黒猫荘
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THE TELL-TALE HUT
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オーナー:庵本譚 
WELCOME TO “THE TELL−TALE HUT”
オーナーは庵本譚です

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115. 2005年01月24日 22時16分16秒  投稿:愛猫鉄人 
皆様

いろいろご推薦頂きありがとうございます。最近古本屋へ行っても今一つ欲しい本が
無く、行きたいと言う気にもならなかったので、ちょっとは励みになるかもしれません。
取り敢えず100円縛りで探してみます。

>B&Wさま

「高校殺人事件」はおもしろかった記憶があります。ジュブナイルと言っても高学年以上向けだった様な印象でした。
[219.55.0.41][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)]

114. 2005年01月23日 22時56分31秒  投稿:B&W 
庵主様

 先日の集合住宅の書き込みでは失礼をいたしました。確かに昔、この黒猫荘に間借りしていたことがあります。

 初期の松本清張の「推理小説」ではアリバイ崩しが多用されますゆえ、世界最高のアリバイ崩し作家、鮎川哲也と比較されてしまうのは仕方がないと思います。

 当方、清張はあまり読んではおりませぬが、ジュブナイル好きといたしましては「高校殺人事件」も捨てがたいです。
 アリバイといえばビックリしたのが「樽」の新訳。久しぶりに読み返してみようかな、という気になっております。

 ではでは。
[220.145.239.214][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1)]

113. 2005年01月23日 12時25分31秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。

では小出しに復旧していきます(泣)

この4日間で、買った雑誌は
「本の雑誌 2004年2月号」(本の雑誌社)
業の深いコレクターさんたちの自慢のコレクションが紹介されています。
「彩古コレクション」に出てくる本は一冊も持っておりません。
ここまでレベルが違うと笑ってみていられます。
日下三蔵の「穴あき本」にはビックリ。
なるほど、そういう収集ジャンルがあったのかあ!
まあ、あの方の場合「穴があいていない本」の収集も只事じゃないですが。

買った新刊本は、
「聖なる怪物」DEウェストレイク(文春文庫)
能書きは感想に譲りますが、この本を買った時に、レジに積んであった
「ローレライ」完全ガイドブックなるチラシを一枚貰ってきました。
マニア的には、フィギュア付き4巻本よりも、こういう紙屑系が狙い目。
フィギュアはどの程度の大きさなのか判りませんが、
希望を言わせていただければ、ヤシの実を半分に割った中に浮かぶぐらい
でどうでしょうね?

買った古本は、
「蜜の森の凍える女神 」関田涙(講談社ノベルズ)
「新たな旅立ち」リンゼイ・デイヴィス(光文社文庫)
d「最高の悪運」DEウエストレイク(早川ミステリアスプレス文庫)
d「夜のフロスト」RDウィングフィールド(創元推理文庫)
「不運な死体」多岐川恭(光風社出版:帯)
いずれも百五円均一。
ダブリは、所持本がどこにあるのか判らないので、読むために買ったもの。
嬉しいのは多岐川恭ミステリーランドの第4巻。
これまで、なぜか縁がなかった本。
やっとこれで4巻揃いました。それも百五円で帯付き。
申し分ございません。
申し訳ございません。

届いた同人誌は
「COLUMBO! COLUMBO! VOL.1」
かの「刑事コロンボ読本」を編んだ町田暁雄さんが、コロンビーな仲間と
一緒に作った同人誌。冬コミケに出品されたらしいです。
書痴的には、デ・パルマが撮る筈だった没シナリオから大倉崇裕が
ノヴェライズした「クエンティン・リーの遺言」(3回連載)が目玉商品
なのでしょうが、エッセイの方も充実。主宰者が満を持してABC版の
新シリーズを紹介する「新・刑事コロンボ読本」、EQMMに投稿された
若き日のリンクとレビンソンの作品についてのあれこれ、イラストで綴る
ドッグ考、犯人役者のサイン収集道、最初のコロンボ俳優、日本での大ヒットの
蔭の立役者であるプロデューサー左近充洋インタビュー、意外な「翻訳者」の
正体が推理されるノヴェライズ考などなど、これは「買い」でしょう。
ただ、クロケンのパロディは寒すぎます。
「古本なのにサラ・ブックス」よりも寒いです。
「車を蹴飛ばし、プジョー暴行」ぐらいかな?うん。
オマケのコメントが素晴らしいだけに、残念です。


読んだ本は
「骨まで盗んで」DEウェストレイク(ハヤカワミステリ文庫)
「五色の雲」RVフーリック(ポケミス)
「敵手」ディック・フランシス(早川書房)
「聖なる怪物」DEウェストレイク(文春文庫)


「骨まで盗んで」DEウェストレイク(ハヤカワミステリ文庫)
ドードマンダーシリーズの第8作。
ウエストレイク版の「聖女の遺骨もとむ」ですが、この聖女の設定からして
不敬極まりない内容。骨自体はニック・ヴェルヴェットの標的並みに
価値がなさそうですが、分裂した国家の正統性を示すものとして、国連
加盟の切り札となると話は別。
極貧国相手にクールに決めるつもりが、人情故のディスカウントを迫られ、
更には、計画の思わぬ綻びにより、哀れドードマンダーはひとり囚われの身と
なってこの地球のいずことも知れぬ山奥に幽閉されてしまうのでありました。
軽快な語りのうちに聖女の遺骨をめぐるドタバタの争奪戦が繰り広げられますが
「ホット・ロック」のようなエスカレーションの美学には欠け、
前半部分と後半部分で分断された印象を受けます。
この書を「一編」の流れに織り上げているのは「国家」という「喜劇装置」の
存在。最後の最後にオマケのツイストまで加えて、ドードマンダーの失敗と
復讐のドラマを騙り尽します。この長さが必要かどうかは
「聞かないでくれ」って感じでしょうか?

