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小林文庫の新ゲストブック

過去ログ 2001年01月01日〜2001年06月30日



総発言数:718件 
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No.668 (2001/06/21 21:13) title:乱歩訳のことなど
Name:岩堀 ()
Email:dc8y-iwhr@asahi-net.or.jp


 芦辺様、中様

 私は、「赤き死の仮面」「マリイ・ロウジェ事件」などを、東都書房の
 世界推理小説大系の第1巻「ポー」(昭和39年4月)で読みました。
 この本にはポーの14作品が載っていますが、纏めて「ポー作品集 江戸川
 乱歩」となっています。(大系の)他の巻収録の作品では、○○訳となって
 いるのですが、 この「ポー集」では乱歩「訳」とはなっていません。
 月報(というより編集後記)では、「江戸川先生のポー集をご味読される
 ようお願いいたします。」とあって、前に読んだ時以来本巻の収録作品は
 すべて乱歩訳と思っていたのですが、夕べ、芦辺さんの書きこみを読んで、
 引っ張り出してみてみると、上の通りでした。今夜の中さんの書きこみを
 みてごもっともと思いますが、「赤き死・・・」以外の作品を含めて
 考えると、なにか微妙な感じがしないでもありません。

 別の話ですが、本巻の巻末解説は宝石昭和24年11月号の「探偵作家
 としてのポー」(江戸川乱歩)全文でありますと月報にありますが、
 乱歩の「幻影城」収録の同タイトルのものと終末部分が少し違っています。
 「幻影城」に収録する時書き直したのでしょうか。

 乱歩が訪ねた怪建築は、「四十年」の中に、そのときの写真と記事は
 「宝石」昭和25年ニ月号にも掲載せられた。・・・云々とあるので、
 間違いないと思います。 
 


No.667 (2001/06/21 12:38) title:「赤き死の仮面」お礼追加
Name:芦辺 拓 ()
URL:http://ashibe.hoops.ne.jp/

>中さん

 ご指摘の件、『江戸川乱歩執筆年譜』にて書いておられましたね。そこに「赤き死」の冒頭が引用されていたことは記憶していたのですが……。どうもご面倒をおかけしました。

>桜さん

 いつもながらのお言葉ありがとうございます。というわけで、拙作「赤死病の館の殺人」は、ポー・乱歩の両先達の名文に飾られる結果となりました。


No.666 (削除済)
No.665 (2001/06/21 11:44) title:ありがとうございます
Name:芦辺 拓 ()
URL:http://ashibe.hoops.ne.jp/

>中様

 ありがとうございます。なるほど……。実は「魔の森の家」のケースが念頭にありまして、まるっきりの代訳ではないにしろ、せいぜいあれと同程度の仕事なのかなと思っていました。ですが、カーを翻訳したことが言及されず、ポーのことが特記されていることに基づくご指摘には膝を打つばかり。これは「あとがき」に加筆しておく必要がありますね。感謝々々です。


No.664 (2001/06/21 08:02) title:「赤き死の仮面」私見
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 ■芦辺拓様
 お尋ねの「赤き死の仮面」の件、乱歩の訳と見て差し支えないように思います。より正確にいえば、代訳と見做す理由がない、といったことになります。乱歩はじつにあけすけな人でしたから、戦前の代作や代訳が『探偵小説四十年』に包み隠さず打ち明けられているのはご承知のとおりです。しかし戦後の代訳については、公刊されてからさほど時間が経過していないことへの配慮もあったのか(乱歩はあけすけであると同時に周到な人でした)、いっさい公表されておりません(少年ものの代訳に関しては、乱歩が遺した手書きの目録に代訳者が記録されています)。
 「エラリイ・クイーンズ・ミステリ・マガジン」日本版の創刊号に載った「魔の森の家」もやはり代訳ですが(といった事実は、早川書房の世界ミステリ全集『37の短篇』巻末の座談会で明かされていたと記憶します。あるいは、下訳があった、というようなことであったのか。現物が手許にないので確認できません)、『探偵小説四十年』には同誌創刊号のことがわずかに触れられているだけで、「魔の森の家」に関する言及はまったくありません(と思うのですが、仔細に確認したわけではありません)。
 それに比較しますと「赤き死の仮面」は、短い作品であり、ストーリーは頭のなかに残りなく入ってもいたでしょうから、日本語に移すのは乱歩にとって容易な作業であったと思われます。「自から新訳してのせた」という『探偵小説四十年』の記述は、それを疑う理由がどこにもないと愚考されます。乱歩が偉大な先達への敬愛を翻訳という行為で示した、これはなかなかに心温まるエピソードであると考える次第です。訳文を分析すれば乱歩の文章かどうかが確定できるかもしれませんが、私の手には余りますので、どなたかふさわしい方にお願いできればと思います。
 以上、駆け足で恐縮ですが、私見をお知らせ申しあげます。


