涙香といえば、伊藤秀雄さんの本が思い
浮かばれます、今月の彷書月刊にも、伊藤
さんがある翻訳の発見を書かれていました。
古書店での一冊。実話と読物、博文閣
昭和二十三年5月。
九鬼名義の天蛇事件
登場は地方検事九龍四郎です。九鬼の名義は
サンズイではなくて、月ヘンでした。この名義での
小説は他にあるのでしょうか。豹助は登場していなくて、
大助があらわれていました。
なぜか、微妙に異なるので、九鬼の作品とするには
違和感があります。
別の類似の作者かと思いました。
推理小説研究にはこの短編が九鬼の項に掲載されて
います。
名古屋の図書館に請求した資料の著者
斎藤氏に連絡をとると、健在でした。
インタビューされた本田緒生さんの
娘さんはすでになくなられており、その後
の進展はないようでした。
それにしても、この資料の内容
(「郷土文化」掲載)は充実しています。
個人的には、本の整理をしているので、
年末・正月モードです。
北に住む人から、正岡容の札幌白夜書房の
一冊が刊行されたということで、その書房
の著作目録が期待されます。
最近、読んだ本から
・京都かもめ書房が改称して叢文社となる
・追悼集での白峰氏のこと
・その追悼集での鮎川氏の年譜
(事実に一歩近ずいたのでしょうか)
など、興味をひかれました。
いわいさま、森下祐行さま、仰天の騎士さま。
情報ありがとうございました。
原作者はイギリス人で、主人公はイタリア人ですね。う〜ん、彼は情熱的なイタリア人なのか・・・。
涙香と乱歩の「白髪鬼」を読み比べてみましたが、同じようでいて結構違うんですね。興味深かったです。私がしているのは乱歩の研究なので原作との読み比べはしていませんが、3つ読み比べたら面白そうだと思いました。
ケイナさん
光文社黒岩涙香代表作選集(2)版p13によると
>読者よ、余はイタリア第一の豪商とまで評されし伯爵霏理甫羅馬内の
>一人息子、伯爵波漂なり。
とあります。
イタリア人みたいですね。
「改訂増補黒岩涙香」伊藤秀雄 桃源社には詳細なあらすじが
収録されていて便利ですよ。
古本でも割と入手しやすいし。
以下は怪の会の会報『地下室』に掲載されている大倉尚美編「欧米ミステリ作家小事典 I 」からの丸写しです。(てきとうに改行をいれています)
コレリ、マリー Marie Corelli (1855-1924)
イギリスの作家。幼名は Mary Mackay で、愛称が Minnie であった。1855年5月1日にロンドンで生まれ、父親が最初の妻と死別する4年も前に、後に再婚する相手との間にもうけた私生児だったという。
まず音楽を学び、優秀なピアニストとして演奏活動に携わるに際してマリー・コレリという芸名を選んだ。30歳のころ突如として作家に転身したとき、父親がイタリア人で母親がスコットランド人だという風説を自ら流し、ごく親しい友人の中にも彼女の実名を知らない者が少なくなかったらしい。
波瀾万丈の物語を構築する手腕に定評があり、伝奇ロマンス系列の小説を中心に40冊あまりの著作を世に送り出した。日本では『ヴァンデッタ』(Vendetta; or, The Story of One Forgotten, 1886/千葉亀雄訳/改造社。1931/他)によって最も知られ、この作品は黒岩涙香が翻案した『白髪鬼』(『万朝報』連載。1893/他)のタイトルでも親しまれている。
近年には、第1長篇に相当する『二つの世界のロマンス』(A Romance of Two Worlds. 1886/尾高樹良訳。東明社。1993)の邦訳書も出た。なお無声映画時代を中心に多くの映画化があり、日本では『サタンの嘆き』(The Sorrows of Satan. 1926)などが劇場公開されている。
マリー・コレリは小説化として成功を収めた後の1901年に、かつてシェイクスピアの娘の持ちものだったといわれるスコットフォード・オン・エイヴォンの屋敷を買い取り、そこがついの住処となった。1924年4月21日死去。
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イギリスの出版社から1980年にでた Novels and Novelists という作家事典兼代表作評価集には1854年生れとなっていますが、ここでは大倉尚美氏のデータのほうが確実だとしておきます。
なお Novels and Novelists ではコレリ女史の代表作に『二つの世界のロマンス』のほか、Thelma (1887) と The Master Christian (1900) をあげていますが、いずれも高い評価ではありません。
