『探偵小説の社会学』に譲ることにして、ここで司馬遼太郎の探偵嫌いを思い返してみますと(もしかしたら司馬遼太郎は、漱石の探偵嫌いを知っていたのかもしれません)、二人の探偵批判にはひとつの共通項があることに気がつきます。司馬遼太郎が「あばきたてる」といい、夏目漱石が「暴露」と呼んだ探偵の行為です。
あばきたてる。
暴露する。
三島由紀夫ならこれを、
「奥底にあるものをつかみ出す」
と表現することでしょう。
本日はここまでといたします。もうすぐ終わる予定です。
芦辺さん、今年五月頃、唐沢さんが光文社文庫から、少年探偵もの(こちらは、漫画でしょうか)、を編集されるようなことをHPでかかれていたのですが、ダブりませんか。
のこりのあと1つは、海野さんのあとを書きつがれたのを収録されてはいかがでしょうか。
雑誌「スムース」7号、最新号がでました。特集 古書にコミあり 書きコミ・挟みコミ。この雑誌にも、「附録」と「古本デッサン帳」縁起 林哲夫(4つ折り)の挟みコミ。扉野さんによる「指紋」のエッセイもあります(1頁)。
中さん、古本まゆさんが書かれているように、たしかに、「山羊鬚編集長」が30万で出ていますね。
9月24日(月)に探偵講談の会「名探偵ナンコ」を開かれた旭堂南湖さんのHPを見ましたら、なな何と、先に平山雄一さんからご教示のありました『評判講談全集』収録の白雲斎楽山「怪盗ルパン」(『ルパン対ホームズ』)を口演されるそうです。
11月25日(日)、大阪・西天満「Team火の車稽古場」にて6:30開演とのみの情報ですが、まさにこちらの掲示板から生まれたプランともいえ、実に愉快です。ぜひ見に行きたいものです。
>森さん
ここが実に悩ましいところなのですが、僕の選ぶ〈幻の名作〉は「面白さ」と「珍しさ」を最重要視しつつ、さてそのどちらかを選ぶかといわれれば「面白さ」を採りたいのですね。
今回少年ものをとりあげるのは、かつては才能ある作家たちの情熱の発露しどころであったこのジャンルから、今は失われたかもしれない奇想や元気さを提供しようという考えからでして、そこには前回の『絢爛たる殺人』同様、最近とみに読者ではなく評論家の方を向いて書かれるようになったミステリに対する警鐘を込めているつもりです(まあ、そんな鐘など誰も耳を貸さないとは思いますが)。
そのあたりを腹に据えて編集に当たるつもりですが、『吸血魔』は中途、ギャングの残党が出てきてアチャコチャし、そのせいで筋がもたつくのがつらいところですね。全く予備知識のない友人に、いきなりこの2作の一部を読ませて反応を見たりして、これでも苦労しておるのですよ。うーむ、このあと漫画のセレクトもあるし……。
芦辺さん
ぼくが『吸血魔』を推すのは、現状ではなかなか簡単に読めない作品を
復刻するのは、それが水準以上の出来であれば、かなり意味のあることで
はないかというのがひとつと、表題のインパクトの強さに加え、SFファン
やホラー・ファンの興味も惹くであろう内容が、営業的にもうまい方向に
結びつくのではないかと考えたからでした。
ただ、『覆面紳士』というのも、たしかにありですね。こちらは特撮
映画の原作にもなっているので、そのあたりも売りになるでしょうし。
中相作さま
「山羊鬚編集長」の「氏と作品」については、当方の勘違いの可能性もあります。入力の元になった本屋の目録は割と簡単に見つかったのですが、先日報告した以上の詳しいことは書いてありませんでした。
通常は本と直接関係ない物を、こうした形で目録で出すことは少ないと思うのですが、「江戸川乱歩推理文庫65」の「乱歩年譜目録集成」によれば、「夢野久作氏とその作品」は「探偵春秋5月」に書いたことになってますので、古本屋が、「附録」というよりも「おまけ」として付けた可能性も否定できません。勿論その文章を出版社が附録として付けた可能性もあります。
かえって混乱をまねいてしまったようで申し訳ないのですが、やはり現物にあたってみないと何とも言えません。参考までにこの本屋の値段は、「貼雑年譜」よりもちょっと高い、後に「0」が五つ付く値段でした。その程度には珍しい本です。
中様、
>『シャーロック・ホームズを訪ねたカール・マルクス』といったようなタ
>イトルの翻訳小説を読んだような記憶があり、これはまさしく「ホームズ
>と同時代有名人をからませるパスティッシュ」の一冊だと思うのですが、
>そんなのはほんとにあったのでしょうか。
これはおっしゃる通り実在します。タイトルもそのとおりで、「シャーロック・ホームズを訪ねたカール・マルクス」アレクシス・ルカーユ、西永良成訳、中央公論社(C-NOVELS)、1982年。
袖の粗筋を一部引用すると、舞台は一八七一年「ビスマルクとティエールの操るロシア人暗殺者から、マルクスの生命を守るべく、ホームズは英仏海峡を渡りパリへと向う。折しもコミューヌに沸き立つパリでホームズを待ち受けていたのは、そのごもの彼の性格にある翳りを与えた、ひとりの女性との運命的なめぐり逢いであった。」
原作はフランス語で、1981年にでたものです。正直申し上げてつまりません。マルクスは生前そんなに狙われるほど重要人物だったんでしょうかね。
他には今河出文庫から出ているベアリング・グールドの「シャーロック・ホームズ ガス灯に浮かぶその生涯」でも一エピソードとして、大英図書館の閲覧室でホームズとマルクスが会ったのではないか、と触れられています。
>文雅@神月堂さん
やや、実はこちらからお尋ねのメールを差し上げねばと思っていたところでした。実は、そちらのページの少年ものコーナーをそっくりプリントアウトして、光文社さんの方での検討材料にさせていただいたりしております。勝手してすみません。
うーむ、いよいよ決めかねてきました。とても全てのテキストはそろえられないので『覆面紳士』と『悪魔の口笛』はSF的設定らしい(個人的には好きなのですが)ので脇に置いたのですが、うーむうーむ……。そちらのページなど見ると『がいこつ島』にも心が動いたりして。
>桜さん
そのあたりは上記の文雅@神月堂さん、一つ。
>中さん
不勉強な話で、漱石の主人公が、そんな乱歩の河津三郎(『幽鬼の塔』)や「世界を見てきます」と言ってさまざまな職業に身をおきながら大都会を観察した『赤い館の秘密』(A・A・ミルン)のアントニー・ギリンガムみたいなことを考えていたとは知りませんでした。
ああ、それにしても神津ジュヴナイル……『吸血魔』か『白蝋の鬼』か、さあどっち? それとも第三の作品が?
初めまして。ここに書き込むのはとても勇気がいるのですが、神津の話なので乱入させていただきます。
>芦辺 様
現在、古本者でない普通の人レベルでは「白蝋の鬼」や「死神博士」のソノラマ文庫も探すのは困難だと思います。ただ、時間をかけて丁寧に古本屋さんを当たればないこともないので、個人的には、本当に手に入れにくい文庫以外の単行本の方を復刻して欲しいです。こちらは本当に入手困難で、今から探そうと思ったらかなり運もお金もいるからです(こんなことを書くとまたネットで入手困難を煽ると某さんに叱られそうですが)。
下記5編の中で選ぶのであれば私は内容的には「白蝋の鬼」、入手困難度からは「黒衣の魔女」か「吸血魔」です。
ただ、入手困難なものを優先して下さるというのであれば、リストにはありませんし、SF色が強いのですが「覆面紳士」を復刻していただきたいです。神津少年もの第1作の書下ろしですし、これに関しては残っている図書館も少ないので。資料はお貸しできます。
■桜様
先日発見された乱歩の手紙の写しは、新聞報道によれば1946年5月から翌年9月までの日付のあるものが三百六十一通とのことです。要するに戦後すぐのものです。「それらしいもの」の存在はあまり期待できぬように思われます。
■岩堀様
芦辺さんのご卓説はご卓説として、探偵嫌い一般についてもう少しつづけます。
本邦近代文学史を概観して一といって二とは下らない探偵嫌いとなると、衆目は夏目漱石に一致するでしょう。手許にある新潮文庫『彼岸過迄』の巻末には紅野敏郎さんの「注解」が附されているのですが、作中の「探偵」という言葉はこんなふうに解説されています。
《「好奇心」という観点からいえば、この「探偵」という職業はきわめて興味深いものだが、「道義」の上から、漱石は大いにこの職業を嫌った。とくに前期の作品では漱石の探偵嫌いは徹底していたが、この『彼岸過迄』あたりより自己及び他人の心を鋭く洞察する必要上、さほど嫌わなくなってきている。》
漱石の探偵嫌いはデビュー作の『吾輩は猫である』から一貫していて、主人公の猫は「──なに探偵?──もってのほかの事である。およそ世の中に何が賤しいと言って探偵と高利貸しほど下等な職はないと思っている」などと呟きながらよその家へ忍び込みます。つまりこの猫は探偵を嫌いながら探偵的行為に及んでしまう存在であり、だからこそ同じ猫を主人公とした奥泉光さんの『『吾輩は猫である』殺人事件』なんてのが書かれもした道理です。
なんだか長くなりそうですから、漱石における「探偵」なるものの意味は今年1月に出た内田隆三さんの『探偵小説の社会学』(岩波書店)にくわしく記されていることをお知らせしておいて、話を一気に『彼岸過迄』へ進めます。
この作品には、大学を卒業しても定職に就かずにぶらぶらしている、乱歩の初期作品に出てきてもおかしくないような敬太郎という青年が登場します。彼は「警視庁の探偵みたような事がして見たい」と思っています。
《元来探偵なるものは世間の表面から底へ潜る社会の潜水夫のようなものだから、これ程人間の不思議を攫(つか)んだ職業はたんとあるまい。それに彼等の立場は、ただ他(ひと)の暗黒面を観察するだけで、自分と堕落して懸る危険性を帯びる必要がないから、猶(なお)のこと事都合が可(い)いには相違ないが、如何(いかん)せんその目的が既(すで)に罪悪の暴露にあるのだから、予(あらか)じめ人を陥れようとする成心の上に打ち立てられた職業である。そんな人の悪いことは自分には出来ない。自分はただ人間の研究者否(いな)人間の異常なる機関(からくり)が暗い闇夜(やみよ)に運転する有様を、驚嘆の念を以て眺めていたい。──こういうのが敬太郎の主意であった。》
これもなんだか乱歩の初期作品の、この世の退屈に倦み果ててしまった主人公を思わせる心理ではあります。
中途半端で申し訳ありません。時間の都合上、本日はこのへんでおいとまいたします。
本日は二分割となっております。
■古本まゆ様
ご丁寧にありがとうございます。『山羊鬚編集長』の「附・氏と作品(江戸川乱歩)」というのは、この本には附録があって、そこに乱歩の「氏と作品」なる文章が掲載されていたということでしょうか。この「氏と作品」もむろん未見です。なんだかもう大変です。今後ともよろしくご指導ください。
■やよい様
『探偵たちよ スパイたちよ』の親本その他の件、了解いたしました。「江戸川乱歩の三つのリスト」は、ご推察のとおり『幻影城』に収録された「欧米長篇探偵小説ベスト集」の一部のようです。あとは当方で調べられるはずです。どうもありがとうございました。
■芦辺拓様
ご教示ありがとうございます。
私は以前、自分は司馬遼太郎にはなぜか関心がないと記しましたが、より正確にいえば司馬遼太郎が嫌いであるのかもしれません。探偵嫌いならぬ司馬嫌い。もっとも、著作のごくごく一部しか読んではおりませんから、嫌いといっても通り一遍の印象の域を出るものではありません。それがご投稿を拝読して、もしかしたら自分は司馬作品における公権力寄りの視点とでもいったものに馴染めなかったのかな、と思い返しました。
私は金井美恵子さんのエッセイに出てくる悪口雑言のたぐいが大好きなのですが、そのひとつに、司馬遷の名を自分の筆名にしたがるような作家などろくなものではない、なんてのがありまして、はは、これは面白いやと思い、いつでしたか司馬遼太郎が好きだという女性とお話をしていたとき、
「あなたは司馬遼太郎がお嫌いなの」と彼女。
「司馬遷の名を自分の筆名にしたがるような作家なんて、けっ」と私。
「あら、だったら乱歩だって同類じゃないの」
「ギャフン」
いやまさかギャフンとは申しませんでしたが、コントのオチのようなハラホロヒレハレ状態には立ち至りました。今度こうした機会があったら、もう少しましなことが喋れそうな気がいたします。
そんなことはさておき、No.1139のご投稿はたいそう参考になりましたし、またそれ以上に、森江春策探偵の官憲批判やメディア批判を拝読しているような気にもなり、なんだか嬉しく思いました。今後ともよろしくお願いいたします。
■平山雄一様
お知らせありがとうございます。そうでしたか。階段を昇っていったのはホームズ坊やのほうで、いっぽう部屋のなかではモリアーティ青年が……、といった筋立てでしたか。記憶などというのはやはりあてにならぬものです。それにしても、そのあとホームズ坊やはいったいどうなったのでしょう。なんとも気になります。いずれビデオ屋で探してみたいと思います。
ところで、フロイトと来ればマルクスで、きのうあたりからまた妙な記憶が気になっております。ずいぶん以前、『シャーロック・ホームズを訪ねたカール・マルクス』といったようなタイトルの翻訳小説を読んだような記憶があり、これはまさしく「ホームズと同時代有名人をからませるパスティッシュ」の一冊だと思うのですが、そんなのはほんとにあったのでしょうか。最近とみに記憶力に自信がもてなくなっている私なのですが。
ユジェーヌ・ブシュウにつきましては、気管切開術が仮死状態の人間の蘇生法なのだとしたら、やはり「早すぎた埋葬」に関係があるのではないでしょうか。むろん正確なことはわかりません。
中さん、
『澪標の旅人』でタキによる乱歩からの話が『探偵小説四十年』(あとで見てみますと)とあっているので、この部分に立ち止まりました。
先日発見された手紙類の中に、それらしいものがあることを期待します。
芦辺さん、神津ジュヴナイルもの、長編ですね、「悪魔の山」は短編でした。ソノラマ文庫では、『白蝋の鬼』をここ一,二年で行き付けのブツクオフで何度か見かけますが、入手困難さはどうなんでしょうか。
雑誌「探偵王」に連載されていたようですが、このバージョンと違いはあるのでしょうか。
こちらにも書き込みのありました旭堂南湖さんの「探偵講談」の会に行ってきました。委細は拙HPの掲示板に日記形式で書いておきましたのでごらんください。とにかく面白かった! これもこちらでご紹介のあった「ルパン対ホームズ」の講談に挑戦される可能性ありとか。
>岩堀さん
RESありがとうございます。「自由民権」うんぬんについては、テレビでの談話の中で聞きました。したがって正確な引用ができないのが残念でなりません。
>森さん、大鴎さん
ご意見、ありがとうございます。実は『黒衣の魔女』と『吸血魔』を続けて読みまして、どちらもすごく面白かったのですが、その点では『吸血魔』がまさり、でも古沢姉弟らおなじみの顔ぶれが登場しないのが難かなあと思っていました。そこへ、今日『白蝋の鬼』を再読したところ、突き抜けた面白さに目をパチクリさせてしまいました。神津恭介のヒーローぶりも突出してるし。そこで大いに心が傾いてしまったのです。
とはいえ、この作品だと、「そんなのソノラマ文庫で読もうと思えば簡単に探せるよ!」とか猛者のみなさんに言われそうなのがつらいんですよね。前回の〈幻の名作〉で「むかで横丁」がコピーの形でけっこう出回っていると聞いてなぜか大いに焦り、「今から間に合うなら外してください!」と光文社に電話した小生としては(ほぼ実話)。
実際、『白蝋の鬼』の入手難易度、読者諸氏のご要望度って、どの程度なんでしょうね。
はじめまして。大鴎と申します。
芦辺様
ここは敷居が高くて(笑)私如きが発言するのは気が引けるのですが、神津の
話なので意見を述べさせて頂きます。
いろいろな方のご協力等で入手出来る殆どの神津ジュブナイルは読みましたが、
やはり未刊のものより刊行されている物の方が出来は良いと思います。
未刊の長編では「骸骨島」が一番楽しめましたが、空飛ぶ円盤だとか水爆まで
登場する海野風?のSF冒険物で神津らしくはありません。
あと世の中がキナ臭い雰囲気になって来たので、これはちょっとと感じます。
個人的には「死神博士」「白蝋の鬼」「吸血魔」がベスト3で次点が「黒衣の
魔女」かなという意見です。因みにこれは神津読本で書かれているのでネタば
れにはならないと思いますが、「覆面紳士」や「悪魔の口笛」もSFなのです
よね。これはこれでおもしろいですが、入手困難さから言ってもやはり1冊と
なれば「吸血魔」だと言う意見です。
まあこの件に関してはやっぱり黒白さんの意見がないとね!
しかしファンの一人として何とか実現してほしい企画ですね。
中様、
「素敵な挑戦」はけっこう面白い映画でしたね。あれの原作「7% Solution」はシャーロッキアナ界にとっても大きな影響を与えた作品で、
(1)ワトスン博士の未発表原稿という形式
(2)シャーロッキアナへの精神分析学の導入
(3)ホームズと同時代有名人をからませるパスティッシュ
というのがあれいらいはやるようになりました。もっとも日本では(2)ばかりがお盛んでかないませんが…。
>それは、ホームズ坊やの部屋を目指して階段を昇ってくるモリアーティ青
>年の姿、であるように思われるのですが、この映画にはそんなシーンが
>あったのでしょうか。
というのは逆さまで、ホームズ坊やが階段を上っていき、部屋に入るとそこにはモリアーティ青年が…というシーンを、フロイトがホームズに催眠術をかけて告白させています。実は…というとここからはネタバレになってしまうので、お楽しみに。たしか扶桑社文庫から原作が出ていたのではないでしょうか。
それからブーシェですが、ネットをめったやたらに検索しましたら、スペイン語でブーシェの履歴らしきものが見つかりました。スペイン語のできる友人に訳してもらったのがこれです。
ユジェーヌ・ブシュウ(1818-1891)
フランスの小児科医。パリ[第一]大学・医学部で教授の任にあり、喉頭挿管の套管(ブシュウ管)[の創案者]。
気管切開の推奨者で十九世紀フランス医学の巨匠であったアルマン・トゥルッソオ(1801-1867)の助言を得て気管切開術の分野で先駆的存在であった。
正しい発音はブシュウのようですね。早過ぎた埋葬については言及が無かったのですが、巽さんの御本にのっているブーシェとは矛盾が無いでしょうか。
芦辺さん
内容うんぬんの話でないのでなんですが、やはり営業的なことを考える
と、入手困難な神津物を復刻することに意義があるのではないかと、個人
的には思います。ということで、とびぬけた作品がないようであれば、
『吸血魔』(タイトルもよいですし)はいかがでしょう。
芦辺様
>故・司馬遼太郎の推理小説嫌い、探偵嫌いについては一つの解釈を持ってい
>ます。
私は、司馬遼太郎の偏見では…と書きましたが、その偏見のよってきたるところ
は、彼の「探偵嫌い」であり、更にそれは彼の「明治国家観」と関係ありとうの
はまことに卓見と思います。彼の作品で最も人気のある「坂の上の雲」という題
名の理由は、「明治と言う時代は、坂の上の雲を見ながら坂を登っていけばよい
時代だった」という考えによるものらしいですが、確かに彼は明治の明るい部分
を(「部分しか」というべきか)見ていて、暗部をみていないと思います。これ
は、「明治という国家」を読むと更にはっきりしていますね。私は、この本を読
んだ時に、司馬さんは明治時代の最暗部とも言うべき大逆事件についてはどう考
えているのかなあと思ったものです。自由民権運動について、「…あまり高く評
価したくない…」」と語ったというのは、私にとっては大変貴重な情報でした。
私は、司馬遼太郎の小説、エッセイを愛読してきましたが、たしかに独断的なと
ころがあって(必ずしも悪いというつもりはありません。それがいわゆる「司馬
史観」の魅力になっているのは事実と思います)、歴史学者などは怒っていると
いう話、聞いたことがあります。ある席で、「本当の日本人は鎌倉時代から…」
というような事を言ったら、同席の梅原猛さん(と聞きましたが…)が、「それ
じゃあ、万葉集の頃は日本人でないというのか」と怒り出して、双方共血相を変
える程の激論になっというエピソードがあるそうです。
>桜さん
おっしゃるのは「悪魔の山」でしょうか。いや、そこまではとてもとても……。引き続き皆様のご意見をよろしくお願いいたします。
>中さん
故・司馬遼太郎の推理小説嫌い、探偵嫌いについては一つの解釈を持っています。司馬氏が「明治」という時代に崇拝といってもいいほどの敬慕の念を抱いていたのは周知の事実ですが、その一方で、あの時代における一つの選択肢であり、“もう一つの日本”を生み出した可能性もある「自由民権運動」には冷ややかな視線を送っていたようです。今、その具体的な文例を出せませんが、「私はあまり高く評価したくない一人」とインタビューで語っていたのを聞いたことがあります。
明治国家を高く評価し、それに逆らった自由民権運動を余計ものと見る視点、さらに自身が新聞記者であったことから考えると、氏は推理小説に登場する探偵たちを「犯罪の真実は、“お上”たる警察とわれわれマスコミが認定するのに、何でお前たちただの市民が口を出すのか」と嫌悪していたのではないでしょうか。彼らによる推理――すなわち“公的なそれとは別の、もう一つの真実”は、各地で熱心に作られた憲法草案のようなものだったのではないでしょうか。
司馬文学とは対極的なものとして捉えられる山田風太郎氏の明治もので、探偵役が警察組織とはこれまた対極的な、地にうごめくものたちによって担われることも暗示的な気がします。そして、こうした推理小説嫌いというと、私はいつも思い出すのです。松本サリン事件で容疑者扱いされたKさんについて、あるテレビ局が「犯人ではないかもしれない」とひどく控え目な特集を放送した際、局の回線がパンクするほど「あいつは人殺しに決まっている」「何で今さら余計なことをいう」と抗議電話をかけてきた人々のことを。
以前、こちらで話題になった山下利三郎の件ですが、大乱歩ともあろうものが彼の「頭の悪い男」なる、本当に頭の悪い作品を「何となく恐ろしかった」と感じた不思議についても、私なりに一つの解釈を持っています。あの作品こそは、日本人好みの日常べったり、イマジネーション皆無小説であって、乱歩は本能的に日本ミステリが後世にわたって直面しなければならない「敵」をそこに見たのではないでしょうか。
その後、探偵小説への非難に対して“つくりもの”“遊戯文学”としての架空性を弁護し続けた乱歩の戦いを思うと、山下一人は滅びても彼の背後にいるある巨大な潮流は一瞬も絶えることはなかったのでしょう。「いつもいつも同じ問い、いつもいつも同じ返事」という嘆息に象徴されるように。
>中さま
文庫版「探偵たちよ スパイたちよ」はS56.10に集英社から出た単行本の「探偵たちよ スパイたちよ」の一部改訂増補版だと記載があります。
「ヴァン・ダイン論その他」は「宝石」(S32.9)に掲載、蝸牛社刊「教養としての殺人」(S54.11)収録のもの、とあります。
「江戸川乱歩の三つのリスト」には出典がありません。「第一次大戦前期の作品と後期のそれとでは……」で始まる前文と「古典ベスト・テン」、「黄金時代ベスト・テン」、「1935年以後のベスト・テン」が紹介されています。「幻影城」に同様のものが掲載されていると思いますが、私の手元で確認できません。渡辺剣次「ミステリイ・カクテル」でも同じリストが紹介されていますが、邦題の表記が若干異なるようです。(ex.ラインハート「廻り階段」/「螺旋階段」、グリーン「隠居殺し」/「リーヴァンワース事件」)
申し訳ありませんが、どなたかフォローをお願いできませんか?
中相作さま
「お手数」などということはありませんので、ご安心ください。
当店のデータベースなどと大きな事を言っても、所詮は他店の目録の珍しい本の値段や函やカバー・月報などの有無や、BBSでの珍しい本についての書き込みを、その都度記録しているだけのものなので、書誌的なレヴェルものではありません。
「山羊鬚編集長」については、他店の目録のデータを入力したものですが、
探偵小説「山羊鬚編集長」夢野久作 装幀・吉田貫三郎 昭12 初 函付 美
春秋社 附・氏と作品(江戸川乱歩)
というようになっております。
小林文庫オーナー様
丁寧なご返事ありがとうございました。
実は先日の東京出張は、大阪圭吉の「死の快走船」と乱歩の「人間豹」を狙っていたのですが、結果的には、どちらも駄目でした。しかし、出張費が出る程度には仕入れております。小栗の「○○○○の○○」とか、乱歩の「●●」とか。当店は高価な初版本や稀覯本中心の店にするつもりはないのですが、しかし、欲しい本の仕入れは本当に厳しいです。
ところで、最近毎朝パソコンの電源がなかなか入らず、綱渡りの状況が続いております。注文の受付ができなくなると大変ですので、早く予備のパソコンを手に入れなくては。
町田の古本屋に以前からあるのは気がついていて手をつけなかった教養文庫の牧逸馬「第七の天」。よく、目次を見ると、「上海された男」が入っている。
やっとペンネームに無頓着に、ミステリーという切り口でまとめたものだということに気がついて、購入することになりました。裏表紙を見ると、ミステリーUもある。また、振り出しに戻って探さないと。
■古本まゆ様
余計なお手数をおかけしてしまいました。どうも申し訳ありません。
黒白書房の夢野久作全集に関しましては、以前ある方から乱歩の文章が収録されていると教えていただいたのですが、私が何かを勘違いして記憶しているのかもしれません。ご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。
春秋社の夢野久作傑作集に関しましては、じつに残念至極だと申しあげるしかありません。『貼雑年譜』完全復刻版と同程度かそれ以上の価格とあっては、『貼雑年譜』を購入してからもう半年あまりが経過したといいますのに、いまだにその影響で爪に火をともして明け暮れしている身としてはなんとも致し方がありません。またいつか機会がありましたら、よろしくお願いいたします。とりあえず、
山羊鬚編輯長 夢野久作傑作集(一)
【発行日】昭和十二年四月二十日発行
【発行所】春秋社
【著】夢野久作
【収録】跋
【典拠】▼目録B、大衆文芸図誌
といったあたりが判明しているのですが、お手許のデータはいかがでしょうか。
■やよい様
いつもありがとうございます。下記のような感じでしょうか。
探偵たちよ スパイたちよ
【発行日】平成三年四月十日/第一刷
【発行所】文藝春秋/文春文庫
【編】丸谷才一
【収録】ヴァン・ダイン論その他:江戸川乱歩、小林秀雄/江戸川乱歩の三つのリスト
収録の「ヴァン・ダイン論その他」は、「宝石」に掲載された乱歩と小林秀雄の対談なのでしょうか(掲載時のタイトルは「ヴァン・ダインは一流か五流か」)。それから「江戸川乱歩の三つのリスト」といいますのは、乱歩が作成した探偵小説のベスト作品表のようなものでしょうか。もうひとつ、この『探偵たちよ スパイたちよ』は、文庫オリジナルなのでしょうか、いわゆる親本が存在するのでしょうか。
よろしくお願いいたします。
■小林文庫オーナー様
桜さんにも申しあげましたとおり、『澪標の旅人 馬場孤蝶の記録』の乱歩に関するエピソードは、やはり「小説的虚構」である可能性が高いと思います。しかもそのエピソードを記し、乱歩が森下雨村に出した礼状の文面を写したあとに、
《* 乱歩の探偵小説に対する雨村の反応、および乱歩の礼状につては、タキのメモがうすい鉛筆書きのため判読不能の箇所が多く、中島河太郎「日本推理小説史」江戸川乱歩「探偵小説四十年」を参照、正確を期した。》
なんて註記がわざとらしく入っているのも怪しげです。意地の悪いことを申しますと「礼状につては」などと脱字も見られる始末で、校正にも正確を期していただきたいものだ。いずれにしてもこれは怪しいと、私の変質的な詮索癖がうずうずと疼いております。
夢野久作全集に関しましては、とんだお手数をおかけしてしまいました。お詫びいたします。
■桜様
ご親切にありがとうございます。そのアンソロジーは存じておりますが、まだまだ見落としているものも多いだろうと思います。お気づきのことはぜひお知らせください。
そんなことはさておき、とにかくこの映画は、ホームズがモリアーティを敵視する理由、あるいはホームズが探偵になった理由をフロイトが分析し、ホームズの心的外傷が明らかにされるという筋立てになっていたようです。ホームズにとってモリアーティが「厭うべき何か」であった理由は、結局は幼児期に体験した心的外傷に根ざしており、ホームズが「他人の秘事を、なぜあれほどの執拗さであばきたてねばならないのか、その情熱の根源」もまた、幼児期の心的外傷に求められるという寸法でしょう。ホームズの「心の謎」に、フロイディズムが照明を浴びせたというわけです。
さて、前置きが長くなりましたが、司馬遼太郎の推理小説観は、仰せのとおり「司馬さんの偏見ではないでしょうか」とも見えるほど、相当に感情的なものです。ここにはたぶん、それが流行しているからというだけの理由で作家の意向や資質に関係なく推理小説を書かせようとした文芸ジャーナリズムへの反撥もあったと思われますが、とにかくじつに率直に「ミステリ嫌い」の弁が述べられ、「探偵嫌い」の理由が記されています。
そしてこの瀬戸川さんの文章は、司馬遼太郎の推理小説観への批判の役割、とまではいえないまでも鏡のような役割を果たし得ていると思われます。つまりこれを読んだ読者は、映画のなかでフロイトがホームズに尋ねたのと同じように、「司馬さん、あなたはどうして推理小説がお嫌いなんですか? 他人の秘事を執拗に暴きたがる探偵を、あなたはどうしてそれほど嫌っていらっしゃるんですか? その感情の強さに、何か秘密があるんじゃありませんか?」と尋ねたくなってくるのではないかと思われる次第です。
そして(そして、という接続詞を二段落つづけて冒頭に使用してしまいました。私はちょっとお疲れなのかもしれません)司馬遼太郎は、探偵たちの「厭うべき何か」はその「変質的な詮索癖」であると打ち明けています。ここで大雑把な推断をくだしてしまうならば、この点は岩堀さんもくりかえし指摘していらっしゃいますが、司馬遼太郎は探偵たちに自身の戯画を見たのではなかったかと思われます。自身が歴史に対して示している「変質的な詮索癖」の卑小なカリカチュアめいたものを、探偵たちのなかに感じてしまったのではないかと思われます。むろん「心の謎」のことですから余人が窺い知ることはそもそも不可能でしょうし、これを世の「ミステリ嫌い」や「探偵嫌い」の諸氏一般にそのままあてはめることもできませんが、司馬遼太郎が表明していた推理小説や探偵に対する強い感情は、そうした事情を忖度させるに足りるものだと思います。
要するに、人は他人のなかに自身の似姿をしか見ないものかもしれず、たとえば私が乱歩のことを語ったとしても、それは私が乱歩のなかに発見した自分自身のことを語っているに過ぎないのかもしれません。だとすれば、司馬遼太郎にとって推理小説は、乱歩の作品にちなんでいえば「鏡地獄」のごときものであったのではないでしょうか。
ずらずら長くなって恐縮です。きょうはこれまでといたします。「探偵嫌い(2)」は、急な用事が入ったり、あるいは手ひどい二日酔いで起きあがれなかったりというような事態に立ち至っていなければ、明朝投稿いたします。
■桜様
『澪標の旅人 馬場孤蝶の記録』、乱歩に関係ないところは思いきり読み飛ばして最後まで確認しましたが、評伝とも小説ともつかぬままで終わっておりました。どうもすっきりいたしません。
少なくとも乱歩が残した資料には(むろん公刊されている資料ですが)、村上タキなる女性が尋ねてきたという事実は記されていません。それに、『澪標の旅人』でタキが乱歩から聞き出したとされているあれこれは、じつは乱歩が『探偵小説四十年』に記していることばかりです。やはりなんだか怪しいように感じます。
作中で村上タキに仮託されている女性が実在し、彼女が残したとされるメモもまた現存するのであれば、文学趣味的装飾なんぞに走ることなくそのまま公開すればよかったものを、と思われてなりません。
長くなってしまいました。三分割といたします。
■岩堀様
きのうは失礼しました。けさはとりたてて用事もなかったのですが、それでもなんやかんや雑用に追われてこんな時間になってしまいました。さっそく始めます。
まず「司馬遼太郎の推理小説観」について記します。といっても、瀬戸川猛資の『夢想の研究』からの孫引きになりますが。
「豚と薔薇」への言及はこの本の「5 ビデオ雑記帳」にあります。ここではハーバート・ロス監督の「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」(1976)という映画が紹介されていて、そのなかで司馬作品とその「あとがき」が引き合いに出されています。
「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」から司馬遼太郎の「豚と薔薇」に話題を転じて、世の中には当の作者から嫌われる作品というものが存在するのだ、と瀬戸川さん(姓だけを呼び捨てにするのはいかにも無礼な感じがしますので、死者ではあっても「瀬戸川さん」と記します)は指摘します。そしてそうした作品の実例を挙げ、「どういう理由かは知らぬが、そこには厭うべき何かが存在するのである」としたあとで、
《が、この小説の司馬遼太郎の場合は単純明快。それがミステリだからである。〈あとがき〉には次のように書かれている。》
と司馬遼太郎の「あとがき」が引用されます。それを引用します、というか、孫引きします。
《「豚と薔薇」は、「兜卒天の巡礼」とはちがい、多少読者を意識する時期になってから、書いた。べつに動機はない。推理小説がはやっているからお前も書け、ということで、誌面を与えられたのである。
私は、推理小説にはほとんど興味をもっておらず、才能もなく、知識もない。書けといわれて、ようやく書いた。むろん、推理小説というものはこれ一作で、生涯書くまいとおもっている。》
ここで「次の数行、つくづくと司馬遼太郎の観察眼の鋭さを感じさせる」といった瀬戸川さんの文章が挿入され、ふたたび「あとがき」の引用。
《私は、推理小説に登場する探偵役を、決して好きではない。他人の秘事を、なぜあれほどの執拗さであばきたてねばならないのか、その情熱の根源がわからない。それらの探偵たちの変質的な詮索癖こそ、小説のテーマであり、もしくは、精神病理学の研究対象ではないかとさえおもっている。》
そして瀬戸川さんはこうつづけます。
《ミステリ・ファンの多くは自覚していないけれども、世にミステリ嫌いが存在する理由はこの点にあるのではないだろうか。
探偵たちよ、お前たちは何故そんなに他人の謎や秘密を嗅ぎまわるのだ? そんなことばかりしているお前たちの心の中にこそ謎がひそんでいるのではないか?──そういうことを考えた人が、司馬遼太郎以外にも海の向こうにいたのである。》
つまりここで話題になっているのは「ミステリ嫌い」、より端的にいえば「探偵嫌い」です。もしかしたら本人にも自覚されていないかもしれない「厭うべき何か」のせいで、人があるものを、あることを、あるいはある人を嫌ってしまうことがある、ということです。
ここで話は「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」に戻るわけですが、私はたぶんこの映画を観ているはずです。観ているはずなのですが、ほとんど記憶がありません。瀬戸川さんの紹介を写しておきます。
《映画「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」は、名探偵シャーロック・ホームズ(ニコール・ウィリアムスン)が少壮気鋭の異端の医師ジークムント・フロイト(アラン・アーキン)に精神分析で心の中を探偵される物語である。「ホームズさん、あなたはどうしてモリアーティ教授を敵視するのですか? あの老人はあなたの家庭教師だったのですよ。そこに何か秘密があるんじゃありませんか? そもそも、あなたはなぜ探偵になったのですか?」……かくて、ホームズの幼年時の記憶が呼び覚まされ、ショッキングな過去の秘密が明かされる。》
と書き写していて、ひとつの映像的記憶が浮かんできました。それは、ホームズ坊やの部屋を目指して階段を昇ってくるモリアーティ青年の姿、であるように思われるのですが、この映画にはそんなシーンがあったのでしょうか。
小林さん、大阪圭吉、やはり、基本文献としては、戦前の雑誌に集中していますね。「講談雑誌」で、表紙がとれていたものに、大阪さんの作品が掲載されていましたが、通過しました。あとで、連絡したら、売り切れ。
見たときが買い!、ですね。
中さん、すでに、やよいさんがかかれておられますが、他には、集英社文庫の、阿刀田高・選、日本ペンクラブ編『恐怖急行』はどうでしょうか。1985.4.25 1刷、「二廃人」(廃は旧漢字)、p55−73、が収録。ご存知と思いますが。
芦辺さん、雑誌「別冊 少年朝日」収録の、少年ものはテキストとして揃われましたか(少年ものの、処女作か?、あまり知りませんので、申し訳ありません)。
ご存知のように、そこでは、「かみつ きょうすけ」と、ルビがふられていました。
今年中に出す予定の光文社文庫〈幻の名作〉の『少年探偵王』では、目玉の一つに高木彬光氏の神津恭介ジュヴナイルを再録したいと考えています。今のところ私の手元にテキストがそろい、読み得たのは:
『吸血魔』(別題・消えた魔人)
『死神博士』
『白蝋の鬼』
『黒衣の魔女』
『オペラの怪人』
ですが、『オペラ――』がちょっと筋がゴタつくのを除くと、いずれも兄たりがたく弟たりがたし。こちらのページならお読みになった方もおられるでしょうし、いずれを採るべきか、ご意見いただければ幸いです。
少し予告しましたが、創元推理文庫・大阪圭吉傑作選『とむらい機関車』『銀座幽霊』の刊行に併せ、「大阪圭吉作品リスト」の、再整備を行いたいと思っています。
まだまだ、未見、未確認の作品が多数あります。
皆様のご協力により、完成に近づけて行ければ、と考えています。ご協力をお願い致します。
作品リストの最新バージョンを、上のURLの場所にアップしました。
未見、未確認の雑誌には、その旨明記しました。
未見、未確認の雑誌の情報など、お気づきの点は、どんな事でも、教えて下さい。
特に以下情報を求めています。
持っている方はもちろん、所蔵している機関などの情報を、教えて下さい。
◇ 「ユーモアクラブ」「奇譚」「讀切講談」「戦線文庫」「にっぽん」については、ほとんど未見です。
◇ 「近代生活」「少女の友」「新天地」「新国民」の該当号も未見です。
「近代生活」昭和13年2月号は、何年か前に、愛知県の古書店の目録に掲載されたことがあります。
◇ 會津信吾氏『日本科学小説年表』によると、雑誌「くろがね叢書」昭和19年12月号に、「海底諜報局」が再録された、とあります。
◇ おそらく満洲で発行された雑誌「ますらお」「満洲良男」について、ご存知ありませんか?
◇ 第8著書『誓ひの魚雷』については、本当に発行されたかどうかを、確認できていません。
古書目録で見かけた、などの情報でも構いません。情報を求めています。
小林文庫です。
古本まゆ さん
> このメモは、工事中のHPを立ち上げた時には、そこで公開したいとも思っているのですが、問題はありませんでしょうか?
私が答えて良いのか疑問は有りますが、問題はないと思います。
もちろん、情報源や典拠については触れておく必要はありますが。
ネット上に、ミステリーに関する情報が充実するのは、大歓迎です。
HPの公開も期待しています。
私のブックマークには、もう古本まゆさんのHPのURLがマークしてあります。(ホント!)
中 相作 さん
『澪標の旅人 馬場孤蝶の記録』の該当個所は一応読んだのですが、その時は「小説的虚構」のように感じました。
ホントのところどうなのでしょうか?
「夢野久作全集」は、私も所有していたので確認してみました、乱歩の文章は見つかりませんでした。
古本まゆさんのおっしゃる通り、久作の文章以外は、収録されていないですね。
やっぱり「月報」なんでしょうか?
巽昌章 さん
りえぞん さん
掲示板にご登場、情報提供、ありがとうございます。
ドイツ語の文献がサッと出てくるとは、素晴らしい、感嘆するばかりです。
これからも、いろいろ教えて下さい。
>中さま
丸谷才一編アンソロジーですが、文春文庫「探偵たちよ スパイたちよ」には「ヴァン・ダイン論その他」(江戸川乱歩/小林秀雄)、「江戸川乱歩の三つのリスト」が収録されています。発行日は1991年4月10日 第1刷です。
中 相作様
>まことに勝手ながらあすの朝、あらためて投稿して…
いえいえ、どうぞごゆっくり…。
私の書きこみ、変換ミスあり、お恥ずかしいです。
会社では、部下の文章などみて「しっかりしろ…」と言っているのに
自分の文章は自分で見直しても意外と気付かないんですね。
司馬遼太郎のエッセイで 専門化→専門家 でした
中相作さま
この本は、4日前の東京出張の時に見ました。もう少し早く教えていただければ、必要なデータを調べることができたのですが・・・。古本は状態によって値段が全然違いますが、並以上の状態で、東京創元社の「貼雑年譜」を買うのと同水準か、それ以上の出費の覚悟が必要かと思われます。
ところで、
> 夢野久作全集 第八巻
> 【発行日】昭和十一年六月十五日発行
> 【発行所】黒白書房
> 【著】夢野久作
> 【収録】「押絵の奇蹟」読後感
発行年などは間違いないのですが、本には(他の巻も含めて)夢野久作の作品しか収録されていないようで、肝心の乱歩の文章のみつかりませんでした。当店のデータでは月報や附録の存在は確認できていないのですが、もし乱歩の文章が収録されているとすると、そのような形しか考えられないので、当店としてはちょっとお手上げの状況です。
「山羊鬚編集長」の方に乱歩の文章が付いていることは、当店のデータベースにも入っております(直接の確認はできておりません)。
中さん、
『澪標の旅人 馬場孤蝶の記録』(本の泉社)について、p50から52まで、読んでいて、当惑してきます。
とくに、昭和14年、村上タキが孤蝶に紹介されて乱歩を訪ねたところには、驚きました。
もし、本当ならば、乱歩は何かメモを残しているのではないか、と考えてしまいます。村上タキが残していたとされるメモがあるならば、それを紹介してもらいたい、と思いました。
奈良さん、購入しても、私は積読していました本の一冊です。読んでいないことが知られてきます。
探偵小説社からは、手元には2冊あります。
・『探偵小説 恐怖の一夜』江川蘭平、昭和26年10月5日発行
・『探偵小説 失われた花嫁』江川蘭平、昭和26年10月5日発行
いずれも、場所として、奉天市がでてきます。
奈良さんが書かれた、あの流れには気付きませんでした。
■古本まゆ様
ありがとうございます。例によって商品をお調べいただくのはじつに恐縮なのですが、次のデータをご確認いただきたく、よろしくお願いいたします。
夢野久作全集 第八巻
【発行日】昭和十一年六月十五日発行
【発行所】黒白書房
【著】夢野久作
【収録】「押絵の奇蹟」読後感
それから、これは『江戸川乱歩著書目録』に直接関係することではないのですが、この第八巻の乱歩の文章は、なんといいますか巻末解説みたいな形で収録されているのでしょうか。あるいは夢野久作論集成みたいなページがあって、そのなかの一篇ということなのでしょうか。
ついでにもうひとつ、春秋社の『夢野久作傑作集(一) 山羊鬚編輯長』は、これはもうめったにお目にかかれない古書であると認識すべき一冊なのでしょうか。
■iizuka様
『奇妙なはなし』、必要なデータが完璧にわかりました。なんだかあっちこっちお探しいただいたみたいで、たいへん申し訳なく思います。ありがとうございました。
■岩堀様
ご丁寧なご返事をたまわり、お礼を申しあげます。さっそくお答えいたすべくキーボードを叩き始めたのですが、あいにく時間切れになってしまいました。世間では三連休の中日だと申しますのに、きょうは朝から雑用が立て込んでおりまして、どうにも致し方ありません(亡父の墓参はきのう済ませたのですが)。まことに勝手ながらあすの朝、あらためて投稿して私見を申し述べたいと思います。どうも相済みません。ご寛恕ください。
●謎のアンソロジー
時間がないと申しておきながら、ちょっと気になることが出てきましたので、とりいそぎお訊きいたします。
岩堀さんへのお答えを書くために瀬戸川猛資の(私は基本的に死者に敬称は不要だと考えております)『夢想の研究』(創元ライブラリ)を眺めていたとき、あることが気になってきました。
この文庫本の解説は丸谷才一さん(たとえ嫌いな作家でも生者なのですから敬称はつけます)がお書きなのですが、本を開いてその解説に眼をとめた私は、丸谷さんが編んだミステリー関係のアンソロジーに乱歩作品が収録されていたのではないか、そんな話を誰かから聞いたことがあるのではないか、とふと思ってしまった次第です。
そんなアンソロジー、どなたかご存じないでしょうか。
巽様、りえぞん様、
ケンプナーとブーシェについての情報ありがとうございます。お陰様で長年の懸案が解決しました。さすがここの掲示板はちがいますね。巽さんのおっしゃる通りに、平田元吉の本が乱歩の種本だとおもいます。
ウジェーヌ・ブーシェの略歴については、ファーストネームとつづりさえ判れば、フランスの友人に問いあわせてみればどうにかなるのでは、と思います。
ところで、続けざまで御迷惑でしょうが、もうすこしおつきあいねがえませんでしょうか。
「孤島の鬼」で言及される、「犀のような鼠」という、鼠のしっぽを鼠の口の上に移植に成功したアルゼリアという人物について御存じでしたらお教え下さい。
また大河原元侯爵の蔵書である「探偵術」の著者で元警視庁捜査一課長の恒岡恒の生没年は御存じ無いでしょうか。
中 相作様
>そうはおっしゃられましても、「偏執的な詮索癖」はやはり気色の悪いもの
>だと私には思われます。この問題を司馬遼太郎の推理小説観にからめて話題に
>してゆくと結構面白>いことになるのではないかと予想される次第ですが、
>私にはちょっと手が廻りかねます。
司馬遼太郎は、「豚と薔薇」のあとがきで、「推理小説の探偵役は好きでない、
他人の秘事をあばきたてるその情熱の根源がわからない」という意味の事を
書いていて、そこに「偏執的な詮索癖」という表現を使っています。要は、
いい意味で使っていないのですが、私は、ある対象を徹底的に調べる「情熱」に
は、必ず「偏執的な「詮索癖」を伴うものだと思います(「偏執的」というのが
微妙ですが、程度の問題でしょう)。したがって、この言葉は、必ずしも悪い意
味ではないと思います。
司馬遼太郎のエッセイに「ある情熱」というのがありますが、これは文倉平次郎
という人物について書かれたものです。この人は、明治中期、サンフランシスコ
で偶然咸臨丸乗組員の墓を発見したことから、それ以後生涯を賭けて咸臨丸の事
を調べ上げ、「幕末軍艦咸臨丸」という本を残した人ですが、司馬遼太郎は、
「…これほど精緻な…名著が、専門化でもなんでもないひとによって書かれ
たということについて、人間の情熱というもののふしぎさを、書棚でこの本
の背文字を見るたびに考えこまされる。」と書いています。(中公文庫「幕末
軍艦咸臨丸」(上・下)‘93発行、上巻末にも本エッセイ収録あり)
対象がなんであれ、「人間の不思議な情熱」というものは根元的には皆同じ
ではないだろうかと私は思います。ある人間を徹底的に調べるというのも一つ
の情熱でしょうし、これは推理小説で犯人を追及する、あるいは謎を解き明かし
たいという事にもつながるものだと思います(*)。又、中さん始め多くの人の
「…書誌」作成というのも「一つの情熱」でしょう。上のエッセイのような文章
を書いている司馬遼太郎が、推理小説については冒頭のような事をいっているの
が、私には不思議ですね、司馬さんの偏見ではないでしょうか(^o^)。
* 松本清張の芥川賞受賞作「ある『小倉日記』伝」は、小倉時代の森鴎外を
調べる人間の生涯を書いていますが、この作品に対する坂口安吾の評は、
「推理作家 松本清張」を予言したものとして有名です。又、森鴎外の史伝
物の代表作「渋江抽斎」には、渋江抽斎という殆ど無名の人物の事を調べ
て回る鴎外自身の姿が出てきますが、これなどはまさに犯人の手がかりを
求めて歩きまわる探偵を思わせます。
我ながらつたない文章で、自分の考えている事を充分書けてないというもど
かしさを感じていますが、意のあるところをよろしくお汲み取り下さいませ。
中相作様
ちょっと前の書き込みにあった『奇妙なはなし』が出てきました。
奇妙なはなし アンソロジー 人間の情景6
【発行日】1993年2月10日 第1刷
【発行所】文藝春秋/文春文庫
【編者】文藝春秋
【収録】防空壕
では。
中相作さま
黒白の夢野久作全集、既に売約済みですが、1セット手元にあります。今でしたら、なんなりとお調べいたします。
■桜様
江戸川乱歩賞全集のお知らせ、ありがとうございました。ここまでお教えいただければ、あとはお手数をおかけしなくてもいくらでも調べられます。
それから、以前ご教示いただきました『澪標の旅人 馬場孤蝶の記録』(本の泉社)、ようやく入手してきのう読み始めたのですが、これは評伝なのか小説なのか、判断に困っております。たとえば昭和14年、村上タキが孤蝶に紹介されて乱歩を訪ねたことになっているのですが、これは小説的虚構なのか、それとも(タキが残していたとされるメモに基づいた)評伝的事実なのか、いったいどちらだとお考えでしょうか。こうした評伝とも小説ともつかぬ曖昧な書き方を、私はどうも好きになれませんが。
■りえぞん様
どうもありがとうございます。人様の掲示板で自分のホームページの開設二周年を祝福していただくのも妙な話で、とても面映ゆい気がいたします。開設二周年記念大宴会スペシャルと申しましても、単に名張の飲み屋でひたすら酔いつぶれるというだけの話でして、遠方からわざわざ馳せ参じていただくようなものではまったくありません。またどこかでお会いしたいと思います。
■巽昌章様
ご無沙汰しております。こちらの掲示板、ずっとご覧でしたか。いやお恥ずかしい。探偵小説にも古書にも闇夜のように暗い私はご常連の博識に圧倒されてばかりで、仕方ありませんから意味もなく拙い芸に走っては顰蹙を買っております。いやお恥ずかしい。
平田元吉の『早まった埋葬』は、りえぞんさんがご推察のとおり、乱歩の種本であった可能性が高いと思います。勉強になりました。お礼を申しあげます。
●夢野久作二点
小栗虫太郎が片づきましたので、ふと思いついて夢野久作に移ります。下記二点、いずれも戦前の本なのですが、ご所蔵の方はいらっしゃるでしょうか。
夢野久作全集 第八巻
昭和十一年六月十五日 黒白書房
山羊鬚編輯長 夢野久作傑作集(一)
昭和十二年四月二十日 春秋社
よろしくお願いいたします。
今日は、頼まれて、知り合いの庭掃除に行きますので、時間がありません。話題を調べる時間がありませんでした。
巽さん、別名義の(としていいのですね)、短編集を入手以来、隠れたファンです。新しい短編を読む機会がきますことを望んでいます。
奈良さん、下にかかれた本、一部手元にありますので、みてみます。探偵小説社からは何点かでていますね。これはすごい。江川蘭平ですか・・・。
昨日ここに書きました、『石沢英太郎追悼集』中村光至編、1988、入手。博多の古書店の主人の原稿あり。石沢さんのサイン本はここで入手していました。
ほかの所で、『爆風圏』海渡英祐、昭和36.12.15発行。サイン有り。カバ付のため入手。以前、カバなしのを手に入れていたので、カバーコピーして、本棚におさめる。
巽昌章様
はじめまして。「メフィスト」の連載、毎回楽しみにして読んでおります。
しかしそのような本が日本でも出ていたとは! 時期的に見て、それこそが乱歩の種本かもしれませんね。
ところで"Denkschrift"(正式タイトルはDenkschrift über die Notwendigkeit einer gesetzlichen Einführung von Leichenhäusern 「霊安室の法的導入の必要性に関する陳情書」)はフリードリケの主著の一つなので、お手持ちの本のG.ケンプナーという標記は誤植か何かかと思います。フリードリケ・ケンプナーの簡単な経歴と主著一覧はこのサイトにあります。
http://www.gutenberg.aol.de/autoren/kempner.htm
またハルトマンの本は最初から英語で書かれているようです。
ではでは。奥様にもよろしく
昭和26年10月5日に探偵小説社というところから出た「恐怖の一夜」の作者名は江川蘭平となっていて、吉良運平がいたウイ−ンに行く件があります。もうなにがなんだか判りません。
桜様、私も「探偵小説談林」を読んで吉良運平には大変興味を持ちました。
探偵作家土曜会の講演や“ぷろふぃる”4号の新作家紹介の内容は手元では判らないので知りたいものです。
同じ未来社からシュニッラ−「愛欲の輪舞」がA6版で出ている(昭和21年11月25日)のですがこの訳者の名は末吉寛です。これも同じ人物かと思いたくなって来ます。それと“ぷろふいる”5号の[三人の作家]で紹介されたニ−ル・メイン(デンマ−ク)はオリエント書房「遺書の誓い」の次に刊行告知された「海濱ホテルの殺人」の作者でした。
皆様、初めて書きこませていただきます。いつも驚くべき博識にただただ圧倒されつつ楽しませていただいております。
さて、少し前に話題になっておりました、ハルトマン、ケンプナー、ブーシェにつきまして、いくらかご参考になるかもしれない本がありましたのでご紹介します。
『早まった埋葬』平田元吉著(京都 弘文堂書店刊 大正10年7月5日)
これは表題通り、生きたまま埋葬された事例を紹介し、それを防止する必要を世間に訴えるといった内容の本ですが、その冒頭に参考書目録がついていて、そこに、フランツ・ハルトマン、E・ブーシェ、ケンプナーの著書が挙げられているのです。ただし、ケンプナーはG・Kenpnerとなっています。ブーシェの著書名はLes Signes de la Mort、ハルトマンはBuried Alive、ケンプナーはDenkshriftです。ハルトマンは英訳版なのでしょうか。
桜さま
> 古本まゆさん、『白蟻』、複雑ですね。
今回皆さんから寄せられたデータは、複雑ですがなかなか面白いですね。古本屋にとって商品の本はいずれ手元を離れますし、実際店を運営していると、ここの本についての詳しい探索やデータを残しておくほどの時間もとれませんが、『白蟻』の三つの版についてのデータはメモ書きにして残しておきたいと思います。
このメモは、工事中のHPを立ち上げた時には、そこで公開したいとも思っているのですが、問題はありませんでしょうか?
閑話休題
今週出張の東京の市には、乱歩の「人間豹」・小栗の「紅殻駱駝の秘密」の超美本や、大阪圭吉の第一単行本なども出品されていて、眼の保養にはなったのですが、入札がこうした市の目玉商品中心になった為、全滅の可能性が高いです(爆)。
>平山雄一様
お役に立ててなによりです。えーそれで
ケンプナーのフルネームはフリーデリケ・ケンプナー(Friederike Kempner)です。彼女については池内紀が「シレジアの白鳥」というエッセイを書いてます(村松書館の同題の単行本(1978)に収録)。それによると彼女の生涯は
>フリーデリケ・ケンプナーは1836年6月、シレジアのポーゼンに生まれた。その
>夢淡き波乱の一生の生涯はいまは説かない。なに、ひとことでいえばいえもする
>のだ。すなわち、われらのフリーデリケは生涯を生娘で通し、そして詩を書い
>た。
とえらくアッサリとまとめられていますが(それにしても「生涯を生娘で通し」なんてなぜ分かるのでしょうか?)、乱歩や不木に影響を与えた本の著者ということは忘れられてはならないと思います。
ケンプナーと「早すぎた埋葬」の関連については、このサイトが少し触れてます。
http://www.google.com/search?q=cache:4VpEJz-AHYY:www.schultenhof-mettingen.de/barbkra.htm+Kempner+Scheintot&hl=ja
ブーシェ(たぶん「ブーシュ」が正しいと思いますが)は、このサイトとか
http://www.google.com/search?q=cache:IfdzgmxHGJA:www.bium.univ-paris5.fr/ishm/eng/v0202.htm+Bouchut+Mort&hl=ja
見る限りでは、フルネームはウジェーヌ・ブーシュ(Eugène Bouchut)であるようです。
>中 相作様
どうもご無沙汰してます。
このたびは「名張人外境」開設2周年おめでとうございます。今回は残念ながら馳せ参ずることはできませんが、遠方よりお祝いをひとことのべさせていただきます。
中さん、江戸川乱歩賞全集の初期の巻には、乱歩の文章が再録されています。しかし、以前のを本棚の前に積み重ねられた文庫の中から、探し出す自信がないので、返事を保留にしていました。
森下さん、書誌、とくれば、反応して、購入したくなります。また、追悼集も反応してしまいます。
先頃、石沢英太郎さんのも(中村光至編)、古書目録にでていました。
小林さん、新たな、大阪圭吉のリスト公開、待ち望みます。また、文庫、二冊分、待ち遠しいですね。
■奈良さま、桜さま
貴重な情報をありがとうございます。
奈良さまの「戦後推理小説叢書目録」を楽しみにしています。
■小林オーナーさま、桜さま
もうずいぶん前に作成した印刷版『マンハント総目次・索引』のことを言われると
面映ゆいです。あの書誌にはとんでもない大ポカがありまして、申し訳ない
有り様となっております。(作家別索引の都筑道夫の項です)
WEB版も現在、多少の修正をかけている最中です。しかし、WEB版の書誌って、
これで完成って時期がないのですね。(泣)
■小林オーナーさま
>『宝石作品総目録』は借用できる様になったでしょうか?
