黒猫荘
「黒猫荘」は、利用者同士の交流を大切にした、長屋形式の掲示板です。
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[mobile対応版 黒猫荘]

THE TELL-TALE HUT
PLMS : mys079  
オーナー:庵本譚 
WELCOME TO “THE TELL−TALE HUT”
オーナーは庵本譚です

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54. 2004年11月13日 22時49分40秒  投稿:魚塚塵 
こんばんは、魚塚・80号室・塵です。

図書館でクイーンを借りてきました。
検索では30件近く表示されるにもかかわらず
実際は閉架に置いているものが多く手に取れる本が
わずかだったことに驚きました。
(もっとずらずらっと並んでいるイメージだったので)
ただおすすめの一つだった『ギリシャ棺の秘密』が
借りられることができたのはラッキーでした。

>皆さんの頭には、どの集合住宅が浮かびますか?

作品名は失念してしてしまいましたが
金田一探偵が依頼者の電話を受け変装をして荷物をとりに行くシーン。
そこには死体があって驚いていると人が入ってきてという話でした。
金田一の中では珍しく近代的な雰囲気が漂っていたのが印象的で・・。
あー、でもアパートだったかも。かなりうろ覚え。(汗)

ちなみにうちの実家のマンションも中規模サイズだったのですが
共同温泉がついていたためものすご長屋的な雰囲気でした。
外出するときに振り返ったらうわさ好きなおばさんが行き先を
じっとみてたりとか。火サスっぽい!
[220.60.196.30][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)]

53. 2004年11月13日 10時10分52秒  投稿:森下祐行 
>ミステリに出てくる集合住宅

パッと思いつくのは、山田風太郎の『誰にも出来る殺人』の人間荘かな。

[61.213.101.41][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)]

52. 2004年11月13日 09時56分31秒  投稿:通りすがりの男M 
 私は『裏窓』が頭に浮かびました。ご本人は、そこには住んでいらっしゃらないのですが。
ウールリッチの短篇というよりも、映画の印象でそう思っただけかもしれませんが。
[203.165.12.51][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; .NET CLR 1.1.4322)]

51. 2004年11月13日 09時29分00秒  投稿:紅 
 [http://www32.ocn.ne.jp/~kohkasuiroh/]
32号室の紅です.

 わたしの部屋も入居してこの方,自分の書き込みが優に半分を超え,
ヘタすると7割くらいいくんではないかと・・・(数えればいいんですが)
「書き込みいただいたらできるだけ早く返事をする」をモットーに,
日夜書き込みを続けております(それでも,自分の投稿が続くこと多々).
いや,ほら,勇んで書き込んだのに返事が1週間とかつかないと,がっ
かり度がひどいもんで,二度と書き込みしなくなっちゃうんですよ.
ああっ,交流できてないー.

 で,集合住宅ですが・・・案外思い浮かばないものですね.ピンとき
ません.一応,最近読んだものでは『私が見たと蝿は言う』は集合住宅
と言ってもいいのかな?あとは,うーん,閃きません.
 一応,泥濘荘が入ってるんで,篠田真由美の輝額荘(だったかな?)と
か森博嗣のVシリーズのアパート(住んでるだけか)とかも浮かんだり.
相村英輔『不確定性原理殺人事件』は,アパートの一室で起こった事件
を,同じアパートに住む住人が目撃者とか証人になって,それをもとに
探偵が解決していく,という作品なんですが,作品が作品なんで悪い意
味で思い出深いです(笑)

 改めて考えると,クローズドサークルほどの限定性がなく,キャラク
ターのやり取り?だけで長編(現在だと大長編?)を持たせるのは困難な
のかな,とも思えてきます.
[221.119.71.211][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; Win 9x 4.90)]

50. 2004年11月13日 05時52分44秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
とりあえず書込みが50に達しました。
二つばかり削除があるので、実質は48ですが、
なんとか「黒猫荘住人」として仮免を貰えましたでしょうか?

で、改めて黒猫荘の「ご利用の手引き」を見ると

>利用者同士の交流は面倒だという方(中略)の、
>入居申し込みはご遠慮下さい。

とあって、交流板というよりも読書日記と化している弊庵なんぞも
「ご遠慮」の対象ではなかろうか、とドキドキしてしまいます。

リアルのマンションと比較してみて、
管理関係と共用室以外に75戸の集合住宅といえば中規模サイズの
マンションで、役員でもやらない限り、住人の名前も碌に把握して
おらず、挨拶もした事がなければ、顔も見た事がない人が半分以上
いるというのが普通だと思います(いや、実際、その規模のマン
ションに住んでいたものですから)。

この黒猫荘でも、未だにその部屋の新聞受けに、お隣のkanauさんの
引越し挨拶が挟まれている部屋が、本日時点で37室あって
これがリアルのマンションだと、相当寂しい感じがすることで
ありましょう。

また先日から某室では十年近く前に亡くなったホームズ俳優の誕生日を
祝っておられたりして、
「ううむ、これは、単に死亡を御存知ないだけか?
それとも作者のドイルが晩年心霊マニアに転じた事を踏まえた
一流の言い回しなのだろうか?」とどう声をかけていいものやら、
悩んでおります。
これが乱歩や正史クラスだと「生誕100周年」とかでお祝いするのは
判るのですが。
このあたりも、リアルのマンションだと、
もっとハラハラしちゃうんでしょうけれども