No.663 (2001/06/21 06:38) title:有尾人は二種類ありました
Name: ()

戦後版の、有尾人を入手。
手元には、すでに、日正書房版『有尾人』昭和二十三年九月五日発行
がありましたが、今回、奥付を見ましたら、二十三の三の所が、二のなかに、一が挿入されて(手書きか)、訂正されていました。
 また、定価も六十円と紙が貼付。
 もしかしたら、最初の版は昭和二十二年でしょうか。

 今回入手したのが、日本正学館版『有尾人』昭和二十三年六月十五日発行
でしたが、これも、扶桑社文庫の『二十世紀鉄仮面』のリスト、21 有尾人の  47年(昭和二十二)6月15日 日本正学館 B6版
とされていて、こちらは昭和二十二年でした。
 やはり、昭和二十二年が、最初の版でしょうか。しかし、日正書房と日本正学館は、どちらが先にできたのか、これがわかれば、年号がわかるのでしょうか。

 芦辺さん、講談社文庫、再読しています。7月も楽しみにしています。乱歩の翻訳、真相はどうなのでしょうか、悩まされますね。


No.662 (2001/06/20 16:23) title:乱歩の「第二の二笑亭」のこと&乱歩訳の「赤き死の仮面」
Name:芦辺 拓 ()
URL:http://ashibe.hoops.ne.jp/

 お久しぶりです。sumusを拝見したのをきっかけに、またお邪魔しました(もちろんアクセスは始終していますが)。

 江戸川乱歩氏が訪ねた怪建築というのは、「宝石」昭和25年2月号(『ルパンの刺青人生』=バルタザールのとっぴな生活? が表紙に大きくうたわれています)にグラビアと座談会が載っている「探偵作家幽霊屋敷へ行く」のことでしょうか。この“探検”の参加者は乱歩、大下宇陀児、香山滋、島田一男、高木彬光、岡村雄輔、城昌幸、武田武彦、逸見利和(管理人)の諸氏とのこと。

 ところで、この件で乱歩の『四十年』の昭和24年の項を見ていたら、ポー百年祭の関連の「宝石」ポー特集(昭和24年11月号)のため“「赤き死の仮面」を自から新訳して載せた”とありますが、乱歩の翻訳、とりわけポーのものは全て代訳だと思っていたのですが、この記述はそのまま受け取るべきなのでしょうか。

 というのは、7月刊行のカッパ・ノベルス用書き下ろし中編でこの翻訳を何か所も引用しているのですが、あとがきで「江戸川乱歩氏名義のポーの訳文」などとぼかした記述をしておいたからです。宝石所載の「赤き死の仮面」は代訳ではないと見た方がいいのでしょうか。果たして?


No.661 (2001/06/20 06:55) title:目録にありました
Name: ()

小林さん、私も、「ジャーロ」最新号の山前譲さんのインタビューには驚きました。
>戦後、一九四五年以降に関してはパーフェクトと言ってもいいはずです、
という言葉は衝撃でした。

 末永さん、
>戦前版『第一読物』昭和15年が第9巻です
 ここから改題でしょうか。
 手元には、二冊、9巻6号(8.10)8月号、9巻10号(12.10)12月号があります。昭和15年には10冊でしょうか。

