黒猫荘
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やわらかそうな本の上へでもすわってください
オーナー:砂時計

床を埋めつくす積読本の山、山、山。
ドアからベッドへと続く一筋のケモノ道。
最後に掃除機をかけたのは何年前だっけ……(遠い目)。
そんなダメ人間の部屋へようこそ。

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237. 2005年12月14日 17時12分45秒  投稿:砂時計 
「脚本・山内、演出・小ナベ、語りは座長の笑福亭鶴光でお送りしました」
こんにちは、砂時計です。
福本和也・一峰大二『ちかいの魔球』と『巨人の星』の関係を『黄色い部屋はいかに改装されたか?』風に表現すると「『巨人の星』は名誉の盗作」ということになるのかな、なんてことを昨日の書きこみの後で考えてみたり(『新巨人の星』の大リーグボール右1号は、『ちかいの魔球』に出てきた「新魔球」の安易なパクリとしか思えなかったけれど)。

kanauさま
いらっしゃいませ。

>教えて頂いた『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』の
>文庫版買いました。
>まずはお薦めに従って、レーン4部作から手をつけていこうかと
>考えております。

そうそう、この本の作品ガイドの配列は発表順じゃなくて「読んでほしい順」になってるんですよね。これをお節介と見る向きもあるかもしれませんが、最初の出会いが良くなかったせいでその作家の他の作品を読む気がなくなる(実はいくつも傑作があるのに)というケースはままあるので、いいやり方だと思います。

お部屋でのクイーン作品の感想、楽しみにしています。自分も長年ほったらかしの未読クイーンに手をつけていこうかな。

書きこみ、どうもありがとうございました。

『QuickJapan』最新号を総力特集「ラジオ」目当てで購入。十代の頃ラジオ漬けの生活を送っていた自分には嬉しい企画。伊集院光『深夜の馬鹿力』についての乙一コメントもあります。ザッと目を通しただけですが、個人的なツボは明石家さんまのロング・インタビュー。
現在、大阪の毎日放送で『MBSヤングタウン』の土曜日を担当している彼。かつては関西の『オールナイトニッポン』とでも呼ぶべき人気オビ番組だった「ヤンタン」の番組名を日曜の笑福亭鶴瓶と共に守りつづけているのですが(同じようなケースで『さだまさしのセイ!ヤング』がありましたね)、自分にとってさんまのヤンタンといえば、昔の「ヤン月」なんですよね。
当時公開番組だった土曜からスタジオ放送の月曜に。前任者の鶴瓶と一緒にやっていた堀江美都子・あさみあきおがそのまま残っていた最初の一年は、まあそれなりに面白いという程度でしたが、メンバーを一新しての最初の放送が忘れられません。
三時間の生放送中、一曲も曲をかけずに喋りっぱなし。今よりもずっと天才的な閃きを見せる冴えたトークで速射砲のように笑いを生み続けるさまに圧倒されました。そして、そのスタイルは翌週以降もずーっと続くことに。卓越した比喩表現能力やアクロバティックな着地を見せるアドリブ・トークに何度唸らされたことか。あの頃のさんまは凄かった。

といった思い出話はさておき、「ラジオ」を描いたミステリとして忘れがたいのが、島田荘司の短編集『毒を売る女』に収録されている「糸ノコとジグザグ」。
あるリスナーから電話メッセージとして送られてきた自殺予告ともとれる現代詩。その意味を生放送中に他のリスナーたちの力を借りて解こうとするパーソナリティー。「深夜放送」というものにパワーがあった時代の熱気が伝わってくる作品で、展開の迫力と島田荘司らしい人間ドラマが胸を直撃。登場人物のネーミングからは、島田氏が愛聴していたであろう番組のパーソナリティーが窺えて、こういったオマージュには、世代的にその人たちの放送に触れたことのない自分も温かい気持ちにさせられます。
この短編、たしかNHK−FMでラジオドラマ化されたことがあって、「これは好企画」とワクワクして聴いたんですが、満足はできませんでした。
パーソナリティーが男性から女性に変えられていたのはともかく(落合恵子のイメージ?)、あの眠そうな声の男に勝手にテキトーな名前がつけられていたのはちょっと……というのもともかく、あまりにもドラマドラマした演出に拍子抜けしちゃいまして。
もっと、途中から聞いた人が本当の生放送と勘違いするくらいの真に迫ったライブ感を期待してたんですよねー。
そんな感じでもう一度ラジオドラマにならないかなあ(もちろん、眠そうな声の男は名無しのままで)。

■12/13の購入本

『QuickJapan』Vol.63
236. 2005年12月13日 15時27分24秒  投稿:kanau 
こんにちは。78号室kanauです。

教えて頂いた『エラリー・クイーン パーフェクトガイド』の文庫版買いました。
作品紹介に一通り目を通しただけですが、「こんなに奥が深かったんだ」と思いました。
まずはお薦めに従って、レーン4部作から手をつけていこうかと考えております。

