黒猫荘
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やわらかそうな本の上へでもすわってください
オーナー:砂時計
床を埋めつくす積読本の山、山、山。
ドアからベッドへと続く一筋のケモノ道。
最後に掃除機をかけたのは何年前だっけ……(遠い目)。
そんなダメ人間の部屋へようこそ。
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265. 2006年01月23日 22時12分01秒
投稿:かい賊
こんばんは。ええ、たいそうお寒うございます。
>師匠が不治の病、の作品は分からん
ええ、無理もありません。異彩を放ちながらも致命的に地味な将棋マンガ「コマコマ」
でした。物語は案の定急速に収束しそうというか、よくここまで保ったというか……。
にしてもこのままではかい賊的(でなくても)将棋マンガの最高峰は「月下の棋士」の
ままということに。まあそれ以前は週刊少年キング(おお、やったね飛葉ちゃん)連載
だった、つのだじろう作「5五の龍」ってんだからお話にもならないんですが……。
そうか、周期的には間違ってるわけでは……しかし次は一体いつまで待てば……。
ちなみに(って聞かれてもいませんが)自分が“他に読んで”いて、作者取材のため
休載だったりすると悲しいのが「090」「スクラン」「エアギア」「輝」です。
最後と「一歩」を除いてヲタ色丸出しですわ。でもこう書いてみて「一歩」以外は
砂時計様と併せてみても正統スポーツ物やアクション物がないのはな〜んか笑っちゃいますね。
ちなみに(これまた聞かれちゃあいませんが)、今日の気分で近年のドラマベスト3(もあテン
ならぬ、もあスリーですね)は「フードファイト」「イグアナの娘」「王様のレストラン」で、
次点は「QUIZ」。ベスト3の共通項はポイントは違えどそれぞれ“泣ける”こと。
“泣ける”といえば、三上物も大好きで「ストレート・ニュース」とか「マエストロ」なんかも
泣けますなあ。そう今からでもいいから「チャンス2」作ってくんないかなあ。
うひゃっ、だべってたら時間切れですわ。松田道弘についてと、“独り言に対するレス”は
ありですか? はまた今度。ではまた。
264. 2006年01月21日 21時53分24秒
投稿:砂時計
「エーッて言いました?」
こんばんは、砂時計です。
自分がここ十年ちょっとの間にハマッた日本のテレビドラマは、『古畑任三郎』(1st・2nd)『踊る大捜査線』『ギフト』『ケイゾク』『池袋ウエストゲートパーク』『ミニモニ。でブレーメンの音楽隊』くらいなのですが、『時効警察』がそれに加わりそうな気配。
ゆうべの第二回も面白かったなー。特に片桐はいりのシーンは最高。
本筋と関係ない「警察手帳の行方」からは、坂口安吾『不連続殺人事件』の「犯人さがし懸賞」正解者発表の選後感想で安吾が触れていた佐藤春夫の短編の内容を連想しました。
さて、ミステリ好きの人の多くが注目していた二階堂黎人氏のサイトでの『容疑者Xの献身』を巡るやり取りですが、二階堂氏がこの件について今後サイト内では話題にしない旨を表明したことで一応の終息を見たようです。
一連の二階堂氏の発言に対しては色々と思うこともあるのですが、同サイト内の恒星日誌の「2005.11.28」以降で展開された二階堂氏の主張と本格論議のコーナーにまとめられた巽昌章氏の投稿の両方を読めばどちらの方が筋が通っているかは明白なので、自分なんかがどうこう言う必要もないでしょう(『論理の蜘蛛の巣の中で』の歪曲問題についても発売中の『メフィスト』で当該文章に目を通せば正当性がどちらにあるかはやはり明白ですし)。
ただ、「本格の定義」を巡るやり取りから感じたことは何となく書き記しておきたい気がするので、ちょっとだけ独り言。
