黒猫荘
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やわらかそうな本の上へでもすわってください
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オーナー:砂時計 
床を埋めつくす積読本の山、山、山。
ドアからベッドへと続く一筋のケモノ道。
最後に掃除機をかけたのは何年前だっけ……(遠い目)。
そんなダメ人間の部屋へようこそ。


ちりばめられた伏線。すべてが一つにつながる最終回のカタルシス。
部屋主イチオシのドラマ『ミニモニ。でブレーメンの音楽隊』 DVD(全3巻) ゼティマより発売中。
※リンク先(公式サイト)の「来週のお話」は、その回をご覧になってから見たほうが、展開の意外性を損なわずに楽しめます。


弾 吉野刑事狙撃  残弾 *発

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357. 2006年08月31日 00時24分52秒  投稿:砂時計 
「濃い顔ですね」
こんばんは、砂時計です。

注文した探偵小説研究会の機関誌『CRITICA』創刊号が昨日届き、早速目を通しました。
最初の鼎談での笠井潔氏の戦闘的な発言に刺激を感じ、千街晶之氏の文章に大いに頷かされ、千野帽子氏の文章を面白く読みました。
そんな感じでまだ部分的にしか読んでないんですが、ボリュームたっぷりのこの一冊、これから少しずつ読み進めていきたいと思っています。

それにしても、笠井潔氏といい島田荘司氏といい、一読者である自分にとっては神様的存在のミステリ作家なんですが、ミステリ評論に関しては納得できない部分が多いんだよなあ。
島田論に対する我孫子武丸氏の反論や、笠井論に対する有栖川有栖氏の反論のほうが自分にはしっくりくるわけで。
島田氏が求める「本格ミステリー」や笠井氏が求める「探偵小説の精神」の理想の高みと、読者としての自分が求めている娯楽としての謎解き小説の価値には大きな隔たりがあるのかもしれません。

ポール・アルテ『赤髯王の呪い』(ハヤカワ・ミステリ)読了。
著者が初めて執筆したツイスト博士ものの長編である表題作と、ツイスト博士が登場する短編三作(現時点でのシリーズ全短編)が収録された一冊。
物理的なトリックを中心に据えた不可能犯罪もののミステリに多くの場合付きものの無理っぽさや必然性のなさも垣間見られますが、謎を構成する要素を組み合わせる手つきのクールさがそれを補っている感じで、読後感はスッキリ。
他の作品は『第四の扉』しか読んでないんですが、既訳の残り三冊にも手を伸ばしてみようかな。

■8/27・8/28の購入本

『ミステリマガジン』10月号――「ミステリアス・ジャム・セッション」は光原百合インタビュー。石上三登志「日本映画のミステリライターズ」第2回「比佐芳武(II)と「獄門島」」は興味深く読みました。

『CRITICA』創刊号 (探偵小説研究会)
[219.109.152.143][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)]

356. 2006年08月26日 20時27分12秒  投稿:砂時計 
「忘れよう」
こんばんは、砂時計です。

348番の書きこみで触れた『中村雅楽探偵全集I 團十郎切腹事件』ですが、東京創元社のサイトから情報が消えちゃってますね。「今月の新刊」にも「近刊案内」にもなし。発売延期なのかなあ。『ダ・ヴィンチ』にも今月発売予定として載ってたのに……。
「日常の謎」ミステリの大いなる先達のシリーズが創元推理文庫入り、ということで喜んでたんですけどね(シリーズがその方向に大きく動くのは二冊目の短編集以降ですが)。

■8/25の購入本

・角川文庫
『如菩薩団 ピカレスク短篇集』 筒井康隆――犯人当て物のSFミステリ「ケンタウルスの殺人」も収録。この短編、パソコンゲーム化もされてたんですね。 ●『眠らない少女 高橋克彦自薦短編集』 高橋克彦

『赤髯王の呪い』 ポール・アルテ (ハヤカワ・ミステリ)

『天城一傑作集3 宿命は待つことができる』 天城一 (日本評論社)
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355. 2006年08月25日 01時27分58秒  投稿:砂時計 
「犬だな」
こんばんは、砂時計です。

加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』[03](講談社コミックス)読了。

「失われたレリーフ」…主人公・森羅が大英博物館の「三賢者」から受け継いだ「三つの指輪」。それを賭けた勝負を挑んできた男。捕えられた密売組織が所持していたレリーフの一部が日本の倉庫に運ばれる間に消えてしまったという。勝負の内容は消えたレリーフの一部を先に見つけること。
読者が考えればスッキリと解ける謎をメインに据えているあたりは好感が持てるものの、謎が生まれる前提部分に納得し難いものがあって、根本的に成り立たない話なのでは、という気がするんですが……。自分だけかなあ。

「都市伝説」…森羅と七瀬の通う高校で流れる三つの噂。どれも死体発見に関する話。七瀬と友人たちは、その噂の出所を調べ、ある人物にたどり着くが……。
目的と方法がアンバランス……とも決めつけられないかな。いずれにしても、あまり真相に魅力は感じられず……。うーん。

森羅の生い立ちがある程度判明したり、人間関係に動きがあったりと、物語上の進展はありましたが、自分にとっては消化不良の巻でした。やっぱり『Q.E.D.』のほうがミステリとしての魅力はずっと上だなあ、今のところは。
ところで、あの目の描き方(  ○  ○  ←こんな感じ)は今後定着するのかな。今まではあまり見なかったような気がするんですが。

■8/23の購入本

・集英社文庫
『ハナシがちがう! 笑酔亭梅寿謎解噺』 田中啓文――親本積読中。文庫化に当たって新たにメインタイトル付加。 ●『捕物小説名作選 一』 池波正太郎・選/日本ペンクラブ編――1980年出版の『捕物小説名作選』を二分冊・再編集しての再刊。この一冊目には新しく浅田次郎の解説が。

・カッパ・ノベルス
『顔のない敵』 石持浅海 ●『風果つる館の殺人』 加賀美雅之

『オール讀物』9月号――直木賞の選評目当てで購入。
『小説新潮』9月号――畠中恵ロングインタビューを含む「「しゃばけ」ワールド大図鑑」目当てで購入。
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354. 2006年08月21日 00時16分49秒  投稿:砂時計 
「服を褒めるか?いや、でも制服だし」
こんばんは、砂時計です。