ミステリに出てくる集合住宅(本物の館や荘(マナーハウス)
を除く)で、個人的に印象深いのは、
江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」の舞台となった東栄館
戸川昌子の「大いなる幻影」の舞台となったK女子アパート
比較的近作だと
竹本健治の「狂い壁狂い窓」の舞台となった樹影荘
芦辺拓の「殺人喜劇の13人」の舞台となった泥濘荘
あたりだったりします。
(ひょっとして「モルグ街の殺人」も集合住宅だったかな?と思って調べたら
「昔は下宿人が又貸ししていたこともある4階建て建物」でした。
うーん、残念)
皆さんの頭には、どの集合住宅が浮かびますか?
この雑文をお読みの方、宜しかったら教えてください。

読み終わった本は阿刀田高の「あやかしの声」。新潮文庫版です。
考えてみれば作者の<奇妙な味>系の作品集は久しぶりでした。
収録作の中には地下鉄サリン事件を下敷きにした(らしい)作品も
あったりして、時代を感じさせます。予言系、ビブリオ怪奇系、
夫と妻に捧げる犯罪系、推理系、民話幻想系など、
良く言えば「バラエティーに富んだ」、
悪く言えば「統一感のない」作品集です。
「あ、こうくるだろうな」という読みを越えて「一本取られた!」
と思ったのは「愛のすみか」と「灰色花壇」の2編。
どうも<寂しい男>に感応してしまったようです。
特に「灰色花壇」のやるせなさと伏線が効いた幕切れのショックには
阿刀田高健在なり、と唸ってしまいました。
[211.14.59.140][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

49. 2004年11月12日 06時50分57秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
その書の存在を知ってから、ずっと題名を誤読していた本があります。
といっても

「ペトロフカ38」を「ペトロカフ38」と読んでしまう

「シミソラ」を「シソミラ」と覚えてしまう、

という類いではなくて、訳を勘違いしていた、というものです。
それが本日読み終わったロナルド・A・ノックスの「閘門の足跡」。
この訳書の予告が出るまで、

「鍵の上の足跡」

だと信じて疑いませんでした。

普通、ミステリファンをつかまえて
「Lock」
という単語を見せれば、10人が10人「鍵」と解するのでは
ないでしょうか?なにせ「Locked Room」という単語は、いわば
私達にかけられた呪いのような言葉ですから。

「しかし、常識で考えて、鍵の上に足跡がつくか?」
と、突っ込まれても、そこはそれ、

「『天井の足跡』だってありなんだから、『鍵の上の足跡』もありでしょう」

と、堅く信じてしまうわけです。そして、その非常識を正当化するために

「巨大な鍵なんだろう」
「いや、小さな足跡だったのかもしれんぞ」
「それは『この世の外から』だろう」
「あれ?『世に不可能事なし』じゃなかったっけ?」
「とりあえず、『世界最少の密室』じゃなかった事だけは確かだよな」

等というミスディレクション系臆測が、度忘れに加速されて
アタマの中をかけめぐるわけです。
「♪開いってます、あなたのロースン」

というわけで、コニー・ウィリスの「犬は勘定にいれません」の翻訳を
待っていたかのように、70年以上の時を越えて日本の読者の前に
その実態を表したのが、この作品、

「ボートの二人男『殺人』事件〜死体は勘定に入れません」

であります。(うそ)
久々の(本当に久々の)新樹社ミステリの帯には、
「芳醇なスコッチの味わいを思わせる」という挙句が躍っていますが、
まさに70年ものの古酒です。それも「論理」のシングル・モルト。

まずは、高等遊民系の二人の従兄が憎み合いながらも、たった一人
残った係累である大叔母のご機嫌を取るために(その実、遺産の
分け前に与かるために)ひとつの舟で河を旅行するという設定が
いかにも「黄金期」のイギリスであります。
ジェローム・K・ジェロームの聖典が書かれたのが1889年だ
そうですので、この作品が書かれるまでに40年の歳月が流れて
いるわけです。
その全く時差を感じさせないところが大英帝国の悠々たるところ
でありましょう。
そして、消えた二人の道中を再現しながら、保険調査員ブリードンが
妻や警部とロジックをひねくり回す過程のなんとも長閑なこと。
そこにアメリカから来たという探偵志願の男が絡み、逆転に次ぐ
逆転の論理のアクロバットが披瀝されていきます。
中でも、題名になっている「閘門の足跡」を巡って展開される推論が、
圧巻で、左脳が悲鳴を上げそうになる込み入り具合です。
更に、真田解説にも或る通り、とあるキャラクターがギリギリの
ところで示した矜持が、このシングル・モルトの後口を馥郁たる
ものに仕立て上げるのでありました。

原書を辞書片手に地図を前において読み進むのが、この書の
最も適した読み方であるのかもしれません。

「スロー・ミステリ」

というけったいな造語をすると、言葉を大事にする
真田さんに叱られるかもしれませんが、
つい、そう呼んでしまいたくなる佳作でした。
ふうーーーっ。(満足の溜め息)
[211.14.59.140][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

48. 2004年11月11日 07時11分19秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
書店でヒルのポケミス新刊「死の笑話集」を前にして
「そうか、ポケミスが2000円を超える時代になったのかあ」と
しみじみしておりました。日本の景気も回復したのでしょうか?

