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379. 2007年09月11日 04時41分08秒 投稿:かい賊 |
こんばんわ、お久しぶりです、089かい賊です。 モタモタしているのにも飽きたので復帰しました。 >キサラギ 何度か広告で見かけて気になっていたのですが、いつのまにかフェイドアウェイ。 砂時計さんのコメントを見て俄然観る気がムラムラと。次の休みにまだ上がっていれば行って来ます。 観てきたら感想、報告しますね。掛け声のみで終わらぬよう祈っててくらさい。 >ルピナス探偵団の当惑 続編に期待します、というか惜しいんです。ミステリとして“わかりやすさ”が優先されているんです。 でも、元が講談社X文庫ティーンズハートだから無理もなしなんですけど。というかこのレーベルで、 このクウォリティ(どう?→近々089で書くかも)であることを称えるべきですね。 “続編に期待”はアイロニーではないです。 そおす http://www.tsuhara.net/top.html の「万物流転」のコメントっす。 公式サイト http://www.tsuhara.net/index.html しかしこの人の仕事、キモチワルすぎ〜♪ ハマりそうです。 ではまた、近々〜♪ |
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376. 2007年08月19日 09時16分54秒 投稿:Gershwin Melody |
「あたしだって生きてるんだお」 こんばんわ、違いの分かる男GMです。 お元気ですか幸せですか。 |
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375. 2007年08月01日 20時44分30秒 投稿:砂時計 |
「喪服を着れば盛り上がれるんです!」 こんばんは、砂時計です。 『名探偵コナン』単行本の「青山剛昌の名探偵図鑑」チェック。57巻はジョゼフ・フレンチ、58巻は高樹良文でした。 四ヶ月も沈没しまいましたが、とあるミステリ映画(という枠にはくくりきれませんが、ミステリファンとしてはやはりそう呼びたい)を観たことによる昂揚感で浮上して参りました。 その映画は『キサラギ』。 密室劇にして推理劇という自分の好きなタイプの作品であることに加え、原作・脚本がドラマ『相棒』で「監禁」「ついてない女」「バベルの塔」といった快作を送り出してきた古沢良太氏、そしてとにかく評判が良い、ということで期待していたんですが、それを裏切らない面白さと満足感。 コメディとして、ミステリとして、人間賛歌として、何から何まで自分の好みにハマってくる作品で、大いに笑い、膝を打ち、そして泣きました。 何を書いてもネタバレになってしまうので内容、展開には触れませんが、『十二人の怒れる男』『探偵<スルース>』『12人の優しい日本人』といった映画が好きな人なら楽しめると思います。 特筆すべきは笑いと謎解きの融合。いわゆる「ユーモア本格」としてここまで密度の高い作品も珍しいと思います(ジョイス・ポーターを連想)。 推理部分は先が読める部分も多く、笠井潔風にいえば「難易度の低い本格」ということになるでしょうが、それは作品の弱点でも欠点でもなく、作者の技術が低いわけでもありません。 謎と伏線と意外性(そして笑い)をどう配置して、観客にどんな感興を起こさせるか、心憎いほどに考え抜かれた結果として、それがあるのです。 また、細かい部分ですが、ミステリにおける「推理」というものについての批評性を含んだセリフもあり、ミステリファンとして「おっ」と思わされました(アントニイ・バークリーを連想)。ただ、おそらくはそれと同じ効果を狙ったと思われる一場面については、個人的には「蛇足」の感を覚えました。そんなことは承知の上で余韻を楽しみたかった。もっとも、この部分を良いと評する人も多いようですし、あくまで自分の好みの問題。映画『嫌われ松子の一生』のエンドロールと同じで、多少醒める部分があったとしても、満足感に水を差すようなものではありません。 出演者(小栗旬、ユースケ・サンタマリア、小出恵介、塚地武雅、香川照之)も全員役に嵌っていて、ハジケまくってます。愛すべき五人。 映画が思っていた以上に良かったので、角川文庫から出ていたノベライズ本を書店で探し、購入(オビ付きのものが残っていて良かった)。さっそく読みました(実はこれが半分と一ヶ月が過ぎた2007年で初めて読んだ小説だったり……)。 小説版は登場人物の一人による一人称で、展開やセリフはほぼ映画そのままですが、心理描写が加わったことによって違った印象を受ける部分もあります。映画では「カンのいい人なら気づく」程度の伏線になっているところが心理描写によって謎として強調されている箇所が多々あって、そこらへんはミステリとしては邪魔かな。 小説版の結末は独自のもので、映画とは違う後味を残します。個人的には映画のほうがずっと好きだなあ。 ■7月の購入本 ●『Fake』 五十嵐貴久 (幻冬舎文庫) ●『キサラギ』 原作・脚本:古沢良太/ノベライズ:相田冬二 (角川文庫) ●『不確定世界の探偵物語』 鏡明 (創元SF文庫) ・創元推理文庫 ●『中村雅楽探偵全集3 目黒の狂女』 戸板康二 ●『夢の終わりとそのつづき』 樋口有介 ●『ルピナス探偵団の当惑』 津原泰水 ●『天啓の宴』 笠井潔――双葉文庫版積読中。 ●『天使の歌声』 北川歩実 ●『大鴉の啼く冬』 アン・クリーヴス ・新潮文庫 ●『黒祠の島』 小野不由美――親本&祥伝社文庫版積読中。 ●『リオ―警視庁強行犯係・樋口顕―』 今野敏 ●『真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-A―』 本多孝好 ●『真夜中の五分前―five minutes to tomorrow side-B―』 本多孝好 ・光文社文庫 ●『新訳シャーロック・ホームズ全集 バスカヴィル家の犬』 アーサー・コナン・ドイル ●『船上にて』 若竹七海 ●『禍家』 三津田信三 ●『虚名の鎖』 水上勉 ・講談社文庫 ●『消える総生島 名探偵夢水清志郎事件ノート』 はやみねかおる ●『雷鳴のヴァンパイヤー 九鬼鴻三郎の冒険3』 笠井潔 ●『乱歩賞作家 青の謎』 阿部陽一 藤原伊織 渡辺容子 池井戸潤 不知火京介 ●『シャーロック・ホームズと賢者の石』 五十嵐貴久 (カッパ・ノベルス) ●『四神金赤館銀青館不可能殺人』 倉阪鬼一郎 (講談社ノベルス) ●『ミステリ・リーグ傑作選 下』 エラリー・クイーン/飯城勇三 編 (論創海外ミステリ) ●『虚空から現れた死』 クレイトン・ロースン (原書房ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ) ●『横溝正史自選集 2 獄門島』 横溝正史 (出版芸術社) ●『横溝正史自選集 7 仮面舞踏会』 横溝正史 (出版芸術社) ●『首無の如き祟るもの』 三津田信三 (原書房ミステリー・リーグ) ●『六月の桜 伊集院大介のレクイエム』 栗本薫 (講談社) ●『赤石沢教室の実験』 田代裕彦 (富士見書房) ●『密室キングダム』 柄刀一 (光文社) ●『パズルゲーム☆はいすくーる』[16] 野間美由紀 (白泉社文庫) ・講談社コミックス ●『Q.E.D.―証明終了―』[27] 加藤元浩 ●『さよなら絶望先生』[第九集] 久米田康治 ●『激突!大槻ケンヂ対美女軍団』 大槻ケンヂ (洋泉社) ●『中井英夫―虚実の間に生きた作家』 (河出書房新社) ●『キサラギ オフィシャル・ムック』 (ランダムハウス講談社) ●『活字倶楽部』夏号――巻頭大特集・桜庭一樹。 ●『ミステリマガジン』8月号 ●『ミステリマガジン』9月号 ●『小説推理』8月号 ●『小説推理』9月号 ●『ダ・ヴィンチ』8月号 ●『IN★POCKET』7月号 ●『本の雑誌』8月号 ●『本の窓』8月号 |
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374. 2007年04月09日 02時16分59秒 投稿:砂時計 |
「俺、参上!」 こんばんは、砂時計です。 SAMANAさま いらっしゃいませ。 レスが遅くなってしまって大変申し訳ありません。 元のペースに戻したいとか言っておいて、舌の根の乾かぬうちに……いかんなあ。 あれも書こう、これも書こうと思って書き出せないことが多いので、ちょっとずつ出しにしていこうかと思います。 >>名探偵コナン >作者の青山剛昌さんとオフ会でミステリ話ができたらすごく楽しい時間が まで読んで、「過ごせました」と続くのかと思い、「ええー、そんなことがあったのか」とビックリしました(笑)。 青山さんって、割と最近までいわゆる「新本格」は読んでなかったフシがありますね。 浅見光彦シリーズが好きらしいので、コミカライズというのはどうだろう、と妄想したことがありました。 黒猫荘に住んでくれたら、菓子折りを持って挨拶に伺いたい感じですね(笑)。 >映画の『青春デンデケデケデケ』 大林作品では『さびしんぼう』『ふたり』なんかが好みだった記憶があります。 ミステリではテレビでやった『三毛猫ホームズの推理』が印象的ですが、あれは晴美のキャラの解釈がなあ……たしかに一作目ではある事情を抱えていたけど、性格自体は暗いわけじゃなかったぞ。 ……と、話が逸れました。 そっちも良さそうですが、やっぱりミステリ好きとしては『ミミズクとオリーブ』から入りたい気がいたします。まずは積読の山の発掘から(爆)……。 キャパシティの貧弱さでは負けません(泣笑)。 ご存じのようにあちらのほうではしょーもないことばっかり書いてるわけですが、そうするとこっちに書く気があっても気持ちがうまく文章に乗らないというか何と言うか(まあ、元々「文章」なんて呼べるレベルのものではないんですが)。 もちっとうまくスイッチを切り替えられるようになりたいものです。 SAMANAさんの、作品のポイントを押さえて且つ「愛」を感じさせる「お勧め」の文章、見習いたいと思ってますよ。 書きこみ、どうもありがとうございました。 二週間も経ってからのレスになってしまいましたが、これに懲りずに是非またいらっしゃってくださることを待ち望んでおります。 |
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373. 2007年03月25日 09時21分25秒
投稿:SAMANA [http://www.asahi-net.or.jp/~yu4m-nkns/index] |
外出の時間が近づいてきて少々焦り気味の16号室SAMANAです〜(汗)。 >名探偵コナン 作者の青山剛昌さんとオフ会でミステリ話ができたらすごく楽しい時間が 過ごせそうだと、無茶苦茶な思いつきが浮かんでしまいました(爆)。 いつかMYSCONのゲスト、というか参加者になってくれたら…。でも私の MYSCON参加がそもそも難しいもんなぁ(泣)。 いっそこの黒猫荘に住んでくれたら…と妄想がどんどん走り出してしまい ます(苦笑)。 >芦原作品 いっそ映画の『青春デンデケデケデケ』を見てみるとかいかがでしょう? いや、私は未見ですが大林宣彦監督作品なので面白い映画になってるんじ ゃないかと思いこんでます(苦笑)。 文章を書くキャパシティについては私なんかもっと貧弱。努力することなく もっと文章力があがらないかしら←我ながら呆れるワガママぶり(爆)。 そいでは!! |
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372. 2007年03月25日 00時56分42秒 投稿:砂時計 |
「脳トレだってゲーム脳ですよ!」 こんばんは、砂時計です。 ああ、二ヶ月間も沈没してしまいました……。購入本などは整理しないと書けないや。 『名探偵コナン』単行本の「青山剛昌の名探偵図鑑」チェック。56巻は(人形)佐七でした。 『名探偵コナン』といえば、廉価版のコンビニ本の最新刊に杉江松恋氏のインタビューがありましたね、写真入りで。 SAMANAさま いらっしゃいませ。 ようこそお出でくださいました。久しぶりのお客様で嬉しい限りです。 迷惑なんてとんでもない。大歓迎ですよ。 芦原すなお作品、実は一作も読んだことがなく、創元推理文庫から出たものは多分全部持ってると思うんですが例によって積読状態です。 『ミミズクとオリーブ』、読みたくなりました。けど、いつになるかなあ。なんか最近はテレビ番組の編集・DVD化とネット巡回に時間が取られて全然本が読めていないのが哀しいです。 自分の場合は「積読減少」という発想自体がなかったり(汗)。 「焼け石に水」というべきか「毒を食らわば皿まで」というべきか(ちょっと違う?)。 書きこみ、どうもありがとうございました。 おかげで何とか浮上できました(笑)。どうも文章を書くキャパシティが貧弱みたいで、他で日記なんかを書くようになってから、なかなかこっちに書きこめなくなってたんですが、これを機に元のペースに戻していけたらいいな。 |
