仰天の騎士さん、
海野十三著『民族凱旋曲』昭和17.2.19発行、蒼生社。
そうです、2500円でした。
時々、私がアタリ、になりますね。
今年は、魔子鬼一、でも仰天の騎士さんとは、ぶつかったような気がします。もうしわけありません。
北のほうでは、記名があるものの、東都ミステリーが、安く、10冊以上でていましたが、私は、ジェームス・ハリスの本を入手できて、幸運でした。
日本の兵隊としての、幾年かは、すざましいものを読んで感じました。
平山さん、ちくま文庫をさがしましたところ、かろうじて、新刊で見つけました。ありがとうございます。
小林さん、「ぷろふいる」昭和9.4(2巻4号)、大阪圭吉「花束の蟲」は、空欄ですが、手塚さんの「大阪圭吉研究 1集」1996.3.3発行、に掲載されています。
「ぷろふいる」も所有していますので、ないようでしたら、資料として送ります。
リストに入れていただけるほどの貢献何かあったかなぁ、と本気で思い出せ
なかったりする金光です。
中さん、また戻ってきてくださいね。そのときまでには不明事項できるだけ
調べておきたいと思ってます。「日本児童文学大系」のほるぷ出版はこの頃
機関紙「ほるぷ新聞」を出しています。ならば自社出版物の広告くらい載せ
ているでしょうから価格はそれで判明するはず、だとか、もう一つの「新青
年」復刻版 (昭和60年に国書刊行会より全 7冊 + 別巻 1冊)のこととか…
果てることもなき探索の奔流はいったい
どこへ流れ着くのかと思っていましたが
中締めとのこと。一日も早い刊行を
祈ります。まっさきに注文させていただき
ますね。
PS 今日「創元推理21冬号」を買いました。
創元推理文庫収集の話は興味尽きません。
>海野十三著『民族凱旋曲』昭和17.2.19発行、蒼生社、を入手。このとこ>ろ、昭和十年代のものを手に入れています。
ああ、それはわしも注文入れていた・・ま、負けちゃたぞお(/_;)ヨヨヨ
2500円ですよねええ、それ。
それだけかい、ほい、それだけだああ(^o^)ノ
当店の建ってる地域には、「お月見泥棒」という、子供たちが色々な家を廻って
お菓子をもらって歩く「和製のハロウィーン」とでもいうべき習慣があります。普
段はお客さんの姿のほとんどないない当店にも、沢山の子供がやってきました。
中相作さま
この掲示板での情報の収集に区切りをつけられるとのこと、どうもお疲れさまで
した。まだ道は長いことと思いますが、本の完成を楽しみにしています。過去の二
冊も、店の資料として使わせていただいております。
来年の春まで出張の予定も(大きな仕入れを行う資金も)ないので、「山羊鬚編
集長」を手に取る機会もなかなかないと思いますが、もし何か判りましたらメール
させていただきます。
小林文庫オーナーさま
当店のことでご迷惑をおかけしたようで、大変申し訳ありません。この機に、ち
ょっと当店のことを書かせてください。けっして宣伝ではありません。
この掲示板に書き込みをさせていただいているだけで、当店を「ミステリ専門
店」と誤解される方のみえることを懸念したのですが、当店が「ミステリ専門店」
というような発言をしたことは今までにありません。大衆小説の好きな親父のやっ
ている「町の古本屋」という位置づけです。独断と偏見で、当店が一定水準以上と
認める本でしたら、基本的にどんな本でも扱っております。これには、専門店化に
よる仕入れと販売価格の上昇を避ける狙いもあります。
商品は最近随分と充実してきているとは思うのですが、こと大衆小説に関する限
りは仕入れの機会が少なく、寂しいですね。
今日は、明治時代の人情雑誌や人情小説を少し手に入れたので、仕事を楽しませ
ていただきました。古本屋にとっての一番の楽しみは珍しい本に出会うことです。
桜さま、
いいわすれていましたが、もちろんナダ出版センターのが一番新しいものです。しかしあれは翻訳のみで研究やパロディはちくま文庫しか載っていません。
中さま、
よくおぼていないのですが、「花も嵐も」の後半の乱歩登場について御連絡しましたっけ。
はや10月を迎えました。いつの年も、末ちかくあらわれ、丘に霧が、川に狭霧がたちこめる、だとか、昼は足早に歩み去り、薄明が足踏みし、夜だけが長々と坐りこむ、だとかうっとり暗誦してる場合ではありません。みなさんどうも、長々お世話になりました。10月になりましたので、私は月へ帰らねばなりません。いえそんなことはないのですが、こちらの掲示板でお願いしておりました『江戸川乱歩著書目録』のための調査は、ひとまず終了とさせていただきます。