>もし、まだでしたら、お貸しできます。
>「ヒッチコック・マガジン総目録」や「ミステリマガジン・インデックス」も、お貸しできます。
助かります。
実はミステリマガジンの目録の作成を計画していたのですが、すでにネットに
立派なものがあることを知って、「宝石」をやってみようと思った次第。
しかし、他人の書誌は楽しみですが、自分で作成するとなると、気が重い。(笑)
さっきこちらの掲示板を拝見しましたおり、「もっと謙虚になれよな。」というタイトルの投稿がありました。拝読していきなりカチンと来た私は、それを書き込んだ方に対して「謙虚になれとは笑止千万。謙虚になるべきはそこもとではござらぬか」みたいな啖呵をたったかたったか書き連ね、さあ投稿しようと思って再度こちらにお邪魔いたしましたところ、当該の投稿はすでに削除されたあとでした。ですからちょっと残念な気もするのですが、啖呵の部分は割愛して投稿いたします。
■やよい様
『日本語大博物館』のお知らせ、ありがとうございます。なさけないことに当地の本屋さんには、ちくま文庫の新刊はあまり廻ってきません。なんてとこに住んでるんでしょうか私は。刊行当初には見当たらなくても、お彼岸の幽霊みたいに時季遅れで廻ってくることはあるのですが。とりあえず本屋さんを覗いてみることにいたします。
この紀田さんのご本は、1994年にジャストシステムから出た単行本の文庫化だと思います。単行本は図版をふんだんに使った贅沢な造りでしたが、文庫本では図版の扱いがどうなっているのか、そのあたりにも興味を覚えます。
■日下三蔵様
きょうは江戸川乱歩賞の授賞式と聞き及びます。わが名張市からも、市立図書館の館長と市長部局の職員一名が出席するはずです。日下さんもご臨席でしょうか。もしもそうでしたら、名張市の田舎者二人、何かのおりにはよろしくお引き回しください。
乱歩賞といいますと先日、テレビ番組「真珠の小箱」の取材で名張市立図書館においでいただいた有栖川有栖さんと、撮影の合間にお話をしておりましたら、
「乱歩賞が決まりましたね」と有栖川さん。
「はい」と私。「乱歩賞の受賞作品は全部お読みになってるんですか」
「ええ」
「それはやっぱり職業倫理みたいなもので」
「いえ。なんていうか、ああ、今年も乱歩賞の季節だな、みたいな」
「ははあ」
いまや本邦文芸出版界の秋の風物詩となっております江戸川乱歩賞ですが、私が拝読した最新の受賞作は「天女の末裔」という作品です。一般の読者ならそれでもいいのですが、名張市立図書館の嘱託としては、これでは怠慢の謗りを免れないと思います。私はとっても怠慢なんです。怠慢ですから講談社文庫の江戸川乱歩賞全集(これも当地の書店では見かけたことがないように思うのですが)も、そういうのが出ていることはむろん知っておりましたが、せこいことして稼ぎたがるのね、みたいな印象を抱いただけでいまに至っております。
ところが、桜さんと日下さんのやりとりを拝読していて、卒然として気がかりを覚えました。それは、この江戸川乱歩賞全集の初期の巻には、もしかしたら乱歩の(というか、乱歩も含めた選考委員の)文章が再録されているのではないか、という気がかりです。怠慢を絵に描いたようなお尋ねで申し訳ないのですが、いかがでしょうか。
PCは復活したのに、掲示板には復帰できない、小林文庫です。
持ち主が、話題に入り込む隙のない掲示板って… (ーー;)
東京創元社のHPの、「10月の刊行予定」で、とうとう大阪圭吉傑作選『とむらい機関車』『銀座幽霊』の発売がアナウンスされました。
すでに「藤原編集室」さんにも教えていただき、他でも情報は流れていますが、これで10月下旬発売は確定したようです。
(よっぽど、東京創元社の発売予定を信頼していなかったらしい… (>_<) )
「大阪圭吉の掲示板」で、藤原さんに教えていただいたところによると、大阪圭吉の本格探偵小説を網羅した「決定版」となるようです。
《青山喬介》《東屋三郎》《大月対次》の3大名探偵の登場作は、総て収録。
その上、圭吉のエッセイや挿絵も収録されるとの事。
これを機会に、大阪圭吉の再評価が一層進むことを期待しています。
刊行に合わせて、小林文庫内の「大阪圭吉ファン頁」と、群竹さん主宰の「圭吉の部屋」(http://www10.freeweb.ne.jp/area/mulatake/kosak.html)では、記念イベントを企画しています。
同時に、「大阪圭吉作品リスト」の再整備も行いたいと思っています。
とは言え、まだまだ未見の雑誌が多数有ります。 もう私の力では、限界です…。(~_~メ)
そこで、例によって、皆さんに情報提供をお願いしたいと思っています。
近々、不明点を明記したリストを公開します。その際は、ご協力を宜しくお願い致します。 _(._.)_
もうあまりに、古い話題なので、怒られそうですが。
私も、「書誌を見て血が騒ぐやつ」なので、ミステリー関係の書誌本は、機会があればできるだけ手に入れるようにしています。
森下さんの、『マンハント総目次・索引』は刊行時に購入しました。
慶應ミス研の『宝石作品総目録』も所有しています。
そこで、森下さん。
『宝石作品総目録』は借用できる様になったでしょうか?
もし、まだでしたら、お貸しできます。
「ヒッチコック・マガジン総目録」や「ミステリマガジン・インデックス」も、お貸しできます。
ご希望でしたら、ご連絡下さい。
奈良さん、ご存知のように
昭和21年11月25日に未来社から出た江杉寛譯の「悪魔を見た處女」(エツイオ・デリコ)は、「別冊宝石」71号に、再録されていますね。
『撮影所殺人事件』吉良運平(断流社)昭和23.5.10
ほかに、昭和23.12.25 2刷
主人公は江杉寛警部
『遺書の誓ひ』吉良運平(オリエント書房)昭和22.1.30
『女人裸像の失綜』(左が足へん)江杉寛(未来社)昭和22.6.15
主人公は吉良運平
なども、知られています。たがいに、登場人物の名前が同じですので、興味がわきます。このあたりのことは「探偵小説談林」に詳しく書かれていますね。
>中さま
というタイトルの本がちくま文庫から出ています。著者は紀田順一郎で、日本語にまつわるあれこれを例えば「活字」だの「辞書」だのという切り口で紹介しています。この「活字」部分で乱歩の「活字と僕」というエッセイが引用されていました。
日下さん、ありがとうございます。
ぜひ、お譲りください。
なぜか、私的には、入手困難でした。
それは、この巻が出ていたとは知りませんでした。前の巻で、中途で終了したものと、思っていましたから。
後で、ご連絡します。感謝いたします。
乱歩賞全集、そのような事情であるとは知りませんでした。作品が収録されることを望んでいます。
日下です。
>桜さま
>『美少年の死』、あのシリーズでは、所有していない新書です(でている
>とは最近まで知りませんでした、2、3度のがしています)。大阪の目録
>にでていましたが、かなりの競争のようです。
ありゃ、これは意外なところを。ダブっていますので、よろしかったら
お譲りいたします。
>講談社文庫『江戸川乱歩賞全集 12』には、栗本薫(24回)と井沢
>元彦(26回)の2作品。間の、第25回の作品は、本全集に未収録
>(日下さんの解説)。後に続く作品の組み合わせが難しくなりそうです。
そうなんですよ。高柳さんは講談社と大喧嘩をしたらしく、収録許可
が出ないのです。このままだと、同時受賞の二作品が別々の巻にわか
れてしまいます。次回配本までに許可が出て、「プラハ」+「蟹」と
いう巻ができればスッキリするのですが……。
■古本まゆ様
どうもお手数をおかけしました。結局、初版にあった乱歩らの推薦文が再版で削除されたものの、著者序文にあった推薦文への言及はそのままだったため、三版ではその言及部分まで削除された、といったことかと思われます。推薦文が省かれた理由は見当がつきませんが、なにしろ小栗のことです、著者の意向ということも考えられなくはないと思います。いや、いくらなんでもこれは勘ぐり過ぎか。
ともあれ、小栗虫太郎の著作に寄せた乱歩の文章は、おかげさまですべて押さえることができました。お礼を申しあげます。
奈良さん、戦後最初(に発行された)のは、「空中よりの聲」でしょうか。
そして、私の所有している、「恐怖の假面」には、検閲のあとがあるので、いくつかの消された文字が、奈良さんの書き込みでわかりました。
探偵小説にも及んでいたのですね。雑誌「Gメン」にも検閲があったので、探偵小説には検閲の波が来ていたのでしょうか。
江杉寛譯の「悪魔を見た處女」(エツイオ・デリコ)の、江杉寛には、別名で、2、3、作品がありますね。この作者の略歴は知られているのでしょうか。
講談社文庫『江戸川乱歩賞全集 12』には、栗本薫(24回)と 井沢元彦(26回)の2作品。間の、第25回の作品は、本全集に未収録(日下さんの解説)。後に続く作品の組み合わせが難しくなりそうです。
小西書店のは訳者 安東鶴城/印刷 大正12年8月12日/発行 大正12年8月18日/
定価 1円50銭/発行所 合資会社小西書店となっていて本文頁数も同じです。
「恐怖の假面」も戦前に小西書店版がありますし。
そうすると戦後初の探偵小説の長編翻訳本は何になるのでしょうか。
昭和21年11月25日に未来社から出た江杉寛譯の「悪魔を見た處女」(エツイオ・デリコ)でしょうか?
ただ今、東京の出張から帰ってきました。
中相作さま
「白蟻」の初版本見てきましたが、江戸川・水谷・甲賀三の氏から推讃はご推理の通り巻末に収録されていました。しかし、再版でそれを削除した動機となると全く見当がつきませんね。
ところで「白蟻」は綺麗な本だったのですが、函に修理の跡があるのと、それ以上にテープ跡があるのが残念でした。本や函の修理にセロテープを使うのは絶対に禁物です。
■桜様
ありがとうございました。おかげさまで『黒死館殺人事件』、これにて落着いたしました。もうこれ以外には、乱歩の序文が収録された黒死館のテキストは存在しないと判断されます。どうもお世話さまでした。
■岩堀様
そうはおっしゃられましても、「偏執的な詮索癖」はやはり気色の悪いものだと私には思われます。この問題を司馬遼太郎の推理小説観にからめて話題にしてゆくと結構面白いことになるのではないかと予想される次第ですが、私にはちょっと手が廻りかねます。どうしたものでしょうか。どうもしなくたっていっこうに構わないのですが。
■古本まゆ様
なんやかんやとお手数をおかけしております。よろしくお願いいたします。
この2、3日は、北から南まで、四箇所にFAXをおくりました。少しだけですが、ミステリ関係の古書がいい値段ででています。
「週刊小説」連載の、綱島理友さんの『よろず古本 綱島探書堂』がでました。野村さんがかかれた「ジャーロ」掲載記事とはことなる分野の、探書です。野球雑誌もおもしろい。
『美少年の死』、あのシリーズでは、所有していない新書です(でているとは最近まで知りませんでした、2、3度のがしています)。大阪の目録にでていましたが、かなりの競争のようです。
古本まゆさん、『白蟻』、複雑ですね。
中相作さま
> ぷろふいる社版の「推讃」はもしかしたら巻末に収録されていて、削除しやすか
> ったのかもしれません。削除の理由はわかりませんが
明日出かける東京の市に出品されているはずですので、確認してきますね。再版
の十倍くらい高価な商品ですし、店として他にもっと欲しい本があります(謎?)
ので、落札まではなかなか難しいとは思いますが・・・。
りえぞん様、
ありがとうございます!!
天の助けといっていいぐらいの喜びです。重ね重ね感謝します。掲示板の接続がよくなくて書き込みが出来なかったので、いろいろサイトをさがしていたらハルトマンはどうやらブラバツキーなどのオカルトに関連したこともしていたようですね。海外のサイトで略歴を発見しました。
また不木については、「奈落の井戸」のもぐらもちさんにメールを出したところさっそくお返事をいただき、ハルトマンとケンプナーの言及箇所をお教えいただきました。
どなたかケンプナーのファーストネームを御存じ無いでしょうか。ハルトマンはファーストネームがわかったので一気に解明できましたので、なにか手がかりがあればケンプナーも、と思っております。どうぞよろしくおねがいします。
金光寛峯様
遅くなりましたが、司馬遼太郎「豚と薔薇」お陰様で読了しました。
著者自身が言っているように、「ぬえ」的作品ですね。ミステリー、事件
小説どちらかに徹した書き方をすればいい作品になっていたと思います。
ミステリーの素材としても決して悪くないと思います。当時なら、例えば
樹下太郎あたりが書いたなら面白い作品になったのではないかと言いたく
なる筋です。
結局のところ、探偵たちの変質的(偏執的の間違い?)な詮索癖が理解
出来ないという司馬遼太郎やはりミステリ作家又はミステリ愛好者にはなれ
なかった人ですね。謎が解き明かされる事(ミステリファンは、謎を謎たら
しめている仕掛けが解き明かされるその瞬間の快感を味わいたくてミステリを
読む筈です…少なくとも私はそうです)が必須の条件ですから、どうしても
探偵役(謎の解明に情熱を燃やす人物)が必要なのです。
とは言っても、司馬遼太郎自身、歴史への詮索癖があったわけで(だからこそ、
その小説やエッセイが無類に面白いのだと思う)、対象こそ違え、そこはそれ
お互い様ではなかろうかという気がしますけど。
なんにしても、本ゲストブックを見ていると、○○文庫の第何版…とか、
戦後初の探偵小説…とか、黒死館序文…とか、ミステリファンの「偏執的な
詮索癖」の事例には事欠きませんね(^o^)。ただ、中さんのおっしゃるように
「気色悪い」とは違うと思います。「なにごとも徹底的に…、明らかに
せずんば止まず」というマニア精神の発露と言うべきでしょう。
追記?ですが、タイトルの「豚と薔薇」、豚はわかりますが、薔薇って
何でしょうね。あまり深い意味はないのかと思うが気になります。これも
「偏執的な詮索癖」かも…。
中さん、
高志書房の『黒死館殺人事件 正』と福屋出版部の『黒死館殺人事件 正』には、ともに乱歩の「序」が本文には収録されていません。
そのかわり(?)、帯にさきにあげた文があります。その他に、木々さんほか、数名の推薦文が帯に掲載されています。
この福屋出版部による発行では、いままで、続の「黒死館殺人事件」が確認されていませんでした。また、この場合の「帯」はないようです(リアルタイムで購入された人から譲ってもらいましたが、その人の言です)。
金鈴社版では著者の序文から「推讃」への言及が削除された、ように思われます。古本まゆさんが指摘された、江戸川乱歩氏などへの言及はないようです。
末永さん
きのう、ちょっと驚くようなことがありました。同期の友人と後輩
で作家をしている女性と食事をしたのですが、彼女が「きょう、こん
な本を買いました」といっておもむろに見せてくれたのが、『貸本小
説』でした。びっくりして、「どうして買ったの?」と思わず聞くと、
「チャーミングな表紙の絵に惹かれて」という返事。レコードでいう
と、“ジャケ買い”というやつでしょうか。
■日下三蔵様
さっそくのご教示、感謝いたします。古本まゆさんと桜さんから高志書房版と『白蟻』のデータもお知らせいただきましたので、疑問は一挙に解決しそうです。ご多用中、お手数をおかけしました。
■古本まゆ様
わかりにくい質問で申し訳ありませんでした。見当違いどころか、大当たりです。扶桑社文庫に収録された「小栗虫太郎著作リスト」では、「白蟻」のデータはこうなっています。
白蟻
〔白蟻/完全犯罪/夢殿殺人事件/聖アレキセイ寺院の惨劇/後光殺人事件〕
35年5月22日 ぷろふいる社 B6判 函
41年7月5日 熊谷書房 B6判 函
42年4月8日 金鈴社 B6判 函
*後版はぷろふいる社版の紙型流用で、熊谷書房版は再版、金鈴社は三版として発行
熊谷書房版と金鈴社版を「後半二版」と呼んだ次第です。紙型流用版ですから、ぷろふいる社版にあった乱歩の「推讃」は熊谷書房版と金鈴社版にも収録されているのだろうなと考えていたのですが、そうではないとわかってすっきりしました。どうもありがとうございました。
■桜様
ご丁寧なお知らせ、ありがとうございます。高志書房の『黒死館殺人事件 正』と、それからこれはまったく初耳なのですが福屋出版部の『黒死館殺人事件 正』には、ともに乱歩の「序」が収録されているのでしょうか。
『白蟻』は、熊谷書房版で「推讃」が削除され、金鈴社版では著者の序文から「推讃」への言及が削除されたということでしょうか。ぷろふいる社版の「推讃」はもしかしたら巻末に収録されていて、削除しやすかったのかもしれません。削除の理由はわかりませんが。
掲示版が、復旧したので、書き込みます。なぜか、今日の一番でした。
「黒死館殺人事件」について。
1「黒死館殺人事件」正 (高志書房)昭22.6.15 カバなし 帯(赤線上下)
2「黒死館殺人事件」正 (高志書房)昭22.6.15 カバなし 帯(無地)
3「黒死館殺人事件」正 (高志書房)昭22.6.15 カバなし 帯(無地)定価訂正
4「黒死館殺人事件」正 (高志書房)昭22.6.15 カバなし 帯なし
5「黒死館殺人事件」正 (高志書房)昭22.6.15 カバ付き 帯なし
6「黒死館殺人事件」続 (高志書房)昭23.1.25 カバなし 帯なし
7「黒死館殺人事件」続 (高志書房)昭23.1.25 カバ付き 帯なし
8「黒死館殺人事件」正 (福屋出版部)昭24.11.15 カバなし 帯なし
9「黒死館殺人事件」続 (福屋出版部)昭24.11.15 カバなし 帯なし
1,2, 3には、帯に「底知れぬ魅力」江戸川乱歩の文章。5行(1行には24文字)。
古本まゆさんが書かれた他に、金鈴社の、昭和17年4月8日三版発行の「白蟻」には、序があるものの(2ページ、1935年4月 著者)、江戸川乱歩についての言及はありませんでした。
再版とは異なる序文でしょうか。
■金光さま
金光さんの書誌の完成度にくらべると、わたしのは子供の作業です。
少しでもお役に立ててうれしいです。
>なによりそれらを上回ってありがたいこと
>には書評の類まで、しかも評者ばかりか取り上げられた本についても
>索引化されていることでした。よくぞここまで、と感動しました。
ううむ。
ますます慶應義塾大学推理小説同好会『宝石作品総目録 付・作家別索引』を
越えるものを作成するのは大変そうだなあ。
いろんな方に期待されてもコマルのですが、現在作業中のいくつかの
リスト作成が終了したら、「宝石」本誌をやってみようかと思ってます。
どちらにしても来年ね。(笑)
中相作さま
扶桑社のリストにある『白蟻』の後版二版というのは、どういう本なのでしょう
か。もし昭和16年刊の『白蟻』の再版(熊谷書房)なら店にあります。
序文に「江戸川・水谷・甲賀三氏から、推薦文を頂いた」という著者の記述があ
りますが、推薦文そのものは収録されていないようです。
もし全く見当違いのRESでしたら(その可能性が高いようですが)、御免なさ
い。
日下です。
×56年2月15日 早川書房
○74年4月5日 桃源社
○76年8月15日 講談社
○97年8月15日 沖積舎
すぐ判る分では、こんなかんじです。高志書房版は出てきませんが、戦前元版
の翻刻だったと思いますので、そのまま付いている可能性が大です。どなたか、
お持ちの方、よろしくお願いいたします。
『白蟻』後版は所持していないため不明です。紙型流用で序文だけを削ること
はまずないと思いますが、こればかりは現物に当ってみないことには、うかつ
なことはいえませんので。
■平山雄一様
りえぞんさんのお知らせで、ニコライ・ハルトマンはやはり無関係だったことが判明しました。ミュンスターベルヒのデータは、インターネットで検索してみたところ、大学の先生らしい方の Web 日記に「乱歩で卒論を書く学生は、あわせて、ミュンスターベルヒの Psychology and Crime (1911, London) も借りることができたようだ」という記述があるのを見たというだけの話で、それ以上くわしいことはわかりません。その日記の URL は下記のとおりです。
http://www.toyama-u.ac.jp/~atogami/lab1/marginalia/margin11-20.html
寺田精一訳の『犯罪心理学』は、訳題や刊行年から考えて『Psychology and Crime』の訳本かと思われますが、むろん推測の域を出るものではありません。
■森下祐行様
『宝石作品総目録 付・作家別索引』、名張市立図書館は所蔵しておりますが、まさかそれを閲覧するためだけに足をお運びいただくわけにもまいりません。もしも八方手を尽くしても見つからなかった場合には、お手数ですがメールでお知らせください。何とかできると思います。
■りえぞん様
ご無沙汰いたしました。その節はありがとうございました。お知らせ感謝いたします。
「早すぎた埋葬」をテーマにした乱歩の「墓場の秘密」に、こうありました。
《埋葬後の分娩ということは決して右の一例にとどまらないのです。ハルトマン、ケンプナアなどの著書には、この種の実例が一、二ならず散見するのであります。土中に甦るというだけでも充分に悲惨です。その上、いき苦しき暗闇の中で産みの苦しみをもがき、そして、生れた子供の泣き声を聞いた時の母親の心情は……》
気分が悪くなってきましたので、このへんでやめておきます。また何かのおりにはお知恵を拝借したいと思います。
■日下三蔵様
ご多用中申し訳ありませんが、りえぞんさんつながりで「黒死館殺人事件」についてお訊きいたします。
扶桑社文庫『二十世紀鉄仮面』巻末に「小栗虫太郎著作リスト」が掲載されております。『黒死館殺人事件』のリストは下記のとおりです。
35年5月12日 新潮社 ○
47年6月15日 高志書房
56年2月15日 早川書房
69年12月20日 桃源社 ○
74年4月5日 桃源社
76年8月15日 講談社
77年4月25日 社会思想社 ○
79年11月15日 桃源社 ○
90年10月2日 沖積舎 ○
97年8月15日 沖積舎
これらのうちのいずれに乱歩の「序」が収録されているか、おわかりでしょうか。当方で調べられたものには○を附してあります。
また同リストでは、『白蟻』の後版二版は初刊本の紙型流用とありますから、これらにも乱歩の「推讃」がひきつづき収録されていると見てよろしいのでしょうか。
以上、お暇なおりによろしくお願いいたします。
森下さん、私は、森下さんが作成された、マンハント日本語版、本国版の印刷版を所持していますが、さらに、WEB版も作成されていることを本日知りました。
印刷版の入手には苦労しました。
「宝石」については、WEB版を完成されることを祈念します。時々(といっても、記憶では四,五年前か)、古書目録ででますので、入手は可能ですが。
「本の雑誌」十月号、「坪内祐三の読書日記」。ちょっとした事情があって、実家の本を少し処分する、とある。しかし、大変な量のように思われます。知りませんでした、あの坪内さんの関係者だ、とは。
なぜか、また、坪内さんの原稿。
扉野良人さんが登場
しているのは、雑誌「ジャーロ」Vol.5。スムース、KIMMの記述あり。スムースの次号は、今月末でしょうか。
ええと、はじめまして
ハルトマンはDr. Frantz Hartmannです。その主著「生者の埋葬」Buried Alive (1895) は、いわゆる「早すぎた埋葬」の例が700ばかり載っているという素敵な本で、虫太郎「黒死館」や日夏耿之介「吸血妖魅考」にも言及があったかと思います。
ケンプナーについては小酒井不木が「趣味の医学」の中で何か書いてました。
また、乱歩自身にも「早すぎた埋葬」を主題とするエッセイがあったかと思います。
今原本に当たれないので記憶で書いてます。間違いがあったら許してください。
>末永さん
「心の花」の件、そういうことだったのですか。いや驚きです。
当方は翻訳家としても著名な片山廣子 (松村みね子) の調査のため
に同誌を少し調べたことがありまして、久作が短歌を投稿していた
1915(大正 4)年ごろの分も目を通していたはずなのですが、まさか
竹柏園の閨秀歌人と後の猟奇歌の杉山萠圓が同居していたとは…
まったく思いもよりませんでしたし、気がつきませんでした。
でも、異色な組み合わせで面白いですね。こういうことがあるから
古雑誌を読むのは楽しいです。
でもでも、本当に書誌というのは万巻の、ありとあらゆるジャンル
の本を読んでいないとできないのだなぁと痛感されられるエピソー
ドだと思いました。『夢野久作著作集』第 6巻所収の執筆年譜を見
たのですが「よくこそここまで」と涙が出そうになるくらいの捜索
ぶりではないでしょうか。「心の花」の雑報欄もあらかた調べられ
たようですね、今まで沿革が不明だった九州の短歌団体のことがか
なり判明した旨書いておられましたし。
>森下さん
慶應義塾大学推理小説同好会の『宝石作品総目録 付・作家別索引』
には私も助けられました。遺漏や誤植はたしかに目につくのですが
珠瑕というのも気の毒で、なによりそれらを上回ってありがたいこと
には書評の類まで、しかも評者ばかりか取り上げられた本についても
索引化されていることでした。よくぞここまで、と感動しました。
この本は知るかぎりでは神奈川近代文学館に所蔵されています。平井
呈一翁やダンセイニ卿の調査のためにえっちらおっちら自転車こいで
閲覧しに行きました。同館は土日も開館しているので閲覧は比較的楽
なのですが、だからといってみんなが見に行けるわけではないし、と
いって各地のめぼしい図書館に寄贈しまくるってわけにもいかないし
(破産するって)、別冊だけでも森下さんにまとめていただければ皆
すごく助かると思います。『宝石推理小説傑作選』だってけっこうな
古書価ですし。さらに電子データならば検索も柔軟にできます。
ごあいさつが遅れました、森下さんの「ミスダス」には助けられまし
た。ミステリー文学資料館等で大方の雑誌は実物を当たっていたので
すが、どうしても限られた時間内で慌てて見るものですからコラムや
エッセイ等は見落としが多くなります。「ヒッチコックマガジン」に
「二瓶のソース」のパロディが載っていたなんてミスダスがなければ
気がつかないままだったと思います。
森下様:
この小西書店のは探偵文藝叢書5/大正12年ですね。
これならば、ひょっとすると並べて確認できるかも知れませんので
首尾良ければご報告します。
芦辺様、
おっしゃるとおりに、このシリーズには新作の講談が数多くふくまれています。ルパンは出だしが「此度は評判講談全集より特に変り種をとの御注文によって長講いたします」ということから、もしかしたら読み物用に書き下ろしたのかもしれません。それはともかく、このシリーズの巻末広告を見るとあきらかに西洋ものだとおもわれるのは、「ベニスの商人」(一巻)、「モンナバンナ」(三巻)、「復活(カチウシャ)」(五巻)、「モンテ・クリスト伯」(七巻)、「月光の曲」(八巻、たぶんベートーベン)です。ほかにも「怪傑星亨」なんてのもありますが、これはこれとして新しいものでしょう。
■奈良さま
私も原書はおろか翻訳書も持っていないので、他の書誌類の引用になってしまい
ますが。
『新青年』昭和12年2月号の廣川一勝編「邦訳海外長篇探偵小説総目録」に
よると、『空中よりの聲』が小西書店から出たことになっています。
訳者は『無線電話の罪』と同じ。
他に古澤仁編の目録に載ってないものとして、
『カジノの秘密』→『燃ゆる戀』昭和書房 桃井津根雄訳
があります。
おそらく、おなじ版を使用した別本と思いますが、この目録は発行日
が記載されていませんので、これ以上はわかりません。
生半可な知識ですいませんでした。
■中さま
>慶應義塾大学推理小説同好会の『宝石作品総目録 付・作家別索引』には、
>随筆も記載されています。
>もしも可能であるならば、『宝石作品総目録 付・作家別索引』を
>一度ご覧になることが必要かもしれません。
全くその通りです。先行するリストを見ないでこういう作業をやることの
危険性は充分に承知しております。あとから作成したものが、すでに出て
いるものより劣っていては、作成する意味はありませんから。
ということで、誰か閲覧させてくれたら、うれしいんだけど。(笑)
>それから、私のような探偵小説の素人には作品名による索引が不可欠なの
>ですが、これはその索引の利用者をどういった層に想定するかの問題だと
>思います。
著書リストの場合は作品名の索引も必要と思うのですが、雑誌の総目録では
短編・エッセイが中心になりますので、作品名で検索することってあまり
ないと思っていました。わたしがこれまでに見た他のミステリ雑誌総目録でも
作品名の索引はなかったと思います。(これも違っていたらすいません)
>平山さん
ありがとうございます! 実は昭和初年の「キング」だか「講談倶楽部」の広告にルパンものの講談が載っているなと思っていました。ひょっとしたらご指摘のものかもしれません。そういえば、巌窟王の講談もあったような……。講談による改作・再話というのが幅広く行なわれていた時代なのですね。
中様、
お忙しいところすいませんが、各事典のハルトマンの当該部分のコピーをお送りいただけないでしょうか。よろしくおねがいします。
ミュンスターベルヒの本は、一九一五年に寺田精一訳で出た「犯罪心理学」と同じものでしょうか。すいませんが、その英訳本のデータもメールでお教え下さいませんか。
芦辺様、
私も探偵講談には詳しくありませんが、ホームズ関係ものとして、「評判講談全集第九巻(昭和六年、大日本雄弁会講談社)に白雲斉楽山の「怪盗ルパン」という短篇の講談がのっています。内容は「ルパン対ホームズ」です。名前が「堡無須」(ホームズ)、「流安」(ルパン)などとなっていて、けっこう昭和六年にしては古めかしいです。
森下様
>この翻訳は、戦前に出た小西書店版のル・キュー作品と同じものでしょうか?
>訳者の安藤禾村って、安東鶴城と同じ人?
ええっと、これは大正12年?の盛光館版「無線電話の罪」のことでしょうか。
原題はA VOICE FROM VOIDで原本を所持していないので何とも言えませんが、あの終戦時に飜譯が進んでいたとはとても思えませんので譯者も内容も同じだとは思いますが…。
小西書店版の刊年はいつでタイトルはどうでしょう?
販売代理店と思いますが。この書店では「処女と妖僧=怪教の秘密」というのを出していますね。
古澤仁編の目録によれば戦前の飜譯作品は
「放浪者の手記」「密偵の告白」「カシノの秘密」「ピムリコの博士」
「暗號の骨牌」「誘惑の日」「怪教の秘密」「邪悪の家」「覆面」「毒蜘蛛の眼」
「妖姫」「青衣の乙女」「黒い影」「悪の巷」「希代の結婚魔」「露国革命まで」
となっていますが。
風々子さん、H書房では、一度もアタリになりません。ここ、3年あまり。ミステリの購読者がふえたので(店主の言)、なかなかめぐってきませんが、これも運ですから。 それにしても、21分の1、とはすばらしい。私は、そのときには、他のもので2分の1でした。
しかし、ある同人誌のひとから譲られることもあり、こちらはうれしいです。
「探偵趣味」18号、昭和30年3月25日印刷。ここには、
「古本屋気質」という署名Mの記事。
『海野十三メモリアル・ブック』に掲載された、「高尾書店」の記事と関連があるような気がします。上の記事は、「1954年度の高尾書店の古書目録」からの転載。
そこには、海野さんの奥さん、横溝さんとのやりとり、などが店主の目から書かれていました。ブック掲載記事を補填しています。
貴重な資料でしょうか。
末永さん、明日、葉書でご連絡します。ぜひ、お譲りください。ありがとうございます。
■森下祐行様
慶應義塾大学推理小説同好会の『宝石作品総目録 付・作家別索引』には、随筆も記載されています。ただしコラムの類は割愛されているようで、巻頭の凡例には「本書はコラムの内容には余り重点を置いていない。又随筆もミステリに余り関係のないと思われるものは省いた」と記されています。
しかしだからといって、つまり同書に随筆がおおむね記載されているからといって、これから森下さんが新たに目録を作成されることの意義はいささかも減ずることがないと思います。名のみ伝え聞くだけで手には取れない目録なんて、何の役にも立ちません。
しかしもしも可能であるならば、『宝石作品総目録 付・作家別索引』を一度ご覧になることが必要かもしれません。やはり参考にはなるはずですし、これよりいいものをつくってやるんだい、という励みにもなると思います。
それから、私のような探偵小説の素人には作品名による索引が不可欠なのですが、これはその索引の利用者をどういった層に想定するかの問題だと思います。
期待しております。
■平山雄一様
乱歩はドイツ語には堪能ではなかったと思われます。フロイト(1856−1939)の著作も、邦訳が出るのを待って読んでいます。ミュンスターベルヒ(1863−1916)はどうだったかというと、「D坂の殺人事件」で明智小五郎はたしかに『心理学と犯罪』を「古ぼけた洋書」で読んでいますが、これはたぶん英訳書でしょう。試みにインターネットを検索してみたところ、『Psychology and Crime』が1911年にロンドンで刊行されていたらしいことがわかりました。
さて、「パノラマ島奇談」のハルトマンが果たしてニコライ・ハルトマン(1882−1950)なのかどうか、やはりよくわかりません。ニコライ・フセヴォロドヴィチ・スタヴローギン(1993− )なら、うちの犬なのですが。
平凡社の『哲学事典』によれば、ニコライ・ハルトマンの邦訳は昭和17年の『存在論の基礎附け』を嚆矢とするようで、もしも乱歩がニコライ・ハルトマンを読んでいたとしたら、ドイツ語の原書か英訳本によるしかなかったでしょう。フロイトの例からも知れるとおり、その可能性は低いようですが。
ただし「パノラマ島奇談」の場合、乱歩にはあの三人の著作を直接読んでいる必要はありませんでした。彼らが「死に関する書物」を著していたことさえ弁えていれば、人見広介の教養の体系を肉づけするために三人の名前を利用することはいくらだって可能だったはずです。
●肩の上の気味の悪い人の顔
について、何かご存じの方はいらっしゃるでしょうか。
ある方から、乱歩の作品に「肩の上に気味の悪い人の顔が出来て……」といったような話があるらしいのだが、それは何か、というお問い合わせをいただきました。わかりませんでした。谷崎の「人面疽」めいた話なのかとも思われますが、乱歩作品にそんなのは存在しないのではないでしょうか。乱歩作品であろうとなかろうと、とにかく「肩の上の気味の悪い人の顔」が出てくる小説をご存じの方、お手数ですがお知らせください。
いま思いついたのですが、瀬下耽の「柘榴病」には人面疽が出てきたのではなかったかしらん。いや別に、人面疽の話だと限ったわけではないのですが。
>皆々様
旭堂南湖さんがお尋ねの「探偵講談」について、何か僕も急に知りたくなってきましたが、何かご存じよりの件や参考資料はありませんか?
せいぜい乱歩が“明治の指紋小説”として紹介した快楽亭ブラックの「幻燈」(あれは落語か?)とか伊藤秀雄氏の『明治の探偵小説』ぐらしいしか思い当たりませんが。ここはぜひ諸賢の知識を拝借したいところです。
涙香ものとか講座にかけてられそうな気もしますが……。あ、それと「幻燈」ってどこかに翻刻されてました?
桜さま
H書房の「水平線の男」、21分の1の当選者は私です(^^)
でもその他のミステリ関係の注文結果は低調でした。
こんな注文殺到の状況では、1冊でも当たったことを喜ぶべきでしょうね。
この店は以前ちょっとしたわがままをきいてもらったことがあり、
以来贔屓にしています。
昨日は久しぶりに若山三郎先生にお目にかかって、いろいろお話を伺いました。『貸本小説』をお読みいただき、ご意見や新情報をいただきました。
ホントに狭い業界、というか、人間というものはどこでどうつながりがあるかわかりません。当時の編集者でご存命の方を何人か紹介していただきました。
野村敏雄さんは、今年「長谷川伸賞」を受賞されたそうです。>中様。
桜様。
『さんどりあ』という雑誌は、実は私が作っています(制作のみ)。
「橘外男の満州物考察」とは、中央書院の『橘外男ワンダーランド』の続満州編(「皇帝溥儀」などを収録予定)の解説として書かれていたもので、同シリーズが中絶したためにオクラ入りしていたものを改めて発表したものです。
ほかには長谷川卓也氏の食味エッセイなどが掲載されています。
在庫は私がお預かりしており、販売もしていますので、ご一報いただければすぐにお送りできます。
中様、
ハルトマン、有望かと思います。四十代半ばならすでに本をだしていても不思議ではありません。しかし邦訳がでていたかというと判りませんが…。乱歩は英語は上手だったようですが、フランス語、ドイツ語はよめたのでしょうか。ブーシェなんかどうみてもフランス人という感じですが、いくらさがしてみてもロココの画家しか出てきません。
森下さん、中さん、失礼しました。交錯して、皆様、読みにくいかもしれませんが、申し訳ありません。
古書店にて入手。現代教養文庫「探偵小説の「謎」」江戸川乱歩、カバなし、昭和31年8月15日発行、には、紙がはられて、8、とされていました。その下の数字は、何でしょうか、気になりました。
桜さま
わたしの発言も、桜様の発言を読まずに書き込んだものです。
中さま
>「宝石」の目録としては、『宝石推理小説傑作選3』所収のもの以外に、
>慶應義塾大学推理小説同好会が「推理小説論叢」第三十七輯として1973年
>3月に発行した『宝石作品総目録 付・作家別索引』(慶應義塾大学推理小
>説同好会編、SRの会協賛)があります。
これ、知ってはいるのですが、未見なんです。でも、もう手に入らないし、
持っている人に聞いた話だと、エッセイ類は索引に入ってないとのこと。
だから、エッセイ類を含めての作業なら新たに作成する意味もあるかと。
>残念ながら作品名の索引はありません。期待しております。
基本的に、雑誌の場合、総目次と作家別索引があればいいと思っています。
作品名での索引があるにこしたことはありませんが、経験からいえば、
作家名が不明で作品名で探す場合って、ほとんどないんじゃないですかね。
わたしの場合、翻訳作品をおもに確認したいので、原題はつけたいと思って
いますが。それも、原題での索引はいまのところ考えていません。
奈良さま
>「空中よりの聲」 昭和二十年八月三十日(印刷昭和二十年八月二十日!)
> 文園社 364頁 定價二十五圓
> ウエリヤム・キュ− 安藤禾村編著
この翻訳は、戦前に出た小西書店版のル・キュー作品と同じものですしょうか?
訳者の安藤禾村って、安東鶴城と同じ人?
私が書き込み中に、中さんのが先に出てしまいました。森下さん、私があげた「宝石」についてのコメントは、さらにくわしく、中さんが書かれていますので、よろしく。
H書房の、記事から。
「水平線の男」21名、「屍の記録」15名、「魔人」10名、「死刑台へどうぞ」9名、「シナの鸚鵡」7名、「ナイン・テーラーズ」6名
のように、注文殺到書と人数が書かれています。
これらには、私は出していませんが、他のものにだしても、ここではアタリ、ということがありません。
奈良さん、風々子さん、ありがとうございます。それぞれ書かれておられますように、
さらに古い探偵小説(翻訳)があつたのですね。 さらに、あるのでしょうか。しかし、限りなく、ちかいですね、八月二十日印刷ですから。
いままでに、これらがとりあげられなかったので、注目していました。山前譲さんの「日本ミステリーの100年」には、昭和二十一年の7月、雄鶏社「推理小説叢書」が年表では取り上げられていますが、「戦後最初の探偵小説」の視点からではないですね。
「さんどりあ 1号」には、「橘外男の満州物考察」山下武、は掲載されているようです、「日本古書通信」9月号より。
「参土会」(と関係があるのでしょうか)会員のみ、入手できるのでしょうか。
森下さん、ご存知のように、「宝石掲載作品総目録」からは、ラフに、見られますので、私はそれを参考にしています。
■末永昭二様
私、きょうもきょうとて地方の方です。
同じく地方の方でいらっしゃるこしぬまさんが○○郡○○町でご高著を購入されました由拝読し、え、名張市の新刊流通事情は○○郡にも劣るのか、と憤りながら名張市瀬古口の別所書店名張西店を覗いてみましたところ、『貸本小説』が一冊だけですが堂々入荷しておりました。索引を手がかりに乱歩に関する記述をぱらぱら確認し、それから野村敏雄の生歿年がわかるかなと思って野村敏雄の章を眺めてみたのですが、なんと野村敏雄さんは現役作家でいらっしゃるのかとびっくりしてしまいました。野村さんの章には名張のことまでお書きいただいてあり、名張市民の一人としてたいへん嬉しく思います。これからゆっくり拝読します。
売れ行きすこぶる好調とのことで、まさにご同慶の至り、わがことのように喜んでおります。印税が入ったらぱあーっとやりましょうぱあーっとぉ。
■平山雄一様
お尋ねの三人の正体、手許の辞書にあたってみたのですが、さっぱりわかりません。ただひとつ、平凡社の『西洋思想大事典』の索引に、
ハルトマン,N.[死と不死]
という、関係がないでもなさそうな項目が見つかりましたので、項目「死と不死」の「4.哲学者と死」から当該箇所を引用してみます。現代の哲学者の大半が死の問題を扱おうとしない、といったことが記されたところなのですが、
《典型的なのは、「自らを責めさいなむ形而上学者」だけが死について随想し、不死について推測するのに時間を費やす、というドイツの哲学者ニコライ・ハルトマンの言葉である。》
とあります。このハルトマンは、『岩波哲学・思想事典』によれば「1882−1950 ドイツの哲学者。認識論から存在論へという20世紀初めの哲学界における潮流形成者の1人」とのことで、大正15年当時には四十代なかばだったという年齢から考えても、「パノラマ島奇談」には関係がないのではないかと思われますが、念のためにお知らせ申しあげます。「パノラマ島奇談」の文脈からは、あの三人が死に関して哲学的あるいは神秘学的な考察をめぐらせた人物であるというよりは、もっと即物的に死について語った人たちであったようにも推測される次第ですが、ともかくまるでわかりません。乱歩の蔵書目録の公開が待たれます。
■森下祐行様
「宝石」の目録としては、『宝石推理小説傑作選3』所収のもの以外に、慶應義塾大学推理小説同好会が「推理小説論叢」第三十七輯として1973年3月に発行した『宝石作品総目録 付・作家別索引』(慶應義塾大学推理小説同好会編、SRの会協賛)があります。B6判、三百六十八ページの大冊で、「宝石」の本誌と別冊それぞれの目録と作家別索引が収録されているのですが、残念ながら作品名の索引はありません。期待しております。
過日こちらで話題になった『凱旋門』の映画化版(リュイス・マイルストン監督、シャルル・ボワイエ、イングリッド・バーグマン主演)が、ついさっき大阪のABCテレビにて始まりました。
あ……
内容がかぶってしまいました
(^^;;;
桜さま
先日こんな本を入手しました。
「探偵小説 空中よりの声」(「声」は旧字)
ウエリヤム・キュー 作
安東未村 編著
文園社
昭和二十年八月二十日印刷
昭和二十年八月三十日発行
手にした時には、奥付の日付が面白いなあ
と、ちらりと思ってそれっきりでした。
桜さんの書き込みを見て、
なるほど「戦後初の○○」という視点もあるなと思い至り、
話の種に書いてみます。
手元で判る限りでは
「空中よりの聲」 昭和二十年八月三十日(印刷昭和二十年八月二十日!)
文園社 364頁 定價二十五圓
ウエリヤム・キュ− 安藤禾村編著
「恐怖の假面」 昭和二十年九月二十日(印刷昭和二十年九月十日)
文園社 372頁 定價二十五圓
ア−サ−・リ−ヴ
譯者名は表紙は杉山勇次ですが奥付は松山勇次
「最後に笑うもの」 昭和二十一年二月一日(印刷昭和二十一年一月二十日)
共和出版社 94頁 定價金四圓
ボワロ/チャ−タリス/オリヴァの3短篇収録 水谷 準譯
「いたづら時計」 昭和二十一年六月五日(印刷昭和二十一年六月一日)
共和出版社 63頁 定價金参圓
セイヤ−ズの3短篇を収録 黒沼 健譯
昭和二十一年からはポオやシムノンをはじめとしてかなり多くの邦訳が出ていますね。
金光さま
>「『宝石』総目録」(『宝石推理小説傑作選3』所収, いんなあとりっぷ社) は
>索引ほしかったと思いましたね。もっともこれくらいの件数ならば自作できなく
>もありませんし、そもそも無くてもなんとかなりますが。
わたしも、『宝石』の索引が欲しいと思い、別冊だけはほぼ完了させました。
本誌の251冊は自分で持っているのがほとんどないので、ちょっとしんどいけど
やってみようかと思っています。
ても、図書館で全巻確認するのは気が重い……。
芦辺さま、
ありがとうございました。ストランド・マガジンの一九一五年十月号に掲載のジョージ・シムズの「Originarity in Murder」という実録物が元になっていることがわかりました。シムズはロンドンの庶民生活についての本をかいたりしていて、当時はけっこう活躍していたようですね。
乱歩の土蔵の本が整理された結果の公表が待ち望まれます。なにしろさっぱり正体の解らない本が山ほど言及されているので、本当にこまってしまいます。
たとえば「パノラマ島綺談」で人見広介はケンプナー、ハルトマン、ブーシェの死に関する本を読んだというんですが、これら三人のうち一人として正体がわかりません。どなたか御存じありませんか。
末永様
「大豪記」、ロマン・ブックスに入っていたのですか。
古書店では、ハードカバー関係ばかり見ていました。これからは、新書
関係で探します。貴重な情報でした。
>実は、この時期、冨賀さんだけでなく、その手の雑誌にいろいろな画家が
>イラストを描いています。もちろん堂先生も。
やはりねえ・・・。その種雑誌には、それだけの画家ではあるまいという
うまい絵が結構ありましたね。ああいう小説は、普通の小説にも増して、
なんというか挿絵がいいと楽しさ何倍ですからね。
>ただ、私にはこの情報をどう取り扱っていいものか、考えが及びません。
>どうしたものでしょう。
難しいですね。ご本人達は公表したがらないでしょうし。あの荷風で
さえ、「4畳半襖の下張」の作者である事を自分では認めようとしな
かったですからね。
ただ、その分野の本は、昭和30〜40年代、日は当たらないにしても
一つの世界を形成していたわけですから、挿絵も含めて、歴史に埋没させ
るのはいかにも惜しいという気がします。
「貸本小説」に匹敵するような本(挿絵もふんだんに載っていて)が出て
もいいのでは・・・、出て欲しい・・・と私は思います。
しばらく前から、「戦後最初の探偵小説」に注目していましたが、以下のはどうでしょうか。
『探偵小説 恐怖の仮面』昭和二十年九月十日印刷
昭和二十年九月二十日発行
(5,000部)
杉山勇次(表紙、背、見開きに)
ただし、奥付けには、x山勇次、とある
発行所 x園社(東京)
これは限りなく、「戦後最初の探偵小説」と思われます。
末永さん、昨日、行き付けの店で、著書、売り切れでした。これはすごいことです。
こしぬまさんがかかれておられますように、いわゆる「書評」集がほしいです。
岩堀さんも、栗田信について、同じ箇所でふみとどまれたのですね。
本当に、堂さんの表紙は本にふさわしいです。
旭堂南湖様。
面白そうですね。後でHPを拝見いたします。
でも、関西なんですね。
岩堀様。
ご購入ありがとうございます。
おっしゃる作品は講談社ロマン・ブックの『大豪記』ですね。
初出は『講談倶楽部』でしたか。同誌はメジャー出版社のものなので(でも充分レアですが)どうも手が回りかねています。ありがとうございました。
それから、おっしゃる通り、その挿絵は冨賀正俊で間違いないと思います。
実は、堂先生にいろいろ伺って、結構細かいところまでわかっているのですが、冨賀さんについてはいろいろ事情があり、発表は少し遠慮しています。
実は、この時期、冨賀さんだけでなく、その手の雑誌にいろいろな画家がイラストを描いています。もちろん堂先生も。
ただ、私にはこの情報をどう取り扱っていいものか、考えが及びません。どうしたものでしょう。
宮本幹也、いいですよね。エロなんだけど大らかで。
リアルタイムの読者の方に感想を伺えるというのはありがたいです。
あ、どうも「小説」のコーナーに並んでいるみたいですね。
どうもなかなか思い通りに並べてもらえないもので……
末永昭二様
「貸本小説」読了しました。入手にもたついて(戸塚の有隣堂では、
小説・男性作家のコーナーに積まれていました…。私はもっぱら評論
コーナーを探していたのです)皆様より遅れてしまいました。
私は、貸本屋を利用した経験は全くなく関心もなかったのですが、
そんな私が読んでも非常に面白かったです。未知の世界を発見させて
頂いたという思いです。さながら「貸本作家奇人伝」という趣もあり
ますが、まあそんあに堅くならなくても本当に楽しく読めました。
「…脱力感を味わって欲しい。是非。」(「カッポウ先生行状記」
栗田 信)というおすすめ文など初めてお目にかかりましたが、こう
言われると読みたくもなります。
他方、「壇之浦0番地」(井上 孝)などは、作品よりも末永さん
の解説の方がよっぽど面白いのではないかと…。
宮本幹也の奇想のタイプ解説で、「大きさの違う男女」とありますが、
「ははあ、やっぱり」と思いました。「講談倶楽部」だったと思いますが、
とてつもない巨漢(小錦をニ回りも三回りも大きくしたような…)と
清楚な娘との組み合わせの作品、連載で読んだ記憶あります。たしか「大
豪記」という題名、挿し絵は「幹事長と女秘書」と同じく田代 光でした。
巨漢がフグの毒にあたって海岸の砂に埋められているところへ、夜中に入水
自殺するつもりの娘が通りかかり、首だけ出ている巨漢にボソボソ話しかけ
られて腰を抜かすというような発端でした。古本で見つけたら是非買いたい
と思っています。
それから、挿絵画家の富賀正俊についてです。私はその挿絵は「講談倶楽部」
などで記憶に残っていて名前の方は忘れていたのですが、P.21の「大暴れ
台風娘」の表紙を見て「ああこの絵だ」と思いました。P.124に「…その
後は名前を変えて『裏窓』(久保書店)などで挿絵を描いていたという。」と
ありますが、たしかにその種雑誌に、子供の頃の記憶とそっくりな画風の絵を
見つけて同じ画家ではないかと思っていたのですが、やはりそうかという気が
します。まず、富賀正俊で間違いないと思いますが(もちろん名前は別になって
います)、その雑誌の1冊、何故か手元にあるので、一度機会を作って末永さん
に見て頂きたいと思います。コピー取れるといいのですが、コンビニで白昼堂々
コピーを取るのはちとマズイなあという絵なんです。
はじめまして。
明治期に流行った探偵講談について調べております。
『第一回 名探偵ナンコ』ーよみがえれ!探偵講談ー
日時/9/24(月)
会場/茶臼山舞台(JR・地下鉄天王寺駅下車北へ徒歩五分・「P☆coat」二階)
開場/6:00 開演/6:30
料金/1000円
出演/旭堂南湖「探偵講談・夢の世界(原作/多田錦海口演・山田玉峰速記)」、他
という講談会を主催しますが、
多田錦海、あるいは、多田喜太郎の他の著作について、
また、お勧めの探偵講談がありましたら、
ご教授をお願いしたいと考えまして、投稿させていただきます。
何卒、よろしくお願い致します。
>平山様
お役に立てて幸いです。そうか、直接「ストランド・マガジン」に当たることができるわけですね! そのための号数を記しておくのを忘れていました。
1913年12月号です。乱歩は新聞切り抜きの日付や紙名などでもよく間違いをし、それが『探偵小説四十年』にも持ち越された例があるので、注意が必要ですが。
末永昭二様
私も、地方の方(○○郡○○町)ですが、近所の本屋で買いました。原書房、早川書房の単行本は一冊も入荷したことがないのに、新刊棚でこれを見たときは(ホントかよぉ、ネットで注文しなくてよかったぁ)でした。やはり、本屋で手にとってから購入したいです。書評がこれから載るとのことですが、どんな書評かまとめてくだされば、いいなあ。ネットでは「未読王購書日記」や「密室系」に適切かつ的確な評が書かれていますね。
はゝはゝ、オーナーさん、貧乏は哀しいですか。併し、大丈夫でしよう。僕はそれを信じるものです。壊れたならば、壊れた時ではありませんか。宿命です。それより、牛鍋でもつつきに行きませんか。はゝはゝ
ああっ、頭の中が完全に富田常雄になってるぅ。久しぶりに登場したってのに、なんの役にも立たないこんな芸を披露しただけで終わりです(芸なのか?)
■末永昭二様
私、地方の方です。
けさはこちらにお邪魔するつもりはなかったのですが、自分のホームページの更新がうまく行かず、プロバイダのサーバーに接続できない状態がもう30分以上もつづいておりますので(イスラム世界の謀略でしょうか)、そのつれづれにまかりこしたような次第です。
本をつくるうえで、索引はやはり大切な要素だと思います。乱歩だって厳格な索引原理主義者でしたし(アメリカの同時多発テロを伝えるテレビ番組ばかり見てますので、言葉づかいにもその影響が出ているようです)。
『江戸川乱歩執筆年譜』をつくったときのことですが、本文で予想外にページ数を食ってしまったせいで索引に割ける紙幅が減り、10級の文字を行送り14歯にして索引を組むという仕儀に立ち至りました。索引は校正も大変で、本文といちいち参照しながら細かい文字を何回も校正していると、眼の疲れは相当なものになります。
中井英夫は小学館で百科辞典づくりに携わった経験に触れ、索引づくりこそ人間が神に近づける唯一の道なのではないか、みたいなことを書いていましたが、私の場合、索引をつくっても神様にはちっとも近づけなかったかわり、老眼には一気に近づいてしまったような気がいたします。
以上、あさってに近づいた敬老の日にふさわしい話題でご機嫌を伺いました。
芦辺様、
ありがとうございます!「謎」は目を通したはずなんですが、いったい何を見ていたのでしょうか…。なさけなくなります。ストランドがネタモトですか。早速調べてみます。重ね重ねありがとうございました。
省略されがちですね。でも、実は私、索引を作るのが好きで、単行本を作るときは必ず索引を作って入れてしまいます。珍しいやつだと仲間に言われます(索引作りは面倒だから)。
金光寛峯様。
『心の花』はおっしゃる通りの雑誌です。
実は、この発見には私が例によって一枚噛んでおりました。「夢野の古い短歌があるけど、珍しいものかなあ」ということで、ある方を介して最初にコピーを見せていただいたときにはビックリしました。興奮した私が、「これは探偵小説的には新発見だから、どこかで発表しては」と進言し、某所で発表されたというわけです。
別に私が発見したわけではないのですが。
短歌はもちろん重要ですが、当時の久作の動向が雑報欄に掲載されていると思いますので、その意味でも一級資料だと思います(西原さんはすでに全号確認済みでしょう)。
おかげさまで『貸本小説』、昨日、東京堂書店(神保町)のベストセラー第9位にランクインしました。皆さま、ありがとうございます。
これが「局地的瞬間最大風速」にならないよう、宣伝に力を入れます。ありがたいことに多数の紙誌で書評していただくことになっていますし、広告もいくつか出るらしいです。これで、地方にも配本されるようになるとうれしいのですが。地方の方には大変ご迷惑をおかけして、申し訳ないです。
「みすてりい」会員であった人から、「みすてりい」創刊号、2号を譲りうける。
その2号には、「みすてりい・さろん」みすてりい2号別冊附録、「みすてりい神使録」がついていました。10ページ、ガリ刷。企画 島崎博、文 間羊太郎、西田恒之。
「編集後記」には、「同人と会員のみに頒布します」とある。このような「ツキモノ」は、収集がむつかしいです。
小林さん、PCが退院。いかがですか、このところの古書入手は?