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371. 2007年03月24日 20時35分24秒
投稿:SAMANA [http://www.asahi-net.or.jp/~yu4m-nkns/index] |
長〜い引きこもり状態でしたが、他のお部屋に遊びにうかがう元気が ちょっと出てきたので、迷惑承知でやってまいりました16号室SAMANA です〜(汗)。 >『わが身世にふる、じじわかし』 芦原すなお (創元推理文庫) 芦原作品は、エレキギターに憧れて(?)ロックバンドを組んだ地 方の少年たちによる悪戦苦闘青春ストーリーという内容に惹かれて、 出世作の『青春デンデケデケデケ』を読んだのが最初でした。内容 に満足して楽しんだくせに、その後に続く作品を手にすることはな くそれっきりになっておりました。 その後、東京創元社から本がだされ、ミステリ作家として活躍され るようになるとは思っても見ませんでした(汗)。 『ミミズクとオリーブ』を読んで、「ぼく」から発せられるユーモ ア感は『青春〜』から変わらず続いてるように見えて、なんかほの ぼのしていいよなぁと思ったことを覚えてます。 実のところ、『わが身〜』は積読減少中のため「いつか買うぞリス ト」本にしています。ちょっと哀しいなぁ ←なら買えよ(爆)。 そいでは!! |
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370. 2007年01月25日 10時05分12秒 投稿:砂時計 |
「今救えるのは、宇宙で私だけ。」 こんにちは、砂時計です。 前回の書きこみの訂正。「奇岩城〜ルパンが愛した女〜」の最後の「〜」が抜けていました<細かい奴。あと、「こんにちは」じゃなく「こんばんは」でしたね<細か(略)。 「火曜サスペンス劇場」がその歴史に終止符を打ち、その後「ドラマコンプレックス」「火曜ドラマゴールド」と名前を変えてきた日本テレビ火曜九時の二時間ドラマ枠ですが、三月で終了することが決定。 四月からは、九時台はバラエティー、十時台は連続ドラマの枠になるようですが、その連ドラ第一弾として黒田硫黄『セクシーボイスアンドロボ』がドラマ化されることに。おおっ。 どうもロボを主役にする気配だし、イケメンで細身のロボ、依頼をするのが「謎の婦人」、と、漫画とはかなり異なる設定のドラマになりそうですが、原作のエッセンスや魅力を生かしたものにしてくれればそれでも良し。 ポイントはニコを誰が演じるかということと、スタッフだなあ。脚本を手がけるのが『すいか』や『野ブタ。をプロデュース』の木皿泉氏だという未確認情報もありますが。 料理次第では二十一世紀版の『探偵物語』になり得る素材だけに、できるだけいい形で映像化して欲しいものです。 ついでに、これをきっかけに連載再開、ということになってくれたらいいなあ。 ■1/23の購入本 ●『わが身世にふる、じじわかし』 芦原すなお (創元推理文庫) |
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369. 2007年01月21日 23時05分25秒 投稿:砂時計 |
「レイモンド!」 こんにちは、砂時計です。 毎年上演されるフジテレビアナウンサーによる朗読舞台『ラヴシーン』。 昨日と今日行われた11回目はルブラン作の「奇岩城〜ルパンが愛した女」(公式サイトはこちら)。 ミステリファンで足を運んだ人はいるのかな。 演出の河毛俊作氏、最近はドラマの演出を手がけることが無くなりましたね。 『沙粧妙子 最後の事件』『ギフト』『きらきらひかる』『タブロイド』といった一連の作品は、ミステリ好きの人間としても楽しめたっけ(『ギフト』と『タブロイド』は特に大好き)。 モーリス・ルブラン『奇巌城』(あるいは『奇岩城』)は、小学四年に進級した一学期の始業式の学校帰りに買って読んだ憶えがあります。自分が読んだ四冊目の推理小説で、初めて読んだルパン物でもありました。 内容的にはとても面白かったのですが、「ホームズがそんなことするかー!!」という思いは抑えられず……もっとも、これはルブランが悪いのではなく、作中の「エルロック・ショルメス」を「シャーロック・ホームズ」にしてしまう翻訳の問題。この慣例は何とかしてほしいと今でも思っています。 五十がらみの平凡そうな男で、がっしりした体格、赤みを帯びた頬ひげ、ちょっぴりもさっとした風采……と外見からして別人なのになあ。 そんな、ホームズとは別の個性を持ったショルメスを主人公にした『エルロック・ショルメスの冒険』なんてパスティーシュを読んでみたい思いもあります。誰か書いてくれないものだろうか。 話は変わりますが、昨日、映画『時をかける少女』を観て、高畑京一郎『タイム・リープ―あしたはきのう』を無性に読み返したくなりました。自分にとっては名作の一つ。時間物SFでもあり、時間物ミステリでもあり。<ちょっと無理矢理な呼び方かな。 ■1/19・1/20の購入本 ●『最期の声』 ピーター・ラヴゼイ (ハヤカワ・ミステリ文庫) ・講談社文庫 ●『亡霊は夜歩く 名探偵夢水清志郎事件ノート』 はやみねかおる ●『血と薔薇』 ジェームズ・パターソン ●『EDGE2 三月の誘拐者』 とみなが貴和 ●『緑陰の雨 灼けた月 薬屋探偵妖綺談』 高里椎奈 ●『論理学園事件帳 本格短編ベスト・セレクション』 本格ミステリ作家クラブ・編――親本積読中。 ●『横溝正史自選集 1 本陣殺人事件/蝶々殺人事件』 横溝正史 (出版芸術社) ●『逆説探偵 13人の申し分なき重罪人』 鳥飼否宇 (双葉社) ●『赤朽葉家の伝説』 桜庭一樹 (東京創元社) ●『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』[04] 加藤元浩 (講談社コミックス) ●『IN★POCKET』1月号 ●『本の雑誌』2月号 ●『シナリオ』2月号――掲載されている映画『それでもボクはやってない』シナリオ目当てで購入。 |
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368. 2007年01月16日 11時58分34秒 投稿:砂時計 |