この手の作業はエンドレスになりがちなものですから、どこかで区切りをつけないと、意地汚い酔っ払いみたいに果てしなくずるずるしてしまうことになりかねません。むろん調査そのものはまだ終わっていないのですが、これからしばらくはインターネットに関係のないところで調べものをして、そのあとまたこちらのお世話になることになろうかと思います。そのときにはひきつづいてよろしくお願い申しあげます。
名張市立図書館の『江戸川乱歩著書目録』は来年度の刊行を予定しておりますが、名張市の来年度予算を獲得できるかどうか、いまだに見当がつきません。たしかこちらにお邪魔した当初、予算獲得の確率は今年の巨人がリーグ優勝する確率に等しい、みたいなことを申しあげましたが、いまとなりましては巨人優勝の可能性、どう贔屓目に見積もっても50%程度だと思われます(涙ながらに強がりいってる私です)。なんと不吉な。
名張市の平成14年度当初予算は来年3月の定例市議会で正式に決定されるのですが、名張市は来年4月に市長選挙を控えているため、当初予算は骨格予算となります。つまり、誰が市長になったって必要になる義務的経費を中心に予算編成が行われますので、市民生活には何の関わりもない『江戸川乱歩著書目録』の予算が獲れるかどうか、まったく予想がつきません。しかしまあ、それほど心配することもないのではないかと思っております。
こちらの掲示板で乱歩の著書に関してご教示をいただいたみなさんには(こちらの掲示板をご覧になり、当方に直接メールでご教示をいただいた方にも)、『江戸川乱歩著書目録』を一部ずつお贈り申しあげます。それから、同書奥付の協力者欄にお名前を列記させていただきます。手許の記録によれば、こちらの掲示板での協力者は次の方々です(敬称略)。
アイナット 芦辺拓 いわい 岩堀 金光寛峯 かわぐち 喜国雅彦 日下三蔵 小林文庫オーナー 桜 末永昭二 須川毅 奈良泰明 平山雄一 風狂 フク 古本まゆ 宮澤 森英俊 やよい Dupin iizuka
まことに失礼なお願いながら、もしもこのリストに記載洩れがありましたら、お手数ですがどうぞご連絡ください。また、上記のなかば以上の方のご住所を存じあげませんし、記載はご本名のほうがいいのかなとも思われますので、そのあたりのことは時期を見てメールでお尋ねすることにいたします。
ともあれ、今年5月に初めてお邪魔して以来(おまえの親父が「小林文庫の新ゲストブック」で話題になってるぞ、と平山雄一さんからメールでお知らせをいただいて、何が起きたのか訳もわからぬままにお邪魔したのが最初でした)、みなさんには何かとご親切にしていただいて、心からお礼を申しあげます。直接的なご教示をたまわったことももちろんですが、「声援を力に走れました」という高橋尚子ちゃんの言葉がなんとなく実感として理解できるような、そんな気持ちになれたのもたいへん嬉しいことでした。
とくにオーナーの小林さんには、平山さんの掲示板で思いがけずお声をかけていただいて以来、すっかりお世話になりっぱなしでお礼の言葉もありません。にもかかわらず、掲示板というのは私にとってなにしろひとつの舞台ですから、拙い芸を連発して見苦しく受け狙いに走りましたことをまことに心苦しく思っております。しかしこればかりは、われらが田辺聖子お姉さん風に「性分でんねん」と申すしかないものであり、いわば私の宿痾ですので、なにとぞご寛恕をいただきたいと存じます。そんな宿痾を詩にしてみました。
お酒を見れば飲みたがる
おっぱい見れば揉みたがる
舞台を見れば受けたがる
ほんに私はあほかいな
横山ホットブラザーズみたいなノリになったことを遺憾といたします。
最後に探偵嫌いに関して申しあげておきますと、私はパトグラフィを否定するものではありませんし(さして面白いものだとも思いませんが)、とくに夏目漱石や、それからたとえば南方熊楠なんて人のそれにはそれなりの興味を感じますが、パトグラフィのみに依拠していては、柄谷行人さんの言を借りれば「実証主義」の探偵にとどまるしかないのではないかと思われます。しかし本というのは、「実証主義知性にとって見えないような謎を解明する知性主義」によって読むことも可能で、というか、そっちのほうが読み方としてはるかに面白いだろうと考えております。むろん人それぞれ、眼の前の本をどう読むかは百人百様であってしかるべきですが。
などと書いていては際限がありません。とにかくお世話になりました。忘れません。みなさんのご厚意ご指導ご助言ご支援その他もろもろ。忘れません。この身にあまるほど頂戴しました。忘れません。「小林文庫」のご発展とみなさんのご多幸とを祈念して、とりあえず10月1日のご挨拶とさせていただきます。なお、この段落にある「忘れません」は、昨日の原辰徳次期巨人軍監督の挨拶をご存じの方のみにご用意させていただいたものです。