ドストエフスキー『罪と罰』(上下巻、新潮文庫)読了。
小学校高学年あたりから読書といえば推理小説一辺倒だったので、この手の文学作品には縁がなかったんですが、江戸川乱歩「心理試験」や『刑事コロンボ』に影響を与えた部分というのを実際に読んで確かめてみたいという思いがずっとありました。

金貸しの老婆を殺した主人公の青年ラスコーリニコフの犯人像が「心理試験」に、それを追いつめる予審判事ポルフィーリイはコロンボに。原点に触れることができて、長い間抱えていた宿題を片付けたようなスッキリ感が。

読む前はもっと、ラスコーリニコフとポルフィーリイの対決が大きな割合を占めているのかと思ってましたが、そういうわけでもないんですね。
この小説を探偵小説だとする意見を「暴論」だと坂口安吾がエッセイでバッサリ斬り捨てていた記憶がありますが、たしかにその通り。
でも今発表されたとしたら、広義のミステリ扱いされて『このミステリーがすごい!』にランクインしたとしても違和感ないような気も。

てなことはともかく、出てくる人物出てくる人物、みんなキャラ立ちまくりで面白いわー(<小学生の夏休みの読書感想文以下の内容だなあ……)。

あ、小畑健によるマンガ化ってのはどうだろう、とふと思いました。
マンガといえば、手塚治虫版も読んでみたいな。

■8/19の購入本

『奇術師の密室』 リチャード・マシスン (扶桑社ミステリー)

『鮎川哲也コレクション 挑戦篇II 白馬館九号室』 鮎川哲也 (出版芸術社)

・講談社コミックス
『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』[03] 加藤元浩 ●『さよなら絶望先生』[第一集・第二集・第四集] 久米田康治

『本の雑誌』9月号
『本の窓』9・10月号
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353. 2006年08月13日 22時59分29秒  投稿:砂時計 
「ありがとう、変な人ー!」
こんばんは、砂時計です。

佐々木倫子・漫画/綾辻行人・原作『月館の殺人』(上・下)(IKKI COMICS)読了。
上巻ラストに大きなヒキがあるらしいとは聞いてましたが、おお、なるほどー。
真相は何となく海外古典ミステリっぽい印象を受けました。
マンガならではの伏線の数々がどれも丁寧で、それについての打ち合わせ作業も結構手間がかかったんだろうなあ、と想像します。

まあしかし、ミステリとしての要素よりも佐々木倫子がテツの生態を描いたらこうなった、という部分の面白さのほうが後を引きますね。
完結してから読もうと最初から思っていたので一度も目を通してなかったんですが、ここまでテツ濃度の高い作品だったとは。
一つのマンガ雑誌で菊池直恵『鉄子の旅』とこのマンガが一緒に連載されてたってのはテツに偏りすぎじゃ……と思ったんですが、巻末の編集長による鉄道用語解説集を見て、ああ、この人が編集長ならそうなっても不思議じゃないわな、と納得。
『鉄子の旅』は本屋に立ち読み用見本として置いてあった最初の二巻分しか読んでないんですが、こちらも続きを読んでみたくなりました。

■8/11〜8/13の購入本

『奇妙な果実殺人事件』 藤田宜永 (双葉文庫)
・講談社文庫
『親不孝通りディテクティブ』 北森鴻 ●『ST 警視庁科学特捜班 赤の調査ファイル』 今野敏 ●『照柿』(上・下) 高村薫 ●『天使と罪の街』(上・下) マイクル・コナリー ●『百鬼解読』 多田克己・著/画・京極夏彦
・新潮文庫
『罪と罰』(上・下) ドストエフスキー ●『しゃばけ』 畠中恵――「新潮文庫の100冊」から二作。『しゃばけ』は出た時に買ってなかったような気がする(所持しているかどうかの確認は困難)ので、ヤスリのかかった再出荷本じゃない増刷分が書店に出回ってるうちにと思い購入。

『アインシュタイン・ゲーム』 佐飛通俊 (講談社ノベルス)

『月館の殺人』 佐々木倫子・漫画/綾辻行人・原作 (IKKI COMICS)

『IN★POCKET』8月号――最新作『赤い指』刊行記念の東野圭吾特集「加賀恭一郎とは何者か。」では、著者インタビューに加え、シリーズ既刊六作品をそれぞれ村上貴史、古瀬絵里、森田正光、生野慈朗、和希沙也、中江有里の六人が紹介する「マイ・ベスト・加賀作品」(著者の全作コメント付)が。他に『照柿』文庫化(当然加筆)記念の高村薫インタビューなど。
[219.109.152.143][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)]

352. 2006年08月11日 00時53分04秒  投稿:砂時計 
「あと何人だい?あと何人殺せば歴史の被害者から加害者になるんだい・・・」
こんばんは、砂時計です。
宇山日出臣氏死去のニュースには驚きました。合掌。

西尾維新『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』(集英社)読了。
原作・大場つぐみ、作画・小畑健による人気マンガのノベライゼーション。本編よりも時間を遡って描かれる、探偵LとFBI捜査官・南空ナオミの活躍。
ロサンゼルスで発生した三件の殺人。最初の現場の壁には藁人形が四体打ち付けられ、第二の事件現場には三体、第三の現場には二体の藁人形が。そして、どの現場も密室だった。
ある事件で重大な失敗をしたことにより休職中の南空ナオミに、世界中の捜査機関に対して影響力を持つ名探偵Lから連絡が入り、この連続殺人の捜査への協力が要請される―。

読み進むうちに、清涼院流水的な言葉遊びと見立てに淫した作品のように思えて失望しかけていたんですが、解決部分に至って、それが大きく覆りました。
連続殺人と密室と藁人形を結ぶ必然性の糸。犯行に関するホワイダニットの謎解きには、西尾維新らしいミステリ・センスが溢れています。
キャラクターのファンへのサービスという面でも申し分なく、マンガのノベライゼーションとしては理想的な作品ではないでしょうか。
ただ、マンガを読んでいない人には、犯人の動機や設定などは理解し難いでしょうし、充分に楽しめない部分も多いと思います。未読の方はマンガを読んでから取りかかったほうがいいでしょう。マンガのほうも理詰めの面白さが味わえる(特に1部は)傑作です。