>桜さま
『迷宮の情熱』実在しそうですか。継続調査します。
>やよいさま
有明夏夫はあいにくまともに読んだ事はありませんし、ドラマも見てませんでし
た。有明夏夫作品が収録されている文庫アンソロジーは以下の通り(他にもあるか
もしれません)ですが、どれが浪速の源蔵シリーズやら(苦笑)。参考までに。
「エレキ恐るべし」『大阪ミステリー傑作選』河出文庫
「足軽大将となりて」『われもまた剣法者 時代小説傑作選』日本文芸家協会編 講談社文庫
「脱獄囚を追え」『星明かり夢街道 新選代表作時代小説21』日本文芸家協会編 光風社文庫
「耳なし源蔵召捕記事 西郷はんの写真」『捕物小説名作選』日本ペンクラブ編、池波正太郎選 集英社文庫
「白いジャケットの女―奈良・歌姫神社―」『古寺巡礼殺人事件 トラベルミステリー』山前譲編 飛天文庫
>ケイナさま
コレル女史はイギリス人のようです。持っていないのでわかりませんが、『世界
大ロマン全集11巻 復讐(ヴェンデッタ)』東京創元社の解説に何か書かれていませ
んでしょうか。識者の方、よろしくお願いします。
すいません、また質問です。
涙香、乱歩が書いた「白髪鬼」の原作である「ヴェンデッタ」の作者、メリー・コレリ女史はどこの国の人でしょうか?アメリカかイギリスだと思うんですが、もし確かな方がいらしたら教えてください。
また、涙香の「白髪鬼」の主人公の露馬内波漂さんはどこの国の方でしょうか?先日山梨の県立図書館から本を取り寄せてもらって読むことが出来たのですが、持ち出しもダメだしコピーもダメなため、内容をメモるのに精一杯で、そこまでメモっていませんでした。イタリア人か、フランス人か、でも作者がアメリカかイギリス人だったら、主人公もイギリス人かと思うんですが、どなたかご存知でしたらよろしくお願いします。
新刊で、鮎川さんの追悼集を購入。
意外と薄いですね。
このところ、1500円という価格
定着しているのでしょうか。
あのガイドブックも、またあの本も
なぜか同一価格ですね。
12月は新刊購入の月です。
Kashibaさま
早速にありがとうございました。現物がすぐに出てこなくて、講談社文庫の番号が6だったことだけを記憶していたために書き間違ってしまいました。その昔、その講談社文庫の1が何だか判らなくて探した記憶があります。
浪速の源蔵シリーズのどれかが、廣済堂あたりの文庫のアンソロジーに収録されていた覚えもあるのだけどこれも探し出さなくちゃなりません。
最近、国会図書館でちょっと気になる雑誌を発見しました。終戦直後の雑誌なんですが、途中で改題があり、それまでと内容が180度転換してしまいます。それでも前の雑誌の後継誌扱いになっています。もう少し詳しい事が判ったらお知らせします。
みのっちさま
御手洗潔シリーズは私も図書館で借りて読みました(うちの近所の
図書館では、島田荘司さんの本は「郷土作家コーナー」にある)。
なるべく順番通りに読んでください。
「完全版」とかもありますが、別にそれでなくても大丈夫です。
あと、どうやらリアルタイム活躍作家さんがよさそうなのでもうひとつ、
今野敏さんの「ST 警視庁科学特捜班シリーズ(講談社ノベルス・文庫)」
もいいです、軽めで。
3冊しか出ていませんが・・・。
洋ものなら、クレイグ・ライスさんの「ジョン・J・マローンもの」が
オススメです(古本屋さんでをおすすめします)。
・・・偏ってるかな?
心理的には、年末の整理モードにおわれて
います。
処分するものをだしたり、並べ替えたり
しています。
いわいさん、私は時代小説にうといので、
高木さんや大坪さんの小説、書かれた通りか
どうか、不明です。勉強します。
雑誌天狗、全体がわかりそうなので、少々
興奮しています。あの数文字で判断できるなんて
私はまだまだ修行がたりませんね。
迷宮の情熱、どこかで見た覚えがあるので
これは探求の対象になります。
古書店て、宝石社の、
拳銃図鑑 矢野庄介 昭和36
を購入。推理物以外の本です。
昨日、「本格一筋六十年 想い出の鮎川哲也」(山前 譲編 東京創元社)
届きました。90人以上の方々が追悼文寄せておられますが、故人との
思い出、作品との出会い、あるいは巧まじしての作品論…など興味深い
です。「黒いトランク」など文庫本がツンドクになっていますが、至急
再読したくなってきました。アルバムも、作品でしか接したことのない
1ファンにとっては珍しいスナップがいっぱいあります。
亡くなられてから早や2ヶ月ですが、改めて鮎川哲也という作家の偉大さを
実感します。
やよいどん、講談社文庫は4冊では?