それではみなさま、さーよーおーなーらー。
かしまし娘みたいなノリになったことを遺憾といたします。
海野十三著『民族凱旋曲』昭和17.2.19発行、蒼生社、を入手。このところ、昭和十年代のものを手に入れています。
昭和十七年に、ラバウルにでかけていますので、そのときの船上での後記があります。よみやすく、子供むきのような味わいがありました。
平山さん、ちくま文庫、10巻を探してみます。ありがとうございます。ご存知のように、ナダ出版センターでは、新井さんらによる、『明治期シャーロック・ホームズ翻訳集成』全3巻、50,000円、がだされていますが、大作ですね。
金光さん、昭和25,26年のもの、小型版でしょうから、あとに残りずらいのでしょうか。
>中さん
世界大ロマン全集は1956(昭和31)年 1月に第 1巻『鉄仮面』(アレクサンドル・デュマ,
大仏 次郎訳)が出ています。
この全集の編集をやっていたのはフランス文学者として著名な曾根元吉氏だそうで
すが(「幻戯の果 曽根元吉追悼」渡辺一考, 「幻想文学」第60号, 2001.3, アトリエ
OCTA)、第 3巻に『魔人ドラキュラ』が入ったあたりは、あるいは「怪談入門」をもの
していた乱歩の意見も入っているのかもしれません。
個人的に気になっているのはそこでなぜ翻訳者として、当時岩波文庫に小泉八雲の訳
が入っていたくらいでほぼ無名の存在であり、探偵文壇ともまるきり交渉のなかった
平井呈一が抜擢されたのかという点なのですが。ただ単に『怪談』やれるならドラキュ
ラだってやれるだろう、って決め方で声がかかったわけでもなかろうし、黒沼健とか
妹尾アキ夫ら「新青年」から活躍していたよく知る翻訳者もいたはずなのに、それが
平井に決まったのにどういういきさつがあったのか分からない。
すんません、関係ない話でしたね。
>桜さん
>山前さんも、昭和25,26年の、探偵実話が入手困難である、と言われていました。
>先に名前をあげられた方は、相当苦労されているようですね。
山前譲さんをして困難と言わしめますか。ううん、たまたま運がよかったんだなぁ。
ただ、仕方ないのかもしれませんね。目次のコピーがありますので書き写しますと、
血の畳針/高山貞政, 地下鉄三四郎/城戸禮, "行動のみがすべてを決定するアプレ
男女" 日大ギャング愛欲記/安達次郎, マダム太閤行状記/小笠原宗明, 宝くじ殺
人事件/坪田宏, 聖女犯/北里俊夫などなど。
いちおう読むには読みましたが…
これは残らないだろうなというのが正直な感想でした。
>完成を待ちたい、と思っています。
本当にその通りですね。
日経新聞にて、末永さんの『貸本小説』の紹介がありました。簡潔にして的確な書評。
この本がどうして多くの反響を得たのか、その理由に頷いてしまう文章でした。
私は昔から全国紙の中でも日経新聞の文化欄は一番好きでしたが、この本の
取り上げ方を見ると、本当にここの文化欄のいい!と確信してきた自分の好みは
間違っていなかったという喜びに震えます。
ちょっとオーバーでしたが、好きな新聞に好きな本の書評が載ったという事で、
大目に見てやって下さいませ。
ところで、ついでに漱石の探偵嫌いは私も若干心当たりがありましたので、反応を。
古畑博士の『法医学ノート』で漱石がストリンドベルの戯曲(ある家族の血縁関係を
描いたもの)見た際に「気が滅入った」と言ったのを読んで、つくづく漱石という
人は、そういうこみ入った人間関係が苦手な人なのだと思ったものでした。
これぐらいの人間関係が苦手なのでしたら、確かに探偵嫌いなのも無理ないかも
しれませんね。ミステリファンとしては残念ですが。
ただ、漱石のそういう神経質なところは文学的に素晴らしい作品を生んでいるので
一概に悪しと言うつもりは全くありません。どちらにしても、漱石は素晴らしい
ですから。
オーナーさま
すでに藤原氏の「本棚の中の骸骨」でも内容が案内されていますが、
東京創元社の編集のかたから大阪圭吉の2冊の短編集の熱のこもった
紹介文をいただきました。上記URLの「News」をご覧くださいませ。
圭吉の短編はどれも好きですが、個人的には「人間燈台」を読了した
さいの衝撃が忘れられません。
現在は、以前ここでも話題になった、渡辺啓助の連作集『空気男爵』
を1編ずつ、楽しみながら読んでいます。神出鬼没の、空気投げを得意
とする正体不明(見え見え?)の怪盗「空気男爵」。それを追う、私立
