黒猫荘
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オバQといっしょ
オーナー:かい賊

ミステリ&ラノベ&コミック etc
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125. 2006年07月07日 03時30分36秒  投稿:かい賊 
7月購入決定(済)本 ダヴィンチ8月号より

日日日「狂乱家族日記 六さつめ」ファミ通文庫
筒井康隆「陰悩録 リビドー短編集」角川文庫
鷹見一幸「小さな国の救世主 2」電撃文庫
時雨沢恵一「学園キノ」電撃文庫
来楽零「哀しみキメラ 2」電撃文庫
深山森「ラジオガール・ウィズ・ジャミング」電撃文庫
大崎善生「編集者T君の謎 将棋業界の愉快な人びと」講談社文庫
加納朋子「コッペリア」講談社文庫
鯨統一郎「タイムスリップ明治維新」講談社文庫
高田崇史「麿の酩酊事件簿 <花に舞>」講談社文庫
はやみねかおる「そして五人がいなくなる (名探偵夢水清志郎事件ノート)」講談社文庫
森博嗣「虚空の逆マトリクス (INVERSE OF VOID MATRIX)」講談社文庫
北森鴻「支那そば館の謎」光文社文庫
今野緒雪「マリア様がみてる 仮面のアクトレス」集英社文庫
朝松健「暗黒は我を蔽う マジカルシティナイト!」GA文庫
早見裕司「メイド刑事 2」GA文庫
千田誠行「レディ・ジェネラル 淑女騎士団 2」GA文庫
高殿円「神曲奏界ポリフォニカ エターナル・ホワイト」GA文庫
七尾あきら「シャギードッグ 天使の序章」GA文庫
神代創「ウェイズ事件簿3 深き闇の彼方に」竹書房Zゼータ文庫
舞阪洸「総統は女子高生」竹書房Zゼータ文庫
樋口有介「彼女はたぶん魔法を使う」創元推理文庫
多島斗志之「二鳥縁起」創元推理文庫
川端裕人「川の名前」ハヤカワ文庫JA
壱乗寺かるた「待ってて、藤森くん!」富士見ミステリー文庫
吉田茄矢「ヒドラ ―HYDRA― 1」富士見ミステリー文庫
矢野有花「初恋セクスアリス」富士見ミステリー文庫
鈴木大輔「空とタマ ―Autumn Sky, Spring Fly―」富士見ミステリー文庫
俵万智「百人一酒」文春文庫
小森健太朗「グルジェフの残影」文春文庫
木村航「串刺しヘルパーさされさん 〜呪われチルドレン〜」HJ文庫
榊一郎「プリンセスはお年頃 1」HJ文庫
五代ゆう「ゴールドベルグ変奏曲」HJ文庫
水城正太郎「せんすいかん その1」HJ文庫
葛西伸哉「ブレスレス・ハンター」HJ文庫
在原竹広「ブライトレッド・レベル」HJ文庫
熊谷雅人「ネクラ少女は黒魔法で恋をする 2」MF文庫J
石橋幸緒監修「勝者の常識 将棋力」リイド文庫

……何冊あるん? 数えたくないんですけど。積み本を増やすか、お盆消滅か……。
これでもハヤカワの恩田陸とか抑えてるのもあるんだけどなあ。
124. 2006年07月07日 02時31分16秒  投稿:かい賊 
山岸涼子「舞姫 〜テレプシコーラ〜」ダヴィンチ8月号

やっぱり死んじゃってましたね。千花ちゃん。しっかし5年もかけて殺す、っつうか
死なせちゃうんだなあ。「日出処の天使」と「アラベスク」しか単行本で読んでない
から、それに2つとも読み込んだわけじゃないので、この「舞姫」は山岸作品で初めて
思い入れをもって毎月楽しみにしていた作品だったんですよ。それがまあ何の因果か
こんなことに……。ワシ、ヒロインが逝っちゃうのって途轍もなく弱いんです。必要
以上にダメージ受けちゃう。例をあげたらキリがないので、それはまたの機会に。

驚いたというか感心したのは某巨大掲示板やいくつかのサイトで予想されていた展開と
ほぼ同じような流れで本編が進行したことです。ワシは生き残った上でさらに過酷な
話となるという荒唐無稽な展開を予想していただけに、なるほどそれがスタンダードと
いうものかとしきりにうなづいておりましたとさ。

これからどうなるのかなあ。なんにせよ、究極美しいラストになるだろうから(もう
すぐ終わるって言ってるんじゃないよ)、それを楽しみにしよう。
123. 2006年07月05日 00時34分03秒  投稿:かい賊 
榊一郎「プリンセスはお年頃 1」HJ文庫

