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THE TELL-TALE HUT |
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175. 2005年03月22日 07時04分44秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月27日「憎しみのバランス」樹下太郎(角川書店) これも図書館で借りた本。そうか、角川小説新書にも樹下太郎があったんですねえ。 1中編4短篇を収録。これは、作者の良さが出た作品揃いで、それなりに楽しめ ました。 「憎しみのバランス」 一度は殺されかけ、犯人の間違いで生き延びた悪女。だが、出所してきた男が 彼女の前に現われた時、死神は思わぬ者を撃つ。愛憎が交錯する修羅の巷、 因果の連鎖を追う刑事たち。 「鬼さんこちら」 意に添わぬ妻を娶らされた男が企む完全犯罪。試行錯誤の果てに待ち受けていた 驚愕の逆転とは? 「心中未遂」 水商売からの甘い誘い。心中という名の陥穽が未遂に終わる朝、女の真の目論見が 姿をあらわす。 「眼を閉じた女」 少年時代の性の記憶。偶然の邂逅が、青年を狂わせる。激情殺人の発端から破綻を 描いた倒叙サスペンス。 「スキャンダル計画」 一人の女の自殺と遺書を巡り市政選挙の候補者たちの思惑が交錯する。純愛の 決算は、誰を破滅させたのか? |
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174. 2005年03月22日 07時04分13秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月26日「プロムナード・タイム」樹下太郎(東方社) 図書館で借りた本。33編収録。 一部の古本者の間で評判のショートショート集なので、期待してとりかかった のですが、切れ味甚だ悪し。この中の最上作でも星新一の標準作に及びません。 推理コントの下らなさも手の施しようがございません。これは「幻の作品集」 にしておくのが武士の情というものでありましょう。 |
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173. 2005年03月22日 07時03分33秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月24・25日「顎十郎捕物帳 上・下」久生十蘭(六興出版) というわけで、「こんなものも読んでいなかったんです」読書の決定版。 都筑道夫の贋作があまりにも面白かったので、ここは聖典がどの程度に面白いのか、 果して、都筑道夫は出藍の誉れなのかを確認したくなって手にとってみました。 一読驚嘆。これは、とんでもなく面白い物語を積読にしてあったものです。 キャラの立たせっぷりは言うに及ばず、流麗にして洒脱な文体と野卑をやらせても ピンと香り立つ文格、薀蓄に満ちていながら厭味のない語り口、そしてなんと いっても魅惑的に過ぎる謎と鮮やかな解きっぷり。ある時は不可能犯罪に挑み、 狐狸を唸らせ、白刃を踊らせる。 ただ、ページ数が限られたいたのか、徳川鉄仮面伝説を描いた、顎十郎登場編の 「捨公方」なんぞは、どうみても大伝奇の序章だし、その他にも思いのほか、 結末があっさりついてしまうものが目立ちました。物語の綾を解けば、後の 始末は捕方の仕事っていうことなんでしょうかねえ。 どの作品も印象深いですが、なかでも伏鐘の重三郎との知恵比べとなる 江戸メリーセレスト号「遠島船」、なんと鯨を丸ごと一匹江戸の街中から消して しまう「両国の大鯨」が白眉。「氷献上」のような浪花節も捨て難いですし、 藤波対顎十郎の推理合戦を描いた「ねずみ」「三人目」「丹頂の鶴」あたりも いい感じです。特に<捕物吟味御前試合>となる「丹頂の鶴」はシリーズ屈指の 意情知のバランスのとれた好編でありました。「鎌いたち」や「蕃拉布」の 不可能趣味もなかなかのものですし、「日高川」はドイルの換骨奪胎と思わせて おいて、その上をいくトリックに唸りました。いやはや、これは都筑道夫が心酔 してしまうのもむべなるかなであります。 山海の珍味や供応が嬉しい「菊香水」を最後に、顎十郎が駕籠かきに身をやつして しまってからは、いささかパワー不足となりますが、少なくとも24編中の3分の2は 日本捕物帖史に輝く名エピソード揃いでありましょう。 個人的オールタイムベストに入れるべき短篇集であると感じました。いや、脱帽。 |