探偵・蒼木麟五郎とその助手の香月鮎子。この作者のシリーズ探偵物は
『海底散歩者』にしろ『東京ゴリラ伝』にしろ、正直、通俗味がかって
いるので苦手にしていたのですが、これはなかなかいけます。なにより
後味がいいのが好みです。
中様
本日は会社へ出てきて、先刻帰ってきたところです。
最新の書きこみ拝読致しました。きちんとしたレス書くべきところですが、
疲れ気味でとりあえず簡単に…。
>漱石の探偵嫌いに関しましては、ロンドン留学も「被害妄想的な病気」も、先に引用
>した内田隆三さんの言を借りれば「事態の一面」に過ぎず、やはり根っこの部分には
>「『探。偵』という存在の仕方そのものに通底する近代文明の批評」があったと見るべ
>きかと思います。
たしかに、病気のせいと一言で片付けるべきではないかもしれませんが、漱石の場合は
司馬、三島に比べて、病的な要素が大きいと私は思います(根拠はあらためて…)。
>また三島由紀夫は(おそらく司馬遼太郎も)、推理小説に描かれた名探偵を知ることで
>探偵嫌いになったわけではなく、彼らの「厭うべき何か」の似姿が探偵であったと考
>えるべきではないでしょうか。
一般の人々が探偵小説に対するイメージを形成する上で、いわゆる「名探偵」の
イメージが果たす役割(影響の大きさ)は、決して軽くはないと思います…と言う事を
言いたかったのです。もっとあけすけに言うならば、なんで明智、金田一だけがそん
なに人気があるんだ、少しは鬼貫さんにも陽があたって欲しい…という気持ちが走って
しまいました。
あと、「名張人外境界大宴会」是非馳せ参じて中さんに拝顔したいところですが予定入って
いまして、まことに残念です。でも近未来に必ず名張訪問実現したいです。
桜さん、
1975年の私家版は私ももっていませんが、新井さんの書誌の作り方から見ていちばんあたらしいちくま文庫のホームズ全集10巻にのっているので十分だと思います。むしろ「未来趣味」の藤元さんの書誌には驚かせるものがいくつかありましたが…。新井さんのには児童書が割愛されているのが残念です。
はじめまして。私は、中相作さんのHP「名張人外境」のオフ会(大宴会と称しております)の幹事をつとめさせていただいております大熊宏俊と申します。よろしくお願いいたします。ここは、いつも目をまるくして拝見させていただいております。今日は中さんに召喚され、ご挨拶にまかりこしました。少しのあいだ失礼いたします(管理人さま、掲示板の主旨とはずれるも知れませんが、どうかお許し下さい)。
陳者(「のぶれば」とお読みください>本日の「人外境主人伝言」を参看のこと(^^;ゞ)、No.475の投稿で中さんご自身が書き込んでおられますように、きたる10月21日、「名張人外境」大宴会を開催いたします。
御存知のように当日は乱歩誕生日にあたりますが、丁度この日をもって「名張人外境」は開設されたのでした。爾来丸2年を過ぎ、いよいよ3年目に突入いたします。目出度いことです。
幸いにも今年は当日が日曜日ということで、乱歩の生地にして中さんのアジト・名張市におきまして「開設2周年記念大宴会」を、下記の次第で催すことに致しました。
友人・知人相集って、「名張人外境」のますますの発展を祈念し、歓談いたしたく存じます。
こちらの皆さまにもぜひおこし頂きたく、お誘い申し上げます。
お忙しい折とは存じますが、万障お繰り合わせの上、何卒ご臨席たまわりますようお願い申し上げます。
なお、ご参席いただけます場合、大熊までメールにて御一報下さいませ。
―― 記 ――
日時 2001年10月21日(日曜) 午後4時頃〜8時頃
会場 「せと」(名張市役所にほど近い中さん懇意のお店です。当日貸し切り)
集合 午後3時頃 近鉄名張駅(各自時刻表ご確認ください)
会費 リーズナブルなお店ですので、1万円かからないと思います。去年はたしか6、7000円だったと記憶しています。
帰りの近鉄特急があるうちに閉めたいと思います。時間を気にして飲むのもなんですから、できるだけ早い時間に始めることにいたしましょう。お泊まりの場合はビジネスホテルをご紹介いたします。
――以上、オフ会のお誘いでした。ながながと失礼いたしました。
>中さん
こんなもんで、よろしいかしら。
2分割をご容赦ください。話題がおおくて、ついていくのが大変です。
中さん、「世界大ロマン全集 全50巻」内容見本の、発行日は、1958.2月現在、でした。
個々の巻数の記載はなくて、最初の巻の発行日は不明です。
個人的には、講談社の、「ロマン・ブックス ミリオン・ブックス 総目録」全14ページ、を手に入れたのがうれしいです。1957、1.30。