と、ふと
「あれれ、カーの『コナン・ドイル』って幾らしたんだっけ?」と
猛烈に気になり始めました。
そこで、解説目録を手にとって調べてみると
「2400円」
でした。

なあんだ、最高値じゃなかったんだ。>2000円

「いやいや、バブル崩壊後最高値かもしれないぞ」
と思って、同じく目録で『コナン・ドイル』の発行日を確認したら
93年8月31日でした。

うーん、残念。

「小説銘柄では最高値」ってことですか。

PDジェイムズの「正義」が上・下巻で計2000円だったので、
「小説銘柄で高値更新」というわけでもないらしいです。
灌漑に水を差された思いです。>カンガイが違う!

読み終わった作品は島田荘司の最新刊「龍臥亭幻想」。
カッパノベルズの上下巻です。
「龍臥亭事件」で一つに繋がれた吉敷世界と御手洗ワールド。
そして遂に両雄が一つの事件でその知性を競うことに!

と、いってもイマドキのよいこの皆さんは
「名探偵ポアロとミス・マープル」みたいなものですくぁ?クァックァッ
>アヒルだね・オリヴァー夫人
と、あっさり納得してしまうかもしれませんが。
作家が、自分の名探偵たちを一つ作品で共演させるというのは
そうそうあることではありません。
即座に思い付くところでは、
大前田英策と神津恭介が共演する「狐の密室」
アル・ウィラーとメイヴィス・セドリッツが共演する「とんでもない恋人」
冬狐堂以下、北森鴻のシリーズキャラクター総出演の「狐闇」
(短篇ならホックの「レオポルド警部のバッジを盗め」とか)
あたりでしょうか。
テレビでは、ジェシカおばさんとマグナム、
エイモス・バークとハニー・ウエストなんて例を思い起こします。
SFであれば、アシモフとかムアコックが奔放に自作のキャラクターたちを
遭遇させて読者を楽しませてくれますが、ミステリでは(他人による
パロディは別として)名探偵の競演という夢のコラボレーションは意外に
少ないように思います。
(いやまあ、辻真先や斎藤栄にはなんぼでもあるのかもしれませんけれど)

さて、作品の中身ついてですが、一言で申し上げれば

「やはり、島田荘司は凄い」

という事に尽きます。
新本格の愛弟子たちが、永年の連載をまとめた重厚長大作で勝負してきても
歯が立ちません。モノが違います。
特に今回の作品は、これまでの島田荘司作品のバリエーションのような
色彩が濃厚で、舞台やキャラクターは勿論のこと、伝承だの、鎧武者だの、
バラバラ死体だの、差別だの、といったキーワードが渾然一体となって、
圧倒的なリーダビリティーとともに我々読者を、懐かしい島田空間へ
引っ攫うのでありました。
正義という通奏低音で結ばれた、オカルトとロジックの和声。
そして、通じ合う名探偵たち。
天上の奇想と煉獄のカタルシスは、ここにあります。
島田荘司ファンへの、少し早いクリスマス・プレゼント。
ごちそうさまでした。
[211.14.59.174][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

47. 2004年11月10日 06時30分46秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
日曜日の話題ですが、、、
誕生祝いに何かDVDを買ってあげる、と家人にいわれたので、
1年ぶりにDVDソフトコーナーをチェックしてきました。
すると、あるは、あるは、ああ、こんなものまでDVD化されていたのかあ!
といったタイトルの嵐。リーバス警部が4巻セットで売られていたり、
「バーナビー警部」のような渋い作品までDVDになっていたりするのですから
(はあはあ)。
自分の煩悩と欲望に押し潰されそうになって、青息吐息で強制離脱して参りました。
結局、何を買ってもらうか決められずじまいです。
本やら古本やらだと「免疫」があるんですけどねえ。

ちなみに、一番のDVD化希望作品といえば、

「コロンボを除くウィリアム・リンク&リチャード・レビンソン全集」
第1回配盤
「エラリ・クイーン1(蛍の光の冒険/飛び降りた恋人の冒険)」
「殺しの演出者/消えた花嫁」同時発売!

どうよどうよ?

読み終わった本はまたしても佐野洋の「賭けの季節」、角川文庫版です。
元版は新潮社から昭和35年に出ているようですので、立派な初期作品といえましょう。

人気映画女優・上杉悠子には生き別れになった双子の姉がいた。
北海道の喫茶店で平凡にウエイトレスを勤める姉・竹村久子の元に上杉悠子の
マネージャーを名乗る男が訪れる。
そして、双子をテーマにした映画出演の話を持ち掛ける。
夢のような幸運に、人生を賭ける彼女。
だが、それは仕組まれた「ビギナーズ・ラック」だった。
上京した彼女を待ち受ける失望、可愛い陰謀、そして致死性の策謀。
既に回り舞台の上では、奇妙な「自殺」劇の幕は上がっていた。

登場人物の多すぎるフランスミステリ、といったイメージの作品。
佐野洋版の「わらの女」と呼んでもよさそうな展開ですが、
手間のかかる犯罪の割りには、パフォーマンスが良くありません。
折角の双子という設定も充分に活かしきれたとはいえませんし、
リアリティーのなさを補うだけのサプライズもありませんでした。
同じ設定で、戸川昌子が描いたら、さぞや淫靡な展開になったかもしれないなあ、
と夢想して、気を気で養う事にしておきます。
[211.14.59.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

46. 2004年11月10日 05時54分53秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
紅様
いらっしゃいませ。
ゴルの第4巻ゲット、おめでとうございます。
で、既に森下さんもアドバイスされているように、
4巻から読み始めるのは、余りオススメではございません。
やはりシリーズものは前から読むのが得策かと。

