黒猫荘
(mobile版)
[010号] [012号]
[入居者リスト]
やわらかそうな本の上へでもすわってください
オーナー:砂時計
床を埋めつくす積読本の山、山、山。
ドアからベッドへと続く一筋のケモノ道。
最後に掃除機をかけたのは何年前だっけ……(遠い目)。
そんなダメ人間の部屋へようこそ。
← 145〜148件 →
[HomePage]
▼ 投稿する
229. 2005年12月07日 12時44分36秒
投稿:砂時計
「あいつらが大人になって何処で会っても、変わらない徳川龍之介でいてやってくれ」
こんにちは、砂時計です。
昨日は本屋で『2005本格ミステリベスト10』を探したものの見つからず。その代わりというわけでもありませんが、ぶんか社文庫の『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』があったので買ってきました。
一年前に出たムック『エラリー・クイーンPerfect Guide』の文庫化ですが、内容はそのままではないようで、終わりのほうに違いがまとめられています。
文庫版で追加されたもの
・本邦初訳の短編「サソリの拇指紋の冒険」「チェリーニの盃の冒険」とエッセイ「クイーン好み」
・芦辺拓「セルロイドの国の名探偵と仲間たち」(クイーン映画についての書き下ろしエッセイ)
・アンケートの天城一、有栖川有栖、笠井潔、光原百合の回答(そういえば一年前には「作家アンケートに有栖川有栖氏の名前がないのは残念」と書いたんだっけ)
・<海外諸氏のクイーン作品ベスト>のE・D・ホックとD・G・グリーンの選
・ムック版刊行後のクイーン情報
など
文庫版ではカットされたもの
・JETによる表紙イラスト
・アメコミ「荒れ狂う墓」
・作品ガイドに添えられたショート・コミック
・キャラクター名鑑や他の記事に添えられた描き下ろしイラスト
・日米英以外のクイーン本の書影を24点並べた「世界のクイーン本紹介」コーナー
など
テキスト重視なら文庫版ですが、どちらを選ぶかはお好み次第という感じでしょうか。
■12/6の購入本
●『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』 飯城勇三&エラリー・クイーン・ファンクラブ (ぶんか社文庫)
・文春文庫
●『写楽百面相』 泡坂妻夫 ●『虹の家のアリス』 加納朋子――親本積読中。 ●『クリスマス・プレゼント』 ジェフリー・ディーヴァー――リンカーン・ライム物の表題作を含む16編収録の短編集。帯の惹句は「どんでん返し16連発」。そそります。 ●『無意識の証人』 ジャンリーコ・カロフィーリオ
228. 2005年12月06日 12時40分45秒
投稿:砂時計
「そこで第二の法則が役に立つんだよ。それは、正論除外の法則だ」
こんにちは、砂時計です。
前回の訂正。×『発掘!あるある大辞典』→○『発掘!あるある大辞典II』(<細かいヤツ)
前に触れた二階堂黎人氏のサイトでの、東野圭吾『容疑者Xの献身』は本格ではないという氏の主張についてですが、更なる議論が展開されているようですね。
一読者としても刺激されるものがあって面白いです。
「本格の定義」をどう扱うかについては掲示板での我孫子武丸氏の書きこみで言い尽くされているように思うので、ここでは二階堂氏による定義を前提とした上で本当にこの作品が「本格」と呼べないのかということを考えてみます。
二階堂氏によると、『《本格推理》とは、手がかりと伏線、証拠を基に論理的に解決される謎解き及び犯人当て小説である』というのが氏の考えだそうです。
気になるのは、この中の「論理的に解決される」という部分の厳密性ですが、12/2の文章中の例を読むと、氏が「本格」に必要だと考えている「手がかり」とは必ずしも「唯一無二の解答」を導き出せるというようなガチガチのものでなければならないという訳ではなく、普通「伏線」と呼ばれている種類のものでもよいようで、これは割と多くの人が共有している認識に近いのではないかと思います。
その上で氏は『容疑者Xの献身』を「読者に対する手がかりも証拠も充分でなく、読者はそれをけっして推理できない。よって、作者が真相であるとするものが最後に開示されるまで、読者は真相に到達し得ない。つまり、そういう結末の得られ方(作者からの与え方)は《捜査型の小説》であるから、《推理型の小説》ではない(=本格推理小説ではない)、ということなのである」と書かれているんですが、そこでちょっと首を傾げてしまいます。