「五色の雲」RVフーリック(ポケミス)
ディー判事の短篇集。ミステリ的には2分間推理パズル並みの内容ですが、
当時の時代風俗の中で展開されると、それぞれにインパクトのある読み物に
仕上がっていて、中国4千年の時代の厚みというか、オランダ人侮り難しと
いうか、いろいろと頭がさがる作品集です。これらのアイデアを転がし、
3つずつまとめて一つの長編にしていく、という形だったのかな?などと
今更ながら解析したりしております。一番の好みは、ディー判事が元帥を向こうに、
二つの中傷事件を解決してみせる「西沙の棺」。部下二人が活躍して、
このまま判事の出番がないかと思わせる「すりかえ」もよく出来ていました。

とりあえず、感想ここまで。
[211.14.59.88][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

112. 2005年01月23日 09時57分33秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です
家人が風呂暖房を入れた途端にブレーカーが飛び
2時間かけて書いていた内容が吹っ飛びました。
しくしくしくしく

とりあえず、
レスのみ

たっくんさん

いらっしゃいませ。はじめまして。
清張本格作品のオススメありがとうございました。
「十万分の一の偶然」「高台の家」は読んだ筈ですが
「渦」「梅雨と西洋風呂」あたりと勘違いしているかもしれません。
これでは読んだといえませんですね。
「喪失の儀礼」「黒の回廊」は自信をもって未読です。
これは是非読んでみたいです。
「喪失の儀礼」は2ちゃんねるの清張板でも好評のようですね。
全集月報連載の「黒の回廊」、清張版の「観光団殺人事件」という噂
なので、非売品をブックオフで捕獲してあったのですが、さて、
どこへいったのやら。

清張と鮎哲を比べるのは、マツモトキヨシデパートのレコード売り場と
クラシックレコード専門店「AYU」を比べるようなものかもしれませんね。

なんでも揃う!スーパー宮部
アルバイト歓迎!大沢興信所
古本の京極堂(>まんまやん)
人形とゲームの店、アビコ玩具店
家のことなら綾辻不動産、
実践で実力アップ!笠井専門学校
本物そのまま!大藪モデルガン
深情けでお待ちする、小料理「志摩」
ホラーもギャグも冷たいぞー、二階堂冷蔵

お、なんぼでも、できちゃうぞ、探偵横丁名店街
(>とネタを振っておきます:笑)

よつやさん

「時間の習俗」にアンフェア表現があったのですか?
なにせ、読んだのが30年近く前の数をこなしていた頃なので
なんにも覚えておりません。
地の文で偽証拠を保証してしまうような書きぶりなのでしょうか?

「ゼロの焦点」は、なるほどいわれてみれば
はてなおじさんマークというよりも、黒猫マークですね。
アイリッシュを日本の風俗(当時)の中でやるとああなったのかも。
アリバイ・トリックも「今となっては」ですしねえ。

「若妻」という表現にはそそられます。
「若妻の密室」
「若妻のアリバイくずし」
「トライアル&若妻」
「若妻探偵の秘密調査ファイル」
などと書くと猫は猫でもフランス書院の赤猫マークっぽくて。

津村作品は翻案された火曜サスペンスの「女弁護士・高林鮎子」で相当数を
観てしまっているので、改めて本を読む気になれず、ごく初期作しか
読めていません。「保津峡殺人事件」も未読です。
ブックオフで遭遇したら確保しておきます。

とりあえず、すべての若妻サスペンスの原点は「幻の女」である、
というのを本項の結論とさせていただきます。(>唐突過ぎ)

書込みありがとうございました。
[211.14.59.88][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

111. 2005年01月22日 11時30分29秒  投稿:たっくん 
 [http://homepage1.nifty.com/kobayasi/]
 初めまして。どうもお邪魔します。いわいさんの掲示板で話題になっていたのでやってまいりました。

 私はといえば松本清張のミステリー物はほぼ全て読んでます。が内容はほとんど覚えてなくて、本も大部分処分してしまったため、まともなコメントができそうにありません。とはいっても二言三言ばかり。

 松本清張の面白さは鮎川哲也の面白さとは全く異なりますので、同列で扱うのはどんなものかなぁと思います。

 『点と線』、『時間の習俗』、『ゼロの焦点』以外で良かった作品と言うと……内容をほとんど覚えてないのに作品名を挙げるのはいかがなものかとは思いつつ、『十万分の一の偶然』、『高台の家』、『黒の回廊』、『喪失の儀礼』あたりを挙げさせていただきます。

[211.133.55.163][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)]

110. 2005年01月21日 21時12分21秒  投稿:よつや 
36号室よつやです。

こちらもそれほど清張作品を読んだわけではないのですが、
『時間の習俗』はアンフェアと思える記述があったことが記憶にあります。
当時は鮎川作品を立て続けに堪能した直後に読んだため、
このような記述は鮎川哲也ならしないだろう、と思ったのでしょう。

でも、本格作品としては充分面白く読めました。
『点と線』や『眼の壁』よりは好きな作品です。

『ゼロの焦点』は若妻が失踪した夫の足跡を捜すというストーリーのため、
あんまり本格というようなイメージを持たずに読みました。
よく鮎川某作品と並べられたりする小説ですが、
津村秀介の『保津峡殺人事件』のもとねたのような気がします。
(というより、これが若妻モノの先駆作品なんでしょうか)

密かに津村秀介、深谷忠記、草川隆のファンなもので、つい話が脇へそれました。

庵主さま、横レス失礼いたしました。
[220.145.80.4][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.17; Mac_PowerPC)]

109. 2005年01月21日 06時49分04秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。

愛猫鉄人様

日記の体裁に整えるのが面倒だから掲示板形式のこちらで
お店を開いているのに、本末転倒だよなあ、と思い直したわけです。
ともさんがblogで復活されているのとはココロザシが違います。

清張で本格ですか?
「点と線」「時間の習俗」「ゼロの焦点」の3初期作が
なんといっても里程標的作品であると思いますが、
確かに鮎哲を極めた愛猫さんからみれば食い足りないでしょうねえ。
私も余り清張を読んだわけではありませんが、
本格テイストということであれば、
長編では「ガラスの城」が面白かったです。
短篇集では「巨人の磯」がオススメ。
まあ、期待値を下げてトライしてみてください。
前者は、中町信よりも面白く
後者は、森村誠一よりもイケてます