ジョン・ノーマンのシリーズ外作品で、
「タイム・スレイヴ」の他に好事家の間で有名なのは
「イマジネイティヴ・セックス」という、
家庭内イメクラのおすすめ本です。
SFの設定(捕われた女銀河捜査官とか)で、
あれこれロープレして彼女とのセック×を
楽しみましょう、というとんでもない「実用書」です。

「Xの悲劇」は私が愛してやまない数多のミステリの中でも
堂々第1位に輝く大傑作です。ああ、羨ましい。

私のネタが判りにくいのは、アエラのコピー並みに
強引な地口のせいだと思います。
御訪問ありがとうございました。
[211.14.59.136][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

45. 2004年11月09日 18時43分51秒  投稿:紅 
 [http://www32.ocn.ne.jp/~kohkasuiroh/]
こんばんは,32号室の紅です.

 えーと,ゴルの4巻購入記念に書き込みに参りました.まだ全然読んで
いないのですが,他の巻の入手が待たれる今,「4巻だけでも読めるのか
な?」という疑問を抱いております.
 あと,巻末の著者紹介にある『タイム・スレイヴ』という作品も,非
常に気になったりします・・・タイムトラベルで原始時代に戻った女性
がクロマニョン人の奴隷にされるとはいったい!翻訳されてそうにない
けれど.

 わたしもクイーンを(ほぼ)初見で読める羨望の"極地"におりまして,
先日ドルリイ・レーン四部作が紙袋から出てきたので,『Xの悲劇』を
読み始めてみました.一言一句が見逃せないので,進みは遅いですが.

 神保町はあまり利用しませんが,多額の金を払って店から出て,ビニ
ールをはずして中を見てみたらダブリで,白山通りと靖国通りの交差点
で思わず───

           「助けてください!」

 すぐに手の平がウヨウヨと・・・

 庵本譚さんの書き込みのネタ部分は,十中八九分からないのですが,
中でも,一番面白くて興味深かったのが,「おとなしい妻」の冒頭であ
りましょうか.
 これからもよろしくお願いします.
[210.234.188.104][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; Win 9x 4.90)]

44. 2004年11月09日 07時05分30秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
気がつくと土日を挟んで飲み会4連荘。
さすがに辛くなってきました。

読了した本は、扶桑社文庫のエリザベス・ピーターズ作品、
「ベストセラー『殺人』事件」、かつて徳間文庫から
「裸でご免あそばせ」として上梓されていた本です。
徳間文庫版は何を勘違いしたか、カバーに可憐にして煽情的な絵が
躍っておりましたが、扶桑社文庫版は、ド派手な熟女
ジャクリーン・カービーの立ち姿。ちゃんと中身を読んで
描いたという感じですね。
中身は、さながら「風とともに去りぬ」の続編「スカーレット」
誕生の裏舞台を垣間見せて貰ったような、ビブリオ・ミステリ。
「リチャード三世『殺人』事件」が徹頭徹尾「時の娘」への
オマージュであったのに対し、こちらは、一筋縄ではいかない
ヤクザな作家稼業と出版界の曝露話です。

元・図書館司書ジャクリーン・カービーは、今や
マスコミの寵児たる奇矯な売れっ子ゴシック・ロマンス作家。
そんな彼女のもとに、大ベストセラー恋愛小説「氷のなかに裸で」
の続編執筆のオファーが舞い込んできた。最初は躊躇していた
ジャクリーンだったが、他の三文作家に作品を汚されるぐらいなら、
自分がトライすべきだと、7年前に謎の失踪を遂げた原作者
キャスリーン・ダーシーの「遺族」たちの「テスト」に臨む。
歪んだ「遺族」たち、倣岸たるエージェント、憤激するライヴァル作家
そして、熱烈なキャスリーンの信奉者、
果して、ジャクリーンは続編執筆者レースを勝ち抜く事ができるのか?
やがて、彼女の前にキャスリーン失踪の謎と脅迫が立ちふさがる。
そして勃発する殺人!
「裸ふたたび」が出来るまで、売れるも地獄、売れぬも地獄!

なるほどアガサ賞受賞も頷ける快作。
ビブリオ・ミステリマニアには堪らないコージーミステリでした。
愛すべき作家像と唾棄すべき犯人像の対比も鮮やかで、
名探偵ジャクリーン・カービーの行動力と機知、そして冴え渡る
啖呵に熟女ファンもめろめろ。男も女も楽しめる作品として
おすすめしておきます。
[211.14.59.166][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