■8/8〜8/10の購入本

『月に吠えろ! 萩原朔太郎の事件簿』 鯨統一郎 (徳間文庫)
『贄門島』(上・下) 内田康夫 (文春文庫)
・光文社文庫
『黒白の囮 新装版』 高木彬光 ●『林真紅郎と五つの謎』 乾くるみ ●『火天風神』 若竹七海 ●『星の海を君と泳ごう』 柴田よしき ●『名犬フーバーの新幹線、危機一髪!』 笠原靖

『ダ・ヴィンチ』9月号
『ぱふ』9月号――久米田康治インタビューを含む『さよなら絶望先生』特集目当てで購入。
『文蔵』8月号――特集・夏休みに楽しみたい「おすすめミステリー」目当てで購入。内容は、瀬名秀明インタビューに森博嗣インタビュー、『ミステリマガジン』『小説推理』『ミステリーズ!』各編集長(編集人)の「今読むならコレ!」、友清哲「夏が味わえる傑作ミステリー10」。
[219.109.152.143][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)]

351. 2006年08月04日 13時41分43秒  投稿:砂時計 
「俺はな、他人をウチに持ち込まない主義なんでな」
こんにちは、砂時計です。

かい賊さま
いらっしゃいませ。

河内実加版「中国屏風」は、人物設定や話のテイストなどが完全に河内オリジナルになっていて、原作からの変身ぶりが面白かったですよ。
『サスペリアミステリー』の河内作品では過去に亜愛一郎ものもありましたが、それには物足りなさを感じた記憶があります。

影丸版『八つ墓村』の典子は結構好みだったので、原作通りのヒロイン扱い&(『少年マガジン』では無理だった)エロ描写ありでリメイクしてくれないかなー(一度長尾文子作画でやってるので『サスペリアミステリー』では可能性ないでしょうけど)。もっとも、絵柄が多少変化しているみたいなので、当時と同じ可愛さが出せるかは疑問ですが。

西村・赤川・内田・山村を並べたかと思えば『シベリア超特急』シリーズもあり……この雑誌のラインナップって謎……。

書きこみ、どうもありがとうございました。


水原佐保『青春俳句講座 初桜』(角川書店)読了。
隣の教室からカンニングされた答案の謎(「桜」)。全国各地から同じ宛名で届く間違い手紙の謎(「菫」)。雛祭りに招かれた姉の恋人が雛壇を見た途端に帰ってしまった謎(「雛祭」)。
舞台は長野県小諸市。語り手の女子高生が持ち込んだ謎を解くのは、俳句を学ぶ彼女の師である若き俳人。
北村薫の流れをくむ「日常の謎」ものですが、文章や会話には京極夏彦の影響も窺えます(登場人物の「木馬さん」は木場から来てるんでしょうね)。
その文章が自分には壁になりました。「桜」の二章冒頭の「はじめに、小さな瑕瑾があったのだ。」、その少しあとの「その願望がそのまま嚥下されれば楽観主義で終っていた。」といった文に躓いてしまい、その後も言葉の選び方や文章表現、リズムに抵抗を覚えながら読み進めることに。もうちょっと飾りを少なくした平明な文章なら読み易かったのですが、語り手の高校一年の少女が背伸びして書いたという風に読めないこともないかな。
俳句談義や町並の描写などが生き生きしているのに比べて、話の中心となる出来事や動機についての書きこみ不足が気になりました。
細かいことを言えば、何から何まで同じ答案だったことを強調しておきながら後になって一つだけ違う答えがあったことを思い出すという流れは不自然で、それについては最初から提示するべきだったと思います。
また、教師の処置やトリック成立のためのある条件その他、いろいろと納得し難い部分も。
書きこむべきところを書きこんでおらず、また話の組み立て方が充分でないため、謎の解決が説得力の弱いものになっていると感じます。それは残りの二編も同様で、謎自体「本人に聞けばいいじゃん」と読んでいて思ってしまうという弱点が。
俳句を通した少女の成長物語という軸はしっかりしているように思えるので、あとは文章と物語の構築と謎の質に磨きをかけてもらえれば、好感の持てるシリーズになる可能性もありそうです。

芦辺拓『千一夜の館の殺人』(カッパ・ノベルス)読了。
あとがきで作者が「読み出したらやめられない探偵小説――というのを書きたいと思っていました」と語っていますが、実際、寝る前に少し読み進めようと手に取ったらやめられなくなり朝までかかって読み終えてしまいました。
自分だけかもしれませんがプロローグでは横溝正史『三つ首塔』の冒頭部分を想起、他にも『獄門島』『犬神家の一族』『悪魔の手毬唄』などの横溝作品が頭に浮かんだ箇所がありました。それらの部分部分については作者が意図的にそうしたものなのか単に偶然なのか作者に横溝作品のエッセンスが染み込んでいて自然と滲み出たものなのか分かりませんが、あとがきでも書かれているように横溝作品などの探偵小説が持っていた豊饒なロマンの復活を目指した作品であるのは確かで、その点で楽しく読みました。
千一夜の館に関する秘密が最初から考えていた通りだったり、あからさますぎる終盤の伏線で簡単に犯人の見当がついてしまったりと、ミステリとしての意外性という部分では物足りなさが。
大きな引っ掛かりを感じた点が二つあって、一つは、容疑者の一人である「彼女」の身元確認を警察が行おうとしない不自然さ(これはまあ、作中の警察がそういうものなのだと納得することは可能ですが)。もう一つは、犯人の計画に不可欠なある人物の行動とその遂行が、最初から期待できるようなものには思えないということ。これについては、そう仕向けるための仕掛けが用意されているか、あるいはその人物のその行動が犯人にとっては全くの予想外で、それに乗じて計画を変更したという形にしたほうが、説得力があったのではないかと思います。
現実から片足だけ浮かせた作り物としての「物語」の面白さが味わえたリーダビリティの高い作品でした。