金光さん、山前さんも、昭和25,26年の、探偵実話が入手困難である、と言われていました。同人誌「地下室」に掲載された情報(原稿)によれば、先に名前をあげられた方は、相当苦労されているようですね。
完成を待ちたい、と思っています。
小林さん、古書の入手具合はいかがでしょうか。
先ごろ、北のほうの目録で、ミステリが安く出ていました。
そのなかでも、目当ての、J・B・ハリスの
『ぼくは日本兵だった』1986・8・1 第1刷、旺文社
を手に入れました。1941年12月8日から1945年6月までのことが書かれています。日本名もわかり、兵隊としての行動など、貴重な資料でした。
平山さん、入手していませんが、『コナン・ドイル、シャーロック・ホームズの翻訳文献目録』1975、私家版、も貴重な文献でしょうか。
■桜様
お知らせありがとうございます。「世界大ロマン全集」の内容見本は、乱歩の推薦文だけコピーをもっているはずです(と思います)。お手許の内容見本からは、この全集の刊行開始が何年何月であったかがおわかりでしょうか。以前からそれを確認したいと思っておりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。
■岩堀様
仰せのとおりだと思います。松鶴家千歳の芸風をもっときちんと踏襲していれば、ギャグにもさらに磨きがかかったものをと悔やまれます。ご指摘の点といい「黄色い下宿人」の件といい、年にひとつ出るか出ないかのギャグを前にして、私はあたふたと焦ってしまったようです。テレビでプロ野球を観戦しておりますと、あまりにもいい球が来たのでびっくりして打ち損じてしまいました、なんてことがありますが、あんな感じでしょうか(むろん言い訳にはなりません)。あるいは、あまりにもいいお姉さんが来たのでびっくりしておっぱいを揉んでしまいました、みたいな感じでしょうか(こんな言い訳も通用しません。通用したら世の中さぞや楽しくなるだろうなとは愚考されますが)。
漱石の探偵嫌いに関しましては、ロンドン留学も「被害妄想的な病気」も、先に引用した内田隆三さんの言を借りれば「事態の一面」に過ぎず、やはり根っこの部分には「『探偵』という存在の仕方そのものに通底する近代文明の批評」があったと見るべきかと思います。むろん小説だって文明批評だって、一種の病気がもたらすものと見ることは可能ですが。
また三島由紀夫は(おそらく司馬遼太郎も)、推理小説に描かれた名探偵を知ることで探偵嫌いになったわけではなく、彼らの「厭うべき何か」の似姿が探偵であったと考えるべきではないでしょうか。少なくとも三島は推理小説など取るに足りぬものだと思っていたはずですし、そこに描かれた名探偵などは読み捨ての娯楽小説を機能させるための荒唐無稽な登場人物に過ぎぬと見ていたように判断されます。
もっとも三島は、「推理小説批判」のなかで名探偵そのものをこんなふうに直截に批判してもいますが。
《第三に、探偵がキザでイヤである。どうして名探偵といふやつは、かうまでキザなのであるか。あらゆる名探偵といふやつに、私は出しやばり根性の余計なお節介を感じるが、これは私があんまり犯人の側につきすぎるからであるか。大体、知的強者といふものにはかはいげがないのだ。》
三島は「とにかく古典的名作といへども、ポオの短篇を除いて、推理小説といふものは文学ではない。わかりきつたことだが、世間がこれを文学と思ひ込みさうな風潮もないではないのである」とも書いています。文学うんぬんの話は別にしても、推理小説中心史観は推理小説ファンのあいだでしか通用しないと思われます。推理小説に興味のない人間が(私も含めて)世間には数多く存在しており、だからこそ瀬戸川さんの「ミステリ・ファンの多くは自覚していないけれども」という言葉が面白いものに感じられる次第なのですが。
●杉浦康平さんの講演会
きのうにひきつづき、私が主宰しておりますホームページの開設二周年記念大企画関連イベントをご案内申しあげます。どうも厚かましくて申し訳ありません。
10月20日土曜日、徳島県板野郡北島町立図書館・創世ホールで杉浦康平さんの講演会「ブックデザインの宇宙 本の森羅万象」が催されます。詳細は上記 URL の北島町オフィシャルサイトでご覧ください。
翌10月21日が開設二周年記念大宴会となる次第ですが、なにしろ名張市内での開催ですから集まりはひどく悪かろうと予想されます。名張まで足を運んで大宴会に出席してやろうとお考えの方は、大熊宏俊名張人外境大宴会終身大幹事にメールでご連絡ください。は? 大熊大幹事のメールアドレスをご存じない?