43. 2004年11月08日 06時23分53秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
録画しておいたウルトラマン・ネクサスを初回から固めて見ました。
やたらと「to be continued」の多い展開なので、
固めて見るのが正解かもしれません。
平成ウルトラマンは「ティガ」お父さん向け、
「ダイナ」子供向け、「ガイア」お母さん向け、
「コスモス」幼児向け、でしたが、
再び「お父さん向け」の順番が回ってきたのか?!という
ハードボイルドな展開であります。
ティルトという組織が、「謎の円盤UFO」のSHADOを思わせるノリで、
台詞回しは平成ガメラですね(「状況終了!」とか)。
読み終わった本は二階堂黎人「魔術王事件」と柳広司「聖フランシスコ・
ザビエルの首」
「魔術王事件」は、装飾過多でありながらボキャブラリー不足な文体に
辟易としますが、中身はなんとか我慢できる人殺しトリック集でした。
プロットが乱歩だとか、鍾乳洞が正史だとかいう話もありますが、
犯人は友成純一かもしれません。
真犯人像は、テレビでビートたけしが二十面相に扮した際の設定を
思わせました。
ここまでの長さが必要なのか?と疑問に思いましたが、
ともあれ前作のラビリンスから引っ張ったネタにケリをつけて
くれたので、一安心といった所です。
「聖フランシスコ・ザビエルの首」は、作者らしい丁寧なリサーチが
光る歴史推理中編集。幻想小説のフォーマットも借りて、異形の名探偵譚が
展開されます。日本、インド、フランス、そして今は亡きナバラ王国と、
時空を溯って綴られる怪異と信仰、論理と倫理の物語で、日本人なら誰もが
知っていながら、その実、詳しくは何も知らないフランシスコ・ザビエル師の
一生を浮き彫りにしていきます。この世の奇蹟、死を招く宿命、軽い文体
でありながら、テーマとしては結構重いものがあります。前作のギリシャ
もので純粋歴史小説に踏み出し「どきっ」っとさせられましたが、
なんの、まだまだ推理小説で楽しませてもらえそうです。
かつて井沢元彦が同じく講談社ノベルスで名探偵・織田信長を描いた
歴史推理連作「修道士の首」を出していましたが、作者の頭のどこかに、
その題名がこびりついており、そこから構想が広がっていったのかもしれません。
[211.14.59.225][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

42. 2004年11月07日 11時02分21秒  投稿:庵本譚 
庵主です。

魚塚さん
いらっしゃいませ。
これからクイーンの著作をすべて初見で読めるなんて羨望の極致です。
本当に羨ましいです。
もしお読みになるのであれば、
「Xの悲劇」「Yの悲劇」「ギリシャ棺の謎」
「エジプト十字架の謎」「災厄の町」といった歴史的傑作から
から読みすすめてみてください。(晩年の作品には駄作も多いので:汗)
短篇集でしたら「エラリー・クイーンの冒険」
「エラリー・クイーンの新冒険」がオススメです。

本棚探偵といえば、喜国雅彦&日下三蔵両氏のトークショーでは
「神保町の中心でダブりとさけぶ」という限定冊子が配られたそうです。
限定版と言われると萌えますねえ。
「セドリの中心で買いをさけんだんだもの(はあと)」

今後ともよろしくです。

金曜日は赤坂の文士バーでワインをしたたか呑んで、
へべれけになって参りました。相当に記憶があやふやです。
土曜日は朝から二日酔でした。
読み終えた本は早速にROM叢書のアンソニー・アボット「シャダーズ」。
NYPD本部長サッチャー・コルトが挑むは、魔人ボールウィン博士&妖女マルセラ。
3年前、一人の天才的犯罪者がコルトの慧眼によって死刑台に送られた。
男の名はジュリー・テイラー。彼は、老銀行王に巧みに取り入り、その一族を
根絶やしにするとともに巨万の富を掠めようとしたのだった。
その死刑執行の夜、テイラーはコルトを呼び出し、彼の妻を奪い、陰謀の
全てを唆した真の「悪魔」の名を告げ、電気椅子で焼かれる。
3年後、その悪魔ボールドウィン博士が華々しい新発明を引っさげて実業の表舞台に登場する。
そして死神の鎌は、静かに、テイラーの死刑執行に携わった者たちを刈り取っていく。
全く何の痕跡も残さず。
死の恐怖に怯えながらコルトの面前で悶絶死する犠牲者たち。
コルトたちNYPDの必死の探索と追求を嘲笑うように、
泰然として獲物を屠る悪魔夫妻。
そして、その魔手は、テイラー事件の最後に残された立役者、
サッチャー・コルトその人に伸びようとしていた!
消えた二百万ドル、見えざる死神の手、罠と罠の応酬の果てで
勝利するのは正義か?邪悪か?

1943年の作品ですが、黄金期以前の大時代がかった探偵小説を
彷彿とさせる問題作でありました。
明らかに時代に逆行するかのような破天荒な設定に、科学的なようで
実のところトンデモなトリックが炸裂するオモシロ・サスペンス。
全編に仕掛けられた大ドンデン返しに至っては「いくらなんでも」
の領域であります。
なるほどこれまで、日本人の目に触れなかったのもむべなるかな。
それでも、このリーダビリティーの高さは素晴らしい。
大探偵サッチャー・コルトの活躍はROM叢書にて一大披瀝中。。
親愛なる読書諸氏の倍旧のご愛顧を乞う
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41. 2004年11月05日 23時37分23秒  投稿:魚塚塵 
はじめまして、こんばんは。
先日80号に入居いたしました魚塚です。
こちらからご挨拶をと思っていたのですが
思いがけないご来室とご挨拶に
驚くやら慌てるやら嬉しいやら嬉しいやら。

クイーンは(というより海外モノ)は
残念ながら読んだことがありませんが
いろんな作品のなかでも目にするので
一度は読んでおきたいと考えています。

庵本譚さまは古書などにもお詳しいみたいですね。
『本棚探偵〜』を読んだことがあったので
喜国氏のくだりは思わず笑ってしまいました。

またお邪魔させていただきますね。
頼りないお隣ですがよろしくお願いいたします。


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40. 2004年11月05日 07時00分08秒  投稿:庵本譚 
庵主です。
帰宅すると噂のROM叢書1、アンソニー・アボットの
「シャダーズ:サッチャー・コルトの事件簿1」が
届いていました。
21世紀が「アンソニー・アボットの翻訳が同人出版で読める時代」
になろうとは、モノリス様でも気がつくめえ、