■7/27〜8/2の購入本

・角川文庫
『きまぐれロボット』 星新一 ●『今夜は眠れない』 宮部みゆき ●『夢にも思わない』 宮部みゆき―新装版の星新一は手を出したら一冊じゃすまなくなりそうという理由で、宮部みゆきの二冊は中公文庫版(二作とも積読中)を持っているという理由で出た時はスルーしていたんですが、「発見。夏の100冊」フェアの三種類の帯&栞が欲しかったので購入。

『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』 著者:西尾維新 原作:大場つぐみ/小畑健 (集英社)

『小説推理』9月号
『活字倶楽部』夏号――ロングインタビューを含む有栖川有栖の大特集や高里椎奈特集、倉橋由美子の追悼特集など。
[219.109.152.143][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)]

350. 2006年08月03日 23時13分43秒  投稿:かい賊 
どもです。089かい賊でございます。

>中国屏風…河内実加

さすが秋田書店! 変なセレクションですなあ。河内実加は小学館時代から大好きで、
近頃は渋柿のシンちゃんで、おおハマリハマリ、と喜んでいたものですから、この
取り合わせには何とも違和感が……。おおっとここはネットカフェ、サスペリアない
かな〜……、ありませんでした。さすがに需要ないんかな。

影丸金田一。いいっすねえ。劇画でおどろおどろ、うん、最高だ。

にしても、このサスペリアのラインナップは……、西村・赤川・内田・山村って2時間
もんのオンパレードすね。ダチの言うことには、かの雑誌は読者層がそれなりに高め
なので、売り上げ安定のためにはほぼ必然だそうな。でも安定って言うほど売れてる
のかしらん?

失礼しました〜♪ ではまた。
[59.159.65.58][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)]

349. 2006年07月26日 22時49分00秒  投稿:砂時計 
「この街は、お前たちの街だ。お前たちが何とかしろ」
こんばんは、砂時計です。

『サスペリアミステリー』9月号を書店でチェック。
鮎川哲也「中国屏風」のコミカライズ作品と、横溝正史「霧の別荘」(「霧の山荘」のほうじゃなくて)を原作とした「霧の別荘の惨劇」が掲載されています。
前者は、三番館のバーテンは美形、私立探偵も美形、弁護士は美女、というアレンジ(そこらへんについては作画の河内実加さんも自身のサイトの日記で書かれてます)。中心となる謎と解決は原作に忠実で、話は現代に置き換えて独自の脚色を施したものになっていて、コミカライズ作品としてのバランスの良さを感じました。
この雑誌では、美形の鬼貫警部、美形のバーテンさん、と続いたので、次は美形の星影龍三かな(それは別に違和感ないか)。
後者は、まさか平成になって読むことができるとは思わなかった影丸穣也氏による金田一耕助物の新作。『八つ墓村』や『悪魔が来りて笛を吹く』で氏が描いた金田一よりも原作のイメージに近くなったような気が(『悪魔が来りて笛を吹く』のほうは東映映画版のコミカライズとして意識的に西田敏行氏に似せたんでしょうけど)。

どちらもサラッと読んだだけなんですが、この二作だけのために雑誌を買うのはさすがに……。もう少し他の作品も謎解き興味の強いラインナップだったらなー。

■7/25・7/26の購入本

『陰悩録 リビドー短篇集』 筒井康隆 (角川文庫)
・創元推理文庫
『彼女はたぶん魔法を使う』 樋口有介 ●『二島縁起』 多島斗志之

『停まった足音』 A・フィールディング (論創海外ミステリ)
『赤い指』 東野圭吾 (講談社)

『青春と読書』8月号――マンガ『DEATH NOTE』のノベライズ(『DEATH NOTE アナザーノート ロサンゼルスBB連続殺人事件』。集英社より8月1日発売)についての西尾維新インタビュー目当てで購入。単行本2巻に事件名だけ出てきた「語られざる事件」の小説化。本編の中で最も好きなキャラクターの探偵Lが主役の話なので楽しみ。インタビューで語られた裏話はいろいろと興味深いものでした。
『本の窓』8月号――佐野洋『ミステリーとの半世紀』、今回は「推理作家協会賞 よもやま話」。こちらもいろいろと興味深いエピソードが紹介されていて面白かったんですが、その中に気になる誤記が。都筑道夫の「都筑」が二箇所だけ「都築」になってます。あと、黄色い部屋は「改造」じゃなくて「改装」されたんですが……。
『ミステリマガジン』9月号
[219.109.152.143][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)]

348. 2006年07月24日 23時20分32秒  投稿:砂時計 
「ウマコは、どこだ」
こんばんは、砂時計です。

来月より創元推理文庫で中村雅楽探偵全集が刊行開始。待ってました!中村屋!(<それは違います)。

■7/23の購入本

『クロイドン発12時30分』 F・W・クロフツ (ハヤカワ・ミステリ文庫)――新訳版。帯には「「刑事コロンボ」「古畑任三郎」へと繋がる倒叙ミステリの大傑作!」という惹句が。大倉崇裕『福家警部補の挨拶』の帯にも「刑事コロンボ、古畑任三郎の系譜」とありましたし、すっかり倒叙ミステリの代名詞になってますね、この二つのドラマ。
『COMICAL MYSTERY TOUR 4 長〜〜〜いお別れ 』 いしいひさいち (創元推理文庫)

『千一夜の館の殺人』 芦辺拓 (カッパ・ノベルス)

『あなたが名探偵』 泡坂妻夫 西澤保彦 小林泰三 麻耶雄嵩 法月綸太郎 芦辺拓 霞流一 (創元クライム・クラブ)――犯人当て小説集。出た時は装丁が好みじゃないという理由でスルーしたんですが(収録作品は読もうと思えば手持ちの『ミステリーズ!』でも読めるし)、徳間書店の『犯人当てアンソロジー 気分は名探偵』と合わせて読みたいと思い、購入。
『青春俳句講座 初桜』 水原佐保 (角川書店)