ここをROMされていらっしゃる皆様はいかがでしょうか?
松本清張の本格推理でオススメがあれば御教授ください。>ALL

ちょっと仕事が煮詰まっているので、
今日はレスのみで失礼いたします。
[211.14.59.88][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

108. 2005年01月20日 22時14分37秒  投稿:愛猫鉄人 
庵主様

最近調子が戻って来ましたね。もう完全復活かな。
デザイン、一時は「そのままやん!」と思いましたが、さすがに
そこまではやりませんでしたか。

しかし、清張ネタとは意外でした。
私は自身はどうも中学生の頃「点と線」が期待はずれ(アリバイ崩しに
期待しすぎた)だったせいか清張作品とは今一つ相性が合いません。
ネタになった本も2冊は読んだはずですが、何も覚えてないですね。
社会人になったので、今読んでみればちょっと違った感想を持つかも
しれません。
本格好きにオススメの清張作品って有ります?
人狼とか密室とかは無さそうでしょうから、トリックや意外性が有るのが
良いです。



[219.55.0.41][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)]

107. 2005年01月19日 07時18分34秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
思い付いたので書いておきます。
「しまったあ、同じタイトルの松本清張を買ってしまったあ!」
「dの複合」
「いつものことなので、つい」
「持続の習慣」
「でも、テレビ化帯が珍しいかも」
「げてものみち」
「いや、毎日に反省はしてるんですよ」
「かるいやつら」

ダラダラ残業。買った古本は
「ロード トゥ パーディション」マックス・A・コリンズ(新潮文庫)100円
「ウインド・トーカーズ」マックス・A・コリンズ(新潮文庫)100円
「ふたりジャネット」テリー・ビッスン(河出書房:帯)850円
百均で何かと話題のコリンズのノベライズと、奇想コレクションの3冊目。
そうかあ、テリー・ビッスンを処分する人がいらっしゃるんだなあ。
買った新刊は、
「最後の一壜」スタンリイ・エリン(ポケミス:帯)
「五色の雲」RVフーリック(ポケミス:帯)
遂に出た!エリンの第三短篇集!!光文社と取りありになるかもしれないと
思ったけれど、結局納まるところに納まりましたですねえ。
しかし、時ならぬ異色作家短篇集ブームがなければ、さらに先延ばしされていた
のではなかろうかと小一時間。
フーリックは年末発売の筈が半月遅れました。
あとがきが、年の瀬を意識したものだったので、少し旬を外してしまったかも。
いや、中国は旧正月だから、逆にこれで正解かな。
それでわざと、1ヶ月遅らせたとすると、粋なはからいですな。
>まさかね?早川書房に限って。

読み終わった本は迫光「シルヴィウス・サークル」(東京創元社)。
「建築屍材」と鮎川賞を争った作品だそうです。
ペンネームが格好いいです。二文字で姓名といえば麗羅ぐらいかな?
1930年代の銀座・浅草や山の手、伊豆半島の保養地を舞台にした技巧作で、
いかにも鮎川賞応募作らしく、三重の不可能犯罪を盛り込んだ贅沢なお話でした。
轟音の中、「さかしまの娘」が回りながら昇天する時、九曜の女の因縁は降臨する。
巨大な円筒の中から消え失せる兇器、衆人環視の岬で滅びる命、
シルヴィウスに当たる光が見せた、至福という名の煉獄。
退廃の中で、人は愛に惑い、恋に殉じる。科学の夢はそこにある。
30年代のデカダンなムードと奇矯なキャラクター群、小技を積み重ねた
不可能トリック、飄々とした「ホームズ」と「ワトソン」など、
意欲作であることは誰しもが認めるところでしょう。
惜しむらくは、ストーリー構成力。仮に作者がこの書の解説を書いている
皆川博子だったら、同じネタで絢爛な一大伽藍を構築したことでしょう。
饒舌を楽しむべき設定であるにも関わらず、作者が淡々と語るために
勿体無いオバケを押えるのに必死になりました。うーん、惜しい。
中身は、面白かったです。「科学ネタ」の「らしさ」とそれ自体に
もう一捻りあれば、さらに完成度は上がったでしょう。
いずれにしても、この不思議感覚は、貴重であります。

そんなところです。
[211.14.59.191][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

106. 2005年01月18日 12時53分19秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
ビクトリア・ホルトのJudas Kissの邦題ですが
「偽りの口づけ」でした。
お詫びして訂正します
[202.228.229.76][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322)]

105. 2005年01月18日 06時12分12秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
手間がかかるので日記スタイルは、やめました。

米丸さんの「翻訳道楽」001〜006が届きました。
ROMコンベンションでお披露目のあった私家版の短篇翻訳・集です。
10年留保で著作権フリーになっている短篇を発掘して一日数ページ
ずつ翻訳してしまえという企画で、その綺羅星の如きラインナップに
ROMのつわものどもも溜め息を漏らしたものです。
第一回配本(?)はレックス・スタウトの「デーモンの死」に
ベイリーのフォーチュン氏もの5編。
HMMとジャーロにほぼ独占されてきた「翻訳短篇推理」の窓を
こじ開ける試みとして大いに期待しております。
勿論、コスト・パフォーマンスは商業誌の方が上ですし、
希少性という点でも「コピー誌に絶版なし」なのですが、
同人誌だと、つい財布の紐が緩んでしまいます。
「コミケ効果」とでもいうべきでしょうか、自分もねっからの
同人誌野郎なので、応援したくなるのであります。
「翻訳道楽」というネーミングも秀逸。
これを越えるのは「翻訳極道」しかないぞ、って感じ。

米丸さんがオヤジ的アマチュアの楽しみの伝道者ならば、
フーダニット翻訳倶楽部はプロの翻訳家を目差す(あるいは「である」)
女性陣のサロンの趣。
メールマガジン「海外ミステリ通信」の最新号はフーダニット翻訳倶楽部の
選ぶ昨年の翻訳推理ベスト10とその選評座談会。
ベスト3はともかく、4位以下に巷のベスト10とは一味違った作品が
ランクインしているので、趣味の窓を広げるのに適しています。
個人的には、巷のベストで話題にならなかった「貧者の晩餐会」の高評価が嬉しいです。