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172. 2005年03月22日 07時01分30秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月23日「新・顎十郎捕物帳」都筑道夫(講談社ノベルズ) こんなものも読んでいませんでした。 巨匠・都筑道夫が文体の師と仰ぐ久生十蘭の名捕物帖を写したパスティーシュ集。 我々から見れば都筑道夫が小説仙人なのですが、上には上があるという事ですね。 一読驚嘆。ああ、これは我々が求めてやまない(そして叶う事のない)「なめくじ 長屋」の新作への渇望を癒す快作でありました。こんな事ならもっと早く読んで おけばよかった。 宮地芝居での人物消失と楽屋落ちの綾を解く「児雷也昇天」 浅草界隈を一夜にして消し去る大からくりを暴く「浅草寺消失」 これには、聖典で「怪人二十面相」役を務める<伏鐘の重三郎>が颯爽登場。 顎十郎との智謀勝負に挑みます。 英国領事館での不可能な盗難事件を解き、幕府の面目を保つ「えげれす伊呂波」 ラストで、余りにも有名な人物の名が出てきて巨匠の稚気に唸ります。 見世物の生人形が本物の死体に掏り替り、顎十郎の手下であるひょろ松が 下手人として挙げられる。好敵手・藤波友衛との捕物合戦を描く「からくり土左衛門」 魑魅魍魎の仕掛けた判じ物を鮮やかに解き明かしお家騒動に蹴りをつける「きつね姫」 直参旗本の横暴に挑むうちに不可能殺人に巻き込まれる「幽霊旗本」 かどわかされた藤波と顎十郎が仮面の男女に名家の失せ物の行方捜しを迫られる「闇かぐら」 まあ、どれもこれも、見事なまでの不可能趣味と人情味に溢れた捕物帖で、 顎十郎ファミリーとでも呼ぶべき、筆頭与力・森川庄兵衛、その娘の花世、 岡引・ひょろりの松五郎、好敵手の藤波友衛などなど、実にキャラも立ってます。 そして、江戸情緒を伝える豊富な語彙に洒脱な語り口。参った、参りました。 これは聖典を是非読んで比べてみませんと。 と、実は「顎十郎捕物帳」も読んでなかったわけですね。この男は。 |
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171. 2005年03月22日 07時00分58秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月22日「夢の破片」モーラ・ジョス(ポケミス) シルバー・ダガー受賞作。まるでヴァインのような、という評ですが、なるほど 言い得て妙でありましょう。「架空家族」ものは、日本でよく見かける設定ですが 海外ものでは始めてお目にかかりました。 長期に屋敷を空ける金持ちのために、住み込みで留守宅を守るサービスがある というのが、まずもって英国風。主人公は、そのサービス会社から解雇を予告 されたオールド・ミス。これまでの矜持を喪った彼女は、与かった屋敷を我が物 顔に使い始め、遂には溢れる妄想を押さえ切れず、新聞に存在しない「息子」を 探す広告を載せる。その広告にダメモトで応じてきた、施設上がりの小心な詐欺師。 更に彼のもとに転がり込んだ臨月のフーテン娘が、架空の家族に命を吹き込む。 果たせなかった夢を求めて破滅への道を歩む「家族」。裁きの夜は、もう間近だ。 キャラクターの造型が鮮烈で、端役に至るまで脳裏に映像が浮かんできます。 3時間もののテレフューチャー向きの地味なサスペンスです。 最初から破滅が予定されている話なので、どこまでキャラクター達に感情移入 できるかが評価の分かれ目ですが、この主人公の不安定な自己欺瞞に入れ込むと 幕切れでオロオロする事になるでしょう。読み応えあり。ねっとりとした サスペンスがお好きな方は是非。 |
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170. 2005年03月22日 07時00分21秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月21日「妖術師」高木彬光(角川文庫) 作者のノンシリーズの短篇を集めた拾遺集。様々な名探偵を輩出してきた作者 にもたまには名探偵抜きで書いてみたい作品もあるようです。推理コントから 夫と妻に捧げる犯罪、「赤毛連盟」もどき、侵略SF、終末SF、マッド サイエンティストもの、幻想奇譚と、ブラインドテストされると作者の名前を 当てにくい作品が11編並びます。 彬光らしさを感じさせるのは「脱獄死刑囚」と表題作「妖術師」ぐらいのものでしょうか。 乱歩、正史の非名探偵ものにはそれぞれに貫禄があって、下手をすると名探偵 が登場する短篇よりも世評が高いものがあったりしますが、高木彬光にはその 定理はあてはまらないような印象を受けました。 |
