黒猫荘
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オバQといっしょ
オーナー:かい賊

ミステリ&ラノベ&コミック etc
  9〜12件 
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155. 2007年03月24日 23時00分59秒  投稿:SAMANA 

長〜い引きこもり状態でしたが、奥さんが所用でお出かけ中&娘が風
邪ひいたお守り&他のお部屋に遊びにうかがう元気がちょっと出てき
た等々、いろんな要素が重なったので2007年中に更新されたお部屋に
迷惑承知で押しかけている16号室SAMANAです〜(汗)。

>山口雅也『奇遇』

 ちょっと良い評判を聞いてなかったんですが、好きな作家なので
 やっぱり気になっています(積読にも入ってる)。
 山口ミステリを初めて読んだのは確か『生ける屍の死』でしたが、
 山口雅也が関わったミステリ関連本の『エラリイ・クィーンとそ
 のライヴァルたち』はその前から目にしている(たぶん文庫解説
 なんかも目にしてそう)ので、知らず知らずのうちに私は山口雅
 也さんの影響を受けたり刷り込まれてるような気がします(笑)。

 メタもいいけど、制約をがしがし抱えた中での現代普通ロジック
 ミステリを一作でもいいから個人的には読んでみたいと思ってい
 たり。

そいでは!!

154. 2007年02月25日 13時15分48秒  投稿:御幣だらけの彼女 
こんにちは。暖冬ですねぇ。温暖化で日本に雪が降らなくなったら、日本の文学はどうなっちゃうのよ!と考えている今日この頃です。川端康成の『雪国』の『雪』という記述時代が古典となってしまう日が来るのでしょうか?俳句もどのような扱いに・・・。    
     来年は雪が降るといいですね。たとえ人間が多少体調を崩しても。
152. 2006年11月20日 05時15分45秒  投稿:かい賊 
山口雅也「奇偶(上)」講談社文庫

文庫落ちを楽しみにしていた作品。一冊完結しない上下巻は久しぶり。

いろいろな事象が生じます。
犯罪・事故・テロ・病気・ギャンブル・宗教・科学・占い・遺伝子・陰陽・骸子……
遠く浅く、しかし無関係とはならず絡み合います。何故無関係でないのか。そこに意味や因果は
あるのか。

『数々の偶然に縛り付けられた私の窮状も、実は《偶然》ではなくて、神か何かの慈愛に満ちた、
ありがたいご意志による《必然》と捉えてしまえば、いっそ気が楽になるではないか……。』

とことん偶然と必然の差異にこだわります。

最後に動機というか因果のようなものをかすめて上巻が終わります。


山口雅也「奇偶(下)」講談社文庫

何が、何処まで、何故、偶然なのか。「本格的」な殺人事件を通して、物語はメタな方向にも
発展していきます。


「テキストを読んだだけの読者は、この文章の中の《私》というのが、男でも女でもなくて、
いや、人間ですらない――言語を理解し、パソコンのキーを機用に叩いて小説を書く、進化した
類人猿だったとしても――」』

手放しで面白かったとは言えない小説です。しかし間違いなく惹き込まれ、読む楽しみを満足
させてもらいました。とてもではありませんが、一筋縄で感想も書けません。

あとがきにあたる「好事家のためのノート」では、作品内には現実に作者が体験したエピソードも
あると語られています。

さらに巻末には偶然の連鎖に関わるエッセイが添えられています。講談社文庫のミステリーを
読む楽しみの一つは、よく練られた解説を読むことですが、生半可な解説なぞ不要とする作者の
矜持が感じられ、衿を正して再読してしまう気弱なワシでした。
151. 2006年11月20日 01時54分56秒  投稿:かい賊 
新井輝「ROOM NO.1301 #8妹さんはオプティミスティック!」富士見ミステリー文庫

ほんの少し見えてきたかな。ストーリーはまだまだこれからですが、幽霊マンションの謎が
少しずつ。とりあえず、幽霊マンションを出ると関係者同士は会うことができなくなるらしい。
これは今までの巻でもわかっていたが、時期を違えた住人同士も会えない、しかも「会えない
波動」は住人以外の関係者にも影響を及ぼすらしい。

しかし非道いマンションだね。勝手に人を巻き込んでその後の人間関係に取り返しのつかない楔を
打ちこむ。まさに「運命」そのもの。


「むかしもそんなことがあったなあって。圭一郎君と幹久が会おうとしたら電線が切れて電車が
止まったりとか、そういうのがね」
「……それは大事なんでは」
「それでお互い忙しいからその日は会わないことになって別の日になったんだけど、その時は
台風が来て……とかそんな感じで。結局、二人はその跡、会ったのかしら?」
「……早苗さんの知り合いは壮絶な人が多いですね」
「でも私は小物なのか、別にそういうのないのよね」
「いや、早苗さんがどうとか関係ないと思いますけど」
「ま、そうなんでしょうけど、そういう縁みたいなものってあるのかな会って感じる時もあるの
よね。咲良ちゃんとは本当はその予定がないのにけっこう頻繁に会ったりね。逆に別に悪い人じゃ
ないんだけど、間が悪くてなんだか印象悪いとかそういう人もいるでしょ?」
「……なるほど」
「絹川君は幹久に会った子とある?」
「え? 会ったことありませんけど」
 そう言えば会ったことがなかったなと思う。とは言ってもエリと一緒にいった時はともかく、
他の時は単なる客だったのだからそんな不思議な話でもないのだが。』

幽霊マンションの、圭一郎と幹久は同期、健一は後輩にあたるようです。

今回シーナ&バケッツは大き目の舞台を踏みますが、狂喜のモテ男健一君は当たり前のように
タダ者ではないようです。ハンパないソウルフルハーモニカプレイヤーらしい。なかなかに
燃えさせてくれます。

『確かにその通りだった。いつだって、いっぱいいっぱいだった。でもそれでもなんとかやって
きたのだ。今回だって、いっぱいいっぱいだろう。でもなんとかするしかないのだ。』

ジュヴナイルだねぇ。

[NAGAYA v3.13/N90201]