えー、大熊大幹事大熊大幹事、いきなりで申し訳ないけどご挨拶お願いね。
あ。お願いね、だなんてオネエ言葉になってしまいました。これにはちゃんと理由があって、今年7月に名張に住み着いた四十九歳独身男性南方熊楠ファンというのが最近拙宅に出入りしているのですが、これがどうやらその気のある男らしく、少し前に名張市立図書館でばったり顔を合わせたおりには、
「あの乱歩コーナーの岩田準一の本は貸し出しできないの」
と尋ねられました。乱歩コーナーの蔵書は貸し出せませんから私が持ってる『男色文献書志』と『本朝男色考』を貸してやったのですが、一週間ほど前にこの四十九歳独身男性から電話があり、
「あの本まだ読めてないんだけど、このままお借りしておいていいかしら」
「あーら、お仕事お忙しいの」
「じゃなくってー、活字の多い本を見てるとなんだか眠たくなっちゃって」
「ま、ばっかみたい」
「ほほほほほほほほ」
みたいな感じでどうにも調子が狂ってしまいます。きょうもきょうとてこの男が拙宅に来ることになっておりますため、私の調子は早くも狂い始めているようです。
みたいな感じで、大熊大幹事、よろしくお願いね。
芦辺様
中さんへのレス興味深く拝読しました。
>お説、ここに至ってアッと声をあげそうになりました。司馬遼太郎の推理小説嫌い
>と三島由紀夫の『Yの悲劇』批判――確かにつながってくるようです。ところで、
>ここに両作家の「大衆主導の社会への憎悪」「エリート支配への幻想」を見てしまう
>のは例によって僕の僻目でしょうか。
推理小説に出てくるいわゆる「名探偵」を、ある意味で大衆側の代表というか、大衆の
卑俗な願望(例えば、有名人のスキャンダル好みとか他人の秘密めいた事を知りたいと
か…)を代行しているという風に二人が考えていて、そこを嫌っていたのではないか、
その場合の「名探偵」は、やはり、明智、金田一のように、個性的な、そしてかなり
うろんなところのある探偵でしょう。他方、そういう「名探偵」が一般大衆に大きな人
気を得ているのが現実ですね(鬼貫さんの人気がないのはしょうがないか…)。その点で、
芦辺さんのご指摘は正鵠を得ていると思います。
私は、三島由紀夫については30年ほど前に「文化防衛論」というのを読んで、まさに
鼻持ちならないほどのエリート意識を感じて、それ以来全く読んでいません。
司馬遼太郎は、殆ど全て読んででいますが、彼の小説の特徴は、初期(「梟の城」、「風神
の門」とか)を除いては、殆どが歴史上の英雄、天才を主人公にしている事です。しか
も、その作品中に一般大衆が殆ど出てこないのです。そういう場面は全く思い出せませ
ん。司馬遼太郎の作品は、よく「俯瞰による歴史視察」と言われますが、別の言い方を
するならば「大衆」からという視点はないという事になるでしょう。彼の作品はドラマ
チックで非常に面白い、だから広く読まれているのでしょうが、私はある時期あたりか
ら「大衆不在」という点に気付いて、結局、司馬作品は純粋に小説として楽しむもので、
歴史を学ぶものではないと思っています(実際の史実と違うところもある)。「結局、お
前は司馬遼太郎が好きか、嫌いか」と迫られると困惑ですが、その欠点・限界は認識し
ながらも愛読してきたという「ヌエ的」回答になりそうです。芦辺さんの「…憎悪」と
いうのは、やや過激な感がありますが、司馬作品の本質を鋭く衝いておられると思います。
金光 寛峯様
>司馬遼太郎が死ぬまで 15年戦争時の参謀本部を唾棄しぬき、批判しぬいた事は有名
>です。……「ノモンハンを考えると頭の血管が切れてしまいそうになる」… …
>なぜこんなになってしまったのだろう。昔からこうだったのか。否、明治時代は、
>日露戦争までは違っていた(坂の上の雲)。司馬にとって明治を明るく書くことが、すな
>わち空論と観念で何もかもだいなしにした昭和戦争時代への批判だったのでしょうか。
う〜ん、難しいところですが私はそうではなくて(「昭和戦争時代への批判」)、昭和の