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169. 2005年03月22日 06時59分30秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月20日「消えた山高帽子」翔田寛(東京創元社) 歴史推理の新星による横浜「ホームズ」ストーリー。実在した英国人新聞記者 ワーグマンをホームズ役に、実材したのだかどうだか判らない医師ウィリアムズを ワトソン役に据えた軽快な連作。 闇を舞う逆さ首、人を襲う幽霊といった怪異の謎を「最後の敵討ち」に絡めて 鮮やかに解き明かす登場編「坂の上のゴースト」 現代版シャイロックと異名をとる強欲で吝嗇な英国人投資家が白装束で切腹して果てる。 虐待と馳走に惑う虐げられた人々の錯綜が謎を呼ぶ「ジェントルマン・ハラキリ事件」 歌舞伎役者が招かれた園遊会で山高帽子が消えてしまう。事件に潜む若き恋人 たちの悲劇とは?仮名手本ロミオとジュリエットに千両役者が見栄を切る表題作「消えた山高帽子」 洋娼を母に持った幸薄い姉弟。過去の迷宮入りが殺人を切っ掛けに正気を失った姉。 だが、尚もその命が狙われる。ダイイングメッセージと日本人心の傷に挑む「神無月の ララバイ」 聖誕生教会で起きた血の惨劇。喪われた聖画が暴く秘密の正体とは?かしこくも 鮮やかな逆転の構図「ウエンズデーの悪魔」 いずれも当時の日本の風俗を巧く織り込んだサプライズの光る佳作揃い。 中でも「ウエンズデーの悪魔」の視覚に訴えた衝撃のエンディングには拍手喝采 であります。「和物はちょっと」という舶来かぶれのミステリファンも、この 作品だけは読んでおいて損はありません。 |
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168. 2005年03月22日 06時58分30秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月19日「探偵学入門」マイケル・Z・リューイン(ポケミス) 多彩なキャラクターを使い分け、職人芸の赴くままに書いたオムニバス短篇集。 処女作をみても、近作の探偵家族をみても、随分と知的ユーモアセンスの 人なのだ、という事が再認識できます(もっとも「殺し屋」の分野はローレンス・ ブロックの敵になりえていないように感じました) が、なんといっても白眉はダン・クエール副大統領を主人公にした2編の爆笑 ミステリでしょう。ここまで実在の政治家をネタにして、笑わせる事ができるのは いしいひさいちかアート・バックウォルドぐらいかと思っていたのですが、認識を改めました。 もし、リューインが副大統領ダニー・シリーズ2作のみの人でも、ミステリの 歴史に名を残したのではないでしょうか。リチャード・マシスンの名探偵群像 とは趣を異にする「迷探偵群像」が編まれるとすれば、絶対に外す事のできない 作品です。この2作のためだけにこの作品集を買う値打ちがあると断言してしまいます。 |
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167. 2005年03月22日 06時57分59秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
とりあえず、2月分の読書感想だけあげておきます。 2月18日「蹲る骨」イアン・ランキン(ポケミス) 新たに開設されるスコットランド議会の議場となるべき旧跡の建築現場から、 白骨死体が発見される。果して20年の昔に何があったのか?見学の最中、 死体発見に遭遇したリーバスは、しかし、過去の殺人にかかずらわっている 暇はなかった。名家の一員で政治家の兄を持ち、議会入りを狙う候補者が 殺害されてしまったのだ。一方シボーン刑事は、同僚刑事のストーキングに 悩まされながら、ある浮浪者の死の謎を追っていた。多額の預金を残しながら ホームレスに甘んじていた男を自殺に追込んだ切っ掛けを求め、男の過去を 追うシボーン。やがて、三つの死がひとつの陰謀に交錯する時、リーバス警部を かつてない危機が襲う。死の影の向うに真相は見えるのか? ポケミス1700番記念出版に相応しい大作で、リーバスの危機一髪ぶりも これまで翻訳された中では最大級でありましょう。過去の殺人と現在の事件を 絡ませる技は、イギリスミステリ作家の伝統芸かもしれません。政治と経済と 現代風俗を題材にしながら、探偵小説読みの心を満足させる作品にしたてあげて しまうというのは、日本のミステリ界の現状に照らすと「奇跡」としかいいよう がございません。新宿鮫と沢崎に頑張ってもらうしかないのでしょうか?ううむ。 |