「ツァラトゥストラはかく語りき」が流れる中、
直立二足歩行を始めたミステリ・マニアが空に向って両手をつきあげる、

世紀のばんざい、

であります。
出来る限り今年のうちに読んでSRベストに投票しよう
ではありませんか。

読み終わったのは多岐川恭の「おとなしい妻」新潮社刊行。
実は、この本をダイニングのテーブルに積んでおいたところ
家人が目に留めて、
「そーかあ、『おとなしい妻』ねえ。ふーん。こんな感じ?」
とお淑やかに肩を竦めたり、しなを作ったりして遊んでおりました。
「全然違うと思うぞ、それは」
と感想を述べつつ、多岐川恭描く「おとなしい妻」が本当は
どんなものなのか気になって読んでみました。
「おとなしい妻」
貞淑な妻が闖入してきた押売りに犯された事から新たな日常が始まる。
静かな夜と乱れる昼。危うい関係の清算はオンナの身体でつけられる。
柔らかでしたたかな夫と妻に捧げる犯罪。
普通の人々の怖さを淡々と描いた郊外派ミステリ。
「蝶」
幻視の蝶が、暗鬼を掻き立てる。
嫉妬は殺意へと変態し、
狂気の淵で操りの蝶は炎に晒される。
緊張感漂う、サイコサスペンス。
鮮やかな逆転が光る逸品。意外哉、物理トリック!
「殺意」
裁判官に届けられた一編の手記。そこには、戦後の混乱期の
中で、一人の敬虔な聖職者が遭遇した魂の遍歴と殺人の
真相が記されていた。信仰とは?人間愛とは?を問いかける
感涙の逆転劇。お涙頂戴ながら、格の違いを感じさせる傑作。
「はるかな空の祭り」
無頼の社長秘書が女たちの想いと欲望の狭間をさ迷う。
仕組まれた脅迫劇が臆病者たちを笑い、不器用な者たちに
愛の手をさしのべる。虚無的な主人公が印象深いサラリーマン
ミステリ。こんなサラリーマンいない。
「あいつを殺して」
堅い筈の銀行員が美人局に引っ掛かり、その女の虜にされていく。
ヒモの殺害を唆し、懇願する女。
そして結成される「穴兄弟」たちの殺人連盟。
果して、殺人プロットの行く末に待つ裁きとは?
渇いたユーモア倒叙ミステリ。意外な展開と痛快な逆転が楽しめる。
「春の水浴」
体力自慢の女たらしが、ピクニックに誘われた時、
女たちは競いあって、男に抱きついていく。
昼飯時、春の湖に待つ、復讐の顛末とは?
尾篭で残酷なクライム・ストーリー。男の勝手な思い込みを
笑い飛ばす一編。
「コミック三編(「酔った仲間」「憎いやつ」「悪運」)
ボスの女に手を出した仲間の始末を命じられた男たち。
その酔いどれ道中を会話のみで支えた「酔った仲間」
靴磨き少年の純愛とささやかな復讐を描いた「憎いやつ」
警察につかまりたい男のトライアル&エラーを綴った「悪運」
「酔った仲間」がベスト。

というわけで「おとなしい妻」は怖いということが
よくわかりました。
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39. 2004年11月04日 07時31分05秒  投稿:庵本譚 
庵主です。
休日出勤の上、11時間パソコンと格闘して
最寄り駅に向う途中で、新たなリサイクル系の
古本屋を発見しました。
おお、神様。ありがとうございます。
目の覚めるような掘り出し物はなかったのですが、
文庫化を待っているうちに目録から消えてしまった
ジョナサン・キャロルの第2短篇集
「黒いカクテル」帯付きを300円でゲットできました。
なによりの御褒美です。

読み終わった本は幻冬舎から出た麻耶雄嵩の「螢」。
名前も変換しにくければ、題名もでてきやしない
というぼやきが聞こえてきそうな旧字体の「螢」です。
狂気の天才バイオリニストが、配下のアンサンブル
全員を惨殺した館「ファイアフライ館」。
オカルトスポット探訪がテーマの学生サークルが集う時、
新たな惨劇の幕は既に上がっていた。
徘徊する死美人、滅びゆく主宰者、封印されたリッパー
嵐の中、孤立する館に螢はその韻律を刻み、
壊れたRPGの果てに超絶のロジックがコーダを奏でる

ああ、びっくりした。
まだこんな手が残っていたのか、と思わず頭から読み返し
たくなるような幕切れでした。
この隠れロジックは巧い!「11枚のとらんぷ」並み。
これは今年大量に輩出された重厚長大新本格新作の中でも
頭一つ抜けている感じがします。
惜しむらくは、サプライズに奉仕するため、重要人物の
異常心理が全く説明されずに終わったところ。
あと、作者独特の後味の悪いエンディングもなあ。
また自社出版物しか持ち上げない幻冬舎の帯も問題。
しかも、誰やねん、「ジョニー」って?
それでも快作と呼ばざるをえません。はい。
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38. 2004年11月03日 06時47分19秒  投稿:庵本譚 
庵主です。
気がつけば、いつの間にか
お隣の80号室が空き家になっていました。
「一度も顔を見せない住人さんでしたよ、
ひと気も感じませんでしたし」
と、刑事が聞込みきたら答えることにいたしましょう。

