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4543. 2003年09月25日 00時30分57秒
投稿:森 [http://www1.kcn.ne.jp/~holmes/] |
お久しぶりです。 『ゼロ時間へ』の森です。 「怪奇大作戦」のDVDがとうとう発売決定ですか。 僕は「怪奇大作戦」に関するサイトは見たことがあり、興味を持ったのですが、 どこのレンタルビデオ屋にもなく、まだ見たことがないので、今回のDVD化は、 ちょうどいい機会なので、見てみようかなと思っています。 川口さんも見られたこと、ありますか? |
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4542. 2003年09月21日 22時40分51秒 投稿:松本 |
最近は、こんな本を読んでます。 ●伊坂幸太郎「陽気なギャングは地球を回す」 爽快なクライム・コメディ。さりげなく出てきた小道具や伏線があとでジグソーパズルのピースのごとく、ピシリピシリとはまる気持ちよさ。 ●小川洋子「博士の愛した数式」 交通事故の後遺症で記憶が80分しか保持できない元天才数学者の「博士」と通いの家政婦の「私」、その息子「ルート」の物語。とても美しい小説でした。タイガース、特に江夏が重要な要素となっているので、阪神ファンにもおすすめ? 余談ながら、同様の記憶障害を持った男が(こちらは 記憶が10分しかもたない)、妻殺しの犯人を追うのが映画「メメント」。これ、時間軸がどんどん過去に遡っていく構成で、かなりややこしいけれど、見て損はないと思います。 ●テディ片岡「テディ片岡ゴールデンデラックス」 片岡義男が「白い波の広野へ」でデビュー以前にテディ片岡名義で書いていた短篇を収めた一冊。ちょいめず。 空を飛ぶ10円玉が人間に襲いかかる「空飛ぶ10円玉」とか、いまの片岡義男からは想像もつかない変な小説ばかりです。 ●田辺聖子「春情蛸の足」 きつねうどん、お好み焼き、たこ焼き、てっちりなど、いかにも大阪的な食べものと中年男の恋をからませた連作短篇集。食べものの 描写の上手さでは池波正太郎の定評が高いけれども、田辺聖子も実に巧み。そしてかなりおかしい。電車で読んでいてクスクスクスクス笑ってしまいました。 雑誌でエッセイなどは読んでも、「どうせ中年の話でしょ」と、田辺聖子の小説は一冊も読んでなかったのですが、中年になって読むと面白いなあ。 ほか、戸板康二「グリーン車の子供」、マックス・アフォード「魔法人形」、本宮ひろ志「天然まんが家」、なかにし礼「てるてる坊主の照子さん」など。 |
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4541. 2003年09月19日 08時08分22秒 投稿:土田裕之 |
怪奇大作戦のDVDが発売されるようですね。 |
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4540. 2003年08月31日 21時10分06秒 投稿:松本 |
はい、少数のアメコミ・ファンのひとりです(笑)。 さっそく見てきました。こりゃ安くていいですねえ。ファンタスティック・フォー、 X−MENあたりは欲しいな。 さっき、アマゾンに頼んでいた「The Comic Journal Library:Frank Miller」が 届きました。LPレコード・サイズでモノクロの本文が132ページ。2041円。 1981年から2003年のあいだにフランク・ミラーに行われたインタビューが6本 収められています。 なんて書くとかっこいいのですが、英語に堪能なspookyさんならともかく、私は 図版を眺めるのが関の山。それでも、けっこう愉しいです。 「子連れ狼」のアメリカ版「Lone Wolf and Cub」のカバーのラフスケッチなんてのも 入ってます。 |
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4539. 2003年08月31日 16時50分55秒 投稿:SPOOKY |
