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赤石建設株式会社 一級建築士事務所
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令和4年12月

   信州の伊那谷を中央高速道で走っていると中央アルプスの山々が並走するように目に入ってきます。その中でも最高峰の木曽駒ヶ岳が頂部の岩肌を露出させて堂々と鎮座して見えるのが圧巻です。氷河に削られた跡とされる有名な千畳敷カールまではふもとのしらび平駅からのロープウェイを使って10分ほどで一気に上がることができます。日本最高地点のロープウェイ駅といわれるだけあって、上りながら見える急峻な山谷は峩々として太古の手つかずの様相を呈しています。 大雨が降った後だったこともあって滝のように流れる川筋に多くの流木が横たわって自然の力を見せつけています。フォッサマグナの貫入によって今なお隆起を続ける山々はあと千年後、はるか雲の上まで伸び続けるのでしょうか。いま見えるのはその一刹那でしかないことを感じさせます。
 春の雪解け後には一面見事なお花畑と化すこの千畳敷カールですが、ここを源流としている太田切川という川を下っていくとふもとに駒ケ根市という人口3万ほどの街に出ます。南信州の中心的なまちで精密機械や音響機器、養命酒などで有名です。このなかに光前寺という天台宗の寺院があり、町の規模からは不釣り合いなほどに大伽藍がひしめいていて驚かされます。天台宗別格本山とされ、不動明王をご本尊としてその開基は貞観2年(860年)円仁の弟子本聖といわれていますから千百年余の歴史を持つ古刹といえます。杉の巨木が参道にひしめきあうように林立し、仁王門・楼門形式の山門をくぐって高台の本堂にたどり着きます。その脇には経蔵、三重塔、鐘楼が配され、 さらには仁王門近くに大講堂と本坊を持ち一大宗教施設の観を呈しています。創建以来千百余年の歳月の間に幾多の天災や戦火により建物や古記録を焼失したようですが、その都度武田家や羽柴家らの武将の庇護を受け、特に徳川家からは地方寺院としては破格の六十石の寺領と十万石の大名格を与えられたといわれます。 そのせいもあってか建物の多くは江戸後期のものが多く、唯一本堂前の弁天堂が室町期の建物として国重文に指定されています。
 光前寺門前には「霊犬早太郎伝説としだれ桜の寺」の看板が掲げられています。早太郎伝説とは700年ほど前から伝わる説話で以下のように伝わります。「光前寺で飼われていた山犬に早太郎という強い犬があってその風聞は遠く近県まで知れ渡っていました。その中で遠江に見附村という村があって、そこでは毎年天神祭りの際神様に子女を人身御供として差し出す習わしが続き村人を悲しませていました。 ある年旅の僧侶が鎮守の神様がそんな悪行をなすことはないとして夜身を潜めて確かめると神を騙る怪物であることが分かり、しかも信州にいる早太郎という犬を恐れていることを確かめました。早速僧侶が光前寺の早太郎を借り受け見附村に来てもらうと怪物と激しく戦い退治させたと伝わります。退治はしたものの自らも傷を負った早太郎は光前寺に戻ると和尚にひと吠えした後息を引き取ったといわれています」。この話は見附村のあった静岡県磐田市でも犬の「しっぺい太郎」伝説として残されていて、市のゆるキャラはこれをもとに「しっぺい」がモデルになっており、更にはこの縁により駒ケ根市と磐田市は友好都市にもなっているといいます。
 この伝説からどのような寓意を読み取るかは寡聞にして俄かには分かりかねますが、少なくとも光前寺が広く南信州随一の祈願霊場として往時から広い信仰を集めていたことが察せられます。光前寺から磐田に抜けるには今でさえも南アルプス越えで天竜川を下るように深い峰々を越えていかねばなりません。修験の僧たちが往来した匂いを感じます。 以前この稿の白川郷の際にも触れましたが、十二世紀成立の「今昔物語」に多くこのような老猿などの化け物が退治される説話が出てくることを思うと、鎌倉期の合理主義精神によりもたらされた迷信・魑魅魍魎のたぐいを駆逐するリアリズムが影響しているのかもしれません。
 光前寺の本坊・客殿には池泉式庭園が国指定の名勝として現存しています。鎌倉期に渡来した僧・蘭渓道隆や無窓疎石の作との言い伝えが残されています。江戸後期の建物諸所に禅宗の意匠は認められませんが、創建期にはもっと違った禅宗様式のものが建っていたのかもしれません。そんな思いを馳せながら行く参道の杉の巨木下には自生するヒカリゴケの群生が広がり、長い歴史の時間を刻みつつ美しい佇まいで訪れた者の目を楽しませてくれます。







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