『IN★POCKET』7月号
『本の雑誌』8月号
『小説現代』8月号――加賀恭一郎シリーズ最新長編『赤い指』についての東野圭吾ロング・インタビュー目当てで購入。1999年に『小説現代』で発表され短編集『嘘をもうひとつだけ』の最後に収録されるはずだった同タイトルの短編が長編化された経緯を中心に、加賀シリーズの現在などについて語られています。今は練馬署から久松署に異動してるんですね。このインタビュー以外の記事で個人的に惹かれたのが、リリー・フランキー&西原理恵子対談。『ユリイカ 詩と批評』7月号のみうらじゅん・西原対談と合わせて読むと面白さ増。あと、清水義範&西原理恵子『独断流「読書」必勝法』は夏休み特別講座「泣ける話に四苦八苦」。ハカセがお薦めする泣ける話の紹介の最後で業田良家『自虐の詩』が取り上げられていることについて「礼儀ってもんがあるだろうが。ここは立場上「ぼくんち」だろうが」とサイバラが書いてるのには笑いました。
[219.109.152.143][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)]

347. 2006年07月21日 22時53分14秒  投稿:砂時計 
「おげんきですか?しぶやはきょうもいい天気です」
こんばんは、砂時計です。

『別冊宝島1330 刑事コロンボ完全捜査記録』(宝島社)を、改訂による追加部分を中心に読みました。
特に新シリーズの解説は読み応え充分。楽しい時間を過ごしました。

個人的な希望なのですが、別冊宝島で、これと同じように町田暁雄氏の作品解説を中心とした『古畑任三郎完全捜査記録』を作ってもらえないかなあ。
『古畑』には『コロンボ』からの引用が多いので、そこらへんのリンクも網羅した形で。
『古畑』のムックならそれなりに売り上げも見込めるだろうし、是非読んでみたいと思うのですよ。

ところで、この本の中のコラム「横溝正史・鮎川哲也はコロンボファンだった!?」での早見裕司氏執筆の「横溝正史」の項で、横溝正史が「コロンボ」のファンだったことを示すものとして、サラ・ブックスのカバー折り返しの「私のコロンボ」に書いた文章と、『横溝正史読本』のインタビュー中の発言が取り上げられていますが、横溝正史が最も長く深くコロンボについて語ったと思われるサラ・ブックス版『別れのワイン』巻末の「コロンボ談義」(聞き手・石上三登志。のちに「特選」シリーズの『カリブ海殺人事件』巻末に再録)への言及が無いのは少し不思議な感じがします。
『別冊宝島973 刑事コロンボ完全事件ファイル』を読んだ時に「あれ?」と思ったんですが、今回もそのままでした。ページ半分という限られた分量だし、コロンボ・金田一耕助・横溝正史の共通点についての考察というポイントにそぐわないので敢えて外したのかもしれませんが、一言触れてもらえると嬉しかったかな。

この石上三登志氏をホストとした「コロンボ談義」、自分は昔図書館で読んだっきりなのですが、老舗サイト「安葉巻の煙」さんのデータで確認してみると、ゲストは、
(1)都筑道夫
(2)松山実
(3)横溝正史
(4)双葉十三郎
(5)岡本喜八
(6)水森亜土
(7)渡辺祥子
(8)森中あさ子
という面々。
そして、カバーコラムの「私のコロンボ」のほうは、常磐新平、飯島永昭、小森和子、小池朝雄、矢崎泰久、井上ひさし、筈見有弘、生島治郎、横溝正史、都筑道夫、岡本喜八、サトウサンペイ、中島河太郎、小林亜星、田中小実昌、手塚治虫、小泉喜美子、小林安次、佐野洋、斉藤茂太、長新太、水木しげる、小鷹信光、川谷拓三、犬養智子、黒柳徹子、羽仁未央、中田耕治、赤塚不二夫、という執筆陣(こちらも「安葉巻の煙」さんのデータで確認させていただきました)。

以前から思っていることなのですが、この「コロンボ談義」と「私のコロンボ」、一冊にまとめて二見文庫あたりで出してくれないですかねえ。
それだけでも価値ある一冊になると思うのですが。
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346. 2006年07月18日 01時14分45秒  投稿:砂時計 
「商売って、そういうものじゃありません?」
こんばんは、砂時計です。

大倉崇裕『福家警部補の挨拶』(創元クライム・クラブ)読了。
『刑事コロンボ』を愛する著者が、『刑事コロンボ』研究の第一人者・町田暁雄氏との共同作業で生み出した、『刑事コロンボ』的倒叙ミステリ作品集(『刑事コロンボ』と著者の関わりや、このシリーズの成り立ちについては、巻末の小山正「倒叙ミステリへの遙かなる想い」に詳しく書かれています)。
収録作品は「最後の一冊」「オッカムの剃刀」「愛情のシナリオ」「月の雫」の四編。
どの作品も、手がかりと伏線と犯人のドラマによる構築の綺麗さに快感を覚えました。
犯人による犯行の経緯は最初に描かれるけれど、読者に対して伏せられているカードがあり、さりげない伏線がラストの意外性を呼ぶという点で、「本格ミステリ」としての面白さも備えています。
『コロンボ』の本歌取りという面では、「オッカムの剃刀」のラストにおける『コロンボ』や『古畑』でおなじみの「質問」への答えや、「月の雫」の最後、「ここでアレを持ってきたか!」というあたりに特に膝を打ちました。
ところで、福家警部補が初めて登場した場面で、折り畳み傘をうまく畳めずにいる描写があったんですが、これはコロンボの始祖の一人でもあるブラウン神父の蝙蝠傘を意識したものではないか、という気がします。小柄で刑事には見えない風貌の福家が裏社会の人間に対して見せる態度にも、フランボウと対決した時のブラウン神父を思い出したのですが……考えすぎかな。
息の長いシリーズとして続けてもらいたいと思います。できれば45作品……。