以下、国会図書館のコピペ。
点字本とか除けば、当り前の事ながら文庫の元版があります。
佐賀ライトハウス六星館版は、新聞連載の「汚名をそそげ」を
そのまま綴じた本なのかにゃあ?世の中にはまだまだ知らない本が
あるものです。
大浪花諸人往来/有明夏夫/角川書店/1978.10
大浪花諸人往来/有明夏夫/角川書店/1980.6
大浪花諸人往来/有明夏夫/埼玉福祉会/1985.4
狸はどこへ行った/有明夏夫/角川書店/1980.5
狸はどこへ行った/有明夏夫/角川書店/1981.9
狸はどこへ行った/有明夏夫/埼玉福祉会/1988.10
不知火の化粧まわし/有明夏夫/角川書店/1981.9
不知火の化粧まわし/有明夏夫/講談社/1988.3
京街道を走る/有明夏夫/角川書店/1981.12
京街道を走る/有明夏夫/講談社/1988.4
蔵屋敷の怪事件/有明夏夫/講談社/1983.10
蔵屋敷の怪事件/有明夏夫/講談社/1988.1
脱獄囚を追え/有明夏夫/講談社/1984.2
脱獄囚を追え/有明夏夫/講談社/1988.2
汚名をそそげ/有明夏夫/光文社/1985.11
浪花の源蔵/有明夏夫/佐賀ライトハウス六星館/1986.1
ではでは
>桜さま
届きました。ありがとうございます。
かなり詳しい、網羅的な内容ですね。地道な調査、頭がさがります。
それだけ凄い内容にもかかわらず出てこない『探偵作家六人集 迷宮の情熱』
は刊行されなかったような気がしています。
「天狗」通巻6号(らしきもの)出ていましたか。やはり、すぐに出てくるこ
のゲストブックは本当に凄い!
とすると、高木彬光最初の時代小説である可能性もありますね。題名から「怪
談一つ家」ではという気もするのですが、これは全くのあて推量。
大坪砂男の「真珠橋」も全集の巻末リストに載っていない作品のようですね。
通巻の推測は、その通りです。付け加えるなら、創刊号に「その一」があった
ので多分そうだろうと思いました。
美夜さま
ありがとうございます。島田荘二さんの御手洗潔シリーズは偶然、図書館でみつけてきました!!
まだ読んでいないのですが、さっそく今夜から読んでみます!
吉村達也さんの朝比奈耕作シリーズにもはまっていて、ほぼ読み尽くしたので、いろいろ発掘したいと思います。
他におもしろいミステリーがあれば、ぜひ教えてください!
ごぶさたしています。
今日の新聞で有明夏夫さんがなくなられたとの記事を見かけました。
大浪花諸人往来のシリーズが好きだったのですが、あのシリーズは、角川文庫2冊、講談社文庫5冊、カッパノベルス1冊のほかにありましたっけ? どなたか御存知でしたら教えていただきたいのですが……
どうもこんにちは、美夜です。
横溝正史さんの時代小説2冊、昨日入手しました。
どうもありがとうございました。
余計な手数料がかなり要りましたが(笑)、仕方ないです。
また同じような本が出るのでしょうか。
出て欲しいような、出ると困るような・・・。
もうちょっと手に入りやすいといいなー。
みのっちさま
面白いシリーズものをお探しですか。
ここはやっぱり古い探偵小説から入った方が、他の本でネタバレとか
くらわなくてよいのではないかと思います。
ただし、古い探偵小説は海外もののネタバレがイキナリありますので
その辺りが難しいのですが・・・。
横溝正史さんの「金田一もの」は、TVより先に本で読まれるのが
よろしいかと(←経験済み)。
もう少し新しい作家さんなら、島田荘司さんの「御手洗潔もの」という
ところでしょうか。
趣味丸出しですが(笑)、ご参考まで。
雑誌天狗には通巻の表示がないはずなのに、
いわいさんが通巻5号らしい、と書かれたのは
なぜかと考えていました。
信頼をおいている古書目録には、
天狗 全5冊揃い
とあり、5号までと思っていましたので、いわいさんが
書かれた雑誌で、5号とする手がかりをさがしました。
小説やコラムには連載がありませんので、不明です。
一箇所、xx参り(その五)
とあり、これで判断された、と思われます。そうならば、