軍人にあきれ果てて(絶望して)明治時代に「逃避」したのではないかと思うのですが。
その結果、意識的か無意識かは知りませんが明治の「光」の部分しか見なかったのでは
ないか…。昭和20年までの歴史を批判しようとするならば、それは明治という時代ま
でつながるのが当然と思いますが、彼はそれを避けた…。仮に、「昭和戦争時代への批
判」だとしても、結果的には、彼の態度は、明治という時代又は明治という国家への手
放しの礼賛に見えます。私は、司馬遼太郎への最大の不満をそこにおきます。「光」だけ
でなく「影」(過日のメールで書いた「大逆事件」など)も見なければ、その時代を正し
く把握したことにはならないと思います。もちろん、彼の昭和前半への厳しい批判は全
く至当だと思いますが。そういう意味でも、「ノモンハン事件」は是非書いて欲しかった
と思いますね。
>それにしてもなぜ「薔薇」なんでしょうか?
金光さんもやはり不思議ですか。たしかに意味不明せすよね。
akawasさま、
ありがとうございます!まさかウイスロウのことがわかるとは思いもよりませんでした。しかしつづりとファーストネームさえわかれば、あとはどうにかなるもので、彼のことが載っているらしい事典のなまえがわかりましたので、アメリカの友人に人名事典を調べてもらうように頼みました。どうやら牧師で作家、編集者だったひとのようです。
ごぶさたしています。
ROMはつづけています。
とくにこのところの司馬遼太郎の探偵嫌いの説や
「早すぎた埋葬」をめぐる人名の掘り起こしなど
舌を巻いて拝見しています。
>平山雄一さま
ウイスロウの「ローマのカタコーム」ですが
William Henry Withrow,"The Catacombs of Rome and Their Testimony Relative to Primitive Christianity", 1874.
がそれではないでしょうか。
W.H. Withrow(1839-1908)は、宗教学者/宗教史家のようですが
イギリスの人名事典にはみあたりません。
他の著作題名から判断するにカナダ人かと思われます。
中様
本日昼頃の私の書きこみは、昨日までの中さんの投稿を見ての
レスでした。本日のご投稿(No.463)は今拝見しました。
又あらためてレスさせて頂きます。なにしろ、パッパッと文章を
書けないもので…、すみません。
管理人です。
今のところ、穏健に対応しております
ひとつ下の私の投稿は、おかしな部分があったので、再投稿します。
最近、掲示板荒らしと判断せざるを得ない書き込みが有りました。
この掲示板は、ミステリーについて、楽しく気軽に話し合える場として、設置しています。
冒頭に記述してある趣旨に反する書き込みは、削除します。
不規則発言は、止めてくださいね。
同時に、2001年06月30日以前の書き込みを、小林文庫のゲストブック過去ログへ移動しました。
No.464 中さん
と言う事で、発言番号が変わってしまいました。
汚らしいので、発言を削除した後も消してしまいました。
「No.1181とNo.1182を投稿した莫迦」と言うところが、間の抜けたものになってしまいました。ごめんなさい。
その後も懲りずに同じ発言を繰り返している「お莫迦さん」には、中さんの発言は理解できないでしょうね。
だいたい、自分について考える人は、あんな投稿はしないもの。
私からも一言。
不規則発言を繰り返すなら、せめて芸を見せましょうよ。
芸も無く、コンピュータに向かって、同じ投稿を繰り返しているとしたら、あまりに可哀想ですね。
外に出てみましょうよ。 外は秋晴れですよ。
中様 芦辺様
今週は帰りが遅くて中さん始め皆さんの書きこみ読むのがせいいっぱいでした。
それにしても皆さんの熱気は凄いですね。なにからどう書いたらいいのか、書い
ていってどうなるのか困惑の態ですが、まあ書き始めなければ…。
まず軽い?話題から…。中さんの、年にひとつ出るか出ないかという会心のギャ