金光さん、「心の花」については、復刻がでているとは、著作集の解説では触れられていませんでした。
そこから、かなり、著作集には採用されているようです。「心の花」復刻版の情報、知りませんでした。ありがとうございます。
「さくいん」の製作には、もし、改題されて、その人の著作に採用されていれば(リストで、初出誌不明とされている場合もあります)、読んで内容を照らし合わせて調べなければならないので、労力がいりますね。
>『春陽堂書店発行図書総目録』の一番ダメなところは著者索引、タイトル索引がついていないことですね。
>どうやって使えばいいんだ、こんな欠陥品。
これで思い出してしまいました。「『新青年』全巻総目次」(『『新青年』読本』所収, 作品社)
と『中央公論総目次』。
前者はまだいいんです、目次ページ未記載の細目も丹念にひろった熱心な仕事ぶりにはほんとうに
頭が下がります。後者は目次ページそのまま復刻しただけ! これをひたすら 1頁づつみていくのは
辛かった…
『大衆文学大系別巻 通史・資料』(講談社)も索引がなかったけれど私の関心分野とはすこし違う
のでそもそもあまり見なかった。
「『宝石』総目録」(『宝石推理小説傑作選3』所収, いんなあとりっぷ社) は索引ほしかったと
思いましたね。もっともこれくらいの件数ならば自作できなくもありませんし、そもそも無くて
もなんとかなりますが。
桜さん、ご心配ありがとうございます。
昨日やっと、PCが戻って来ました。
某SO*社に修理依頼したら、見積り額が74,865円!
これじゃぁ、デスクトップPCなら新品が買えちゃいますよ!
まだ、購入してから1年9ヶ月しか経っていないのに!!
緊急を要さない項目は修理しなくて良いということにして、ようやく修理が終わりました。
これからは、いつ壊れるか心配しながら、騙し騙し使って行かなければなりません。 (>_<)
貧乏って、ホントに哀しいですね。
一方、末永さんのご著書「貸本小説」を、オンライン書店に注文したら、届いたのは書店のWEBでは発送済みとなった、翌翌翌日。
しかも配送されたのは、早朝の4時から6時ころ。(2紙の朝刊の間に挟まっていた事から想像)
その上、郵便受けからはみ出して、雨に当たって水濡れ状態。(本自体は、ビニール包装なので大丈夫でした)
水濡れにされたのは2回目です。 いったい何をしているのでしょうか、某黒猫*運送屋さんは。
私は民営化反対論者ではないけど、これでは郵便局の方がズット丁寧で確実ですよ。
こんな事ばかりだと、クレーマーになっちゃうよ!(怒)
おっと、愚痴の言い過ぎ。
掲示板の流れに、そぐわない書き込みになってしまいました。
一瞬、我を忘れた事をお詫びします。
なにはともあれ、PCが戻ってきたので、やっとネットに復帰できます。
この間、ゲストブックへ投稿して下さった方にお礼や応対が出来なかったり、メールへのご返事が出来なかったりしたことを、お詫びいたします。
申し訳ありませんでした。
>桜さん
>夢野久作著作集、これもようやく完結しましたね。
>しかし、「心の花」「黒白」「九州日報」には、まだ未確認の作品が
えっ、「心の花」というと竹柏會出版部から出ていた短歌雑誌のことでしょうか?
あんなところにも (と書くとなんですが) 寄稿していたのでしょうか。
もしそうならば復刻版が出ていますから (教育出版センター〜冬至書房) 閲読自体は比較的
容易ですね。ペンネームを使われていて久作のものかどうか同定できない、ということなの
でしょうが。
>平山様
教養文庫版『探偵小説の謎』の「5 密室トリック」の53ページに、
「十九世紀の初め頃と思われるが、パリのモンマルトルのあるアパートの最上階、地上六十呎もある一室に住んでいたRose Delacourtという娘さんが、昼になっても起きてこないので、警官がドアを打ち破って室に入ると、娘さんはベッドに寝たまま胸を刺されて死んでいた。兇器は刺さったままで、非常な力でやったものとみえ、そのきっ先が背中まで突き通っていた。窓は内部からしまりができていたし、入口の唯一のドアは内部から鍵がかけられ、鍵は鍵穴にさしたままで、その上閂までかかっていた。唯一の通路は暖炉の煙突だが、調べてみると、どんなに痩せた人間でも通りぬけることは不可能であった」
とあります(ただしRoseをBoseと誤植)。また江戸川乱歩推理文庫版の『奇譚』にこの知識の元となった「ストランド・マガジン」の切り抜きが貼ってあったと思います。なお、この事件についてはかの星影龍三氏も研究していると「赤い密室」にあります。
すいません、いつも教えてもらってばっかりで…。
「D坂の殺人事件」で言及される「Rose Delacourt事件」というのは御存じでしょうか。パリでおこった、ポーの「モルグ街の殺人」やルルーの「黄色の部屋」の材料になった殺人事件というらしいのですが、実録物の本をみてもさっぱり見つかりません。フランス人のシャーロッキアンに聞いてみても埒が明きません。
どうかよろしくおねがいします。
夢、まぼろしのような日でした。カパーフィールドの魔術かのように、リアルタイムで、その瞬間を見てしまいました。
森下さん、CD-Rでの目録が望まれますね。
京都の本屋さんの組合から出版された、戦前、戦後の出版物ノリストも、CD-Rでした。便利です。
古本まゆさん、夢野久作著作集、これもようやく簡潔しましたね。しかし、「心の花」「黒白」「九州日報」には、まだ未確認の作品があるようですので、今後さらにでるのでしょうか、第1回配本から二十年ですね、最終回配本まで。
9月に入って心を入れ替え、今日も真面目に名古屋の古書市場に行ってきました。しかし、あまり欲しい本はなし。講談社の「書き下し長篇探偵小説全集」全13冊の3冊欠け本を落札。3冊欠けのうち1冊はバラで店にある。これで、2冊欠けの11冊セットが二つもできてしまった。何故か両セットとも欠けているのは、売れ筋の角田喜久雄と横溝正史の巻(このあたり、あまり真剣に読まないでください)だ!
帰りに、名古屋でもっとも尊敬できる新刊屋の千種正文館に「貸本小説」を買いに行くもまだ入荷していないとのことだった。店の資料として「黒岩涙香の研究と書誌」、個人用として「夢野久作著作集6」と「幻想文学61」を購入。「貸本小説」は入荷したに取り置いてくれるように頼んでおく。
「夢野久作著作集」はやっと完結ですね。葦書房の方たちの努力には、心からの拍手を送りたい。
先日の朝日新聞の記事で、乱歩の土蔵から横正あての手紙が発見された
とありましたが、本日の朝日新聞文化欄に「新保、山前両氏が乱歩の土蔵
の目録化作業がほぼ終了した」との続報が掲載されていました。
データはすべてパソコンに入力したとの由。どういう形式で発表するかは
検討中とのことですが、どんな形でもいいからとにかく内容がみたいですね。
できればCD−Rあたりで安価に手に入れられるようにしてくれるとうれ
しいのですが。例の本のような価格だと、わたしは買えない。(泣)
>末永さま
やっと『貸本小説』を手に入れました。大変おもしろい上にためになる
内容ですね。我が家の近くの小さな本屋にも四、五冊入荷されていて、
感激しました。
末永さん、昨日、行きつけの本屋さんにいきますと、『貸本小説』があと1冊でした、たしか、土曜日には、3冊ありましたから。
売れていますね。
小林さん、PC入院中のようですが、意外と修理費はかかりますね。大阪圭吉、2分冊ですので、おもわず、どのくらいの厚さのものだろう、と思いました。
古書店から入手。『現代作家傑作文庫』八鉱(左が糸)社杉山書店、昭和17.9.15。B6判。見返しには、笹本、三木、横溝、鹿島の共著、と書かれていますが、目次では、三木蒐一のかわりに、木村毅に差し替え(?)。
横溝正史「狸御殿」収録。
昨日は、貸本文化研究会の例会でした。
こちらの掲示板の常連さんにもおいでいただきました。ありがとうございます。
さて、同会の機関誌『貸本文化』の最新号(19号)が出ました。10年ぶりです。
内容は、
〈貸本屋にしひがし〉ダダ書房岸芳子さん
高野肇編「神奈川県貸本関係文献目録抄」
附「神奈川古書ニュース」貸本関係記事及び神奈川県貸本組合機関誌
「貸本かな川」総項目
横浜市・洪福寺書房店主渡辺純吉氏にきく
「いろは屋貸本店」考
〈貸本文化研究会例会〉
価格は、送料共800円です。
ご希望の方は、大竹文庫(高円寺)の大竹さんか私にご連絡を。店頭でも買えると思います。
大竹文庫さんと言えば、『貸本小説』を店頭に置いていただくことになりました。文字通り「貸本」になったというわけです。装幀なんかでいろいろ凝ったのですが、これで、この本も「完成」ということにします。単なる自己満足なのですが。
中様。
春陽堂書店のわけのわからなさは以前からよく知られているところで、社史『春陽堂物語』の誤記・誤認を丹念に調べたら膨大な数に上ったと、調査した本人に伺ったことがあります。
私がちょっと見た範囲でも、原稿を転記(?)した際の誤記とと思われるものが散見されます。私の使い方では、それほど不便を感じないので、かなり活用していますが、中さんのような目的では、全面的に頼るわけにはいきませんね。
奥付の「操作」については、(光文社のように)その都度、何かしらの理由があったものと考えられます。いくつかの事例については、前社長にお話を伺ったことがありますが、記録としては残っていないのではないでしょうか。
以前も書きましたが、春陽堂は戦後火事に遭い、資料を消失してしまったというのも、ワケがわからなくなった一因であるようです。
同社は先日、社長が交代されたので、それ以来、お伺いしていないので、最近のことはよくわかりません。
中さん、喜国さん、『春陽堂書店発行図書総目録』は何回かしか見ていませんが、索引は欲しいと思いました。
喜国さん、もうすぐ、『本棚探偵の冒険』双葉社、が刊行されますので、楽しみにしています。
一週間まえ、久しぶりに、古書店で、ある会社の廃棄本ながら、鷲尾三郎著『影を持つ男』東方社、昭和32年2月1日発行(この表記のみかかれていました)を入手。
3篇の小説、「影を持つ男」「血闘」「不貞」。前者が「推理小説研究」のリストにみあたらず、調べていたら、改題とわかる。
「泣虫小僧」改題「影を持つ男」、雑誌「探偵実話」昭和30.8 -31.3掲載。
■喜国雅彦様
『春陽堂書店発行図書総目録』の件、仰せのとおりだと思います。
私はこの目録、乱歩のことでしたか何でしたか、とにかくインターネットを検索していて春陽堂のホームページにたどりつき、そこで初めて存在を知りました。いくらインターネット書店が苦手な私でも、版元のホームページに購入を申し込むくらいのことはできますから、さっそく発注いたしました。
春陽堂のホームページには、この目録には著者索引がありません、みたいなことがわざわざ書かれてありましたから、社員からの意見はなかったにせよ、購入者から「こんな著者索引もないような目録を高い値段つけて売ってるんじゃありません」と欠陥を指摘する声が寄せられたのではないかと推測されます。
欠陥を指摘されればされたで、今度は自社ホームページにそれを明記してさらに販売をつづける。ここまで来るとなんかもう、いっそ見あげたものではないかという気さえいたします。
春陽堂ネタには末永さんがお強いはずなのですが、お仕事の上での関わりもおありでしょうから、あまり期待はできませんでしょうか末永さん。
>こんな出版社ちょっとないっす。
のあとに意味不明な1行が入りました。春陽堂の呪いか?
中さん
『春陽堂書店発行図書総目録』の一番ダメなところは著者索引、タイトル索引がついていないことですね。どうやって使えばいいんだ、こんな欠陥品。
社員の誰からも意見が出なかったんでしょうか。
社員といえば、10年ほど前に春陽堂に「何々というタイトルの文庫が文庫巻末の目録に載っているが、注文すればまだ買えるのか?」という質問の電話をしたところ「判りません」という返事。「誰か判る人はいるのか?」には、しばらく考えた後「……いません」
こんな出版社ちょっとないっす。
をもらったことがあります。を
古本まゆさん
少年物は油断が出来ませんよね。カバーも中身も綺麗なのに、カバーを外したら表紙全面ボールペンによる物凄い落書き、と言うのを持っています。目録で買ったのですが、そこには表記がありませんでしたし、気づいたのがずいぶん後だったので、クレームもつけられませんでした。
まぁ、あまりにも美本な少年物も、それはそれでしっくりきませんが。
といったところで、昭和37年版の「江戸川乱歩名作集」は下記のような感じです。■は典拠で、手許にある版を掲げています。▼は依拠目録で、手許の典拠との異同はカッコ内に示してあります。いろいろ変なところがあるのですが、最高に変なのは4の書名で、『D坂の殺人』となっています。5の『人間椅子』も負けてはいません。初版発行が昭和34年とされていて、しかもこの一冊だけが『春陽堂書店発行図書総目録』に記載されていません。ついでに記しておきますと、この目録では下記の春陽文庫、「江戸川乱歩名作集」というシリーズ名は附されておりません。
江戸川乱歩名作集1 陰獣
昭和三十七年九月二十日 春陽文庫1073
カバー 一九一頁 八〇円
■第六十六刷(昭和五十一年一月三十日、二四〇円)
▼春陽堂書店発行図書総目録(一六七頁)
江戸川乱歩名作集2 パノラマ島奇談
昭和三十七年九月十五日 春陽文庫1068
カバー 二二一頁 九〇円
■第六十三刷(昭和五十一年十月十五日、二六〇円)
▼春陽堂書店発行図書総目録(二〇一頁)
江戸川乱歩名作集3 屋根裏の散歩者
昭和三十七年三月三十日 春陽文庫1097
カバー 二一四頁 一〇〇円
■第五十一刷(昭和四十九年四月三十日、二〇〇円)
▼春陽堂書店発行図書総目録
江戸川乱歩名作集4 D坂の殺人
昭和三十七年一月三十日 春陽文庫1098
カバー 二一四頁 一〇〇円
■第六十二刷(昭和四十九年五月十日、二〇〇円)
▼春陽堂書店発行図書総目録(D坂の殺人事件)
江戸川乱歩名作集5 人間椅子
昭和三十四年四月三十日 春陽文庫1023
カバー 二一七頁 ■円
■第四十三刷(昭和四十八年四月十五日、二〇〇円)
江戸川乱歩名作集6 月と手袋
昭和三十七年五月三十日 春陽文庫1231
カバー 二一七頁 一〇〇円
■第四十八刷(昭和四十九年五月十日、二〇〇円)
▼春陽堂書店発行図書総目録
江戸川乱歩名作集7 心理試験
昭和三十七年三月三十日 春陽文庫1106
カバー 二一三頁 一〇〇円
■第三十刷(昭和四十七年五月二十日、一四〇円)
▼春陽堂書店発行図書総目録
先日書き込みました昭和44年版のデータは、『春陽堂書店発行図書総目録』から拾ったものです。講談社の江戸川乱歩推理小説文庫に収録された乱歩の著書目録にも、この昭和44年版のことは記されています。だから出ることは出たのではないかと思うのですが、いまだに実見の機会を得ません。
春陽堂よ、大丈夫かね。
■喜国雅彦様
といったような次第です。どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
■やよい様
昨日は失礼しました。いつもご親切にありがとうございます。また何かありましたら、よろしくお願いいたします。
■金光寛峯様
「豚と薔薇」のご報告、ご苦労様でした。司馬遼太郎の推理小説観は、私にはたいそう面白いものです。私はこれまで、おまえはどうしてミステリー小説を読まないのかと尋ねられるたびに(いや私だって多少は読んでますけど)、三島由紀夫の探偵小説観を紹介して済ませることにしていたのですが、司馬遼太郎の推理小説観もつけ加えるべきかもしれません。「探偵たちの変質的な詮索癖」はたしかに気色の悪いものですし、さらにいえば、そうした探偵たちを好んで描きたがる探偵小説家もまた気色の悪い存在です。もっともお説のとおり、書誌調査に血眼になる手合いも似たり寄ったりですから負けず劣らず気色の悪い存在ではあり、私なんてまあこの気色の悪さゆえに世間から、とくに女の子からはどれだけ毛嫌いされていることか。
春陽堂よ、おまえは私だ。
きょうも二分割です。
■喜国雅彦様
昨日は失礼しました。お手数をおかけしました。春陽文庫で要らざるムカムカまでご経験なさいました由、ほんとに申し訳ありません。春陽文庫に関しては、私もなかば以上諦めております。しかし喜国さんから、悪いことはいわない、なかったことにしよう、などとおっしゃられました日には、私はなんですかいきなり別れ話を切り出されてしまった女の子のような気分です。
●春陽文庫の謎
春陽文庫は変です。ほんとに変です。何から何までほんとに変で、わからないことだらけです。春陽堂からは『春陽堂書店発行図書総目録(1879年〜1988年)』(1991年刊、八〇〇〇円)というのが出ていて、私は今年の春この目録の存在を知り、さっそく購入いたしました。しかし、これはさぞ重宝するだろうなという期待はあっさり裏切られ、春陽文庫はほんとに変だという印象をいよいよ強める結果となりました。
この目録巻頭の「序文」および「編集にあたって」によれば、春陽堂は関東大震災と太平洋戦争とで被災し、「ほとんどの書籍および文献資料を焼失」したため、目録作成には「当社以外の文献に頼らざるをえ」なかったとのことです。こーんな言い訳が通用すると思ってるのか、と私は思います。太平洋戦争ですべての書籍を失ったとしても、目録のほぼ半分を占めるのは戦後の発行物ですから、戦後分の不備を震災や戦災のせいにすることはできません。
むろん同社に、戦後の自社出版物のすべてが保存されているとは限らないでしょう。しかし驚くべきことに、現在流通している春陽文庫の「江戸川乱歩文庫」、多賀新さんのカバー画でおなじみのあの文庫本のデータをこの目録で調べてみると、全三十冊のうち十六冊のデータに誤記が見られます。これはいったいどうしたことか。春陽堂よ、大丈夫かね。
ほかにも春陽文庫に関しては疑問が山積しているのですが、先述のごとく私はすでにほぼ匙を投げております。ドクター・スロー・ザ・スプーン、ってやつですか。こうなるまでに私はさまざまな辛酸を舐めつくし、春陽文庫の奥付をひっくりかえして驚いたり呆れたり泣いたり怒ったり喚いたり叫んだりいろいろなことを経験してきたわけですが、最終的に実感されたのはある種の気色の悪さでした。この気色悪さは、おそらく了解不能性に発しているのだろうと思われます。
春陽堂はいったい何を考えているのだろう。どんな目的があってこんな無茶苦茶な奥付をつくっているのだろう。
それがまったくわかりません。狂人を相手にしているような了解不能性が惻々と迫ってきます。
たとえば先日も記しましたとおり、光文社の少年探偵江戸川乱歩全集の初期六冊には奥付上にしか存在しない幻の初版があるのですが、この奥付の操作は全集としての統一性に対する配慮からなされたのだろうなとは推察されます。つまり操作の理由を推測了解することが可能なのですが、春陽文庫の奥付にはそれがありません。まったくありません。春陽堂よ、大丈夫かね。
『豚と薔薇』(司馬遼太郎, 1960.11.1, 東方社, \250)
表題作と「兜卒天の巡礼」の二篇を収録。205頁、函付。装丁真鍋博。
ソフトカバー版も出ているらしい(未見)。作品集や全集等へ再録されたことは
ない。表題作が著者唯一(?)の推理小説。1960年「週刊文春」に数回連載。
司馬に詳しい人によれば、『古寺炎上』(1962, 角川小説新書)も金閣寺炎上を
題材にした推理小説だとか。未見。
*
ヒロインは三十を過ぎようとしている年の、地味な事務員を務める独身一人暮らし
の田尻志津子。
"口紅をつける程度で、化粧もほとんどしたことがなかったが、やや厚手で
無表情な顔が、男の中年の食欲にふしぎな魅力をそそるようであった"
なにかと嫌なことが続いてくさくさしていたので、休暇を取って気晴らししようと
したとたん虫垂炎に罹って、それがすっかりこじれて二ヶ月も棒に振っていた。
不意に刑事の来訪を受け、尾沼幸治の変死を知らされたのはそんな折の事だった。
肉体関係だけの男だった。志津子宛の葉書だけを残して、死んだ。名前より他は何も
語らず、聞こうともしなかった相手だというのに、志津子は事件を探ることを決める。
"自分の一生の中で、一番愚劣なことをいま、しに行くの" と志津子。
−まだ愛しているのか
"そのときでさえも愛したことがないのに、いま愛しているはずがない"
−なぜ今さら、愛していない死人の身辺を詮索するのか
"自分でもよくわからないわ。そのときは、相手を知りたくはないし、
自分も知られたくはなかった。だけど、相手が死んだ今となってみれ
ば、相手についての知識が零では落ちつかなくなってきた。五ヶ月だっ
たけど、その期間だけ自分の人生が空白になっているような気がして
きたの"
−感傷だな
"ちがう。知識欲。−いや、あたしは利己主義者だから、自分自身の経歴
だけのために、そのファイルを整備しておきたいの。これ、悪趣味で言っ
ているんじゃない。この事件がもし他殺ならその犯人までつきとめたい。
自分自身の経歴のために−"
−意識過剰だ。感傷にすぎまい。
なんとかサスペンス劇場だののタイトルが頭をよぎる展開、おもわず「聖母たちの
ララバイ」でも口ずさみたくなってきますが、それほど品下ったしろものでもあり
ません。
さて、本作「豚と薔薇」がすこしでもミステリファンに知られているとすれば、それ
は故瀬戸川猛資『夢想の研究 活字と映像の想像力』(1999.7.30, 創元ライブラリ)
所収の「ビデオ雑記帳から」における言及によるものでしょう。みじかいものですが
簡にして要をえた、著者の洞察のするどさをじゅうぶん堪能させる文章であります。
以降の紹介も本論に沿っておこなうのが一番よいでしょう。
いわく、世の中には作者に嫌悪される作品というものが存在する。ビリー・ワイル
ダーが映画「情婦」を「反吐が出るほどイヤだ」と罵倒したように。そこには厭う
べき、他人には容易に窺いしれぬ何かが存在する、が、本作での司馬は単純。それ
がミステリだからである。
あとがきで作者の司馬はこう切ってすてる。
"私は、推理小説にはほとんど興味をもっておらず、才能もなく、知識も
ない。書けといわれて、ようやく書いた。むろん、推理小説というもの
はこれ一作で、生涯書くまいとおもっている"
こんな風変わりなおもしろい<あとがき>を読んだことがない、と瀬戸川は述べ、
ついで以下の文を引いて「つくづくと司馬遼太郎の観察眼の鋭さを感じさせる」
と唸ってみせます。
"私は、推理小説に登場してくる探偵役を(ママ)、決して好きではない。
他人の秘事を、なぜあれほどの執拗さであばきたてねばならないのか、
その情熱の根源がわからない"
探偵よ、お前たち自身が《謎》なのだ! であれば、司馬はヒロインにくだくだしい
ほどに動機を語らせもするし、また、
"それらの探偵たちの変質的な詮索癖こそ、小説のテーマであり、もし
くは、精神病学の研究対象ではないかとさえおもっている"
と指摘します。さらに、
"そういう疑問が、私という小説読者を推理小説に近づけなかったことで
もあるし、(中略) ついに、テーマを犯罪のナゾ解きに置くことを怠り、
他のことに重心をおいた。当然、作品のぬえのようなものになった"
と降りかえっています。
瀬戸川の筆は映画「シャーロック・ホームズの素敵な挑戦」にすすみますが、
(名探偵ホームズと少壮気鋭の医師フロイトが面と向かい合い、精神分析によって
探偵の心の中が探偵される物語) ここは本作のほうの話をつづけます。
作品はヒロインの兄の友人である新聞記者が登場し、一つ一つ手がかりを手繰りよせ
ては、尾沼の来歴や関わりのあった人物などをさぐりだし、また一つずつ犯人の可能
性をつぶしてゆく、足でかせぐ型の筋になっています。個人的にはこうした骨格は嫌
いではありません。たとえば書誌調査なども古書店や図書館などを廻り、やれあの文
献を当たらねば、やれあの件は調べておかねば、やれ総目次を洗い直さねば、と Todo
リストを書き連ねては一件々々消してゆく繰り返しでありましょう。親近感みたいな
ものを感じるのです。
さすがに肉付けはたっしゃなもので、公権力の裏づけもなにもなく、ぶしつけに尋ね
ていった自分たちがいかにして人名簿の類を出させて調べるのか、そうした細部に作
者 (元新聞記者) の経験をうかがわせます。「縁談のための調査だ」といってまんま
と学校職員をごまかして名簿を出させるあたりなど、時代背景もうかがわせて興味深
いものがあります。今ではこんな手は通用しないでしょうね、たぶん。
作者のいうとおり、ロジックで犯人を追いつめてゆく本格の知的興味はいまいちです
が、一度は (アンソロジー等への収録なり) 陽の目をみてもよいのではないかという
のが率直なところであります。
頼まれて、庭の草刈、奇妙な草花が多いです。
河出文庫『飛鳥高名作選 犯罪の場』日下三蔵編、購入。
短編67編(「推理小説研究11号」より)もあるのですね。
第2期が望まれます。
私は意外と読んでいないことがわかりました。
意外と調べたり、見たりしていますと、このような時に限り、落丁に目がいき、気になりますね。しかし、もう、見ていないことにして、考えないことにしています。
今年、「SFマガジン」の後半に、落丁があるのに、購入。ないものも、購入。
喜国雅彦さま
古本には、どうしてもそうしたリスクが付きまといます。古本屋としても高い本は落丁・乱丁まで調べているのですが、全ての本にはとても手がまわりません。
先日の名古屋の市で、甲賀三郎の少年物の貴重な本を落札したつもりだったのですが、店に帰って調べてみると非道い乱丁があって、本当にがっかりしています。
やよいさま
いや〜っ、懐かしい。「日本暗号協会」の名前が出てくるとは。とは言っても、無期限のお休みに入っているだけで、解散したとは聞いていないのですが。
暗号協会の活動は、僕の今までの人生の中におけるもっとも楽しい想い出です。勿論、会員証や会誌・暗号も、宝物として大事に保存しております。
あの頃はまだ、古本屋というヤクザな仕事をすることになるとは思ってもいなかったのですが、どうも今振り返ってみると、日本暗号協会→古本屋、という道筋ができあがっていたような気がしない訳でもありません。
あの頃遭った人たちも、それぞれの分野でご活躍のことでしょうね。ひょっとしてこのボードに書き込んでいる方なら、会員の方もみえるのでは?
■喜国雅彦様、やよい様
おはようございます。ありがとうございます。また明朝、あらためてご挨拶を申しあげます。きょうはいけません。二日酔いです。どーもすいませんです。いざさらば。
中さま
同書は、日本暗号協会設立に先駆け刊行された文庫オリジナル版のようです。
(中島河太郎の序文)
とりいそぎ
まず春陽文庫の『江戸川乱歩名作集』を調べましたが、変なことになっています。
中さんのリストではこれらの初版は昭和44年になっていますが、僕所有の後の版では「昭和37年」になっています。ははーーん、これは「名作集」が付かないころの元版の初版を表記しているのだな、とそれらを調べる。すると、元版の初版は「昭和27年」。ありゃりゃ? しかも僕の本は「昭和39年 7刷り」。春陽堂の表記のみを信用すれば『昭和37年には「元版」と「名作集」の2種の文庫を売っていたことになります。これはどう考えてもおかしい。中さんの調べた昭和44年が正しいのなら、これは解決です。ならばなぜ「初版37年」などと嘘の表記をしているのでしょう。
結論「もう金輪際、春陽堂の出版物の初版は調べません(笑)」 だから中さんも悪いことはいいません。「春陽文庫はすべてなかったこと」にしませんか?
しかも調べていて、乱丁落丁を発見してムカムカしましたし(怒)、
平成になってからの出版物にも乱丁落丁があるところがスゴイぞ春陽堂。
次、函版光文社全集です。
以前アップされていたのは次のとおりですが
怪人二十面相 少年探偵団全集1
昭和三十六年十二月十日
B6判 函 二二八頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
少年探偵団 少年探偵団全集2
昭和三十六年十二月十日
B6判 函 二一〇頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
妖怪博士 少年探偵団全集3
昭和三十六年十二月十五日
B6判 函 二二一頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
大金塊 少年探偵団全集4
昭和三十六年十二月十五日
B6判 函 二一三頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
青銅の魔人 少年探偵団全集5
昭和三十六年十二月二十日
B6判 函 一八六頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
妖怪博士のページ数が違っていました。正しくは「224」です。あとは間違いありません。
そんで「少年探偵団ニュース」ですが、「NO2」のみ所持しています。紙ぺら3枚の全12ページ
タイトルのみ書きます。ちなみにページ数はふってないので「実は全320ページ」かもしれません。
1 「お正月までに5さつそろう」
2〜3 「坂本九ちゃんも愛読者です」 「知っていますか? 少年探偵団七つのクイズ」
4〜5 「秘密インキ(あぶりだし)の作り方
6 「テレビよりずっといきいき(波多野完治)」
7 「私も少年探偵団のファン!(手塚治虫)」
8 「忍術使いの暗号(七字の仮名)」
9 「私も乱歩先生の本がおもしろく、それから推理小説をかきはじめた(松本清張)」
10〜11 「諸君もつかえるボーイスカウトの絵文字」
12 「おめでとう江戸川乱歩先生(小林芳雄)」
おっと小林少年はこんなところで文章も書いていたのか。締めの言葉は持ち芸の「江戸川乱歩先生バンザーイ」です。あとの3冊にも「ニュース」が付いていたかは不明。
つぎ、所持本です
江戸川乱歩 現代長編全集5
【発行日】昭和四十三年十二月六日第一刷発行
【体裁】B6 函 414P 著者写真 カラーイラスト口絵
【発行所】講談社
【収録】陰獣・一寸法師・孤島の鬼・黒蜥蜴
【装幀】原 弘
【月報?】不明
屋根裏の散歩者 D坂の殺人事件
【発行日】平成八年三月十五日発行
【体裁】93P
【発行所】新潮社 新潮ピコ文庫
現代怪奇小説集 上
【発行日】昭和五十二年四月十五日 第一刷
【発行所】立風書房
【体裁】B6判 カバー
【編】中島河太郎、紀田順一郎
【収録】人でなしの恋(47〜65P)
以上。「貸本小説」買いに都心に行かなきゃ。
http://plaza22.mbn.or.jp/~kunikikuni/kikuni/kikuni.html
■やよい様
どうもありがとうございました。この『ワンダー暗号ランド パズルつき・暗号推理小説傑作選』は、いわゆる文庫オリジナルの刊行なのでしょうか。何度も申し訳ありません。よろしくお願いいたします。
■末永昭二様
ご高著大好評発売中の由、お慶び申しあげます。残念ながら当地の本屋ではやはり見かけません。インターネット書店に注文すればいいようなものですが、私はいまだにあれに馴染めず、本は本屋さんでゆっくり本を眺めながら買いたいものだと思っております。近く大阪で購入いたします。
雑誌グラビアの件、何かと気にかけていただいて感謝いたします。左幸子とかあのあたりでしょうか。楽しみにしております。
「変色までを造本と考えました」とのお言葉、たいへん興味深いものです。じつは名張市立図書館の『江戸川乱歩執筆年譜』も、表紙をよく見るとあちこちにシミが発見できます。装幀担当の戸田勝久さんによりますと、わざとシミのある紙を選んで原画を描いたとのことで、新刊にして古書の趣が味わえる一冊となっております。と話の流れがいささか強引なのですが──
●戸田勝久絵画展─蕪村幻影として─
その戸田さんが9月2日から30日まで、東京で個展を開催していらっしゃいます。神戸在住の戸田さんにとって、東京では初めての個展です。会場は、今年1月から2月にかけて渡辺啓助さんの個展が開かれた書肆啓祐堂。詳細は下記のホームページでご覧ください。
書肆啓祐堂
http://www.keiyudoh.com/
戸田さんは昨年、おうふうから出た『蕪村全句集』の装幀を担当されましたので、今度の個展はそれにちなんだテーマのようです。どうぞお立ち寄りください。
●乱歩著書目録アンソロジー篇
乱歩が死去した昭和40年から今年までを対象に、乱歩作品が収録されたアンソロジーのリストをつくりました。ご覧いただいて不備をご指摘いただくためのものです。
江戸川乱歩アンソロジーリストβ版平成篇
http://www.e-net.or.jp/user/stako/list-anthology1.html
江戸川乱歩アンソロジーリストβ版昭和歿後篇
http://www.e-net.or.jp/user/stako/list-anthology2.html
ぜひ一度ご高覧ください。
「小林文庫」の、江戸川乱歩賞。昭和44年の項。気になる候補作であげられた、「寒い鉱山から」。これは「北の廃杭」に改稿・改題されたようです。角川文庫「俘虜偽装殺人事件 明日知れぬ命」草野唯雄、h12.1.10初版、解説 山前譲、より。
東海次郎の『殺すのはいやだ』初版、昭和21.9.15、民生書院、を入手。
再版(昭和22.5.30)はすでに入手していましたが。
同じ著者で、『国際武器密売団』昭和23.11.30発行、民生書院も同時に入手。同じ発行所でしたが、住所ちがい。
しかし、内容は、『殺すのはいやだ』と同一。
上記の初版、再版を上下・左をそれぞれ五ミリ裁断したものでした。
『貸本小説』をお買い上げの皆さま、本当にありがとうございます。
大型書店を覗いたら20冊近く平積みになっていて、何か恐ろしい気がして、そそくさと店を出てしまったという小心な私です。
本日は、表紙を描いていただいた堂昌一画伯に、本を持ってご挨拶に。
すぐに意図をおわかりいただいたようで、なかなかウケていました。
書影をご覧になって、「懐かしいなあ」とのこと。よかった。一安心です。
その後、日経新聞で著者インタビュー。1時間くらい話して来ました。
9月16日の読書欄に掲載される予定です。
須川様。
その本は「持っているうちに時代が付く」ので、だれも変色を止めることはできません。変色までを造本と考えました。でも、昔の酸性紙のようにぼろぼろになってしまうことはないとのことなので、どうぞご安心を。
中様。
乱歩関係で、ちょっと面白いものを買いました。雑誌のグラビアでひいきの女優さんを開陳する、といったタグイをいくつかまとめて。
彩古さん同様、私も乱歩は守備範囲ではないので、こんなことでご協力できればと思います。
桜様。
ありがとうございます。
これが売れれば続編もできるかと思いますので、ともかく今は宣伝に専念したいと思います。
リストについては、今のところ考えていません(多分将来的にも)。というのは、貸本小説については定義がまったくあいまいなことと、これから何年がんばっても、私の能力では、「ある程度全体を見渡す」ことすら無理だと思われるからです。リストが何かの意味を持つかというのも、正直なところ疑問ですし(作ったとしても、現物が入手しにくいので誰も利用できないものになりそうですから)。
ワンダー暗号ランド−パズルつき・暗号推理小説傑作選
【発行日】昭和六十一年七月十五日 第一刷発行
【発行所】講談社/講談社文庫
【編】長田順行
【収録】黒手組
現物で確認いたしました。長田氏の解説では「暗号記法の分類」、「二銭銅貨」、「恋二題」、「孤島の鬼」、「黄金仮面」が紹介されています。
ようやく火曜日に入手し一気に読みました。
面白い! 装丁もなかなか配慮の行き届いた
もので感動。紙質の選定に意を払ったあたりは
笑っちゃいました(~o~)
しかしこの本の保存はどうしたものか・・?
■彩古様
はじめまして。お知らせありがとうございます。
乱歩の書簡発見の記事、当地の朝日新聞にはけさ掲載されております。見出しは、
《「種だけじゃ…」探偵小説の志/江戸川乱歩から横溝正史へ/手紙35通 戦争から解放された情熱》
といった感じですが、asahi.com の「乱歩、横溝あてに探偵小説論 大量の手紙の写し」に比べると(ということは、東京本社発行の朝日に比べると、ということになるのでしょうか。ちなみに当地の朝日は名古屋本社発行です)若干省略があるようで、「弓弦城殺人事件」や「幻の女」に関するエピソードなどは割愛されています。
Mainichi Interactive には、「土蔵から乱歩の手紙」という記事が掲載されています。アドレスは下記のとおりです。
http://www.mainichi.co.jp/news/journal/photojournal/
それにしても、乱歩邸の土蔵を本気になってひっかき回せば、とんでもない発見がまだいくらでも出てくるのではないでしょうか。打ち首獄門は覚悟の上で、土蔵破りになりたい気分。
それからあの、乱歩の著書をさほどお持ちでないからといって、別にお謝りいただかねばならぬ訳合いは少しもありません。じつはかく申す私とて、講談社の江戸川乱歩推理文庫が完結したとき乱歩の本はこれでいいやと思い、角川文庫の乱歩の著作やばらばらで持っていた講談社の二十五巻本全集などをすべて処分してしまった口です。その後なんだか妙ななりゆきで名張市立図書館カリスマ嘱託ということになってしまいましたので、いまでは講談社の十五巻本全集も自宅にちゃんと揃えておりますが、じつはこの全集十五巻、名張市立図書館の地下書庫の片隅で埃をかぶっていたダブり本のなかからこそこそ持ち帰ったものです。もしかしたらこれは犯罪なのかもしれません。どうかご内聞に願います。
■平山雄一様
「しょうそう文学研究所」の件、了解しました。当方のページのリンク、近く設定し直します。
■ iizuka 様
毎度ありがとうございます。講談社文庫だと、奥付の表記は「第一刷」でしょうか。
これまでは気にもとめていなかったのですが、初版を意味する言葉にもいくつかあって、たとえば新潮社は初版、講談社は第一刷、光文社は初版一刷(昭和52年あたりまでは初版だけでした)を使用しています。珍しいところでは初刷、なんてのもありますが、さすがに初体験、などというふざけたものは見当たりません。
『透明人間大パーティ』のデータ、下記のとおりといたします。
透明人間大パーティ
【発行日】昭和六十年七月十五日
【発行所】講談社/講談社文庫
【編】鮎川哲也
【収録】透明の恐怖
【典拠】●第一刷(iizuka)
また何かのおりにはよろしくお願いいたします。
●乱歩著書目録アンソロジー篇
本日も文庫本です。
ワンダー暗号ランド
昭和六十一年七月十五日 講談社/講談社文庫
奇妙なはなし
平成五年■月■日 文藝春秋/文春文庫
平成5年といえばついこのあいだなのですが。
末永さんの『貸本小説』、横田さんの偉業を思い出させます。さらに、続刊がかかれることを望みます。
栗田信さんのを所有するのは一冊ですが、他のも探したくなります。とくに、カッポウ先生とケロリン娘のシリーズ(?)も読みたくなります。「人名・作品名さくいん」がありますので、次回は、それぞれの著者の作品リストが欲しいように思います。
それぞれの作家、どのくらいの作品が貸本としてのみ、製作されたのでしょうか。興味が尽きません。
彩古さんが書かれた乱歩の書簡、今日の朝のテレビの話題でした。
横溝さん宛のが保管されているのであれば、横溝さん宛以外にも、さらにあることを意味しているのではないか、と思われます。
司馬遼太郎唯一のミステリ『豚と薔薇』、なにげにグーグルで検索してみたら…
なんだ、あるじゃないですか。さっそく注文。ぶじ買えたならば、そうですね
"ちょいめずを読む・出張版" と称してここでレビューしてみましょうか、って
人の企画じゃねーかよパクんじゃねーよオイ>おれ ;-p
中相作 様
講談社文庫の『透明人間大パーティ』持っていました。
【発行日】昭和六十年七月十五日
【発行所】講談社
【編】鮎川哲也
【収録】透明の恐怖(エッセイ)
です。
巻末の解説は鮎川哲也さんと新保博久さんが分担しており、
「透明の恐怖」については新保さんが書いています。
今日は、平山雄一です。
Shoso-in Bulletin日本語版のページのほうを、
しょうそう文学研究所
http://page.freett.com/Shoso/index.htm
と名前をつけて、新しいプロバイダに移動しました。
asahi.comで江戸川乱歩の書簡の写しが大量に発見されたというニュースが
流れていますので、お知らせします。16時過ぎの第一報ですね。
明日の朝刊にも掲載されるのでしょうか。
http://www.asahi.com/culture/update/0905/003.html
乱歩書誌に関しては中さんにほとんど協力できないことが残念です。
マイナーな作家に対しての興味が強いので、乱歩と横溝は後回しに
なってしまうのでした。研究されている方はたくさんおりますし。
乱歩は講談社文庫があればよいやと、異装本や元本をほとんど
持っておりません。
申し訳ありません。
■森英俊様
さっそくのお知らせ、ありがとうございます。「江戸川乱歩氏推奨」とあるだけでも、当方にとってはたいへん貴重なデータです。今後ともよろしくお願いいたします。
■喜国雅彦様
お忙しいところ、ありがとうございます。「江戸川乱歩(カセットブック)」のページ、以前にも拝見したことがあるのですが、失念しておりました。カセットブックそれぞれの短評も面白く拝読いたしました。私はやはり白石加代子さんを一押ししたいと思います。
『探偵作家江戸川乱歩の事件簿 ミイラと旅する男』は、きのうの新聞に同書の広告が出ていて、よく見ると「新書判」とありましたので、
「あ」
と思いました。てっきりハードカバーだと思い込んでいた次第です。
そういえば私は、新書判のいわゆるノベルスというものをあまりといいますかほとんどといいますかまずめったに読みませんので、本屋さんに入ってもいわゆるノベルスの棚は素通りしがちです。
で昨日、伊賀地域最大の新刊書店「ブックス・アルデ」に赴き、いわゆるノベルスのコーナーを探しますと、『探偵作家江戸川乱歩の事件簿 ミイラと旅する男』が一冊だけ平積みになっておりました。購入しました。まだ拝読はしていないのですが、巻末の「おもな参考資料」に名張市立図書館の『乱歩文献データブック』をリストアップしていただいてありましたので、妙ににこにこしてしまいました。
さて仰せのとおり、小説の「文章」はやはりとても気になるものです。私が上述のごとくいわゆるノベルス一般をあまり読まぬのはいわゆるノベルスに対する拭いがたい偏見があるからで、それはひとことでいえば、へったくそな文章でたらたらたらたらと説明だけをえんえん書き連ねたしろものを小説と称して売っているのではないかという偏見です。偏見です偏見です。ほとんど根拠のない偏見ですからノベルスの売り手や書き手や読み手の諸兄姉はそんなに目くじらをお立てになりませぬように。ええごめんなさい。
ミステリーファンのみなさんなら、トリックへの期待を優先させて劣悪な文章には眼をつむるということも可能なのでしょうが、私はミステリーファンではありませんので、こんな文章を読まされるのはいやだいやだと思ったらその時点で投げ出してしまいます。ええごめんなさい。
しかし『探偵作家江戸川乱歩の事件簿 ミイラと旅する男』は、なにしろ最新の“乱歩小説”ですから、最後まで拝読したいと思っております。
えー、ミステリーファンのみなさんがお集まりになる掲示板でなんとも口幅ったいことを申しあげてしまいました。ええごめんなさい。
■アイナット様
目一杯お手数をおかけしております。おおいに助かっております。復刻版二冊の書誌データ、完璧にわかりました。乗りかけた船です。残りの号もなにとぞよろしくお願い申しあげます。
■フク様
ご無沙汰いたしました。『恐怖館 残酷ミステリー集』、おかげさまで必要なデータがすべて把握できました。下記のとおりとなります。
恐怖館 残酷ミステリー集
【発行日】昭和五十一年十月五日
【発行所】青樹社
【編】山村正夫
【収録】芋虫
【典拠】●初版(フク)
ご所蔵の山田風太郎『女人国伝奇』は、昭和39年8月発行のものでしょうか。それならコピーをもっておりますので、ご放念ください。ほかにもまだ何か、お気づきのことがおありでしたらよろしくご教示をお願いします。
■かわぐち@白梅軒様
はじめまして。ご親切にありがとうございます。『残酷な戦慄』、こんな感じでよろしいでしょうか。
残酷な戦慄
【発行日】昭和五十二年四月三十日
【発行所】青樹社
【編】山村正夫
【収録】目羅博士
【典拠】●初版(かわぐち@白梅軒)
今後ともよろしくお願いいたします。
●乱歩著書目録アンソロジー篇
本日は下記の一冊です。
透明人間大パーティ
昭和六十年■月■日
昭和60年に出た本のこともわからぬのですから、じつにお恥ずかしいかぎりです。
PR誌「本の旅人」九月号、2001。「田中潤司&北村薫&有栖川有栖 本格ミステリの新時代」は、角川文庫と内容的には同一であることがわかります。順序が入れ替わっていますが、こちらのPR誌のほうが座談会の雰囲気をつたえていました。
図録では、最近、以下の2冊を入手。
・「2001年シネマ・オデッセイー映画ポスターの20世紀展図録」印刷博物館、文京区、1890円
・「真鍋博回顧展 イマジネーションの散歩道」愛媛県美術館、2200円
下に書きました、東 震太郎さんの本では、山前譲編の書誌では、『七色真珠』、昭和22年、4.1、(青い壜、とかげクラブ)が1点、書かれていました。雑誌では、昭和22から24年に、探偵小説が掲載されています。これらが先の短編集に収録されているのでしょうか。
おずおずとこんな晴れがましい舞台に顔を出してみました。
『残酷な戦慄』(青樹社)
発行日は昭和52年4月30日と記されております。
中さま
いっつも眺めているだけなのですが、たまには。
(この前伊勢丹で買ったばかりなのにすっかり忘れていたのでした)
恐怖館 残酷ミステリー集
【発行日】昭和51年10月5日
【発行所】青樹社
【編】山村正夫
【収録】芋虫 P82-102
【典拠】初版等の記述なし。新書版で表紙絵が杉本一文だったりします。
あと役に立つ情報か分かりませんが、手持ちの東都書房の新書版で山田風太郎
の妖異小説『女人国伝奇』のカバー見返しに乱歩の写真入りで推薦辞が付いて
いました。詳細情報とか必要ですか?
>中相作さん
とりあえず本日、暇でしたので調べてきました。
文学時代・1・第一巻一号(昭和四年五月)五月創刊号
【発行日】1995年9月14日 印刷 / 1995年9月24日 発行
【発行所】株式会社 ゆまに書房
【収録】私の十年前の囘顧 十年後の豫想
【典拠】初版、第一刷などの記載なし(「大阪市立中央図書館」で確認)
【その他】
監修:関井光男
発行者:荒木秀夫
印刷:株式会社 三進社
製本:東和製本株式会社
第一回配本全17冊揃い(←これは裏表紙に記載)
[※残りのデーターは収録以外全て奥付による。また表紙などでは当然《文學時代》だが、奥付のみは《文学時代》。
文学時代・3・第一巻三号(昭和四年七月)七月特輯探偵小説号
【発行日】1995年9月14日 印刷 / 1995年9月24日 発行
【発行所】株式会社 ゆまに書房
【収録】探偵小説座談會
探偵小説の流行と時代的意義――アメリカニズムと探偵小説――探偵の實際と探偵小説――科學の進歩と犯罪の變遷――探偵小説家の用意――探偵小説とモデル――トリツクとテーマ――私の好きな探偵小説と作家――探偵小説の將来
【典拠】以下、上と同じ。
それと、昭和六年十月号以降についても、聞いてみました。
するとまとめ買いのために架蔵予定は厳しいとしたあとで、他の図書館を調べてくれ、なぜかそれ以降の号は、東大阪の大阪府立中央図書館に置いてあることが判明しました。(実はインターネットでも調べられました)
ということで、後日(九月中ばくらい=来週〜再来週)でよろしければ、34巻につきましても、チェックして来ることが可能になりましたので、もしよろしければ残りの「文学時代」を読みにいくついでに、調べて参ります。
中さん
乱歩関連本、いくつか持っております。データーは今しばらくお待ち下さい
カセットブックに関してはこちら(僕のページ)をどうぞ。
http://plaza22.mbn.or.jp/~kunikikuni/kikuni/z.ranpo.c.html
『探偵作家江戸川乱歩の事件簿 ミイラと旅する男』を買ってきました。
内容は面白そうですが、あまりにも文章が……なので……です。
全然面白くなくても小説らしい文章の方が僕は好きです。
中さん
パンフの件はお察しのとおりですので、『脱獄囚』のデータだけお知らせ
します。
【発行日】1959.3.20
【発行所】同行社出版株式会社
【著】楠田匡介
【収録(帯)】「江戸川乱歩氏推奨」とあるだけです
■桜様
いわゆるカセットブックは、先日も記しましたとおり『江戸川乱歩著書目録』の対象外としております。何より「本」ではなく、またこうしたいわば二次使用と呼ぶべき分野のものは、同じく乱歩作品の二次使用にあたる乱歩原作の映画、テレビ・ラジオドラマ、演劇、講談、舞踊、その他もろもろとともに体系化したほうがいいのではないかと考えるからです。
乱歩のカセットブック自体は結構出ているようで、ご指摘の三本は「推理小説シリーズ 江戸川乱歩」(全十巻)の一部かと思いますが、手許には一本もありません。
ほかには、われらが白石加代子さんの「百物語」がカセットブックのシリーズになっており、発行は劇書房。シリーズ「其の四」に、「押絵と旅する男」と夢野久作「瓶詰地獄」がライブ録音で収録されています。
新潮 Pico 文庫でおなじみの新潮社からは「新潮カセットブック 名作ミステリー」なるものが出ていて、乱歩作品では白石加代子の朗読による「人でなしの恋・芋虫」、柄本明の「屋根裏の散歩者」、寺田農の「D坂の殺人事件」、佐野史郎の「人間椅子・押絵と旅する男」といったあたりが手許にあります。
『探偵作家江戸川乱歩の事件簿 ミイラと旅する男』は、いまだ手にしておりません。
●乱歩作品のカセットブック
ついでですから行きがけの駄賃といいますか勿怪の幸いと申しますか、この際データを調べられればたいへんありがたく、乱歩作品の朗読が収録されたカセットブックをご所蔵の方、ご一報いただければ幸甚です。
■古本まゆ様
重ね重ねありがとうございます。『角田喜久雄氏華甲記念文集』の件、了解いたしました。奥付に「発行」とだけ書かれていて版数が示されていない場合は、「初版」とすることにしております。春陽文庫あたりには明らかに版を重ねた本なのに版数が書かれていないものがあり、そうなると奥付上では初版としか見えぬ次第で、たびたび頭を抱えます。『現代怪奇小説集』は、残念ですが致し方ありません。どうもお手数をおかけしました。
■桜様
ありがとうございます。『ミステリー入門 死神のテクニック』の件、よくわかりました。異装版に関しては手も足も出ないという感じです。
■日下三蔵様
ご多用中ありがとうございます。やはりありましたか異装版。しかし手も足も出ません。
■森英俊様
ご丁寧にありがとうございます。『江戸川乱歩著書目録』では、本の帯やカバーに配された推薦文のたぐいは対象外としております。ただしこれらは既刊の『江戸川乱歩執筆年譜』の守備範囲ではあり、しかし楠田匡介『脱獄囚』はたぶん見落としていたと思います。下記の点、お知らせいただければと思います。
脱獄囚
【発行日】
【発行所】
【著】楠田匡介
【収録(帯)】(無題の推薦文でしょうか)
大学祭のパンフレットなども、商業出版かどうかということには関わりなく、「本」ではないからという理由で『江戸川乱歩著書目録』の対象外としております。お知らせいただきましたパンフは、乱歩の「ワセダと推理小説」が収録された「ワセダミステリクラブ33年度早稲田祭プログラム」でしょうか。これなら『江戸川乱歩執筆年譜』に記載してあるのですが、もしもほかのものでしたらきっちり見落としております。よろしくご教示ください。
■ iizuka 様
ありがとうございました。また何かのおりにはよろしくお願いいたします。
■金光寛峯様
神奈川近代文学館のデータ、非常に参考になりました。何度もありがとうございます。
■小林文庫オーナー様
といった次第で、『角田喜久雄氏華甲記念文集』に関してはお手数をおかけしなくても済むことになりました。たぶんもう同書を引っ張り出すなどのお手数をおかけしたあとであろうと拝察いたしますが、ともあれ今後ともよろしくお願いいたします。
●乱歩著書目録アンソロジー篇
下記のアンソロジー、ご所蔵の方はお知らせください。
残酷な戦慄
昭和五十二年四月■日 青樹社
きょうは一冊だけです。
古書目録、今年、1月から8月まで手元にきたのは、186冊でした。
例年と同じです。昨年は、この時期、182冊でした。最近入手の古書など。
・久我荘多郎「監視消〔右が口)の女」立誠社、大阪 昭和18.6.20初版
これで、戦前のものは、9冊目です。
・岡戸武平「恩讐蜻蛉斬」昭和17.5.20 近代小説社
・探偵新聞22号 昭和23.4.5
これには、東 震太郎「素敵な双曲線」トナミ書房 昭和23.3、の短編集の広告が記載されていました。山前譲編の「推理小説研究21」に記載されていません。
この新聞の入手は久しぶりでした。
中さん、下の私の書き込み(No.994)で、うまく、行が取れず、字がとんでしまい、よみずらくなり、もうしわけありませんでした。
日下さん、カイガイ・ノベルスのご教授ありがとうございます。やはり、異装版はありましたか。私の所有のものは、2冊とも、オレンジ色でした。
連続書き込みになってしまいました。失礼します。
>確か「猟奇の鉄人」でかなり前に話題になっていた記憶がありますが、刊年まで触れていたかは…。
気になったので探してみました。
猟奇蔵より ログ6番
http://homepage2.nifty.com/kashiba/bbs006.htm
1999年9月19日 黒白さん 〜 21日 Kashibaさん
20日の日下三蔵さんの書き込み。
「一瞬、復刊を考えた」
一瞬、えっっっと思わされたのはこっちである :-)
むしろあとがきを読むためだけに復刊…… だったら『夢想の研究』で
簡にして要を得ているじゃないか! あぁ墓穴!!
本人も嫌っていた作品なので、となるとやはり遺族の了解も難しいの
でしょうね。千円で買った人もいるし、お互いぼちぼち探しましょう
>岩堀さん
あの司馬がどんなミステリを書いたのだろうか。
やはり脱線しまくりなんだろうか。
手を抜いて、図々しくも神奈川近代文学館のデータをそのまんま使用。
いいのか?
角田喜久雄氏華甲記念文集
【発行日】昭和四十一年五月二十五日
【発行者】角田喜久雄氏華甲記念文集編集委員会
>著 編 者 = 角田喜久雄氏華甲記念文集編集委員会[編]
>出版事項 = 東京 角田喜久雄氏華甲記念文集編集委員会 1966.5.25(昭41)
>形態事項 = 283p(図版共) 22cm(菊判)
>一般注記 = 編集委員 大河内常平,千代有三,中島河太郎,日影丈吉,山田風太郎,山村正夫
> 限定500部
*
『豚と薔薇』ですが、借りてでもいいのでしたら公共図書館の相互貸し出し
を利用する手がありますよ。近郊の図書館にない本でも県外の館から取り寄
せてくれます (閲覧のみ、貸し出し不可)。国会図書館には所蔵されている
のでその旨告げれば、一週間とかからず取り寄せてくれると思います。
*
>水谷準のゴルフ書は数が多いですね。小生はゴルフ歴が古いので何冊か
>持っていますが、一番有名なのは球聖ボビ−・ジョ−ンズ(ゴルフ史上初
>のグランドスラマ−でアマチュア)の「ダウン・ザ・フェアウエイ」という
>ゴルフ書の聖典を訳しています。
父が愛読していたのはたぶんその方だと思います。なんとかジョーンズだった
とおぼろに覚えていますので。
末永さん
『貸本小説』、ようやく東京堂でゲットし、さっそく読ませていただき
ました。(おそらく)日本一早いレビューを、ホームページのほうに書か
せていただきました。といっても、うちの近所にあった貸本屋さんの思い
出話になってしまいましたが。おそらく若い読者には貸本屋自体がなじみ
が薄いと思いますので、店内風景のようなイラストがあればさらによかっ
たのではないかという気もします。でも、デジタル系の出版社がアナログ
系の出版物を出す、そのあたりにロマンを感じます。
岩堀様
「豚と薔薇」は昭和35年に週間文春に数回に渡り掲載されたようです。
所持本(東方社函版)の奥付には昭和38年とあり、重版表示はありません。
この間に増し刷りされたとは少し考え難いと思います。
文春から同年に出たのでしょうか?
確か「猟奇の鉄人」でかなり前に話題になっていた記憶がありますが、刊年まで触れていたかは…。
中相作 様
新潮Pico文庫の「屋根裏の散歩者・D坂の殺人事件」ですが、
A6版で93ページあります。装幀者の名義はありません。
…というような事でよろしいのでしょうか?
