黒猫荘
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オーナー:kanau

ミステリーと紅茶とお菓子が大好きです。
ここではミステリー以外にも紅茶やお菓子、日常のことなんかも書いていこうと思っています。
国内外問わずおすすめの物があったら教えて下さい。
  13〜16件 
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132. 2006年01月26日 23時48分40秒  投稿:kanau 
kanauです。
本を読む時間が減ってきているので最近は短編集を読んでいます。

読了本更新

『レタス・フライ』

開けて最初のイラストが印象的。

最初の「ラジオの似合う夜」と最後の「刀之津診療所の怪」はS&M〜Gシリーズの登場人物たちが出てくるちょっとしたミステリ。
後の作品はいわゆる「森博嗣らしい」独特のお話です。

「ラジオの似合う夜」の語り手は意外な人物でそれも面白いですが、作中のちょっとした事件の話も面白かったです。
でも最初の謎はヒントを見てもわかりませんでした。

「刀之津診療所の怪」は最後の謎が1番面白かったです。
そしてシリーズを通して読んでいらっしゃる方は
「ん?この2人ってもしかして?」
と思うかもしれません。

他の作品では「証明可能な煙突掃除人」と「私を失望させて」がお気に入り。
「私を失望させて」ではうっかりその場面を想像して笑ってしまいました。



131. 2006年01月22日 21時10分31秒  投稿:kanau 
『愚者のエンドロール』 

古典部シリーズ2
文化祭を控えた夏休み。
結末のないミステリ。
折木奉太郎を含めた古典部4人はクラス展示として製作されたミステリのビデオ映画の結末探しを依頼されることになるのだが・・・。

本書はバークリーの『毒入りチョコレート事件』への愛情と敬意を持って書かれたとのこと。
色々な人が映画の結末を巡って推理をし、その推理を他人が判定する、という設定は確かにこの作品を連想させられます。

ストーリーは古典部の面々がこの件に関与する過程も自然でなおかつ映画の結末にも納得。
さらに映画の結末とは別の真相が出てくる、という2段オチも面白かったです。

また、奉太郎自身が「探偵」として謎解きを始めるまでの心理変化も上手いなと思いました.
その後の真相がどこかホロ苦く感じられ、ある意味で完全にハッピーエンドにはならない所にリアリティを感じました。
このホロ苦い感じが米澤作品の魅力なのかもしれません。

130. 2006年01月17日 01時54分20秒  投稿:kanau 
kanauです。
現在修士論文作成につき、更に亀の歩みのごとき更新ペースとなっております。
ようやく新年最初の書き込みです。

読了本更新

『落下する緑 −永見緋太郎の事件簿』

テナーサックス奏者・永見緋太郎が解き明かす「日常の謎」を扱った7編の連作短篇集。

何作かは「ミステリーズ」で読んで面白かったので、未読の作品を読みたくなり図書館でリクエストしました。
私立伝奇学園高等学校民俗学研究会シリーズのイメージがあったのですが、駄洒落やギャグはなくて、本当に良質の「日常の謎」系ミステリ。
でもストーリーのテンポの良さは他作品にも通じる所があるように思います。

師から弟子へと受け継がれたてきたクラリネットの秘密、消えた天才トランペット奏者の行方、
3000万円もするウッドベースを壊した真犯人など、ジャズをストーリーの主軸にもってきた音楽ミステリでもあります。

探偵役は音楽にしか興味の無いテナーサックス奏者。
ジャズマンとしての天才ぶりが他のジャンル(ミステリ)でも発揮、一気に謎を解き明かすスタイル自体は全編通して同じなのに各話で受ける印象が変わるのが面白いです。
まるで各話のタイトルごとに変わる色のようです。
永見のキャラもどこか憎めず、人間味と爽やかさがあって良かったです。

作者の田中啓文氏、読んでいて本当にジャズが好きなんだなあというのが伝わってきます。
作者の描写する演奏シーンの影響でちょっとジャズを聞いてみたくなりました。
ちなみに、単行本では作者のおすすめジャズ・レコードの紹介もあって、この本を読んでジャズに興味を持つようになった方には嬉しい特典です。



129. 2005年12月31日 02時27分55秒  投稿:kanau 
次はミステリーランド特集(笑)です。

『ラインの虜囚』

時は19世紀初頭。
祖父に会う為にカナダからパリにやってきた少女が、偶然知り合った3人の男たちの力を借りて、ライン川のほとりに幽閉されているという謎の虜囚の正体を巡る冒険を潜り抜けるという話。

ミステリー風味の冒険物という方が良いかもしれません。
けれど作者自身のこだわりが良く生かされていて子供が読むものとしてお薦めできる1冊。
大人は読む人によっては物足りなさを感じるかもしれませんが、人によっては懐かしさを感じるかもしれません。
私は作者の作品が好きなのでワクワクしながら読めた1冊でした。


『神様ゲーム』

最初に摩耶ファンの方に謝りますが、正直私にはきつかったです。
今まで摩耶作品をまともに読んだ事がなかったので(読んだのは短編集くらい)、初読に近い状態でしたが、衝撃的でした。
物語終盤に展開される推理にビックリさせられ「これって子供向け?」と思いつつも読み進め、最後の最後でアノ結末。
子供向けかどうかを差し引いても「どうなんだろ、コレは」と思わせられました。
今改めて考えると結末よりもこの作品から受ける空気が私に合わなかったようです。
これからも摩耶作品には手が伸びないでしょう。


『カーの復讐』

最初にこのタイトルを見たとき推理小説ファンなら誰もが思ったと思いますが「ディクスン・カー」を思い浮かべました。実際はエジプトの生霊の事でした。
探偵役にはアルセーヌ・ルパン。
ルパン生誕百周年を記念して、といった所でしょうか。
まえがきの設定も面白いです。

地下道の冒険などは子供の頃に読んだルパンの話を思い出し、ワクワクしました。
とはいっても密室トリックや謎のミイラ男など、随所に二階堂さんらしい部分が見られて2度美味しいです。
子供にもお薦めできる1冊です。


[NAGAYA v3.13/N90201]