自分が読む限り、『容疑者Xの献身』は(氏の言葉を借りれば)「物語の途中に手がかりと証拠をこっそり埋め込」んでいる「本格」だからです。
作中人物ではなく読者に向けられた手がかり(単なる描写だと思って読み流した読者が、謎の解明と共にそこに込められた意味に気づいてアッと思う類いのもの)もありますし、湯川が真相を見破るきっかけとなった複数のポイント(計画を成立させる上での必然として目立ってしまったこと)はトリックを指し示す手がかりといえるでしょう。
これらは「本格」として必要充分な質量の手がかりだと自分には思えるのですが。
それでも『容疑者Xの献身』は手がかりが不足していて「本格」とは呼べない、というのであれば、島田荘司『占星術殺人事件』も同じ理由で「本格」ではない、ということになるのではないでしょうか。
例えば密室物で、トリックに使用された小道具が読者の前に投げ出され(手がかりのつもり)、名探偵がトリックを見破り、それを実行できた人物はAだからAが犯人と指摘する(論理のつもり)ような作品が「本格」であるのなら、『容疑者Xの献身』も立派な「本格」だというのが自分の考えです。
227. 2005年12月05日 15時03分41秒
投稿:砂時計
「イスラム教を教えてあげたら」
こんにちは、砂時計です。
ゆうべのフジテレビ『発掘!あるある大辞典』は背骨のゆがみについての話題だったんですが、その中で、『犬神家の一族』パロディのVTR「ゆがみ家の一族」なんてのが。
市川映画版の音楽が流れ、ゆがみ家の長女・松子、次女・竹子、三女・梅子、松子の長男・佐清(仮面は被ってない)それぞれの悩みに対して「犯人は背骨です」と指摘する金田一(?)。
ブーム時に作られた映画の浸透度を改めて感じました。
そのフジテレビで放映される『女王蜂』。
今回は横溝先生出ずっぱりみたいですね。
■12/3の購入本
●『100人の森博嗣』 森博嗣 (メディアファクトリー)――先月本屋で見かけていたけど、別の本の文庫化と勘違いして買っていませんでした(ま、親本は持ってるんですが、自分の場合「文庫版は別腹」なので)。この本の中にあるVシリーズの自作解説を読めるのはいつの日か(全作積読中なもので)。
●『モーダルな事象 桑潟幸一助教授のスタイリッシュな生活』 奥泉光 (文藝春秋 本格ミステリ・マスターズ)
●『落下する緑 永見緋太郎の事件簿』 田中啓文 (創元クライム・クラブ)
225. 2005年12月02日 17時55分17秒
投稿:砂時計
「インテリ、カッコ、一名除く、カッコとじる、失踪事件、ですね」
こんにちは、砂時計です。
12/6(火)から四週にわたって、NHK教育『知るを楽しむ 私のこだわり人物伝』で大槻ケンヂが江戸川乱歩を語る「−江戸川乱歩〜幻影城へようこそ−」が放映されます。これは見ておきたいなー。
脚本家で小説家でもある秦建日子氏が『週刊現代』で連載しているエッセイ「ハタんだらけの日々」を読んでいたら、『踊る大捜査線』等の本広克行監督が秦氏を誘って、高校生のロボット・コンテストを題材にした映画を作ろうとしたことがあり、秦氏も脚本を書いていたけれど、古厩智之監督の『ロボコン』の製作が進んでいることを知って断念したという話が載っていて、へえー、と思いました。
『そして誰もいなくなった』とエラリイ・クイーン、『刺青殺人事件』と横溝正史のことなどを連想。
個人的には、『ロボコン』は大好きな映画なので、こっちが先で良かったなー、という思いが。そういえば12/5(火)午後7:55からNHK BS2で放映されますね、『ロボコン』。
ミステリ・ドラマ(と敢えて書こう)『相棒』。一昨日の夜に放映されたエピソード「監禁」は、お遊び路線の快作で、バカ面白かったです。思わずゆうべも見返してしまいました。
今回脚本担当の古沢良太氏の前作とのリンクもあったりして(<ネットで他の人の感想を読んでいて初めて気づいた)、細かいところにも凝ってますなあ。
シリアスなエピソードもあれば、こういう話もあるのが『相棒』のいいところ。
2ndシーズンの「殺人晩餐会」と並ぶお気に入りになりました。
[NAGAYA v3.13/N90201]