二階堂氏は自身の考える本格の定義を『《本格推理》とは、手がかりと伏線、証拠を基に論理的に解決される謎解き及び犯人当て小説である』とされています。が、「2005.12.02」の文章での叙述トリックものを本格にするならという例や、「2005.12.06」に掲示板から転載された我孫子武丸『弥勒の掌』を本格とする理由を読むと、定義中の「論理的に解決される」という部分は適当でなく、『《本格推理》とは、手がかりと伏線、証拠を基に合理的に解決される謎解き及び犯人当て小説である』と修正した方が良いと思われます。
おそらく「論理的に解決される」という部分があったために、二階堂氏が狭い本格観による個人的な定義を他に押しつけている、と感じた人も多かったのではないでしょうか。しかしこうして修正してみれば、ミステリファンの多くが「本格とはどんなものか」と聞かれて思い浮かべるイメージからかけ離れてはいないと思います。
とは言っても、この「定義」は、この作品は本格、この作品は本格ではない、という選別に使用できるような厳密性を備えたものではありません(それを定義とするならば、推理小説における「手がかりと伏線、証拠」とはどのようなものかも明確にする必要があるでしょう。それについては巽氏の投稿中の「2−2 湯川の推理は本格の推理か」で詳細な考察がなされています)。
「本格の定義を述べよ」と問われた場合、問われた側が考えるのはもっと厳密性のあるルールだと思います。それにはっきりとした答を示せなかったからといって、では何を根拠にこの作品を本格とするのか、それでは判断できないではないか、と批判するのは間違いです。
巽氏は投稿の中でこう書かれています。
『私にとって、本格推理小説がこれまで積み重ねてきた歴史は、海のように巨大な流動する謎であり、自分がおかれている現代的状況もまた謎です。そんな本格の範囲を自己流に区切る必要はない。海の範囲を確定しなくても、海に飛び込むことはできます。漠然と、このへんが本格領域という見当をつけて潜水し、手探りしながら観察レポートを書いているだけのことです。強いていえばその総体が私の「立場」であり「本格観」なのだというほかない』
二階堂氏による「定義」は巽氏の言う「このへんが本格領域」とほとんど同質のものだと自分は考えます。二階堂氏の言う「本格系評論家諸氏」がある作品を本格とする根拠もここから遠く離れてはいないでしょう。ただ境界を区切ることはできないし、そうする意味もない。むしろ、そこから飛び出そうとする作品や入りこんでくる作品について考えるのが評論家の仕事の一つとして意義のあることなのだと思います。
さて、雑な頭で難しいことを考えると熱が出てくるので、『時効警察』でも見てクールダウンしようかな。
「新しいパンツ穿いてー、ピョン!」
263. 2006年01月19日 23時40分05秒
投稿:砂時計
「これってー、実話ですか?」
こんばんは、砂時計です。
かい賊さま
いらっしゃいませ。
>>「借りは関西で完済!!」
>いよいよ学くんがリングから降りられなく
>なりました、というオチかと思いました。
自分もそう思いました。
関西人はもっと笑いに厳しいとおもうぞぉ(<勝手な決めつけ)。
師匠が不治の病、の作品は分からんです。他に読んでるのがトッキューと絶望とクロマティだけなもので(あ、もうしまもあった)。
若島正氏についての書きこみ、ありがとうございます。自分はミステリ評論しか触れたことがないので、色々と知ることができて良かったです。
『マイクロチップの魔術師』、読んでみたくなりました。入手しようかな。
詰将棋……実は自分、頭脳的なゲームってからっきし駄目なんですよねー。ルールや遊び方までは覚えられても、勝つための頭の使い方が全くできないという。
詰将棋とチェス、そしてミステリについての斬れのある文章といえば、松田道弘氏もそうですね。自分は門外漢ですが、その筋の人たちにとって松田氏はどのような存在なのでしょうか。
吉村達也氏にそういう一面があったとは知りませんでした。吉村氏といえば、「魔界百物語」は果たして完結できるのでしょうか(「早書き達ちゃん」と呼ばれてた頃に手がけていたらなあ)。烏丸ひろみって、国生さゆりがモデルなんでしたっけ?