買った古本は、
「富士山の身代金」藤山健二(新潮社:帯)
「鷲は舞い下りた(完全版)」ジャック・ヒギンズ(早川書房)
「鷲は飛び立った」ジャック・ヒギンズ(早川書房:帯)
「邪悪の貌(上・下)」ウィリアム・ディール(徳間文庫)

「富士山の身代金」は93年の日本サスペンス大賞候補作。
島田荘司の帯の煽りに騙されてみました。
ジャック・ヒギンズの2作は、今年の課題本とその続編。
実は、ジャーロ最新号で特集されているオールタイムベスト100で、
未読本が10冊以上あるものですから、今年の読まず嫌い矯正は
そのあたりを責めてみようかな、と思っています。
(このオールタイムベスト、ベスト10にも未読があったのが、
ショックだったのでありました。)
ディールの上下巻は、サイコ・リーガルサスペンスの怪作「真実の行方」の続編。
なんとなく買いそびれていたので捕獲してみました。
オール百円均一です。

読了本は
「さらば長き眠り」原りょう(早川書房)
「拳銃片手に流れ者」城戸禮(春陽文庫)
前者は、旧・沢崎シリーズの第3長編で、一応の完結編。
どこが「一応」かというと、新シリーズが出たから。
どこか「完結編」かというと、ネタばれになるのでパス。
名探偵の帰還。400日ぶりに渡辺探偵事務所に戻ってきた沢崎を待ち受けていたのは
律義な浮浪者だった。そして、沢崎の「空き家事件」は、依頼人探しで幕を開ける。
仕組まれた八百長疑惑、その渦中で自ら命を絶った娘、
鉄壁と思われた「自殺」の目撃証言は、沢崎の捜査が進むにつれ、危うさを増していく。
捏造された過去、偽りの今、小さな疑惑が、長き眠りの醒ますとき、
ああ栄冠は、消えにけり。
新シリーズも多重プロットが凄いと思いましたが、やはりこの「完結編」のもつ
ケレン味はシリーズ最高の出来映えでしょう。
一見、チャンドラーの地口に見える題名も、読み終わってみれば「これしかない」と
大きく納得すること請け合いです。
いみじくも作中人物が漏らす「小さな石の置かれた場所がおかしいからそれを
動かそうとして、大きな土砂崩れを起してしまった馬鹿な男」という述懐が
事件の全てを表しています。
なるほど、これだけの話を書いてしまうと、次が書きにくくなるわけです。
傑作。

もう1冊の疑似渡り鳥は、小林旭&宍戸錠の世界を更にオバカにした
いつもながらの城戸禮節炸裂、という以外に語るべき内容はございません。
いや、ホントにないんだってば。
げ、げえ。
あ、あんたが、ルガーの竜さんだってのかあ、
ガッガッ、ぐ、ぐええ。

とりあえずそんなところです。
[211.14.59.211][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

104. 2005年01月16日 13時45分34秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]

庵主です。

愛猫鉄人様

毎度ありがとうございます。

>絶好調
絶版本好事家調査会?
と返すと「ネタバレ」?

原りょうを読んでいると「藍より青し」という
言葉が身に沁みて分かります。
プレイバック、沢崎!


よつや様

お運び頂き、またご高評を頂戴し、ありがとうございます。
楽しんで頂けて幸いです。
どこぞのビョーキの別人さんも
草葉の蔭で見守っていてくださることでしょう(>殺すな、殺すな)

受けたのでもう少し「闇の衣」モードで続けてみますね。

2005年1月15日(土)

◆朝から氷雨模様につき、家事に勤しむ。じゃあ、何も買い物ができないかというと、
そんなことはない。ネットに繋がったパソコンがあれば、なんぼでも買い物は出来てしまうのであった。
家人は先日から映画「プリンセス・ブライド・ストーリー」を観たいらしいのだが、最寄りのTSUTAYAでは扱われていなかった模様。
ならば、少しは役に立つところをみせてやろう、とネットで検索してみる。
「マジック」やら「マラソンマン」を世に問うた才人ウィリアム・ゴールドマンの作品なので、ワタクシ的にも探究心が湧いてきたという事もある。
結果、レンタル落ちVHSなら500円が相場という事が判明。情けない事に送料の方が高くなる由。
ふうむ。
ところで「プリンセス・ブライド・ストーリー」で検索を掛けると、
映画ソフトに、サントラ盤のCD、更に映画パンフレットがヒットした。
映画というのは一粒で何度も美味しい構造になっているんだねえ。
更にこの作品、一昨年DVD化されており、4000円も出せばAmazonで買えてしまうのである。
次世代DVDの時代になったらなったで、またぞろ再リリースされるのかな?
このハリウッドのしたたかさに比べれば、ポケミス名画座と称して、翻訳権料なしで昔の名画の原作を上梓しては口に糊している早川書房なんぞ、可愛いものであると感じてしまうのである。


◆「追いつめる」生島治郎(中央公論社)読了



元日本版EQMM編集長にして小泉喜美子を袖にした男・小泉太郎の出世作。
これと「黄土の奔流」を読まずして日本のハードボイルドや冒険小説は語れない、
というわけで、今更ながらこの第57回直木賞受賞作を手にとってみました。
元版はカッパノベルズだそうで(これは「黄土の奔流」も同じ)「ノベルズ作家」
という昨今の蔑称は、昭和40年代初頭には通用し得なかったわけであります。

わたし、志田司郎は、元兵庫県警の刑事部長。暴力団の企業舎弟を追う最中、
同僚の刑事を誤射し半身不随の身にしてしまう。その責を取って警察を退職、
スキャンダルを嫌う義父の企みで妻子とも離縁した。だが、それは終わりではない。
猟犬の血を滾らせ、巨悪の喉笛に食らいつくまで、わたしの追跡に終わりはないのである。