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166. 2005年03月22日 06時41分26秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
庵主です。 また間をあけてしまいました。 書込みいただいた皆様、 放置プレイで申し訳ございません。 森下さま >感想文を書く気力もあるとは。おまけにビデオも観てるし。 ビデオはうちのかみさんと同じ趣味のものしか消化できません。 ただ積録ばかりが溢れかえっております >とても太刀打ちできません。 何をおっしゃいますやら >ところで、都筑道夫のクォート・ギャロンものは『酔いどれ探偵』 >の題名で新潮文庫に入っていたのでは? あああ、これは知りませんでしたあっ! というかてっきり西園寺剛やらハングオーバー東京あたりの 異版かと思い込んでおりました。 ご指摘ありがとうございます。 >あと、マンハントに連載したときは、探偵の名前はカート・キャノン >でしたが、作者名は都筑道夫です。 そうなんですか。 さすがマンハント目録の森下様です。 こちらも御教授ありがとうございました。 >毎度の細かい話で、まったく申し訳ない。 いえいえ、神は細部に宿るのであります >わたしも、もっと本を読まなきゃ。 わたしも、わたしも。 愛猫鉄人さま >ぐあーーーーーーん。これドルですよね。ドルだと言ってくれーーーー。 えーーーん、えーーーーんだよ〜(笑) >しかし、Phoenixとかキーラーが日本に落ちてるかよ。。。。。。。。 我が眼を疑いました。 ある時にはあるものです。 あ、そうそう、書店名間違えてました「大島書店」です。はい。 >いやー、さすが元祖XXです。 「本家」の方が本がありそうですね。 >私はまだまだ修行が足りないということが良く判りました。 >精進します。 これで今年のツキは使い果たしたと思います。 たっくんさま 「喪失の儀礼」オススメありがとうございました。 「時刻表が不要なアリバイトリック」のパターンですね。 > 『高校殺人事件』 よみました。 うーん、今の高校生よりも物言いがしっかりしている、という 感じでしょうかねえ。正しい日本語を喋っているというか。 にっちさま >読むために本を買われるかたもいることを知りました 手紙を出すための切手を買うとか、 電話かけるためにテレホンカードを買うとか、 食べるためにチョコエッグ買うとか、 そりゃあ、おめえ、グリコっ頂ってえもんだぜ ってか?(爆) >キーラーはわたしも関心があるんですが神保町で落ちているなんて! >誰が捨てたんでしょう?? びっくりです。 おそらく一人の方のコレクションだとは思うのですが バラバラの趣味だなあ、という感じです。 近江舞子さま >こちらでははじめまして。(だから名前も変えてみた) 第一ヒントでどなたか判りました。(「事件記者」) >清張の「殺人行 おくのほそ道」はNHKでラジオドラマ化されたことが >あるのですが、それが面白くて原作を読んでみたら……でした。 あの原作をもとに、面白くラジオドラマを組み立てられるという NHKのシナリオライターは立派ですねえ。 >それなら乱歩のラジオドラマとか「事件記者」とか >再放送してくれないかなぁ いや、まず、昨年ニュースを割り込ませて エアチェックマニアを泣かせた 「ファントマ対ジューヴ警部」が先でしょう。 うりうり。 あらためて、みなさん、 書込みありがとうございました。 |
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165. 2005年03月11日 22時27分41秒 投稿:近江舞子 |