富士ミスの全フォローはまだよかろう、仮にもミステリーだから(困ったことにホントに「仮」
なんすけど)。今年からそれにGAが加わってなんかキツイぞーと思っていたら、今度はホビー
・ジャパンだとさ。新レーベルってやつに弱いんすよ。現在進行形でコンプリートできるから。
でも「廃墟ホテル」はカウントするのかなあ、冗談のつもりが本当に出てこない。へこむわあ。

というわけで新レーベル請負人?(GAでは「ポリフォニカ」だったし)榊一郎の登場です。
あとがきによると、デビュー前に書いていた原稿を使った同人誌である「プリンセス・サキュ
バス」を改稿したものが本作だそうです。

というわけで主人公はお姫様で、淫魔です。ある日王様が森を歩いているとかぐや姫よろしく
赤ん坊を発見します。月日は流れ、お姫様ナナも芳紀16歳。義父王様は言います。

『「おまえ──ちょっと処女喪失してこいや」』

余談ですが、この瞬間、王様バルテリクの脳内キャストは高田延彦に決定しました。相手が
拾いっ子の淫魔とは言え一国の王女にこの物言いは面白すぎます。淫魔だからこそ、いたして
いないと著しく健康を害する危険性があるそうです。

というわけでお姫様の喪失漫遊記の始まりです。道中、暗殺者に狙われることになりますが、
そこはそれ只者ではないのです。共通項は常識外れ、なのかしらん。大元をたどっていくと、
姫様や王国の敵(それぞれ理由が違いそうだが)は「教会」と呼ばれる組織で、お約束通り、
胡散臭くてとてもよろしい。

このアビアスという王国の設定がはじけていてこれまた非常によろしい。王家の家訓が

『「ウケるが勝ち」』

だそうで、民事の裁判も彼らの手によれば一つの演劇になってしまい、賠償金はその入場料に
よって賄われるそうな。羨ましい国だ。コワすぎるけどね。

おちゃらけ一方ではなく、緊迫した場面も散りばめられ、テンポのよい運びとなっています。
次巻以降も楽しみです。
122. 2006年07月03日 00時27分24秒  投稿:かい賊 
坂本司「青空の卵」「仔羊の巣」創元推理文庫

同じひきこもりでも「オタク系」と「トラウマ発PTSD経由」は区別というか違うもんだ
よねえ。どっちがいいとか悪いとかじゃないんだけど、「ト発P経」の方が深刻に思えて
しまうことがちょっとだけ自己嫌悪の気分に浸らせます。

主人公は作者と同名で、日常の謎系の常套設定ですね。探偵役は主人公のいわゆる親友
(この呼称も少し違和感があるというか、違和感を持たされているというか…)の鳥井で
こちらが「ト発P経」のひきこもり。

ひきこもりだからこその人間観察や攻撃的かつ超防御的洞察力で謎の真相を次々と看破
していく鳥井。時に子どもに戻り、世話焼きの坂木をハラハラさせたり、安心(鳥井には
自分が必要なんだ!)させたり。面白いことにこの小説は2冊とも連作短編集(「青空」が
5編、「仔羊」が3編)なのですが、事件ごとに鳥井と交流し続ける人間が増えていきます。
謎解きもさることながら、鳥井と坂木の心理的変化もこの作品の大きな魅力です。

「仔羊」解説は有栖川有栖で鳥井とその周辺のキャラクター造形の妙を絶賛しています。

『ただでさえ、ひきこもりを理解するのが難しいのに、作者の坂木司氏は容赦がない。
鳥井真一を、読者がとことん愛しにくいように造形している。』
『読者からも「好きになれない」と疎まれるかわり、彼には坂木司がついていてくれる。
友人のケアがしやすいように、という基準で会社まで選んだ坂木は、自分こそ鳥井に
依存しているのではないか、と自問しつつも、友人から目が離せない。そういう役割の
人物を作中に配置したことによって小説の風通しがよくなるかというと、これがそうでは
なく、読者が「私が鳥井を応援しなくては」と案じる気持ちが抑制される。作者は、鳥井と
読者の距離がすんなりと縮まることを許さない。ここまでして、初めてひきこもりという
厄介な問題をテーマにできるのだ。』

「NHK」の滝本の苦しみはここにあるんじゃないかなあと。

いや、それにしても「魔法飛行」もだけど有栖川は解説に傑作(?)が多いのはどうして
なんだろう? 不思議なのやらもどかしいやら。

[NAGAYA v3.13/N90201]