『福家警部補の挨拶』を読んで、もっと倒叙ミステリの短編集が読みたい!という欲求にかられ、引っぱり出してきた東野圭吾『嘘をもうひとつだけ』(講談社)を読了(積読年数:6年)。
収録作品は「嘘をもうひとつだけ」「冷たい灼熱」「第二の希望」「狂った計算」「友の助言」の五編。
冒頭で犯人の側から犯行を描いているわけではなく「倒叙ミステリ」とはいえないんですが、視点人物である事件関係者の前に現れる加賀恭一郎は「倒叙ミステリの名探偵」に近い立ち位置で、作品自体にも倒叙ミステリに通じる味わいがあるのです。
こちらは表題作を除けば『コロンボ』のような各界のプロフェッショナルとの対決という要素はなく、どこにでもいるような人達の愛憎が引き起こす事件が中心。しかしながら、切れ味のある伏線や手がかり、意外性のあるトリックなどが盛りこまれ、物語と推理の融合ぶりに、巧いなあ、とため息。地味ではありますが、こういうのも好きなのです。
堪能しました。
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345. 2006年07月15日 00時04分40秒  投稿:砂時計 
「お前らバカじゃねーの。千年前はまだ地球とか無くて、人類はみんな北京に住んでたんだよ」
こんばんは、砂時計です。

『名探偵コナン』実写ドラマ化。なるほど、コナンになる前の工藤新一を主人公にするという手がありましたか。
制作サイドは「アニメとは違う世界観を見せたかった。コナン以前の“エピソードゼロ”を描くことで、その世界を広げ、アニメと実写で共存していければ」と話している」とありますが、アニメでも「エピソードゼロ」はありましたよねえ?まあいいか。
工藤新一に小栗旬、毛利蘭に黒川智花、毛利小五郎に陣内孝則……って、陣内さん、こないだ『探偵学園Q』で団守彦を演じたばっかりなのに、また探偵役ですか。「毛利小五郎」の下の名前の元ネタである明智小五郎を演じたこともある人の起用というわけですね。
脚本が「ケータイ刑事」シリーズでおなじみの渡邉睦月さんだし(サンデーの記事によるとかなりの「コナン」好きでもあるらしい)、これはちょっと楽しみ。

■7/14の購入本

『聖遺の天使』 三雲岳斗 (双葉文庫)――レオナルド・ダ・ヴィンチが探偵役。この時期の発売になったのは偶々なのかな。
・光文社文庫
『新訳シャーロック・ホームズ全集 緋色の研究』 アーサー・コナン・ドイル ●『風水火那子の冒険』 山田正紀――親本積読中。 ●『支那そば館の謎 裏京都ミステリー』 北森鴻 ●『鷲 新装版』 岡本綺堂 ●『名探偵、大競演! シリーズ・キャラクター総登場短編集3』 赤川次郎 ●『悪夢の果て シリーズ・闇からの声』 赤川次郎 ●『長崎・壱岐殺人ライン』 深谷忠記 ●『浮草みれん お不動さん絹蔵捕物帖』 笹沢左保 原案/小葉誠吾 著 ●『死亡推定時刻』 朔立木 ●『ぶたぶたのいる場所』 矢崎存美 ●『プレシャス・ライアー』 菅浩江
・講談社文庫
『新版 名探偵なんか怖くない』 西村京太郎――旧版は持ってますが、西村京太郎×綾辻行人対談も収録されてますし、迷わず購入。三億円事件の再現とクイーン、ポワロ、メグレ、明智の推理。謎解き物として傑作なんですが、それぞれの名探偵の登場作品のネタばらしがあるので注意が必要。 ●『コッペリア』 加納朋子 ●『虚空の逆マトリクス』 森博嗣――親本積読中。 ●『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』 はやみねかおる――黒猫荘16号室のSAMANAさんによる「小ネタ集」も収録されています。 ●『麿の酩酊事件簿 花に舞』 高田崇史 ●『それでも、警官は微笑う』 日明恩 ●『琵琶湖殺人事件 ハイパー有明14号『13時45分』の死角』 津村秀介 ●『乱歩賞作家 黒の謎』 鳴海章 桐野夏生 野沢尚 三浦明博 赤井三尋

『聖女の塔 建築探偵桜井京介の事件簿』 篠田真由美 (講談社ノベルス)

『別冊宝島1330 刑事コロンボ完全捜査記録』 監修 町田暁雄 (宝島社)――『別冊宝島973 刑事コロンボ完全事件ファイル』の増補改訂版。約50ページも増補ありの充実した内容。コロンボファン必携。

『フリースタイル』vol.5――「特集 久世さんのドラマ。」目当てで購入。全31ページの久世光彦特集。内容は、江口寿史×とり・みき『久世さんのドラマのような漫画が描きたい』/堤幸彦『ドラマの神様』/やまだないと『東京』/森本美由紀『悪魔のようなあいつ』/中島紳介『久世光彦が描きつづけたもの』/山本清多インタビュー/久世光彦テレビドラマ全仕事。

『ユリイカ 詩と批評』7月号――「特集*西原理恵子」目当てで購入。全169ページの西原理恵子特集。内容は……書ききれないのでこちらを参照。みうらじゅん、大月隆寛両氏とのそれぞれの対談が面白いです。
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344. 2006年07月09日 18時22分35秒  投稿:砂時計 
「ありがとう大地。ありがとう太陽。命をありがとう。いただきます」
こんにちは、砂時計です。
前回の書きこみからまた日が開いちゃいました。
その間に発売された『名探偵コナン』54巻。新刊発売の度にチェックしている、カバー折り返しの「青山剛昌の名探偵図鑑」。今回は島田潔でしたね。

加藤元浩『C.M.B. 森羅博物館の事件目録』[02](講談社コミックス)読了。
「青いビル」…加藤作品らしい推理パズル。
「呪いの面」…密室殺人物。「呪い」の正体は自分好みでした。
『Q.E.D.―証明終了―』とは違う作品のカラーが少し見えてきたかな。

加藤元浩『Q.E.D.―証明終了―』[24](講談社コミックス)読了。
「クリスマスイブイブ」…燈馬と加奈のバイト先のカラオケ店で起こった幾つかの小事件。それらを一挙に解決に導くサンタ・燈馬。そして、ハートウォーミングな結末。
ああ、こういう話は大好き。
「罪と罰」…どうも事件の状況に疑問があって、折角の試みがうまく決まっていない気が。
普段は燈馬の引き立て役にならざるを得ない水原警部の切れ者ぶりがたっぷり味わえたのは嬉しかったです。