通巻5号で次号予告された昭和二十四年の2巻2号が
通巻6号になるはずです。やはり、xx参り(その六)、
とあり、六冊刊行されていました。
残念ながら、この号で、終刊とする旨は書かれて
いませんでした。
いわいさん、予告のもの、次号に掲載されていました。
それにしても、いわいさん、すごい、参りました。
ただ、一箇所の表記で気付くとは、素晴らしいです。
その結果、私は、2冊を所有していないことがわかり
ました。
いわいさん、あれは平澤氏が連載で書いて
おられて、札幌市で戦後直ぐに発行された
ものについての資料が中心ですので、あまり
広がりがないようですが、資料探究の難しさ
が感じられます。
笹沢さんの文庫、平成十四年には、逝去後
12月に2冊刊行されて、378、379冊となり、
来年に一冊で、380冊目となるようです。
天狗、ある古書目録で、揃いで出ていたのを
記憶しています。それを切取り、ノートに張り
つけていたように思います。
私の所有しているものには、一冊欠号があった
ことを思い出しました。
>桜さま
連載ものなのでしょうか? いずれにしても楽しみにしています。
「蜘蛛の巣屋敷」「比丘尼御殿」は、街の書店ですがをはしごする事になって
しまいました。確かに最初は本当に出たのか疑問に思ってしまいました。未文庫
化の残りも出して欲しいところです。
さて、また質問があるのですが、もしわかりましたらよろしくお願いします。
岩谷書店発行の雑誌「天狗」ですが、何号まで出たのかわかりますでしょうか?
『探偵小説百科』九鬼紫郎には「五冊か六冊を出して廃刊」とあります。
通巻5号らしい昭和24年の新年特大号に時代小説「真珠橋」大坪砂男、「鬼の
腕」高木彬光というのがの次号予告としてありました。出たのかどうか気になっ
ています。
ちなみに、新年特大号には「初笑い新春座談会」桂文治、古今亭志ん生、神田
伯龍、桂小文治、田邊南鶴、江戸川乱歩、城昌幸、岩谷社長、が掲載されていま
す。(講談社乱歩文庫『乱歩年譜著作目録集成には未掲載のようです)
はじめまして。私は、ミステリー大好きで、若竹七海さんや、加納朋子さんなどの本に最近はまってます。
ほかにもいろいろ手をだしてみたいのですが、どれがおもしろいのかわかりません!そして、なるべくならシリーズものを読んでみたいのですが、なにかおもしろいシリーズものはありませんか??
情報収集に役立つページだなぁ と拝見させていただいています。
しっかり探せば、周りにもミステリーファンはいるようで、
集まれるページを作ってみました。
メインはゲームなんですが・・・。
そんなところから、勝手ながらリンクをさせていただきます。
どうぞよろしくお願いします。
■小林オーナー様。大変ごぶさたしておりました。徳島の小西です。2003年3月23日に私の職場(北島町立図書館・創世ホール)で開く竹内博さんの講演会の準備が具体的に進行しています。
■八本正幸さん(「新青年」研究会)のサイトの掲示板「人でなしボード」をご覧の方はご存じと思いますが、先日は円谷さんの写真の肖像権管理をしている円谷コミュニケーションズとの交渉が成立、大きなハードルを越えました。また今日(12・18)は香山滋さんと大伴昌司さんのご遺族に電話で講演会の件をお伝えいたしました。ご遺族からは大きな励ましをいただきました。
■講演会では、竹内さんに真情あふれるエピソードを多数ご紹介いただくことになっています(怪獣マニアがすすり泣くような催しにしたいと存じます)。これからチラシ、ポスターを印刷発注し、大々的な宣伝体勢に突入します。
■すべての心ある皆さん、どうか徳島の片田舎の小さな町の手作り講演会のゆくえに心をお寄せください。
■私は、「ガメラ3」ラストにおけるガメラ(=満身創痍の状態で来たるべき数千匹のギャオスの群れとの最終決戦に向けて、空に向かって咆哮するガメラ)を想起しながら、命を削って取り組みます。ご静聴ありがとうございました。
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