何か不明点があるようでしたらお尋ね下さい。
では。
奈良様
司馬遼太郎さんの「豚と薔薇」東方社版、情報ありがとう御座います。
ただ、金光寛峯さんも書かれていますが、発行年は諸資料では1960年
(昭和35年)となっていますから、昭和38年、45年に再版が出たと
いう事でしょうか。
奈良さんのお手元に「豚と薔薇」あるようでしたら、ついでの折是非お借り
したいです。
中さん
このあいだ同光社の『女の埠頭』のことが話題に出ていましたが、
同社から出た楠田匡介の『脱獄囚』には帯の裏面に乱歩の推奨文が
掲載されています。
それからかつてわがWMCの大学祭用展示パンフのために乱歩が
特別に寄せてくれた言葉とかもあるようですが(OB会のときに、
当時現役だった先輩からコピーをいただきました)、こちらは商業
出版ではないので対象外でしょうか。
日下です。
ピンポイントで一点だけ。
> もしかすると、異装版があるかもしれません。
このシリーズ、オリジナルはオレンジ色のカバーですが、白いカバーの
異装版があります。
中さん、以下のようになります。
・ミステリー入門 死神のテクニック
【発行日】昭和五十一年十一月二十五日
これには、初版、第一刷など書かれていません
【発行所】カイガイ出版部
【編】山村正夫
【収録】トリックの話
p.281−311
【典拠】初版
の表記はありません。新書版、カバ付きです。カイガイ・ノベルス、
とされています。カバーや本体には、シリーズの表記、番号などかかれて いません。
ただし、巻末をみますと、何となく、ミステリー入門2、のようです が、カバー、本体にはかかれていないようです。
もしかすると、異装版があるかもしれません。
中相作さま
> 『角田喜久雄氏華甲記念文集』は、奥付に「初版」「第一刷」といった記載が
> なされているでしょうか。
限定の非売品ですので、版数などの表示はありません。
> 『現代怪奇小説集』は最初三分冊で刊行され、のちに二巻本、さらに一巻本の
> 新装版が出たようです。二巻本が手許にありません。
すいません。当方の早とちりでして、手元にあるものは三巻本の方でした。
中さん、目録には、カセットブックなるものが掲載されていました。
・カセットブック江戸川乱歩 疑惑 朗読=川久保潔 初版 1988
・カセットブック江戸川乱歩 鏡地獄 朗読=藤本譲 初版 1988
・カセットブック江戸川乱歩 火星の運河 朗読=加藤精三 初版 1988
いずれも、アイビックより出版。
まだまだ、あるのでしょうか。
楠木誠一郎『探偵作家 江戸川乱歩の事件簿 ミイラと旅する男』。ここには、渡辺温さんも「温ちゃん」として登場。昭和三年が舞台ですが、博文館をこの年に退職しているので(日付けは不明)、少し気がかりです。翌年、ふたたび、編集に戻ります。
●『江戸川乱歩著書目録』における「典拠」の秘密
いわゆる著書目録のたぐいは、なんとなくあてになりません。全面的な信を置きかねる気がします。なぜか。その目録に記されたデータが当該の書籍そのものを見てそこから写されたものかどうか、そのあたりがなんとも曖昧だからです。
ですから現在編纂中の『江戸川乱歩著書目録』では、そうした曖昧さを完全に払拭し、目録としてどの程度あてにならぬかを明示することにしております。つまり記載したすべての本に、これは見ました、これは見てませんというデータを加えることにして、えっちらおっちら調査を進めておったのですが、ある日私は重大な事実に気がついてしまいました。
それは、見ましただの見てませんだのと書きつけておってはなんだか幼稚きわまりなく、端的にいってまるで莫迦みたいではないか、という一事です。たしかに莫迦みたいだ、これでは莫迦がつくった目録にしか見えない、と私は思いました。私個人はまあいいとして、名張市立図書館が世間様から莫迦だと思われるようなことになっては名張市民各位に申し訳が立ちません。『江戸川乱歩著書目録』の巻頭第一ページに「この本は莫迦がつくったのではありません」と大書してやろうかとも思案したのですが、それではいよいよ莫迦みたいです。
そこで私は、見ましただの見てませんだのと書くかわりに見た本の版数を掲げればいいではないかと思いつきました。この「版数」というのも適当にでっちあげた言葉で、いま調べたら小学館の『日本国語大辞典』にも立項されていないのですが(「立項」という言葉も立項されていませんが)、要するに奥付に「初版」とか「第二刷」とか書かれているあれのことだとお思いください。見たかどうか、ではなくて、何を見たか、というデータ確認の典拠を明示したいというわけです。
ついでのことにもうひとつ、記載された著書を名張市立図書館が架蔵しているかどうか、それをデータとして記すことにも思い至りました。
したがいまして、かりに■と●と▼で表すとして、『江戸川乱歩著書目録』ではこんな具合に記載データの典拠が示されることになります。
■初版
とあれば、その本の初版を名張市立図書館が所蔵していて、記載データはその本に拠っている。
●初版
とあれば、名張市立図書館は所蔵していないが、ほかの図書館あるいは個人の蔵書の初版でデータを確認した。
▼春陽堂書店発行図書総目録
とあれば、データを直接確認することはできず、『春陽堂書店発行図書総目録』から孫引きした。
ほかにもいろいろ細かいことはあるのですが、典拠に関する基本的な方針は上記に尽きております。この方針が決まったのはごく最近のことで、その結果すでに調査済みで「見ました」としてあった本でもその版数をもう一度確認する作業が必要になったのですが、まあ致し方ありません。百のうち九十まで調べが済んだ段階であることに気がつき、また一から調べ直す羽目になるなんてのは書誌をつくっているとよく経験することです。
といった次第ですので、典拠に関しましては上述のような事情をお汲み取りいただいたうえ、今後ともよろしくお引き廻しいただければまことにありがたく思う次第です。
なにしろ乱歩の著書目録です。乱歩は生涯にあれだけお引っ越しをくりかえした人ですから、その著書目録を編むに当たっても、やはりテンキョにはこだわりたいと思います。と見事に決まりました。座蒲団一枚いただけましょうかいただけませぬかさよですか。おあとの用意がよろしいようで。
■ iizuka 様
はじめまして。お知らせありがとうございます。
新潮 Pico 文庫、コンビニ販売用であるとは思いも及びませんでした。道理で見かけなかったはずだ、と得心いたしました。
むろん草深い当地にも最近は雨後の筍のごとくコンビニなるものが進出しており、つい先日には拙宅から徒歩一分のところにサークルKなるコンビニが開店いたしましたので(ちなみにこのサークルKが建つ土地の所有者は拙宅から徒歩五分のところに居を構えるKさんで、これはもう並びなき守銭奴として近郷近在に聞こえも高いお宅です。しかも私の従姉妹がこのK家に嫁いでおり、この嫁が采配をふるうようになってからK家の守銭奴ぶりにはいっそう拍車がかかったと近所ではもっぱらの評判です。まーあ肩身の狭いこと狭いこと)、私もサークルK開店を知らせる新聞折り込みのチラシに印刷されていた「五〇円割引券」を持参してお弁当を購入してきたような次第なのですが、日常的にはコンビニに足を運ぶ機会はほとんどありません。
何の話でしたか。新潮 Pico 文庫の話でした。いまだに見たことも聞いたこともありませんから、新潮社はコンビニ路線から早々に撤退したのでしょうか。正統的文芸出版の雄たらんとしているように見える新潮社がコンビニ販売をくわだてていたというのはなんとも意外なことで、試みはしたものの関係各方面から新潮社に対し、
「おまえは廣済堂出版かッ」
みたいなツッコミが入ったのかもしれません。
ほんとに何の話でしたか。新潮 Pico 文庫の話でした。恐れ入りますが下記のデータをご確認いただけますでしょうか。
屋根裏の散歩者・D坂の殺人事件
【発行日】平成八年三月十五日
【発行所】新潮社/新潮 Pico 文庫
【体裁】A6判 なし ■頁
【定価】一五〇円(本体一四六円)
【内容】屋根裏の散歩者/D坂の殺人事件
【典拠】初版
判型は普通の文庫本サイズ(A6判)でよろしいのでしょうか。ページ数もよろしくお願いいたします。装幀者の名義などは記されておりませんでしょうか。
ご親切にお声をおかけいただいて、たいへん嬉しく思います。今後ともよろしくお願い申しあげます。
えー、例によって字数が多すぎるとお叱りをいただきました。二分割でお送りいたします。
■桜様
いつもありがとうございます。『死神のテクニック』、下記のような感じでしょうか。
ミステリー入門 死神のテクニック
【発行日】昭和五十一年十一月二十五日
【発行所】カイガイ出版部
【編】山村正夫
【収録】トリックの話
【典拠】初版
そもそもこの「ミステリー入門」、新書判か何かのサイズでシリーズとして刊行されていたのでしょうか。その場合、シリーズの通巻番号みたいなものは附されておりませんでしょうか。
朝山蜻一の『女の埠頭 変貌する青線の女たち』は、未所蔵ながらデータ確認は済ませております。ご丁寧にありがとうございました。今後ともお気づきの点はお気軽にご教示ください。
■古本まゆ様
どうもありがとうございます。大切な商品をお調べいただいて、じつにどうも恐縮しております。下記の点、よろしくお願いいたします。
『角田喜久雄氏華甲記念文集』は、奥付に「初版」「第一刷」といった記載がなされているでしょうか。
『現代怪奇小説集』は最初三分冊で刊行され、のちに二巻本、さらに一巻本の新装版が出たようです。二巻本が手許にありません。
現代怪奇小説集 第一巻
【発行日】昭和四十九年八月二十日
【発行所】立風書房
【編】中島河太郎、紀田順一郎
【収録】人でなしの恋
【典拠】第一刷
現代怪奇小説集 上
【発行日】昭和五十二年■月■日
【発行所】立風書房
【編】中島河太郎、紀田順一郎
【収録】人でなしの恋
【典拠】■
現代怪奇小説集
【発行日】昭和六十三年七月十日
【発行所】立風書房
【編】中島河太郎、紀田順一郎
【収録】人でなしの恋
【典拠】第四刷(平成四年二月十日)
『現代怪奇小説集 上』の発行日とご所蔵の本の版数をお知らせいただければと思います。
というところで、私がどうしてかくも版数にこだわるのか、その点をご説明申しあげます。
中相作 様
新潮Pico文庫の「屋根裏の散歩者/D坂の殺人事件」を所有しています。
【発行日】平成8年3月15日
【発行所】株式会社新潮社
【収録】「屋根裏の散歩者」「D坂の殺人事件」
【定価】150円(本体146円)
カバーはなく、最終ページには
本書の作品は『江戸川乱歩傑作選』(新潮文庫)に収録されています。
と記載されています。
コンビニ販売用に新潮文庫を再編集したものであったように記憶しています。
日頃、こちらの掲示板には圧倒されっぱなしですが、ちょっとだけ協力できそう
なので、思い切って書き込んでしまいました。
では。
中相作さま
「現代怪奇小説集」も揃いで店にあります。多分個人でも持っているはずですので、何なりとお調べいたします。
小林文庫オーナーさま
割り込みRES、御免なさい。
古本まゆ
中相作さま
店に一冊ありました。
角田喜久雄氏華甲記念文集
【発行日】昭和四十一年五月二十五日
【発行者】角田喜久雄氏華甲記念文集編集委員会
【発行責任者】中島河太郎■
【収録】 「高木家の惨劇」序 25頁から28頁
【典拠】 限定500部の中238号
当店は、もう少し?安いです。
古本まゆ
中さん、以下、次のようです。
・死神のテクニック ミステリー入門2 、は
タイトルは、ミステリー入門 死神のテクニック 山村正夫編、です。
昭和五十一年十一月二十五日 カイガイ出版部
初版・カバー
収録作 「評論 トリックの話 江戸川乱歩」巻末掲載
・悪魔に捧げる犯罪 怪奇異常心理編、は
ミステリー入門 悪魔に捧げる犯罪 山村正夫編、でしょうか。
これは 巻末付録によります。
昭和五十一年■月■日 (十一月二十五日、か)カイガイ出版部
収録作 「人間椅子 江戸川乱歩」巻頭掲載
その他に、最近、朝山さんの文庫がでたので、「推理小説研究21」をみますと、
朝山X一(xは、虫に青、月は円) 「女の埠頭」昭和33.4.5、同光社
B6、カバー、285頁、280円
序 江戸川乱歩
があります。
岩堀さんも、巽さんのを読まれて、そう感じられましたか、評論の方もあるので、さらに、読みたくなります。
奈良さん、私も、あのカバー表紙に、その値段がついた、とうかがっています。
*司馬遼太郎さんの「豚と薔薇」東方社版は2種で、昭和38年04月20日刊行の函入りのハ−ドカバ−と昭和43年04月05日刊行のソフトカバ−があります。いずれも四六判で「兜卒天の巡礼」という作品が併載されています。あとがきに推理小説は合わないのでこれ一作で二度書かないと確かに書いてありました。
*水谷準のゴルフ書は数が多いですね。小生はゴルフ歴が古いので何冊か持っていますが、一番有名なのは球聖ボビ−・ジョ−ンズ(ゴルフ史上初のグランドスラマ−でアマチュア)の「ダウン・ザ・フェアウエイ」といゴルフ書の聖典を訳しています。
*運野十三の「麻雀の遊び方」はカバ−が麻雀の点数表になっているのでこのカバ−が極稀だとかいう話を聞いたことがあります。確かに目録に30万で出ていますね。
■小林文庫オーナー様
ありがとうございます。昨日も記しましたとおり、『角田喜久雄氏華甲記念文集』に乱歩の『高木家の惨劇』序文が収録されていると聞き及びました。次の点をご確認いただければと思います。
角田喜久雄氏華甲記念文集
【発行日】昭和四十一年五月二十五日
【発行所】■
【編】■
【収録】■
【典拠】■
「収録」には乱歩の序文のタイトル、「典拠」にはご所蔵の本の版数をお願いいたします。パソコンご本復ののち、おついでのおりにお知らせください。
●乱歩著書目録アンソロジー篇
下記のアンソロジーをご所蔵の方、いらっしゃいますでしょうか。
恐怖館 残酷ミステリー集
昭和五十一年十月五日 青樹社
現代怪奇小説集 上
昭和五十二年■月■日 立風書房
よろしくお願いいたします。
金光寛峯様
司馬遼太郎がミステリーを書いていたとは恥ずかしながら知りませんでした。
『豚と薔薇』(1960,東方社)、私も未読です。初期の頃の作品は全集で大体読
んだつもりですが、未収録ではどうしようもありません。今日図書館で調べた
のですが、『白い歓喜天』(1958.凡凡社)、それから『大盗禅師』(1970以
降出版*)というのも全集に入っていないようですね。『豚と薔薇』は是非読
んでみたいですが古本店でじっくりと探すしかないでしょうね。もし、金光さ
んが先に発見されたら、お借りしたいです(図々しいなあ)。
*図書館では題名だけ確認して、家で新潮日本文学「司馬遼太郎集」の
年譜でしっかり確認しようと思ったら、この集は1970.10月発行で『大盗
禅師』のデータが入っていなかったのです。
末永様
「彷書月刊」で『貸本小説』の情報拝読、ご同慶の至りですが、もうひとつ、
「『新青年』趣味」\の方はいかがでしょうか?
桜様
『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』、いい本ですね。
巽昌章さん(「埋もれた悪意」)、私は全く初めてでしたが感服しました。
白峰良介さんの「逃げる車」も、純度フォオナイン(99.99%)以上
の論理的推理が見事だと思います。
この本は、通勤電車で数日で読み上げるつもりでしたが、途中で『北村 薫の
本格ミステリ・ライブラリ』の方も買って、ある作品を読まざるを得なくな
り、結局のところ、現時点ではまだ読了しておりません。
須川さん、巽さんの『津町湘二作品集』は、1990年の出版ですが、綾辻さん、有栖川さんの随筆からもそれがいい短篇集であることもうかがわれますね。
先ごろも、目録で高く出されていました。
アイナットさん、私も、数年前、目録でみて、その存在をしり、驚きました。海野さんは、「新青年」に、昭和6年には「麻雀殺人事件」をかいており、戦後、さらに再録されています。
小林さん、乱歩賞のリストを見ていて、何となく、それに近い題名があれば、想像されますね。
幻の作品とされていたものが、海野さんにもあらわれたので、しかも、満州・奉天市での出版ですから、大阪さんの場合にも、出現するかもしれませんね。油断できませんね。
副業といえば、香住春吾さんには、『団地の整理学』昭和46、中央公論社があります。
みなさん大変ですね。
大阪圭吉が、副業本を書いていなくて良かった。(笑)
先日ちょっと書きましたが、現在自宅PCが故障、修理に出してしまいました。
今は、チョー非力な代替機でアクセスしているので、HPは見ることは出来ますが、RESをするのが困難です。
PCが生き返るまで、メールや掲示板への返事が遅れることになると思います。(普段と変わらないか!?)
末永さま
ご著書出版、おめでとうございます。
田舎の本屋さんに配本されるか不安が有りますが、今日一日探してみて見当たらなかったら(キット無いので)、bk1に注文しましょう。
モグラモチさんのHPで書影を拝見したので、探しやすくなりました。
桜さん
『見知らぬ顔の女』草野唯雄の件、ありがとうございます。
私のメモ帳には、『見知らぬ顔の女』が乱歩賞候補作らしいとはチェックされていたのですが、元の作品が何か判りませんでした。
角川文庫を探してみます。(昨日も古書店で探して見たが、見つからなかった)
同じメモには、『ライン河の白い霧笛』高柳芳夫も乱歩賞候補作?、と有るのですが、これはどうでしょうか?
ついでに、30回候補作『G線上の悪魔』邦城紀男は、たくきよしみつ さんの作品と、37回『かぐや姫殺人事件』瑞木晶子は矢口敦子さんの作品と、関係無いのでしょうか?
ご存知の方がいたら、教えてください。
中相作 さん
『角田喜久雄氏華甲記念文集』なら、持っています。
何かご用でしょうか?
■アイナット様
「文学時代」復刻版の件、よろしくお願いいたします。
「新青年」の復刻版、昭和18年から20年までが刊行されていることは知りませんでした。三重県立図書館には、まだ大正15年の分も架蔵されておりませんでしたし。受付のお姉さんに問い合わせることにいたします。
新潮社というのは、何と申しますか正統的文芸出版の雄たらんとしている出版社のようですから、戦前の探偵小説を掘り起こしてくれることはあまり期待できぬように思います。
●新潮ピコ文庫
というところで思いつきました。新潮社の「ピコ文庫」なるものに、乱歩の『屋根裏の散歩者・D坂の殺人事件』が入っています。私は見たこともないのですが、ご所蔵の方はいらっしゃいますか。
屋根裏の散歩者・D坂の殺人事件
平成八年三月十五日
それにしても、「ピコ」とは何の謂なのでしょうか。頭の先までピーコピコ、という若井はんじ・けんじのギャグのことしか頭に浮かびません。若井はんじ・けんじというのは往年の上方漫才師なのですが。
■金光寛峯様
要するに「著書目録」ですから、マイクロフィッシュのたぐいはその範疇から逸脱してしまうように思います(逸脱してしまうと思いたい、というべきでしょうか)。同様に、乱歩作品の朗読が収録されたカセットテープなども対象外としております。いいのかな、とも思うのですが。で、目録に不備や遺漏が出るのは致し方のないことではあり、とりあえず書誌としての方向性や守備範囲を明確にさえしておけば、どんな見落としや調査洩れも笑って見過ごすことができるのではないかと考えております。なんと無茶苦茶なことを考えているのでしょうか。
『角田喜久雄氏華甲記念文集』は、乱歩が『高木家の惨劇』に寄せた序文が収録されているらしいと聞き及びましたので、きのうお訊きしたような次第です。さっそくメールで、さる古書店の目録に三万五〇〇〇円で出ているとお知らせいただいた方もあるのですが、まあもうしばらく情報提供をお待ちしたいと思います。
●乱歩著書目録アンソロジー篇
カイガイ出版部というところから、乱歩作品を収録したアンソロジーが刊行されています。下記の二冊で(これ以外にもあるかもしれませんが)、いずれも未見です。
死神のテクニック ミステリー入門2
昭和五十一年十一月二十五日 カイガイ出版部
悪魔に捧げる犯罪 怪奇異常心理編
昭和五十一年■月■日 カイガイ出版部
ご所蔵の方はいらっしゃいましょうか。
寝ようと思ったのですが、緊急告知です。
貸本文化研究会の会合が開催されます。去年、貸本屋さんの見学会をしましたが、今回は発表会です。
日時:平成13年9月9日(日) 午後1時30分より
場所:調布市文化会館たづくり 6F601室
(調布市小島町2−33−1 Tel0424−41−6111)
発表
宮本大人氏(東京大学大学院)「近代における貸本向け出版物とその流通」
浅岡邦雄氏(白百合女子大図書館)「明治後期東京の貸本屋と読者たち」
参加費:500円
ご参加をご希望される方は、末永までお早めにメールをください。
資料作成部数を決めなければなりませんので。
それから、発表会後には懇親会を準備しています。そちらへのご参加を希望される方は、その旨お書き添えください。
当日は、10年ぶりに発行される『貸本文化』(第19号)や拙著などの直売もする予定です。
ふるってご参加ください。
皆さま。
一昨日から「本業」が忙しく、事務所に2連泊。今朝の4時に仕事が終わったので、一番電車で帰って来たところです。
お買い上げいただいたもぐらもち兄(書影掲載ありがとうございます!)をはじめ、気にかけていただいている皆さま、ホントにありがとうございます。
もう、店頭に並んでるんですね。知らぬは私ばかりなり……
おかげさまで、著者インタビューのオファーも来ています。
書評掲載もいくつか決定しました。
皆さんに面白いと思っていただけるとうれしいのですが。
中華料理や『文学時代』のお話もしたいのですが、モーローとしていますので、取りあえず寝ます。
おやすみなさい。
>中相作 様
>新聞の復刻版とマイクロフィッシュのたぐいは除外するとしても、紙媒体による雑誌
>の復刻版を網羅できたら壮観だと思います。
マイクロは割愛しますか。貴重なものが多いのは確かなのですが、やはり紙媒体
の方をまず調査してから (調査できてから) 検討しても遅くはないと思いますし。
壮観なのは確かにそうなんですよねぇ。
>それにしても貴重なご教示、重ねてお礼を申しあげます
いえいえ、とんでもございません。段取りさえ覚えればだれにだってできる作業
でしかございません。
>「角田喜久雄氏華甲記念文集」をご所蔵の方、お知らせいただければ幸甚です。
関西だと大阪府立中央図書館に所蔵されているようです。いずれ本など買い込みに
行くついでなどございましたらお寄りになられればいかがでしょうか。
大阪府立図書館へようこそ
http://www.library.pref.osaka.jp/
蔵書検索
http://opac.library.pref.osaka.jp/cweb/jsp/search1.jsp
関東ではたしかミステリー文学資料館で見かけたように記憶していますが、勘違い
ならすみません。電話して聞けばいいのですが土日は閉館なんですよね。
神奈川近代文学館には確実にあります。さすがは専門図書館だけあって書誌的事項
もかなり詳しく表示してくれて本当に助かっています。ここは函等の付物も原則と
して捨てずに残しておりますし、電話による照会等にも応じておりますから尋ねれ
ば大抵のことは判明するのではないでしょうか。
資料検索
http://www.kanabun.or.jp/kensaku.html
*
水谷準氏が訳されたゴルフの本はたしか父親が持っておりました。今もあるかなぁ。
手ずれのきいたぼろぼろの本でした。「俺ぐらいの年代だと、みんなこれ読んだ」
といっていたくらい定番の本だったけども、とはいえてんでゴルフには興味ないもの
で誰の何かきれいに忘れた。「おっ、水谷準」と名前だけが印象に残ったのみです。
>金光寛峯さん
国会図書館の定期刊行物複写郵送申込サービスは、存じませんでした。しかし如何せん時間あれども、財力がないので、その辺とまず相談したいと思います。
とにかく、私も可能な限り調べられるだけは調べたいですので、地道に長期路線で調べていきたいと思います。少しでも次か並行して調べる人が楽になるように、を目標にですね。
>中相作さん
佐左木俊郎というよりも、新潮社そのものが探偵小説優遇政策を採っていたのですね。
また一つ為めになりました。現在の新潮社も経営不振のテコ入れの為とかで、戦前等の探偵小説文庫本等を復活させてくれれば良いのですが(無理すぎですが)
それと「文学時代」について、調べ方など了解しました。以降の号の架蔵予定についても尋ねておきます。
九月中には絶対行くと思います。
あと、ご存じかも知れませんが、本の友社の『新青年』復刻版、昭和18年〜同20年も出ています。
これで大正9年〜昭和12年まで、及び昭和18年〜昭和20年までが既出になると思います。
−−−−−−
それにしても、海野十三「麻雀の遊び方」、30万円とは。何かの雑誌で博文館?の広告見たら、結構、版を重ねているように見えたのに、やはり超稀少本なんですね。
桜さん
僕も『津町湘二作品集』は好短篇集だとひそかに
思っていました。日本版Queen's Quorumに
ノミネートすべきかと思います。
「貸本小説」は有隣堂@関内では月曜入荷だと
言われました(T_T)
もぐらもちさま
あああ、もう店頭にあったのですか!>『貸本小説』。今日のお昼頃、
神保町を覗いたときには見かけなかったのに〜
書影をbk1で見ましたが、書体といい装丁といい、まさしく貸本小説
仕様ですね。ああ、早く手に取りたい〜!
作家の副業本、喜国さんの連載にもありましたが、私的に一番キツイのは
やっぱり水谷準のゴルフ本ですね。数が多い上に、かさばる大きさだし、
しかも絶対に読まないであろうという内容なんだもの(実は私、ゴルフに
全く興味がないんです)しかし、水谷準の名の付いた本を見過ごすことが
できない…。せめてもの救いは、300円以下で見つかることが多いという
ことでしょうか。
桜さま
そうですか、私は未だ目録でめぐりあった事はないですが、30万は凄い。
少なくとも探偵小説作家の「副業」においそれと出せる金額とは言えません。選ばれし本ですね。
内容はタダの麻雀本ですが。
でもそれに比して小酒井不木の探偵小説以外の書籍なんかは安いといえますね。
海野十三ほど人気でない、というのもありますし。ま、不木の場合探偵小説の方が
副業というか余技ですが。
そうそう、末永さんの「本業」、『貸本小説』を本日池袋にて購入しました。
貸本小説の名にふさわしいカバーイラストと、貸本に使われていたのと同じ紙、という
こだわりの仕様だそうで、実にいい感じ。
もぐらもちさん、あの、海野十三さんの『麻雀の遊び方』は、
あるカタログでは、30万でした。
手に入れたくなりますね、本当に。
『有栖川有栖の本格ミステリ・ライブラリー』には、巽昌章さんの、「埋もれた悪意」が掲載されていますが、3度目の読書でも、やはりすばらしいと、感じました。
巽さんには、京都大学推理小説研究会の、別冊ミステリ研通信『津町湘二作品集』1990.2.1があり、これも、見事な短編集です。有栖川さんのエッセイも掲載されています。これを契機に、評論もでてほしいです。
古書店で、川野京輔・麦野広志による、読み物、『飛鳥の謎 貴人のロマンが蘇る高松塚古墳』徳間書店、昭和47、100円を入手。副業(?)によるものではありませんが、知らない一冊でした。
■平山雄一様
「新しい乱歩小説」の件、先日の桜さんの書き込みでも拝見しましたので、当地の本屋さんで捜しているのですが、一冊も見つけられません。私はなんという不便な土地に住んでいるのでしょう。本好きな人はとても名張になど住めないと思います。
■アイナット様
「文学時代」の廃刊と佐左木俊郎の死との関係について、仔細はわかりませんが、直接的な因果関係はそれほどなかったのではないでしょうか。佐左木俊郎は「新作探偵小説全集」刊行中の昭和8年3月、たぶん肺結核で死去しているのですが、新潮社にはその後も「探偵小説優遇の伝統」がつづいたと、乱歩は『探偵小説四十年』に記しています。
「新作探偵小説全集」には「探偵クラブ」という附録雑誌が附されており、新潮社は当初、同全集完結後にこの「探偵クラブ」を雑誌として独立させる意向だったようです。「探偵クラブ」第10号(昭和8年4月24日)の「編輯後記」に、こんなことが書かれています。
《実は、この「探偵クラブ」は、新作探偵小説全集完結の後は、独立した探偵小説専門の雑誌に育て上げる予定だつたのですが、本社で、昨夏新に発刊したる、雑誌「日の出」が予想外の発展を遂げたるため、今のところ到底手がまはりかねる次第。ここに釈明しておきます。》
要するに、新潮社がエンターテインメント路線に梃子入れし、それがまた有卦に入った、といったところだったのではないでしょうか。
なお、『新潮日本文学辞典』の記述はいささか誤解を生じやすいのですが、「文学時代」の最後の号は昭和7年7月号です。
で、もしもお手数をおかけできるのでしたら、「文学時代」の復刻版をご確認ください。掲載作品は次のとおりです。
私の十年前の回顧 十年後の予想
昭和4年5月創刊号(1巻1号)
・アンケートです。
探偵小説座談会
昭和4年7月特輯探偵小説号(1巻3号)
・座談会出席者名は判明しておりますので、お調べいただかなくて結構です。
妖虫
昭和7年2月号(4巻2号)
・昭和6年10月号以降ですが、一応あげておきます。
ご確認いただきたい点を、「新青年」復刻版のデータで例示します。
新青年 大正十二年[第四巻]合本3
【発行日】平成十二年三月十日
【発行所】本の友社
【収録】[第五号]二銭銅貨/探偵小説に就て
【典拠】復刻版第一刷(三重県立図書館)
ほかに編著者名などが明記されていれば、それも押さえたいと思います。「典拠」というのは要するに確認した書籍の奥付に記されている版数のことで、「初版」であるとか「第一刷」であるとか、奥付どおりに記載しております。別に急ぎません。おついでのおりによろしくお願いいたします。
それからまた余計な使い立てでまことに申し訳ないのですが、復刻版の昭和6年10月号以降を架蔵する予定があるのかどうか、大阪市立図書館の受付のお姉さんにお問い合わせいただけませんでしょうか。
■金光寛峯様
どうもありがとうございます。わりと気軽な気持ちでお訊きしましたのに、いやたいへんなご厄介をおかけしてしまいました。新聞の復刻版とマイクロフィッシュのたぐいは除外するとしても、紙媒体による雑誌の復刻版を網羅できたら壮観だと思います。さて、どないするべきか。
ちなみにこうした場合、つまり乱歩の書誌をつくっていて判断に迷った場合、いつも基準になるのはほかならぬ乱歩です。乱歩ならこの問題をいったいどう処理しただろうか、といったことを乱歩が残した文章や目録や本そのものから推測して判断するわけですが、復刻版に関して断をくだすための手がかりは、まったくといっていいほど思い当たりません。しばらく考えてみます。
それにしても貴重なご教示、重ねてお礼を申しあげます。
●角田喜久雄氏華甲記念文集
とってつけたようにお訊きしますが、「角田喜久雄氏華甲記念文集」をご所蔵の方、お知らせいただければ幸甚です。
>岩堀さん No.924 2001/8/22 title:台風襲来と「琥珀のパイプ」
>司馬遼太郎健在の頃は、彼の本が出ると必ず読んでました (中略)
>新著が出なくなったのでミステリに回帰したというのは誇張ではありません。
私も司馬遼太郎は大好きです。
それで。
司馬さんはミステリを一篇だけ書いておられました。『豚と薔薇』(1960,東方社)。
週刊文春連載。
本格かどうか等、詳細はよく知らないのですがいつか手に入れて読んでみたいと
願っているのですが、なにしろ全集未収録というので。岩堀さんはいかがですか?
この本は瀬戸川猛資『夢想の研究』(1999.7, 創元ライブラリ)で知ったのですが、
あとがきがすごくて、俺はミステリーなんかちっとも面白いと思わない、編集に
書けといわれたからしょうがなく書いたんだ、と愚痴というか罵倒を述べたおし
ています。だから全集に入っていないんですね…
ただし単なる珍本紹介を瀬戸川氏が書くわけではなく、司馬の「他人の秘密を
あれほどの情熱をもって探り暴きだす、あの探偵という人種の心理こそ文学が
描くべき主題あるいは精神心理学の課題ではないか」との言葉に着目して論を
すすめます。
非常に面白い評論です。ひょっとして『豚と薔薇』そのものよりも、本論が
生まれた事の方が意義あるかもしれないくらい。小難しいレトリックは少しも
出てこない読みやすくてスマートな文章で、かつ唸らせるような思考をみせる。
理想ですねぇ。
webcat以外の文献・資料については、後日少し当ってみたいと思います。
しかし、本当に著作目録に復刻版も含めるのでしょうか? たいへんだと思うのですが。
本の形で復刻されたものばかりではなくて、マイクロフィッシュや CD-ROM による復刻もやはり
含めるのでしょうか? たとえば前述「新小説」等を含む日本近代文学館/八木書店「マイクロ版・
CD―ROM版近代文学館」というシリーズなどがあります。
詳細は以下をご参照ください。
http://www.books-yagi.co.jp/pub/cgi-bin/bookfind.cgi?mc=m&kn0=1&ks0=15&kn1=3&ks1=01&jk=and&ja=マイクロ版・CD―ROM版近代文学館
もし紙媒体以外も含めるとすると悩ましいのが、今度はプランゲ文庫マイクロフィッシュ版も
視野に入ってくるということです。「ウイーク」「スタート」「DS news」etc... 40誌以上の
タイトルについて調査するハメになります。こりゃほんとにたいへんだと今からめげそうにな
るんですが(涙)
プランゲ文庫 雑誌コレクション マイクロフィッシュ版紹介
http://www.bunsei.co.jp/prange/
プランゲ文庫 詳細品目リスト
http://www.bunsei.co.jp/prange/list/#
一般誌部門(分類ZW) 明細リスト No.2 (週刊・推理・講談・風俗など)
http://www.bunsei.co.jp/prange/list/ZW2.htm
しかし、最後の一般誌部門明細を見ると呆然としてしまいますね。「新探偵小説」「真珠」
「小説」「ぷろふいる(戦後版)」「探偵と奇譚」など目白押し。せめてこの分類番号 ZW05
読物誌セット 370万円だけでもミステリー文学資料館で購入してくれないかなぁ(ムチャな)
*
幻の雑誌が復刻により容易に閲読できるようになったことは喜びに堪えません。ですから、
「図書館に通わなければいけない事項が増えてしんどい」だの何だのこぼすなんて、本当は
贅沢きわまりないタワケた言い草なんでしょうね……
読めるのだから素晴らしいじゃないか! むかしはあちこち頭下げて紹介状発行してもらって
あっちの大学図書館こっちの蔵書家と走りまわったり、さんざ神保町だの探し回って自腹で
買い集めなきゃならなかったんだぞ! と怒られそうです。
長すぎる! 2560文字以内で書けと怒られましたので分割します。
>アイナットさん
いいえ、私だって素人の手探り仕事ですよ〜 ずっと「これでいいのかなぁ」と逡巡しつつ
調査などしております。
あれの、雑誌復刻も網羅するという方針を決めたのは共編者の未谷という男なんですが、
調査中には「あの野郎いつかぶっ殺してやる」と血走ったりしたものでした(笑)
国会図書館の定期刊行物複写郵送申込サービスはご存知でしょうか? 私も大阪にいた頃は
ずいぶん利用しました。
*
>中様
私のことはどうぞさん付けで。
さておいて。
>乱歩に関わりのあった文芸誌で復刻版が刊行されているものというと、どのあたりになるのでしょうか。
すぐに思い出せるのは終戦後まもなく春山行夫の編集による「雄鶏通信」の復刻版でしょうか。
昭和50年8月に創刊号(昭和20.11)〜第2巻第13号(昭和21.12)まで 1冊に合冊復刻函付で刊行され、
別冊で創刊号〜第7巻第6号(1951.7)までの総目次が附されております。
雄鶏社より版型 B5、8,000円。
(この春山と乱歩がアイリッシュ「幻の女」を古書店の店先で奪い合いしたエピソード、
『子不木随筆』で読んだとき笑いました、大好き。あぁ彼もまた一匹の書狼であったのか)
8月の何日で総何頁だったかは追ってご報告させていただきます。
あと、ざっと調べてみたのが−
江戸川乱歩執筆年譜(昭和22年まで)
http://www.e-net.or.jp/user/stako/E02-00.html
NACSIS Webcat(国立情報学研究所総合目録データベースWWW検索サービス)
http://webcat.nacsis.ac.jp/
−より。
・「文藝通信」。平成4年5月に日本近代文学館から、創刊号(昭8.10)〜第5巻第3号(昭12.3)まで全 42冊
を復刻。未見につき価格・装丁等詳細は不明です、以下同じ。
・「演劇・映画」。平成 2年にゆまに書房から、「戦前映像理論雑誌集成」というシリーズ中の 1冊で、
創刊号(大15.1)〜第1巻第8号(大15.8)まで。
・「不同調」。平成10年にアイアールディー企画/紀井ノ国屋書店から、「国立国会図書館所蔵昭和前期
文芸・同人雑誌集成」という全35巻 \680,000 A5判のシリーズで、創刊号(大14.7)〜第7巻第6号(昭3.12)
まで。合冊復刻。
おそらく 3〜4冊程度は占めていると思われます。
・「文藝時報」。昭和62年に不二出版から、創刊号(大14.11)〜第150号(昭5.12)まで。
・「文學時代」。平成7年9月〜8年9月にかけてゆまに書房から、「日本モダニズム叢書」というシリーズ
で、創刊号(昭4.5)〜終刊号第4巻第7号(昭7.7)まで。合冊か。
・「土曜会通信」。平成2年に柏書房より『探偵小説「土曜会」通信』という書名で創刊号(昭22. 2)〜第3号
(昭22.4)まで。
・「東京民報」。平成3年6月に大原社会問題研究所/法政大学出版局から、「戦後社会運動資料 新聞・
雑誌編」というシリーズで、第595号(昭22.8.1)〜第1076号(昭23.11.30)まで。
・「少年倶樂部」は講談社から復刻愛蔵版が出ていますが、「怪人二十面相」を連載した昭和11年の分が
収録されているかどうかは不明です。
・「婦人畫報」。婦人画報社から復刻が出ているようですが詳細不明。
・「新小説」。これはマイクロフィッシュによる復刻です。八木書店から(後述)
・「文章倶楽部」。これはマイクロフィッシュと CD-ROM復刻の 2種類が上記八木書店と同じシリーズから。
・「中央公論」は戦前の昭和19年までのマイクロフィルム復刻が雄松堂から。
また、新聞はたいてい縮小版かマイクロ, CD-ROMにより復刻が出ています。「読売新聞」「大阪毎日新聞」
「東京朝日新聞」「大阪朝日新聞」「名古屋新聞」「北海タイムス」「報知新聞」「九州日報」「東京日日
新聞」「読売報知」など。「名古屋タイムス」は見当たりません。
そのうち、
・「萬朝報」。昭和58年〜平成5年にかけて萬朝報刊行会/日本図書センターから、創刊号(明25.11)〜
第16850号(昭15.10)まで。 また、日本マイクロ写真からもマイクロフィルム版があります。
・「時事新報」は昭和61年から龍渓書舎より復刻版が出ていますが、創刊号(明15.3)〜第6877号(明35.12)
までで、乱歩が寄稿した昭和4年11月19, 27, 29日は含まれていないようです。日本マイクロ写真から出て
いるマイクロフィルム版は昭和15年まで収録されている模様で、こちらには含まれていると思われます。
・「都新聞」は平成6年に中日新聞社/柏書房から復刻版が出ていますが、明治期までの模様です。日本マイ
クロ写真から出ているマイクロフィルム版は昭和17年10月分まで収録されている模様で、こちらには含ま
れていると思われます。
・「名古屋新聞」は平成3年に龍渓書舎から復刻されていますが、「ドイルとヴァンダインの味」収録の付録
誌「サンデーナゴヤ」が含まれているかどうかは不明です。
・「第一新聞」は平成8年5月に韓国ソウル(!)の選人文化社というところから「解放空間新聞資料集成」と
いうシリーズで復刻されているようですが、「戦時の探偵小説」を寄稿した昭和21年5月13日分は含まれ
ていないようです。いろんなところに書いていたんですね。
確認もせずに思わず投稿してしまいました。
”ところで、大阪市立図書館”〜。の「ところで」は無視してください。
それと、中さんへのレスの続きです。
私などが不相応な出過ぎたことかもしれませんが、発行年月日その他など、それほど難しい注文でないならば、そして昭和4年5月号から昭和6年9月号までで構わない、というの条件でしたら、もう一度「大阪市立図書館」にある29冊参照しますが。どうせ今は暇ですので。
金光寛峯さん、中 相作さん、レスありがとうございます。
ちょっと都合で、感謝の返事が一日遅れてしまいました。
>金光寛峯さん
初めまして。そして色々とありがとうございます。
リスト拝見させて戴きましたが、素晴らしすぎです。
私の場合は素人仕事ですので、復刻版の書誌まで調べるというよりは、本物で確認出来そうにないから、代わりに復刻版で甲賀三郎の作品などを確認したい、というレベルのものでした。
それとご呈示戴いた書物は、非常に参考になります。この《文学時代》はもちろん、他の雑誌を調べる際にも活用させて頂こうと思います。
>中相作さん
《文章倶楽部》の後継誌だとは存じていましたが、廃刊理由が《日の出》壮観の為めだとは知りませんでした。やはり佐左木俊郎の死が大きいのでしょうか。
しかし昭和7年8月号まで、となると、大阪市立図書館には昭和6年10月号〜昭和7年8月号のゆまに書房の復刻版が置いていないと言うことになりますね。特に昭和6年10月号に「小手川英輔の奇怪な犯罪」が掲載されているので、特に悔しいわけでした。
ところで、大阪市立図書館には、東方社の甲賀三郎作品集がいくつかあるので、また単純に興味から読みに行く予定(日程は特に考えてませんが)であるのと、新聞のマイクロフィルムを見るつもりではいました。ですので、その際にでも、《文学時代》をもう一度総確認するのは、特に問題ないです。ただ前は目次だけを短時間に調べたわけですが、乱歩は昭和4年7月号「探偵小説座談會」(なぜか「貼雑年譜」では「新潮」になっていますが)にしか見なかったような気がします。ただ創刊号のアンケートは見逃していました。「探偵小説は昭和4年7月号(創刊3号)から」という先入観から調べ方が更に適当だったっぽいです・・・。
御無沙汰してます。
末永さん、「貸本小説」出版 おめでとうございます。
今日、紀伊国屋@梅田で検索したらヒットしたのですが、結局まだ入荷して
いませんでした。土曜日まで待ちましょうね。
その後寄った古書店で、
「プラネタリウムにて−中井英夫に−」葉文館出版(←新刊です)
を見かけたのですがこれは面白いのでしょうか? >こしぬまさん
僕はあまり良き読者ではないのですが・・
あわあわ、二度書き込んでしまいました。
小林オーナー、後の方の発言は削除して下さい。お手数をおかけします。
桜さま
海野十三の『麻雀の遊び方』は私も欲しいです。何せ、日本麻雀連盟顧問で
あらせられる、浜尾四郎子爵が序文を寄せておられるらしいので(笑)。
海野の麻雀随筆といえば、博文館の「朝日」にたんまり掲載されてました。
「麻雀実践詳解講座 関西ルールの説明」とか「麻雀実践詳解講座 早和り法とガメクリ法」とかいうやつが。
国会図書館に所蔵されておるやつは、前の所有者がアンチョコにでも使ったのか、
本文が切り取られていて中身が読めなかったので口惜しい思いをしました。
今日本屋にいったら、新しい乱歩が登場する小説がありました。
「探偵作家江戸川乱歩の事件簿−ミイラと旅する男」楠木誠一郎、実業之日本社(ジョイノベルス)、838円、2001年9/5発行
帝室博物館でミイラが盗まれ、かわりにクビなし死体がおかれていたのを乱歩と横溝正史が推理する、という筋です。
喜国さんのエッセイを読んで、以下の書物が浮かびました。
海野十三、『麻雀の遊び方』再版、博文館、昭和5
桑山善之助名義朝山さん、『笑いの科学』昭和45、『構造数学新論』昭和47
西東登さん 、『魚との語らい』昭和52
いくつか、目録で見ましたが、手にできていません。私も、探偵小説のみ購入したいのですが、作者が副業で出していると、これも、と思います。
末永さん、『貸本小説』上梓、おめでとうございます。
海野さんの、幻の一冊、出版社についての教授も、ありがとうございます。
■平山雄一様
しつこいようですがワンタンの件、「大暗室」のワンタン屋が決して高級上品な店ではなく、むしろ相当にいかがわしい店であったことはたしかだと思います。現代の読者には理解不能となっていますが、「大暗室」が発表された当時の読者には(読者のなかの都市生活者には、と限定を加えるべきかもしれませんが)、ワンタン屋と聞けばただちにそのたたずまいが了解されるような存在であったと考えられます。
入ったことはないけれど、あんな店で出てくるウイスキーは飲めたものではあるまいと納得され、三ちゃんのふるまわれたウイスキーがいかに高級であったか、あるいは三ちゃんがどういう階層の人間であったかということまでがたちどころに腑に落ちる。そんな感じだったのではありますまいか。
つまりここにワンタン屋が登場したのは、乱歩の嗜好や経験にはあまり関係がなく、要するに小説の筆法の問題だと思います。読者の側に「ワンタン屋=下層社会」という共通認識が存在していて、乱歩がそれを前提としてワンタン屋うんぬんを筆にしたとしか考えられぬ次第です。
下層社会、という言葉からの連想で夢野久作のルポルタージュ「東京人の堕落時代」をぱらぱら眺めてみますと、その名も「下層社会」という章に「安飲食店の女」という項があって、こんな文章を見ることができます。
《天麩羅、おでん、すし、一ぜんめし、酒肴、一品洋食、支那料理、簡易食堂、平民バーといったようなのが東京市中到る処にある。その中の十中八九は怪しいと云ってよい。ほんの申訳に食器や空瓶を並べたのが、どうかした横町に行くとザラにある。そこには必ずその白い頬と唇の赤い女が居る。》
関東大震災の二年後に書かれた文章ですから「大暗室」の時代とはやや離れており、またこれはどうやら飲食を隠れ蓑にして買春を斡旋する店のようですから、同日に談ずることにはそもそも無理があるでしょうが、三ちゃんの出入りしていたワンタン屋とここに列記された「安飲食店」とは、その怪しさいかがわしさにおいて五十歩百歩だったのではないでしょうか。
■森英俊様
「笑の王国」といいますと、古川緑波(浜尾四郎の弟である、と附記しておくべきでしょうか)が徳川夢声らとともに昭和8年に旗揚げした劇団「笑の王国」が連想されます。「讀切倶楽部」増刊の「笑の王国」は、それとは無関係なのでしょうか。私は探偵小説よりも笑芸のほうが好きなので(こちらの掲示板でこんなことを申しあげると張り倒されてしまいますかしら)、なんだかとても気になります。
■末永昭二様
『貸本小説』のご上梓、おめでとうございます。遅くとも9月4日には全国の新刊書店に並ぶとの仰せですが、名張の本屋さんにはたぶん並ばぬのではないかと予想されます。大阪で買うことにいたします。
ギョーザの受容と普及が戦後であったという事実には、いささか驚かされました。私はだいたい食いもののことをたらたら書いて悦に入るような作家は莫迦であろうと思い込んでおりまして、読んでいる小説に食べものの描写が出てくると思いきり読み飛ばすことにしておったのですが、最近はそうでもなくなりました。「小説に見るワンタン史」、期待しております。
拙著『貸本小説』(アスペクト)、遅くとも9月4日には全国の新刊書店の店頭に並ぶ予定です。八重洲ブックセンターには、取次に持って行った見本が並ぶので、若干ヨソより早く並ぶのですが、そうですか1日ですか。御足労をおかけしてすみませんでした。>森様。でも、珍しい貸本をお求めとのことなので、どうかご勘弁ください。
さて、内容は、例によってここや『彷書月刊』で書いているような内容プラス新ネタです。もちろんいつもより詳しく、引用もたっぷりです。
ミステリ・SF系、時代小説、現代小説について(分類はスコブルあいまいです)20名以上の作家(バイオ)とその作品(粗筋)を扱っています。書影は100点以上。304ページ、四六判上製。ISBN4-7572-0855-3。
定価は1800円(+税)です。先日の告知はカバーのゲラに入っていた仮の定価でした。重ね重ねすみません。
ということで、どうぞ皆さま、お買い上げをお願いいたします。
宣伝失礼しました。>オーナー様。
拙著には「ギョーザ娘」が登場するので、ギョウザについては先日調べました。他の中華メニューに比べて、ギョウザは日本に入ってくるのが遅いですね(戦後のようです)。近藤日出造や渡辺啓助が昭和20年代末〜30年代初頭にギョウザの話を書いています。
ワンタンやシュウマイは戦前の小説に出てきますし、シュウマイは結構ご馳走扱いされています(そう言えばワンタンは軽んじられんがち?)が、ギョウザは北方系なので出遅れたのでしょうか。
九鬼紫郎の昭和30年代の小説には四川料理が出て来ますし、久生十蘭の戦前作には中華料理のコースメニューが出て来ます(スッポンの甲羅の縁とか)。十蘭については今度の『彷書月刊』に書きました。
実は、小説に出てくる料理に興味があります。ワンタン資料、引き続き調べてみます。
桜様。
『無人島菌の秘密』は、吐風書房ですね。海音寺潮五郎の単行本を見たことがあります。残念ながら、巻末に自社広告がなかったので、他にどんな本があるかわかりませんでした。
森様。
『笑の王国』については、なんら知るところはありません。すみません。
末永さん
『貸本小説』が見当たらず、かわりに貸本小説を買って帰りました
(なんのこっちゃ)。
ちょっと時間が空いたので、八重洲ブックセンターをのぞいてみたのです
が、『貸本小説』はまだ並んでいなくて、土曜日の入荷になるだろうといわ
れました。そのまま帰るのもむなしいので、1軒だけ古本屋さんをのぞいて
みると、富賀装の貸本明朗小説(行芽生と風早恵介)が2冊並んでいたのに
はびっくり。しかもどちらも貸本落ちではないようなので、どこから出たも
のなのでしょうか。
同じところで、讀切倶楽部の新春増刊号『笑の王国』を三橋の短編が入っ
ていたので購入したのですが、この『笑の王国』と銘打たれた増刊は定期的
に出ていたものなのでしょうか? なかなかの内容なので、ちょっと気にな
ります。ご存じでしたら、ご教示くださいませ。
その後、雑用におわれています。
小林さん、「小林文庫」の、リスト、拝見しています。そのなかで、
第13回江戸川乱歩賞の候補作のひとつ、『失われた街』草野唯雄は、「大東京午前二時」に改稿され(これは書かれています)、さらに、『見知らぬ顔の女』昭和51、光文社、600枚に書き直しされたようです。角川文庫、昭和59、解説による。
先頃の、目録では、『無人島菌の秘密』海野十三の書影に驚きました。しかも、あの、満州奉天市での刊行のようです。では、大xx出版社でしょうか。幻の一作。
また、『北村薫の本格ミステリ・ライブラリー』所収の、田中潤司さんの登場にも驚きました。はじめは、架空の座談会かな、と思いました。実に、37年(?)振りの登場でしょうか。
中様、
そうですね。べつに東京でワンタンが食べられていないというわけではないでしょうが、きのうたまたま見た「考現学」に早稲田周辺の大正時代の食べ物やの一覧がのっていたのですが、ワンタン屋というのはありませんでした。支那料理屋はのっていたのですが。当時ウイスキーを飲むとしたらやはりカフェーが一般的なんでしょうね。おそらく乱歩がたまたまワンタン屋で粗悪なウイスキーを飲んだ経験があったのでしょう。以前にもかいたように乱歩が個人的にワンタンが好きで、思わずフラフラと入ってしまい、それが記憶に焼き付いていたとか…そんなところでしょうか。
■平山雄一様
『凱旋門』の件、ご同慶の至りです。
ワンタン屋につきましては、これはもう何が何やらさっぱりわけがわからぬのですが、流行り廃りにはあまり関わりなく、ラーメンやギョーザなどと並ぶ中華料理の一品として、乱歩の時代からワンタンはごく普通に存在していたのではないでしょうか。乱歩がワンタンをふるまったと伝える川崎やす子の文章にも、ワンタンが珍しい食べものであったというニュアンスはまったく感じられません。
また、日本社会を均質なものと見るのはおおきに危険なことではあるのですが、だからといって関東と関西でワンタン受容に濃淡があったとも考えにくいと思います。この掲示板で全国から「私のワンタン体験」をカミングアウトする投稿を募ってみるのも一興ですが、なにしろことは戦前の話ですから、現況のみをもって往時を憶断するわけにはまいりません。
しかしほぼ確実にいえるのは、「大暗室」のワンタン屋が乱歩の捏造だったわけではあるまいということです。粗悪なウイスキーを飲ませたのであろうワンタン屋が東京に存在していたのは、まず間違いのないところかと思われます。乱歩というのはこのあたり、不精と映るほど「在りもの」で間に合わせる人で(これはアクチュアリティを保障するためというよりも、乱歩の作家的本質に深く関連することだと見受けられるのですが)、在りもしないワンタン屋を作中に登場させたとは考えられません。
■アイナット様
「文学時代」の件、『新潮日本文学辞典』の「文学時代」の項から、ご質問にかかわる箇所を抜粋します。
「文学時代」ぶんがくじだい 文芸雑誌。昭和四・五−七・七、新潮社発行。全三九冊。「文章倶楽部」の後継誌として創刊され ……(中略)…… 七年八月、大衆雑誌「日の出」の創刊のため廃刊。(小田切進)
復刻版のことは皆目わかりません。「文学時代」には創刊号のアンケートその他、乱歩もたまに寄稿しておりましたので、復刻版が出ているのなら当方も調べてみなければならぬのですが、えー、また近いうちに「文学時代」復刻版をひっくりかえしてみるつもりだ、みたいなありがたいご予定はございませんでしょうか。
■金光寛峯様
文芸誌の復刻版について、当方にはまったく知識がありません。しかも三重県在住です。編纂中の『江戸川乱歩著書目録』では復刻版もとりあげるつもりなのですが、復刻版と名のつくものは「探偵作家クラブ会報」と「新青年」しか判明しておりません。乱歩が文芸誌に書いたケースはごく少ないのですが、乱歩に関わりのあった文芸誌で復刻版が刊行されているものというと、どのあたりになるのでしょうか。
読み返してみるとなんだか「どうだ偉いだろう」と自慢しているように
見えてきました。
もちろんそんなつもりはなくて、ただもうクタクタになった、なるほど
いろんな全集なんかの書誌で復刻雑誌を割愛しているのは理由があった
のだと痛感したのです。
甲賀三郎が寄稿した雑誌が何タイトルあるか存じ上げませんが、その
一つ一つについて復刻の有る無し、有ればどこの出版社から何年何月
に全何巻で出たのか、装丁は? 復刻範囲は? 価格は? 合本か一冊ごと
なのか? 解題や総目次等の別冊の有無は? マイクロや CD-ROM 復興は
存在するのか? etc... を調査するのは………
いきなりなんだか気勢を殺ぐようで申し訳ないのですが…
はじめまして、アイナットさん。
当方も、乱歩激賞(?)「二壜のソース」で有名なロード・ダンセイニの邦訳書誌を
共編でまとめ、試みに通常は書誌では割愛されている復刻雑誌も網羅しました。
最終更新一歩手前のちょっと古いデータですが、ここで公開しています(「新青年」
復刻版のデータ等、間違いも多くて恥かしいものです)
http://village.infoweb.ne.jp/~pegana/Contents/biblio0005.txt
それでですね。
文芸誌の復刻版は割愛された方がよろしいのではないかと思います。
当方は意固地になって調べまして、のべ 20件! もう、この復刻雑誌調査が一番
手間も時間もかかったというくらいでした。今もう一同やり直すとしたら、復刻
は対象外にするでしょう。
せめて、「どこそこから昭和○年に復刻版がある」と注記する程度に止めておく
のが賢明なのではないかと愚考します。
ご質問の 2件についてですが、
>1.この《文学時代》、それほどこの後続いているとは思えませんが、何年何月号まで発刊されていたのでしょうか?
>2.ゆまに書房の復刻版は大阪市立図書館には昭和六年九月号の29冊あったわけですが、実際この後の号もあるのか、否か?
このあたりを参照されればおそらく答えが得られると思います。私も何度となく
閲読しました。
◇『国立国会図書館定期刊行物総目録』全 4巻, 同館編, 1999, 同館/紀伊国屋書店
※これはどこの図書館にもあります
◇『現代日本文芸総覧』全4巻, 小田切進編, 1969.11〜1973.8, 明治文献
※基本資料、県立級の図書館なら常備しているでしょう
◇「複製文学雑誌一覧」, 未署名, 「日本古書通信」第51巻第1号通巻678号所収, 1986.1, 日本古書通信社
※復刻範囲、巻数、価格、特装版の有無など明記、さすがツボを心得ている
◇『日本書籍総目録』各年度版, 日本書籍出版協会編, 1977〜, 日本書籍出版協会
※図書館に収まっている復刻雑誌は奥付等が無くなっている例がままあり、価格や
全巻数等が分からないことがありますが、本目録で補える場合があります
◇『文芸誌譚 その「雑」なる風景』, 紅野敏郎, 2000.1, 雄松堂書店
※「文学時代」の項があったかどうかは怪しいですが、背景や時代の空気といったものが
勉強できます
また、東京都立中央図書館や日本近代文学館では復刻雑誌の帙などを廃棄せずに保存して
おり、調査する上でたいへん助かりました。奥付がこうした帙や箱についていることが多
いので、無くなっていたらお手上げでした。都内在住でなければ復刻雑誌調査は挫折して
いたと思います。
アイナットさんは関西にお住まいなので実見は困難でしょうが、電話や FAX で照会する
手もありますが…
以上多少でもご参考になれば幸いです。
お久し振りに書き込ませて戴きます。
とは言え、質問なのですが。
先日大阪市立図書館にて、ゆまに書房の《文学時代》復刻版(昭和4年5月号〜昭和6年9月号)までは確認出来、この間の甲賀三郎の評論、探偵小説のリストなども全て自分のWEBサイトの「甲賀三郎の世界」「混沌の世界」にアップ致しました。
で、この《文学時代》に関連して、質問が、二つあるのです。
1.この《文学時代》、それほどこの後続いているとは思えませんが、何年何月号まで発刊されていたのでしょうか?