グ、「俺が昔、ロンドンで黄色い下宿生だったころ、妹はスリー・キャッツで黄色
いサクランボだった…」私は即わかりましたよ。ただ、もう一言、「ワッカルカナー」とつけると、カンペキでしたね。
さて、漱石の探偵嫌いの件、中さんに触発されて私も新潮文庫「彼岸過迄」買って
しまいました。学生時代に岩波版全集を図書館から借り出して一通り読んでいたの
で、漱石を買うのは極めて珍しいことです。27日の晩に、柄谷行人さんの解説読
んで見ましたが、中さんの28日朝書きこみとほぼ同じような感想を持ちました。
「探偵の分類に無理がある」、これは正確に言うと、敬太郎の分類すなわち漱石の
分類であって、漱石の時代を考えれば無理からぬところかとも思いますが、漱石の
探偵嫌いは自然主義嫌いと等価だというのは、私も柄谷さんの考えすぎではないか
と思います。漱石の探偵嫌いは、鏡子夫人の「漱石の思ひ出」の冒頭に書かれてい
るように、若い頃から(ロンドン留学よりも前から)時々出ていたという、自分は
誰かに見張られているという被害妄想的な病気(夫人は「追跡症」という用語を使
っています)が一番の理由ではないでしょうか。「あばきたてる」「暴露する」と
いう行為をするのが探偵であると考えるならば、その被害を受けたと思っている人
間がこれを嫌うのは当然でしょう。私の単純思考かもしれませんが…。
芦辺さん
>「(司馬)氏は推理小説に登場する探偵たちを「犯罪の真実は、“お上”たる警
>察とわれわれマスコミが認定するのに、何でお前たちただの市民が口を出すの
>か」と嫌悪していたのではないでしょうか。」、
中さん、
>「二人の探偵批判にはひとつの共通項があることに気がつきます。司馬遼太郎が
>「あばきたてる」といい、夏目漱石が「暴露」と呼んだ探偵の行為です。あばき
>たてる。暴露する。三島由紀夫ならこれを、「奥底にあるものをつかみ出す」と
>表現することでしょう。
お二人の上記ご意見を見て思ったこと。漱石の時代はまだ乱歩が出現していないか
ら別として、司馬遼太郎、三島由紀夫は探偵小説に登場する探偵は、全て明知小五
郎、金田一耕助のような(市井の)「名探偵」をイメージしていたのではないか。
たしかに、こういう名探偵に対しては、上記のような考え(偏見というべきか)を
持つ人が出てきてもおかしくはないような気もします。程度の差はあれ、そういう
面はありますからね。しかし、そうでない探偵役もいるわけで、司馬、三島がそう
いう探偵を知っていたらどうだったか…という「妄想」が膨らんできます。具体例
で言うと、鮎川さんの鬼貫警部です。警視庁の現職警部ですから、司馬遼太郎の「お上云々」という批判は成立しないし、職務を誠実に果たしているわけで、「あ
ばきたてる」とか「暴露」というイメージは全くありませんね。そういう健全派探
偵(「明智、金田一は不健全だというのか」と怒る方もいるかもしれませんが…)
もいるという事を知っていれば、彼らの偏見の程度も緩和されていたのではないか
と愚考します。以下、妄言(暴言?)になりますが、明智小五郎、金田一耕助的名
探偵は多くのミステリファンを生み出したのは事実でしょうが、そのイメージにあ
る種の偏見を持つ人をも生み出した、そういう偏見を払拭するためにも鬼貫警部の
人気が上がらなければならない…、鬼貫ファンとしては切にそう思います。語るに
落ちた感じで、格調が低い文章で申しわけありません。
芦辺さんの、「両作家の「大衆主導の社会への憎悪」「エリート支配への幻想」を
見てしまうのは例によって僕の僻目でしょうか。…」、金光さんの「司馬遼太郎の
昭和・明治論」へもレスしたいのですが、長くなってきたのでひとまずこれに
て。
中さん、先日、内容見本を入手しました。
「世界大ロマン全集 全50巻 東京創元社」
推せんのことば、として、
「何度読んでも面白い 江戸川乱歩」
10行x20字
です。本ではないので、情報のみです。
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