ジャコウアゲハとマルバウマノスズクサ(1)

  

ジャコウアゲハについて

 ジャコウアゲハはアゲハチョウ科のチョウです。ジャコウジカの雄のものと似た匂いを出すので、この名前がつきました。ウマノスズクサを食草とし、その毒素を体内に取り込むので、幼虫は勿論、成虫も鳥は食べるのをいやがります。関東では春と夏の年2回発生します。




マルバウマノスズクサについて

 マルバウマノスズクサは、ウマノスズクサ科のつる植物です。7〜8月に淡緑色の花を咲かせます。長野県を中心に分布していますが、その数はだいぶへり、植物のレッドリストにも載っています。長野県と地続きであるためか、吾妻郡では存在を確認しています。

 

 

2001年
 5月27日

 久しぶりにマルバウマノスズクサの自生地に行ってみると、つるが伸び始めたマルバスズクサの周囲に、ひらひら舞うジャコウアゲハの姿が。ただのウマノスズクサならともかく、マルバウマスズクサでは・・・・っと葉を裏返して見ると、あちこちにオレンジ色の卵が・・・・


2001年
 6月10日

 半月ぶりに行ってみると、葉の裏に1cmほどの幼虫の姿が。産んであった卵の数に比べると、ずっと少ない幼虫の数と食べられた痕に、ちょっとほっとしました。そこで、しばらく様子を見てみることにしました。

2001年
 6月21日

 すぐそばに出張した帰りに寄ってみると、幼虫の姿がほとんどなくなっていました。ほぼ同じ時、鉢植えの(普通の)ウマノスズクサで飼っていた幼虫は、右のように蛹になりました。だから、ここのも蛹になったのでしょう。
 結果的に見ると、1回目のジャコウアゲハの発生における食害は、あまり深刻ではありませんでした。マルバウマノスズクサにとっては、カナムグラとの生存競争の方が大変なようです。
 それから、マルバウマノスズクサは早くも花をつけました。一方、他の場所にあるウマノスズクサは花の気配もありません。


2001年
 7月1日

 また行ってみると、夕方だったので成虫の姿は見られませんでしたが、卵と生まれてそう間がたっていない幼虫を見つけることができました。これで、2回目の発生が始まったことになります。ただ、卵の数がずっと少なく、1〜数個ずつしかありません。これは何か理由があるのでしょうか?
 今まで調べていたマルバウマノスズクサの群落のすぐそばに同じ群落があります。ここは日陰になっていて、マルバウマノスズクサの芽生えや成長も遅かったのですが、ふと行ってみると、ここではまだ終齢幼虫がたくさんいました。ほんの数メートルの違いで、これだけ差があるのには驚きました。

2001年
 7月2日

 飼っているジャコウアゲハの蛹の色が変わってきました。そろそろ羽化するのでしょうか?

2001年
 7月3日

 朝、蛹のそばでジャコウアゲハの成虫が羽根を休めていました。もう少し時間がかかると思ったら、予想より早い羽化でした。

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