「ことにわたしは気分がいいのよ」 こんばんは、砂時計です。 映画『魍魎の匣』の細かいキャスティングとか、「刑事野呂盆六」の約十二年ぶりの新作のこととか、『時効警察』第二シリーズが『帰ってきた時効警察』というタイトルで四月から放映されるらしいとか、いろいろと気になる情報が舞い込んでくる日々。 そんなわけで観ました、「大女優殺人事件」。 画面や役者、タイトルバックなど、雰囲気は良かったんですが、内容はありがちな二時間サスペンス、といった感じ。 原作ベースなのは中心となる謎や動機くらいで、ストーリーの大部分はドラマオリジナル。 その原作ベースの部分ですが、事件の核となる部分の設定が(おそらくは諸事情で)若干変更されたせいで、かなり苦しいことに。 そして、状況を省いたのとアレをストレートな手がかりにしてしまったせいで、ミステリとしては凡庸なものに。 NHKで、『名探偵 赤富士鷹』のスタッフで、ミス・マープル役は(アニメで声を演じた)八千草薫さんでやってくれないかなあ、という妄想が甦ってくる……というか、「赤富士」の新作も作ってほしいんだけど…… 先日のフジテレビ『悪魔が来りて笛を吹く』にもいえることですが、作者がミスディレクション等を駆使し、考え抜いた構成の妙で意外性に結びつけているネタを、ナマのままで放り出して冴えないものにしちゃってる感があります。 そういった工夫にこそ、謎解きの快感があるのになあ。 原作となったアガサ・クリスティー『鏡は横にひび割れて』は、既読のクリスティー作品の中でも特に好きな長編。 自分にとって「犯人当て」といえばクリスティーの長編で、クイーンの国名シリーズなんかはむしろ当てずっぽうの場合が多かったりします(正しい手がかりの一つで犯人を当てたのは『フランス白粉』くらいか)。 これはゲームの種類が違うようなもので、クリスティーの長編の多くは、作者が仕掛けた「罠」を見抜くことができれば読者の勝ち、という構造になっていて、自分にとっては犯人当ての意欲をかき立てられるんですよね。 そうして犯人を当てたケースはいくつもありますが、その中でも、この『鏡は横にひび割れて』は最も印象深いものでした。 解決部分近くまで読んで全く犯人の見当がつかない時、一旦読み進めるのをやめて最初からもう一度読み返してみると真相が見えてくる、ということがクリスティーの長編にはよくあって、この作品でもそれを試みたんですが、ある部分にさしかかった時、突然、犯人も、動機も、犯行方法も、そしてキーポイントである「ヒロインが見たのは?」という謎も、全てが一気に分かったんです。そして、その先には一片の謎も残っていない。 こんな経験は後にも先にもこれだけです。他のミステリであれば、犯人や真相の多くが分かっても、探偵役の説明を待たなければならない細かい謎が残っていたりするものなのに。 ある意味ではクリスティー流フーダニットの頂点、といったら持ち上げすぎでしょうか。でも好きなんですよねー、こういうタイプのミステリって。 話は変わりますが、今月の光文社文庫の新刊、内田、有栖川、歌野、芦辺、愛川、大藪、赤江、上田、アーサー、と、ア行の作家が異常に多くないですか?(最後のはちょっと違うか) ■1/10〜1/15の購入本 ●『無法地帯』 大倉崇裕 (双葉文庫) ・光文社文庫 ●『新訳シャーロック・ホームズ全集 四つの署名』 アーサー・コナン・ドイル ●『白い兎が逃げる』 有栖川有栖――親本積読中……だったような、そうでないような。 ●『家守』 歌野晶午 ●『曇斎先生事件帳 殺しはエレキテル』 芦辺拓――親本積読中。個人的には文庫版の表紙イラストも唐沢なをき氏にしてほしかったなあ。 ●『美少女代理探偵の事件簿 ダイニング・メッセージ』 愛川晶――親本積読中。 ●『歩け、歩け』 佐野洋 ●『名作で読む推理小説史 犯人は秘かに笑う ユーモアミステリー傑作選』 ミステリー文学資料館 編 ・講談社ノベルス ●『ηなのに夢のよう』 森博嗣 ●『密室殺人ゲーム王手飛車取り』 歌野晶午 ●『天帝のはしたなき果実』 古野まほろ ●『COLUMBO!COLUMBO!』Vol.3 ●『ダ・ヴィンチ』2月号 |
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367. 2007年01月08日 23時37分28秒 投稿:砂時計 |
「おいしそうだな」 こんばんは、砂時計です。 刊行が延び延びになっていた創元推理文庫の『中村雅楽探偵全集I 團十郎切腹事件』は二月下旬か三月上旬に刊行される運びとなったようで、嬉しい限り。 明日夜の日本テレビ『火曜ドラマゴールド』枠で放映される、アガサ・クリスティー『鏡は横にひび割れて』が原作の「大女優殺人事件」。 岸惠子主演のミス・マープル物(役名は馬淵淳子)第二弾で、『パディントン発4時50分』が原作の前作「嘘をつく死体」は原作未読のため録画してディスクに焼いたまま未視聴なんですが、こちらは既読のクリスティー作品の中でも特に好きな長編の一つなので、リアルタイムで観ようと思ってます。 しかし、「大女優殺人事件」というタイトルはどんなもんでしょう。映画『クリスタル殺人事件』といい、邦題に恵まれない作品だなあ。 上記の「嘘をつく死体」は昨年4月の放映でしたが、1月から2月にかけては、既発売分には無かった日本語吹替とカットされていたシーンを追加したジョーン・ヒクソン主演のドラマ版ミス・マープル[完全版]DVD(BOX2セット、単品もあり)が発売。 更に4月にマーガレット・ラザフォード主演のミス・マープル映画のDVD(4作収録のBOX、単品もあり)がリリース。 12月にはNHK BS2でジェラルディン・マクイーワン主演の新しいミス・マープルのドラマが日本初放映。 原作ファンからの評価も高いドラマ版シリーズ、最初の(そして異色の)映像化となった映画版シリーズ、日本を舞台とした翻案ドラマ、独自のアレンジを見せているドラマ版新シリーズが並んで、昨年の日本は「2006年マープル祭り」といった感じでした。 ジェラルディン・マクイーワンの吹替は岸田今日子さんで、音声を切り替えて聞いてみたらマクイーワンの声と喋り方がかなり岸田さんに近くて、(従来のマープル像とは違う気がするけど)この女優の吹替としてはピッタリの人選だと思ってたんですよね。 岸田さんの声の存在感はやはり魅力が大きくて、日本語版を楽しむ上で重要な要素になっていただろうと思います。もちろんこの仕事に限ったことではありませんが、岸田さんが亡くなったのは本当に残念です。 |