日本ハードボイルドの原点という持ち上げられ方をする作品ですけれども、実のところは
暴力団情報小説の色合いも濃厚です。「ハードボイルド」と呼ぶには、この作品の主人公
志田は内面を語り過ぎるような気がします。この辺は、作者なりのリアリティー追求の結果なのかもしれませんが、卑しい神戸の裏町を只管標準語で押し通す不自然さの方をなんとかしてくれ、といいたくなってしまいます。おまけに、この男、一匹狼を気取る割りには、随分と組織の力を利用します(組織に利用されている、ともいえますが)。
まあ、よくも悪くも「非情のライセンス」。
別にこの作品を読まなくても日本のハードボイルドは語れるような気がしました。


2005年1月14日(金)

◆神保町タッチ&ゴー。小宮山書店のガレージセールを眺めていたら「だいぶん抄訳文書」の
リーダーズ・ダイジェストの小説集が20冊ばかり並んでいた。念のため見慣れないタイトルに
チェックを入れていたら、(おそらくは)未入手のビクトリア・ホルトを発見。
「裏切りのくちづけ」ビクトリア・ホルト
原題は”The Judas Kiss”。こういうのは国会図書館で検索してもヒットしないんだよなあ。
で、皆様も御存知のように小宮山のガレージセールは「1冊でも500円、2冊でも500円、3冊でも500円」が掟である。
ここは意地でもあと2冊拾う必要があるではないか。
俄かに、ぼんやりモードから探索モードに切り替えて、棚を漁り始める。
2冊目は2分ほどで決定。
d「ザ・クライム」山野浩一(冬樹社:初版・帯)
自分では安くでしか拾ったことのない本だが、まあ、まともにいけば千円強の古書価はつく作品集だ。
それも帯付きだ。実は帯をみたのは初めてである。
よしっ、これでモトはとったぞ(>何のモトだ?)
残る1冊で悶々と悩む。未所持とはいえ生島治郎や夏樹静子や連城三紀彦をわざわざハードカバーで買って場所を取られるのも業腹だよなあ、などと十数分を無駄に過ごした挙句、決断したのはこれ。
「ドールズ 闇から招く声」高橋克彦(角川書店:帯)
ううむ、ドールズって3作目が出ていたんですね。それも長編。知らなかったあ。
(>もう、4年も前だぞお)
というわけで既に文庫落ちしている(らしい)けれども、知らずにスルーしていたこの本で3冊目。
しめて計500円!

こんなところで、勘弁してください。

◆「覚醒するアダム」デヴィッド・アンブローズ(角川文庫)読了



昨年「幻のハリウッド」「迷宮の暗殺者」でその存在を今更にして知った作者の
翻訳第2作。原題は「Superstition」。直訳すれば「迷信」。これは邦題の方が
断然格好いいです。「幽霊」対「科学」を正面から描くとマシスンの「地獄の家」
あたりのお話になるのでしょうが、これは「科学」で生み出した筈の「虚構」の
暴走とそれに翻弄される人々の有り様を描いたモダンホラーの快作です。

エセ心霊術師夫婦の告発で成功を収めた女性記者ジョアンナと、物理学者にして
心理学者にして超自然現象研究者のサムとの出会いは、新たな「実験」への
扉を開く。その実験とは「幽霊」を科学的に創り出すこと。幽霊の名はアダム。
「18世紀のアメリカに生まれ数奇な運命を辿り、フランス革命の中で命を
散らした」という歴史を与えられた架空の存在。
だが、虚構が覚醒した時、実験の成功を祝する歓喜は恐怖に、歓声は悲鳴へと転じていく。扉を叩く夢、墓場での出会い、カリオストロの伝説、そして弔鐘を鳴らす生きる喜び。

どこへ話が転がっていくのか、全く見当のつなかいノンストップ・ホラー。
メタ小説的な色彩は飽くまで「効果」に留め、古典的ともいえる幽霊譚の小道具やシチュエーションで新しい恐怖の地平を拓く事に成功しています。ただ、ジョナサン・キャロルのような通好みのダークさはなく、理詰めのリズムでクライマックスにもっていくのがこの作者の持ち味。そしてハリウッドホラーのお約束である、ラスト・シーンの「ショック!」。見事なオチの付け方で、この物語には捨てるところがない事を証明してみせます。これは第1作の「そして人類は沈黙する」も早く読まねば!


2005年1月13日(木)

◆朝一番でMYSCONの主宰者だった某著名サイトの管理人さんから「お詫びメール」が届く。
「なんだ、なんだ、なんなんだ?」と思って中身を読むと、昨年末の文士バーの会合で、
格安にてお譲りした山中峯太郎の本を、誤って某著名ネット古書店に処分してしまったんだそうな。
丁度その会合で、私が某著名ネット古書店に売り払った山風本をその著名管理人さんが
それと知らずに買った話が出て「けだし、古本は天下のまわりものですのう」と呵呵大笑していたのだが、期せずして今度は逆回りで本が流れた模様。
さあ、幾らの値がつくのか、「東亜旋風秘録」!
刮目して待て、古本青年諸君
◆うだうだ残業につきまっすぐ帰宅。悪魔の機械はミステリーチャンネルの「黒と青」と
「第一容疑者(前編)」を録画している。それにしてもポケミスで500頁超の大作が
2時間ドラマに収まるのであろうか?第一容疑者なんか、文庫で400頁弱が2時間
前後編の4時間がかりだというのに。どう考えても、エピソードを大きく刈り込んで
いるとしか思えない。それを確認するためだけに視聴するというのもなあ。そんな暇が
あったら読み残しの「蹲る骨」と「滝」を読まなきゃなあ。でも、分厚いんだよなあ。
まだ、コンテナルームに入れっぱなしなんだよなあ。ぶつぶつぶつ。
かたや「第一容疑者」の第1エピソードは何故かこれまで縁がなくて録画できていない
作品だったので、今回こそは捕獲するのだ、とココロに決めている。その実、
このシリーズで唯一観ているのがこの話というところが、積録主義者の積録主義者たる所以だったり
するのだが。


