連休中の5月5日こどもの日が1日空いていたので、忙しいとは思いましたが
日帰りで京都を訪れてきました。
熊谷駅始発の新幹線に乗り、東京駅から「のぞみ」を乗り継ぐと9時50分には京都駅に到着します。今回の目的は
禅寺を訪ねるべく大徳寺と南禅寺に行くことでした。着くなり地下鉄とバスで真っ先に大徳寺へ行き、大仙院、高桐院、
龍源院等の各塔頭(たっちゅう)を訪ねました。
大徳寺は臨済宗の禅寺としてご存知のように「とんちの一休さん」で有名なお寺で、喧騒とした廻りからは隔絶したような
禅様式の静けさに包まれています。塔頭は大寺の中にある小院のことを言いますが、ここでは国宝級の塔頭が21もある大寺です。
かつて戦後間もないころ進駐軍の人たちが夫人を伴ってここを訪れた際、脱いだハイヒールを乱雑に放置したのを見た住職が大声で
一喝たしなめたことがあるそうで、当時の米軍人を叱ることができた痛快さこそ禅のなせる技だと何かで読んだことがあります。
大仙院では屋根の葺き替えを行っており、説明では桟瓦葺きだったものを戦前に銅板葺きにしましたが腐食がひどく、今回は
桧皮葺きにするとのことでした。勧進を要するのでしょう、玄関脇にテレビでも有名になった尾関宗園僧正が元気にいらして墨書を
売っておられました。弁舌巧みなのは知っていましたが、その外国人相手の会話能力には舌を巻きました。国際都市京都ですね。
もう一つのお目当ては高桐院。ここは細川幽斎からの細川家ゆかりの寺院で、玄関までの竹手摺と石畳はつとに有名です。
「あかねさす 紫野行き 標野行き 野守は見ずや 君が袖振る」と歌った万葉集中髄一の才女、額田王(ぬかたのおおきみ)の歌で
有名な紫野(むらさきの)とはまさにここの場所で、かつてはここで貴族が染色用の紫草を取っていたところです。
千利休から贈られたという石灯籠や枯山水の石庭など一日居ても飽きない小庵でした。
大徳寺を見終わる頃にはお昼になっていて、食事をすぐ近くの「一久」というところで精進料理を頂きました。創業500年という
説明にはただ驚くばかりでしたが、漆塗りのきれいな器が京風の味を余計うまく感じさせてくれました。
午後は京都迎賓館を遠くからでも見られないかと廬山寺から御所の方に行ってみましたが、築地塀が高くて屋根しか見られませんでした。
予約が必要なんですね。
最後に南禅寺に行きましたが、ここはあの石川五右衛門が登って『ああー、絶景かな』の名台詞で有名な
二重門の山門が圧巻です。
拝観料を払って五右衛門同様に登ってみましたが、山城の新緑が目に眩しく、見下ろす京の風景にしばし見とれてしまいました。
帰りの16時頃の新幹線は帰省客のUターンで満席でしたが、18時30分に東京駅、19時12分には熊谷駅に着いていました。 京都まで十分日帰りができるんですね。家内と一緒のちょっと贅沢な日帰り旅行でしたが、でもこの日は結婚記念日でしかも25周年。 銀婚式なんだそうです。こんなもんで勘弁してもらったら怒られますかねぇー。
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