 ふと、来た目録をみますと、昭和15年11月号の、第一読物、1500円、
とありました。呼んでいますね。


No.660 (2001/06/19 19:21) title:第二のニ笑亭
Name:岩堀 ()
Email:dc8y-iwhr@asahi-net.or.jp


 トビラノラビット様

 レス有難う御座います。

 乱歩が見学に行った湘南の「第二のニ笑亭」のことは「探偵小説四十年」
 の昭和24年の出来事に出てきます。藤沢市にあったとの事です。
 塀がガラスで出来ていたそうで、「塀と言うものは目かくしが目的なのに、
 ガラスで透き通っているのだから面白い」と書いています。

 私はこの記事をを先に読んでいたので、ちくま文庫「ニ笑亭綺譚」をみて
 「これだ!」と早トチリで買ったのですが、読んでみるとこちらはこちらで
 結構面白かったですね。 
 
 アメージング・ストーリーズの話は子供心にもあまり面白くないなあと
 思ったものです(^o^)。挿絵の方が印象に残っています。今でも本格推理
 物志向で、SFは殆ど読みませんが、その頃は、家にある本は片っ端から
 手にとっていたのでしょうね。「りべらる」という雑誌を読んで(見て?)
 いたら父親に取上げられてしまったのを覚えています。今にして思えば当然
 ですよね。
 
 
 
 

 


No.659 (2001/06/19 07:52) title:また取り急ぎお礼のみ
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 ■塩原将行様、桜様
 ご多用中ご丁寧にご教示をたまわり、ありがとうございました。あまり時間がありませんのでお礼のみ記して失礼いたします。ではまたいずれ。


No.658 (2001/06/19 06:45) title:貸本ですが
Name: ()

 小林さん、大阪圭吉、2巻。楽しみです。文庫で読むことができるのは本当にうれしいものですね。

>雄鶏社版『第一読物』が継承した「地熱」
 「地熱」は「長崎の麓鉱業所深江炭鉱職租青年部から出ていた鉱業関係の雑誌」ですか、ここでみていたのですね。
 なお、福島さんの本にはありませんでした。

>「刺青殺人事件」、私の所有本は「処」の字が、半分かすれている版でした
 種々のタイプがあるのですね。
やはり、刷数のみで再版がかさねられたのでしょうか。

 中さん、以下の一冊、貸本流れのため、後ろの、奥付けが切り取られていますが、情報のみをおしらせします。

暗黒星
          文芸図書出版社
  【体裁】B6判 カバ 二八五頁
  【装丁】田中比左良
  【定価】
  【内容】暗黒星、石榴

ということです。


No.657 (2001/06/19 02:20) title:本当に書きたかった事は…
Name:小林文庫オーナー ()
Email:kobashin@mail.wind.ne.jp
URL:http://www.st.rim.or.jp/~kobashin/


 藤原編集室「本棚の中の骸骨」(http://www.bea.hi-ho.ne.jp/ed-fuji/)で、「大阪圭吉傑作集」の刊行が、正式にアナウンスされました。
「風読人:ふーだにっと」や「大阪圭吉掲示板」でも、アナウンスされています。

  国書刊行会『とむらい機関車』の収録作に、さらに収録作を増補した決定版。
 創元推理文庫で、全2巻の形で今秋発行予定、とのことです。
 (詳しくは、藤原編集室のHPをご参照下さい)

 『とむらい機関車』を探していた皆さま、お待ちどうさまでした。
 どんな作品が追加されているのか、期待は大きいですね。
 大阪圭吉の本格短編を、網羅するものになって欲しいものです。
 これは本当に嬉しい知らせでした。

 刊行に合わせて、「大阪圭吉ファン頁」も増強、リニューアルして行きたいと考えています。


No.656 (2001/06/19 02:05) title:苦節9年
Name:小林文庫オーナー ()
Email:kobashin@mail.wind.ne.jp
URL:http://www.st.rim.or.jp/~kobashin/

 昭和21年から昭和29年まで、苦節9年。 中さんのお問い合わせには、(私は)1つも応える事が出来ませんでした。 (^^;;
 ご協力いただいた皆様、大変ありがとうございます。
 