■6/20〜7/8の購入本

『白亜館事件』 太田忠司 (徳間文庫)
『重力ピエロ』 伊坂幸太郎 (新潮文庫)
『白鳥殺人事件』 内田康夫 (祥伝社文庫)――例によって自作解説の自画自賛ぶりの愉快さに購入。
『グルジェフの残影』 小森健太朗 (文春文庫)
・創元推理文庫
『時計を忘れて森へいこう』 光原百合――親本積読中。 ●『ロンド』(上・下) 柄澤齊
・角川文庫
『ちぐはぐな部品』 星新一――旧版は持っているんですが(ホームズ物の傑作パロディ「シャーロック・ホームズの内幕」目当てで買ったんだっけ)、十年前の改版時のあとがきと今回の改版で新しく付いた解説で、もう一冊買ってもいいかな、と思い購入。 ●『日本以外全部沈没 パニック短篇集』 筒井康隆 ●『殺人の門』 東野圭吾 ●『失はれる物語』 乙一

『鮎川哲也コレクション 挑戦篇I 山荘の死』 鮎川哲也 (出版芸術社)
『溺れる人魚』 島田荘司 (原書房)
『乱鴉の島』 有栖川有栖 (新潮社)
『福家警部補の挨拶』 大倉崇裕 (東京創元社)
・論創海外ミステリ
『封印の島』 ピーター・ディキンスン ●『死の舞踏』 ヘレン・マクロイ

『吾輩は主婦である』(上) 宮藤官九郎 (角川書店)

『うつうつひでお日記』 吾妻ひでお (角川書店)

『DEATH NOTE OFFICIAL MOVIE GUIDE I』 (集英社)――出演者座談会や監督インタビューなどの映画関連のページよりも、A4サイズ&カラー完全再現の原作第一話と小畑健描き下ろしの「オリジナルキャラ・秋野詩織ポスター」に惹かれて購入。

『これがワタシたちの小説ベストセレクション70』 (マッグガーデン)――「乙女がトキメクオトコの小説をレビュー&イラストつきで70タイトルご紹介!!」(オビより)。ミステリーも結構取り上げられてます。

『この文庫がすごい!2006年版』 (宝島社)

『ジャーロ』夏号――「本格ミステリ大賞」全選評は、投票者それぞれの「本格ミステリ」観に触れることができて、相変わらず面白いです。
『本の窓』7月号――佐野洋「ミステリーとの半世紀」、今回は「生島治郎さんとのこと」。日本推理作家協会賞選考に関する不満から生島氏が協会の運営に非協力的になったいきさつが語られています。
『オール讀物』7月号――日本推理作家協会賞の選評目当てで購入。
『小説現代』7月号――江戸川乱歩賞の選評目当てで購入。
『小説新潮』7月号――伊坂幸太郎『終末のフール』が候補作となった山本周五郎賞の選評目当てで購入。
『ミステリマガジン』8月号――誌上討論「現代本格の行方」第6回は、有栖川有栖「赤い鳥の囀り」と羽住典子「「X」の貢献」。後者の、『容疑者Xの献身』のトリックを初歩的とする笠井や小森の論に対する反論部分には大いに同感。そして前者には、ただもう、シビレました。また『迷宮逍遥』のようなエッセイ・解説・評論集が出ることがあったら、是非収録して欲しいぞ、この文章。
『小説推理』8月号――泡坂妻夫の亜智一郎の恐慌シリーズ「吉備津の釜」掲載。このシリーズ、『小説宝石』に移ったものと思っていたんですが、光文社からまた双葉社に戻ってきたんでしょうか。
『ダ・ヴィンチ』8月号
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343. 2006年06月20日 00時05分48秒  投稿:砂時計 
「なに、初歩さ」
こんばんは、砂時計です。

『週刊少年ジャンプ』今週号の『こち亀』の30周年記念ページに、同作品の第一作(読切り)が掲載された号の表紙写真が載ってたんですが、その表紙には新連載の吉沢やすみ『べらんめえホームズ』の絵が。
おおっ、吉沢やすみのホームズ物のマンガは記憶にあったんですが、正式なタイトルも週刊だったか月刊だったかも定かではなかったのが、これで判明。
こちらのサイトで連載時期と回数を調べたら、『ど根性ガエル』連載終了の約一ヶ月後、1976年の29号から43号までの全十五回。短期集中連載だと思ってたんですが、打ち切りだったようですね。
自分の記憶では、名前はそのままシャーロック・ホームズで、しりとりで謎を解いていたような気がするんですが、どなたか覚えておいでの方はいらっしゃいますでしょうか。

■6/19の購入本

『ドラマ』7月号――第24回向田邦子賞を受賞した遊川和彦特集。ロング・インタビューと、『女王の教室』第1話・最終話のシナリオを掲載。
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342. 2006年06月18日 23時20分09秒  投稿:砂時計 
「情報満載じゃん!」
こんばんは、砂時計です。
今月の徳間文庫の新刊、太田忠司『白亜館事件』だけが、どこの本屋にもない〜。ネットで買うか……(実物を確かめて状態の良い本を選んで買うヤツなので、普段はネット購入はしないのです)。

映画『デスノート 前編』を観てきました。
Lがお菓子を食べ、ミサがお菓子を作る映画でした。

で終わってしまうのもアレなので、ちょこっと感想を書くと、ツッコミどころがいろいろあって、なんか安っぽい感じがして、始まってから全体の三分の二くらいまでは見てるのが苦痛で、クライマックスは「二時間ドラマかよ」と思って、でもそのあとの部分は結構好印象で、最終的にはそれなりに楽しめたかな、といったところ。
終盤の映画オリジナル展開は個人的にはアリでしたが、どう考えてもアンフェアな部分があって、あれは作品のキズだと思うなー。

L好きの自分にとっては、実写版のLが甘い物を食べまくるところがツボでした。
とりあえず後編も観に行こっと。

かい賊さま
いらっしゃいませ。

講談社漫画賞は昔っからあんまり好きじゃなかったりするんですが(サンデーのマンガが候補作になるけど結局はかませ犬かい、みたいなところとか、トンチンカンな選評が多いとか)、最近は現役バリバリのマンガ家が選考委員に加わってて、そんなに酷い選評はないようですね。