ごく少数のアメコミ・ファンの皆様へ。 最近、マーヴルはしばらく絶版になっていた "Marvel Masterworks" の再刊をはじめました。 60年代の名作、傑作がカラーで読めるなんともありがたいシリーズなのですが、いかんせん値段が高い。アマゾンで買っても5000円以上してしまいます。 と思ったらアメリカの barnesandnoble.com が救いの手をさしのべてくれました。通常はハードカバー版しかないこのシリーズのペーパーバック版を、マーヴルとのダブル・ネームで刊行してくれたのです。 出ているのは残念ながら "Fantastic Four" "Hulk" "Silver Surfer" の3作のみですが、今は夏のバーゲンちゅうで、1冊10ドル以下で買えます。 とくに "Silver Surfer" はアメコミ史上に残る傑作! ニール・アダムズとジャック・カービーを足して2で割ったようなジョン・バスマの画は、眼福としかいいようがありません。 個人的には10年ほど前に買い逃して以来、ずっと再刊を待っていた本なので(初版には100ドル以上の値が付いてます)、うれしさもひとしおでした。とにかくお薦め。 |
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4538. 2003年07月20日 17時53分47秒 投稿:かわぐち@白梅軒 |
久々なので、この間読んだ本を小説だけでも羅列しておきます。 ヘクスト『テンプラー家の惨劇』(国書刊行会) ギルバート『捕虜収容所の死』(創元推理文庫) 『小栗虫太郎集』(ちくま文庫) 以上はもう多くの皆様が読まれていることでしょう。 志村有弘編『罠の怪』『魔の怪』『黒の怪』(勉誠出版) 昨年突如出現したアンソロジーシリーズ。まあ正直言って、アンソロジー頻出の定番から珍品、名作・怪作とゴッタ煮の様相。続く『白の怪』『水の怪』『人間心理の怪』も一応読むつもりです。 一応収録作を挙げておくと、 『罠の怪』 幻覚殺人―明日はもうこない/加納一朗 惣太の受難/甲賀三郎 母の秘密/渡辺啓助 手錠/大下宇陀児 失われた夜の罠/藤波浩 洒落た罠/高梨久 罠の罠/奥田野月 陰花の罠/鵠沼二郎 『魔の怪』 悪魔の弟子/浜尾四郎 悪魔の舌/村山槐多 愛欲の悪魔―蘇生薬事件/秦 賢助 偽装魔/夢座海二 死後の恋/夢野久作 恋愛曲線/小酒井不木 『黒の怪』 黒水仙/藤雪夫 黒衣マリ/渡辺啓助 黒菊の女/新久保賞治 赤黒い手/小鹿進 『20世紀SF』4〜6(河出文庫) 久々にまとめてSFを読みました。今回の収穫はなんといっても80〜90年代の作品が店主にも読めることがわかったことです。『ハイペリオン』、読もうかな……。 ヴァン・ダイン『グレイシーアレン殺人事件』『ウインター殺人事件』(創元推理文庫) 予定より7カ月遅れで、「フィロ・ヴァンス・サーガ」読了。確かに後半はキツイかなあ。 『ウインター』は「え、これで終り?」としか思えなかった。 ドロシー・セイヤーズ『学寮祭の夜』(創元推理文庫)、『忙しい蜜月旅行』(HPB) ヴァン・ダインと並行して読了するつもりであった、ピーター卿シリーズもフィナーレ。 これまたこの2作は店主にはいささか……。 それにしても『忙しい』しか入手できない時代が長かったわが国ではセイヤーズ人気は望めなかったでしょうね。創元の意欲的な新訳が出なかったら、ほとんど省みることが個人的にはなかったはず。 翻訳状況で作家の評価が左右されるというのもコワイ話だ。といって原書読む力ないし。 レオ・ブルースなんて、小林晋氏の紹介読むと、そんな状況に近いのかな(まあ、ジョン・ロードはアレのような気がしてなりませんが)。 そして、3月よりコツコツと読み進めていた全集、『甲賀三郎全集』全10巻(日本図書センター)。 戦後間もないうちに刊行された本の謄写とあって、文字の擦れ・欠落が酷く、読むには想像以上の苦労がありました(想像つくと思いますが、苦労はそれだけが原因じゃないですが)。 もうかなり忘却しておりますが、獅子内モノの賞賛は、ついついツッコミ入れたくなるぞ。