 最近驚いた事は、「ジャーロ」最新号の山前譲さんのインタビュー。
 「戦後、一九四五年以降に関してはパーフェクトと言ってもいいはずです。」と、言い切っていらっしゃいます。
 す、す、凄い。
 もしそうだとしたら、中さんのご質問は、山前さんに電話するだけで終わってしまうのかも… (^_^; アハハ…

 雄鶏版『第一読物』が継承した「地熱」については、谷口俊彦さんが「推理小説雑誌細目総覧1」の解説で、触れられています。
 「地熱」は「長崎の麓鉱業所深江炭鉱職租青年部から出ていた鉱業関係の雑誌」とあります。

 「刺青殺人事件」、私の所有本は「処」の字が、半分かすれている版でした。

 2週間ほどお休みしてしまったら、この間の投稿のレベルは尋常ではなく、お一人お一人にご返事できません。
 初登場の方や、お久しぶりの方にだけご返事します。
 そのほかの皆様、お許し下さい。

塩原将行 さん
 本HPの主催者です。
 ご登場していただきながら、ちゃんとご挨拶ができず、申し訳ありません。
 戸田城聖さんの関わられた、大道書房や日正書房、「冒険少年」には興味があります。
 書誌が纏った際は、発表誌など教えていただきたいと思います。
 これからも、情報交換よろしくお願い致します。

KIYOKA-CHAN さん
 ご無沙汰しています。
 いつもながら、ご返事が遅れてしまって、申し訳ありません。
 ニューヨークにも慣れてこられた様ですね。
 NYには一度だけ行った事が有るですが(その時の写真が自己紹介の頁に:笑)、また行きたい街です。
 書店、古書店、図書館、美術館などの情報、時々教えて下さい。
 アメリカでも、新しい発見が有る事を、期待しています。


No.655 (2001/06/19 01:28) title:岩堀さま
Name:トビラノラビット ()

岩堀さま

 sumus6号の感想ありがとうございます。
 昭和三十年代の新書を、なにかここには時代を照らしだすものがあると感じて、
それを特集したわけですが、その時代を知っているわけでもなくタイムマシンでも
あれば当時の新刊書店をのぞいてみたいなどと思っていました。ですから実際に知
っていられる方から「懐かしい」と言っていただけてとてもうれしく思います。

 小林文庫さん的切口では、昭和三十年代の新書には推理、探偵、捕物小説が多く
ふくまれているということで、ミステリーと新書の関係を出版史的に考えてみるこ
とも面白そうですね。それに当時の新書はカラフルな装幀(瀟洒なものから毒々しいものまで)に包まれていましたから、それが推理、探偵小説書としての魅力を充
分に醸してます。それにしても岩堀さんは『アメージング・ストーリーズ』を現役
で読んでられたのですね。あの強烈な表紙イラスト、私は狼男だと思っていました
が、あれ猫男だったとは。実際に読んでいられての証言です。
 新書版『二笑亭綺譚』は興味深い一冊です。冒頭に「二笑亭綺譚」「二笑亭後日
譚」が収録され、ちくま文庫版『定本二笑亭綺譚』でそれは読むことができるので
すが、新書判所収の「二笑亭後日譚」には昭和三十年に書かれた「追記」が付され
ており、これは文庫版には再録されていません。そこに面白いことが書かれてい
て、京都市内に二笑亭という喫茶店があったこと、また戦後、新橋の柳通りに「庶民の酒造二笑亭」というものが出来たことが記されています。酒造二笑亭のほうは
大久保通氏の経営で「外部と内部を二笑亭に模したものである」と言います。その開店案内状も全文紹介しています。
 それからあとがきに、江戸川乱歩が話題にした「第二の二笑亭」にも触れられて
いました。
 「戦後湘南に、「第二の二笑亭」がみつかったといって、江戸川乱歩氏その他が調査にゆき、ジャーナリズムもさわいだ家があった。私はみにゆかなかったが、そ
の建築主が訪ねてきたし、写真も沢山みたが、まったくちがった意図のもとにつくられたものだし、二笑亭とはくらべる価値はない。」
 と式場は断言しています。でもどんな建物だったのか、いまとなれば気になりま
す。
 岩堀さんにお礼を書くつもりが、それに派生して長々と記してしまいました。

 岩堀さんのような読者に出会えてうれしく思います。ありがとうございました。


No.654 (2001/06/18 21:08) title:戸田城聖と江戸川乱歩
Name:塩原将行 ()
Email:shiohara@j.soka.ac.jp

中相作様、平山雄一様、貴重はお話しありがとうございます。

乱歩は、戸田発行の「冒険少年」臨時増刊号 第1巻第12号 昭和23年10月25日発行に「黄金の恐怖」を掲載しています.

