黒猫荘
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オーナー:kanau

ミステリーと紅茶とお菓子が大好きです。
ここではミステリー以外にも紅茶やお菓子、日常のことなんかも書いていこうと思っています。
国内外問わずおすすめの物があったら教えて下さい。
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115. 2005年10月01日 13時26分44秒  投稿:kanau 
1週間更新が1ヶ月更新に・・・のkanauです。
月日の経つのは早いものですね・・・

SAMANAさん
>ミス・マープルの姿を私が思い浮かべようとすると、どうしてもハヤカワ
 ミステリ文庫でのクリスティ本の裏表紙にある著者近影のお顔が浮かんできます。

確かにすごく魅力的なお顔ですよね。
クリスティ女史はミス・マープルについて「自分の祖母に似ている」というような事をおっしゃっていたので、そう考えるとミズ・マープルも謎解きの時なんかはああいう茶目っ気たっぷりの表情をしていたのかもしれません。


読了本更新

『平井骸惚此中ニ有リ』

第3回富士見ヤングミステリー大賞 大賞受賞作

時は大正。天下のエリート帝大生・河上太一は探偵作家・平井骸惚の本に出会い、弟子入りを志願。けれど許可がもらえず困っていた所、骸惚の知人、池谷是人が不可解な自殺を図る。事件解決の折には弟子入りを認められると言われはりきる河上だったが……

タイトルに魅かれて買いました。
時代設定が大正という事もあってか講談調のような文体に語尾にカタカナが入っていて読みにくいかも?と思ったんですが、会話のテンポが良くスラスラと読めてしまいました。

ライトノベルでこの時代設定だとまとめるのが難しそうなのに、良くまとまっていると思います。
キャラも帝大生なのに軽くておっちょこちょいの主人公河上太一、骸惚の娘でおてんばな涼嬢、雑誌編集者で女権論者の香月女史など特に女性陣が魅力的。
骸惚の出番はほとんどないので、探偵としての魅力は正直よく分からなかったのですが、奥方に頭が上がらない所などは非常に味があります。
トリックはある意味無いに等しいもの(と私は思っています)なので、そこが物足りないといえば物足りない所です。
ただ骸惚を通して語られる犯人の心理(罪を犯す時の心理)を考えるとその方が自然のような気もしたり。
実在の超有名探偵作家を(名前だけですが)物語に絡めていたりサービス心もあって楽しめました。


『賢者はベンチで思索する』

20歳前後の思春期よりちょっと大人になったぐらいの女の子と謎の老人の織り成す物語。
3本の中編からなる日常の謎もの。
設定から『隅の老人』を思い出しましたが、ラストは違っていて読後感が良かったです。
この話の中で1番好きなのはラストの部分です。

何より好感が持てるのは主人公の女の子が等身大で描かれていること。
就職問題に始まり彼女が日常に感じている事は私にも覚えがある事もあり、身近に感じます。
日常の生活の中で起こりうる問題を謎として取り上げている事で、彼女自身の成長過程を無理なく
受け入れる事ができました。

ぜひ同年代の女の子にも読んでもらいたい1冊です。


『てるてるあした』

親の夜逃げでせっかく合格した高校進学をあきらめ、田舎の街「佐々良」にやってきた照代。魔女と呼ばれる”遠い親戚”久代さんの元で暮らし始めた照代の元には差出人不明のメールが届き、女の子の幽霊が現れる。特別なことが起こる街「佐々良」での照代のまったく新しい生活は?