自分の読書範囲はかなり狭いので、かい賊さまの何本もの蛇の足の全てについては相手が務まらないのが何とも残念。でもまた楽しい書きこみをお待ちしております。
そうそう、ドラマ版『喰いタン』第一回を見ましたが、人物周りの設定はだいぶ原作と違っているそうですね(原作は発売中の『イブニング』に載ってる話を読みましたが、あれだけでは同作品の本当の面白さが伝わってきていないような感触が)。
・主役がジャニーズ事務所の俳優。
・ドラマオリジナルの主要キャラが登場し、それもジャニーズ事務所の俳優。
・登場人物の一人が男性から女性へと性別変更。
……って、前クールの『野ブタ。をプロデュース』と一緒ですね。
この枠でヒガシが主演のマンガ原作ドラマというと、『ザ・シェフ』を思い出します。
雑誌のコラムで原作者がこのドラマに怒っていたのを読んだような記憶が(まあ、原作のカケラもなかったからなあ)。
そんなわけで、一言だけですがレスを返させていただきました。またのお越しを期待。
書きこみ、どうもありがとうございました。
262. 2006年01月19日 19時17分39秒
投稿:かい賊
ええ、実際にはまだこんにちは。連書き失礼します。
スルーできない名前が出てきちゃったんで一言(ですまないような気が)。
>若島正「明るい館の秘密」
若島正は憧れの人でもあります。最近は「ロリータ」の新訳でも話題になっていますね。
英米(主に米)文学の研究者(京都大学…はは“京大”なんですねえ…文学部助教授)で、
ジャンルにとらわれないいくつかの翻訳があります。その中のひとつ、
ヴァーナー・ヴィンジ著 若島正訳 「マイクロチップの魔術師」 “原題:True Names”
(新潮文庫……珍し新潮のSF、しかし絶版! でもAmazonで入手可のようです)
サイバーパンクの先駆けとも言える作品で1981年発表。言わずと知れたサイバーパンクの
代名詞ギブスン「ニューロマンサー」が1984年発表ですから、若島さんの見識の明るさが
窺い知れるというものです。基本的にはSFともファンタジーともとれるこの作品は
フーダニットのミステリーとしても優秀で、読者を選ぶであろう「ニューロマンサー」よりも
むしろ砂時計様他ミステリー愛好者向きではないかとたいそうお勧めでございます。
もう既に「古い」作品となってしまいましたが黴臭くない普遍性を持つ良作と思っています。
蛇足ですが、先日ミステリ&ラノベ読みの先輩でもある高校の後輩とメシを食いに行ったとき、
最近のラノベ新人は拡小再生産の傾向にあり、つまりラノベブレイクのきっかけとなった
「ブギーポップ」以降のラノベをベースとした(またはその周辺作しか読んでいないであろうと
思われる)読書体験しかしていないであろう作家が次々“プロ”として誕生しており、必然として
中身に“薄さ”を感じざるをえないとのご託宣を伺い、なるほどなあと感心させられましたが、
そういう若い金の卵さんたちにもオススメできる作品なのだがなあ、と思いつつ。
あ〜あ、蛇に足は一本じゃないらしいです。
こないだ東京はジュンク堂池袋店に行ったとき、B1階のラノベコーナーにW桜(桜庭一樹
&桜坂洋)のドドド書店なる棚があって面白かったです。ちょっと普通(何をもって“普通”と
するかが難しいですが)のラノベ作家とは毛色の違う路線を行くこの二人。読んでいる本や
影響を受けた本も、哲学書や時代小説など多岐に渡るジャンルでなかなか楽しかったです。
で、ようやく本題(ええっ!?)なのですが、若島正にはもうひとつの顔があって、砂時計様の
貼られているリンク内のプロフィールにもあるように、詰将棋作家としてもチェスプロブレムの
普及者としてもその筋ではクリスティ・クイーン並みに著名です。自分は詰将棋が大好きなので、
実は若島さんを認識したのも最初は詰将棋がきっかけで、その後こんな形で自分の読書趣味と
リンクしてしまうなんて思いもよりませんでした。ただ、詰将棋は大変優秀な論理パズルなので、
ミステリーを楽しむ感性とも共通点が多いと思います。
ちなみに吉村達也(女性読者にはブーイングが多い烏丸ひろみの「三色の悲劇」シリーズが
好きです)も優秀な詰将棋作家で詰将棋専門誌に多数の作品を発表しています。どちらかと
言えば量産系の吉村さんですが、きっと創作姿勢や創案方法には詰将棋作りの思考法が
かなりの部分で応用されているのではないかと思われます。
若島さんの作る詰将棋は見た目も手順も楽しい作品が非常に多く、その作品集を解いたり
鑑賞したりすることは自分の数多い(?)至福の時のひとつです。またラビリンスにはまりこもう
かしらん。
お〜お〜、すげぇ「一言」になっちまいました。もうすでに、こんばんは。
ていうか、ちゃんとてめぇの板を更新しろよ自分。失礼しました。
出入り禁止を辞さず登録をクリック(書いちまったもんは仕方がねえ)します。
ではまた(があることを祈りつつ)。
[NAGAYA v3.13/N90201]