2.ゆまに書房の復刻版は大阪市立図書館には昭和六年九月号の29冊あったわけですが、実際この後の号もあるのか、否か?
これらの点で、どうぞ、情報お持ちの方、ご教示お願いします。
新評社から発売になった「山田風太郎の世界」を、どなたか売って戴けないですか?
Kashiba様、
おっしゃる通り、「凱旋門」でした。ありがとうございます。
最後の方で、主人公の亡命者がナチの将校に復讐するために、車を急停車して頭をぶつけさせ、さらにレンチで殴っていました。お陰様で万万歳です。
しかしそうはいかないのがワンタン屋でして、東京ではそんなにワンタンははやっていたとは思えません。エースコックにしてもあれは関西資本ではなかったでしょうか。東京でもうってはいましたが、そんなに盛んではなかったと思います。東京だとやはり「サッポロ一番」とかマルチャンとかかな…。乱歩がワンタンを作っていたというのは驚きです。もしかしたら個人的にワンタンが好きだったのかもしれませんね。乱歩作品に出てくるものは東京を舞台にしていても、けっこう関西での経験を元にしてかかれているようで、特に動植物などは関東ではなく関西に分布するものが出てきていたりします。
■大阪府守口市の皆々様
「またまた延期になりました」とお知らせをいただきました。コミュニティ放送局「エフエムもりぐち」の「なおちゃんのもりかど探偵団」という番組の話です。20日の月曜に放送予定だったのが台風11号のせいで昨27日に延期され、それが今度は取材先の都合で9月10日に延びてしまったとのことです。
守口には乱歩が住んでいた家が残っており、これは西池袋の乱歩邸を除けば乱歩の住居が現存している唯一の例で、現在は産婦人科のお医者さんの所有となっております。取材先というのはそのお医者さんのことで、9月10日は確実に OK なのだそうですが、急に産気づいた妊婦が血相変えて駆け込んできたりしたらどうなるのでしょうか。私にはわかりません。
この番組で乱歩の肉声を流したいということになったらしく、放送延期のお知らせとともに、「城ヶ島の雨」のレコードを持っていないかとのお問い合わせをいただきました。あいにくそんな気の利いたものは手許にありません。田村隆一の結婚式で引き出物にされたというこの伝説のレコード、どなたかご所蔵でしょうか。
ちなみに乱歩の肉声は、NHK から出ている「昭和の巨星 肉声の記録」という CD で聴くことができます。
●乱歩著書目録月報篇
下記の二巻、月報の有無が不明です。
江戸川乱歩 現代長編文学全集5
昭和四十三年十二月六日 講談社
江戸川亂歩・甲賀三郎・大下宇陀児集 大衆文学大系第二十一巻
昭和四十八年一月二十日 講談社
ご存じの方はお知らせください。
何がわからないといって春陽文庫ほど得体の知れぬものはありません。下記の「江戸川乱歩名作集」、ご所蔵の方はいらっしゃるでしょうか。
×江戸川乱歩名作集1 陰獣
昭和四十四年六月■日 春陽堂書店/春陽文庫
×江戸川乱歩名作集2 パノラマ島奇談
昭和四十四年七月■日 春陽堂書店/春陽文庫
×江戸川乱歩名作集3 屋根裏の散歩者
昭和四十四年八月■日 春陽堂書店/春陽文庫
×江戸川乱歩名作集4 D坂の殺人事件
昭和四十四年九月■日 春陽堂書店/春陽文庫
×江戸川乱歩名作集5 人間椅子
昭和四十四年十月■日 春陽堂書店/春陽文庫
×江戸川乱歩名作集6 月と手袋
昭和四十四年十一月■日 春陽堂書店/春陽文庫
×江戸川乱歩名作集7 心理試験
昭和四十四年十一月■日 春陽堂書店/春陽文庫
○江戸川乱歩名作集8 ペテン師と空気男
昭和四十八年六月三十日 春陽堂書店/春陽文庫1942
○江戸川乱歩名作集9 偉大なる夢
昭和四十八年六月三十日 春陽堂書店/春陽文庫1943
よろしくお願いいたします。
芦辺様
村瀬継弥さん新作の「青空の下の密室」は、昨日某サークルの例会でも
話題になっていました。昨夜帰ってから芦辺さんの書きこみを拝見、
村瀬さんは好きなもので私も本日購入致しました。
ジュブナイルなのですね。私の年代が通勤電車で読むには、カバーが
必須のような気がします。
■宮澤様
ありがとうございます。また何かの折にはよろしくお願いいたします。
■末永昭二様
「落語と講談」の件、まったく存じませんでした。人は私を大権威と呼びますが、なんのなんの実体は何から何まで付け焼き刃の未熟者です。乱歩作品の雑誌再録は、まずまったくといっていいほど掴めておりません。今後ともよろしくご指導ください。再録分のデータは、折を見てまとめてご教示いただければと思います。お礼にワンタンでもおごります。
■平山雄一様
『凱旋門』をご所蔵なら、話は早いと思います。知り合いの高校生に「夏休みの宿題の読書感想文にはこれをとりあげるように」と『凱旋門』を押しつける手もあります。
私が子供のころ、名張にはワンタンを食するという文化がありませんでした。そもそも中華料理というものを専門的に扱う店がなく、寿司屋や料亭といった非日常的な店を除けば、日常的な食いものの店としては壁に「支那そば」や「コーヒ」などというメニューも並んだうどん屋のたぐいがあったばかりと記憶します。私にとってのワンタンは長くエースコックのワンタンメンのワンタンでありつづけた次第で、ワンタンとはいったいどのような食べものなのであろうかという疑問を小さな胸に抱きながら、私はふーふーずるずるとワンタンメンを食しておりました。
しかし東京では、乱歩の時代から結構ポピュラーな食べものであったらしく、乱歩もまた得意料理にしていたようで、例の支那そば屋時代、学生時代からの恩人であった川崎克の家に材料を持参し、台所に立ってワンタンをふるまったことがあると川崎克夫人のやす子が記しています。ですからワンタン屋と呼ばれる店も、やはり存在していたのではないでしょうか。
下で書き込ませていただいた村瀬継弥さんの新作、入手しました。表紙ならびにイラストは小手川ゆあさん、解説はオッこれはなるほどの、はやみねかおる氏です。版元は富士見書房、平成13年8月30日初版となっております。
なるほど、「凱旋門」がありましたね。あれは確かうちにあったはずです。学生の時にそれこそ昭和二十年代に出ていた、二巻本を買って読んだ記憶があります。(もっとも内容についてはまったく記憶がないというのが悲しいですが…)
それに映画もシャルル・ボアイエ主演でしたか、見たと思います。実はその「凱旋門」の翻訳者の井上勇さんが、うちの近所に住んでおられて、そのサインほしさに買ったというのが真相でして。さっそくしらべてみます。
ワンタン屋をネットで検索してみると、そのほとんどがアジア旅行のページにあたってしまいます。もうわけがわかりません。昔ワンタン屋がはやっていたという話もきかないし、それともミスプリでしょうか。
古本まゆ様。
「北島俊碩」の件、私の使った資料に間違いがあったようです。似た字なので筆記するとき間違えたのではないかと思います。すみません。
春江堂に限らず、赤本出版社の出版物は穴、というか何がなんだか誰にもわかっていないようです(わかっている人がいたらゴメンナサイ)。
ストラングル・成田さんのホームページで最近取り上げられた松本泰まわりの人間関係もそうなのですが、「落とし穴」がいくつかほかにもあるような気がしてなりません。
例えば、毎度おなじみの慰問雑誌。慰問雑誌と推理(探偵)小説は(戦中は軍部に探偵小説が禁止されていたという通説から)関係ないと思われるかもしれませんが、実際は「太平洋戦争」以前から慰問雑誌はありましたし。
作品のレベルは知りませんし、たぶんレベル的には(正統派の)『新青年』系にはまったく太刀打ちできないのでしょうが、いろいろな媒体にいろいろな娯楽小説が発表されていたのですから、どこに何があってもおかしくないと思います。「歴史家」の目にとまらなかったから知られていないだけで。
ただし、モノがモノなので、あえてそれを探したり研究したりする必要があるかというと、何とも言えませんね。
以前、うなぎ書房からのユーモアショートショート集のことをこちらでお知らせしたと思いますが、その村瀬さんの待望の推理小説新作が出るようです。
富士見ミステリー文庫『着流し探偵事件帖/青空の下の密室』
8月24日発売とのことですから、もう店頭に出ているのでしょうね。僕もちょっと見に行ってきます。
桜様。お帰りなさい。また、よろしくお違いいたします。
中様。
ワンタン屋というものを私も知りませんでしたが、検索してみると結構見つかりますね。ワンタンしか置いていない店もあるようです。
ところで、昨日神田の古書会館で買った『落語と講談』昭和25年1月号に「人でなしの恋」が再録されていましたが、ご存知でしたか。
私は、小型雑誌に再録されているのを始めて見ました。
>中さん
はい、初版です。
■平山雄一様
「十字路」の件、kashiba さんのご指摘は検討に値すると思います。お近くの図書館で「凱旋門」を走り読みなさってはいかがでしょう(結構たいへんな作業ですけど)。それから、もしも判明しなかった場合でも、解説が必要と思われる語は立項して、「不明」としておくべきかと愚考いたします。
「大暗室」の「ワンタン屋のウィスキー」は、単に粗悪なウイスキーを意味する言葉なのではないでしょうか。ワンタン屋というのがよくわからないのですが、おそらく屋台のラーメン屋みたいな感じの、安い価格で飲み食いさせる店ではなかったかと推測されます。三ちゃんはワンタン屋で出てくるような粗悪なウイスキーしか飲みつけていなかったので、
「オーたまらねえ。こいつあワンタン屋のウィスキーじゃねえや。どこからこんな上物を仕入れてきたんだい」
と口にしたのではなかったでしょうか。
ところで私は、そもそもワンタン屋というものを知りません。現今の東京にも、ワンタン屋なるものは存在しているのでしょうか。
■ kashiba 様
はじめまして。お知らせありがとうございました。ご指摘の『凱旋門』は、「十字路」にある「有名なドイツ人作家の長篇小説」や「アメリカ版がベストセラーになって、日本でも翻訳され、評判だった」といった記述に符合すると思います。私はレマルクのこの作品、けっ、どーせ通俗だろーがと踏んで見向きもせぬままこんにちに至りましたが、年間ベストテンに入るほどのベストセラーだったとはついぞ知りませんでした。昭和20年代における海外小説のベストセラーというと、やはり『チャタレイ夫人の恋人』しか思い浮かばぬ次第なのですが、私は昔から戦いよりは愛に生きたいと念じておりましたので、これは当然の結果であると思います。最近は愛からも遠い日々ですが。今後ともよろしくお願いいたします。
■宮澤様
お手数をおかけいたしました。お手数ついでにもうひとつご教示ください。お手許の二冊、奥付の表記は「初版」となっておりますでしょうか。
おお、中さんのご質問に初めて回答できます!
ご記載の通りです。
ちなみにこのアンソロジーは三巻本でして、『きみのうしろに死神が サスペンス・ミステリ傑作選』というのもありますが、乱歩が載ってないので買いませんでした。
平山様、中様
読んでないので、なんともいえませんが、
「戦後間もなく日本でベストセラーになったドイツ人作家の作品」
で逆引きすると
(http://www.yomiuri.co.jp/yomidas/konojune/aw/awh2.htm とか
http://www.yomiuri.co.jp/yomidas/konojune/aw/awh3.htm とか)
マレーネ・デートリッヒ主演の映画で有名なレマルクの「凱旋門」が
あるみたいです。一応、殺人も出てくるようです。
どなたか、読まれた人っていらっしゃいませんか?
ではでは
中様、
なるほど、探偵小説とは限りませんね。もし探偵小説なら当時の「探偵作家クラブ会報」を見れば載っているかもしれませんが、私のは奥の奥にしまっているので涼しい日に出してみることにします。もし普通の小説だったら…。文芸年鑑でしょうか。しかしロレンスもブルトンもドイツ人ではありませんし…。ここのように「探偵小説の鬼」があつまっているところでも出てこないというのは、やはり普通小説なんでしょうね。うーむ。この項は解説なしにしちゃおうかな。
あととっておきの解らないのが、
有村清が化けた北村にウイスキーを勧められて三ちゃんは「こいつあワンタン屋のウィスキーじゃねえや」と言った(大暗室)。
という一節です。ワンタン屋でウイスキー??なにか御存じありませんでしょうか。
■桜様
ご無沙汰いたしました。当方こそよろしくお願いいたします。
■宮澤様
そのソノラマ文庫のアンソロジーはご所蔵なのでしょうか。下記の二点だと思うのですが。
殺人ゲームに挑戦 本格ミステリ傑作選
昭和五十二年八月三十日 朝日ソノラマ/ソノラマ文庫
編:山村正夫 「奇妙なアルバイト」収録
呪われた顔 怪奇ミステリ傑作選
昭和五十二年八月三十日 朝日ソノラマ/ソノラマ文庫
編:山村正夫 「悪魔の命令」収録
現物は手許にありませんので、もしもご所蔵でしたらデータをご確認いただけないでしょうか。
■岩堀様
どうもありがとうございました。あれこれ使い立てして申し訳ありません。
■平山雄一様
「十字路」の件ですが、《有名なドイツ人作家の長篇小説》とありますところ、「探偵小説」ではなくて「長篇小説」とされているのですから、やはり純然たる探偵小説ではなかったのではないかと推測されます。その他のことはさっぱりわかりません。昭和30年当時と現在とでは、「有名なドイツ人作家」にもおのずから違いがあることでしょうし。《アメリカ版がベストセラーになって、日本でも翻訳され、評判だった》といった出版の経緯に手がかりがありそうな気もするのですが、手も足も出ません。なにしろ昭和20年代に評判になって版を重ねた外国の小説というと、『チャタレイ夫人の恋人』しか思い浮かばぬ次第です。自動車の運転中に何かしら危険なことをするということであれば、たしかブルトンの『ナジャ』にそんなエピソードが出てきたような記憶もあるのですが、これは確認するまでもなくガセネタだと思います。そのほかには何ひとつ、池波正太郎風にいえば「勘ばたらき」が働きません。勉強し直してまいります。
■小林文庫オーナー様
なんやかんやと出しゃばっております。今後ともよろしくお願いいたします。
桜さん、お帰りなさいませ。
旅の疲れを癒した後は、また掲示板に復活お願いします。
アイスランドのお土産話も聞かせて下さい。
桜さんの、いらっしゃらない間は、中さんに頼りきりでした。
役に立たない管理人で、スミマセン。
と言っても、私の出る幕は殆ど無いんですけど・・・ (~_~;)
平山様
『遺書の誓ひ』は、持っていますが、そのような話ではなかったような気がします。
本を探して、読み直してみますね。
実は・・・
台風が去ったのと一緒に、自宅のPCが動かなくなってしまいました。
スイッチを押し手も、電源が入らない・・・(大泣)
このまま修理に出さないといけないとすると、当分の間メールやネットにアクセスし難くなる可能性が有ります。
メールのお返事や、掲示板へのRESが(今でも殆どしていないけど・・・)出来なくなるかもしれません。
あらかじめ、お詫びしておきます。
(現在は、代替えPC=Win95+NN3.0 からアクセス中。状況はまた報告します)
中様、
お手数をおかけしています。
「探偵小説四十年」を読み返していたところ、昭和二十年か二一年にドイツ語の世界探偵小説叢書を持ち帰った人がいたので、全部を翻訳するはずだったのが、デンマークの作家カルロ・アンダーセンの「遺書の誓い」が出版されたのみだった、という記述がありました。(乱歩文庫「四十年3」p287-)
またべつの出版社からイタリア人作家デリコの「悪魔を見た処女」が出版されたとありますが、これも同じ人のもっていたドイツ語の本が種本だったらしいと乱歩がいっています。
今のところドイツ語の小説で思いつくのはこれぐらいなのですが、もしかしたらこれらが「十字路」で言及されている本とはいえるでしょうか。もっともそれほど売れたとはおもえませんが…。
どなたか二十年代に出版されたドイツ作家の本、御存じありませんか?
中様
お尋ねの桃源社版「江戸川乱歩全集 第九巻」(収録作品:黒蜥蜴 お勢登場
妖虫)は、たしかに昭和37年2月25日発行です。
この全集ははちょうど学生時代に刊行されまして、バイト(家庭教師)の
お金で、これと、東都書房「日本推理小説大系」を全巻買いそろえたのが
いい思い出です。
>中さん
そうですか。あの短編は代作ですか。それは残念。
高校時代にソノラマ文庫のアンソロジーを読んで、ポプラ社にも収録されてない短編に、こんなのもあったのか、まだ他にもあるかもしれない、とわくわくしたものでしたが。
ちょうど高校の図書館で借りた江戸川乱歩全集にはまる前後のことです。
末永昭二さま
早速の情報ありがとうございます。まず著者名ですが奥付は「北島俊碩」で間違いありません。ただ小説の冒頭では「俊碩劒士著」となってますので、末永さんご教授の人物で間違いないようです。当店の資料でも、著者くらいはどんな人物なのかすぐに判ると思っていたのですが、春江堂書店の探偵文庫は推理小説研究の意外な穴になっているのかもしれません。
黒白さま
原作情報、ありがとうございます。どうも筋から判断すると、ちょっと違っているようです。翻案ではないかというのは、表紙の外人っぽい絵と、萬里谷(まりや)伯爵といような人名からの推測ですが、オリヂナルの作品の可能性もあります。
これからも、よろしくお願いいたします。
岩堀さんが書かれた台風襲来。その台風のなか、アイスランドより帰りました。
ラム肉とワインで、はじめて、食文化を堪能したような気持ちです。
寝ずに、たまりにたまった目録や本をみました。
・『澪標の旅人 馬場孤蝶の記録』吉屋行夫(本の泉社)
乱歩との交遊が書かれている
・『探偵作家 江戸川乱歩の事件簿』楠木誠一郎
『着流し探偵事件帖 青空の下の密室』村瀬継弥
ともに「ダ・ヴィンチ」九月号より
今日は、目録の申込みをする予定です。
小林さんをはじめ、皆様、またおつきあいください。よろしくおねがいします。
■平山雄一様
「十字路」の件、やっぱりわかりませんでした。当該の箇所には、
《殺人の手段は、自宅から若葉荘へ車を走らせているあいだに、着想を得ていた。伊勢はいつか、有名なドイツ人作家の長篇小説で、そういう場面を読んだことがある。アメリカ版がベストセラーになって、日本でも翻訳され、評判だったので、あまり読書家ではない伊勢も、それを読んでいた》
とあり、このあと猛スピードで走行中に急ブレーキをかけて助手席の同乗者を殺すシーンが描かれるわけですが、このもとになった小説というのは、やはり探偵小説ではないように思われます。急ブレーキによる殺人、などというのは探偵小説のいわゆるトリックに数えうるものではありません。ただし、トリックに重きを置かないサスペンス小説になら、こんな場面はおおいにありそうです。
「十字路」の発行は昭和30年ですから、たぶん昭和20年代のおそらく後半にそんな小説が出回っていたのでしょうが(もとになった作品の存在そのものが虚構である、という可能性は低いと思います)、「有名なドイツ人作家の長篇小説」や「アメリカ版がベストセラー」といった手がかりからも、残念ながら何も思い浮かびませんでした。お手あげです。お役に立てません。
■岩堀様
藤沢周平作品はすべて読みました。池波正太郎作品は「鬼平犯科帳」と「剣客商売」のふたつのシリーズだけにとどめる予定です。この二人の作品は、むろん人にもよるでしょうけど、読み出すとまず間違いなく「耽溺」することになると思います。司馬遼太郎作品には、私はなぜか興味を覚えません。
そんなことはともかくとして、桃源社版の乱歩全集を全巻ご所蔵なのでしょうか。もしもご所蔵でしたら第九巻のことでお教えいただきたいのですが、この巻の初版発行日は昭和三十七年二月二十五日でよろしいのでしょうか。手許には再版しかなく、奥付には初版発行日が記されておりませんので。
■末永昭二様
ありがとうございました。乱歩との血の色談義、美輪さんの自伝やら随筆やらにも出てきそうな感じですが、なかなか眼を通す機会が得られません。また何かありましたらお知らせください。
古本まゆ 様
はじめまして。黒白といいます。
>昨年名古屋の市で、探偵文庫「青自動車」北島俊碩作・春江堂書店・大正5年発行・大正7年8版という文庫サイズの本を手にいれました。
もしかしてこれって、「仮面舞踏会に呼び出された警部がなぞの貴婦人と会って殺人事件をほのめかすようなことを告げられ、その貴婦人は緑色の自動車で去っていってしまう」という筋ではないでしょうか? もしそれでしたら、原作はアウグスト・ワイスルの「緑の自動車」であります。題名が似ていたのでしゃしゃり出てきましたけれど、間違っていたらごめんなさい。
ではでは
古本まゆ様。
北島俊碩の「碩」は「硯」じゃないですか? 多分、その人物は別名「俊硯剣士」という人で、どうも春江堂専属のライターのような気がしますが、よくわかりません。『青自動車』は知りませんが、大正5年に刊行された『拳骨』は大正4年に封切られた同名映画(A・B・リーヴ作)のノベライズです。同時に数社から別の『拳骨』が出ています。映画が大人気だったようですね。『拳骨』は延原謙訳の方が有名です。
北島俊碩(硯?)、複数のライターのハウスネームのような気がしないでもありません。以前ここでも書きましたが、大正初期、大泉黒石が浅草の赤本屋で探偵小説を書き飛ばしていたというような状況もあり、貧乏ライターが請負仕事として翻訳や映画のノベライズなどを書きまくっていた、その中の一人(ハウスネーム?)、という気がします。言うまでもなく、春江堂は浅草の赤本出版社です。著作権無用のモノスゴイ出版社です。
赤本研究で有名な某氏が春江堂の出版目録を入手されたという話を伺ったので、その研究成果が発表されれば春江堂の出版物はもう少しはっきりわかるようになると思いますが、春江堂という出版社については、『全国出版物卸商業協同組合三十年の歩み』に書いている範囲くらいしか知りません。最近まで営業していた(今もあるのかしら?)うえに、東京最大の赤本出版社だったし、有名作家(梶野悳三とか富田常雄とか)も書いているのに。
中様。
8月18日午前10時から10時30分に放映された「素顔が一番」(日本テレビ)という番組です。
ケレンも何もない「お宅訪問番組」です。例によって美輪さんはトバシまくっていました。いつものように三島由紀夫らとの交流を語った後、乱歩さんと会ったときの話をしていました。
乱歩さんは「自分の腕を切ったら青い血が出る」と言い、「君を切ったら何色の血が出るかな?」と尋ねました。美輪さんが「私を切ったら七色の血が出るわよ」と返したら、乱歩さんが驚いて「君いくつだい?」
「16歳」
と、まあこういうやり取りをしたという話でした。
記憶で書いているので、細部は違うかもしれませんが、だいたい正確だと思います。
台風11号が北方に去って行きつつありますね。会社(横浜)では直撃
覚悟でそれなりに構えていたのですが、まあ無事に済んでほっとして帰って
きました。
私は、台風襲来と聞くと甲賀三郎の代表作「琥珀のパイプ」を思い出します。
あの作品の冒頭部分に「今夜半台風帝都に襲来せん」という新聞の見出しが
出てきます。子供の頃読んだ時に(以前に桜さんが書いておられた「探偵実話」
の名作特集号です)、これを「今夜 半台風 帝都に襲来せん」と読んで
「半台風」ってどんな台風なんだろうと不思議でしょうがなかったのです。
歳長じて、あれは「今夜半 台風 帝都に襲来せん」と読むことに気付いて
得心したものです。小学生では、「今夜半」という言葉が少し難しかったの
ですね。
ちなみに、この見出しの言葉が重要な意味を持ってくるところが、「琥珀の
パイプ」のうまさだと思います。
中様
池波正太郎、藤沢周平は好きな人が私の周辺にもいっぱいいます。
関心がありますが、一冊でも読むとそれに耽溺してしまってミス
テリが読めなくなるのでは…と怯えてしまって、一冊も読んで
おりません。
司馬遼太郎健在の頃は、彼の本が出ると必ず読んでました。幸い(と
いうのは大変不謹慎ですが)、新著が出なくなったのでミステリに
回帰したというのは誇張ではありません。
なにを読むにしても、ゆったりとした気分で読むのが一番と思いつつも、
なんだかガツガツと義務感で読んでいるようなところは反省しなきゃあ
とは思っています。わかっちゃいるけど…という歌が昔ありましたね。
僕が質問すると、どうしても商売がらみのことになってしまうので、ちょっと遠慮していたのですが、どうしても判らないことがありますので、もしご存知の方がみえたらお願いします。
昨年名古屋の市で、探偵文庫「青自動車」北島俊碩作・春江堂書店・大正5年発行・大正7年8版という文庫サイズの本を手にいれました。巻末の探偵文庫の紹介によると他に「地獄谷」「拳骨1」「拳骨2」「拳骨3」という作品があるようです。「青自動車」の内容からして、欧米ものの翻案専門の作家ではないかと推測しているのですが、この作者と作品について、どんな情報でも結構ですのでお教えください。
おはようございます。台風の影響はいかがでしょうか。当地には被害と呼ぶべきほどのものはなかったのですが、台風のせいで体調を崩してしまいました。あーしんど。簡略にまいります。
■喜国雅彦様
ご多用中、ご厄介をおかけいたします。お手すきのときで結構です。よろしくお願いいたします。
■末永昭二様
ありがとうございます。そのトーク番組のこと、お知らせいただけますでしょうか。
■宮澤様
私も「密室系」に掲載された少年もののリストには一驚を喫しました。そもそもあの道立図書館所蔵の栗田文庫とやらがただものではなく、少年誌や学習誌に限っていえば大阪府立国際児童文学館もたじたじという感じですし、それを虱潰しに調べあげてゆく人がいらっしゃることにもたいそうびっくりし、心強くも感じました。
で、《これらが乱歩の真作か代作か》となりますと、すべて代作だと思います。あれらに、というのは、おげまるさんのリストで《江戸川乱歩・関連作品》とされている作品のことですが、あれらに附された江戸川乱歩という名前は、署名ではなく商標と見るべきだと考えます。むろんだからどうでもいいということではまったくなく、私がそれらの調査に手をつけかねているのは、単にサボっているだけの話だとお思いください。サボっているといいますか、開き直っているといいますか。
■平山雄一様
ご指摘の翻訳作品、さっぱりわかりません。探偵小説ではないという印象を抱きましたが、とにかく「十字路」をぱらぱら読んでみることにいたします。
こんにちは。
乱歩ついでに、教えていただけないでしょうか。
「十字路」にでてくる伊勢省吾は、有名なドイツ人作家の長編小説で、アメリカ版がベストセラーになって、日本でも翻訳されて評判になった本を読んでいて、これを南重吉殺害の着想にしたというのですが、この本について御存じないでしょうか。ちなみにその殺し方というのは、車を急停車して油断している同乗者が頭をぶつけたところを、さらに殴り殺しています。
「続幻影城」にのっていた戦後の長編探偵小説の翻訳書一覧にもドイツ人作家の名前はありませんし、どうしたものかと困っています。
少年探偵団で盛り上がっていますね。
中さんにひとつ質問ですが、以前「謎宮会」でも話題になっていたソノラマ文庫のアンソロジーに収録された少年探偵団ものの短編「悪魔の命令」と「奇妙なアルバイト」の初出は判明したのでしょうか。
と書きかけて、試しに検索したら成田さんのページの少年ものリストがヒットしました。いやあ、なんとも大変な時代になったものです。
これらが乱歩の真作か代作か非常に気になります。真作なら、「探偵ブック」とか「中学生の友」にまだまだ真作があることになるわけですが。
ちなみに私は少年探偵団シリーズのリファレンスは、黄金髑髏の会(戸川安宜他)『少年探偵団読本』(情報センター出版局:1995)を重宝していますが、「赤いカブトムシ」とか「怪人と少年探偵」とかまで載っていても、さすがにこれらの短編の記載はないです。
中様。
せっかくのご指名ですが、光文社については何も知りません。すみません。ただ、偕成社やポプラ社あたりの本も似たようなものですから、用紙事情を無視することはできないようです。
ところで、先日テレビのトーク番組で美輪明広さんが乱歩との交流を語っていましたが、こういうのも調査対象ですか?
そう言えば、大学時代、ほるぷにもお話を伺いに行った記憶がありますが、はじめからあの全集を買う気がなかったので、どんな形態で売られていたか、お役に立つような記憶がないです。重ね重ねすみません。
フクさん
3ヶ月ほど前にブックスいとうの鷹の平店で30冊ほどまとめて見つけました。で、1ヶ月後にもしやと思って行って10冊見つけました。もしかしたら集まるかも? と思ったのはこのときからです。 まだいくつか残ってましたよ。
中さん
函版全集5冊とも持っていますが、残念ながら仕事週間になってまいりました。しばしお待ちを。月報が入っていたかどうかは自信がありません。
■岩堀様
私は、自分には平穏な老後などありえないだろうと信じておりますので、できるだけ「ぱっと読む」ことにしているのですが、それでもあれも読み残した、これも読み残したとぶつぶつぼやきながら死んでゆくことになるのだろうと思います。最近では夏の長い夕方、ビールを飲みながら池波正太郎の「剣客商売」シリーズを、一篇一篇、惜しみ惜しみ読むのが読書における唯一の持続的な愉しみとなっており、かつては伝え聞くそれが気に喰わなくて本を手に取る気にもなれなかった池波正太郎の美食趣味なども、いまでは抵抗なく受け容れることができます。齢を重ねて人間が円熟してきたというべきか、すでにして老後の境地であるというべきか。
■大阪府守口市の皆様
先日、コミュニティ放送局「エフエムもりぐち」の「なおちゃんのもりかど探偵団」という番組をご紹介いたしました。この番組ではきのう20日、江戸川乱歩と守口の関係がとりあげられる予定だったのですが、台風の接近に伴って台風関連情報が割り込んだため、乱歩の話題は8月27日に延期されたとのことです。同番組スタッフの方からその旨お知らせをいただきましたので、ご案内申しあげます。
ちなみに当地は、迫りくる台風11号の影響で、風雨いよいよ激しい朝を迎えております。
中様
『乱歩――キネマ 浅草コスモス座』中のの「一寸法師」カニバリズム
に関する記述、やはりそうでしたか。わたしも、その個所読んだ時に、
そんなところあったかなあと思ったのですが、なにせ40年近く前に読
んだだけなので(桃源社版乱歩全集第1巻…昭和36年10月発行)、
間違いとも言いきる自信もありませんでした。不精こいて原典にもあた
らず、中さんに教えて頂くはめになりました…、お恥ずかしいです。
乱歩の再読は老後の課題(楽しみ)と思ってましたが、気にかかる時は
ぱっと読むべきかもしれませんね。
ちなみに、私の版は奥付に「1996年4月5日初版第一刷発行」という
紙が貼り付けられています。
■岩堀様
『乱歩──キネマ 浅草コスモス座』(きのうまで「コスモス座」を「コスモ座」と誤記しておりました。お詫びします)の件ですが、先日、岩堀さんの書き込みを拝見して同書をぱらぱら読み返したとき、次の箇所が気になりました。
《「一寸法師」の最後の場面に出てきた人肉嗜好の描写が読者に嫌悪をもよおさせたことも少なからず乱歩自身を後悔させた。作品についての羞恥、自己嫌悪、人間憎悪に陥ってしまった。》[p.159]
「人肉嗜好」は「人肉嗜食」と同じ意味で使用されているようですが、あれれ、「一寸法師」にカニバリズムなんてのが出てきたかな、と私は思いました。作者は「一寸法師」と「闇に蠢く」を混同しているのではあるまいか。いずれにせよ、ここはひとつ「一寸法師」に当たってみなければなるまいて。そう考えて、おとといでしたかいつでしたか、「一寸法師」の終わりのほうを走り読みしてみたのですが、人肉嗜食に該当する描写は発見できませんでした。これはちょっといただけません。
といったことをえんえんと記そうと思っていたのですが、なんだかもうどうでもよくなってしまいました。気になる箇所があったということだけお知らせしておきます。尻切れ蜻蛉で申し訳なく思います。
ついでですから附記しておきますと、この『乱歩──キネマ 浅草コスモス座』の奥付には発行日が記されていません。発行直後に版元に電話でお訊きしたところ、1996年4月5日とのことでした。
■万国博様
乱歩の少年ものについて、さらにいささかをお知らせします。
光文社の少年探偵団全集は、『少年探偵手帳 完全復刻版』に収録されている広告とはやや異なり、昭和三十六年十二月に第五巻までが発行されました。下記のとおりです。いずれの巻にも「少年探偵団ニュース」という月報の No.1 と No.2 が挟み込まれていました。
怪人二十面相 少年探偵団全集1
昭和三十六年十二月十日
B6判 函 二二八頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
少年探偵団 少年探偵団全集2
昭和三十六年十二月十日
B6判 函 二一〇頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
妖怪博士 少年探偵団全集3
昭和三十六年十二月十五日
B6判 函 二二一頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
大金塊 少年探偵団全集4
昭和三十六年十二月十五日
B6判 函 二一三頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
青銅の魔人 少年探偵団全集5
昭和三十六年十二月二十日
B6判 函 一八六頁 二五〇円
装丁:白井哲 さしえ:武部本一郎
■喜国雅彦様
と上に掲げました少年探偵団全集のリスト、恐れ入りますがご所蔵分をご確認いただけないでしょうか。なんやかんやと偉そうなことを申しておりますが、じつは手許には第一巻があるだけです。「少年探偵団ニュース」は八ページ立て、ということでよろしいのでしょうか。毎度毎度、まことに申し訳ありません。私も最近はすっかり図々しくなって、堂々と喜国さんを「ご指名」できるようになった次第です。よろしくお願いいたします。末筆ながら、光文社から一日も早くBDバッジが到着することをお祈りしております。
●BDバッジ
なんて見たこともない、とおっしゃる世代も多いことと思います。上記 URL でBDバッジの復刻版をご覧いただけます。この復刻版を入手したいとおっしゃる方は、お手数ですが下記のページの2月1日の項をお読みください。
http://www.e-net.or.jp/user/stako/banken-2001.html
■古本まゆ様
光文社版全集の紹介文の件、附録は無理ですが、『江戸川乱歩著書目録』の解題に引用することは可能かもしれません。解題の原稿を書くのはまだ先のことですから、ゆっくり考えてみたいと思います。ちなみに私は引用が大好きで、引用の巧みな書き手はそれだけで信頼できると頑なに思い込んでおり、引用上手は床上手、を座右の銘にしております。
■森英俊様
さっそくお知らせいただき、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
中さん
『黄金仮面』のカバー絵、牧秀人の手になるものです。
「上野図書館」ではなくて、「名張市立図書館」ですね。失礼いたしました。
中 相作さま
あまり何回も読み返したので、ほとんど記憶してしまっている紹介文も多いのですが、いゃ〜っ、やっぱ素晴らしいです。
上野図書館の第三集では、附録で「少年探偵団全集」の巻末の紹介文の全収録という訳にはいかないものでしょうか。
確かにポプラ社の版で実際に読んでみると、期待との落差はかなり大きかった?ですね。
■古本まゆ様
光文社の少年ものに収録された巻末の作品紹介、私もよく記憶しております。
昨年十月、名張市で北村薫さんと宮部みゆきさんの「ミステリ対談」なるイベントが催され、対談のあとご両所が名張市立図書館にお立ち寄りくださったのですが、乱歩コーナーの書棚から光文社の少年ものをすっと抜き出した北村さんは、
「これこれ、この巻末の作品紹介が怖いんだよね」
と宮部さんに説明して、紹介文を声に出してお読みになりました。それは『宇宙怪人』の一節でした。
《怪人は、もう二メートルほどのところへよってきました。銅仮面の、まっ黒な三日月がたの口が耳までさけてニヤニヤと笑っていました。なんともいえない、なまぐさいにおいがただよってきました。「キミ、フルエテイルネ」人間の声ではない言葉がきこえてきました。》
この「キミ、フルエテイルネ」は、乱歩の少年ものを代表する名科白です。北村さんも印象深く記憶していらっしゃったようです。もっとも北村さんは、読みあげたあとで、
「ね、怖いでしょ。実際読んでみると、たいしたことないんだけどね」
と身も蓋もないことをつけ加えていらっしゃいましたが。
ついでですから、『鉄塔の怪人』の紹介文もご紹介しておきましょう。
《どこかしらの山おくに、西洋のお城のような、恐しい鉄の塔がそびえているらしいのです。そしてその塔には、カブトムシを万倍も大きくしたような、せなかにがい骨のもようのある妖虫がウジャウジャすんでいるらしいのです。その数ひきが東京に姿を現わしました。》
『透明怪人』も行っときましょうか。
《大友君はあまりの恐しさに体がガタガタふるえてきました。自分の顔がなくなっていたのです。鏡にうつっているのは学生服だけ…大友君はいつか透明人間にされてしまったのです。一生目に見えない人間として暮さなければならないなんて恐ろしいことがあるでしょうか。》
『大金塊』をおまけに付けときます。
《「ししがえぼしをかぶるとき、からすのあたまのうさぎは三十、ねずみは六十…」奇怪な暗号にひきよせられてやってきた、離れ小島の地の底…聞えるのはゴウゴウとうずまく水の音ばかり。もう小林少年の胸のへんまでもジャブジャブとまっ黒な水がのぼってきたのです。》
ここいらでやめておきますが、あの作品の紹介文がぜひ読みたい、というリクエストがおありでしたらお気軽にお寄せください。
■岩堀様
『乱歩──キネマ 浅草コスモ座』で気になったことをお知らせしようと思っていたのですが、本日はもうここまでとして、勝手ながらあす以降に延期させていただきます。
まーた文章量が多すぎると注意されてしまいました。二分割といたします。
ああもう何から書いていいのやら。手近なところからまいります。
■森英俊様
お知らせありがとうございます。ご指摘の日本名探偵文庫9『黄金仮面』、これで発行日には三つの説が存在することになりました。下記の三つです。
A 昭和三十年二月十日
B 昭和三十年十月二十五日
C 昭和三十一年四月■日
Aは森さんがご所蔵の四版に、Bは新保博久さんと山前譲さんの編による江戸川乱歩著書目録(講談社『乱歩 下』所収)に、Cはポプラ社の所蔵資料に、それぞれ依拠しています。
ポプラ社の所蔵資料というのは、きのう記した秋山憲司さんがご所蔵の、同社が発行した書籍に関する記録のことです。公刊されているわけではありません。長くなりますが説明いたしますと、私は今年の春、ポプラ社から出た乱歩の本のリストをプリントして、秋山さんにお送りしました。はじめまして、乱歩の著書目録をつくっているのですが、ポプラ社の刊行分には不明な点がいっぱいあります、おわかりになるところはありませんか、草々、という寸法です。
むろん私は秋山さんとは一面識もなく、なんとも不躾な話ではあったのですが、秋山さんからはご丁寧なお電話をいただき、その後、お送りしたリストのブランクを埋め、誤りを訂正したものをご返送いただきました。ポプラ社からは百三十冊ほど乱歩の本が出ていますから、秋山さんにはたいへんなお手数をおかけしたことになるのですが、お礼としては三重県上野市東町橋本酒店の清酒「怪人二十面相」一・八リットル瓶を一本お送りしただけで、まことに心苦しく思っております。
もっとも、ポプラ社にも乱歩の本の現物は残されておらず、秋山さんがポプラ社の社史執筆のために記録しておられた(社史出版の話は流れてしまった由です)というそのデータも、発行日は年月までで日にちは不明、挿絵画家の名は控えてあるもののカバー画の担当者は不明、といった状態です。しかも、これはごく最近この掲示板をご覧の方からメールで教えていただいたのですが、出版社がつくる目録は「印刷台帳」なるものに基づいており、当該の書籍そのものからデータを写したものではないため、とくに発行日などに誤記が生じやすいとのことでした。秋山さんの記録も、あるいはそうしたたぐいのものなのかもしれません。
実際、手許の所蔵分とポプラ社所蔵資料ではデータに少なからず違いがあり、たとえば少年探偵江戸川乱歩全集1『怪人二十面相』は、手許の第七十八刷(昭和六十年十月三十日)では(ついでにいえば上記の新保さん山前さんの著書目録でも)、初版発行は昭和三十九年八月五日なのですが、ポプラ社の資料では同年七月と記録されています。この場合、流布していた本の奥付はやはり無視できませんので、『怪人二十面相』は昭和三十九年八月五日発行とし、ポプラ社の資料では七月発行である、という註記を添えてデータとしております。『江戸川乱歩著書目録』を本にする際にも、この註記は生かす予定です。
さて『黄金仮面』の件ですが、この本はいまだに見たことがありませんので、とりあえず秋山さんからお知らせいただいたデータに基づいていたのですが、森さんご所蔵の四版のデータに差し替えることにいたします。恐れ入りますがデータをお知らせください。手許で判明しているところは下記のとおりです。
黄金仮面 日本名探偵文庫9
【発行日】昭和三十年二月十日
【体裁】B6判 カバー 二五七頁
【意匠】カバー絵:■ さしえ:高木清
【内容】「黄金仮面」について/黄金仮面
【定価】一五〇円
【典拠】四版(昭和三十一年十一月二十五日)
よろしくお願いいたします。
こちらの掲示板では、喜国さんや小林さんからもポプラ社の本のデータをお知らせいただきましたので、それらを総合して整理し、秋山さんにもう一度プリントをお送りしてご確認いただくつもりです。そのさいのお礼は名張市本町木屋正酒造の清酒「乱歩幻影城」になるはずです。
●ポプラ社版少年探偵江戸川乱歩全集疾風篇補遺
ついでに記しておきます。昨日、《ポプラ社から少年探偵江戸川乱歩全集の第一巻として『怪人二十面相』が刊行されたのは昭和三十九年八月のことでした》と誤解の生じやすいことを書いてしまいました。オリジナルの少年ものがポプラ社から刊行された最初の例は、万さんもお書きのとおり昭和三十九年七月の『妖怪博士』と、もう一冊『青銅の魔人』です。同年七月と八月の刊行分を掲げておきます。
妖怪博士 少年探偵江戸川乱歩全集2
昭和三十九年七月三十日
青銅の魔人 少年探偵江戸川乱歩全集4
昭和三十九年七月三十日
怪人二十面相 少年探偵江戸川乱歩全集1
昭和三十九年八月五日
少年探偵団 少年探偵江戸川乱歩全集3
昭和三十九年八月五日
大金塊 少年探偵江戸川乱歩全集5
昭和三十九年八月五日
■万国博様
光文社の少年ものにおけるソフトカバーからハードカバーへの移行には、用紙の事情が大きく関係していたのではないでしょうか。戦後まもないころは本文用紙にしろ表紙の用紙にしろ良質な紙がありませんでしたから、へろへろの粗悪な紙による表紙がシリーズのフォーマットとして定着し、それが昭和三十年ごろから改められていったということではないかと思います。
それから、《当時光文社の経営陣は少年物の発行に理解が無かった》ということは寡聞にして知りませんでしたが、前後の事実にはぴたりと符合します。あるいは、「光文社の神吉晴夫」として『探偵小説四十年』にも特筆大書されている神吉晴夫が経営から身を引いた、みたいなことがあったのかもしれませんが、私にはよくわかりません。
出版社のお家の事情に妙に詳しい末永さん、何かご存じではいらっしゃいませんか。
喜国さん
うう、私も大衆文学館集めていますが、色々な方の助けを借りつつ、しかも一年
以上かかってようやくまだ道半ば。(たぶん六十冊くらい?)
自力ではほとんどストップ状態です。
もしかすると喜国さんと特に新古書店の狩り場が近いこともありますし、互いに
奪い合いをしていた可能性もありますね。……後半が特に辛いです。
今日は、平山です。
オーナー様、ちょっとこの場をかりて宣伝させて下さい。
かねてからの念願でありました、「山中峯太郎研究協会」の設立のご許可を御遺族からいただきました。つきましては、ここにそのお知らせをいたします。詳細につきましては上記リンクをご覧下さい。皆さまの多数の御参加をおまちしております。
大塚さん
講談社文庫大衆文学館ですが、あまりの定価の高さに発売当時は10冊ほどしか買ってなかったのですが、店頭から無くなると急に欲しくなるのが、古本者の性(さが)でして(笑)、最近はコレ目当てに、新古書店を回っています。で、半年かけて81冊。残りは19冊ですが、これが見つかりません。というか、81冊まできたのが奇蹟のようです。
中さん
手元にあるポプラ社日本名探偵文庫版の『黄金仮面』はあいにく第4版
なのですが、奥付を見ると4版の発行日が昭和31年11月25日で、昭和30年
2月10日が初版と記載されており、中さんのほうの把握している発行年月
とくい違っているようです。
小林文庫です。
お騒がせしましたが、プロバイダーの移転作業も無事完了し、通常通り「ゲストブック」「黒猫荘」にアクセスできるようになりました。
(って言うか、ホントウに接続できない時間が有ったのだろうか…?)
従来通り、ゲストブックをご利用下さい。
万 国博 さん
初登場、ありがとうございます。
万 国博 さんの書き込みのおかげで、乱歩の少年物出版の変遷が、すっきりと明らかになりました。
ありがとうございます。
実は、話題になっている、まさにこの時期に、私は乱歩の少年物を購入していたんです。
先日、蔵から発掘した(当時リアルタイムで買っていた)本を見ると、
光文社版 少年探偵全集「怪人二十面相」(昭和36年12月発行)
ポプラ社版 世界推理小説文庫「鉄人対怪人」(昭和37年7月発行)
ポプラ社版 少年探偵江戸川乱歩全集「少年探偵団」(昭和39年8月発行)
が含まれていました。
光文社版「怪人二十面相」には、昭和37年8月18日購入 と書きこまれていました。
なんで(購入した本の)出版社がバラバラなんだろうと思っていましたが、中さんの解説によれば、昭和37、38年頃にかけて、乱歩の少年物が手に入らない空白の期間があって、その間渇を癒すため、ポプラ社版「世界推理小説文庫」を買っていた、と言うことなんでしょうか?
(良く覚えてないけど…笑)
それにしても、少年探偵団手帳やBDバッヂなど、みんな持っていたはずなのに、どこかに消えてしまったのは、ホントウに残念です。
BDバッヂの復刻版だけでも買おうかなぁ(笑)
ノーネーム さん
「クイズ大人の小学校」は、私も偶然見てました。
(家に帰った直後で、最期の10分間くらいだけ見たんですが、最後の質問だったので見ることが出来た)
殆どの回答者が正解でしたね。間違った人は一人だけでしたっけ?
早速、掲示板で報告しようとしたら、既にノーネームさんの書き込みがありました。
素早いご報告、ありがとうございます。
やよい さん
SRマンスリー拝見。
(実は、私は隠れSRの会 会員です)
島田一男の処女作と満洲出版物の調査、素晴らしいことになっていますね。
それだけ調べられても解らない、島田一男の処女作って…
少し前に話題になった、乱歩・正史合作「女妖」の満洲日報での連載発見。
この新発見については、島田一男さんの満洲時代の執筆調査経過と併せて、「SR Monthly No.317」で発表されています。
勝手に、ご報告。
ふと気がついたら、掲題のシリーズが店頭から姿を消していました。
以前、講談社新書から著書を出していた音楽評論家から、絶版の際に、在庫裁断の同意書をとられ、自分の分だけ、今のうちに記念に持っていってくださいといわれたという話を聞いたことがありますが、やはり、在庫は無くなってしまうんでしょうか。
おはようございます。けさは起床が遅くなってしまいました。それにきょうは午前8時から正午ごろまでこちらの掲示板が利用できなくなるとのことですので、話題がてんこ盛りではあるのですが、NHKのクイズの話もBDバッジの話も村上一統の話も「一寸法師」の話も先送りして、ポプラ社版少年探偵団全集について記すことにいたします。
まず、例によってリストを示します。ポプラ社から出た乱歩の著作のうち、昭和二十八年から三十八年までの分です。オリジナルの少年ものは「新宝島」を改題した『黄金宮殿』一冊だけで、大人向け作品のリライト本と乱歩名義の翻訳本とがずらりと並んでいます。
黄金仮面
昭和二十八年十一月五日
黄金宮殿(新宝島)
昭和二十九年五月十五日
人間豹
昭和二十九年十一月三十日
海底の黄金 世界名作探偵文庫8
昭和二十九年十一月■日 作:ボアゴベイ
暗黒街の恐怖 世界名作探偵文庫15
昭和三十年五月五日 作:マッカレー
呪いの指紋(悪魔の紋章) 日本名探偵文庫1
昭和三十年八月五日
快傑ドラモンド 世界名作探偵文庫25
昭和三十年十月三十一日 作:サッパー
灰色の幻 世界名作探偵文庫28
昭和三十年十二月二十五日 作:ハーマン・ランドン
赤い妖虫(妖虫) 日本名探偵文庫12
昭和三十一年二月二十五日
海峡の秘密 世界名作探偵文庫10
昭和三十一年二月二十五日 作:クロフツ
黄金仮面 日本名探偵文庫9
昭和三十一年四月■日
大暗室 日本名探偵文庫21
昭和三十一年十二月三十日
魔術師 名探偵明智小五郎文庫1
昭和三十二年十月三十日
黒いトカゲ(黒蜥蜴) 名探偵明智小五郎文庫2
昭和三十二年十二月三十日
緑衣の鬼 名探偵明智小五郎文庫3
昭和三十三年三月二十五日
地獄の仮面(吸血鬼) 名探偵明智小五郎文庫4
昭和三十三年六月十日
三角館の恐怖 名探偵明智小五郎文庫5
昭和三十三年七月二十五日
呪いの指紋(悪魔の紋章) 名探偵明智小五郎文庫6
昭和三十三年八月二十日
暗黒星 名探偵明智小五郎文庫7
昭和三十三年九月二十五日
蜘蛛男 名探偵明智小五郎文庫8
昭和三十三年十一月十日
地獄の道化師 名探偵明智小五郎文庫9
昭和三十四年一月五日
幽鬼の塔 名探偵明智小五郎文庫10
昭和三十四年二月二十五日
大暗室 名探偵明智小五郎文庫11
昭和三十四年三月二十五日
一寸法師 名探偵明智小五郎文庫12
昭和三十四年四月十日
赤い妖虫(妖虫) 名探偵明智小五郎文庫13
昭和三十四年四月三十日
時計塔の秘密(幽霊塔) 名探偵明智小五郎文庫14
昭和三十四年八月十日
影男 名探偵明智小五郎文庫15
昭和三十五年四月三十日
黄金仮面 少年探偵小説全集1
昭和三十五年十月十日
人間豹 少年探偵小説全集2
昭和三十五年十一月五日
白い羽根の謎(化人幻戯) 少年探偵小説全集7
昭和三十六年二月二十日
第三の恐怖(暗黒街の恐怖) 世界推理小説文庫1
昭和三十七年五月■日 作:マッカレー
怪船771号(海峡の秘密) 世界推理小説文庫3
昭和三十七年五月■日 作:クロフツ
海底の黄金 世界推理小説文庫8
昭和三十七年七月■日 作:ボアゴベイ
鉄人対怪人(怪傑ドラモンド) 世界推理小説文庫10
昭和三十七年七月三十日 作:サッパー
あばかれた秘密(灰色の幻) 世界推理小説文庫11
昭和三十八年四月五日 作:ハーマン・ランドン
あー時間がない時間がない。
急いで先をつづけますと、光文社から刊行された乱歩の少年ものはたいへんよく売れました。いわゆるドル箱です。だからポプラ社としても、なんとかして乱歩の本を出したかった。で、少年雑誌に「黄金仮面」のリライト(執筆は武田武彦)が連載され始めたとき、ポプラ社の青年編集者が乱歩のもとを訪れて、「黄金仮面」のリライトをうちから出させてくださいませんかと頼み込みました。しかし乱歩は、少年ものは光文社から出すことに決まっている、とにべもありません。青年はそれでも週に一度は乱歩邸に足を運ぶのですが、乱歩は二度目からは顔を見せようともせず、かわりに乱歩夫人が、いくらお見えになっても駄目なものは駄目だと申しておりますので、みたいなことをくりかえすばかりです。しかし読者諸君、熱誠はいつか巖をも穿つのであります。ある日、乱歩邸を訪れた青年の前に思いがけず乱歩が現れ、君には根負けしたよ、「黄金仮面」はポプラ社から出すことにしよう、と微笑みかけたのでありました。
といった事情はその青年編集者、現在はポプラ社を退職された秋山憲司さんがポプラ社の少年探偵・江戸川乱歩第6巻『地底の魔術王』(1998年11月刊。最新のリニューアル版です。秋山さんはこの全集の編集委員のお一人でもあります)に収録された「乱歩先生のこと」に記していらっしゃるのですが、この『黄金仮面』を皮切りとして、ポプラ社からは上に掲げたリライトものと翻訳ものが相次いで刊行され、これがまたよく売れたと申します。そして昭和三十七年、つまり、講談社の少年探偵団全集の五巻だけが昭和三十六年十二月に刊行された、その翌年のことを、秋山さんはこのように書いておられます。
《一方、光文社の『少年探偵・江戸川乱歩全集』は、一九六二(昭和三十七)年になるとなぜか書店の店頭から姿を消してしまいました。このことを乱歩先生にお話しすると、早速、光文社に問い合わせて下さいました。すると「当分出版の意思はないので権利を譲ってもよい」という返事だったので、『少年探偵』シリーズはポプラ社から引き続き発行されるようになったのです。》
ポプラ社から少年探偵江戸川乱歩全集の第一巻として『怪人二十面相』が刊行されたのは昭和三十九年八月のことでした。
というところで、ちょうど時間となりました。
■中相作様
この度は、詳細なる調査、誠にありがとうございました。いたみ入ります。
多くの江戸川乱歩サイトを検索しても晴れなかった、これまでの疑問が全て解決致しました。
単行本、痛快文庫、ソフトカバー版、ハードカバー版、少年探偵団全集がどのような形で発行されて行ったかが
大変よく理解できました。
しかし、通常ハードカバーからソフトカバーにマイナーチェンジされるのが一般的だと思っていたのですが、
実はソフトカバー版で出版されていたものが、昭和30年頃を境に逆にハードカバーに変更されて行ったとは、
自分自身大変な誤解をしていました。ソフトカバーの方が副産物的存在だと思い込んでいたのです。
確かにこのシリーズ、私が持っているソフトカバー版の「(4)大金塊」「(5)青銅の魔人」は、発行がいず
れも昭和20年代でしたし、ハードカバー版の「(3)妖怪博士」は昭和32年の発行となっていました。
「少年探偵団全集」の存在については大変驚きました。光文社版では未刊でポプラ社が発行した「電人M」等が、
昭和36年に開始した光文社「少年探偵団全集」で発行される予定になっていたとは。
それが、5巻発行したところで途絶してしまったのは、本当になぜだったのでしょうね?