◆「QED−鬼の城伝説」高田崇史(講談社ノベルズ)読了



日本史に封印された怨念と呪を現代の殺人譚と絡めて解法するタタル説話もこれで9作目。このシリーズ、ここ2年はNHKの大河ドラマを少しずつ先取りする形になっているので、ひょっとして来年の大河ドラマは「桃太郎」だったりして。(>んなわけはない)まあ、前作「鎌倉の闇」は「義経」っちゅうよりも「北条時宗」ちゅう噂もありますか。

二代の当主の死を予告した「鳴釜」の伝説は、三度甦る。
密室状態の土蔵で首を切断された死体となって発見された鬼野辺家の長男。だが、それは、鬼野辺を襲う惨劇の序章に過ぎなかった。温羅伝説を追って、岡山に繰り込んだ、御存知QED一行を待ち受ける怨のDNA。桃太郎伝説に塗り込められた簒奪と殲滅の歴史が行き止まる闇の奥。扉は決して中からは開かない。

「吉備津の釜」といえば日影丈吉、「鳴釜」といえば京極夏彦ですが、タタル版鳴釜もなかなかのものであります。今回は、首切り死体に密室にダイイングメッセージとミステリのコードもたっぷり盛り込んでの1作。
一方「日本書紀」による歪曲と捏造の日本史を解き明かすという流れは、「式の密室」「竹取伝説」あたりが頂点で、この第9作では新味がなくなってきました。以前の騙り遺した宿題を果たすというレベルの熱の入り方でしょうか。
それにしても、このシリーズを読んでいると素直に子供に童話を語れなくなりますねえ。確かにどう考えても鬼は悪くないですもんねえ。


とりあえずそんなところです。
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103. 2005年01月14日 23時59分14秒  投稿:愛猫鉄人 
絶好調ですね。
ふふふ。模様変えですか。
書きたいことはたくさん有りますが、何を書いても「ネタバレ」になりそう
なので止めときます(笑)

原りょうは私も好きだったので、新作は新刊で買ってみよう(珍しく)
かなと思っております。


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102. 2005年01月14日 21時11分38秒  投稿:よつや 
36号室、よつやです。唐突にお邪魔いたします。

黒のページ、dのダブリマーク、そして古本買いの楽しい雰囲気、
私がずっと楽しみにしていた、とあるサイトを思い浮かべました。
(そのサイトの方に私の36号室を紹介していただいたのですが、
それを知った時にはページの更新が止まっていましたので、
お礼を言うことすらできませんでした)

いえ、ただそれだけなのですが・・・

これからも感想と平行してこの路線を続けてもらえたら、
たいへん、うれしいな・・・と1人思っております。

それでは、また。
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101. 2005年01月14日 07時13分08秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。
自己つっこみ。

「警官ギャング」DEウエストレイク(ハヤカワノベルス:初版・帯)100円

は、勿論

d「警官ギャング」DEウエストレイク(ハヤカワノベルス:初版・帯)100円

ですね。はい。
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100. 2005年01月14日 07時07分31秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
書込みが100を越えた記念に闇の衣を纏ってみました。

2005年1月12日(水)

◆就業後、東京までウォーキングしようと思ったら、相当の冷え込みにつき
ズルを決め込み新橋から電車。それでも途中下車して八重洲地下にタッチ&ゴー。
いよいよ「ダ・ヴィンチ・コード」でも買うか、と思って値段をみると、上下巻
で2300円。定価が各1800円なので、もう一声だよなあ、と思い我慢する。
あと2年もすれば、ブックオフの百均に並ぶもんなあ。
と、百均ワゴンをチェックしたところ、プチ血風。
「警官ギャング」DEウエストレイク(ハヤカワノベルス:初版・帯)100円
恐らくは、ウエストレイク名義の最入手困難作品。帯付きは珍しい。というか
所持本にも帯はない。背に「マフィアとの対決」などというベタなコピーが
入っているとは知らなかった。ペンドルトンとどっちが先なのだろうか?
もう1冊、よむために百均から拾う。
「追いつめる」生島治郎(中央公論社:初版・帯)100円
こんなものも読んでいないのでのある。
映画化を機会に中央公論社からハードカバーで出た版らしい。帯に主演を勤めた
渡哲也の言葉が入っている。
「この作品の映画化にあたり、わたしは原作をじっくり読んだ。そこには私たちの
日常をかなぐり捨てた何かがある。私はそこに充満する男のエネルギーを力一杯
叩きつけてみたい」」
少し不思議な日本語です、団長。

2005年1月11日(火)

◆遅くなったので、真っ直ぐ帰宅。悪魔の機械はCSIマイアミ2を録画している。
先日みた「チャーリーズ・エンジェルズ フルスロットル」でも、今読んでいる
87分署最新作でもCSIは引き合いに出されており、アメリカでのブームぶりが
しのばれる。映画でパロられ、小説でライヴァル視されるというのは、テレビ
シリーズとすると「世間を取った」状態ですな。あとはシンプソンズにゲスト
出演する、映画になる、といったのがX−ファイル・コースでしょうか。
今月のHMMで特集しているマックス・アラン・コリンズも今一番嵌まって
いるのはCSIのノヴェライズだというし、日本でも翻訳が出ないもんでしょうかね?
一昔前であれば、三笠書房やら、二見書房からドンドン翻訳がでただろうになあ。

2005年1月10日(月)