ただし、ご存知のとおり、新作ではありません。はしがきに本誌編集部の求めにより「黄金仮面」の最も面白い部分を載せることにしたとあり、はじめに少し書き足しをして一つのまとまったお話しにしたとあります。(趣意)

教えていただくだけでは、恐縮ですので、僅かな知識を書かせていただきました.


No.653 (2001/06/18 14:01) title:知りませんでしたが
Name: ()

末永さん、雄鶏版『第一読物』について巻数が妙なのですが、以下の通りです。
1 創刊 昭和二三年十二月 1巻7号
2 昭和二四年?月 2巻?号 ボロボロですので、とれてしまう状態
3 昭和二四年7.1   7月号 2巻7号
4 昭和二四年8.1   9月号 2巻9号
5 昭和二四年10.25 臨時増刊 2巻11号
6 昭和二四年12.1  12月号 2巻12号

のように、単に号数をおえば、冊数はかなりありそうですが、雄鶏社の社史では、全部で6冊のようです。
 最近まで、それ以上でていたように思っていました。
 「地熱」については、福島さんの本で、創刊が昭和二三年であると言う記事をみたことがあります。
 
 長谷川卓也さんは、最近は、豆本をだされておられて、入手していませんが、元気でおられるのですね。


No.652 (2001/06/18 11:41) title:聞いてみるのが一番
Name:末永昭二 ()
Email:ssuenaga@tt.rim.or.jp

桜様。
雄鶏版『第一読物』について、ご教示ありがとうございます。
巻数が妙なのはなぜでしょうか。『地熱』というのがどんな雑誌なのだかわかれば何か手掛かりになるのでしょうか。

『婦人と修養』昭和14年が第8巻、戦前版『第一読物』昭和15年が第9巻です。「蘭郁二郎書誌」によると『第一読物』は昭和15年1月号から登場しています(蘭さんは『婦人と修養』には執筆していません)。
それより何より、両誌は発行人や発行所のみならず、雑誌の造りがまったくと言っていいほど似ています。

昨日は、長谷川卓也氏にお目にかかったので、鱒書房の件についてお伺いしたところ、よくご存知でした。「コバルト社」は鱒書房の別看板で、やはりニュートーキョーが母体。「幸ビル」には、鱒書房以外にもいくつかの出版社が入っていたとのことです。
やっぱり、実際に関係していた方にお伺いするのが早道ですね。


No.651 (2001/06/18 07:42) title:取り急ぎお礼のみ
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/frameset.html

 ■平山雄一様
 平井隆太郎先生の「回想の江戸川乱歩」のことは完全に失念しておりました。戸田城聖の裸踊りのエピソード、そういえば読んだことがあるかなと思い返される次第です(私は裸踊りが比較的好きな人間なのですが)。平井先生が「父をたずねてきてそこで出版した」とおっしゃっているのは、おそらく『猟奇の果』のことだと思われます。ちなみに戸田城聖が出版した乱歩の著作は、判明している限りでは下記の二点。

猟奇の果
  昭和二十一年十二月十日 日正書房
  【体裁】B6判 なし 一四〇頁
  【定価】一五円
  【内容】猟奇の果

猟奇の果
  昭和二十三年七月十日 日本正学館
  【体裁】B6判 なし 二七〇頁
  【定価】九五円
  【内容】猟奇の果

 戸田城聖ファンの方にご参考までにお知らせしておきますと、この平井先生のインタビューは文藝春秋刊『想い出の作家たち1』(1993年)に収録されております。
 それから文化放送の「ドリーム・ヒストリー」の件、とりあえずデータとして記録することにいたします。とはいえこのところ「RAMPO Up-To-Date」の更新にも手が回らぬ状態がつづいており、なんとかしなければなりません。ともあれ、また何かありましたらお気軽にお知らせください。よそ様の掲示板でこんなこといってていいのかしら、と思いつつ。
 