当時光文社の経営陣は少年物の発行に理解が無かったと聞きます。この辺は、後に少年」が休刊してしまったこと、
光文社が少年向週間誌に参入しなかったこと、少年向け出版物の発行を縮小してしまったこと、ドル箱のはずの
「江戸川乱歩全集」の版権をポプラ社に譲ってしまったことからも容易に推察されます。
実は、最近入手した「少年探偵手帳・完全復刻版」に「少年探偵団全集」の広告写真が載っていました。最初見た
ときは「少年探偵・江戸川乱歩全集」の事だと思って気にしていなかったのですが、今回の中さんの報告を見させ
ていただきまして、すぐ読み直して見ました。確かに「電人M」「妖星人R」「超人ニコラ」がラインナップされ
ていました(リニューアル版だったんですね)。それには、「お正月までに4冊、後は毎月2冊出る」と書かれて
いましたから、年明けて昭和37年の始めに「青銅の魔人」1冊出して途絶してしまった事になります。
ポプラ社から最初の少年探偵団シリーズ「妖怪博士」が発行されたのは昭和39年7月、光文社の「少年探偵団全
集」が途絶して約2年と半年あまり。本の出版において、企画から発行までいったいどれくらい期間を要するもの
なのか分かりませんが、これは、やはり、光文社は全集のリニューアルを企画したものの、ポプラ社への版権譲渡
の話から、このシリーズは途絶してしまったものと思われます。
版権譲渡の話がいったいどちら側から出たものかは不明ですが、ポプラ社は、これまでに「明智小五郎文庫」など
で大人向け小説のリライト版を出していましたから、ぜひとも少年探偵シリーズも自分の所で出版したいと狙って
いたのでしょうね。
それから、さらに最近入手した小学館発行「小学六年生」昭和32年1月号に、武田武彦脚色による「大暗室」が
掲載されていました。
掲載分をポプラ社発行の氷川瓏リライトによる「名探偵シリーズ・大暗室」と比較してみましたが、「小学六年生」
が文章的にいくらか削ってはいたものの内容的にほとんど同じで、登場人物も同じでした。「名探偵シリーズ・大
暗室」の改訂前の「日本名探偵文庫1・大暗室」が昭和31年発行となっていますから、この双方に何らかの関係
があることは確実なんだと思いますが、少年探偵シリーズの雑誌掲載分データは、これまで詳細が出ていましたが、
さすが、リライト版の雑誌掲載分に関しては、詳しいデータはどこからも出ていなかったと思います。まったく訳
が分からず、混乱しています。
しかし、「小学六年生」に「大暗室」の連載とは、小学館もかなり思い切ったことをしていたんですね。
では、この辺で。失礼致します。
中様
「一寸法師」世評の件、早速のレス有難う御座います。やはり、評判は
良かったんですね。
こういう時に「貼雑年譜」の有無の差が出てきますね。女房を口説き落と
してでも買えばよかった・・・(泣)
>『乱歩──キネマ 浅草コスモ座』では、乱歩が最初の休筆に至った経緯と
>背景をわかりやすく説明するために、「読者の顰蹙」というささやかな虚構が
>盛り込まれたのではないでしょうか。
たしかに、この本はノンフィクション風ではありますが、フィクションがさり
げなく入っているようです。乱歩と海野十三が、浅草の「深夜の散歩」を楽しん
だ話が出てきて、私はこれもフィクションかと思ったりしたのですが、こちらは
海野十三の思い出として「探偵小説四十年」にも載ってましたね。
中 相作さま 喜国雅彦さま
この話題、懐かしいです。 BDバッチは当時もらいました。若気のいたりで、この全集を手放してしまったことを悔やみ続けています。
巻末の各巻の紹介の文章が素晴らしく、それを何回も読み返して未読の巻に想いをはせたものでした。余程優れた編集者が編纂していたのでしょうね。
もう一度買いたいけど、古本でもなかなか出てきません。
日下です。
> 村上芳正というのは角川文庫版赤江瀑作品の装幀を手がけていた人では
>ないか、と思って確認してみたのですが、装幀者は村上昴という人でした。
>やはり村上一統の親戚筋なのでしょうか。
村上芳正が改名して村上昂です。血縁関係があるかどうかは
知りませんが、村上豊とは別人です。
中さん
>この全集は五巻までで杜絶しています。理由はよくわかりません。
函版というヤツですね。BDバッジ引換券がついていました。ちなみに僕はこの引換券3枚持っているので、バッジがもらえます。光文社に送らなきゃ。ルンルン
■喜国雅彦様
何度もお手数をおかけして申し訳ありませんでした。
村上芳正というのは角川文庫版赤江瀑作品の装幀を手がけていた人ではないか、と思って確認してみたのですが、装幀者は村上昴という人でした。やはり村上一統の親戚筋なのでしょうか。ちなみに私は中一弥さんとは何のゆかりもない者です。中勘助とも無縁ですが、ロリコンの気は多少あります。
■岩堀様
乱歩の「一寸法師」が発表当時、読者から非難されたという話は聞いたことがありません。『探偵小説四十年』をはじめとした乱歩の回想にも記されていませんし、『貼雑年譜』にもそうしたスクラップは見当たりません。『貼雑年譜』に乱歩はこう書いています。
《「一寸法師」ハ支離滅裂ノ悪作デアツタガ、東西「朝日」二百万ノ読者ノ目ニ触レタトイフワケデ世評ニモノボリ、江戸川ノ名ハ有名ニナツタガ、映画化モ松竹ト直木君ノ会社ト二ツカラ申込ガアツタ。》
読者からは好評をもって迎えられたのではないかと思います。少なくとも、明らかに不評であったということを示す資料は見つかりません。『乱歩──キネマ 浅草コスモ座』では、乱歩が最初の休筆に至った経緯と背景をわかりやすく説明するために、「読者の顰蹙」というささやかな虚構が盛り込まれたのではないでしょうか。作者の勘違いという可能性もありますが。
■森英俊様
ご丁寧にありがとうございました。
「中学生の友」付録の「幽霊塔」は、いまだに見たことがないのですが、乱歩の手書き目録によれば氷川瓏によるリライトです。講談社の少年版江戸川乱歩選集は、たしか六作とも書き下ろしでリライトされたのではないかと思います。それにしても、学習誌の付録までご所蔵でいらっしゃるとは。驚き入っております。いずれまた付録版「幽霊塔」のことでお訊きしなければならぬことが出てくるかもしれません。どうか紛失譲渡売却はなさらないでください、とお願いしておきたいと思います。
■金光寛峯様
今後ともお気づきの点はお気軽にお知らせください。「日本古書通信」の「古書番付」、さっそく見てみることにいたします。これもたぶん“乱歩文献”だと思います。
■ノーネーム様
どうもお知らせありがとうございます。「クイズ日本人の質問」ではなくて「クイズ大人の小学校」でしたか。そんな番組があることすら知りませんでしたが、われながらとんでもないガセネタでした。いやお恥ずかしい。そういえば私は、NHK スタッフの方と電話で話していて、番組名を一度たりとも話題にしませんでした。
ここで事情を振り返りますと、ある日、午後7時ごろだったでしょうか、自動車で一時間あまりかかる出先から帰宅しましたところ、名張市立図書館からファクスが入っておりました。これがまたじつに莫迦なファクスで表裏を間違えて送信されており、つまり太目の水性ペンで書いた文章がうっすら裏文字になっている、というしろものです。受信した時点で家人がその旨を名張市立図書館に電話したところ、「クイズ日本人の質問」スタッフから問い合わせがあり、一度電話が欲しいと依頼があったとのことでした。そこで私は先方から指定された電話番号をプッシュしました。
ピポパプペピポポパペポ。
以下あすにつづきます。こんなものをつづけてどうする、とは思うのですが。
■皆様
「クイズ日本人の質問」の件、ノーネーム様からのご教示によって、天をも怖れぬガセネタであったことが判明いたしました。重々お詫びを申しあげます。平身低頭、恐惶頓首。
先程(8月16日、21:00〜22:00)NHKテレビ「クイズ大人の小学校」を見ていたら、ラストに中様がおっしゃっていた、乱歩のラーメン屋の問題が出ていました。
「クイズ日本人の質問」ではなかったのですね。
資料的なことはまったく出てきませんでした。
中さん、こんばんわ。
日本児童文学大系のこと:
> お知らせ感謝いたします。版元に問い合わせても不明、ということがわかって、いっそすっきり
>いたしました。手も足も出ませんので、とりあえず「セット販売、価格不明」ということにしてお
>きます。セット販売だから月報なんてなかっただろうと、こちらもとりあえずそういうことにして
>おきたいと思います。
あんなものでも参考になったのでしたら、儲けものでした。
さておいて。
「日本古書通信」8月号には同誌名物企画(?) 古書番付が。今回は探偵・推理小説版。乱歩は堂々と
したものですが、個人的には中菱一夫(平井呈一)『真夜中の檻』が前頭なのに驚きました。そんな
に人気があったのか…
このリスト面白いですねぇ。「よし、これ全部集めるぞ」と熱くなる猟書派もいるのでしょうか。
管理人さま、ぜひデータベースに登録されては?
末永さん
九鬼紫郎の件、ご教示ありがとうございました。伝奇時代物は手の届く
値段の範囲内でぼちぼち集めていますが、まだ道のりは長そうですね。現
代物よりはリーダビリティがあればよいのですが。
中さん
少年向けの『幽霊塔』といえば、小学館の学習雑誌『中学生の友』の
1956年4月号の付録〈中学生新書3〉が乱歩の『幽霊塔』になっています。
長さからいって完全にリライトのようですが、講談社版と同じテキストか
どうかは、後者を持っていないのでなんともいえません。
ちなみに付録のほうは「それは今から四十年あまりも昔、大正のはじめの
できごとである」で始まり、「幽霊塔の鐘は、それからのち、ひときわさえ
た音色を大空にひびかせて、鳴りわたるのだった」で終わります。
■喜国雅彦様、岩堀様、森英俊様
どうもありがとうございます。あまり時間がありませんので、また明朝、あらためてご挨拶を申しあげることにいたします。それでは。
▼少年探偵江戸川乱歩全集の厚さの差について
少年探偵江戸川乱歩全集は、ある時期まではソフトカバーで刊行されていたようですが、判型やページ数に変更はないと思われます。
手許に『怪奇四十面相』の三版(昭和二十八年)と十版(昭和三十一年)があるのですが、両者の本の厚さ(のことを一般に、束、と呼びます。つか、と読みます)は歴然と異なっています。万さんの表現に従うならば一・五センチと二・五センチの差があるのですが、この差は本文用紙の厚さの違いによって生じたもので、ほかに違いはありません。
ご参考までに、ソフトカバー版で所蔵していらっしゃる『大金塊』と『青銅の魔人』、上のリストと一部重複しますが、ハードカバー版のデータを掲げておきます。
大金塊 少年探偵江戸川乱歩全集4
【発行日】昭和二十四年六月二十日
【体裁】B6判 カバー 一九七頁
【意匠】装幀・挿絵:松野一夫
【内容】大金塊
【典拠】十七版(昭和三十一年六月二十日、一二〇円)
青銅の魔人 少年探偵江戸川乱歩全集5
【発行日】昭和二十四年六月二十日
【体裁】B6判 カバー 二〇二頁
【意匠】装幀:松野一夫 挿絵:山川惣治
【内容】青銅の魔人/小林少年のこと
【典拠】十六版(昭和三十一年四月五日、一二〇円)
それでは、ソフトカバーからハードカバーにマイナーチェンジが行われたのはいつのことであったのか。そんなことが正確にわかるわけはないのですが、昭和二十九年十二月の『鉄塔の怪人』まで、ソフトカバー版の存在が確認できるようです。
手許にある初版即ハードカバー本のもっとも古いのは昭和三十年十二月の『海底の魔術師』ですから、どうやら昭和三十年ごろを境として、新刊や増刷分がハードカバーに切り替えられていったものと考えられます。
▼少年探偵団全集
ついでにお知らせしておきますと、光文社は昭和三十六年になって少年探偵江戸川乱歩全集のリニューアルを図ったらしく、その名も「少年探偵団全集」の刊行を始めました。
上記の二十三巻に『電人M』『妖星人R』『超人ニコラ』の三巻を加え、乱歩の少年ものをすべてカバーする陣立てが構想されていましたが、この全集は五巻までで杜絶しています。理由はよくわかりません。
以上、たたたーっと調べた結果をお知らせ申しあげます。何かありましたらまたお問い合わせください。
▼少年探偵江戸川乱歩全集
さて、『怪人二十面相』から『虎の牙』まで、上記六作があとになって「少年探偵江戸川乱歩全集」の1から6としてリニューアルされるのですが、それに際して奥付に操作が加えられています。つまり六冊すべて、過去に遡って初版発行日が設定されている、ということです。
全集版の初版発行日が単行本および痛快文庫版のどれを踏襲しているのかを示すと、次のようになります。
『怪人二十面相』『少年探偵団』 → 単行本『少年探偵団』の発行日
『妖怪博士』 → 単行本『妖怪博士』の発行日
『大金塊』『青銅の魔人』 → 痛快文庫『大金塊』の発行日
『虎の牙』 → 痛快文庫『青銅の魔人』の発行日
ですから矛盾が生じてきて、たとえば『虎の牙』は、初刊本(少年探偵全集)発行が昭和二十五年十二月一日なのですが、少年探偵江戸川乱歩全集6『虎の牙』(十四版)の奥付では昭和二十四年十一月五日に初版が発行されたことになっています。この作品が「少年」に連載されたのは昭和二十五年のことですから、前年十一月に本が出ていたはずはありません。
といったことを前置きしたうえで、少年探偵江戸川乱歩全集のタイトルと発行日を以下に列記します。装幀と挿画のデータも加えます(装幀というのはこの場合、要するにカバー画のことです)。
怪人二十面相 少年探偵江戸川乱歩全集1
昭和二十二年七月五日 装幀:松野一夫 挿絵:伊勢田邦彦
少年探偵団 少年探偵江戸川乱歩全集2
昭和二十二年七月五日 装幀:松野一夫 挿絵:伊勢田邦彦
妖怪博士 少年探偵江戸川乱歩全集3
昭和二十三年四月二十日 装幀:松野一夫 挿絵:伊勢田邦彦
大金塊 少年探偵江戸川乱歩全集4
昭和二十四年六月二十日 装幀・挿絵:松野一夫
青銅の魔人 少年探偵江戸川乱歩全集5
昭和二十四年六月二十日 装幀:松野一夫 挿絵:山川惣治
虎の牙 少年探偵江戸川乱歩全集6
昭和二十四年十一月五日 装幀:松野一夫 挿絵:山川惣治
透明怪人 少年探偵江戸川乱歩全集7
昭和二十六年十二月二十日 装幀:松野一夫 挿絵:梁川剛一
怪奇四十面相 少年探偵江戸川乱歩全集8
昭和二十七年十一月十五日 装幀:松野一夫 挿絵:伊勢田邦彦
宇宙怪人 少年探偵江戸川乱歩全集9
昭和二十八年十二月五日 装幀:松野一夫 挿絵:梁川剛一
鉄塔の怪人 少年探偵江戸川乱歩全集10
昭和二十九年十二月二十日 装幀:松野一夫 挿絵:梁川剛一
海底の魔術師 少年探偵江戸川乱歩全集11
昭和三十年十二月一日 装幀:松野一夫 挿絵:谷俊彦
灰色の巨人 少年探偵江戸川乱歩全集12
昭和三十年十二月一日 装幀:松野一夫 挿絵:中村猛男
天空の魔人 少年探偵江戸川乱歩全集13
昭和三十一年九月一日 装幀:松野一夫 挿絵:古賀亜十夫
魔法博士 少年探偵江戸川乱歩全集14
昭和三十一年十一月二十日 装幀:松野一夫 挿絵:古賀亜十夫
黄金豹 少年探偵江戸川乱歩全集15
昭和三十一年十一月二十日 装幀:松野一夫 挿絵:中村猛男
妖人ゴング 少年探偵江戸川乱歩全集16
昭和三十二年十一月十五日 装釘:松野一夫 挿絵:白井哲
サーカスの怪人 少年探偵江戸川乱歩全集17
昭和三十二年十一月十五日 装釘:松野一夫 挿絵:中村猛男
魔法人形 少年探偵江戸川乱歩全集18
昭和三十二年十一月十五日 装釘:松野一夫 挿絵:石原豪人
夜光人間 少年探偵江戸川乱歩全集19
昭和三十三年十二月五日 装丁:松野一夫 挿絵:岩井泰三
奇面城の秘密 少年探偵江戸川乱歩全集20
昭和三十三年十二月五日 装丁:松野一夫 挿絵:中村猛男
塔上の奇術師 少年探偵江戸川乱歩全集21
昭和三十三年十二月五日 装丁:松野一夫 挿絵:石原豪人
仮面の恐怖王 少年探偵江戸川乱歩全集22
昭和三十四年十一月三十日 装丁:松野一夫 挿絵:中村猛男
鉄人Q 少年探偵江戸川乱歩全集23
昭和三十五年九月十日 装丁:松野一夫 挿絵:深尾徹哉
以上、この全集は全二十三巻です。
念のために再度申しておきますと、上記のうち『怪人二十面相』から『虎の牙』までの六冊は、少年探偵江戸川乱歩全集版の初版というものは存在しないはずです。
文章量が多すぎて一度に送信できません。分割してお送りいたします。
■万国博様
というお名前は、はたしてご本名なのでしょうか。いやそんなことはどうでもよろしいのですが、お尋ねの件、怒濤の勢いで調べてみました。といったって、実際にはデータベースソフトを操作するだけの話です。調べはすぐにつきました。判明したところを記します。
▼少年探偵団シリーズ
まず乱歩の少年ものについて確認しておきますと、戦前には四作が大日本雄弁会講談社から刊行されています。『怪人二十面相』『少年探偵団』『妖怪博士』『大金塊』の四冊です。
戦後は、昭和二十四年に「少年」(光文社から出ていた月刊誌)に連載された「青銅の魔人」で少年ものの執筆が再開され、戦前の四作も含めて光文社から本が出されるようになりました。
戦後まもないころの刊行分は次のとおりです。ご所望の装幀・挿画のデータもあわせてお知らせします。
怪人二十面相
昭和二十二年六月五日
少年探偵団
昭和二十二年七月五日 挿絵:梁川剛一
妖怪博士
昭和二十三年四月二十日
大金塊 痛快文庫
昭和二十四年六月二十日 画:松野一夫
青銅の魔人 痛快文庫
昭和二十四年十一月五日 装幀:松野一夫 挿絵:山川惣治
虎の牙 少年探偵全集2
昭和二十五年十二月一日 装幀:中尾進 挿絵:山川惣治
▼痛快文庫
上のリストのうち『怪人二十面相』『少年探偵団』『妖怪博士』は、初版ではどこにも「痛快文庫」と書かれていないのですが、あとになって痛快文庫に組み入れられたようで、『怪人二十面相』から『青銅の魔人』までの五冊が痛快文庫に入っていたことが、同文庫のリストを掲げた広告から知られます。
『怪人二十面相』初版の表紙は、下記のページでご覧いただけます。
http://pro3.project.mnc.waseda.ac.jp/sobun/e/ee004/ee004a04.htm
当方の手許には『怪人二十面相』の重版(昭和二十三年六月)があるのですが、この表紙には「痛快文庫」と印刷されています。したがって、痛快文庫の創設は昭和二十三年六月以前で、ただし『妖怪博士』初版が出た同年四月までは遡らない、といったあたりではないかと考えられます。
造本はいずれもソフトカバーです。
▼少年探偵全集
上記の六冊目、『虎の牙』が入った「少年探偵全集」は乱歩単独のシリーズではなく、ラインアップは1が島田一男『怪人緑ぐも』、2が『虎の牙』、3が香山滋『Z・9』であったことが、やはり広告から知られます。
中さん
『アガサ・クリスティー読本』はもともとH・R・F・キーティング
が編集した Agatha Christie: First Lady of Crime(1977)が元本で、
これに出版元の早川書房が日本作家の文章(乱歩)などを加えたもので
す。新版では、クリスティー作品の登場人物事典や書誌部分などに、
増補改訂があります。
中さんの乱歩文献関連でで北宋社が少し出ていましたが・・・
過日、高橋康雄「(キネマ 浅草コスモス座)乱歩」(北宋社)
という本を読みました。乱歩を中心に据えて、浅草を愛した人々と
その時代を描いたものです。
中に乱歩の「一寸法師」の事が出てくるのですが、この作品について、
「・・・素材がグロテスクということで、少なからず読者の顰蹙を買って
しまった・・・」「乱歩の休筆は『一寸法師』が反感を買ったというばかり
ではなかった。・・・」という記述が出ていました。
私は、乱歩が「一寸法師」を書いた後で、自己嫌悪に陥ったのは事実でも、
作品そのものは概ね好評であったと理解していますが、果たして上のような
事実もあったのでしょうか。気になりだすと、小骨が喉に引っかかったよう
な感じです。どなたか、スパッとした見解お持ちではありませんか。
本日で、お盆休み終了ですが、今年は二階堂さん「人狼城の恐怖」
4部作読みました。後書きに「世界最長の本格推理小説」と書かれていますが、
正味・連続4日で読了は本邦での最短記録ではないかと一人で満足しています。
一気呵成の読み方は、二階堂さんの意図には必ずしもそぐわないかもしれま
せんが、私は良かったと思っています。大変面白かったですから・・・。
中さん
調べ物に必ず抜けがある喜国でごんす。
『紅い花 青い花』 昭和五十三年七月二十日発行
『幻想飛行機』 昭和五十四年九月一日発行
江戸川乱歩集 昭和国民文学全集13
【発行日】昭和四十八年七月二十五日(初版第一刷)
【発行所】筑摩書房
【体裁】B6判 函 四七四頁 一丁
【意匠】装画:村上芳正
【定価】九八〇円
【内容】
孤島の鬼/パノラマ島奇談/陰獣/芋虫/押絵と旅する男/石榴/月と手袋/防空壕/堀越捜査一課長殿
江戸川乱歩年譜:中島河太郎/解説:福永武彦
【月報】 昭和国民文学全集付録3(八頁)
私の見た作家たち:和田芳恵/大衆文学逸史3 江戸川乱歩の交友:尾崎秀樹
【備考】昭和五十二年十二月に増補新版 「装幀:村上豊」
すみません。装幀者が同じと書きましたが、同じ村上性だったために間違えていました。冷や汗冷や汗。
元版の方は 装画:村上芳正
増補版は 装幀:村上豊 となっております。
どちらも1人仕事なのに、なぜ「装画」「装幀」と、使い分けているのやら。それからこの2人は全くの他人なのかしら。作風は全く違うけれど、親子とか。
こりゃもう、中さんが我が家に来て調べてもらった方が、早そうですね(笑)
お盆だと申しますのにお盆休みもあらばこそ。
きのうなど一日まるまる時間があきましたので一日まるまる乱歩著書目録のデータ整理に没頭したのですが、講談社「江戸川乱歩推理文庫」全六十五巻、データベースソフトに入力したデータと原本をつきあわせて間違いがないかどうかを確認するだけで日が暮れました。いや、実際には日が暮れるまでにビールを飲んでおりましたが、いずれにしてもじつに味気ない日常だという気がいたします。
■森英俊様
ご親切にありがとうございます。『アガサ・クリスティー読本』は手許にありません。いずれお訊きしようと考えておりました。とりあえず判明しているのは下記のようなことです。
アガサ・クリスティー読本
【発行日】昭和五十三年(1978)十二月二十五日(初版)
【発行所】早川書房
【著】H・R・F・キーティング他
【収録】クリスティーに脱帽
【備考】平成二年九月に新装版
新版アガサ・クリスティー読本
【発行日】平成二年(1990)九月三十日(新装版)
【発行所】早川書房
【著】H・R・F・キーティング他
【収録】クリスティーに脱帽
【備考】新装版。旧版は昭和五十三年十二月刊
後者は、正確には「改訂増補版」なのでしょうか。また、編者名は記載されておりませんでしょうか。ご確認いただければ助かります。
■喜国雅彦様
さっそくのお知らせ、ありがとうございます。
▽少年版江戸川乱歩選集 『幽霊塔』が「6」だということは、最初の版には見られなかった巻数の表示が改装版ではなされていると、そういうことになります。そんなこんなで、なんだか難儀な改装版です。
▽イメージの文学誌 ほんとにしつこくて申し訳ありません。『紅い花 青い花』と『幻想飛行機』、いまだ発行日が判明しておりません。よろしくお願いいたします。
▽ポピュラー・ブックス 5月発行という当方のデータはあまりあてになりません(二十五巻本の講談社版全集に収録された乱歩の著書目録から拾いました)。3月1日発行が正しいはずです。ナカグロの有無までちゃんとご確認いただいて、感謝に堪えません。
▽日本児童文学大系 金光さんからもお知らせいただきましたが、ご賢察のとおり「セット販売のみだった」みたいです。こうなると手も足も出ません。
▽昭和国民文学全集 月報はなかった。そういうことにいたします。これはもう確実になかったはずです。なかったなかった絶対なかった。ところで、お恥ずかしい話ながら、初版のほうもご所蔵でしたら、下記のデータをご確認いただけませんでしょうか。
江戸川乱歩集 昭和国民文学全集13
【発行日】昭和四十八年七月二十五日(初版第一刷)
【発行所】筑摩書房
【体裁】B6判 函 四七四頁 一丁
【意匠】装画:村上芳正 装幀:村上豊
【定価】九八〇円
【内容】
孤島の鬼/パノラマ島奇談/陰獣/芋虫/押絵と旅する男/石榴/月と手袋/防空壕/堀越捜査一課長殿
江戸川乱歩年譜:中島河太郎/解説:福永武彦
【月報】 昭和国民文学全集付録3(八頁)
私の見た作家たち:和田芳恵/大衆文学逸史3 江戸川乱歩の交友:尾崎秀樹
【備考】昭和五十二年十二月に増補新版
なんやかんやとお願いして、ほんとにどうも申し訳ありません。お暇なときによろしくお願いいたします。
■平山雄一様
相変わらずお世話になっております。おたよりはまだ到着いたしませんが、お手数をおかけしたロシアのお嬢さんによろしくお伝えください。
■金光寛峯様
お知らせ感謝いたします。版元に問い合わせても不明、ということがわかって、いっそすっきりいたしました。手も足も出ませんので、とりあえず「セット販売、価格不明」ということにしておきます。セット販売だから月報なんてなかっただろうと、こちらもとりあえずそういうことにしておきたいと思います。
■末永昭二様
ご教示、参考になりました。しかし「親本」という言葉を使用することには、何かひっかかりを覚えてしまいます。もうちょっと考えてみます。
■万国博様
お尋ねの件、光文社の「少年探偵江戸川乱歩全集」についてはある程度くわしいことがわかるのですが、関連データを整理照合しなければなりません。少し時間が必要です。日を改めてお知らせします。しばらくお待ちください。
>小林文庫オーナー様
11日は楽しい「黒猫荘」オフ会をありがとうございました。唐突にお邪魔したにもかかわらず、歓待していただきまして感激でした。あのとき頂戴したムック『少年画報大全』を手元に置いてニヤついております。昭和30年代までの少年漫画のパワーにわくわくさせられ、中でも『ビリーパック』(僕は昭和53年ごろに復刻版で読んだ口ですが)はいいなあ、これ何とかリバイバルできんかなあと夢想したりしました。
そして、あの……「新本格著書リスト」、当方の要らぬ差し出口にもかかわらず、さっそく更新いただきまして大汗をかいております。実際、ここに書名が掲載されてやっと一つの仕事が完結した気がするのです。本当にいろいろありがとうございました!
皆様初めまして。
私松野一夫の表紙絵が大好きで、光文社の江戸川乱歩「少年探偵」シリーズを収集
しております。
さて、集めていて気がついたのですが、この辺のシリーズは、私が知る限り3種類
程出版されていたようですが、それぞれの装丁や挿絵画家の違い、何巻まで出たの
か、そして、その位置付けなど、どなたか詳しくご存知の方おられませんでしょう
か?
(1)痛快文庫
★所持していないので、どんなものかまったくもって持って不明です。
どこかで見た写真には(「大金塊」だったと思います)、(2)のシリーズの
表紙の番号の所に「痛快文庫」と書いてあリました。それのことでしょうか?
こちらはハードカバー出来なのでしょうか?それともソフトカバー出来?
これまで幾つかの古書店の目録で見かけたことがありましたが、注文すると大体
売り切れ、いつもショックを受けています。
(2)少年探偵江戸川乱歩全集(ハードカバー版:厚さ約2.5Cm)
★「妖怪博士」「怪奇四十面相」「灰色の巨人」「サーカスの怪人」の3冊を持っ
ています。
この辺は、多くの本やHPに豊富なデータが掲載されておりますね。
雑誌などの乱歩特集でよく写真が載ります。
(3)少年探偵江戸川乱歩全集(ソフトカバー版:厚さ約1.5Cm)
★「大金塊」「青銅の魔人」を持っておりますが、いずれも昭和26年発行の第6
版で、この時点で、本の中の広告のリストには第5巻「青銅の魔人」まででした。
なにせ、古書店に注文して届いたのがこれだったのでびっくり、「これは、光文社
のポプラ社文庫みたいなものか!?」とまじまじと見てしまいました。
その後色々な所を調べてみたのですが、このソフトカバー版なる存在について書か
れてはおりませんでした。一見表紙は(2)のシリーズと同じなのですが、単にこ
のシリーズは本の厚さが薄いだけなのでしょうか?中身的には(1)や(2)と違
いはないのでしょうか?
重複したタイトルを持っていませんので、中身まで比較は出来ず、謎だらけで悔し
いの一言です。
そういえば、「大金塊」は、カバー絵だけでなく、中身の挿絵も松野一夫でしたが、
他のタイトルも松野一夫が挿絵を描いた物があるのでしょうか?
図々しくお願いして申し訳ございませんが、どうぞよろしくお願い致します。
中様。
「親本」は正式な用語ではないかと。
チャチな辞書には出ていませんが、Googleあたりで検索すると、専門的なサイトも引っ掛かりますね。
あまりお役に立ちませんですが、ご指名でしたので。
森様。
九鬼本では、『いなづま奉行』(昭和34年新文芸社)は、『稲妻左近捕物帳』(昭和27年同光社磯部書房)の再刊本ですね。紙型流用各編タイトルのみ象嵌訂正だったはずです。
中さん、こんばんわ。
>南洋一郎 江戸川乱歩 海野十三集 日本児童文学大系第二九巻
> 昭和五十二年十一月二十日 ほるぷ出版
別件でたまたまこの叢書(の、西條八十集)のことを調べておりまして、日外アソシ
エイツの各種書誌、『日本書籍総目録』(1977〜, 日本書籍出版協会編・発行)、
八十の著作目録などを当たってみたのですが分からず、出版社に電話をして尋ねて
いました。
丁寧に対応していただけたのですが、もう古いことなので資料も残っておらず記憶
もあいまいなのだがと断った上で、
「たしか第 1期と第 2期の 2回に分けて、10数巻づつ数万円のセット販売で
全30巻だったかを出したのだと思います」
というご返事。月報のことは聞くのを失念していました。
けっきょく私たちが調べている目録では、未だ「価格不明」のままです。
同叢書第 3巻が石井研堂・押川春浪集なので、ならば横田順彌・会津信吾共著
『快男児押川春浪 日本SFの祖』(1987.12, パンリサーチインスティテュート)
所収「押川春浪年譜・著書目録・参考文献」を参照すれば分かるかも−−
と、思いつつも怠慢のため未だ目を通しておりません…
こんなでも参考になりましたら幸いです。
唐突ですが、九鬼紫郎の伝奇時代小説が改題のうえ再刊されていることが
わかりました。
『黒潮大名』(同光社,1955)の再刊が『海賊大名』(同星社,1958)で
『海賊大名』の前編が『怪奇鉄仮面』(同星社,1958)ですから、
『黒潮大名』の前編だという『どくろ大名』(同光社,1955)は、
『怪奇鉄仮面』の改題再刊と見てまちがいないようです。
とにかく時代物の数がはんぱじゃないので、ほかにも改題本があるかも
しれません。
森さん、
かわりにどうもすいません。
中さん
以下のこと調べがつきました。
1『幽霊塔』少年版江戸川乱歩選集6のこと
発行日に「改定」などの表記はありません。「第1刷」と、あるのみです。これだから少年物は……
定価は550円。
2 北宋社 「紅い花 青い花」「幻想飛行機」のこと
「初版」でも「第一刷」でもなく「発行」です。2冊とも1800円
3『影男』のこと
僕の所持本では5月でなく3月1日となっています。「発行」です。
それから「ポピュラーブックス」ではなく「ポピュラー・ブックス」ですね。
新書判 243P 270円 装幀・司 修
「収録」 影男・月と手袋・堀越捜査一課長殿
4南洋一郎 江戸川乱歩 海野十三集 日本児童文学大系第二九巻のこと
「函付き」ですが、そこにも定価の記載はありません。「セット販売のみだった」のでは無いでしょうか。
「月報」はありませんでしたが、古本で買ったので判りません。
5江戸川乱歩集 昭和国民文学全集18のこと
月報は見当たりません。ただしこれも古本で買ったのですが、元パラ付きの美本(一緒に買った他の巻には売上票も付いていた)にも関わらず、月報は付いていなかったので、99パーセントの確率で「無い」と思います。
函・元パラ・本体の内容は元版と同じ・装幀は違いますが、装幀者は同じ・1400円
昭和四十八年七月二十五日 初版第一冊発行
昭和五十二年十二月二十日 増補新版第一刷発行
中さん
横レスですみません。『ポアロとミス・マープル』の編者は
矢野浩三郎と数藤康雄の両氏です。それから西武タイムズ版は、
2冊(ホームズ、EQとそのライヴァルたち)ですべてです。
それから早川書房の『アガサ・クリスティー読本』(初版、
改訂増補版とも)にも乱歩の文書が再掲されていますが、こち
らはご存じでしょうか?
■末永昭二様
そのようにおっしゃられますと、放送はまだ先なのかなという気もしてきます。以前も記しましたとおり NHK からのお問い合わせはなんだかのんびりしておりましたので、なるほどいまだ問題作成の段階であったのかとも思い返されます。とはいえその一方、いついっかの放送であると期限を切った話であったような記憶もあるのですが、私はとにかく電話というものが嫌いで、とくに相手が NHK 関係者の場合、受信料不払い闘争をしぶとく展開している身としてはできるだけ早く話を切りあげてしまいたく、放送日のことなど気にもとめなかった次第です。おかげでとんだご迷惑をおかけしてしまい、おおきに反省をしております。ともあれ当分のあいだ、「クイズ日本人の質問」からは眼が離せぬ仕儀に立ち至りました。それでも受信料は払いませんが。
そういえば昨日、これは大阪府守口市にあるというコミュニティ放送局「エフエムもりぐち」から、やはり乱歩に関して問い合わせのメールをいただきました。毎週月曜日放送の「なおちゃんのもりかど探偵団」という番組で、来週8月20日に乱歩と守口の関係をとりあげるそうです。とくに守口在住の乱歩ファンのみなさんに、この場をお借りしてお知らせしておきたいと思います。
ところで末永さん、ふと思いつきましたので率爾ながらお訊きしますが、文庫版の元になった本、つまり、最初に単行本として刊行され、それが文庫化された場合の、その単行本のことなのですが、これを「親本」と呼ぶことがあります。この呼称は、業界の隠語のようなものでしょうか、それとも、一般的な書誌の世界で通用している言葉なのでしょうか。
●乱歩著書目録全集月報の部
下記の二冊、ご所蔵の方はいらっしゃるでしょうか。
南洋一郎 江戸川乱歩 海野十三集 日本児童文学大系第二九巻
昭和五十二年十一月二十日 ほるぷ出版
江戸川乱歩集 昭和国民文学全集18
昭和五十二年十二月二十日 筑摩書房
『南洋一郎 江戸川乱歩 海野十三集』は本体のみ所蔵しているのですが、名張市立図書館がかつて市民に貸し出しをしていた本なので(貸し出しカードを入れたポケットがそのまま残っています)、函と月報の有無がわかりません。ついでに定価もわかりません。たぶん函に定価が記載されていたのだろうと思うのですが、ご存じの方はお知らせください。
『江戸川乱歩集』は増補新版で、昭和48年に出た旧版には月報がついていたのですが、この増補新版にも月報があったのかどうかが不明です。私は増補新版の『角田喜久雄・国枝史郎集』を所蔵していて、それには月報が見当たりませんので(棄てたか失くしたか、という可能性はむろんあります。しかし私は、本の帯は棄てますが月報は残しておくことにしておりますので、棄てたり失くしたりの可能性は低いはずです)、たぶんなかったのではないかと思われるのですが。
中様。
クイズはまだまだ先の放映ではないでしょうか。
ニセの答えを完備して、資料を作って(VTR取材をして)、お客さんを入れて収録、という手順のようですから。
ボツといえば、なんでも、問題としては面白くても、ニセの答えが3つ揃わなくてボツになるものが多いっていう話でした。
■平山雄一様、森英俊様
「名探偵読本」に関するご教示、感謝いたします。おかげさまで、このシリーズのデータは下記のとおり判明しました。平山さんにはお手数ながら、『ポアロとミス・マープル』の編者名をお知らせいただければと思います。
名探偵読本3 ポアロとミス・マープル
【発行日】昭和五十三年十二月十八日
【発行所】パシフィカ
【編】■
【収録】クリスティに脱帽
名探偵読本4 エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち
【発行日】昭和五十四年三月六日
【発行所】パシフィカ
【編】石川喬司、山口雅也
【収録】カー問答
【備考】昭和六十二年五月に追訂・新装版
名探偵読本8 金田一耕助
【発行日】昭和五十四年十一月十二日
【発行所】パシフィカ
【編】中島河太郎
【収録】「俳諧殺人」の創意──「獄門島」を評す
名探偵読本2(←ローマ数字の2) エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち
【発行日】昭和六十二年五月八日
【発行所】西武タイム
【編】石川喬司、山口雅也
【収録】カー問答
【備考】追訂・新装版。旧版は昭和五十四年三月刊
西武タイムの刊行分については、ひきつづき情報提供をお待ちいたします。
●クイズ日本人の質問
昨夜の放送分でも、乱歩に関する出題はありませんでした。やはりボツになったと見るべきでしょう。どんな問題だったかをお知らせしておきますと、これはもうこちらの掲示板をご覧の方にはクイズにもならぬほど周知の事実なのですが、乱歩は作家デビュー前に屋台のラーメン屋を営んでいたことがある、というのが出題の眼目で、四択の答えのひとつが江戸川乱歩になるとのことでした。つまり、次のような問題と回答が想定されていたように思います。
Q 次の四人のうち屋台のラーメン屋を経営したことがあるのは誰でしょう。
A 江戸川乱歩 陳舜臣 邱永漢 王貞治
NHK からのお問い合わせは、乱歩がラーメン屋を経営していたことがわかる資料は何かとのことでしたので、『わが夢と真実』に収められた「小説を書くまで」のコピーをファクスでお送りいたしました。あまり面白い問題ではありませんし、もしかしたら文中にある「支那ソバ屋」という表現が忌避されたのかなとも思いますが、そんなことはともかくとして、「クイズ日本人の質問」と巨人ヤクルト戦との双方にせわしなくチャンネルを切り替えながらテレビをご覧になった方もいらっしゃることでしょう(私はそうでした)。重ねてお詫びを申しあげます。
中さん
パシフィカの名探偵読本は最初にお金をもらった原稿を書いたシリーズ
だったので、ちょっと思い出ぶかいものがありますね。
さて、同シリーズ『名探偵読本8 金田一耕助』(中島河太郎編,
1979年11月12日発行)に、「『俳謔殺人』の創意──『獄門島』を評す」
が144から145頁にかけて掲載されています。
>×名探偵読本 クリスティー
> 昭和五十三年十二月■日
「名探偵読本3,ポアロとミス・マープル」1978年12月18日となっています。ちなみにp25-31の「クリスティに脱帽」ですね。
このシリーズはのちに西武タイムから「シャーロック・ホームズ」など一部が復刊されています。私のもっているのはホームズだけでして、カバー袖にクイーンはもう出ていて、「ポアロ…」は近刊となっていて、出たかどうかはわかりません。すいません。
それから亀レスですが、ソ連の本、ロシアの友人が調べてくれました。
出版年は1961年4月16日、モスクワの出版社ですが、キリル文字ですので直接手紙でその名前は送ります。
■喜国雅彦様
何度も申し訳ありません。カバー版『幽霊塔』の奥付には、「新装第一刷」とでもいった記載があるのでしょうか。あわせてお知らせいただければ幸甚です。
■ Dupin 様
ご無沙汰いたしました。どうもありがとうございます。昨夜メールでお知らせいただいた方があり、少年倶楽部文庫の初版定価が判明しました。
怪人二十面相 昭和五十年十月十六日 三〇〇円
少年探偵団 昭和五十年十一月十六日 二八〇円
お手数をおかけしました。今後ともよろしくお願いいたします。
■喜国雅彦様
となりますと、カバー版『幽霊塔』の書誌データは次のようなものでしょうか。
幽霊塔 少年版江戸川乱歩選集
【発行日】昭和四十九年五月二十日
【発行所】講談社
【体裁】B6判 カバー 二二二頁 一丁
【定価】■円
【意匠】表紙・口絵:生頼範義 さし絵:長谷川晶 装丁:水野石文
【作品編集】中島河太郎
【内容】幽霊塔/「幽霊塔」について:中島河太郎
【備考】扉に「江戸川乱歩・作/中島河太郎・文」と記載
えー、それから、まことに申しあげにくいのですが、以前お知らせいただきました北宋社のアンソロジー、下記の二点の発行日をお調べいただけませんでしょうか。またこの二点、奥付の記載は「初版」「第一刷」などのうちどれになっているでしょうか(といったことも押さえたいと、つい先日思いついた次第でして)。
紅い花 青い花
昭和五十三年七月■日 監修:吉行淳之介 編:堀切直人 「毒草」収録
幻想飛行機
昭和五十四年九月■日 監修:埴谷雄高 編:堀切直人 「空襲の美観」収録
お暇なおりによろしくお願いいたします。
●桃源社の部
ひきつづき乱歩の著書についてお尋ねいたします。
乱歩没後に桃源社から出た著書は次の三点らしいのですが、×マークのものが未確認です。ご所蔵の方はいらっしゃいませんか。
×影男 ポピュラーブックス
昭和四十三年五月■日
○黒蜥蜴 ポピュラーブックス
昭和四十三年九月二十日
×陰獣 全日本ブッククラブ版
昭和四十六年二月■日
●パシフィカの部
パシフィカという出版社から刊行された「名探偵読本」というシリーズのうち、次の二冊に乱歩作品が収録されております。×マークが未確認です。
×名探偵読本 クリスティー
昭和五十三年十二月■日
○名探偵読本4 エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち
昭和五十四年三月六日
シリーズ中、これ以外にも収録分がありましたらご教示ください。また、『エラリイ・クイーンとそのライヴァルたち』は昭和62年に「追訂・新装版」が刊行されておりますが(確認済み)、『クリスティー』のほうはどうなのか、ご存じの方はお知らせください。
大塚俊一 さん、はじめまして(^o^)ノ
ああ、白井喬二かあ・・あのね、わしね、古本で「怪建築十二段返し」を
買って、翌年、こんな文庫を見つけてフギャ−!となったんですわ。
大陸文庫「怪建築十二段返し」1990/8/8初版
収録は「江戸天舞教の怪殿」「全土買占の陰謀」「白雷太郎の館」
「怪建築十二段返し」解説は縄田一男さん
出ているの知らんかったんだもん、わし(/_;)ヨヨヨ
中さん
やっとのこと仕事が終わったので今頃デパート古書展へ。
すると、森さんから報告のあったカバー版『幽霊塔』がまだ残っているではないですか。こりゃ、やっぱ買わなきゃいかんでしょう。
発行 昭和49年 5月20日 222P
中身は函版と全く同じ。ただし、厚めの紙を使っているので、ツカはかなりあります。カバー絵は生頼さんの函版と同じイラストが小さくトリミングされていて、ただの流用に見えますが、垂れた血糊が少しだけ書き替えられています。
>いずれにせよ見たことも聞いたこともありません
僕も乱歩邸で見ただけです。同じ本が10冊ぐらいづつ並んでいました。わあ、同じ本がいっぱいあるなあ。これ持ってないんだよなあ。と、聞こえるようにつぶやいてみましたが、当然のこと「じゃ、持っていっていいですよ」とは言われませんでした(笑)。2回目に行ったときにも。やってみましたが、勿論ダメでした。
中さま
「怪人二十面相」少年倶楽部文庫 昭和五十年十月十六日 は300円です。所持本のデータベースを検索すると同年の十月二十日に買ってますから初版でしょう。
北海道から帰ってきました。
告知が利いたのか、偶然か、最初に行った、すすきの手前の「石川書店」で、以前から目をつけていて1年間売れずに残っていたロジェ・カイヨワ「妖精物語からSFへ」を買おうとしたところ、レジにサンリオ文庫の山が。とりあえず、ディック・ゼラズニイの「怒りの神」、ディックの「あなたを合成します」、「最後から二番目の真実」、「スラデック言語遊戯短編集」の4冊をキープして、旅行から戻るまでに値付けするように依頼。私としては、スラデックが一番高くなると思ったのですが、結局スラデックが800円、「怒りの神」3千円、残りが1,900円づつ。
ディキンソンの「緑色遺伝子」はダブりなので買いませんでしたが、700円。
店でも一辺に5,60冊持ち込まれたのは初めてのこと、持ち込んだ人も特にマニアではなく、新刊が出たときに買っているうちに集まってしまったとのでしたが、店では以前せどりの被害にあったとのことで、ほどほどの値段を付けたとのこと。他にも裏表紙を見て気に入ったものを数冊、新刊価格程度で。
他には、桃源社のハードカバーが結構あったものの、東京と相場変わらず見送り。
前置きが長くなりましたが、白井僑二の掲題作が目にとまり、パチンコの勝ち分で追加購入。本格物の捕物帖のようですが、筑摩文庫で「富士に立つ影」が復刊されたとき、どうしてこの本が注目を集めなかったのか不思議です。もっと、広く読まれてもいいのではないでしょうか。
あとはパッとしなかった感じでした。
■森英俊様
お知らせありがとうございました。まったく存じませんでした。カバー装の改装版が出ていたということでしょうか。ご覧になったとおっしゃる第六巻は、おそらく中島河太郎先生のリライトによる『幽霊塔』かと思われますが、いずれにせよ見たことも聞いたこともありません。がーん、といったところです。念頭に置いて目録編纂を進めたいと思います。
●少年版江戸川乱歩選集
といったような次第で、一難去ってまた一難、講談社「少年版江戸川乱歩選集」全六巻の異装本(改装版か)について、ご存じの方はよろしくご教示をたまわりたいと存じます。
●講談社文庫
ついでですから、講談社文庫についてお聞きいたします。「江戸川乱歩推理文庫」を除いて、また乱歩作品を収録したアンソロジーは除外して、講談社文庫に収められた乱歩作品は次のものが判明しております。×マークは初版定価不明。
×二銭銅貨・パノラマ島奇談ほか三編 講談社文庫
昭和四十六年九月十五日
○一寸法師・黒蜥蜴 講談社文庫
昭和四十八年六月十五日 二八〇円
×怪人二十面相 少年倶楽部文庫
昭和五十年十月十六日
×少年探偵団 少年倶楽部文庫
昭和五十年十一月十六日
○THE BOY DETECTIVES CLUB 講談社英語文庫
昭和六十三年八月二十二日 四八〇円
○明智小五郎全集 大衆文学館
平成七年六月二十日 八六〇円(本体八三五円)
ついでに、文庫本ではないけれど講談社の新書サイズのシリーズなどに入っている乱歩作品も列記いたします(「江戸川乱歩シリーズ」は除外)。
○十字路 ロマン・ブックス(新書判)
昭和三十四年五月二十五日 一二〇円
×怪人二十面相 少年少女講談社文庫(B6判)
昭和四十七年七月十二日
×怪人二十面相 青い鳥文庫(新書判)
昭和五十八年十二月十日
以上、×マークの初版定価、また上記リストから洩れている乱歩の著書など、ご存じの方はよろしくお願い申しあげます。
中さん
ご存じとは思いますが、上記の選集、函ではなく、カバー付きの
異装本(後版?)があるようです。ぼく自身も未見だったのですが、
きょうのデパート展に6巻目(題名を失念してしまいました)が
並んでおりました。
角川文庫の初版定価について、お二人の方からメールでお知らせをいただきました。お一人は、平成七年に刊行された『角川書店図書目録』から引いたデータを、もうお一人は未確認だった三冊の定価を、といった次第で、次のとおり判明しました。
芋虫 二六〇円△
黒蜥蜴 二六〇円△
一寸法師 二六〇円△
悪魔の紋章 二六〇円△
吸血鬼 二六〇円△
黄金仮面 二六〇円
白髪鬼 二六〇円△
陰獣 二六〇円△
影男 二六〇円△
三角館の恐怖 三四〇円△
蜘蛛男 三四〇円
地獄の道化師 三四〇円
パノラマ島奇談 三八〇円
緑衣の鬼 三四〇円
屋根裏の散歩者 三四〇円
大暗室 三四〇円
魔術師 三四〇円
化人幻戯 三四〇円
十字路 三四〇円△
暗黒星 三四〇円
△マークは『角川書店図書目録』に記載されたデータです。まず間違いはないと思われますが、できれば現物を確認いたしたく、△マークの初版をご所蔵の方はよろしくお願いいたします。
目録をつくっている人間がこんなことを申しあげるのも何ですが、というか、乱歩の著書目録をつくりながらたとえばどこかの出版社が出した出版目録を参照してみるとよくわかるのですが、目録というのはどうもあてになりません。あてにならぬというのはいいすぎだとしても、全面的に信を置く気にはなれません。この手の目録というのはそもそもそういったもので、完璧な目録などあり得ないのだということがいよいよ実感されてきます。したがいまして、ご協力をいただきながらじりじりと編纂作業を進めております『江戸川乱歩著書目録』は、どの程度あてにならないかを明示した目録にしたいと考えております。むろんできるだけあてになる目録にしたいとは思っておりますので、ひきつづきよろしくお願い申しあげます。
さて今度は、と次の質問に入りたいところなのですが、お盆休み前ということもあって妙に身辺あわただしく、質問の準備に手が廻りかねております。機会を改めたいと思います。それでは。
昨日お尋ねしました講談社の「少年版江戸川乱歩選集」は、ある方からメールでご教示をいただき、データ確認を済ませることができました。ご放念ください。
先日、利三郎や川田功の初出を調べるために、『文藝年鑑』を調べてきました(小林様ご教示ありがとうございました)。図書館所蔵の大正12年から15年と昭和4年版だけですが。
しかし色々と興味深いことがわかりました。
まず、大正14年まで乱歩は「文士録」には登場しない。掲載されているのは松本泰と、まだミステリに手をつけていないと目されている不如丘のみ。
『文藝年鑑』で探偵小説が1ジャンルと認知されるのは大正14年からであること(それも大衆文学のひとつとして)。したがって乱歩が『文藝年鑑』に掲載されるのは大正14年から(同時に不木も)。
昭和4年には確固たるものとして探偵小説が挙げられている(「探偵小説界の一瞥」なる解説もある)。ただし文士録にはやはり乱歩、不木、泰、甲賀、不如丘ぐらいしか挙がっていない。
昭和4年版からは主要雑誌の年間目次が掲載されているが、探偵小説誌はハナから問題になってない(といっても当時は「探偵趣味」ぐらいか)。「新青年」が唯一の専門誌として扱われている。
という感じでしょうか。結局、利三郎(ただしサンデー毎日に一編書いていたのに気付いた)や角田「梅雨時の冒険」などの初出はわかりませんでした。
>末永様
ご意見ありがとうございます。確かに年表で傾向を見てしまうのは危険ですね。読者の受容という問題もありますし。
たとえば「宝石」創刊号が馬鹿売れしたということですが(5万部だったかな、九鬼紫郎によると)、探偵小説ファンがワンサカいた訳ではないでしょう。カストリ雑誌と大差ない扱いを受けていたわけですから。つまり尖鋭なミステリ読みのみがそれらの雑誌を支持していたわけではない、ということでしょうか。
オーナー殿、中様、ありがとうございました。
明日からは久しぶりに札幌に行ってきます。
どうも申し訳ありません。昨日放送された「クイズ日本人の質問」に関して、とんでもないガセネタをかましてしまいました。お詫びを申しあげます。
そういえば、二年前の夏休み最後の日曜にもこの番組で乱歩のことが出題され、やはりスタッフの方から問い合わせのお電話をいただいたのですが、そのときの切迫した印象に比較すると今回はかなりのんびりした感じで時間的余裕が窺えましたから、放送はまだ先なのかもしれません。
いやしかし、二年前にお聞きしたところではあの番組はたしか金曜に収録して日曜に放送するとのことでしたから、それならば放送予定はきのうだったけれども問題がネグレクトされてしまったという可能性もあります。
とはいうものの、一度に二週間分を収録していることも考えられますから、やはり来週の放送ということになるのでしょうか。
ともあれ、とりあえず来週の放送を確認したいと思います。ガセネタ配信の段、重ねてお詫び申しあげます。平身低頭、右顧左眄。
■末永昭二様
といったような次第で、どうもご迷惑をおかけしました。「キツツキはあんなにヘッドバンギングしているのに、なぜモーローとしないのか」の件、「気合を入れてつついているから」という答えしか思い浮かびません。暑さのせいで思考力を完全に失っております。
■大塚俊一様
「翼ある靴」の件、小林文庫オーナー様の書き込みを拝見して思い出しましたが、たしかに「戌神はなにを見たか」です。講談社文庫『戌神はなにを見たか』に収録された山前譲さんの「解説」から引用します。
本書「戌神はなにを見たか」は、“推理小説特別書下しシリーズ”の七冊目として、講談社より昭和五十一年二月に出版された。鮎川哲也氏にとって十八作目の長編推理小説である。前作「風の証言」は昭和四十六年十月に発表されているので、四年ぶりということになる。「翼ある靴」という仮題が予告されたことがあったが、結局出版に際しては「人それを情死と呼ぶ」(昭36)に並ぶ長いタイトルになった(もし「翼ある靴」だったならば鮎川氏お得意のかな七文字タイトルということになったのだが)。
以上です。
■小林文庫オーナー様
「クイズ日本人の質問」の件、ほんとに申し訳ありません。ポプラ社のシリーズに関するご教示、ありがとうございました。私も亡父に買ってもらった光文社の少年もののシリーズをもっていたのですが、とっくの昔にどっかへ行ってしまいました。それ以降もとくに気をつけて乱歩の本を買うといったことはまったくありませんでしたので、こんなことになるとわかっていたならばと臍を噛むことしきりです。といったような次第で、本日は少年ものの選集に関して質問させていただきます。
●少年版江戸川乱歩選集
というのが昭和45年、講談社から刊行されております。ラインアップは下記の六冊なのですが、×マークの三冊が未確認です。ご所蔵の方はお知らせいただければ幸甚です。
○蜘蛛男 昭和四十五年七月三十日
×一寸法師 昭和四十五年七月■日
×幽鬼の塔 昭和四十五年七月三十日
○人間豹 昭和四十五年八月二十八日
×三角館の恐怖 昭和四十五年九月二十九日
○幽霊塔 昭和四十五年十月二十八日
よろしくお願いいたします。
小林文庫です。
私も、「クイズ日本人の質問」を見ました。
3日前に問い合わせが有ったのでしたら、放送はまだズット先ではないでしょうか?
ところで、「キツツキはなぜモーローとしないのか」と言う質問は、聞いた事が有るような気がするのですが。
もしかしたら、放送されたのではないですか?
大塚俊一 さん
「翼ある靴」は『戌神はなにを見たか』だったと思います。
と書こうとしながら、「現在(昭和58年8月)…」と言う記述と合わないので、角川文庫『風の証言』の解説を読みなおしてみました。
僕の本では「現在(昭和五十年八月)、十七冊目の書下ろし長編「戌神はなにを見たか」を執筆中で・・・」となっています。
僕の調べた本は三版(昭和52年3月)なので、大塚さんの本はきっと初版で、その後改定されているようですね。
中 相作 さん
昨日、別の用件で蔵に入ったとき、私の子供時代に読んだ本を見つけました。
昭和三十年代後半には、ポプラ社や光文社の少年探偵団シリーズを、リアルタイムで買っていたのです。
でも、現在コレクターズアイテムとなっているような本は無し! 残念!!
あの時代の本を、全部取っておけば良かった。 後悔先に立たず、とはこの事ですね。
中さんの、未確認本も何冊か有ったので、挙げておきます。
少年探偵 江戸川乱歩全集(3)
少年探偵団 著者・江戸川乱歩
発行所 株式会社ポプラ社
昭和三十九年八月五日発行
定価二百八十円 214P カバー
装幀 吉崎正巳 カバー絵さしえ 柳瀬茂
世界推理小説文庫(10)
鉄人対怪人 著者・江戸川乱歩
発行所 株式会社ポプラ社
昭和三十七年七月三十日発行
定価二百三十円 281P カバー
カバー絵さしえ 山内秀一
(まえがき「この物語を読む人に」江戸川乱歩 有り)
昭和三十年代以降となると、本を持っている方も多い筈と思います。
改めて、中さんの調査へのご協力をお願いします。
MBS さん
ミステリー関係なら、広告宣伝も構わないのですが、何らかの前置きや挨拶が有ってしかるべきではないですか?