◆遂に私の喉風邪が家人に罹患。夫婦でケンケンコンコンやっている。
雉と狐か。いや、ケンケンは犬かも。
◆家人のイベントばかりに付き合っていたので、夕方からブックオフをせめてみる。
家人が娘とTUTAYAでレンタル・ビデオ探ししている間に、こちらは、単行本棚
から文庫棚と流していく。最後の新書棚でヒット。百均に珍しくポケミスの1500番台
が並んでいるなあと眺めていると、その横に番長書房のマイナーゾーンがちょろちょろ
並んでいた。ステーマンと矢野浩三郎編の怪奇アンソロジーだけ押さえておけばいいような
叢書だが、番号が揃い始めるとつい追いかけたくなってしまう。
d「ショットガンを持つ男」ジェローム・チャーリン(番町書房イフノベルズ)
「狙われた警視」 ジェローム・チャーリン(番町書房イフノベルズ)
「はぐれ刑事」 ジェローム・チャーリン(番町書房イフノベルズ)
「秘密指令ネオ・ナチ壊滅作戦」T・L・コンウェイ (番町書房イフノベルズ)
3冊前進。といっても後何冊で揃うのか全く把握していないところがやる気のなさを
象徴している。もう3冊ばかり新書を拾う。
d「息子殺し」ロイ・ウインザー(光文社カッパノベルズ)
d「ミセスコロンボ 殺人ネットワーク」トム・レイシナー(二見書房サラブックス)
d「アメリカン・ハードボイルド」小鷹信光編(双葉ノベルズ)
最近では抄訳鮎哲鉄オべよりも珍しいという説もあるウインザー作品と、
本家よりもつまらなくて珍しいミセスコロンボを1冊。
加えて、双葉ノベルズの3冊の海外作品のうちで一番中身の面白い小鷹アンソロジー。
すべてダブりを承知で買ったことは家人には内緒だ。
読むために文庫で2冊
「骨まで盗んで」DEウエストレイク(早川ミステリ文庫)
「覚醒するアダム」Dアンブローズ(角川文庫)
これだけ買って千円札でお釣りをもらえる。50円の割引券をだしたら、
また50円の割引券をもらえた。May the furuhon be with you.
恐るべし、古本の暗黒面。
◆なおも、クイーンの「The Roman Hat Mystery」を拾い読みする。
歴史的なエラリー登場の第一声は「 As a matter of fact」だった、とか、
「読者への挑戦」を行ったのは、探偵クイーンでも、作者クイーンでもなく
JJマックその人であったとか、初読から30有余年にして再認識する事実。
だいたい、JJマックの綴りが「J.J.Mac」ではなくて「J.J.McC」
だということを知っている自称エラリアナが何人いらっしゃることか。
私はこの歳になるまで知りませんでした。はい。 
◆夜は年末に買っておいたDVD「ハリー・ポッターとアズガバンの囚人」を 
夫婦で視聴。途中から娘も起きてきたのだが、無理やり一緒に見せる。
2作目ががっかりな出来栄えだったが、3作目は最後までわくわくしながら見終える
事ができた。正直なところ、本で読んだ時よりも面白く感じた。
丁度2作目と逆のパターン。第2作のツイストは文字向きで、第3作のツイストは
映像向きだったということなのだろうか。暗闇の廊下での「見えない人」トリック
なんぞ、実にどきどきものである。

とりあえずそんなところです。
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99. 2005年01月13日 19時09分14秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です
昨日の読了本はエド・マクベインの87分署最新作「歌姫」。
「キングの身代金」以来の誘拐事件にキャレラ他87分署の
面々が挑むお話。
誘拐されるのは、船上の煽情パフォーマンスでブレイクを
目論む新人女性歌手。その歌がクライマックスに差し掛かった
瞬間に、銃器をもった2人組の暴漢が彼女を拉致していく。
その取材がオンエアされるや、彼女は一夜にして「歌姫」となった。
「囚われの歌姫」に。
電子機器を駆使し、悠然と捜査を指揮するFBI合同捜査班。
その彼等を翻弄する誘拐犯。
プロモータからの指名を受けて身代金の受け渡しに同道した
キャレラは地元署の意地を如何にみせつけるのか?
87分署対FBIの捜査合戦の果てに待ち受ける、金ぴかの夢と
その末路とは?バンダースナッチに気をつけろ。

一時期エヴァン・ハンター名義のシリアス路線がかぶっていた
87分署シリーズも、9.11という時代の荒波を受けて、
むしろ、軽快なキャラクターノベルの原点に帰ってきた感があります。
87分署対FBIというメイン・プロットもさることながら、
音楽業界をとことんコケにした曝露趣味や、複数の刑事たちに恋を運ぶ
サービス精神(まるで、美貌の若妻とよろしくやっている作者が
長年の相棒たちにささやかなおすそ分けをしているようにもみえます)
などなど、実に楽しい一編に仕上がっています。
勿論、シリーズ屈指の名作「キングの身代金」には比べるべくもないですが、
これはこれで、十分な水準作といえるのではないでしょうか?

とりあえずそんなところです。
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98. 2005年01月12日 12時43分03秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。

昨日の読了本は、ハードボイルド・ファン待望の1作「愚か者死すべし」。
名前が漢字でかけない原りょうの新・沢崎シリーズ。
実はまだ、旧シリーズ最後にして最長の「さらば長き眠り」を未読なのですが、
とりあえず、新作を旬のうちに読んでみました。
大晦日の依頼人は、死者を訪ねてやってきた。「任侠との縁を断ち切るために
銀行強盗の身代わりとなって自首した父を助けて欲しい。」有効期限切れの
言付けが仕事納めの沢崎を馴染みの新宿署へと誘う。だが、謀殺劇の幕は既に
上がっていた。地下駐車場に轟く二発の銃声。居合わせた人々。偶然と必然の狭間で、
軋むブルーバード。きまぐれな運命は新たな狩りへと探偵を送り出す。
狩るか、狩られるか、侠気と暗鬼、銀幕と黒幕、
今、億千万の誘惑を葬る男は卑しい街に帰還する。
A Happy New Year!
A Happy New Episode!