用件のみですが、これで失礼致します。

235. 2005年12月13日 12時45分10秒  投稿:砂時計 
「♪一家離散に自己破産 悪い薬がやめられない」
こんにちは、砂時計です。
ゆうべのテレビ朝日系『アメトーク』スペシャルでの「江頭2:50モノマネ傑作集」には笑い死にしそうになりました。テレビを見てあんなに笑ったのは『名探偵モンク』の猿の回のストットルマイヤー警部の取り調べシーン以来だ。

こちらでは昨日からの本格的な雪で、外は一面真っ白。
子供の頃はよく吹雪の中に雪玉を投げこんで「消える魔球だ」などと遊んでいたっけ。
『巨人の星』の消える魔球の謎解きを「本格ミステリ」になぞらえたのは綾辻行人氏でしたが(「消える魔球は風に弱い」「消える魔球は水に弱い」「星投手が右足を高く上げると青い虫が飛んで来て青葉に止まる」など今でも暗唱できる印象的な「手がかり」がありましたからね。その見方でいくと、先輩格にあたる福本和也・一峰大ニ『黒い秘密兵器』なんかはトリックの種明かしがメインのミステリといったところかな)、山崎敬之『テレビアニメ魂』(講談社現代新書)によれば、原作者からボールが消える秘密を教えてもらえないまま魔球を描いていたアニメ・スタッフによる「謎解き合宿」なんてのがあったそうで。
同書では初めて知ることが多く、消える魔球の構成要素である「右足を高く上げる」投球フォームは、実はアニメ版のサブタイトル部分の投球シーンがヒントになったとか。
また、星飛雄馬は最後、大リーグボール3号の投げすぎで死ぬことになっていたのがギリギリで回避されたそうで、もしそれが原作者・梶原一騎の元々の構想だったとしたら、『侍ジャイアンツ』(原作版)で実現させたということになるのかな。

ところで、アニメの主題歌の「♪おもいこんだら」のところでバックにグラウンドをならすローラーを引く場面が映っていたため、そのローラーを「重いコンダラ」だと思いこんでいた、という定番ネタを目にすることがよくありますが、少なくともオープニング・アニメには、そんなシーンは一切ないんですよね。エンディングにはそういうバージョンあったっけ?

『巨人の星』に関する本で面白かったものといえば、河崎実『「巨人の星」の謎』(宝島社)と堀井憲一郎『『巨人の星』に必要なことはすべて人生から学んだ。あ。逆だ。』(双葉社→講談社文庫。『小説推理』連載時のタイトルは「が〜んの時代」)があります。
後者は特に大好きなんですが、その最終章での、『巨人の星』の最後で飛雄馬を蝕んだ奇病の正体を作品中の記述から論理的に割り出すくだりは、ミステリの謎解きに通じる面白さです。オススメ。
234. 2005年12月12日 18時11分03秒  投稿:砂時計 
「死にたい乳首」
こんにちは、砂時計です。

本屋で『ファウスト』最新号に目を通したところ、連載されていた箸井地図によるコミック版『そして五人がいなくなる 名探偵夢水清志郎事件ノート』(原作・はやみねかおる)の単行本が来年夏に発売とのこと。これは買おうっと。

映人社の雑誌『シナリオ』1月号を購入。
映画『ALWAYS 三丁目の夕日』の脚本が掲載されていて、山崎貴監督と共同で脚本を執筆した古沢良太氏(ドラマ『相棒』今シーズンで「殺人講義」「監禁」の脚本を書いた方でもあります)の「創作ノート」ではどのような役割分担だったのかが明かされていて興味深かったです。

さて、同誌に「作家通信」という脚本家の近況報告ページがあるんですが、そこで小山内美江子さんがこんなことを書かれていました(一部抜粋)。

「TBSの「金八番組」のプロデューサー柳井満氏の不可思議な考えで原作者は金八の乗っとられに会っています。ライターの社会的な立場を考え、戦うだけは戦おうと著作権法を勉強しました。でも、認めないという強情な人に出会うとホントに困ってしまいます」

うーん、小山内さんの著書『さようなら私の金八先生 25年目の卒業』(講談社)にも、プロデューサー・脚本家との意見の対立から第7シリーズ途中で降板した経緯について、ある程度書かれてはいましたが、かなりゴタゴタしているみたいですね。
『金八』ウォッチャーとして何とか円満に解決されることを望みますが。

同じ今月号で野上龍雄「私が『男たちの大和』の脚本家を降りた理由」なんて文章もあって、こういったトラブルを知ると、「脚本家と作品」ということについて考えてしまいますね。

■12/11の購入本

・ハヤカワ・ミステリ文庫
『11の物語』 パトリシア・ハイスミス ●『ロスト・ファミリー』 ローラ・リップマン

『神様ゲーム』 麻耶雄嵩 (講談社ミステリーランド)――本屋の「このミス」ランクイン本コーナーに並んでいるのを見て衝動買い(この叢書は買わないことに決めてたんだけどなあ)。
『向日葵の咲かない夏』 道尾秀介 (新潮社)――『週刊文春』の千街晶之氏の書評を読んで気になっていたところ、本屋で見かけて衝動買い。

『メイキング・オブ・アストロ球団』 アストロ球団製作委員会 (太田出版)

『シナリオ』1月号
『本の雑誌』1月号

[NAGAYA v3.13/N90201]