こちらでははじめまして。(だから名前も変えてみた) 久しぶりの大量アップ、楽しませていただいています。 清張の「殺人行 おくのほそ道」はNHKでラジオドラマ化されたことが あるのですが、それが面白くて原作を読んでみたら……でした。 NHKも80周年記念とかでいろんな資料を公開してくれているのだけど、 それなら乱歩のラジオドラマとか「事件記者」とか再放送してくれないかなぁ |
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164. 2005年03月06日 09時06分59秒 投稿:にっち |
心配していたのですが、庵主さまが復活されうれしいです。 しかし素晴らしい読書量ですねえ。読むために本を買われるかたもいることを知りました(笑)キーラーはわたしも関心があるんですが神保町で落ちているなんて! 誰が捨てたんでしょう?? びっくりです。 |
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163. 2005年03月05日 19時30分26秒 投稿:たっくん |
松本清張『喪失の儀礼』をご堪能いただけたようで、嬉しい限りです。しかし内容は忘却の彼方……。 『高校殺人事件』は確か高校生の一人称で書かれてたと思うのですけど、妙に老けてたという記憶があります(笑)。 |
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162. 2005年03月05日 18時21分37秒 投稿:愛猫鉄人 |
>拾い物の原書 >神保町の飯島書店にて。 "The Philladelphia Murder Story" Leslie Ford(C.Scribners:US1st)200 >"The Blue Parakett Murders"R.P.Koehler(Phoenix:US1st)400 >"The Deadly Dove"Rufus King(CC US1st)300 >"The Blue Door"Vincent Starrett(CC US1st Signed!)450 >"Death Knell"Baynard Kendric(Morrow)200 >"The Rosy Pastor"Nigel Fitzgerald(CC:DW)500 >"Packed for Murder"John Blackburn(Morrow:US1st:DW)450 >"A Rope for the Hanging"Nigel Moland(Cassell:UK1st:DW)500 >"The Face of the Man from Saturn"Harry Stephen Keeler(Dutton:US1st)400 >なんとヴィンセント・スターレットはサイン本でありました!! ぐあーーーーーーん。これドルですよね。ドルだと言ってくれーーーー。 しかし、Phoenixとかキーラーが日本に落ちてるかよ。。。。。。。。 復活したとたんにこれとはねぇ。参りました。 いやー、さすが元祖XXです。 私はまだまだ修行が足りないということが良く判りました。 精進します。 |
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161. 2005年03月05日 17時35分30秒 投稿:森下祐行 |
お久しぶりに復帰されたと思ったら、すごいですね。 仕事がテンパったとおっしゃいながら、本を読む暇どころか 感想文を書く気力もあるとは。おまけにビデオも観てるし。 とても太刀打ちできません。 ところで、都筑道夫のクォート・ギャロンものは『酔いどれ探偵』 の題名で新潮文庫に入っていたのでは? あと、マンハントに連載したときは、探偵の名前はカート・キャノン でしたが、作者名は都筑道夫です。 毎度の細かい話で、まったく申し訳ない。 わたしも、もっと本を読まなきゃ。 |
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160. 2005年03月05日 11時00分32秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
庵主です。 とりあえず、書き終わった感想文をアップしました。 また、わたしの目の前に15冊の読了本があります。 とほほほほ。 楠田本は、某掲示板で楠田匡介が話題になっていた時期に 読んでいたのですが、結局バスに乗り遅れてしまいました。 いまだに全貌の見えない作家です。 どなたか、短篇リストを作成される方はいっらしゃいませんか? 昨晩は積録ビデオの中から「ロード・トゥー・パーディション」を 見ました。西洋子連れ狼という触れ込み通りのプロットでしたが、 まったく「子連れ狼」の域に達していませんでした。 そもそもトム・ハンクスって、殺し屋というイメージから程遠いんですよね。 では、今日はここまで、ここを過ぎず。 |