『ささらさや』の姉妹編だそうですが、前作を読んでいなくても大丈夫です。
もちろん読んでいる方がより深く味わえます。
謎といえるほどの謎もなく、むしろこのお話は1人の女の子の成長物語、として読んだ方がいいでしょう。

照代は「自分ばかりが不幸」だと思って周囲の人を妬んだり僻んだりでかなり可愛げのない性格です。
それは照代だけが悪いわけじゃないんだけど、でも最初は「ムカツク子だな」と思ってました。
しかし、昔の自分を思い返してみて「私もこうだったなぁ」と感傷にひたってしまうと、そこからは各章を読むたびに泣いてしまいました。

少し切なく、それでいて未来への希望を持つ事のできるラスト。
やはり加納さんのお話は好きです。







114. 2005年08月29日 23時12分11秒  投稿:SAMANA 

16号室SAMANAです〜。かなりご無沙汰しております(汗)。

>ミス・マープルという人は寛大かつおちゃめで素敵な人。

 ミス・マープルの姿を私が思い浮かべようとすると、どうしてもハヤカワ
 ミステリ文庫でのクリスティ本の裏表紙にある著者近影(手を組んでカメ
 ラ目線で微笑みを浮かべてるパターンのほう)のお顔が浮かんできます。
 そのお顔はまさに「寛大かつおちゃめで素敵な人」という雰囲気が漂って
 る気がしてなりません(笑)。

>加納朋子さんの解説も個人的には嬉しかったです。

 新刊?(クリスティ文庫?)だと、こういう組合せが実現されてることが
 あって、単純に「いいなぁ〜」と思うこともたびたび(苦笑)。

そいでは!!

113. 2005年08月29日 14時16分26秒  投稿:kanau 
kanauです。1ヶ月以上更新サボってました・・・
これまでに読みためてた分をゆっくり更新していきたいと思います。

花森さん、来て下さってありがとうございます。
石田衣良は「池袋ウエストゲートパーク」だけチマチマと読んでます。


読了本更新

『夢幻巡礼』

チョーモンイン・シリーズの番外編。
シリーズにおいて神麻嗣子の「最後の敵」・奈蔵渉の視点による長編。

ノベルス版ではいつもある水玉蛍之丞さんのイラストがなく、あるのは目玉、という気分的に暗くなるような表紙にプラスして主人公が猟奇殺人犯という何とも言えず暗そうな雰囲気にいつか読もういつか読もうと思いここまでズルズルときてしまいました。
友人が貸してくれなければ一生このままだった可能性が大です。

根本にあるテーマとしてはタックシリーズの『依存』と同じ「母子癒着」のようです。
あちらは希望のある終わり方ですが、こちらはある種救いようのない歪んだ終わり方です。
ビックリさせられたといえば、させられました。
しかし、ある人物の協力者に関しては納得がいかず、結果としてやや曖昧になってしまった感があります。

まったく分からなかった冒頭部分が最後になって初めて意味がわかるのですが、その時「恐い」と「気持ち悪い」が混ざり合ったような気持ちになりました。
このお話の中で1番印象に残るシーンでした。


『魔術の殺人』

ミス・マープルもの
旧友の依頼で、マープルは変わり者の男と結婚したキャリイという女性の邸を訪れた。
その家は非行少年たちを集めた少年院で、異様な雰囲気が漂っていた。
そんな中でキャリイの夫が妄想癖の少年に命を狙われる事件が起きる。
しかも同時刻に別室で不可解な殺人事件が発生していた。 

旧友が用意したマープルがキャリイの邸に滞在するための口実というのが非常に面白いです。
なんせ「生活に困り、三度の食事にも事欠く有様」ですからね。しかも本人には事後承諾。
それを大して怒りもせず、わざとみすぼらしい服装で出かけていくんだから、ミス・マープルという人は寛大かつおちゃめで素敵な人。
そして後はそれをフル活用して邸に集う人々からじっと話を聞きながら、マジックの種あかしを披露してくれるというわけです。

タイトルにあるように謎解きが終わった時、今まで見ていたものが一瞬で変わってしまいます。
読後の爽快感もクリスティならでは、といった所でしょう。
加納朋子さんの解説も個人的には嬉しかったです。


112. 2005年07月26日 23時31分42秒  投稿:花森こま 
ご挨拶に来てくださってありがとうございます。最近はほとんどミステリを読まなくなっているので、どのお部屋にもご無沙汰しています。石田衣良だけかたつむりのようなスピードで読み進めています。
まだまだ暑いですが、就職が決まってよかったですね。心は涼しいでしょうね。また、よろしくです。

[NAGAYA v3.13/N90201]