相変わらず無茶苦茶格好いいです。
輻輳するプロットに時事ネタやら、政治の暗黒神話やら、オタクな邦画ネタやらを
ぶちこんで名探偵の帰還を彩る快作であります。
旧シリーズのキャラクターを絡ませた出来すぎの人助けネタもありますが
まあ、そこはそれ。
チャンドラーなんかよりも絶対良いと思います。
チャンドラーよりも沢山書いて欲しいものです。

ちなみにこの本も、東京堂に積んであった著者サイン本なのでありました。

とりあえずそんなところです。
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97. 2005年01月11日 06時58分57秒  投稿:庵本譚 
 [http://www3.wind.ne.jp/kobashin/cgi-bin/nagaya/nagaya.cgi?room=079]
庵主です。

愛猫鉄人様

>2005年は近い将来「Berrowルネッサンスの夜明け」
「サタンの足跡」が本ミスで1位をとる、
原書房から「夜吠える」が、新樹社から「消失三重奏」が
晶文社から「暗がりにご注意」が相次いで出版決定!
人はその時代を「NORMAN CONQUEST」と呼んだ、
みたいな。

壮と美緒シリーズ、まずまずの感触で、オススメした者としては
ホッといたしました。正直なところ、「阿蘇雲仙」並みのトンデモ
トリックでもない限り、話をすべて忘れてしまうというのが
このシリーズの恐ろしいところです。
なんでも、ジャーロ最新号の有栖川有栖によれば
「寝台特急『出雲』+−の交叉」がイチオシの模様ですので、
一度お試しください。
探偵が俗っぽいところは、なぜ素人探偵が幾つも鉄壁のアリバイに
挑む羽目になるのかというところの作者なりの苦心の果てなのかもしれません。

「仮面舞踏会」ですかあ。
正史かな?サタスウェイトかな?
じじいが斧をふりおろす。

青縁眼鏡様

>1日1冊ペースでミステリを読んでいらっしゃるなんて
原書マラソンをやっておられる青縁眼鏡さんにくらべれば、
ワールドシリーズと高校野球地方予選並みの差がございます。
城戸禮でも1冊ですから。

金曜日からの読了本は以下の4冊。
「ワトソン君、これは事件だ!」コリン・ブルース(角川文庫)
「ブルー・タワー」石田衣良(徳間書店」
「ダンテ・クラブ」マシュー・パール(新潮社)
「怪奇俳優の演技手帖」佐野史郎(岩波アクティブ新書)

コリン・ブルースは、相対性理論をホームズ譚の
パスティーシュ仕立てで説明してしまおうという大胆な企みの啓蒙ミステリ集。
これが結構成功しているので、驚いてしまいました。
「光が波動か、粒子か」といった話に終始してしまう終盤を除いて、
ホームズのパスティーシュとして先達のそれらに対し遜色のない出来映えです。
文科系のホームズに対して、チャレンジャー教授も動員して、
いかにも「らしい」事件をでっちあげる手際は、欧米のホームズマニアの
層の厚さを感じさせます。

石田衣良の長編新作は、作者自身が「スター・キング」へのオマージュと
言って憚らない冒険SF。「黄魔」後の2200年代の新宿と現在の新宿を
結んで綴られる昔懐かしくも(NHK少年ドラマ並みの)初々しい人間活劇。
面白くなくはないけれども、これがもしそれなりのセールスをあげてしまうと
普通のSF作家さんはいたたまれないでしょうねえ。
まあ、宮部みゆきが「剣と魔法」を書く時代ですから、何でもありなんで
しょうけれども、ケルベロスは勘定にいれませんてな時代に今更こんな
話を出されてもなあ、、
とりあえず、ハードカバーの新刊で買うレベルの話ではありません。
(私の場合は、サイン本だったので買ってしまいましたが…)

「ダンテ・クラブ」は、「ダ・ヴィンチ・コード」よりも本物の教養推理と
いう噂を聞いて、手にとってみました。これは大傑作。凄いです。
あと一ヶ月早く読んでいたら、文句なしに去年のベスト3にいれます。
南北戦争の傷さめやらぬアメリカ。ボストンの知的階級を震撼させた
連続殺人は、詩人ロングフェローの手によって英訳が進みつつある
ダンテの「神曲」地獄編の見立てであった!
もう、この設定だけで「ノックアウト」なところにもってきて
ホワイダニットとフーダニットのバランスが素晴らしいっ!
一語も読み飛ばす事を許さない緻密にして知的なパズル。
圧倒的な教養と薀蓄が小説の面白さを全く損なわず、それどころか
この本を読み終わると無性に「神曲」が読みたくなるという
伝導の書でもあります。
ハーヴァード大学英文科首席卒業は伊達ではありません。完全脱帽。

最後の佐野史郎本は、好きな俳優さんのサイン本だったので、
つい発作買いしてしまいました。
「このクラスの俳優が、演技手帖とはおこがましい」という噂も
ありましょうが、きちんと自分の言葉で伝えられるというのは
それはそれで才能なのでありましょう。自分を「怪奇俳優」と
言い切ってしまえるところが、佐野史郎なんですよ。うん。
「沙粧妙子最後の事件」での、嵌まり方が忘れられませんです。

とりあえずそんなところです。
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96. 2005年01月09日 22時25分43秒  投稿:愛猫鉄人 
庵主様
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
2005年は近い将来「Berrowルネッサンスの夜明け」と呼ばれる。。。かもね。

庵主様がおすすめの壮&美緒シリーズ「法隆寺の謎殺人事件」「阿蘇雲仙逆転の殺人」
「釧路・札幌1/10000の逆転」3冊読了しました。
元々私はトラベルミステリの類に関して皆様よりは遥かに寛大なのですが、この
シリーズはそれを差し引いても十分に楽しめました。
「法隆寺」はトリック、犯人ともなかなかです。まあ私は見破りましたけどね。
もう少しアリバイの審議(ミスディレクションも含めて)をしつこくやって、
最初の殺人にも何かおもしろいトリックが有ったら、マイベスト20位には
入ったかも。ちょっと惜しい気がします。
「阿蘇雲仙」は奇抜なトリックがおもしろいです。アリバイトリックにしては
ちょっと行き当たりばったりな感が無いでも有りませんが。
個人的にはこのシリーズは探偵のキャラがなんか俗っぽい印象で、それが本格物
としての良さを殺している感がしないでもないのですが、どうでしょうか?

>青縁眼鏡様
仮面舞踏会へようこそ(笑)
「あなたはだあれ?」
フック星人。。。ではありませんが、下の方を読むとばればれです。
[219.55.0.41][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1)]

   101〜120件(保存数204件) 

[NAGAYA v3.13/N90201]