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366. 2007年01月07日 21時20分17秒 投稿:砂時計 |
「ええ、よしましょう。金田一先生、有難うございました」 こんばんは、砂時計です。 前の書きこみに購入本として挙げたローレンス・ブロック『処刑宣告』は出た時に既に買っていたことが判明……。こりゃ『死者の長い列』もどっかにありそうだな……。 一昨日の夜はフジテレビ系列で放映された佐藤嗣麻子脚本・星護演出・稲垣吾郎主演の金田一耕助シリーズ第四弾『悪魔が来りて笛を吹く』を視聴。 このシリーズ、ミステリとしての原作を尊重する姿勢が好きで、過去の映像化作品では切り捨てられがちだった細かい部分を掬い上げて映像にするあたりに好感を持っていたので、かなり期待していたんですが、その意味では期待外れでした。うーん……。 あの長編を正味二時間の本編にまとめるのが難作業なのは解るのですが、原作にある密室殺人、伏線や手がかりやミスディレクションの数々、随所に仕掛けられた展開の意外性、など、ここは押さえておいて欲しいというところが大幅にカットされ、そうでないところが引き伸ばされている感じで……。整合性に欠けるオリジナル展開もいくつか目について、その点も気になりました。 キャスティグは良かったのですが、ヒロイン以外の事件関係者は終盤に至るまで登場人物表に毛の生えたような描写しかされず、それで「この人が犯人でした」と説明されてもなあ……という思いも。 映像美やセット・小道具などのビジュアル面はいい感じだったし、重点的に描かれた犯人の動機部分のドラマ性なども良かったんですが、やっぱりミステリ好きの立場としては不満が残ります。 まあ、今回は自分にとっては残念な出来でしたが、次回作に期待。 ところで、ある人物の名前が原作通りに出てきた時は「おおっ」と声を挙げてしまいました。これはひょっとしたら……。 で、話は明後日の方向に行っちゃいますが、このシリーズの音楽を手がけているのは↑でプッシュしている『ミニモニ。でブレーメンの音楽隊』と同じ佐橋俊彦氏。 佐橋氏の作曲による劇中曲「悪魔が来りて笛を吹く」を聴いて、同じく劇中で謎の人物が演奏する曲ということで『ブレーメン』の劇中曲「おばけのハーモニカ曲」を思い出した人間は、自分以外にどれだけいるのかな。 ■1/6の購入本 ・徳間文庫 ●『凶水系』 森村誠一 ●『MONEY』 清水義範 ●『クライム・マシン』 ジャック・リッチー (晶文社ミステリ) |
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365. 2007年01月05日 12時06分55秒 投稿:砂時計 |
「有栖川有栖は きっとこんな素敵な少女ですよ!」 あけおめ・ことよろです、砂時計です。 二ヶ月半以上も沈没してしまいましたが、どうにか浮上……。 以前の書きこみに関するその後。 ドラマ『セーラー服と機関銃』は、こちらでは三週間遅れで放映されていました。 原作を斜め読みで読み返してみたのですが、フーダニット要素だけでなく、隠し場所トリックや事件の構造に関する謎解きなど、記憶していたよりもミステリしてるなあ、という印象。荒っぽいストーリーのドラマ版とは大違いですね。 『特捜最前線』のDVD−BOXは、その後、こちらでVol.2とVol.3の発売日と収録作品が発表され、ファン投票の上位50作近くが三つのBOXに振り分けられる構成と分かって納得。これなら迷わず買い、です。 作品の並びを考えた場合、BOX2の「昭和60年夏・老刑事船村一平退職!」とBOX3の「ビーフシチューを売る刑事!」は入れ替えたほうがいいのに、という小さな不満はありますが。 あと、地上派の再放送では言葉や設定の問題で欠番扱いにされてしまう「ストリップスキャンダル!」と「少女・ある愛を探す旅!」の二作が投票で上位に入りながらも結局収録されなかったのは実に残念。どっちも長坂秀佳脚本作品の傑作なのに〜。 長坂脚本といえば、今回収録されなかった投票50位〜99位の中にミステリとしての傑作が結構あるんですよねー。「東京,殺人ゲーム地図!」「完全犯罪・350ヤードの凶弾!」「少年はなぜ母を殺したか!」「地下鉄・連続殺人事件!」「逮捕志願!」などなど……。サスペンス物としても「非情の街・ピエロと呼ばれた男!」「爆破60分前の女」「脱走爆弾犯を見た女!」なんてのがあるし、もちろん長坂作品以外でも良作がいっぱい。これは是非DVD−BOXのVol.4〜Vol.6を発売してもらわなくては。 ■1/2〜1/3の購入本 ●『血染めのエッグ・コージイ事件』 ジェームズ・アンダースン (扶桑社ミステリー) ●『昭和ミステリ秘宝 横溝正史翻訳コレクション 鍾乳洞殺人事件/二輪馬車の秘密』 ウィップル/ヒューム 横溝正史・訳 (扶桑社文庫) ・二見文庫 ●『死者の長い列』 ローレンス・ブロック ●『処刑宣告』 ローレンス・ブロック ●『絞首人の一ダース』 デイヴィッド・アリグザンダー (論創海外ミステリ) ●『10ドルだって大金だ』 ジャック・リッチー (KAWADE MISTERY) ●『横溝正史自選集 4 犬神家の一族』 横溝正史 (出版芸術社) ●『逃げ出した死体 伊集院大介と少年探偵』 栗本薫 (講談社) ●『ハンプティ・ダンプティは塀の中』 蒼井上鷹 (東京創元社◎ミステリ・フロンティア) ●『ミステリ十二か月』 北村薫 (中央公論新社) ●『パスルゲーム☆はいすくーる』[14] 野間美由紀 (白泉社文庫) ●『さよなら絶望先生』[第六集] 久米田康治 (講談社コミックス) ●『弁護士のくず』[1]〜[4] 井浦秀夫 (ビッグコミックス) ●『ミステリマガジン』2月号 ■10/12の購入本(書き落とし) ●『シナリオ』11月号――映画『フラガール』のシナリオが掲載されていたので購入。 ※10/15〜12/31の購入本については追い追い……。 |
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364. 2006年10月15日 23時55分38秒 投稿:砂時計 |
