黒猫荘
(mobile版)

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カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真

(OPEN:1999年7月19日)

「白梅軒」へようこそ。

  9〜12件 
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4802. 2013年12月19日 21時57分22秒  投稿:かわぐち 
よしさださま
おおっ、『オリンピア・プレス物語』が貸し出し中とは、別に私には何の損得もないのに嬉しく思います。
実はいまだから言っちゃうと、以前、『ファントマ』が新宿区図書館にあるけど貸し出し中とおっしゃっていましたが、その時、あれを借りて読んでいたのが、何を隠そう私です。
いい本なので、その後、すぐに購入しましたが。

『哲学の歴史』別巻(中央公論新社)読了。総索引・年表以外にも、エッセイ、本巻の補遺に当たるコラム19編、監修・執筆者を中心とした書物アンケートとバラエティ豊か。
ただし、先のエッセイには個人的には面白くもなんともないものもあったし、補遺は良かったが、よく考えたら「どうして本巻のほうにこれを入れなかった?」と感じもした。
体系的な素晴らしい哲学史だとは思うが、補遺を見て、「ああ、そういえば、なんでこの人入ってなかったんだ?」と思える人(ユング、エリアーデ、シュタイナー、シモーヌ・ヴェイユ等など)が結構いることに気づいた。

とにかく全12巻を読んだ上で、初めて必要になる本だと思う。
正直な感想を言えば、全巻購読のプレゼントにふさわしく、買って読むような本ではない気もします。
4801. 2013年12月17日 12時27分33秒  投稿:よしだ まさし 
ああ、そうだ、そうだ、そうでした。
『オリンピア・プレス物語』は、出た時に「これは面白そうだ」と思って、ちゃんと書名をメモまでしておいて、それっきり読む機会がないまま今日に至っているという本なのでありました。すっかり忘れてました。
さっそく新宿図書館で検索をかけてみると、閉架書庫にしまいこまれている本で、なおかつただいま貸し出し中なのでありました。予約を入れたけれど、まさか貸し出し中とは思わなかった。誰か、かわぐちさんのお勧めを読んで、ひとあし先に借りたわけじゃないだろうな?
4800. 2013年12月16日 22時22分42秒  投稿:かわぐち 
『女哲学者テレーズ』(人文書院)読了。1748年初版刊行のポルノグラフィーの古典。サド『美徳の不幸』にも本書への言及あり。
訳者による解説は実に示唆に富んでおり、私自身は大変ためになった。
本書の異版の挿絵の考察は微に入ったもの。そして「リベルタン文学」というジャンル。これは生殖の意味を持たない快楽のためのセックスを悪とみなすキリスト教文化に対して、教会批判・政治批判を含む小説だという。

ポルノ文学史について関心を抱いたわけだが、そういえばリン・ハントの名著とされる『ポルノグラフィの発明』(ありな書房)を未読であったことに気づいた。
私としては「文学史」ではないが、ジョン・ディ・セント・ジョア『オリンピア・プレス物語』(河出書房新社)をポルノ出版史の名著として強く推したい。
その他、艶本研究刊行会編『日本艶本大集成』『世界艶本大集成』の2冊は座右の書ともいえる。
さらにフランス国会図書館で開かれた禁書の展覧会の図録L'Enfer dela Bibliothequeも買っておきたい1冊だ。
4799. 2013年12月12日 23時41分45秒  投稿:かわぐち 
『哲学の歴史』全12巻(中央公論新社)読了。多少遅れはあったものの、平均して月1ペースで完読に持ち込めた。私の今年の読書の4分の1はこのシリーズに使ってしまったなぁ。
なにもドヤ顔したくて報告しているわけではない。大学生以上の人には読んでおいてもらいたいと思えるほどよい叢書だったからだ。私はこれ全冊なら、へたな新書60-70冊分以上の価値はあると思う。
あくまで「西洋哲学の歴史」だが、かなり見通しが良くなったのでは。これまであまり紹介・翻訳されてこなかった思想家も取り上げられているし、刊行年も新しいので、知見も新鮮で、そして参考文献が非常に役に立った。
記述はかなり各人の裁量に任されているようで、通り一辺な通史より筆者により差が出ているところが面白い。こうした本はなかなか出版は難しいだろうが、各社頑張ってほしいな。
もちろん全巻通読するのが一番だが、3中世、4ルネサンス、7ドイツ観念論、9マルクス・ニーチェ・フロイトあたりは単独の単行本として読んでも面白いのでは。
別巻は「年表・総索引」とのことであったが、日本の哲学史、アンケートなど、これも読み応えがありそうなので、来週読んでみるつもり。

[NAGAYA v3.13/N90201]