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159. 2005年03月05日 10時52分24秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月17日「まほろ市の殺人 冬 蜃気楼に手を振る」有栖川有栖(祥伝社文庫) 初期の「マジック・ミラー」の設定を彷彿とさせるような悪夢的倒叙推理です。 短い頁数で「本格」にこだわると倒叙という形式に辿り着く。クロフツの 「殺人者はへまをする」や鮎川哲也の中期作を読むとその感を強くしますが、 この有栖川中編は頂けません。設定の下敷きになっているのは、クイーンの 某長編なのですが、それを捨て駒に使って、とんでもトリック(?)に走った 凡作です。これが、まほろ市連作のトリを務める作品というのはいかにも残念 の極み。誠実な芦辺拓あたりに前3編も貫くアクロバティックな神業をみせて 頂きたかったものです。 |
[211.14.59.96][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)] |
158. 2005年03月05日 10時51分45秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月16日「疑惑の星」楠田匡介(青樹社) 図書館で借りた楠田本の4冊目。とりあえずこれでおしまい。 「分譲地ゼロ番地」新興住宅地に念願のマイホームを建てた若い夫婦ものに、 新居の売却を破格値でもちかける年増美人。宗教に嵌まった彼女の夫が、お告げ を受け、どうしてもその土地に住みたい、というのだ。だが、その裏には恐るべき 欲望の奸計が潜んでいた。ダイヤモンドに眼が眩んだ、悪党どもの末路とは? 香山紅子もの。お手軽な通俗ものかと思いきや、中盤以降、したたかな女の 闘いに転じる破格推理。少々無理が祟ってギクシャクとした印象は免れませんが、 どうやって読者の裏をかいてやろうかという作者の稚気は買えます。 「殺人設計書」冷遇を受け、思い余った貧乏作家が、悪辣な出版社社長とその愛人 秘書、そして冷酷な編集長に復讐を仕掛ける。だが、その計画書がとある人物に 漏れた事から悲劇の幕は上がる。剽窃された殺人計画を巡り、滅びに向う北帰行の 果てに待つものとは?作者の代表作の一つ「地獄の同伴者」の改題版。作家の 食い詰めぶりが今の時代からみるとギャグの領域で、クイーンの「Yの悲劇」 のネタを割ってしまっているところもマイナス評価。ただ、操りトリックや、 足の捜査と名探偵の閃きを組み合わせた展開など見るべきところも多く、復刊 するに足る作品かと思います。香山紅子登場編。「二つの穴」の小松も登場します。 「五ツの窓」一度は勘当した娘と盲目の孫娘を奴隷のように扱った老人が アパートから忽然と消えた。有り得ざる消失トリックが殺人トリックに変じる 時、哀切な真相が虚空に踊る。「五つの窓の物語」という異題もあるそうです。 純和風のウエットなドラマガチガチの不可能トリックというコンビネーション ですが、「悲劇」と呼ぶに相応しい展開に暗澹たる思いのみが残るお話で、 知恵を絞ったであろうトリックの方がどうでもよくなってしまいました。 「雪の犯罪」これも様々なアンソロジーに採られている名作中の名作。 トリックも余りにも有名な「アレ」ですが、ビブリオマニアな被害者像にも そそられるものがあります。実に愛すべき作品でありましょう。 |
[211.14.59.96][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)] |