で、昨日の投稿でまたしても脱字してました。
ファンジックじゃなくてファンタジックです。
チェックしているつもりでも、漏れてしまうんですよねえ。
こういう誤字脱字をやらかす人間は、絶対殺人には向いていないと思います。

昨日はとっぷりと暮れた古書店街を駆け抜けて参りました。
木枯し紋次郎風にいえば
「古書街の闇を駆けろ」
「百均棚に風を切る」
てな感じでしょうか?
いやもう、古本の香りを嗅げただけで満足しております。
というのは格好つけで、しっかり某Y書房で、買い物をしてしまいました。
「おとなしい妻」多岐川恭(新潮社)2500円
「Catch Me a Phoenix!」Carter Brown(Signet US1st)300円
多岐川恭は著者あとがきによれば「7冊目の短篇集」だそうです。
おそらく持っていない筈なので、古書価格で買ってしまいました。
カーター・ブラウンの方は、1965年作品というのを確認したうえで、
「不死鳥をつかまえて!」なんて題名はなかったよねえ、と思いながら
運試しのつもりで買ってみました。
1965年は丁度カーター・ブラウンの翻訳の分水嶺にあたる年で、
66年以降の作品ならば、まず未訳。65年作品ならば、
既訳も未訳もあった筈。いざ、勝負!

帰宅してしらべると、とほほほほ、翻訳が出てました。
「殺人は競売で」なんだそうです。
ダニー・ボイド・シリーズは65年に2作出ていて
「The Sometime Wife」の方が未訳なんだそうです。
くうう、かすったあ!
ここは、シグネットのカバーアートに300円出したと思うことにします。
ついでに洋古書サイトで検索したら、やはり3ドルから5ドル程度の
値段でした。なるほど300円というのは適正価格ではないですか。
「落穂に賭けた賽ひとつ」
「二度と拝めぬ希覯本」
あっしには言いわけなんぞござんせん。

読み終わったのは佐野洋の「壁が囁く」、角川文庫版です。
一流新聞の特別企画部に籍をおく敏腕記者を主人公に配した
トリッキーなサスペンスでした。
1年前の海外赴任中に、妻にガス自殺された新聞記者・志原は、
最近付合い始めた婦人部の記者に再び自殺されてしまう。
ひょんなことから、女性記者には秘密のパトロンが存在した
ことを知らされる志原。やがて、興味半分で事件を追い始めた彼に
悪意の手が伸びる。なんと警察に、女性記者の死は自殺ではなく、
志原が犯人である事を仄めかす密告電話が入ったのだ。
やさぐれ記者、辣腕政治記者、サツ周りの事件記者に謎の女も相乱れ
志原が辿り着いた、連続自殺の真相とは?
連続自殺といえばカーですが、どちらかといえばフランス・ミステリ
タイプのお話。権田解説ではガーヴの「新聞社殺人事件」を引き合い
に出していましたが、情熱的な男女を描きながら清く美しい描写に
留めるガーヴに比べ、のっけから「ケダモノ的うっふん」にページを割く
佐野洋では、作品の「品格」が違うと申し上げておきましょう。
まあ、それはそれとして、ミステリとして及第点。
犯人像にはなかなか怖いものがありました。
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37. 2004年11月02日 04時49分01秒  投稿:庵本譚 
庵主です。
本日読んだ本はグラディス・ミッチェルの「月が昇るとき」、
今年も快調な晶文社ミステリの最新刊です。
原書でも持っていたのですが、読みそびれている間に
翻訳がでてしまいました。グラディス・ミッチェルが
普通に本屋に平積みされている姿というのは、オールド・
ファンからすると隔世の上にも隔世の感があります。
「ソルトマーシュの殺人」の翻訳が遅れて焦らされたせいも
あるのでしょうか、「次の翻訳は又30年先」といったタイガース
ファンの心理にも似た諦念を抱いていただけに、何の思わせぶりも
なく、当たり前のように新刊として出てしまったことに
驚きの念を禁じえません。
中身のほうは、すでにいろいろなところでも紹介されていますが、
ミッチェル版の「トムソーヤーの冒険&探偵」。
いわゆるリッパーものなのですが、書きようによっては、
随分と新鮮な少年文学になるものだと感心しました。
真犯人像も含めて、本当は残酷な「童話」の要素もふんだんに盛り込んだ
ファンジックな作品。戦前ならば「魔女対魔人」みたいな訳題がぴったり
きたかもしれません。
例によって、「なぜ、月夜なのか?」といった疑問に明快で合理的な
解が与えられるわけでもなく、事件の語り手のみえないところで
ちゃっちゃと進展してしまうという透かし技も炸裂して、
ファン(いるのかなあ)を喜ばせます。
ミステリとしてはともかく、少年文学として一読の値打ちはある一品でした。

さあ、次の翻訳は何年後になるのでしょうか?
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36. 2004年11月01日 05時55分18秒  投稿:庵本譚 
庵主です。
昼寝から覚めたら、家人が映画をみていたので、途中から付合いました。
モノはリチャード・ギア主演の「プロフェシー」。
妻を亡くした一流紙の記者が、不安な「予言者」たちに遭遇し、
人類史の開闢以来、そこかしこに姿を見せていた蛾男(モスマン)の
存在に気付く。やがて、彼自身にも災厄の予言や、冥界からの電話が
届き、導かれた人々はイブに集う……
暗い造りの真面目な「予言」もので、そのまんま「Xファイル」の
1エピソードになりそうな話でした。そういえば、リチャード・ギアの
面立ちって、どことなくデヴィッド・ドゥカブニーに通じるものが
あるように思いませんか?