福本伸行氏の名前を出しましたが、実は『カイジ』しか読んだことないんですよ。いや、どうも麻雀がわかんなくて(なので『カイジ』もパチンコまで)。

『Q.E.D. −証明終了−』の実写化を夢想したこともありますが、MITを卒業した高校生なんて設定にリアリティ持たせるのは大変だろうなあ。

『少女には向かない職業』、かい賊さまのレスを期待しておりました(笑)。
自分が読むのは文庫化されてからになると思うので、ネットドラマはどうしたものか(ま、その頃にはDVD化されてる可能性もなきにしも……)。
ホリスカ娘て(笑)。
それはそうと、光原百合『時計を忘れて森へいこう』の文庫版、27日発売ですね。

書きこみ、どうもありがとうございました。

■6/17の購入本

『仔羊の巣』 坂木司 (創元推理文庫)

『IN★POCKET』6月号
『本の雑誌』7月号
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341. 2006年06月18日 00時24分38秒  投稿:かい賊 
こんばんは。089かい賊です。

>第30回講談社漫画賞
相手が悪かったすね「エア・ギア」とは。メディアミックスには勝てまへん。
ヴィジュアルVS総合力のストーリーテリング、という興味深い対決でしたが。

>福本伸行氏の次の言葉
「カイジ」「天」「金と銀」のあんさんにそない言われてもなあ……

いやいや、ほんとよくできていますよ。漫画なのがもったいない(!?)くらいです。

>『少女には向かない職業』がネットドラマ化
ひぃ、単行本で積み本なんてバチあたりなことしてるとこんな目に。しかも緑友利恵って、
たしか…、やっぱしホリスカ娘(マイ造語)だし。そうか、全十話っつうことはあと1ヶ月
ぐらいはもちそうですね。それまでにはなんとか…。

大きな独り言、失礼しました。ではまた〜
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340. 2006年06月15日 23時37分51秒  投稿:砂時計 
「ここ一階?」
こんばんは、砂時計です。

『週刊少年マガジン』今週号に第30回講談社漫画賞の発表が載っていました。
授賞の行方はどうでも良かったんですが、七人の選考委員中四人が少年部門の候補作になっていた加藤元浩『Q.E.D. −証明終了−』について触れていて、いずれも好意的な評価。特に福本伸行氏の次の言葉が嬉しかったです。

「(略)「Q.E.D.」も素晴らしい作品。あんなに次々、アイデア、出せません。構成力も秀逸。脱帽です」

自身も思考の面白さで勝負する作品を手がけているだけに、その難しさがよく理解できるんだろうなあ、と思いました。

話は変わって、今月の講談社文庫の新刊で出た飯田譲治『NIGHT HEAD 1』『NIGHT HEAD 2』。「1」のほうには解説があってテレビドラマについての説明もあるんですが、そのドラマ版の原型となった、『世にも奇妙な物語』の「常識酒場」と「トラブルカフェ」についても触れてほしかったところです。

■6/15の購入本

『MORI LOG ACADEMY 2』 森博嗣 (メディアファクトリー)――ブログ日記のオリジナル文庫化第二弾。
・双葉文庫
『日本推理作家協会受賞作全集67 龍は眠る』 宮部みゆき――新潮文庫版積読中。 ●『日本推理作家協会受賞作全集68 時計館の殺人』 綾辻行人――権田萬治解説は『十角館の殺人』から『時計館の殺人』までの五作を読んでから目を通したほうがいいかも。 ●『日本推理作家協会受賞作全集69 北米探偵小説論』 野崎六助 ●『1985年の奇跡』 五十嵐貴久
・講談社文庫
『文庫版 今昔続百鬼―雲』 京極夏彦――親本積読中。 ●『十津川温泉殺人事件』 吉村達也――「温泉」シリーズには手を出さないことにしてたんですが、死体切断物のようなので購入(好きなのです)。 ●『乱歩賞作家 白の謎』 鳥羽亮 中嶋博行 福井晴敏 首藤瓜於 ●『悪魔と詐欺師 薬屋探偵妖綺談』 高里椎奈
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338. 2006年06月14日 00時30分09秒  投稿:砂時計 
「教師は教育の現場にいるんです。教師は教育の現場にいるんです」
こんばんは、砂時計です。

宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』について、スニーカー文庫版は漢字をかなに開いている箇所が多いんだったかな……と書きましたが、本屋に寄った時に確かめてみたら、振り仮名が多いということでした。訂正。

■6/13の購入本

・光文社文庫
『破戒裁判 新装版』 高木彬光――表題作の他に、百谷弁護士シリーズ唯一の短編「遺言書」と、「丸正告発裁判」の特別弁護人になった経緯を語ったエッセイを収録。 ●『猫は引っ越しで顔あらう 猫探偵 正太郎の冒険(4)』 柴田よしき ●『ホームズ対フロイト』 キース・オートリー ●『白髪鬼 新装版』 岡本綺堂 ●『名探偵、大行進! シリーズ・キャラクター総登場短編集2』 赤川次郎――著者のシリーズ・キャラクター物の短編を三冊に分けて網羅する企画の第二弾。今回は〈大貫警部〉〈マザコン刑事〉〈三姉妹探偵団〉〈花嫁〉〈こちら、団地探偵局〉〈華麗なる探偵たち〉の各シリーズの短編を収録。 ●『殺人のスポットライト』 森村誠一
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337. 2006年06月12日 21時12分42秒  投稿:砂時計 
「ロプロスは空を、ポセイドンは海を、ロデムは2時をお知らせします」
こんばんは、砂時計です。

SAMANAさまへのレスで書き漏らしたことがあったので追記。
映画『嫌われ松子の一生』のBONNIE PINKは良かったんですが、ただし出番は短いです。ほとんど「LOVE IS BUBBLE」の間だけ、という感じで。
一応書いておかないと、それを目当てにご覧になった場合「これだけかい!」ということになりそうですので。

さて、パソコンテレビ GyaOで桜庭一樹『少女には向かない職業』がネットドラマ化されてるんですね。
自分は原作未読なんですが、お読みになった方が観たら、どんな感想を持たれるんでしょうか。
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