 ■桜様
 長篇小説名作全集『江戸川乱歩』、名張市立図書館所蔵のものは3月15日発行となっており、版数の表示がないものですからこれが初版かとも見えるのですが、乱歩の手書き目録では2月25日刊とされておりますので、その点をはっきりさせたくてお手数をおかけした次第です。どうもありがとうございました。下記のとおりデータを確定いたします。

江戸川乱歩/長篇小説名作全集4
  昭和二十五年二月二十五日 大日本雄弁会講談社
  【体裁】B6判 カバー 四一三頁
  【編】日本文芸家協会
  【意匠】装幀:恩地孝四郎
  【定価】一〇〇円
  【内容】蜘蛛男/盲獣/陰獣/パノラマ島奇談

 なんやかんやとご厄介をおかけして恐縮しております。今後ともよろしくお願いいたします。


No.650 (2001/06/18 06:42) title:ごくわずかです
Name: ()

このところ、古書目録がたて続けにきます。「八勝堂古書目録」第十四号。
江戸川乱歩草稿「本格探偵小説の二つの変種について」400字詰18枚 
                             120万
江戸川乱歩草稿「十字路 悪霊畸形の天女他解説」200字詰  45万
など、久々の厚いカタログです。
 しかし、今回は探偵小説はごくわずかです。

 先週出した、摩子鬼一さんのはあたるかどうか、待ちの状態です。


No.649 (2001/06/17 20:52) title:貴重な情報ありがとうございます。
Name:塩原将行 ()
Email:shiohara@j.soka.ac.jp

平山さん、ありがとうございます。ふらっと入って読んでびっくりしました.早速読んでみます.


No.648 (2001/06/17 11:07) title:これがありました
Name: ()

中さん、下のが、出てきました。

○江戸川乱歩/長篇小説名作全集4
  昭和二十五年三月十五日 大日本雄弁会講談社

とされていますが、日本文芸家協会編、第二回刊行(このときは、ほかに、石川達三集、大仏次郎集、小島政二郎集、と同時刊行)で、

  昭和二十五年二月二十日印刷
  昭和二十五年二月二十五日発行

です。蜘蛛男、盲獣、陰獣、パノラマ島奇談を収録。カバ付。


No.647 (2001/06/17 10:35) title:戸田城聖の出版社
Name:平山雄一 ()
Email:hirayama@parkcity.ne.jp
URL:http://www.parkcity.ne.jp/~hirayama/index.htm

部屋を整理がてらパラパラと本をみていましたら、以下のような一節が目にとまりました。古い話題ですいません。御参考までに。

戦争が終って半年ほど、父も母の疎開先の福島県保原にいました。…(中略)…その頃、創価学会の会長、戸田城聖さんが出版社をやっていて、父をたずねてきてそこで出版したことがあります。非常に素朴で気さくな男で、裸踊りをして見せてくれた、面白い男だ、なんて言ってました。
(平井隆太郎「回想の江戸川乱歩」、『オール読み物』1991年11月号)

それから今朝、文化放送で乱歩のインタビューを放送したのですが、録音し損なってしまいました。中さん、すいません。番組名は
17日午前8時〜8時30分の文化放送開局50周年記念番組「ドリーム・ヒストリー」
でした。


No.646 (2001/06/16 15:47) title:sumus6号の特集記事
Name:岩堀 ()
Email:dc8y-iwhr@asahi-net.or.jp


 トビラノラビット様

 遅ればせながら私もsumus6号送って頂きました。
 熊谷市郎さんのインタビュー記事もさることながら、昭和30年代
 を中、高、大学と過ごしたものにとっては「新書の昭和三十年代」が
 大変懐かしかったです。いろいろ思い出しました。