「わたしはみんなのだめなところが大好きだったよ」 こんばんは、砂時計です。 前回の書きこみの文章中、「原作・石田衣良/漫画・アカネマコト『アキハバラ@DEEP』(BUNCH COMICS)読了」の中に「[01]〜[04]」を入れ忘れてました(まだ完結してはいません)。 長澤まさみ主演のドラマ『セーラー服と機関銃』が始まったみたいですね。薬師丸ひろ子、原田知世に続く三代目・星泉。自分はTBSの無い国(マルC 殊能将之)の人間なので未だ目にしていませんが。 原作は、映画化が決まり、赤川次郎作品の角川文庫第一号として出た時に買って読みました。そして、それが初めて読んだ赤川作品でもありました。 一番印象深かったのが、ある部分に使われていたフーダニット要素。さりげない伏線の張り方に筋の良さを感じ、非謎解き小説に敢えてこういうものを入れてくるあたり根っからの謎解き物好きの作家なのでは、と思ったのを憶えています。 これを機に読み返してみようかな。 ■10/10〜10/14の購入本 ●『動物園の鳥』 坂木司 (創元推理文庫)――ひきこもり探偵シリーズ完結編。文庫版には簡単レシピ集「鳥井家の食卓」などのおまけ付き。 ●『真相』 横山秀夫 (双葉文庫) ●『兇悪な街』 西村京太郎 (小学館文庫)――作品としては期待できないけど左文字進は好きなので……ということで購入。 ・光文社文庫 ●『新訳シャーロック・ホームズ全集 シャーロック・ホームズの生還』 アーサー・コナン・ドイル ●『邪馬台国の秘密 新装版』 高木彬光――エッセイ「邪馬台国はいずこに」も収録。巻末エッセイは『邪馬台国はどこですか?』の鯨統一郎。 ●『贈る物語 Mystery 九つの謎宮』 綾辻行人 編――親本積読中。 ●『ZOKU』 森博嗣 ・講談社文庫 ●『ネジ式ザゼツキー』 島田荘司――親本積読中。 ●『奇偶』(上・下) 山口雅也 ●『IN★POCKET』10月号 |
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363. 2006年10月10日 01時43分45秒 投稿:砂時計 |
「誰かを助けることは、そのまま自分を助けることなんだ」 こんばんは、砂時計です。 前回の書きこみから一ヶ月開いてしまいました。このところ沈没気味だったもので……。 その間に『名探偵コナン』新刊が発売され、恒例の「青山剛昌の名探偵図鑑」チェック。55巻はコンチネンタル・オプでした。 足立さま いらっしゃいませ。レスが遅れてしまい、申し訳ありません。 『金色の魔術師』、自分も買ってはいるんですが、例によって積みっぱなしです。 横溝ジュブナイルは角川文庫で読んだクチなんですが、『金色の魔術師』はその中でも特に好きな作品でした(黒猫先生が大好きなんですよねー)。本来の「ですます」調で読むのは初めてなので楽しみです。 少年向けの横溝作品といえば、昔NHK教育の子供向け番組の中で『幽霊鉄仮面』の紙芝居があって、それが由利・三津木コンビとの出会いだったなあ(この紙芝居のコーナーではギャグ調にアレンジされたルブランの『ルパン対ホームズ』もあったっけ)。 書きこみ、どうもありがとうございました。 石田衣良『アキハバラ@DEEP』(文春文庫)読了。 吃音のテキスト担当・ページ。不潔恐怖症で女性恐怖症のグラフィック担当・ボックス。周期的な光の点滅で原因不明のフリーズを起こすミュージック担当・タイコ。恵まれた容姿に逆にコンプレックスを感じているネットアイドル担当・アキラ。アルビノでサングラスが必需品のプログラミング担当・イズム。十年間引きこもりだった営業兼経理担当・ダルマ。 あるサイトをきっかけに知り合い、ネットビジネスのベンチャー「アキハバラ@DEEP」を興した彼ら六人の、情熱と闘いの物語。 文庫版にして500ページ以上の長編ですが、抜群のリーダビリティで一気読み。 面白かったんですが、ある意味で作品の肝といえる終盤のアレはちょっとなあ……。いや、最初からああなんだから当然の帰結ではあるんですが、あの場面の段階でそこまで行っちゃうというのは、そこまでの物語内現実からいって飛躍し過ぎのような気がします。もう少し納得のいく流れにしてくれれば、すんなり受け入れられたと思うんですが。 あと、敵側による監視や実力行使の中途半端さや、群集のパニックの危険性を甘く見過ぎな点など、引っかかる部分がいろいろありました。 しかし、そういった不満はありながらも、好きです、この作品。 どうしようもない欠陥を抱え、強大な敵に一度は屈して挫折を味わいながらも、それぞれの才能を生かして痛快な反撃を見せる@DEEPメンバーたちがたまらなく愛おしく感じられ、何度か胸を熱くさせられました(特に自分のようなダメ人間にはグッとくる部分があるんだよなあ)。 THE ONLY WAY IS UP.――ここより下に階層はない。あとは浮上するだけ。 映画『アキハバラ@DEEP』鑑賞。 設定上はいろいろ変更がありますが、基本的には原作のストーリーに沿った流れになっています。 序盤に大きな不満があって、メンバーを結びつけ、その後も彼らの精神的支柱となるキーパーソンの扱いがおざなりなのが……原作そのままの役割で出したのだからもう少し描きこむべきだったし、そうできないのならばいっそ削ったほうが良かったと思います。あと、メンバーが集まっていく過程のワクワク感が全くないというのも寂しい気が。 終盤の展開の大雑把さはまあ許すとして、あのままの終わり方だと腑に落ちない点がいろいろ残るので、ニ、三分のナレーション・ベースでいいから後日談的なエピローグを用意してほしかったところです。 他にも原作好きの立場で見ると微妙にツボを外している箇所が複数あって満足はできなかったんですが、細かいことを考えなければそれなりに娯楽作品として楽しめる映画だと思います。格闘シーンにおける山田優のアクションは予想していたよりも見応えがありました。 ドラマ『アキハバラ@DEEP』視聴。 原作小説とドラマの関係は同じ作者の『池袋ウエストゲートパーク』に近く、小説とは違ってギャグ満載・時々シリアスな作品世界。 一話完結の連続ドラマにするにあたって導入された「トラブルシューター」という設定は、観る前は『池袋ウエストゲートパーク』の安易な模倣のように思えたんですが、これが見事にハマッて、各エピソードに幅を持たせることに成功していると思います。この設定によって、自分が昔好きだった『バーディ大作戦』や『俺たちは天使だ!』などの集団探偵もののドラマを彷彿とさせる楽しさも出ているんですよね。 原作にも登場する三人の人物をオリジナルの関係で結びつけて、ストーリーの縦軸として自然に機能させているあたりの処理も巧いなあ。 