157. 2005年03月05日 10時50分56秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月15日「逃亡者」楠田匡介(青樹社) 図書館から借りた楠田本の三冊目。 「逃亡者」作者の代表作の一つ「追いつめる」の改題版。香山紅子登場編。 裏商売に精を出すホテル経営者の懐に飛び込んできた一人の男。その逃避行は 札束と死に彩られていた。そして、ある朝、男は完全密室の中から「自然死」状態 で発見される。鉄壁のトリックに挑む、田名網警部と香山紅子。悪党ばかりの ピカレスクと不可能犯罪を絡めた快作。カットバックして綴られる拐帯犯の 殺人逃避行がなかなか読ませます。更に、正々堂々たる密室殺人。時代の要請に 応えた作品として、長く読み継がれるべき作品でありましょう。 「二つの穴」香山紅子登場編。語り手は、鮎川法律事務所に拾われた工兵上がりの 食いつめ帰還兵・小松。選挙の落選者に繰上げ当選を持ち掛ける女探偵事務所長代理の 狙いとは?一人の当選議員を葬り去るために、探偵達は闇の仕掛に入る。殺された 犬が騙る陰謀の顛末とは?サスペンスフルな幕開け、ピカレスクな展開、そして 意外なまでに本格推理なドンデン返し。ああ、びっくりした。短い割りには ハイカロリーな一編です。埋れた傑作と呼んでよろしいかと。 「ボリショイの熊」ボリショイ・サーカスの熊に話し掛けられた男の過去、 そして「動物」たちの真の企みとは?落語「動物園」を思わせるユーモラス な犯罪幻想譚。トリック・メーカーの意外な一面を窺い知ることのできる異色 短篇でした。 |
[211.14.59.96][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)] |
156. 2005年03月05日 10時49分27秒
投稿:庵本譚 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079] |
2月14日「犯罪への招待」(青樹社) 図書館で借りた楠田本の2冊目。こちらは「当たり」でした。 東都タイムス記者・乾信一が登場する作品を集めた中短篇集。新婚旅行先で 新妻の祐子が事件に巻き込まれる中編「替えられた顔」は「逃亡者」(=「追いつめる」) と同名の拐帯犯が登場するのですが、どちらが先なのかは勉強不足で判りません。 中編「殺人設計図」には「替えられた顔」のエピソードが紹介されていますので、 この2編の順序は見当がつきますが、その他の3編では、乾記者に妻の影が 見えません。むらむらとビブリオマニアの血が疼こうというものです。 「殺人設計図」ミステリ映画に刺激を受けたアプレな若者たちが企む机上の殺人。 仲間の一人の叔父を密室で殺害するトリック、実行犯、アリバイ、事前準備の すべてが整った時、計画は何者かに乗っ取られた。開く筈の鎧戸は開かず、 用意した筈のアリバイは消され、そして老人は完全密室の中で撲殺された。 乾記者は、殺人設計図の存在を知らされるが、その時既に、第二の殺人が起きて いた。動かせぬ証拠が示した犯人とは?そして、その裏に隠された秘め事と奸計 の正体は?錯綜するプロット、テンポのよい語り口、平凡なトリックながら 読者の意表をついた真犯人、と三拍子揃った快作です。探偵役の記者が、大詰め を前に田舎に調査に行くあたりなんざあ、金田一耕助はだし。オススメの一編 であります。 「替えられた顔」乾記者は新妻の祐子と遅めの新婚旅行に出かける。その温泉宿で 祐子は、乾と後ろ姿が似た男を夫と勘違いしてしまう。それが、骨と死体に囲まれた 恐ろしい顛末を招くとは露知らず。仕組まれた親交、忍び寄る追手、隠された 殺意。新妻は消え、見知らぬ女の死体が褥で待つ。走れ、事件記者!新婚サスペンス に流れるかと思いきや、意外に凝ったプロットの作品でした。ただ、表向きは 新婚サスペンスなんですよねえ、これが。 「アリバイを探せ」代議士たちが密会に使う料亭からさ迷い出た一人の美女。 だが、表に出た頃には既に事切れていた。見えない人の鉄壁のアリバイに挑む 乾記者。作者のやりたい事は判りますが、これでは乾記者はただの見込みだけ で突っ走る暴力記者です。 「吊るされた美女」才媛を絵に描いたような政界の女傑。だが、嵐の夜が明ける頃、 尖塔に吊るされた姿からは、溌剌たる生気も凛冽たる才気も奪われていた。 記者と政治家の推理と告発合戦の末に現われた驚天動地のドンデン返しとは? 世が世なら年間バカミス大賞に選ばれたかもしれないお話です。推理合戦の 出来がよいだけに、このオチには呆れました。うーん。 「殺された男」衆人環視、プロ野球の試合中に刺殺された塁審。そして容疑は 走者に向けられる。怨恨の連鎖が招いた不可能犯罪に挑む乾記者。謎は魅惑的 ですが、幾らなんでも無理目のトリックです。今の球場では更に不可能性が増す ことでありましょう。 |
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