この投稿は、エチケット違反だと思います。
中様。
さっきまで、NHKの「クイズ・日本人の質問」を見ていたのですが、結局、乱歩の問題はありませんでした。来週以降かもしれませんね。
実は、私もあの番組の電話取材を(本業で)受けたことがあるのですが、結局放送されなかったようです。オクラ入りの問題(問題として成立しなかった)もたくさんあるようですね。でも、乱歩だったら問題になりやすいですから、いずれ放送されるのでしょう。
ちなみに私が取材を受けた問題は「キツツキはあんなにヘッドバンギングしているのに、なぜモーローとしないのか」というものだったと記憶しております。私は動物学者じゃないので、もちろん「ニセの答え」作成のための取材でした。
■日下三蔵様
お知らせありがとうございました。別に取り立てて急いでいるわけでもありません。お手すきのときによろしくお願いいたします。
●新青年傑作選
立風書房の「新青年傑作選」は、昭和44年から45年にかけて刊行されたあと、二度にわたって新装版が出されたようなのですが、最初の新装版の発行日がわかりません。ご存じの方はご教示ください。
新青年傑作選1 推理小説編
昭和四十九年十二月■日 「二銭銅貨」収録
新青年傑作選2 怪奇・幻想小説編
昭和四十九年十二月■日 「押絵と旅する男」収録
新青年傑作選3 恐怖・ユーモア小説編
昭和五十年一月■日 「陰獣」収録
●クイズ日本人の質問
という NHK のクイズ番組がありますが、今夜の放送分で乱歩にちなんだ問題が出されるみたいです。三日前、制作スタッフの方から名張市立図書館に電話でお尋ねをいただきましたので、立て板に水でお答え申しあげた次第ですが、放送がいつになるのか確認するのを失念してしまいました。たぶんきょうだと思うのですが。ちなみに私はこの時間帯、おそらく巨人横浜戦を見て手に汗を握っているはずです。NHK 受信料不払い闘争を粘り強く展開している身でもありますし。
BRUTUSの山田風太郎さんの自筆死亡記事を読みました。新聞記事とのあまりの一致に、まだ冥福のことばを申し上げる気持にもなりません。
ところで、光文社文庫の「人それを情死と呼ぶ」の芦辺先生のアジテーションに負けて、「黒い白鳥」の途中で止まっていた鬼貫物を読み始めたところです。
「風の証言」角川文庫版の渡辺剣次氏の解説で、「現在(昭和58年8月)、17冊目の長編「翼ある靴」を執筆中」とありますが、どういう作品なのでしょうか。別の名前で出たんでしょうか。
賞金、賞品総額200万円!
3人1組でチカラを合わせ犯人を探す推理イベント『推理トライアスロン』。
万博ホールで上演される難事件をじっくり「目撃」したあと、いよいよ捜査開始。
トライアルゲームをクリアしながらヒントを手に入れ、知力と体力と運を結集してズ
バリ事件を解決しよう!!
●参加資格= 18歳以上の知力・体力・運に自信のある方、3人1組
●応募方法= Eメールで代表者の方の住所・氏名・年齢・電話番号・職業・
他2名 の方の氏名・年齢・職業をご記入の上、ご応募ください。
お申し込みフォームhttp://www.suiritoraiasuron.com/
●応募締切= 平成13年8月10日(金)
●抽選発表= 厳正なる抽選の上、参加資格者には8月14日(火)までに代表
者宛に招待状をお送りします。
●お問い合せ= suiri@mbs-planning.co.jpまでメールにてお問い合せください。
日下です。
おお、すぐに答えられる質問が。
> ●乱歩著書目録アンソロジー篇渡辺剣次の部
> 渡辺剣次が編纂したアンソロジーについてお訊きいたします。タイトルに
>「13の」がついたアンソロジーは、次の四点ですべてでしょうか。
すべてです。
> また、上記の文庫化は次の一点だけが判明しているのですが、ほかにも
>文庫になったものがあるのでしょうか。
ありません。
いくつか出て来ている本があるのですが、どの本のデータを書き込めば
いいのか、判らなくなってしまいました(泣)
週明けにでも書き込みますので、重複した場合はご容赦のほどを。
天気予報によれば本日、当地の最高気温は人間の平熱を平然と上回ります。車谷長吉さんの小説でおなじみの観光名所赤目四十八滝も、水涸れのせいで瀑布がすっかり痩せ細ってしまったと伝えられます。うちの番犬は一日どたっと寝そべり、身も世もなくはあはあ申しております。みなさんお元気でいらっしゃいますか。
星新一のショートショートに暑さのせいで人を殺してしまう話がありましたが、これだけ暑い日がつづくと暑さも立派な殺人の理由となるように思えてきます。少なくとも松本清張の社会派ミステリー(話題が古くて申し訳ありません。今出来のミステリー小説のことを、私はほとんど知りません)に描かれた殺人の動機より、今年の暑さは殺人衝動を駆りたてるものとしてはるかに重いアクチュアリティをもっているのではありますまいか。
二、三人やっつけたらどんなにすっとするだろう、とお考えのあなた、早まってはいけません。私の場合、人を殺したくなったらとりあえず岩川隆さんの『殺人全書』(光文社文庫)を読むことにしております。一度お試しください。
■古本まゆ様
さっそくのご教示、ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。さっそくですが、下記の渡辺剣次編纂によるアンソロジーはいかがでしょうか。
■喜国雅彦様
重ね重ねお礼を申しあげます。ところで、『紅い花 青い花』と『幻想飛行機』、発行日はいつになっておりますでしょうか。何度も申し訳ありません。「空襲の美観」は、「防空壕」の抜粋を『わが夢と真実』に収録するに際してつけられたタイトルです。本気になって防空演習に精を出しながら、一方では空襲に陶然と「美」を見ているあたり、乱歩にとってうつし世のいくさがいかなるものであったのかが窺える気がして、まことに興味深いものがあります。
●角川文庫
昨日ある方からメールでお知らせをいただきましたので、初版定価は現時点で次のとおり判明しております。ひきつづきご教示をお待ちいたします。
芋虫
黒蜥蜴
一寸法師
悪魔の紋章
吸血鬼
黄金仮面 二六〇円
白髪鬼
陰獣
影男
三角館の恐怖
蜘蛛男 三四〇円
地獄の道化師 三四〇円
パノラマ島奇談 三八〇円
緑衣の鬼
屋根裏の散歩者
大暗室
魔術師 三四〇円
化人幻戯 三四〇円
十字路
暗黒星 三四〇円
むろんメールでお知らせいただいた場合でも、お礼として名張市立図書館の『江戸川乱歩著書目録』はお送りいたします。なかには親の遺言で掲示板に書き込みをしてはいけないことになっている、とおっしゃる方もおありかもしれません。そんなときはメールでお願いいたします。
●乱歩著書目録アンソロジー篇渡辺剣次の部
渡辺剣次が編纂したアンソロジーについてお訊きいたします。タイトルに「13の」がついたアンソロジーは、次の四点ですべてでしょうか。
13の密室
昭和五十年五月十二日 講談社 「火縄銃」収録
13の暗号
昭和五十年十一月八日 講談社 「二銭銅貨」収録
13の凶器
昭和五十一年三月八日 講談社 「夢遊病者の死」収録
続・13の密室
昭和五十一年六月二十八日 講談社 「何者」収録
また、上記の文庫化は次の一点だけが判明しているのですが、ほかにも文庫になったものがあるのでしょうか。
13の密室 密室推理傑作選
昭和五十四年十月十五日 講談社文庫 「火縄銃」収録
よろしくお願いいたします。
中様
「紅い花〜」「〜飛行機」、二冊とも確認しました。
『空襲の美観』て、なにかと思ったら、『防空壕』の部分なのですね。
中相作さま
いつも中途半端な報告で申し訳ないのですが、「動物の謝肉祭」のみ所有しております。乱歩の「芋虫」は63頁から77頁に収録されております。
■小林文庫オーナー様
きのうの朝は思いきり「とおりゃあーっ」と気合を入れてみたのですが、結局こちらの掲示板には接続することができませんでした。世の中には気合だけでは解決しない問題もあるみたいです。桜さんの代打として朝な朝なお邪魔しようかと考えておりましたものの、早くも二日目でこけてしまった次第です。
けさは当方のホームページに支障が生じ、ホームページ作成ソフトからプロバイダのサーバーに接続できぬ仕儀に立ち至って、ホームページの更新ができません(ホームページ作成ソフトに頼らなければ更新できるのですが、面倒なのでパスしております)。これまでにも画像をアップロードしたあとでこうした不具合の発生することがあり(きのうも映画「盲獣 vs 一寸法師」がらみの画像をアップいたしました)、そのたびに気合でトラブルを克服してきたのですが、今回はお手上げの状態です。
乱歩の著書目録のほうは、データを取り忘れていた「新青年」復刻版の調査をきのう済ませ、これをデータベースソフトに入力すれば、とりあえず現時点で判明している著書のデータ整理は完了というところまでこぎつけました。むろんデータの確認作業は残されておりますし、日下三蔵さんから遺漏分のご教示をいただくことにもなっておりますので、目録完成までにはまだまだかかりそうです。ひきつづきよろしくお願いいたします。
■喜国雅彦様
お忙しいなか、それにまあ毎日なんだか莫迦みたいに暑いなか、丹念にお調べいただいてありがとうございました。助かります。角川文庫の初版定価は、意外に難物なのかなという気がしてきました。今後ともよろしくお願いいたします。
名張乱歩めぐりは、乱歩ファンや探偵小説ファンなら一度は体験しておかれるべきものかと愚考します。ぜひおいでください。
●イメージの文学誌
北宋社から刊行された「イメージの文学誌」というアンソロジーのシリーズをご所蔵の方はいらっしゃるでしょうか。次の三点に乱歩作品が入っているはずなのですが、いずれも未確認です。なにとぞよろしくお願いいたします。
紅い花 青い花
昭和五十三年七月■日 監修:吉行淳之介 編:堀切直人 「毒草」収録
幻想飛行機
昭和五十四年九月■日 監修:埴谷雄高 編:堀切直人 「空襲の美観」収録
動物の謝肉祭
昭和五十五年二月二十五日 監修:澁澤龍彦 編:堀切直人 「芋虫」収録
といったところで、気合を入れ直してホームページの更新作業に再挑戦いたします。たぶんあかんやろ、という予感はするのですが。
中様
返事が遅くなってすみません。 まず前回分の訂正からです。
江川蘭子
昭和二十二年十二月二十日 探偵公論社
>「探偵クラブ」に連載していた「僕の『日本探偵小説史』」と同文であるのかどうか、おわかりでしょうか。
わかりませんでした。
名探偵ルコック/世界名作物語[翻訳]
>「この物語について:江戸川乱歩」は収録されていないでしょうか。
「名探偵ルコックについて、江戸川乱歩」が収録されていました
青銅の魔人
昭和二十四年十一月五日 光文社/痛快文庫
>ページ数は「二〇二頁」ではありませんでしょうか。
すみません202です。
さて、昭和30年代の本を調べました。が、やはり春陽文庫とポプラ社系は初版の壁に阻まれました(ポプラ社は初版の表記が一切無いし)
ということで、所持本はたくさんあったにも関わらず、調べがついたのは、以下たったの6冊でした。
×人間豹/江戸川乱歩文庫8
昭和三十二年二月二十日 春陽堂書店
【体裁】B6判 カバ 205P
【定価】150円
【内容】人間豹・赤い部屋・鏡地獄
×黒蜥蜴/江戸川乱歩文庫14
昭和三十二年五月十五日 春陽堂書店
【体裁】B6判 カバ 214P
【定価】150円
【内容】黒蜥蜴・地獄の道化師
×影男/江戸川乱歩文庫18
昭和三十二年六月二十日 春陽堂書店
【体裁】B6判 カバ 203P
【定価】150円
【内容】影男・月と手袋
×大暗室/名探偵明智小五郎文庫11
昭和三十四年三月二十五日 ポプラ社
▲二十五日ですね
【体裁】B6判 カバ 274P
【定価】180円
【意匠】カバー・牧秀人 さしえ・斉藤寿夫
【内容】はじめに
×世界短篇傑作集(三)/世界推理小説全集七十一巻[編纂]
昭和三十四年六月二十日 東京創元社
【体裁】B6判 函 395P
【定価】270円
【内容】解説・中島河太郎
×仮面の恐怖王/少年探偵江戸川乱歩全集22
昭和三十四年十一月三十日 光文社
【体裁】B6判 カバ 193P
【定価】120円
【意匠】装丁・松野一夫 挿絵・中村猛夫
これじゃ悔しいので角川文庫を調べましたが、こっちも初版がありませんでした。そう言えば、この本を集めていた頃はそんなこと(初版かどうか)なんて気にもしていませんでした。
リンクありがとうございます。いつか時間が出来たら、先日中さんがアップされた順路で乱歩巡りの旅がしてみたいです。
小林文庫です。
禁断の、会社からの書き込みです。
きのう(8月1日)の午後から、今日の午前中にかけて、「ゲストブック」と「黒猫荘」にアクセスできませんでした。
ゲストブックを設置しているプロバイダーの、サバー不具合が原因だと思います。
(プロバイダーの)復旧作業により、昨日の書き込みが消えてしまった事も有るようです。
最近、同じような不具合が続き、たびたびご迷惑をお掛けして、大変申し訳ありません。
投稿が消えてしまった方がいらっしゃったら、是非とも、もう一度書き込んで下さい。
よろしくお願いします。
本当に、申し訳ありません。
これに懲りず、「ゲストブック」「黒猫荘」への投稿を、宜しくお願いします。
流れから申しますと山田風太郎さんの追悼の辞を述べるべきところかと拝見されますが、人間への深い洞察のもとに数々の綺想を紡いだペンはすでに置かれ、病さえ手なずけて死生を恬淡と達観したかに見えた晩年のある日、乱歩と同じ7月28日の夕刻に訪れた臨終は、むしろ嘉されるべきもののように思われます。戦後の文学史に三島由紀夫と山田風太郎というふたつの重心を持ち得たことは、われわれの数少ない幸福のひとつに数えられるでしょう。以上。
こんな日に乱歩の著書のことを持ち出すのも気が引けますが、8月からは心を入れ替えてデータ整理に精励しようとひそかに決意したことでもありますので、ご寛恕を願いたいと思います。
没後篇に突入します。
昭和48年から50年にかけて、角川文庫から乱歩の著書二十点が刊行されました。カバーに宮田雅之さんの切り絵を配したシリーズですが、初版定価がわかりません。判明しているのは『パノラマ島奇談』と『魔術師』のみという情けなさ。おわかりの方はよろしくご教示ください。
芋虫 昭和四十八年五月二十日
黒蜥蜴 昭和四十八年五月三十日
一寸法師 昭和四十八年六月三十日
悪魔の紋章 昭和四十八年六月三十日
吸血鬼 昭和四十八年七月二十日
黄金仮面 昭和四十八年七月二十日
白髪鬼 昭和四十八年七月二十日
陰獣 昭和四十八年九月十日
影男 昭和四十八年十一月二十日
三角館の恐怖 昭和四十九年一月三十日
蜘蛛男 昭和四十九年四月三十日
地獄の道化師 昭和四十九年六月三十日
パノラマ島奇談 昭和四十九年七月三十日/三八〇円
緑衣の鬼 昭和四十九年九月三十日
屋根裏の散歩者 昭和四十九年十月三十日
大暗室 昭和五十年一月三十日
魔術師 昭和五十年三月三十日/三四〇円
化人幻戯 昭和五十年五月二十日
十字路 昭和五十年七月二十日
暗黒星 昭和五十年十月二十五日
本日午後は、外出していたため、山田風太郎さんが亡くなったことは、かなり遅くなってから知りました。
山田風太郎さんの小説は山田さんにしか書けないものなので、貴重な方を失い、とても残念です。
体を悪くされていた事は知っていましたが、山田さん流に病気とお付き合いしているように思っていたので、突然と感じました。
山田風太郎さんのご冥福をお祈り致します。
奇想天外な作品で、私達を楽しませて下さり、ありがとうございます。
桜さん
アイスランドですか?
私には、なかなか行けそうも有りませんが、行ってみたい場所ですね。
オーロラも見てくるのでしょうか?
お土産話をお待ちしています。
桜さんがお休みされるとと、ゲストブックが一気に寂しくなってしまいそうです。
その間は、私もできるだけ登場して、お相手させていただきます。
(なんかヘンですね。 私の掲示板なのに (;^_^;) )
と言いながら、今週は仕事が忙しくなかなか出てこられないかもしれません。
先週から今週にかけての話題には、参加して行きたいものが多いので、徐々にご返事して行きます。
今日の午後、会社で山田風太郎さんの訃報を知りました。
その時の気持ちをどう表したらいいのでしょうか。
偶然ながら、28日の土曜日夕方、山田風太郎・木彬光合作「悪霊の群」
(出版芸術社)読んでいました。その頃亡くなられていたのですね。
奇しくも、36年前乱歩が亡くなった日の同じ夕方ですね。
「人間臨終図巻」(私の座右の書です)に乱歩終焉の事を書いていますが、
山田風太郎さんはその頃を思い浮かべながら帰らぬ旅へ向かわれたのでは
ないでしょうか。
今ごろは、木さんと「やあやあお久しぶり」とか、乱歩からは「やあ、
山田君よく来たね」とか、大いに歓談していることでしょう。
「…晩飯を食うのも、あと千回くらいなものだろうと思う」と書いて
始まったエッセイ(「あと千回の晩飯」)は、平成6年10月からです
から、その倍以上生きられた訳ですね。
山田風太郎さん、とてつもなく面白い読み物の数々本当に有難うござい
ました。
旅のための買い物の途中ですが、驚きました。
山田風太郎さんが逝去された、とテロップがながれていました。
七九歳。
ご冥福を祈ります。
小林さん、午前中、十時すぎから、入り込めませんでした。
最近では、2回目でした。
どうもご無沙汰いたしました。ああ早くビールが飲みたいとそれのみを念じて日中を過ごす日がうちつづき、乱歩著書目録のデータ整理もすっかりサボってしまいました。不思議なことにいったんサボり始めるといくらでもサボれてしまうもので、7月もきょうで終わりだと気がついていささかあわてふためいております。あたふたあたふた。昭和37年から40年にかけて、つまりは乱歩最晩年の著書についてお訊きします。例によって未確認の×マークのみ掲げます。全容は上記 URL でご覧いただけます。よろしくお願いいたします。
×人間椅子/江戸川乱歩名作集5
昭和三十七年五月三十日 春陽堂書店/春陽文庫1023
×第三の恐怖/世界推理小説文庫1[翻訳]
昭和三十七年五月■日 ポプラ社
×怪船771号/世界推理小説文庫3[翻訳]
昭和三十七年五月■日 ポプラ社
×海底の黄金/世界推理小説文庫8[翻訳]
昭和三十七年七月■日 ポプラ社
×鉄人対怪人/世界推理小説文庫10[翻訳]
昭和三十七年七月■日 ポプラ社
×あばかれた秘密/世界推理小説文庫11[翻訳]
昭和三十八年四月五日 ポプラ社
×一冊の本[収録]
昭和三十八年五月■日 雪華社
×紅はこべ/少年少女世界名作文学全集第三十八巻[翻訳]
昭和三十八年十月二十八日 小学館
×怪人二十面相/少年探偵江戸川乱歩全集1
昭和三十九年七月■日 ポプラ社
×少年探偵団/少年探偵江戸川乱歩全集3
昭和三十九年七月■日 ポプラ社
×大金塊/少年探偵江戸川乱歩全集5
昭和三十九年七月■日 ポプラ社
×透明怪人/少年探偵江戸川乱歩全集6
昭和三十九年八月■日 ポプラ社
×宇宙怪人/少年探偵江戸川乱歩全集11
昭和三十九年九月■日 ポプラ社
×黄金豹/少年探偵江戸川乱歩全集12
昭和三十九年九月■日 ポプラ社
×夜光人間/少年探偵江戸川乱歩全集14
昭和三十九年十月■日 ポプラ社
藤本さん、最近では、雑誌「ロック」は手に入れやすい(?)ような気がしています。
もちろん、全揃いは難しいですが。掲載の短編を順次読まれているとは、うらやましいです。
末永さん、貸本と古書店、その併設はその頃からあるのですね、出久根さんは、三年あまり、店番をされていたようです。
「平凡」の附録は引き手あまた、とのこと。それから、学習誌の附録も別々にして、貸していた、とかかれています。
久我壮太郎名義の1冊をはじめて、入手しました。戦前では、久我荘多郎名義をふくめて、八冊目です。
『戦線実話小説集』大衆文芸社(大阪)、昭和16.6月、久我荘太郎
36篇の兵士の実話を久我さんが編集された(しかし、奥付には、著者
久我荘太郎、とかかれています)ようです。前書きなどはありません
小林さん、明日から、二週間、アイスランドに旅にいきます。
古書の仕入れではないので、旅に徹しようと思います。では、また。
桜様。
昭和28年夏にネオ書房が東京進出して、どうしたかというと古書店組合と接触したんですね。で、貸本屋への転業(兼業)を薦める。その結果、昭和20年代末には、(特に城南地区の)古書店のほとんどが貸本屋兼業になったというわけです。当時の古本屋さんは多かれ少なかれ、貸本業界との接点があったようです。出久根さんの世代だったら、店番というのもあったでしょうね。
でも、当時の稼ぎ頭は、誰に聞いても『平凡』ですよ。発売日には取次(問屋)で奪い合いになったといいますし、貸本屋の格は『平凡』が何冊仕入れられるかによっていたともいいますから。
>藤本様。
何にせよ、「歴史」というものはその時代の「前衛」のことを書いているものでありまして、「本陣」が出たからと言って、すべての作家がいきなり「右に倣え」をするわけではないのです。だから、歴史的な時代区分はどうであれ、いつの時代もその時代の雰囲気と合わない旧いタイプの作品は発表されています。読者も「新しい」作品ばかりを求めていたわけではありませんし。
雑誌を読むと、そういうことがわかってくると思います。私は、その「歴史がふるい落とした」作品が面白くて、雑誌ばかり読んでいます。玉石混交、というか石ばかりですが、私は石が気にならないタチなので。
「ロック」掲載の短篇群を読んでいる。水谷や渡辺啓助みたいなメジャーを読んでも面白くないので、アンソロジーなどにおそらく入っていないであろうマイナーどころを狙いつつ。
驚いたのは正木不如丘があったことだ(常識?)。戦後にはまったくそぐわない牧歌的な味わいはほとんど大正期のB級作家そのもので、『刺青殺人事件』や「天狗」と同年の作品とはとても思えない。異様に違和を感じる。戦前と戦後って雰囲気が違うよなあ、やっぱり(柄谷行人氏なんかは戦争によって時代を区分する歴史観を批判していたが、ミステリに関してはやはりあるような気がしてならない)。
ということで、戦後に「本陣殺人事件」などから開始される「探偵小説」と、戦前の探偵小説の違いとは一体なんだろう? と少々考えている。笠井潔氏とはまた違ったものの端緒を見出したい。笠井氏の論があまりに見事すぎ、思考がそっちの方向にばかり行ってしまうので。
>宮澤様
そんな感じで、利三郎などに興味をもっておるのです。
「ミステリマガジン」九月号の「掲示板」。
ここには、「ミステリマガジン四百五十冊。HPB千四百冊」など譲る、とある。
その他、文庫もあるようです。
連絡しても、相手の人は多くの人からの連絡におわれて、大変なようです。処分リストが来る前に、行き先はそれぞれ決っているらしい。
処分の理由がもうひとつ不明でした。
PR誌「本」8月号。「貸本屋の客」出久根達郎。10代のころ、出久根さんは「いずみ文庫」という貸本屋さんの店番をされていたそうです。
・10冊月刊誌を貸本にする、3、4人借りたら
・5冊は併設の古書店へ、しばらくして
・さらに3冊、古書店へ
・のこり、2冊を貸し続ける
というシステムがかかれています。うまいやり方のような気がします。
漫画が一番人気で、次は映画雑誌。
さらに多くのシステムがあるようですが、とくに、雑誌の付録の扱い方・方策には驚きます。
文庫で、鷲尾三郎、飛鳥高の短編集が読めるのは、今、幸せな時代なのでしょうか。
最近の目録では、鷲尾三郎『地獄の旅券』、『葬られた女』いずれも光風社。2.5万。
光風社が随分、探偵小説を昭和30年代に出しているのを、この掲載目録からしりました。
他の目録では、飛鳥高の本『死刑台へどうぞ』東都書房版が同じ年度に、文春新書からでていますが、こちらは千円。
雑誌「小説推理」9月号、座談会の前半が掲載されて、後半は、9月発売の、喜国雅彦さんの『本棚探偵の冒険』に収録されるようです。楽しみな本ですね。
>本当は天城一も予定していたのですが、別冊シャレードの最新号を見て、
>あわてて差し替えました……。
ただ、天城にしろ、山澤にしろ、商業出版での体系的なまとめが、素人でも手に入る価格でなされ、さらに新しいファンを開拓できれば、なおよしという感もあるのですが。
ところで、先日のオフ会でも、作家の中には遺族が版権を手放さないため出版につながらないというお話しもありましたが(例.橘外男)、やはり戦前を知る人、幻影城世代、新本格以降の世代があって今のファン層が形成されているのであって、いずれ前者2世代は消えていくわけですから、近いうちに旧作のほとんどが忘却され、無価値となる可能性は極めて高いと思われます。
そういう意味では、今が復刊、再刊、蘇刊の最後のタイミングであることは広く認識していただいたほうがいいのではないかと思います。
末永さん、そうです、書店向けのものです、少し情報を早く手に入れましたが、くれた人も、貸本のことがここで話題にされていたことを知っていますので、昨日は話が弾みました。
どこまで、ミステリや探偵ものが採用されているのか、興味があります。案外少ないのではないでしょうか。
>タイトルは『貸本小説』というものになりました
購入します。
桜様。
書店向けのチラシか何かをごらんになったのでしょうか。さすがに情報が速いですねえ。
お目に止めていただき、ありがとうございます。
タイトルは予告とは変わりまして、そのものズバリ『貸本小説』というものになりました。
ここのところずっと掛かりっ切りで書いておりました。本文300ページ以上のハードカバーで、24人(+α)の作家の貸本小説(とその周辺)を紹介します(書影は100点以上! 全部モノクロですけど……)。
店頭には8月末日ごろ並ぶはずです(たしか1500円+税)。
詳しいことが決まったら、またお知らせいたします。どうぞお楽しみに。
お買い上げいただくとありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。
>藤本さん
おお、そうでしたか。学生で利三郎に興味持つってすごいなあ、と思っていたのですが、私の頁を見てくださったのですか。
若い人に探偵小説の魅力が伝わっていくことをとても嬉しく思います。
私は乱歩が好きなので、山下利三郎、松本泰、あるいは平井蒼太など乱歩の影に消えていった作家にも関心があります。
>中さん
乱歩の忌日には「石榴忌」の他にも「幻城忌」という案もあったそうですが……。小説から名付けようとすると確かに難しいですね。
ひき続き、書きこみます。もうしわけありません。
末永さん、『貸本小説の世界』アスペクト、すでに告知されていますね。
どのような世界がさらに展開されるのか、楽しみにしています。
おめでとうございます。
今から、楽しみに待っています。
日下さん、情報をありがとうございました。
アンソロジーではなく、個人の短編集になるのですね。
第2期も是非編集していただければ、うれしくなります。購入いたします。
>9月に飛鳥高、10月に岡田鯱彦、11月に楠田匡介、12月に鮎川哲也、
来年1月に島久平、2月に鷲尾三郎、というラインナップ
をみると、天城一さんも期待したいです。言われますように、こちらは「別冊シャレード パート3」ですでにでてしまいましたが。
末永さん、本当に、ふたりで盛り上がってしまいましたね。段さんといい、薄風之介さんといい、私的には、入手困難な本でしたので、つい、ここに書いてしまいました。
今月号の「SFマガジン」北原尚彦さんの記事には、「秀吉になった男」木村生死さんがでています。
木村生死さん、雑誌「耽奇小説」、「裏窓 臨時増刊」を昨日確認したところ、三篇ありました。素性を知りませんでしたが、上の記事では、詳しくかかれており、その探求に敬服しました。
>オーナー様。
イヤハヤすみません。何となく桜様と二人だけで盛り上ってしまいまして。
ここのところ仕事の関係で、手持の本を全部ひっくり返していますので、全部記憶で書いております。アヤフヤですみません。
段沙児は、読んでみると結構面白いんですよ。『謎の二重体』は端正なミステリですが、雑誌掲載作はグログロです。翻案の可能性が捨てきれないのですが、私にはよくわからないので、創作として楽しんでいます。
薄風之介は実態のない『新青年』系の翻訳集ということでいいのでしょうか。
>中様。
乱歩再録チェック、ぼちぼち進めています。双葉社の『大衆小説』誌にずいぶんと再録されていますね。
日下です。
> あるPR誌には、河出文庫からも、アンソロジーが出るということ
>なので、こちらのリストも気になります。
9月からスタートする、「本格ミステリコレクション」(第一期全6巻)
というシリーズを編集していますが、それのことでしょうか。だったら、
アンソロジーではなくて、個人短篇集です。
9月に飛鳥高、10月に岡田鯱彦、11月に楠田匡介、12月に鮎川哲也、
来年1月に島久平、2月に鷲尾三郎、というラインナップです。
本当は天城一も予定していたのですが、別冊シャレードの最新号を見て、
あわてて差し替えました……。
と太陽を矢吹駆ばりに見ていたら次第に雲がかってきて大雨になった。太陽好きとしては腹立たしい。まあ水不足が解消するか。
>小林様
ご忠言ありがとうございます。学生とはいえ何年やっていることやら・・・ まあ楽しみつつ猛者になりたいですね。
>宮澤様
はじめまして。というよりもしょっちゅう「探偵小説頁」を閲覧(あの資料群を前にするとこの言葉が口をつく)しているので、自分の中でだけ宮澤様とは馴染んでます。実は『探偵小説四十年』に利三郎のことが書いてあるのもあそこで知ったぐらいなもので。あれを読んでから利三郎の写真を見ると、いかにも、と納得してしまう(初期のチャップリンみたいに今にも泣きそうな雰囲気で、似合わない髭を生やした、しょげた小父さんという感じ)。
「頭の悪い男」は早速読んで見たいと思います。これからもよろしくお願いします。
しかし『四十年』は読み返すたびに面白さが増す本だ。こっちの知識が増えるとそれだけ面白さも倍増する。山村正夫の『戦後史』より全然おもしろいもんなあ(大坪砂男のところは大笑いしたけど。そのあと「天狗」を読み返したらちょっと恐くなった)。
>中様
そうか、24、26、28、30と命日が並んでいる! しかもみんな大好きな作家で何故かちょっと嬉しい(吉行の『暗室』は傑作です)。ご教示(というか話の枕ですけど)感謝です。
ちなみに澁澤は5・8生まれで8・5没、とちょっとアナグラム入ってます。
おととい24日は芥川龍之介の河童忌で、きょう26日はたしか吉行淳之介の命日、あさって28日はおなじみ大乱歩、そのあと30日は大谷崎、月が変わって8月5日は澁澤龍彦の忌日となっておりますが、こんな暑い時期に死んだのならさぞや葬式は大変であっただろうな暑かっただろうな暑かっただろうなみんな黒い喪服を着てほんとに暑かっただろうなといった莫迦なことしか思い浮かばない昨今です。お元気でしょうか。
■宮澤様
「RAMPO Up-To-Date」の件、むろんテレビも記載対象です。単に更新をサボっているだけの話です。どうも申し訳ありません。先日は芦辺拓さんにケツをひっぱたかれてとりあえず新聞雑誌に掲載された関連文献を記載したのですが、「週刊マニアタック」や「真珠の小箱」のデータも近く記載いたします。
「乱歩文献打明け話」の件、とにかくいつか清風亭で盛りあがりたいと思います。
「真実追求家」の件、まったく存じませんでしたが、「乱歩小説」に数えられるかと思います。ご教示ありがとうございます。
宮澤さんのHPを見ますと、最近のアンソロジーに山下利三郎さんの小説が採用されているのですね。
新青年のアンソロジーにあるのではないか、と思っていました。
光文社のその後の、アンソロジーはラインアップされたのでしょうか、残りの何冊かがどの雑誌から出るのか、気にかかります。
あるPR誌には、河出文庫からも、アンソロジーが出るということなので、こちらのリストも気になります。
角川文庫からも、二人の選者により、別々にでますね、本当に、アンソロジーが楽しみです。
>中さん
#801
「RAMPO Up-To-Date」にはTV番組は載らないのですね。残念。
「乱歩文献打明け話」でお取り上げいただきありがとうございました。清風亭の宴会、いつかごいっしょしたいと思います。
乱歩小説の候補を一つ発見しました。
岡田鯱彦「真実追求家」(1950)(『宝石推理小説傑作選1』いんなあとりっぷ社:1974収録)です。
正義感の強さのあまりに破滅に追い込まれた男が友人に書き送る遺書と言う形式ですが、その中に「最近僕は、君の私淑していると言うE氏が、自分は恋愛不能者である、とある所で書いておられるのを見て、びっくりした。氏の説は、この世の中でたった一人の自己の半身をさがし出すのに、我々の身の周りを如何に目を皿のようにしてさがし回っても、その十数億の人の中の唯一人を見出すことは、理論的に不可能であること。それから、性欲を醜悪なるものと教育されてきた自分は、恋愛の本源がそこにあることを知った時に興醒めせざるを得なかった−−というような趣旨だったが、僕はそれを見てこれはE氏の方が僕なぞよりずっと程度の高い真実追求家ではあるまいか、と舌を捲いた次第だった。」という個所があります。これは『我が夢と真実』の中の「恋愛不能者」(1949)からの引用ですね。
これは乱歩小説になるでしょうか。
>藤本さん
#804
はじめまして。
私も乱歩最初のライヴァル山下利三郎に興味を持っています。比較的入手しやすい作品を以下にまとめてあります。
http://www.inv.co.jp/~naga/yamashit/list.htm
「頭の悪い男」なら春陽堂の「探偵趣味の会」編『創作探偵小説選集1』の復刻版がまだ現役です。
藤本さんが仰るように、乱歩の出現は奇跡です。当時の探偵小説を調べれば調べるほど乱歩作品の輝きはなおも増していくように思えます。
小林さん、暑くなりました。熱中症、こわいですね。汗をかくことがこわくなります。
私のほうは、小林さんよりもひとつ前の週を夏休みと、考えています。
雑誌「にっぽん」、名古屋新聞。このところ、目録にでてきて、しかも、大阪圭吉とかかれていますので、小林さんは出されたかな、と思いました。
小林さん、段さん、長瀬郁太郎さんなどは、ある時期に本が出ていますので、どう言う経緯ででたのか、興味があります。次に、話題になった時には、すこし詳しく書きたいと思いますが、やはり、文献が少ないような気がしています。
私的には、それらは入手困難をきわめています。
芦辺さん、今週、ノベルスを購入予定でいます。もう書店に出ているのですね。原書房の方も楽しみにしています。
群馬県前橋市 最高気温40度。
本屋さんに行く、気力も無くなります。 (^_^;;)
先日の連休には、暑さを避けるため軽井沢の古本屋さんに行ってみましたが、軽井沢も少しも涼しくありませんでした。
芦辺拓 さん
> 新本格著書リスト更新、お疲れさまでした。
おっ、気付いていただき、ありがとうございます。
1月以上更新が滞っていましたが、ようやく「新本格著書リスト」他を更新しました。
自分で言うのもなんですが、眺めていると、結構面白いものが有ります。
kita さん
リンク、ありがとうございます。
「はじめまして」とおしゃいますが、kita さんには、定期的に訪問、書きこみ、していただいていますよね。
これからも、よろしくお願い致します。
それにしても、青森・深浦 は良い町のようですね。
桜 さん
> 『少年画報大全』……
> 作品リストもあるのですね。
少し、ミスリードしてしまいました。
「作品リスト」は無い、と思っていただいた方が良いです。
「連載開始作品」についてのみ、各号毎に記述されています。
おげまる さんのリストの方が、充実しています。
> お休みは八月にはいってからですか。
えぇー、一応8月13日の週を予定しています。
藤本 さん
> 機を見て調べてみたいと思います(学生なもので時間がある)。
大学生ですか?
末頼もしいですね。
時間の有る学生時代にこそ、読書に、調査に、時間を掛けて下さい。
(と、オヤジの説教でした…)
末永さん、桜さん
最近のお二人の会話には、ついて行けないことが多くなりました。(笑)
たまには、解説を入れて下さい。(爆)
最近の入手本
西の女王様こと、橋詰久子さんから
『ダブルで二発!』島久平、『感触(タッチ)』鈴木いずみ、『細い赤い糸』飛鳥高、を譲っていただきました。
橋詰さんの放出本のなかでは、一番美味しいところを、頒けていただけたかも…。
大変ありがとうございました。
今まで、全く縁のなかった、雑誌「にっぽん」名古屋新聞社 昭和17年9月号 を入手。
大阪圭吉の「氷河婆さん」掲載号。
「にっぽん」は、もう1冊、目録注文中。こちらはどうなる事か。
「21世紀版 全国古本屋地図」購入。
ほぼ、読み終わりました。(何をしているのだか)
「古本屋地図」ホームページ一覧 のリンク集(http://www.kosho.co.jp/kotsu/link.htm)も、更新されています。
>オーナー様
新本格著書リスト更新、お疲れさまでした。ミステリ界の動向が一目でわかる、ちょっとコワイところもある資料として重宝しております。刻々と変化し、増補されてゆく書誌というのは、ネットならではですね。
末永さん、雑誌「犯罪実話」をめくりましたら、「幻想文学」47号に掲載されていない、段さんの作品が多くありました。創刊号から三回の連載、ということもはじめに上げられた作品ではわかりました。
渡辺啓助さんの作品、その再録もありますね。
また、目録では逸している、長瀬郁太郎さんの作品、あるいは、杉山清詩さん、青山恥(右の心が火)介さんのもありました。
頁を開く度に、何かが落ちてくるのには閉口します。
小林さん、新しい人がここに登場されたり、リンクを張られるのはすばらしいことですね。お休みは八月にはいってからですか。
リンクを張らせていただいた時に一度メールを出したことがありますが、
ほとんど「はじめまして」に近いです。
夏の少ない休みを利用して少し本が読めそうな気がしています。
青森・深浦 夕陽海岸の町から
金光さんに教えていただいた、「幻想文学」47号を読みますと、薄風之介も出てきますので、昭和二二年の頃には、素顔が不明な人が多いですね。
末永さんが言われるように、久野豊彦さんの作品も、段沙兒さんの作品とともに上げられていますが、同一人とするにはまだまだ研究の余地があるのではないでしょうか。
段さんの作品もさらに発掘されることが必要なのですね。
桜様も、三角寛で引っ掛かりましたか。
あれだけあからさまだとだまされますね。発見したとき、私は小躍りしたのですが、まったくのぬか喜びでした。
沢山書いているので、『犯罪実話』のレギュラーライターと考えていいと思います。
久野豊彦説には、間に八止説夫を介すと人脈がつながることは確かですが、決定的な証拠はありませんし、『ネオ・リベラル』の「結婚綺談」がオリジナルなものではなく、バーナード・ショウとイサドラ・ダンカンの有名な(というか陳腐な)ジョークをわざわざコント仕立てにしたものであることにも、ちょっと引っ掛かっています。
大竹文庫とネオ書房など、面白そうな話題がありますが、あまり時間がないので、またの機会に!
大竹さんが出しておられる『貸本文化』誌、ただ今準備中で近日発売です。
詳しいことは後日お知らせいたします。
小林さん、
『少年画報大全』(少年画報社 \2762)は
>全表紙や、代表作が、フルカラーで掲載
という本でしたか。
作品リストもあるのですね。
>最初は、雄鶏社の推理小説叢書、という叢書が思い出されますが、このあたりの
>移り変わり(探偵小説から推理小説)の時期はすでに確定しているのでしょうか
しらべますと、昭和21年十一月には、「当用漢字表」告示がでてきて、「偵」が使用できなくなった、とあります。「日本ミステリー事典」より。
藤本さん、昭和30年代も混沌として、「探偵小説」も使われていたのですね。
金光さん、段沙兒、文献の紹介、有難うございました。47号、1996.6月ですね。
末永さん、本当に、三角寛、でやはり立ち止まるのですね。同じでした。
>かなりの量の作品が見つかっていますが、わりあい面白いです
ということですが、知りませんでした。ご教示ありがとうございます。
>小林文庫オーナー様
はじめまして。
皆さんにちゃんと調べていただけて感動しています。
何かわかりましたら、また書き込みたいと思います。
角田は「サンデー毎日」とつながりが強いですねえ(処女作「発狂」はここの懸賞だったよなあ)。
確か当時下読みをやっていたのは千葉亀雄で、この人は山本禾太郎なんかも発掘した人だったと思う。というより千葉が一人で応募作を全部読んで力のある人は軒並みデビューさせていたというのはすごい(海音寺とか荘八とかだったかな)。
ゆまに書房からでている『千葉亀雄著作集』は大正時代には数少ない探偵小説の批評をおさめていて興味深いです。
>最初は、雄鶏社の推理小説叢書、という叢書が思い出されますが、このあたりの
>移り変わり(探偵小説から推理小説)の時期はすでに確定しているのでしょうか
横レスになりますが、昭和30年代まで混沌としてるような気がします。
やはり「推理小説」という語は清張ブーム後に一般化しているような。
新聞広告を眺めていると昭和33年ごろから次第に「推理小説」と冠されたものが多くなっている。たとえば、
’32・12
『猫は知っていた』:探偵小説
『完全犯罪』:探偵小説
『詐者の舟板』:推理小説
’33・6
『野獣死すべし』:探偵小説
『氷柱』:推理小説
’33・7
『天狗の面』:探偵小説
’34・1
『悪魔の手毬唄』『濡れた心』『雪崩』(新田次郎):推理小説
『悪魔の寵児』:探偵小説
『野獣』が探偵小説と呼ばれているのはこけた。『悪魔の寵児』はわかるけど。
小林文庫です。
簡単なレスだけで、失礼します。
石塚 さん
はじめまして。
…とおっしゃいますが、以前掲示板に投稿していただいたことが、有りませんでしたっけ?
HPを拝見しました。
石塚さんが作成した、「乱歩人形」は雑誌の表紙などで、拝見しています。
そんな方にリンクしていただけるなんて、嬉しい!
リンク、ありがとうございました。
こちらこそ、宜しくお願い致します。
藤本 さん
はじめまして。
ご挨拶が遅くなってすみません。
『現代大衆文学全集35 新進作家集』に関するご質問、幾つかは明らかになったようですね。
教えていただいた、日下さん、中さん、ありがとうございました。
私も、少し調べてみました。
「梅雨時の冒險」角田喜久雄は、『角田喜久雄氏華甲記念文集』の中島河太郎さん編の「作品目録」によると、
昭和3年 サンデー毎日 (発表号不明)
と有りました。
他の作品に付いては、解りませんでした。
「文藝年間」には、雑誌の掲載作品がリストされているので、当たってみてはどうでしょうか?
何か解ったら、また教えて下さい。
これからも、よろしくお願いします。
桜さん、須川さん、大塚さん
私の持っている『誰の屍体か』は、第5刷(s37.12)でしたが、「冷凍人間」は収録されています。
この件に付いては、芦辺さん他編の『鮎川哲也読本』収録の、山前譲編の「作品/著書目録」には、
― 「冷凍人間」が削除された時期あり ―
と記述されています。
山前さんも罪ですね。 時期とは何時なのか?、はっきり書いて欲しかった。
この記述に気付いたのは、『少年画報大全』(少年画報社 \2762)を購入したから。
「少年画報」の、全表紙や、代表作が、フルカラーでたっぷり掲載されていて、懐かしいです。
昭和30年代には、リアルタイムで購入していましたから…。
書誌としては不充分なものが有りますが、連載作品のリストもあり、上記の「鮎川哲也作品目録」には、未記載の作品もリストされています。
ここにも島久平の連載が有って、島久平の作品リストを作るのは大変そうですねぇ。
やよい さん
「満洲日報」の調査は、昭和初年から始めているのですか!
「女妖」の新発見も、凄い成果のようです。
私も、どこかに結果を発表して欲しいです。
なお、上記『少年画報大全』には、島田一男作品もリストされていました。
物凄い亀レスですが、なにしろ4畳半なので見つかるまで、出てくるまでに時間がかかりました。
>須川さん、『誰の屍体か』の2バージョン、刷などを確認したいですね。
52年3月20日の第12刷(札幌のBOOK OFFの100円棚で難なく入手できたが、それ以来見たことがない)は「冷凍人間入り」です。
抜くと194ページ、入れると236ページ、あるとすれば、相当古い版じゃないでしょうか。(こういうトリック、どこかで最近読んだような気がしますが)
No. 809を読み返したら変でしたので補足します。
『犯罪実話』のある号には、「目次は段沙児、本文(凸版)は別の名前」というのがたしかに実在します。
ただし、809で申し上げた通り、よくわからない名前です。検討の必要があると思っています。
桜様はおわかりかと思いますが、『謎の二重体』には三角寛の短編に酷似した(というか三角寛の作品を連想させる)タイトルがあって、一瞬色めき立ったことがありましたが、全然別の作品でした。久野豊彦も同様です。
96年以降、かなりの量の作品が見つかっていますが、わりあい面白いです。
ただし、かなりグロですが。
段沙(紗?)兒については山下武「ドッペルゲンガー文学考」第11回(「幻想文学」第47号,
1996.6, アトリエOCTA) で言及されているのが、私が知る限り唯一の文章です。
山下氏も同一人物扱いで話を進めています、海外推理小説の奪胎をよく書いていた
ようです。
正体についても一応推測を試みております。
>推理小説、と表記されていますが、探偵小説とは表記されていません。
>最初は、雄鶏社の推理小説叢書、という叢書が思い出されますが、このあたりの
>移り変わり(探偵小説から推理小説)の時期はすでに確定しているのでしょうか
面白い着点ですね。
>段沙児の本拠地(?)である戦後のカストリ版『犯罪実話』をよく見ると、どうやら
>本名か別のペンネームらしき名前がわかるはずです
創刊号掲載の「人肉を喰う男」のみ見たことがあります。よもや「二壜のソース」の
翻案ではあるまいね? と思って(違いました)。むしろ城昌幸の短篇載っているのを
見つけたことの方が嬉しかった…
桜さま
>その復刻版『貼雑年譜』で気になるのは、限定200部の、番外で
>あるということですね。
う〜ん、そういう事ですか。でも、全然出てこないよりはそういうの
でも出てくれば多少の希望も湧いてくる(^o^)というものです。
大塚俊一様
高円寺は、たしか西部古書会館ありますね。横須賀からは遠い(新宿
までいけばすぐですけど)ですが、一度は行ってみたいと思います。
別冊新評「山田風太郎の世界」、私も何年か前買いました。いい本
ですね。
の著者については諸説あります。ある作家の変名だとか、著作権逃れの架空の名前とか(「二本の調味料」の場合)。
しかし、段沙児の本拠地(?)である戦後のカストリ版『犯罪実話』をよく見ると、どうやら本名か別のペンネームらしき名前がわかるはずです(本文と目次の名前が違うのがあるので)。
カストリ雑誌でときたま見る名前なのですが、悲しいことに、それが誰で何をやった人なのかがわからないのです。
『ロック』の人とは同一人物だと思っています。当て字にしては少しヘタクソですから。普通の人だったら、荒俣宏氏のような名前にするのが自然だからです。
何度か外れていた、段沙児(上が臼)の『謎の二重体』昭和22年6月、泰山堂、を入手。
推理小説、と表記されていますが、探偵小説とは表記されていません。
最初は、雄鶏社の推理小説叢書、という叢書が思い出されますが、このあたりの移り変わり(探偵小説から推理小説)の時期はすでに確定しているのでしょうか。
雑誌「ロック」には、昭和22年3月、同じ著者名で、「二本の調味料」が掲載されています。
同一人物でしょうか、気にかかります。
先週の阿佐ヶ谷に引き続き、高円寺に行ってきました。
今回この駅で降りたのは初めて。他の東京の町が線的に発展しているのに対して、面的にスクロールした迷宮のような町で行き当りばったりに古書店を探すには、特に今のような暑い時期はきついところがありますが、3時間あまりで10軒以上見つかりました。その割には品揃え的にはブックオフの域を出ないところがほとんどでした。
かろうじて、駅前で最初に入った球陽堂で別冊新評「山田風太郎の世界」(1、800円」、梶龍雄「毛皮コートの死体」(150円)と、南口で買ったサンリオSF文庫のアンナ・カヴァン「氷」(3千円)くらい。
北口の竹岡書店はかなり広い店舗が路地の両側に2軒あるものの、まさに店頭の路上を含めて、古本がぶちまけてある感じ。店内も通路上まで乱雑に本の山が積み上げられたり、崩れていたりして、店の奥まではたどりつけない状態。ここから出物が見つかれば、文字通り「掘り出し物」です。もっとも、熱さでそこまでの体力は残っていませんでした。店主もラリった感じでした。
貸本屋「大竹文庫」は、ネオ書店等と比べるとシステム的にしっかりしており、文庫は少ないものの、特に新刊ミステリや講談社ノベルズなども充実しており、芦辺先生のような売れ筋も押さえているなど、地元の方なら、新刊ミステリについてはここでほとんど用が足りるのではないかという感じでした。
江戸川乱歩他、作家の人形などを撮影しております。
先ほどリンクさせていただきました。
よろしくお願いいたします。
岩堀さん、その復刻版『貼雑年譜』で気になるのは、限定200部の、番外であるということですね。
日本推理作家協会編『自選ショート・ミステリー』ミステリ傑作選・特別編5、が文庫オリジナルとして出ています。序がなくて、少し、これまでのものと比べて、さびしいような気がします。
そのなかでも、左右田謙さんの作品、「宝石」掲載作品をはじめに読みました。
角田実名義の作品が多いのに驚きますが、最近では、『能面呪文』昭和33、に遭遇しながら逸しています。
>中様
ありがとうございました。機を見て調べてみたいと思います(学生なもので時間がある)。
『大衆文学全集35』が昭和3年刊なので、それ以前の雑誌に掲載と言うのが一番ありうる話だと思う(まさか書下ろしはないだろうから)。
となると「新趣味」「探偵・映画」か・・・まさか「苦楽」「キング」はないだろうなあ。ミステリー文学資料館か世田谷文学館に行かないとわからなそうだ。
乱歩がデビューがたまたま同じだった利三郎を異様に意識していたというのには驚いた(『探偵小説四十年』)。そのときの「頭の悪い男」は未読だが、2、3読んだ印象ではローカルな松本泰みたいで、奇妙じゃない「奇妙な味」派みたいだ。
プロットをひっくり返すと探偵小説になるという考えだったようで、それでもまだ
ひねったプロットならいいが、この程度ではなあ・・・。名が残らないのも当然。川田功も似たようなものだが、利三郎よりは書けるのではないか。やはり乱歩の突然の登場はあまりに奇跡的な出来事であったという感を強くした次第です。
桜さま
光文社文庫の鮎川さん、連番の件といい、緑の艶出し・艶消しといい
すごい観察力ですね。わたしも、本格推理、〜マガジン、新本格推理
と一通りは本棚に並んでいるのですが、全く気付きませんでした。
ダブリ(はしない)主義など捨てて、続刊も買い揃えることにしましょう。
それと、「貼雑年譜」古書目録の件、大変嬉しい情報です。将来に希望を
つなげられます(ちと甘いかなあ〜)。
中さま
「真珠の小箱」私はビデオ取り損ねてしまって少し残念です。
DMでも書きましたが、カラオケ以前の本当に古き良き時代の宴会
風景ですね。会社の宴会で「蓄音機」と異名を取った私としては懐か
しくて涙が出てきますね。あの放映では市長さんが出ていましたが、
今「探偵小説四十年」を開いてみたら、旧藩主藤堂さんの踊りやら、
伊勢音頭やら賑やかに出たそうですね。乱歩もどんなに嬉しかった
ことか・・・。
清風亭での宴会、私も楽しみにしています。
末永さま
いつぞやの、斎藤栄「乱歩幻想譜」(光風社書店)の奥付の日付の
件、DMでのご教示有難うございました。あの後、手持ちの廣済堂
文庫(山風「妖異金瓶梅」「十三角関係」など)みたら、やはり
カバーに日付印刷でしたね。新刊で買ったものでそこあたりは
全く気にしていませんでした。いい勉強になりました。
「新刊展望」8,2001。
ここには、原書房 ミステリーリーグ、7月25日刊行開始、が告げられています。
国内本格ミステリを中心に新シリーズ。書き下ろし。
<第一回配本>として、柴田よしきさん、愛川晶さんの告知。
今後の執筆陣として、10月には、芦辺さんの予定。今年は、さらに、一冊出るのですね。
著者名に、ミスがありました。
満州日報、九州日報。やよいさん、残るは、島田さんの処女作ですね。
■芦辺拓様
『時間の檻』のご教示、ありがとうございました。「RAMPO Up-To-Date」の件、著書目録のデータ整理にかまけて更新をサボっていたのですが、本日アップロードいたしました。今後ともよろしくお願いします。
■岩堀様
昨日、制作会社から送っていただいたビデオが到着しましたので、お酒を飲みながら「真珠の小箱」を見直したのですが、清風亭の宴会シーンでは古き良き時代の宴席の情緒がしのばれ、じつに心温まるものを感じました。酔っ払いを見て心が温まるというのは稀有なことです。あの座敷でお酒をご一緒できる日を楽しみにしております。
■藤本様
お尋ねの件、中島河太郎先生の「日本探偵小説総目録」(『探偵小説年鑑1950年版』所収)で判明するかと思って調べてみたのですが、山下利三郎、川田功、角田喜久雄のいずれの項にも当該作品は記載されていませんでした。このリストに見当たらないとなると、あとは雲を掴むような話であるとしか申しあげようがありません。お役に立てなくて恐縮です。
■やよい様
「女妖」が「満州日報」に連載されていたことを、私はまったく存じませんでした。というか、それはたぶん「新発見」ではないか思われます。
乱歩と正史が合作したことになっている「女妖」は、松村喜雄さんが「本の雑誌」1989年4月号に発表した「乱歩・正史合作の謎の小説を推理する」でいわば幻の作品として紹介され、1997年10月に春陽文庫『覆面の佳人 或は「女妖」』として刊行されました。たしか浜田知明さんの調査によって、「女妖」が「覆面の佳人」という題名で「北海タイムス」に連載されていたことが判明し、それが『覆面の佳人 或は「女妖」』というタイトルに反映されたのだと思います。
「覆面の佳人」はA・K・グリーン作品の翻訳という形になっていて、乱歩と正史は「訳補者」として名を連ねていました。実際には正史の単独執筆だったようです。
お知らせいただいたデータも含めて連載期間を列記すると、次のようになります。
覆面の佳人 「北海タイムス」 昭和4年5月21日−12月28日
女妖 「満州日報」 昭和5年1月28日−8月24日
女妖 「九州日報」 昭和5年2月1日−8月14日
「満州日報」と「九州日報」がどういう関係にあったのかが判然としないのですが(何らかの提携関係で結ばれていたように思われますが)、いずれにせよ連載開始の時点で作品は全篇仕上がっていたのですから、《輸送用に早めに原稿を貰っていた》ということはないと判断されます。
しかし、そんなことはともかくとして、「女妖」が「満州日報」にも連載されていたというのはひとつの発見であり、当方のデータベースもご教示に基づいて増補いたしますが、どこかにその旨をきちんと公表なさってはいかがでしょうか。むろんネット上でもいいと思います。なんでしたら当方のホームページに掲載させていただきます。なんだか押しつけがましくなってしまいましたが、ご一考いただければ幸甚です。
以上、じつは「本の雑誌」のコピーも『覆面の佳人 或は「女妖」』もなぜか見当たらず、『乱歩文献データブック』と『江戸川乱歩執筆年譜』だけに基づいて記しました。頼りない話で申し訳ありません。何かわかったらまたお知らせいたします。末筆ながら、「満州日報」ご調査の労に敬意と謝意を表する次第です。今後ともよろしくお願いいたします。
中さま
江戸川乱歩データベースでは「女妖」が昭和5年2月から九州日報で176回連載とありますが、満州日報に昭和5年1月28日から8月24日までの176回で掲載されています。
輸送用に早めに原稿を貰っていたのでしょうか。
七月、古書目録が多くきます。夏の休みの前は多いのですね。
このところ、一点狙いに徹していますが、丁寧に、残念でした、という葉書が来ますので、そうか、前回は当たりだったから、等と思います。
昨日は、眼が止まり、そこから動きませんでした。
復刻版『貼雑年譜』本体二冊、二重函
が古書目録に掲載されています。25万です。
・xxxxxより、xx邸にxx本として納品されたものの一部
ということです。x部はここに書きませんでした。
一部ということは、何冊かあるということですね。
須川さん、五冊出るようですが、さらに、鮎川哲也コレクションとしてでてほしいですね。改稿部分はわかりません。
岩堀さん、再版印刷された、ということで、続刊してほしいです。
鮎川さんは、北海道にうつられたため、蔵書は、やはり、あの資料館にあるのでしょうか、これは気になります。
>日下様
ありがとうございます。
単純な見落としでした。お手数をおかけしました。
>ALL
宇陀児以外の山下利三郎などは見直しましたが、やはり『新青年』『探偵趣味』掲載ではないようです。どなたか御存知の方ご一報お願いします。
日下です。
>藤本さま
>闇の中の顔 大下宇陀兒
>なば山荒し 大下宇陀兒
ありゃ、宇陀児の作品は、両方とも「新青年」のはずですが……。
「なば山荒らし」昭和二年四月号
「闇の中の顔」昭和二年九月〜三年一月号。
先ほどの書き込みの
>メールさせていただきました。
は当然「書き込み」の間違いです。申し訳ございません。
細かいようですが一応。
はじめまして。あまりに話題が濃いのでここなら・・・と思い書き込みさせていただきます。
先日『現代大衆文学全集35 新進作家集』(平凡社/1928年初版)を入手しまして、さっそく資料(とはいえ自宅にあるものですから大したものはないのですが)を当たって掲載作の初出を調べました。
予想通り大体が『新青年』『探偵趣味』掲載のものでした。ただし不明のものもいくつかありまして、みな様方で何かわかりましたらと思いメールさせていただきました。以下に初出不明作を挙げます。
虎狼の街 山下利三郎
復仇 川田功
闇の中の顔 大下宇陀兒
なば山荒し 大下宇陀兒
梅雨時の冒險 角田喜久雄
ちなみに宇陀児の2作は創元の『日本探偵小説全集3』年譜で昭和2年に発表されたものとわかりましたが、掲載誌が不明です。
当方、「『新青年』所載作品総目録」(『新青年傑作選5』)と光文社文庫の「幻の探偵雑誌」シリーズのリスト(とはいえ昭和3年までですから『探偵文藝』『探偵趣味』の2冊のみですが)を当たりました。
どなたか「その作品はここに載った」「戦前の短篇はこれで調べるといい」といったような情報をお持ちでしたら、ご教示いただけないでしょうか?