大部分がドラマ独自の展開なんですが、原作ベースの部分には小説の良いところがしっかりと生かされていて、そのアレンジのセンスの良さにも唸らされました。 そして、@DEEPメンバー6人のバランスが最強。グループとして原作以上の魅力を感じます。個々のキャラもしっかりと立ってるし、キャストも生き生きと演じてるし。 個人的に一番好きなのが、ドラマ化にあたって男性から女性に設定変更されたイズム。このキャラはイイなあ、ほんとに。 敵キャラのIT社長・中込については、北村一輝サイコー!の一言(ガンダム好きの人は必見……って自分はガンダム観たこと無いけど)。あの役作りに惚れました。最終話はトンデモナイことになってます。 そんなわけで、すっかりこのドラマにハマッてしまい、DVDをリピートする日々を送っています。 原作・石田衣良/漫画・アカネマコト『アキハバラ@DEEP』(BUNCH COMICS)読了。 漫画版は独自の設定や展開が多く、特に目をひくのが、保護観察を受けていた元クラッカーというページの設定でしょうか。対人恐怖症で普段はおとなしい彼がパソコンを前にしてクラッカーとしての顔を見せる時の変貌ぶりが強い印象を残します。 個人的にはあまりハマるタイプの作風ではないし登場人物にも思い入れが持てないんですが(タイコの恋のエピソードでのオタク礼賛にはちょっと退くなあ)、原作の持つ力と、他のメディアとの違いによるアクセントが効いて、結構面白く読めました。 作品へのコンピュータ関連の知識の盛りこみ方という点では、この漫画版が一番かも。 ■9/9〜10/8の購入本 ●『被告A』 折原一 (ハヤカワ文庫JA) ●『黒と青』(上・下) イアン・ランキン (ハヤカワ・ミステリ文庫) ●『木更津キャッツアイ 日本シリーズ』 宮藤官九郎 (角川文庫) ・集英社文庫 ●『シャーロック・ホームズの愛弟子 公爵家の相続人』 ローリー・キング ●『捕物小説名作選 二』 池波正太郎・選/日本ペンクラブ編 ・講談社文庫 ●『アルキメデスは手を汚さない』 小峰元――復刊。 ●『文庫版 陰摩羅鬼の瑕』 京極夏彦 ●『分冊文庫版 陰摩羅鬼の瑕』(上・中・下) 京極夏彦 ●『東野圭吾 選 スペシャル・ブレンド・ミステリー 謎001』 日本推理作家協会 編――日本推理作家協会による「年鑑」のうち、七十年代、八十年代、九十年代からそれぞれ一冊を取り出し、収録作の中から作家が好みの短編を選んでアンソロジーを編む企画の第一弾。収録作の一つ、赤川次郎「双子の家」について選者解説の中で「三毛猫ホームズ」の主要キャラクターが活躍する話という説明があるんですが……東野さーん、違いますよう(涙)。第2刷以降では直ってるかなあ。 ●『金糸雀が啼く夜 薬屋探偵妖綺談』 高里椎奈 ・新潮文庫 ●『ホームズ二世のロシア秘録』 ブライアン・フリーマントル ●『八月の博物館』 瀬名秀明 ・創元推理文庫 ●『毒杯の囀り』 ポール・ドハティー ●『はじまりの島』 柳広司 ●『初恋よ、さよならのキスをしよう』 樋口有介 ・文春文庫 ●『切り裂きジャック・百年の孤独』 島田荘司――集英社文庫版積読中。今回の文春文庫版は改訂完全版とのこと。 ●『手紙』 東野圭吾 ●『枯葉色グッドバイ』 樋口有介 ●『名探偵金田一耕助3 金色の魔術師』 横溝正史 (ポプラポケット文庫) ●『邪魅の雫』 京極夏彦 (講談社ノベルス) ●『アキハバラ@DEEP』[01]〜[04] 原作 石田衣良/漫画 アカネマコト (BUNCH COMICS) ・講談社コミックス ●『Q.E.D.―証明終了―』[25] 加藤元浩――読了。「宇宙大戦争」はおなじみ探偵同好会の危機を燈馬の機知が救う話。「パラレル」は連続殺人の構造が印象的な『Q.E.D』らしい作品。 ●『さよなら絶望先生』[第五集] 久米田康治 ●『読書狂刑事!』 北芝健 (ミリオン出版)――元警視庁刑事の著者による「私が解読・考察する名作20」「私が偏愛する海外・国内作家ベスト10」、特別鼎談「現役刑事が好きな警察小説はいったい何か?」など、現実の警察捜査と照らし合わせて作品を紹介するブックガイド。 ●『[こちら葛飾区亀有公園前派出所]連載30周年記念出版 超こち亀』 秋本治 (集英社)――内容盛りだくさんの企画本。多数の漫画家が参加。コラボ企画の中には「こち亀×ゴルゴ13」「こち亀×ルパンIII世」なんてのも。 ●『オフィシャルガイドブック 相棒』 (FUSOSHA MOOK)――今週新シーズンが始まる刑事ドラマ『相棒』のオフィシャルガイドブック。ファン必携。 ●『ジャーロ』秋号 ●『本の雑誌』10月号 ●『IN★POCKET』9月号 ●『ミステリマガジン』11月号 ●『ドラマ』10月号――大森美香インタビューと『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』第1話〜第4話シナリオ、『ケータイ刑事 銭形雷』セカンドシリーズ第12話・第13話「まさかオペラ!?〜犯人はあなただ!殺人事件」シナリオ目当てで購入。 ●『ダ・ヴィンチ』11月号 |
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362. 2006年10月04日 01時04分43秒 投稿:足立雅弘 |
おじゃまします。 ポプラポケット文庫から横溝正史の「金色の魔術師」が発売されました。神津恭介物のほうは、わかりません。あるいは打ち切りでしょうか。(涙) 今回は新保博久の解説で、横溝正史オリジナルの、少年向き金田一シリ−ズが整理されているので、便利です。とは言え、私はポプラポケットはもとより、角川文庫の少年物(黒地に黄色文字ですな)も未読なので、何を持っているかの整理から始めなければ。角川の横溝はいつでも買えるとたかをくくっていたので、いまごろあわてています。というわけで、どうも失礼しました。 |
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361. 2006年09月09日 21時49分00秒 投稿:砂時計 |