今週も「名探偵ポアロとミス・マープル」はお休み。
中越地震報道の影で、国会喚問されたNHKの首脳陣たちは
「人の噂も75日」と指折り数えているに違いありません。
「そうそう、シュリンプさんにそっくりだわ。
村の拡声器と呼ばれていた人よ。
でも、村のお金を使い込んだという噂が出てきて、
そうした途端に、急に教会に熱心に通うようになって、
チャリティー・バザーを開こうと、働きかけたのよ。」
アガサ・クリスティー著「予告殺人」より(←うそ)

読み終わった本は、原書房刊行、CDキング著の「海のオベリスト」。
森英俊コレクションの一冊。
オベリスト・シリーズの第1作にして、作者の処女作。
覆面作家バーナビー・ロスが「Xの悲劇」を引っさげてデビューした
1932年の船上ミステリの古典です。
豪華客船での夜のお楽しみ、ディナー後のマイル数オークションの最中の停電、
その一瞬の隙をついて心臓に鉛玉を食らった実業界の大立者。
事件の真相を4人の心理学者がそれぞれの学説を基に推理する。
だが、彼等を嘲笑うように、死体は消え、新たな死が訪れるのであった。
といったお話。
読み物としては些か単調ですが、良く言えば「悠々たる筋運び」ということでしょう。
複数の銃弾手品に、人間消失トリック、クライマックスの逆転、
そして意外な真犯人と手掛り索引の妙など、見所はそれなりにある作品といえましょう。
ただ、終盤で真犯人の名前を隠すために持ち込んだ、強引な「沈黙」については、
不自然の一言。全く納得がいきません。
これでは、小説の面白さで、同じ32年作品の「Xの悲劇」や「Yの悲劇」や
「邪悪の家」や「魔女の隠れ家」に敵うわけがありません。
さはさりながら、幻の作品を読めた事に感謝の意を表しておきます。
「いずれ、同じ作者のABCシリーズも日本語で読めますように」
「その時は、順番通り読めますように」
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35. 2004年10月31日 08時29分05秒  投稿:庵本譚 
庵主です。
「SFマガジン」「ミステリマガジン」の今月号を買いがてら、
買いそびれていた雑誌を2誌買いました。
「ミステリーズ! 7号」「ジャーロ17号」
これら4誌の中では、「SFマガジン」が唯一誌名に変更のない
雑誌ということになりましょうか。
いや、前身(日本版EQMM)から通し番号が振られているHMMや、
題名に小さく「EQ Extra」と添えられているジャーロと違って
「ミステリーズ!」は「創元推理」とは別物と考えるべきなのかもしれません。

「創元推理」は本当のところ、Tetsuya Ayukawa's Mystery Magazineと
冠したかったのではなかろうかと邪推しているのですが、驍将亡き今と
なっては、改めてその名を冠するわけにもいなかいでしょうしねえ。
(そういえば後期の「宝石」に「江戸川乱歩’sミステリマガジン」と
英語で書かれていたような気もするのですが、記憶違いでしょうか?)
今の日本では「季刊 島田荘司」がこのたぐいとしてはトドメを指す
のでしょうが、〇〇MMというネーミングには、なんとなく「王道」を
感じてしまうのでありました。
それに照らすと「ミステリーズ!」という誌名はどうもピンときません。
「ミステリーズ?」って感じです。

夢想してみました。

東京創元社が、中高年男性向けに「ミステリーズ!」増刊を編集。
「エロティック・ミステリーズ!」創刊!

「エロティック・ミステリーズ!」が改題する。
「旅とミステリーズ!」新創刊!

穴場情報満載!一撃必殺、一発昇天の極楽旅情推理専門誌、
峰隆一郎、木谷恭介の大好評連載は乗り継ぎです。
新人作家募集!「西村京太郎賞応募規定」掲載
受賞作は土曜ワイド劇場でテレビドラマ化!
主演:山村紅葉!
♪悲喜劇一斉、新刊は早や我が記者を離れたり〜
と申しますか、
♪絶叫だ!絶叫だ!楽しいなあ
と申しますか。

読み終わったのは10年前角川書店のハードカバー、
ジェーン・S・ヒッチコックの「魔女の鉄槌」。
文庫落ちもしていますが、積読山脈から元版を掘り出してきました。
カバーや装丁に力をかけており、なかなかお洒落な造りです。
帯に大きな級数で、こうあります。

「魔女裁判、現代に蘇る」
「驚愕の問題小説」

…それだけの話でした。

序盤、やや生臭さを漂わせたビブリオ趣味に、
中盤、カルト探訪に戦時陰謀、三十女の閨房が縺れて、
終盤、狂気が暴走し、「魔女」が再生する

ラストがバタバタしすぎで、余り楽しめませんでした。
結局のところ、飽くまで人間の理性と狂気の範囲で物語が
収斂してしまい、逆転の妙味に欠けます。
同系統の話としては、純粋にオカルト側に踏み込んだ
「サンテリア」の方が好きです。
魔女のお話は「火刑法廷」や「妻という名の魔女たち」と
いった古典から「哀しみのベラドンナ」やら「女フィスト」
「エコエコアザラク」といったコミック系も含めて
偏愛しておりますが、このお話は頂けませんでした。
女性読者の感想を聞いてみたいところです。
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   161〜180件(保存数204件) 

[NAGAYA v3.13/N90201]