よろしくお願いします。
今日、仕事の帰り「ジャンピング・ジェニイ」を買おうと八重洲ブックセンター
に行ったのですが果たせず、目についた「黒岩涙香の研究と書誌」\5,500を
買っちゃいました。高いよ〜〜
「無惨」とか「三筋の」しか読んだことないのですが、涙香なんて面白いの
かしらん >小森センセー
同書には「明治期シャーロック・ホームズ翻訳集成」@50,000×3冊の広告が
・・・た、高い、高すぎる >藤元さん (T_T)
ところで光文社の鮎川は改稿と書いてありますが、どこがどう変わって
いるんでしょうかねえ?? まだためらっております(-_-;)
先刻書きこみの末尾、「思っていま。」となってました。すみません。
「思っています。」・・・です。下書きがすでに抜けてました。
中様
名張見物の詳細コースガイド誠に有り難うございます。乱歩にちなむお土産も
結構あるんですね。私も前から、名張に行くならば御地で一泊と思っていま
したが、「真珠の小箱」を見て、清風亭で宴会出来たらいいなあと思いまし
た。中さんご紹介のコース通りにやれたらどんなに素晴らしいことか…。
是非正夢にしたいですね。
芦辺様、桜様
光文社文庫の鮎川さん2冊、昨夜書店で手にとり、だいぶ迷ったのですが
買ってしまいました。「ひとそれを情死とよぶ」も「ペトロフ事件」も
持っているからですが(原則としてダブリは持たない主義)、芦辺さん、
二階堂さんのエッセイや山前さんの解説など落ちついて読みたいもので…。
お二人とも、鬼貫警部のすばらしさを非常に的確に述べておられる点、感服
いたしました。私も、昨年暮れの「プレMYSCON2」の「名探偵勝負」
という企画で、僭越にも鬼貫警部を推薦したりしたのですが、思い入れは
あってもうまくは表現出来なかったもどかしさを今も感じています。
MYSCONホームページ(URL;http://www.geocities.com/myscon/)
にそのあたりの事載っていますので、高覧いただければ大変光栄です。
プレMYSCON2 → 名探偵勝負 → 第2組で出てきます。
芦辺さんの、「…若いミステリファン諸氏…「アリバイ崩し」という
だけで拒否反応を示す人たちが多いのに驚かされます。…」には全く
同感です。ミステリ好きと称しながら時刻表は嫌いとはなんたる事か…と
憤慨(^o^)してもしょうがないんですけれども、そんな人には、まずは
鮎川さんの「碑文谷事件」あたりから読んで頂けばきっと好きになるの
では…と思っていま。
芦辺さん、
>『人それを情死と呼ぶ』『ペトロフ事件』は、早くも増刷がかかったようです
発売三日目にして、これはすばらしいことです。
解説もそうですが、作品の選択もよかったのですね。
いろいろ、考えるのが好きなので、こんなに、当たるとは思いませんでした。
「仕掛け」があれば、個人的にはうれしくなります。
中さんへのレス、ありがとうございました。
しかし、なぜ、姉妹編には、乱歩のルーブリックが採用されていないのか、いまだに不思議に思います。
>中さん、akawasさん
す、鋭い……鋭すぎます。ああ、いまだかつて発売日前に内容を見抜かれた探偵小説があったでしょうか。ポーがディケンズの『バーナビー・ラッジ』の真相を冒頭数ページで見抜いた以上ではありますまいか。
>桜さん
こちらもお気づきになりましたね。これは“本格推理”シリーズをリニューアルするに当たっての光文社側の思いつきで、僕は関与していないのですが。なお今回の『人それを情死と呼ぶ』『ペトロフ事件』は、早くも増刷がかかったようです。
>その桜さんに質問された中さんへ
光文社文庫『時間の檻』(昭和62年2月20日初版第1刷発行)は、創元推理文庫『五つの時計』(1999年2月26日初版)のベースとなった短編集(「薔薇荘殺人事件」「二ノ宮心中」「急行出雲」は不収録)で、創元版では各編の巻頭に掲載されているルーブリックを、「各編解説 江戸川乱歩」として巻末(宮本和男=北村薫氏の「文庫解説」の前)に一括掲載する形となっています。一方、姉妹編として出た『硝子の塔』(創元版『下り“はつかり”』のベースとなった本)にはルーブリックはありません。
あ。それとあのデータのUp-To-Dateをよろしくお願いいたします。
>オーナー様
昨夜、たまたま『鮎川哲也読本』が出たころの貴ページ過去ログに行き当たって、まさに隔世の感ありでした。
■日下三蔵様
どうもありがとうございます。著書目録をつくることになろうなどとは夢にも思っておりませんでしたので、乱歩の本を古書で買ったことは一度もなく、新刊だってじつにいい加減に購入しておりました。講談社の江戸川乱歩推理文庫が揃った時点で角川文庫の乱歩作品はすべて処分する、みたいなことばかりくりかえしていて、いまになって臍を噛んでいる次第です。ご多用中まことに恐縮ですが、よろしくお願いいたします。
■須川毅様
機会がありましたらまた名張にもお立ち寄りください。ご所望とあらば日帰りコース、二泊三日コースなんてのも設定させていただきます。
■芦辺拓様
となると、菰田治郎右衛門はユートピア願望ではなくてレンズ嗜好症を体現した人物なのでしょうか。とお訊きしたいところなのですが、それでは興趣が殺がれます。拝読するのを心待ちにすることにいたします。
■桜様
横から割り込むようで申し訳ないのですが、光文社文庫に入っている鮎川哲也さんの作品集には、乱歩のルーブリックが収録された本があるのでしょうか。どこかでそんなことを読んだ記憶があり、あ、調べなあかんなと思いながら、いまだに果たせておりません。お知らせいただければ幸甚に存じます。
引き続いて、鮎川さんの、光文社文庫。あ 2−32、2−33、と二冊には、連番がうたれています。
32、33、ですから、これは鮎川哲也編の「本格推理」、「本格推理マガジン」や「新・本格推理01」からの番号です。
今度の、鮎川哲也コレクションがこれらに加わることになります。
ならべると、少し違和感があるのに気付きました。
鮎川哲也コレクションの二冊は、深い緑ながら、艶消し
その他のは、深い緑ながらも、艶出し
ということで、同じ深い緑ながら、一工夫がありました。
須川さん、『誰の屍体か』の2バージョン、刷などを確認したいですね。
芦辺さん
ごぶさたしています。
ドンクルカームルはオランダ語の donkerkamer、「暗い部屋」という意味ですね。
杉田玄白の『蘭学事始』、大槻玄澤の『蘭説辨惑』などにこの語は出てきます。
まことに興味津々です。
>中さん、日下さん
その菰田治郎右衛門が何をするかは言えませんが、ちなみにタイトルは「幻はドンクルカームル」と申します。実はこの作品、こちらの掲示板においでのある方がかかわられた本が大いなるヒントになっていますので、その方のもとには雑誌が届くでありましょう。
でも確かに僕が考えた役割より、巨大な騙し絵庭園を造る男とかの方がふさわしかったかもしれません。うーむ、どうしよう……って、どうにもなりませんが。
十年位前に家族で伊勢志摩に行った時に家族を
だまして名張まで寄り道しました。
生誕碑の前で写真を撮りましたが、当時は名張
市立図書館のことは知らなかった(当たり前)
のでそれだけで終わったのは残念です。(-_-;)
PS 「冷凍人間」抜きのバージョンの話は驚きました。
どなたかお持ちの方名乗り出て下さいませ。
日下です。
>ただ、「菰田治郎右衛門」なる人物が大富豪であったり遊園地をつくったり
>みたいな設定なのであれば、ちょっと考え直してみる必要がありそうです。
PCの前で吹き出してしまいました。中さんのレスポンスは面白すぎます。
乱歩の本自体は、ほとんど古書では買っていないため、書誌のデータに
あまりご協力できず申し訳ありません。
アンソロジーや収録本に関しては、いくつか発掘済みのものがあります
ので、仕事が一段落したら書き込みます。今しばらくのお待ちを。
■岩堀様
いつでも名張にお運びください。「真珠の小箱」で流された宴会シーンの現場、清風亭で宴会を催したいと思います。つい十日ほど前、やはりこの「小林文庫の新ゲストブック」でお近づきをいただいた東京在住の方が、大阪へのご出張のついでに名張市立図書館にお立ち寄りくださったのですが、その夜は名古屋泊まりとのことでしたので、なんだかあわただしい飲み会になってしまいました。したがいまして、名張では最低でも一泊していただき、一日目は乱歩生誕地碑など名張の町の見学、川魚料理の清風亭で宴会、炉端焼きの味ふくあたりで二次会という日程をこなし、近鉄大阪線名張駅前の名張シティホテルで一泊、翌日はまず名張市立図書館を見学したあと、伊賀牛のもりわきで昼食、それから菓子舗さわ田のランポパイ、山本松寿堂の二銭銅貨煎餅、木屋正酒造の乱歩幻影城あたりをおみやげにお帰りいただくというのが、ごく一般的なコースとなっております。
■芦辺拓様
“乱歩小説”の明確な定義というのは存在しないのですが、というか厳密には定義しようがないのですが、「D坂の密室殺人」や「天井裏の散歩者」といったタイトルの擬きは一応対象外、ということにしておりますので、作中人物の名前につきましても、とりあえずはそういった観点から判断したいと思います。ただ、「菰田治郎右衛門」なる人物が大富豪であったり遊園地をつくったりみたいな設定なのであれば、ちょっと考え直してみる必要がありそうです。
岩堀さん、文庫本バージョンもあります。芦辺さんが書かれておられますように、収録作が少なくなっています。
その春陽文庫には、2つ、バージョンがあるようです。私は、「冷凍人間」があるのを所有していますが、友人は、なぜか、その「冷凍人間」がないのを所有していました。
これは直接見て、確認していませんので、確かではありません。あるようですね。
しかし、本当に、あるのでしょうか。
「別冊シャレード 55 天城一特集 パート3」が送られてきました。鮎川さんと同い年なのです。すでに読んでいる「魔耶」ものですが、新鮮な気持ちで読ませます。
>岩堀さん
桃源社版『冷凍人間』から「妖塔記」「怪虫」「マガーロフ氏の日記」を外したのが、春陽文庫版『誰の屍体か』のようです。それと、「冷凍人間」は初出が「探偵倶楽部」なのですが、そのあとストーリーをふくらませ、少年主人公を加えて学習誌に連載したジュヴナイル版「冷凍人間」が書かれたのです。
全然関係ありませんが、今度「小説宝石」誌に載る捕物帳第2話で、作中人物に「菰田治郎右衛門」という名を与えたのですが、これだけでは“乱歩小説”にはなりませんよね?>中さん
桜様、芦辺様
私も、昭和37年ごろでしょうか「冷凍人間」買った記憶あります。
ごく小さな本屋で見つけて「おう、鮎川哲也だ」と喜んだものです。
桃源社だったんですね。文庫本だったのは覚えていたのですが。
この本、友人に貸してそれっきり戻って来なかったのです。当時は
そんなにも思わなかったのですが、今となっては大変口惜しいです(^o^)。
もっとも、自分でも「翳ある墓標」など読了後「面白くない」と捨て
ちゃったりして・・・。これまた「若き日の過ち」と後悔しきりです。
うっすらとした記憶では、「冷凍人間」という作品ははジュブナイル
物のような記憶ですが違うかな?
なんにしても、光文社文庫買ってみたくなりました。
大塚様
オフ会写真、無事届いたようですね。又宜しくお願いします。
>桜さん
大当たり、であります。ミステリという沃野に気づきながら、小説の面白さに目覚めさせてくれたSFにも愛着があった16歳の当時、『冷凍人間』というタイトルの本格推理作品集に出会った意味は大きかったと思います。ただ、鮎川先生の著書でこのタイトルということになると、中身についていささか説明が必要なのであえて省略したわけなのです。
光文社文庫の、鮎川さんの二冊が出ました。そのなかの、芦辺さんのエッセイをよんでいますと、十六歳の頃に、とある日本海側の、古書店で遭遇した、鮎川さんの本が出てきます。題名はないので、少し考えてみます。
『冷凍人間』昭和三三年、桃源社
でしょうか。八篇の短編を含み、鬼貫警部もの、星影龍三もの、それぞれ、二篇あります。後は、ノンシリーズです。
近頃は、みかけないもののひとつです。
大塚さん、「ネオ書房」、ここの掲示板ででてくる名前ですが、貸本店なのですね。ときどき、いまでも、その判がおされた本に古書店で遭遇します。
もうひとつ忘れていました。北口のアーケード街から続く通りに、まず、「ネオ書房」。大井町のものと同じ。最近の漫画コミック本と新古のヒット本が中心。さらに奥に進んだところに、「ネギシ読書会」中杉通り店。ここも、同じような品揃えでした。
私のPCも木曜日の朝にWINDOWSが飛んで、この間の状況についてはあまりよくわかりませんが、やっと復旧したところです。まとめて、レスします。
>小林オーナー
30万アクセスおめでとうございます。
>岩堀様
OFF会の写真のご返事が遅れ申し訳ありません。
>須川様
ダブり本のデータ消えてしまいました。申し訳ありません。
このところ、成瀬巳喜男監督作品の特集があって阿佐ヶ谷に通い詰めており、周辺の古本屋を散策してみました。今月筑摩文庫から出た本にも出ているように、中野から荻窪の間は、これまで余り縁のない土地でしたが古本屋は集中しているようです。ただし、ほとんど刈り尽くされてしまった感があります。
南口の「弘栄」は国内本格ミステリの蔵書では相当なものですが、値付けが私自身の相場観の3〜5倍以上。これはと思う本は、ほとんど文庫は3千円、ハードは5千円以上ついていました。ダブりも多かったですが。
北口のよみた屋もミステリーに関しては刈り尽くされた感じ。ミステリではありませんが個人的には青天井でもいいと思うジャン・パウル全集が1冊5百円、早川ミステリ337ナイオ・マーシュの「ヴァルカン劇場の夜」が4百円と、値付けもちぐはぐな感じです。
小林文庫です。
桜さんに先に、書いていただきましたが…
昨日の日中(10:00〜16:00くらい?)に、「小林文庫のゲストブック」、「黒猫荘」にアクセスできない状況が発生していたようです。
「黒猫荘」の方では、投稿が消えてう事もありました。
ご迷惑をおかけして、申し訳ありませんでした。
以前にも、同様の現象あり、プロバイダーのトラブルに間違いないと思うのですが、プロバイダーからは何の説明もありません。
少し、怒っています。
また、同じようなトラブルが有った場合は、掲示板などでご報告下さい。
岩堀さん
> なにかで必要な折、お役にたてば…と思います(^o^)。
必要なことは、無い方が…(笑)
> 皆さんに楽しんで頂けたようで、幹事団としても大変嬉しいです。
> ミステリー談義を肴にして気持ちよく飲める機会を時々作りましょう。
幹事団の皆様の万全の準備のおかげで、本当に楽しい会になりました。
「鎌倉散策」も新鮮で、良かったですね。
また、このような機会を持ちたいです。
> でもオーナーの建国?の基本精神(ミステリーに関することなら何でも)は変わって
> いないと思います。
はい、変わっていません。
「ミステリーを好きになってね」が、最初の気持ちですから、知識のレベルの高い人も、普通のミステリーファンも、対等の立場で、ミステリー語り合える場所で有って欲しいと思っています。
と言う訳で、気楽な書き込みも、どんどんお願いします。
小林さんが「白梅軒」で書かれておられますように、やはり、入り込めない状況があったようです。
末永さん、那珂良二さんについては、黒崎さんは実際に関係者に会われたようですね。見守ります。
岩堀さん、私も、下に上げられた「乱歩幻想譜」、こちらは文庫本でしたが、行方知れずのため、購入。資料がおおく頻出していたことに、再読して、驚きました。
久しぶりの書き込みです。
中 相作さま
今朝早起き(^o^)して、「真珠の小箱」みました。いよいよ名張に
行きたくなってきました。
乱歩帰郷の折の宴会シーンがよかったですね。
オーナーさま
>「湘南オフ会」のアリバイ写真、昨日受け取りました。
>大変ありがとうございます。
なにかで必要な折、お役にたてば…と思います(^o^)。
>「湘南オフ会」は、蒐書や研究で実績のある方が多く、大変刺激的でした。
>また、この様な機会を持ちたいですね。
皆さんに楽しんで頂けたようで、幹事団としても大変嬉しいです。
ミステリー談義を肴にして気持ちよく飲める機会を時々作りましょう。
遅ればせながら30万アクセスおめでとう御座います。須川さんも
おっしゃってる通りこの頃は凄まじい変貌ぶりですが、でもオーナー
の建国?の基本精神(ミステリーに関することなら何でも)は変わって
いないと思います。須川さんが、“蒐書や研究で実績”のない人なら
私などは逃げ出さなければなりませんけど、私はこれからも気楽に臆面も
なく書きこむつもりですよ(^o^)。
…というわけで、気楽に、最近読んだ本の話です。
斎藤 栄「乱歩幻想譜」光風社書店
乱歩関係が話題になっているので、ツンドク棚から抜き出したのですが、
なかなか良かったです。乱歩作品 再読したくなってきました。
ところでこの本、奥付に発行年月日が全く入っていません(カバー折り
返し部にはあり)。私は「初体験」ですが、こういうのは珍しくないんで
しょうか。
ミステリー文学資料館編「『探偵文藝』傑作選」 光文社文庫
大仏次郎が「波野白跳」名義で書いているのが珍しかったです(「台湾パナ
マ」)。
そういえば、彼のノンフィクション代表作とも言える「ドレフュス事件」も
ミステリ風で非常に面白く読んだ記憶あります。
ノックス「三つの栓」東都書房世界推理小説大系16巻
だいぶ前のオフ会で、この大系の未読巻読破を公約したのでポツポツ
読んでます。「三つの栓」は東都版でしか読めないと言う点で意義あり
ですが、面白さとしてはやはり「陸橋殺人事件」が上と思います。
アクセスが少なく、どうしたことかと思いましたが、アクセスできなかったのですね。
私は直接ここにブックマークをしているので気付きませんでした。理由がわかって安心しました。
那珂さんのことはおいおい発表されるようです。しばらく静観しましょう。
小林さん、昨日は、HPに入り込めませんでした。原因は、なんでしょうか。
末永さん、ありがとうございます。
下のHPで、あきらかになるのでしょうか。
献呈署名の人と関連があるのか、楽しみにしています。那珂川ではなく、本名が明かされるのでしょうか。那珂良二さん、作品の多くが判明すれば、作品がさらに増えるのでしょうか。
青木一雄さんが逝去されました。84歳。『「とんち教室」の時代』1999.2月、展望社を読み始める。昭和20年から43年まで、放送されたようです。貴重な証言がかかれています。
巻末をみますと、著作もこれ意外に有ります。
上のURL(黒崎義久さんのHP)をご覧ください。
何という偶然か、つい最近、私と桜様がここで書き込んでいた謎のSF作家、那珂良二さんの御遺族から、黒崎さんのところにご連絡があったそうです。
これで長らく謎だった那珂良二さんのことが明らかになるらしいです。
これほどネットの力のすごさを感じたことはありません。
テレビ番組のお知らせです。毎日放送制作の「真珠の小箱」という15分番組で、「乱歩・その夢と真実─三重─」が放送されます。ロケ地は三重県名張市、出演は有栖川有栖さん。放送日程は下記のとおりです。
7月14日(土)
・MBS(大阪)午前9時45分〜10時
・CBC(名古屋)午前6時45分〜7時
7月15日(日)
・TBS(東京)午前6時15分〜6時30分
もう少し詳しいことは当方のホームページに記してあります。
■宮澤様
お知らせありがとうございました。成田さんのページ、拝見いたしました。『続・幻影城』だけで終わらずに『探偵小説の「謎」』までひもといてみるというのは、すでにして素人の手口ではありません。勉強になりました。小林信彦さんの「人生は五十一から」を検索してみましたところ、文藝春秋から単行本が出ているようですので、探してみたいと思います。
■平山雄一様
作品そのものは未見ですが、小林文庫オーナー様からお知らせいただいたとおり、「影男」で言及されているのは鷲尾三郎の「妖魔」=「悪魔の函」であると見て差し支えないように思われます。「影男」では、ある登場人物が密室に関する蘊蓄を披露するシーンでこのトリックが紹介されておりますが、あの密室講義の密室はすべて実在の事件として語られていますから、「山形県」や「樫の木」はアクチュアリティを付与するために乱歩が加えたものかとも思われます。この作品は乱歩の『日本探偵小説事典』の「鷲尾三郎」(p.510)にも出てくるのですが、乱歩がトリックは面白いけど文体がてんで駄目駄目な作であると思っていたせいか、作品タイトルは記されておりません。
■末永昭二様
私の場合、はばかりながら本名です。私は現在名張市に住んでおりますが、亡父は名張市の北に隣接する上野市の出身で、旧村名でいえば名賀郡依那古村というのが私にとって父祖の地です。この依那古という在所には中という姓が比較的多く、亡父の妹など嫁ぎ先がやはり中という家でしたから結婚しても姓が変わることはなかったという、なんですか田舎ミステリーの小ネタにつかえそうなエピソードをそのまま体現して生きております。しかしまあ、親戚縁者を見回してもろくな奴がいないのはたしかです。
小栗虫太郎さんの、雄鶏社のものを手に入れました。すでにあったのが
『海象に舌なきや其の他』推理小説叢書8、昭和二二年
後書 木々高太郎
新たに手にしたのが、収録作は同じですが
『完全犯罪』昭和二四年、 装丁 渡辺幸雄
後書 木々高太郎、はない
で、同じ雄鶏社ながら、前者とは異なる、赤を基調とした仙花紙本です。
須川さん
お祝い、ありがとうございます。
> 僕は“蒐書や研究で実績”のある人間ではありませんが、時々訪問させてください(-_-;)
須川さんは、「実績の有る人」の中に、数えられていますが…。(笑)
> のどかな昔を思い出しました。
確かに、口を挟むタイミングが難しくなっていますが…(爆)
ミステリー好きが、居酒屋で雑談しているようなつもりで、気軽に話題に参加して下さい。
「そうそう…」、とか、「そう言えば…」とか、「それはどう言うこと?」とか。
あんまり、難く考えないで下さいね。 >皆さま
平山雄一 さん
> 鷲尾三郎の題名、ありがとうございます。さっそく探してみ
私が「これが、影男で引用した作品にあたるかは解りません」と書いたのは、それぞれの発表時期が接近していて、(発表時期の)前後関係が確認できなかったからでした。
一応調べてみました。
「妖魔」=「悪魔の函」の発表は、昭和28年4月。『続・幻影城』は29年6月。
「影男」の連載が30年1月から、なので時期的には矛盾は無いようです。
「悪魔の函」のトリックは、「類別トリック修正」のトリックと一致しています。
ただし、山形県の事件でもなければ、樫の木も出てきません。
いつの間にか、久我荘多郎が集まり始めました。
戦前の小説、三冊です。
4 栄落春秋記 昭和十八、立誠堂
奥付には、荘太郎、とあるが、表誌には荘多郎
5 三人の母 昭和十八、洋山堂書店
6 勝ち抜く主従 昭和十八、洋山堂書店
戦前では、どのくらいあるのでしょうか、また経歴もわかりません。読むと、雑誌に連載された長編小説です。
やはり、日満殺人事件、昭和十一年を入手しないと、いけません。
僕は“蒐書や研究で実績”のある人間では
ありませんが、時々訪問させてください(-_-;)
それにしても凄まじい変貌ぶりで改めて
のどかな昔を思い出しました。
(↑昔は良かったという意味ではありません)
オーナー様、
鷲尾三郎の題名、ありがとうございます。さっそく探してみます。
小林さん、例の目録、8月ですね、私も出遅れてしまい、案内係の女性は、探偵小説はすぐに売りきれです、と言いながら、次回の正確な日にちを言ってくれませんね。
時の運でしょうか。
そこから送られてくるFAXには、多くの正確な情報がかかれていて、これには安心できます。
書店で、新本格派のアンソロジー、講談社ノベルス、購入。リストがありますので、後年、貴重になりますね。
桜 さん
30万アクセスに遭遇、ありがとうございます。
昨日、「小林文庫」HPのカウンタが30万を超えました。
途中カウンタが壊れた事も有りますが、ズルはいていません。(笑)
開設者がすっかり怠惰になってしまった中、毎日沢山の方にアクセスしていただけるのも、掲示板に書きこんでいただいた皆様のお陰です。
これからも、ディープな(笑)話題の投稿をお願いします。
もちろん、アクセスしていただいた皆様、総てに感謝しています。
今後とも、「小林文庫」をよろしくお願い致します。
ついでですが、一昨日7月9日は、私の誕生日でした。
こちらは、ちっともお目出度くないです。(笑)
芦辺 拓 さん
> いつもお世話になっております。一つ例を挙げれば、大労作の「新本格著書リスト」は格好の資料であると同時に、ひそやかな励みとなっていたりしています。引き続きよろしくお願いいたします。
過分なお言葉、ありがとうございます。
最近は更新が非常に遅れていますが、「新本格著書リスト」の作品チェックは続けています。
何とか、海の記念日には更新したいと思っています。
No.739 初心者 さん
わざわざ、こちらまで来ていただき、ありがとうございます。
初心者さんが、最初に質問した頁も、見ています。
『知恵の一太郎』の初版本(京橋書房刊)、私は欲しいです(爆)
「知恵の一太郎」はこの本が最初に纏まった本(初刊本)ですし、その後も長く再刊されなかったので、価値の有る本だと思います。
古書価については、私にはなんとも言えません。
No.743 やよい さん
いつも、情報ありがとうございます。
> JASの機内誌「ARCAS」の7月号。
この雑誌は、なんとか手に入れて読んでみたいですね。
平山雄一 さん、中さん
乱歩が「類別トリック集成」で《小屋の屋根全体を万力で引き上げて出入りし…》と書いている鷲尾三郎の短篇は、『悪魔の函』収録の「妖魔」だと思います。
これが、影男で引用した作品にあたるかは解りません。
森下祐行 さん、宮澤さん
森下さんの投稿を読んで、「双葉十三郎の創作だった」と言う話は、最近どこかで読んだような記憶がありました。
そのまま引っかかていたのですが、宮澤さんの投稿で、成田さんの「密室系」を確認して納得。
小林信彦のエッセイだったのですね。
でも、1999年の事だったとは!?(1年以内くらいの事と思っていました (^_^;;; )
桜さん
桜さんが紹介されていた、「海野、乱歩、大下、九鬼、南澤らが掲載されていた目録」、実は私も注文しました。
もちろん出遅れていて、桜さんが挙げた本は売約済でした。
ただ『浮かぶ飛行島』が当たりました。(汚れ、函欠けの裸本)
初版本でした。 これはちょっと嬉しい。
岩堀さん
「湘南オフ会」のアリバイ写真、昨日受け取りました。
大変ありがとうございます。
「湘南オフ会」は、蒐書や研究で実績のある方が多く、大変刺激的でした。
また、この様な機会を持ちたいですね。
末永さん、那珂良二さんのこと、ありがとうございます。
一時は、航空家の中正夫さんかな、と思い、集めていました。少年ものの、附録を古書店で購入しなくて、翌日、すでになかったです。「航空の日本」でした。
本当に、どの筆名で書いているのが多いのでしょうか、わからなくなりますね。
ところで、三十万アクセスに遭遇しました。
今日の、午後四時過ぎでした。
那珂良二のペンネームです。
今のところ那珂良二がいちばん多いようなので那珂良二ということになっていますが、デビュー当時(?)には、作品発表のたびにペンネームを変えていたのですから、もしかしたら別のペンネームの作品の方が多いのかもしれません(可能性は少ないですが)。
名前が似ているからといって疑っていると、挿絵画家の奈良葉二まで怪しくなってきます。中相作さんだってもしかしたら……?
困ったものです。
トリック話、面白く拝見しています。
何でも疑ってかからなければならないとは、これもまた大変な調査ですね。
森下様、中様、宮澤様、
御教授ありがとうございます。うっかりだまされるところでした…。
成田さんのページも拝見しました。なるほど、「贋作展覧会」ですか。ホームズとは私の守備範囲だったはずなのに…。いったい何回ここで恥をかくことになるのでしょうか。しかしなんでブリーンが出てきてしまうのでしょう。
ところで《樫の木に万力をつけ、屋根全体を持ち上げて逃げ出した犯人》の鷲尾三郎の短篇は実在するのでしょうか?もし御存じの方がいらっしゃいましたらお教え下さい。ネタバレが問題でしたら直メールでけっこうです。
中様、
『伝説の旅人 1841-1974 国境を越えた56の魂』 (平野久美子、文芸春秋「ノーサイド」編、文春ネスコ刊、1600円)に乱歩が一ページほどのっています。とりあえずお知らせまで。
この辺の話は成田さんのページで話題になってましたよ。
http://www2s.biglobe.ne.jp/~s-narita/new/what.s99.6.html
これに相当する話は存在します。
W・ハイデンフェルト「<引き立て役倶楽部>の不快な事件」(各務三郎編『ホームズ贋作展覧会』)
■平山雄一様
『一寸法師』の件、テキストは確認できましたが、ホームズとの関わりはわかりません。「外国の有名な探偵家」といえば、当時においてもやはりホームズではないかと思われますが。ホームズの言葉にこの明智の科白と似たものがあるのであれば、乱歩はおそらくそれを念頭に置いていたのではないでしょうか。「怪美人」の件でお書きになっていらっしゃったとおり、乱歩にはずいぶんといい加減なところがあって(国枝史郎はそれを「ぞんざい」という言葉で評していましたが)、「些細なこと」が「ばかばかしいようなこと」にすり替わってしまう程度のことは不思議ではありません。
■森下祐行様
ご指摘のルーブリックのことはまったく存じませんでしたが、お知らせいただいたところから判断しますと、やはり乱歩が双葉十三郎の「ゴジヤウダン」にかつがれたのかなという気がします。このブリーン作品を読みたいものだと思って探し回った人がいたとしたら、ずいぶん人騒がせな御冗談ですが。いずれにしても「類別トリック集成」には、むろんこれには当時の翻訳事情その他がおおきに関係しているのですが、こんにちの眼から見れば「ぞんざい」と評したくなるところが少なからずあるようです。ご教示ありがとうございました。
末永さん、
>奥川書房と釣之研究社・・・『犯罪実話』(=『探偵』)誌の流れ、駿南社系
駿南系、ということで、ひとつの流れがわかりました。
Aさんが書かれた、那珂良二さんのこと、読みました。また、末永さんが示唆された、他の筆名には、ある種の、変名のような字の並びでしょうか、種々あるのでしょうか。
戦前の翻訳本に、サインがあるものを入手しましたが、見開きには、献呈署名のあとに、訳者、とのみあるのには、すこし、がっかりしました。でも、奥付には、正しく、翻訳名がサインされていて、安心しました。
>中さま、平山さま
『続・幻影城』に載っているトリックについて一言。
「死体の上に小屋をたてる」というトリックは、乱歩の『続・幻影城』では「双葉十三郎君から聞いたのだが、たしかハーバード・ブリーンの作だったかと思う。」と書かれています。
しかし、ヒッチコック・マガジン1960年4月号のロバート・アーサー「ガラスの橋」のルーブリックには、このトリックにふれて、「双葉さんにお目にかかった際、何という作品ですか? と伺ったら、あれは僕の創作じゃョとニヤニヤされた。」とあります。このルーブリックは、文体からおそらく中原弓彦=小林信彦が書いたと思われます。
双葉十三郎が乱歩をからかったのか、それとも、ほんとうにブリーンの作品にこんなのがあって、小林信彦をからかったのか……。たぶん、前者だと思うのですが。
中様、
御教授ありがとうございます。身じかに回答があったとは、いわれてみればなるほどというわけで、またまた恥じ入るばかりです。
「一寸法師」のは、講談社の乱歩推理文庫の第四巻194ページにあります。やはりホームズでしょうか。ばかばかしい、とはホームズはいっておらず、些細なこととはいっているのですが、同じようなものでしょうか。
■平山雄一様
お尋ねの密室トリックの件、乱歩の「類別トリック集成」によれば、《屋根をジャッキで持ち上げる密室トリックを作った犯人》はロバート・アーサー「五十一番目の密室」、《原っぱの死体の上に、家を建てた犯人》はハーバート・ブリーンの作、《樫の木に万力をつけ、屋根全体を持ち上げて逃げ出した犯人》は鷲尾三郎の短篇が、それぞれの典拠であると思われます。詳細は江戸川乱歩推理文庫52『続・幻影城』p.194-195をご覧ください。
『一寸法師』の件はまったくわかりません。というか、そもそも『一寸法師』のどこに書かれているのかさえわかりません。江戸川乱歩推理文庫でいえば何ページにあたるのでしょうか。
桜様。
奥川書房と釣之研究社というのは同じ会社です。もっと言えば『犯罪実話』(=『探偵』)誌の流れ、つまり駿南社系です。
社長は奥川栄(=奥川美寿?)という人で、『犯罪実話』誌をごらんになるとおわかりでしょうが、奥付に名前が出たり出なかったりしている人物です。
『犯罪実話』ほど短期間に発行所や発行人が目まぐるしく変わった雑誌を私は知らないのですが、その発行人(編集人)の一人が奥川栄なのです。『犯罪実話』については現在調査中なので、今日のところは詳しいところはご勘弁下さい。
奥川書房(釣之研究社)の奥川氏は、編集上がりで駿南社からの暖簾分け独立ではないかと思いますが、確証はありません。終戦間際まで活動をしていたようで、ここの皆さんならば岡戸武平の本などをお持ちになっている方がいらっしゃるかもしれません。戦後どうなったかは知りません。
那珂さんは『探偵』にも『漫談』にも書いていますから、駿南社の流れを汲む奥川書房(釣之研究社)から本が出ているのは当然なのです。雑誌はいろいろなものに書いています。梅原北明ともつながりがあったようです。誠文堂新光社でデビューしたのですから同社周辺を洗うといろいろ見つかるのではないかと思います。
那珂良二さん、末永さんと同じように、私も、
『非武装艦隊』昭和17年12月、奥川書房
『成層圏要塞』昭和19年3月、釣之研究社
の二冊です。今、前者を読んでいるところです。両方とも、同じ住所ですので、どうなんでしょうか、あらたに、会社を作ったのでしょうか。
これ以外は、雑誌でも読んでいないのですが、読みたくなりますね。
前者には、「再査承認番号」とハンコがおされており、「再査」がおこなわれたようです。
平山様。ご愛読ありがとうございます。
私も子ども向け雑誌の推理ものでそういうのをよく見ましたし、死体の上に家を建てるトリックなんか、バカバカしいなと思いながら面白く読んでました。しかし、そのトリックは実際に小説では読んだことないですね。海外作品だと思っていました。
でも、狩久の「氷山」を読んだとき、あの氷のトリックを子ども向けの本で読んだ覚えがあってびっくりしたので、どれもどこかに出典はあるのかと何となく思っています。
「ばかばかしい云々」は全然わかりません。識者のご教示を仰ぎましょう。
さて、子ども向け雑誌といえば、私は、本業で出入りしている出版社が出している子ども向け雑誌を30年以上前に定期購読しておりまして、最近、当時のバックナンバーを見せていただいたところ、驚くほど当時の記事を覚えていました。でも、その雑誌に山村正夫さんが秘境冒険小説を長期連載をしていたのだけ、覚えてませんでした。よっぽど当時は興味がなかったようです。なんか、もったいないような気がしました。
那珂良二の単行本は2冊読みました。後は雑誌掲載作だけです。時代小説もすさまじいもので仰天しました。アイデア一発時代小説なんて、推理小説ファンもSFファンもちょっと守備範囲外だろうからなかなか評価されにくいのでしょうが、私はかなり好きです。
夏休みではないのですが、古書店めぐりをしていますので、返事がおくれました。
と書いて、掲示板のながれがはやくて、ずいぶん前のことのようですが、1日、2日前のこと。
平山さん、山中峯太郎さんだけではなくて、小型の附録をあつめていますので、つい、収集家の人から手にいれることになります。
末永さん、雄鶏社版「第一読物」、創刊以前のものもありますので、難解ですね。
やよいさん、満州日報、島田さん掲載の該当号は、見つかりましたか、あれば、いいのですが。
那珂良二さんの一冊、購入してしまいました。献呈署名には誘惑されました。
末永様、
ありがとうございます。「『新青年』趣味」を買っていたにもかかわらず、失念していたとはお恥ずかしいかぎりです…。
恥じかきついでに教えて下さい。
アメリカには屋根をジャッキで持ち上げる密室トリックを作った犯人や、原っぱの死体の上に、家を建てた犯人がいた。山形県に樫の木に万力をつけ、屋根全体を持ち上げて逃げ出した犯人がいた、という記述が「影男」にあるのですが、このトリック、子供向けの推理クイズなんかによく出てくるように思えますが、出所はどこか御存じありませんでしょうか。ネタバレの怖れがある場合は、直メールでけっこうですので、御教授下さい。
また明智が『一寸法師』で「常軌を逸したばかばかしいこと…をばかにしないことが犯罪を解く秘訣だ」という外国の有名な探偵家の言葉を引用していますが、これも出所はなんでしょうか。ホームズの言葉とはちょっと違うような気がしますが。
JASの機内誌「ARCAS」の7月号。特集は東京夏物語'01です。なんと、久世光彦の「江戸川乱歩の迷宮に彷徨し、遊ぶ」にはエッセイの他、浅草、本郷の風景に加え、映画スチール、貼雑などが掲載されています。そして、平井隆太郎氏による「父、乱歩も知らなかった!?もう一人の『江戸川乱歩』」もあります。
桜様。
『第一読物』の件、ありがとうございます。
それにしても、通常号より増刊り方が多いというのも困ったものです。
亀レスすみません、って、まだ2日しかたっていないのですが、この板は流れが速いのでそう感じてしまいますね。
平山雄一様。
福永恭助については「『新青年』趣味」に評伝的な記事が連載されています。筆者は西山彰さんです。これまで2回掲載されており、これまでの分でも伝記的な事項はほぼおわかりかと思います。もちろん次号以降も続く予定です。
海軍関係の著作はよく知られていますが、日本語のローマ字化推進論者だったというのは意外でした。
桜さん、
「迫る国難」ですね? 峯太郎と平田晋策、福永恭助の三人の作品ですが、さいしょに平田らしい会話文のイントロがあって、三人共著の「小説最後の勝利」にはいるというかたちになっているのですが、ファンとしては峯太郎と平田晋策とはたまりませんね。しかし福永恭助についてよくわからないのですが、教えていただけますか?
近年、古書目録でも、「誌上オークション」のページがありますので、そこには、「入札規定」が掲載されています。
6ページ、100点です。
この古書展は、「代金引換」でおくられてきますが、突然、忘れたころにきますので、慌てますね。
下の、乱歩の作品。5年から3年前のものでは、目録掲載価格では2千円前後がおおいですね。もちろん、その状態に拠りますが、最近では、どのくらいか、わかりません。
あるコレクターの方からは、他の作品を購入したので、状態が悪い、山中峯太郎さん他2名の合著、日の出附録を無料でいただきました。確かに、表紙は虫食いで状態が悪いですが、中身は新品でした。状態は手に入れたい人の心理に影響しますね。
しかし、クロフツの、例の、誌上に出ない文庫。状態が悪いですが、読めればいいということで、入手しています。
読みたいものであれば、状態は関係なく入手することにしています。
初めまして。
私は江戸川乱歩の『知恵の一太郎』の初版本を持っています。(昭和22年・京橋書房刊)。保存状態はほぼ良好。
どなたかこの本の古書価をお教えください。
どの程度の値うちがあるのでしょうか。宜しくお願いいたします。
芦辺様、
御教授ありがとうございます。乱歩は地名でもときどきいい加減なことを書いていたので、若しやと思っていましたが、やはりいろいろな題名が混ざってしまっていたのですね。お墨付きをもらえて安心しました。
芦辺さん、7月、いよいよ刊行となりますので、楽しみにしています。
>ナダ出版センター・五月書房、伊藤秀雄・榊原貴教編『黒岩涙香の研究と書誌』
は、500部限定でしたので、これも注文しました。
「別冊シャレード」近藤史恵特集、がでました。さらに、近刊として、天城一さんのもあるようです。
>平山様
『怪美人』という涙香小説は存在しません。『法庭の美人』や『美人の獄』、そしてその後時代劇映画などで反復使用される『死美人』はありますが……。
おそらく乱歩があいまいな記憶で書いたというよりは、明治の翻案探偵ものの漠然たるイメージを浮かばせたくて、あんな説明をしたような気もします。伊藤秀雄氏の『明治の探偵小説』を見ると、河越輝子なる作家に『怪美人』という作品があるほか、『鬼美人』『火中の美人』『美人の犯罪』など類例がむやみにありますから。
乱歩は自作を丁寧に校訂する半面、稲垣足穂が指摘しているように「旅順海戦館」を「旅順開戦館」と間違えているのを訂正しない(後にはしたようですが)など、字面や語感の持つイメージを大事にした人でした。だから涙香に『怪美人』という作品がないのは百も承知で、そのままにしておいたのではないでしょうか。
なお僕も乱歩が「百面相役者」で描いた「怪美人」劇にはひどく引きつけられて、「少年は怪人を夢見る」という短編を書きました。単行本収録は未定ですが、その折にはごらんください。
涙香関連では、ナダ出版センター・五月書房なるところから伊藤秀雄・榊原貴教両氏の編で『黒岩涙香の研究と書誌』という本が出ました。中でも小森健太朗氏の原著探求は必見です。
>オーナー様
いつもお世話になっております。一つ例を挙げれば、大労作の「新本格著書リスト」は格好の資料であると同時に、ひそやかな励みとなっていたりしています。引き続きよろしくお願いいたします。
今朝の新聞をみたら、なんとロシア文学者の江川卓さんがお亡くなりになったとのことです。
ドストエフスキーの「罪と罰」が様々な謎を散りばめた一大象徴小説であったことを看破し、その深層を探り当てた「謎解き罪と罰」は、推理小説ファンにとっても必読の評論でした。
合掌。
乱歩事典をぼちぼちとつくっているのですが、解らないことがありまして、皆さまのお知恵を拝借できればと思います。
乱歩の「百面相役者」のなかに、「怪美人」という黒岩涙香の翻案小説があるが、××という百面相役者が上演した芝居はあれではなく、もっと荒唐無稽で奇怪至極の筋だったという言及がありますが、この涙香の「怪美人」という作品が手元の資料ではわかりません。もし御存じでしたらお教えください。よろしくおねがいします。
末永さん、
背には「読切小説特集 第四集」とされる「第一読物臨時増刊」を入手して、以下のことがわかりました。
1 雄鶏社版「第一読物」は、月刊誌が6冊です。No.690一部訂正。
2 「読切小説特集」は4冊です。
「第一読物」創刊前に、2冊刊行。昭和二三年8月と10月。
創刊後、昭和二四年1月と6月に2冊。この2冊が臨時増刊号。
3 「完全なる性典」臨時増刊号が1冊。昭和二四年10月。
4 「特選記録文学」昭和二四年7月、10月の2冊。ただし、雄鶏通信臨時増刊号。これをいれたのでしょうか。
もし、号数(13冊ある)を信じるならば、6冊の月刊誌と7冊の臨時増刊号となり、13冊です。
小林さん、久我荘多郎さんの情報、ありがとうございます。「別冊太陽」で、久我荘太郎名義の、『日満殺人事件』の書影をみて、久我荘多郎ならば、あるな、と思ったのが最初でした。
目に付いたら、手に入れるようにしています。
先日も、500円で,6冊、しかも、ある「古書目録」で出ていたのには驚き、葉書を出しましたが、今、待っているところです。
久我荘多郎名義ですが、もしあたれば、名義が荘太郎かどうか調べられます。
>『五十萬両の使者』久我荘多郎(実業日報社 大阪市東区)昭和17年3月20日
再版発行
ですが、その目録にはありませんでした。
私は、これを所有していません。
どれだけあるのでしょうか、今のところ,不明ですが、小林さんの情報を加えて、目録掲載をふくまないで、実際に確認できたのは、戦前が3冊、戦後が8冊、となりました。
ある目録(名古屋)では、海野、乱歩、大下、九鬼、南澤らが掲載されて、軒並み、千円で掲載されていましたので、出すと、3冊がOKでした。
先着順ですので、間に合いませんでした。今、眼が離せません。
青霧 さん
投稿ありがとうございます。
> 久しぶりにこちらを覗いてみたら貴重な加納情報に巡り会えました。
> みなさんはどこで情報を得ているのでしょうか。
どこなのでしょう?(笑)
この頁に登場していただく方には、尋常じゃない読書量、調査力の方が多いですから。
私の場合は、市販の読書情報誌(ダ・ヴィンチなど)や、出版社のPR誌、情報誌くらいです。
あとは、本屋での立ち読みと(笑)、図書館ですね。
と言う事で、当然見逃している情報が多いと思います。
一人、二人では限界があるので、色々な方からの情報提供が頼りです。
これからも、よろしくお願いします。 > 青霧さん、皆さん
> このサイトはいい!といったおすすめ情報源がありましたら教えて下さい。
加納朋子さんの作品が好きだというHPは多いですが、ファン頁となると、なかなか無いですね。
そんな中では、行動力のある青霧さんのHPには期待しています。
ミステリー情報なら、「ミステリー’z」http://www.mystery-z.com/index.htm が凄いです。
桜さん
> 『新編直参風流男』久我荘多郎、昭和23、これで、戦後は9冊目です
たまたま、『五十萬両の使者』久我荘多郎(実業日報社 大阪市東区)昭和17年3月20日再版発行
というのを持っていました。(持っているのは、これだけ)
桜さんのリストには含まれていますか?
■森英俊様
どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
新たに再開された、100名あまりの人が参画する目録が3号になり、
思いもかけない物が出品されています。
見事に、目録としては、新鮮です。
先着順ですので、香山滋、海野十三などは入手できませんでした。
乱歩を含めて、少年倶楽部,少女倶楽部などの,少年少女もののコレクターの人ですから、話を訊いたら、どれだけのものがあるのか、想像をこえています。
その外に、いいものが出されていますので、しばらくは、近年にない充実になるでしょう。
昨日は一度に、三ヶ所から
『戦慄荘の吸血鬼』川口直樹、昭和22
雑誌「第一読物」昭和十五年十一月号(9巻9号)
『新編直参風流男』久我荘多郎、昭和23、これで、戦後は9冊目です
を入手しました。
みなさんこんばんは、青霧です。
久しぶりにこちらを覗いてみたら貴重な加納情報に巡り会えました。
みなさんはどこで情報を得ているのでしょうか。
このサイトはいい!といったおすすめ情報源がありましたら教えて下さい。
中さん
お問い合わせの件、下記の通りです。
出版年は1961年で、出版月は記載されていません。
収録されているのは The Human Chair(Edogawa Ranpo)で、訳者は James
B. Harris。編者は David Alexander で、ポケミスで翻訳が3冊出ています。
■森英俊様
お知らせありがとうございます。ご所蔵のハードカバー、必要なデータは下記のとおりなのですが、ご確認いただけませんでしょうか。
Tales for a Rainy Night
昭和三十六年 Holt, Rinehart & Winston(New York)
【編】デヴィッド・アリグザンダー
【収録】The Human Chair(人間椅子/訳:James B. Harris)
この本、刊行月は記載されておりませんでしょうか。また、編者名は「David Alexander」とでも綴るのでしょうか。よろしくお願いいたします。
■平山雄一様
といった次第で、森さんのご教示を頂戴できるものと思います。すでに発注していただいた分以外は、仰せのとおりペーパーバック待ちということにいたします。ひきつづきよろしくお願いいたします。
■須川毅様
ご確認ありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。
■小林文庫オーナー様
おかげさまでたいへん助かっております。『時計塔の秘密』のデータ、ありがとうございます。乱歩著書目録も没後篇になれば、著書をリアルタイムで購入された方が少なからずいらっしゃるだろうと期待しております。没後だけでも苦節三十数年になる計算ですが、なにとぞよろしくお願いいたします。
平山さん、ありがとうございます。
>「貼雑年譜」三セット買った本人から話・・・三セット買いたかったところ一セット・・・編集部に連絡・・・追加二セット買うことができた
私も、迷いながら、ついに諦めました。連絡する、ということ、これがあったのですね。
迷ったら、買い、といつも銘じていますが、この時はそのようなバネが働きませんでした。迷わず買いでしたね。
Kさんの、SFマガジン連載には、これはない、あれはある、などと思いながら読んでいます。
先日、探偵小説ではありませんが、埴谷雄高の、戦前の翻訳本を均一棚でみつけたときには、これは迷わず購入しました。
以前、古書目録で、大阪の古書店が、ある探偵小説を埴谷さんの別名義だ、とかかれて売られていましたが、次号で、本人から訂正があったことをおもいだしました。
やよい さん。
加納朋子さんの情報、ありがとうございます。
当然気がついていませんでしたので、電車に15分乗って購入してきました。(笑)
田舎に住んでいるもので、最寄の駅にはキヨスクは無く、歩いて10分以内にはコンビニも無いのです。
(図書館は、徒歩1分くらいなのですがね)
和田誠の、北村薫と加納朋子の似顔絵イラストが、そっくりで可愛らしいです。
江戸川乱歩著書目録のスレッドには、私の出る幕は有りませんが、皆様情報をお寄せいただき、ありがとうございます。
今後とも、ご自由に掲示板をご利用下さい。
古本まゆさん、平山雄一さん、須川毅さん、岩堀さん、森英俊さん、桜さん、ありがとうございました。
乱歩の人間椅子は、そういう形で出版されていたんですか?
『世界短編傑作集』は、さすがにリアルタイムでは買っていなかったので、お手伝いできることはありませんでした。
ポプラ社の「少年探偵団シリーズ」の方は、昭和30年代後半にはリアルタイムで買っていた筈なのですが、大人になった時に廃棄してしまいました。
うぁぁ、惜しい!
手もとの本を見たところ、1冊だけ ×印の本が有りました。
苦節16年、やっとお手伝いでそうです。(感慨)
『時計塔の秘密』(名探偵明智小五郎文庫・14)江戸川乱歩著
ポプラ社 昭和三十四年七月三十日印刷 昭和三十四年八月十日発行
272頁 挿絵 19cm 定価180円
カバー カバー絵・牧秀人 さしえ・中村猛男
少年物は、集めていらっしゃる方も多いはずなので、引き続き情報提供を、お願い致します。
中様
No.720で書かれた内容で間違いありません。
森さん、中さん、
御教授ありがとうございました。ハードカバーにつきましては、森さんがお持ちだそうですので、データを教えていただければよろしいのではないでしょうか。これも十ドル以内だったかとおもいますが…。もしやはり御手元に欲しいというのでしたら御連絡下さい。
ペーパーバックは六一年版と73年版は中さんに直接配達されるように手配しました。六二年版は多分単なる再版だとおもいますが、どうでしょうか。
クレスト社とゴールデンメダルブックスについては、前もいったように社名とそのシリーズ名という可能性があるので、とりあえず今回のペーパーバックが到着してからでいいのではないでしょうか。
桜さん、
「張雑年譜」三セット買った本人から話をききました。最初は「関口堂書店」のおかげであっという間に売り切れてしまい、本当は三セット買いたかったところ一セットしかかえなかったそうです。ところがあとで編集部に連絡を入れたところ、けっこうキャンセルがあって追加二セット買うことができた、といっていました。テレビで見て思わず予約してしまったものの、あとで正気に返った人、奥さんに怒られた人が多かったんでしょうか…。
一つは読むため、一つは保存用、一つは何かあったときのため、といっていました。今の御時世、銀行で定期預金をするよりもずっと確実な投資かもしれませんねえ。
中さん 平山さん
ハードカバー、現物が書庫にあるので引っぱり出してみました。おっしゃ
るとおり、版元は Holt, Rinehart & Winston です。ミス・インフォームし
てすみませんでした。乱歩の The Human Chair は2番目に収録されていて、
編者のデヴィッド・アリグザンダーが紹介文を寄せているようです。短いも
のですが、ペイパーバック・リプリントだとちょっとしたらこれら各編の紹
介文がはぶかれてしまっている可能性もあるので、いちおうチェックされる
のがいいかと思います。
■古本まゆ様
再度のお知らせありがとうございます。ほかの方からも情報をお寄せいただき、『世界短編傑作集』のデータを確定することを得ました。今後ともよろしくお願いいたします。
■森英俊様
ご親切にありがとうございます。『Tales for a Rainy Night』の件、ハードカバーなのかペーパーバックなのかもよく弁えておりませんでした。ご教示感謝いたします。『世界短編傑作集5』のカバーも拝見いたしました。つまり『世界短編傑作集』のカバーは、当初のもの、横ストライプのもの、現行のもの、の三種類があったということになるのでしょうか。
■平山雄一様
毎度ありがとうございます。こうなったら行くところまで行くしかないと思います。ラインハート・アンド・ウィンストンであろうがハーパー・アンド・ロウであろうが、とにかくハードカバーのご手配をお願い申しあげます。お手数ばかりおかけしておりますが、どうぞよろしくおつきあいください。
■須川毅様
お知らせありがとうございます。となりますと、『世界短編傑作集3』の初版定価は「一二〇円」でよろしいのでしょうか。念のために、これまでにご教示いただいたデータを整理しておきます。
世界短編傑作集1
昭和三十五年七月二十四日 東京創元社/創元推理文庫
【体裁】A6判 なし 三四六頁
【定価】一一〇円
世界短編傑作集3
昭和三十五年十二月十九日 東京創元社/創元推理文庫
【体裁】A6判 なし 三五〇頁
【定価】一二〇円
世界短編傑作集2
昭和三十六年一月十三日 東京創元社/創元推理文庫
【体裁】A6判 なし 三四〇頁
【定価】一一〇円
世界短編傑作集4
昭和三十六年四月七日 東京創元社/創元推理文庫
【体裁】A6判 なし 三七八頁
【定価】一二〇円
世界短編傑作集5
昭和三十六年五月十二日 東京創元社/創元推理文庫
【体裁】A6判 カバー 三七二頁
【意匠】カバー挿画:松田正久
【定価】一二〇円
以上です。なお帯の有無は、『江戸川乱歩著書目録』では記載しないことにしております。今後ともよろしくお願いいたします。
三セットほど、『貼雑年譜』を購入した人がおられることを知りました。「SFマガジン」8月号の、「今月の執筆者紹介」です。
総額90万プラス消費税ですね。
リアルタイムで購入することのすごさを知りました。
「SFマガジン」6月号には、落丁版があることは、その後のあとがきにも、書かれていませんでした。
そっと、保存することにしました。この号では、2冊手元にあることになります。
須川さん、創元推理文庫、リアルタイムでの入手のため、情報は確実ですね。いわゆる厚着版のもの、総体はすでに把握されておられるのでしょうか。
ときどき、古書店で、大き目の透明のビニールカバーに、推理文庫の目録や、推理コーナー(?)の小冊子が、文庫と同時にあるのを見たときには、すぐに入手してしまいます。
オーナー おはようございます
本日の毎日新聞の書評欄の「この人・この3冊」ですが、選者が加納朋子、選んだ本が北村薫の「空飛ぶ馬」、「リセット」、「月の砂漠をさばさばと」です。
加納さんらしいコメントに加えて和田誠のイラストがほのぼのとさせます。
是非、ご覧ください
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