「テリープリン」 こんばんは、砂時計です。 紅さま いらっしゃいませ。 ゆうべの書きこみがすれ違いになっちゃったために、ついさっきまでお書きこみに気づいていませんでした。すみません。 で、『特捜最前線』のDVD−BOXの話題。 選ばれた個々の作品は一部を除いて傑作揃いであるにもかかわらず、BOX1のラインナップとしては個人的に不満の残るセレクトで、選者にはアンソロジストとしてのセンスがない!と嘆いてしまうのですが……でも自分は買いますです。BOX2以降のこともありますしね。 Amazonの予約価格は二万円をわずかにきっていますね。 今回の収録作品で狭義のミステリとして楽しめる推理性の強いものとしては「サラ金ジャック・射殺犯桜井刑事!」と「乙種蹄状指紋の謎!」がありますね。 特に「サラ金ジャック・射殺犯桜井刑事!」は、自分が中学生の時にミステリとしての『特捜』の面白さを最初に知った作品で、見終わって身動きもできず論理と物語の余韻に浸っていたことを思い出します。 「挑戦・この七人の中に犯人は居る!」「挑戦II・窓際警視に捧げる挽歌!」の前後編は、放映時に「懸賞つき犯人当てドラマ」として視聴者に挑戦した作品で、前編が終わり、後編の予告編の前だったか後だったかのところで、特命課のメンバー全員(あるいは神代課長一人だったか)による「視聴者への挑戦」があったと記憶しています。 ダイイング・メッセージものの犯人当てで、そのダイイング・メッセージの多重解釈が出てくるあたり、エラリー・クイーンの影響か?と思える作品ですが、正直なところ、BOX1に入れるというのには疑問が……。 「殉職I・津上刑事よ永遠に!」「殉職II・帰らざる笑顔!」はサスペンス色が前面に出た作品ですが、前編に散りばめられた伏線が後編の捜査に生かされていく構図にミステリ的な面白さを感じる部分も。 収録される十六話のうち十一話が長坂秀佳脚本作品(上に挙げた六つも)で、映像特典には長坂秀佳インタビューも入っていますが、長坂作品でも「さようなら、高杉刑事!」なんかは高杉(西田敏行)退場編という以上の価値は感じられないし、もっと面白いのがいっぱいあるのに〜、と少々歯がゆい気持ちです。ま、BOX2以降に期待しましょうか。 書きこみ、どうもありがとうございました。 |
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360. 2006年09月08日 22時58分20秒 投稿:砂時計 |
「ま、あえて無視するわけにもいかんだろうさ」 こんばんは、砂時計です。 今、部屋の蛍光灯の一つが切れかかっていて点いたり消えたりを繰り返しているため、夜の読書ができません。 え?交換すればいいじゃないかって? それが、脚立を置くために床の本をどけるとなると一日仕事になっちゃうんだけど時間がとれないんですよね。むーん……。 それはそうと、今月の講談社文庫の新刊で、京極夏彦『陰摩羅鬼の瑕』の一冊本バージョンと三分冊バージョンが同時発売というのには驚きました。 どっちも買わずにはいられない……。むーん……。 ■9/4〜9/7の購入本 ●『シャーロック・ホームズのSF大冒険』(上・下) マイク・レズニック&マーティン・H・グリーンバーグ 編 (河出文庫)――「世界初の、SFミステリを題材にした書き下ろしホームズ・パロディ短篇集」とのこと。 ・文春文庫 ●『神のロジック 人間のマジック』 西澤保彦――親本積読中。 ●『アキハバラ@DEEP』 石田衣良 ・光文社文庫 ●『鎧櫃の血 新装版』 岡本綺堂――三浦老人昔話他収録。 ●『物狂い』 土屋隆夫 ●『吉敷竹史シリーズ16 光る鶴』 島田荘司――カッパ・ノベルス『吉敷竹史の肖像』(積読中)に入っていた「光る鶴」「吉敷竹史、十八歳の肖像」と文庫版書き下ろし短編「電車最中」を収録。 ●『名作で読む推理小説史 ふるえて眠れない ホラーミステリー傑作選』 ミステリー文学資料館 編 ●『λに歯がない』 森博嗣 (講談社ノベルス) ●『刑事マガジン+1』 (タツミムック)――刑事ものだけじゃなく探偵ものも扱うようになって誌名に「+1」が。特集は『スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ』『犬神家の一族』『相棒』『ヅラ刑事』他。インタビューや対談が充実。個人的には『特捜最前線』濃度の高さが嬉しい。 ●『ダ・ヴィンチ』10月号 |
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359. 2006年09月08日 22時55分02秒
投稿:紅 [http://www.tg-net.co.jp/nyujo/review/index-a.html] |
こんばんは〜、一言だけ。 リンク先にあるタツミムック『刑事マガジン+1』はチェック済みでしょうか。 裏表紙に特捜最前線のDVDの話題が載っているのを改めて確認、、、 買うか、2万以上を我慢するか、それが問題です、、、 |
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358. 2006年09月03日 23時24分02秒 投稿:砂時計 |
「これが私のパンクだ」 こんばんは、砂時計です。 リチャード・マシスン『奇術師の密室』(扶桑社ミステリー)読了。 大物奇術師の屋敷の一室で起こる殺人劇。 奇術が行われている舞台さながらに次々と様相を変えていく事件。目くるめくサプライズの連続に身をゆだねる快感が味わえる作品。 ……と書いてはみたものの、どうも自分はこういうタイプの作品の面白さを充分に味わうことができないようで、読後に消化不良の感が残りました。映画『探偵<スルース>』を観たときもそうだったなあ……。明確な伏線を伴わない意外性にはあまり惹かれないからなのかも。 ま、自分の偏った好みはともかくとして、騙しとツイストがてんこ盛りのこの物語、多くのミステリ・ファンには楽しめるのではないかと思います。 語り手の設定には唸りました。 ■9/3の購入本 ●『リンダリンダラバーソール』 大槻ケンヂ (新潮文庫) ・創元推理文庫 ●『ハマースミスのうじ虫』 ウィリアム・モール ●『殺人者の放物線』 アンドレア・H・ジャップ ・祥伝社文庫 ●『天才・龍之介がゆく! 十字架クロスワードの殺人』 柄刀一――親本積読中。 ●『Shelter(シェルター)』 近藤史恵 ●『出られない五人』 蒼井上鷹 (祥伝社ノン・ノベル) ●『UFO大通り』 島田荘司 (講談社) ●『「トリック劇場版2」 シナリオ・ガイドブック』 (キネマ旬報社) |
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