 15ページのアメージング・ストーリーズの写真、なんと懐かしい!
 我が家にこれがありまして、拾い読みした記憶あります(昭和30年頃
 ですから話は合います)。乱歩の「幻影城」(久しぶりに引っ張り出し
 ました)のリストのC巻(怪物、最後の男性、マウント・ミード事件、
 人間塔)です。
 「怪物」という作品が、科学者が実験に失敗して自分が猫みたいになって
 しまうというもので、その猫人間の顔ですね、あれは。
 「最後の男性」、「人間塔」だろうと思われる怪しげな挿絵も頭に浮んで
 きます。

 あと、裏表紙の写真、「はだか随筆」佐藤弘人、「ニ笑亭綺譚」式場隆三郎
 などありますね。
 佐藤弘人の随筆は読んだ記憶あります。「はだか…」ではなくて「望艶鏡」
 とか「いろ鉛(艶?)筆」かもしれませんが。この方はオナラが有名で周囲に
 も公認だったそうですが、音はともかく臭いが強烈で時には「先生、少しは
 控えて下さいよ」と言われるとか書いてましたね。
 「ニ笑亭綺譚」は数年前ちくま文庫版買いましたが、後書きでも何故か三笠
 新書の事は書かれていませんね。
 式場隆三郎は、裸の天才画家といわれた山下清を世に紹介した人ですが、
 昭和32年(中学3年でした)に彼を連れて秋田に講演に来たのを友人と
 聞きにいった事思い出しました。往時茫々…。

 カッパ・ブックス(ノベルズ)では松本清張、ロマン・ブックス、ポケット
 文春は鮎川哲也作品などよく買ったものです。小泉喜美子「弁護側の証人」も
 ポケット文春でしたね。

 すばらしい特集、有難う御座いました。


No.645 (2001/06/16 09:48) title:やはり6冊でした
Name: ()

末永さん、中さんの上げられた書物を探していましたら、雄鶏社版「第一読物」が見つかりました。
・6冊です
・創刊は昭和二三年十二月、一巻七号
 「地熱」改題ということで、巻号を踏襲しているのですね。
・そのあと、号数がばらばらですが(これは、気になります)。
 昭和二四年には、五冊でています。普通号が、四冊、臨時増刊(2巻11号)が小型版で一冊、「完全なる性典」というタイトルです。
・休刊号が2巻12号です。
 木々さんやら、城さんの小説もありました。

  号数をおえば、頭が混乱してきます。号数と、発行日に混乱があるようです。
 一部、創刊号については友人の所有のものから、確認しています。
今回、私もはじめて、6冊、ということを知ることができました。


No.644 (2001/06/16 07:43) title:乱歩著書目録昭和27・28・29年篇抜粋
Name:中 相作 ()
Email:stako@e-net.or.jp
URL:http://www.e-net.or.jp/user/stako/list-1946~.html

 お世話になっております。たったかたったか先に進むことにして、昭和27年の乱歩の著書は十一点、28年は二十三点、29年は六十四点となっております。28、29年にはハヤカワポケットミステリが含まれますので、点数が大幅に増えております。例によって×マークのついたもののみを掲げます。全容は上記 URL の江戸川乱歩著書リストβ版でご覧いただけます。

×暗黒星
  昭和二十七年七月十日 文芸図書出版社
×猟奇の果
  昭和二十七年七月二十日 文芸図書出版社
×蜘蛛男
  昭和二十七年七月三十日 文芸図書出版社
×恐怖王
  昭和二十七年八月二十日 文芸図書出版社
×心理試験
  昭和二十七年九月三十日 春陽堂書店/春陽文庫1106

×屋根裏の散歩者
  昭和二十八年二月十五日 春陽堂書店/春陽文庫1097
×石榴
  昭和二十八年八月十五日 春陽堂書店/春陽文庫1099
×D坂の殺人事件
  昭和二十八年八月三十日 春陽堂書店/春陽文庫1098
×黄金仮面
  昭和二十八年十一月五日 ポプラ社

×黄金宮殿
  昭和二十九年五月十五日 ポプラ社
×人間豹
  昭和二十九年十一月三十日 ポプラ社

 よろしくお願いいたします。


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