6月19・20にFPグループ全国役員会が札幌であり、その出席のおり札幌ドームで開かれていました
洞爺湖サミットを記念しての「環境総合展2008」を見学してきました。100を超える出展ブースでは各企業や団体から環境に
配慮した様々な新製品やノウハウが展示されており、今後の国を挙げた環境への取り組みがひしひしと伝わってきて刺激的でした。
我々建設や住宅に携わるものにとっても、これからの取り組み方に決定的なインパクトを与えるものとして、省資源・省エネ化と
CO2削減が最も重要な要素になってきたことを改めて感じざるを得ませんでした。先進国の中でも環境対策は進んでいるといわれる
我が国ですが、これまでの消費型生活様式を翻ってみて改善すべき点が多いのも事実です。
江戸時代までのような開放的な生活に最早戻れない以上、今後住宅は間違いなくオール電化、太陽光発電、省エネ型工法に
進まざるを得ないと思います。電気を作る元の発電所のあり方のような川上での議論はあるにせよ、建築していく上でのゼロエミッション・
省エネ化は差別化をしていく上でも不可欠になってきました。
サミットを前にした政府の「福田ビジョン」でも高らかに謳われた「2050年までに世界全体でCO2排出量を半減する」
という低炭素社会実現の構想は、途上国の反発もあるようですが、地球温暖化の影響をしてそれくらい急務であるようで、
当日基調講演をなさった東大の山本良一先生の言われる「北極海氷の消滅はピッティングポイントを超えた状態」と言えるほどに
深刻度を増しているようです。
住宅建築だけ考えても、オール電化・高気密高断熱化・家電製品の省エネ化・照明器具の蛍光灯化・太陽光発電等々施策課題としては
山積みです。輸送にかかるCO2排出を減らす上で食糧・エネルギーの地産地消型への取り組みとCO2吸収源としての林業・農業の
振興も重要になってきますし、それには地方の役割がおのずと必要になってきます。その中で改めてわれわれが進めてきた「FPの家」
のような省エネ住宅の方向性が決して間違ってはいなかったことを思います。お客様から「他工法の方が群馬県あたりでは中気密・中断熱
で良いのだ言われた」旨を聞いたことがありましたが、そういう言葉の存在も認めませんし、目指すのはよりエネルギー効率の良い
省エネ住宅なのだと考えればおのずとそれが間違った詭弁だということが分かります。
今後は国の政策の一環として、省エネ住宅は税制上も優遇されてくるでしょうし、太陽光発電等の製造コスト半減や補助金制度の整備が
整ってくることと思います。
要は個々人の地球市民としての意識改革なのだと思います。
明治以来西洋化の流れの中で失ってしまった日本文化の省エネ性を再認識することも必要でしょうが、元の生活に戻りきれないのも現実です。
建築という行為の中でお客様に「FPの家」の考え方と生活様式の提案をしていければと、今回の札幌での展示会を見て改めて思いました。
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