ただただ事件を掻きまわしているだけで、犯人が自ずから自滅してくれているだけのように思うんだけどな。 正直、「これはオススメ!」と声を大にする気力もないのですが、「気早の惣太」シリーズはユーモア・ミステリの一種として楽しめました。 でもまずは『緑色の犯罪』(国書刊行会)と『日本探偵小説全集1』(創元推理文庫)所収の「支倉事件」(本全集には未収録)を読んだうえでとりかかるほうが無難でしょうね。 購入本はほとんどないのですが―― 『名作挿絵全集』全10巻(平凡社)は、場所を思いっきりとるためツライ買物でしたが、開くとそのことを忘れさせてくれる、すばらしい内容。キキメの「推理・怪奇小説編」は先に購入済でしたので、それ以外の9冊を購入。 ジルボーグ『医学的心理学史』(みすず書房)、原著刊行は1941年。名著として紙価を高めていた本ですが、最近復刊。精神医学がいかに神秘学との決別を目指してきたかが覗えると同時に、「正常者」「異常者」も区分けという危険性にも触れています。 『宮負定雄 幽冥界秘録集成』(八幡書店)、刊行元を見ただけで「ああ…」と言われそうですが、幕末の国学者(1797〜1858)の霊界関係の業績をまとめた貴重な本なんです。定価12000円する本だけあって、よほどの方にしかおすすめはしませんが、日本のオカルティズム文献に関心がある方にとっては看過できないものだと思います。 その他では『ルヴェル傑作選』(創土社)を格安で購入。これは創元推理文庫のおかげでしょうね。 雑誌「SUMUS」別冊「まるごと一冊中公文庫」は、個人的には期待はずれ。 というよりも、本書の同人の方々との価値観の相違でしょうから、非難するわけではないのですが。 (ただ、これまで漠然と感じていた違和感が、はっきりとしましたが) 理由は、なによりも本書には、中公文庫でこれを読みたいと思わせる記事がないこと。 「かつての中公文庫はすばらしかった」「現在ではこれこれの本が入手しにくい」の類の記事は、それはそれでいいとは思うのですが、このような本を編集するなら、「中公文庫のはこんな《おもしろい》本がある」の記事がほとんどない(皆無ではありませんが)のは残念。 極論で言えば、本書を手にして古本屋に行き買いたくなることはあっても、図書館ヘ行き読みたくなった人はそういない気がします。 なくなった品切れ書目を惜しむ気持ちはわかるのですが、奇跡的にも残っている名著をもっと取り上げてもらいたかったなあと。たとえば石光真清の手記4部作や今西英造『演歌に生きた男たち』のように、今現在書店で買える本を紹介しない手はないと思うんですが。 ミニコミにあれこれケチをつけるつもりなど毛頭なく(「じゃあお前がやってみろよ」と当然返されるべき言葉も承知)、これまでにもユニークかつ貴重な記事も載せていた雑誌だけに、ちょっとボヤキを入れたくなりました。 もちろん書誌学・書物周辺の雑誌として、楽しめばそれでいいのかもしれません。 「本は読むだけのものじゃない」という店頭の言葉にしている私が言うのは矛盾ですが、沈んでいる間、ネットを見ていて、「本は読むものじゃない」といわんばかりの風潮が少しばかり気になったこともあり、つい書いてしまいました。 |
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4537. 2003年07月20日 17時52分49秒 投稿:かわぐち@白梅軒 |
店主でございます。 黒猫荘オフも「家庭の事情」で欠席。なんだか、気持ちはダウンしっぱなし。 かねたくさま どうも見苦しいサンドウィッチ状態になってしまい、もうしわけございません。 『現代民話考』は、本当に名著だと思っております。 といっても店主も第1期こそ読了したものの、後年出版された第2期については拾い読みという体たらくなんですが。今回の文庫化を機に、再読も含め全巻読了するつもりです。 店主ごときがこの本の魅力を語り尽くせるはずもないのですが、感じていることをいくつか。 本書を構成している大部分は、博捜の結果集まった、現代の民話の数々です。 各民話には、関連資料が付されたり、その分布状況が併記してあったりと、ある意味民話のエンサイクロペディアとしての要素を兼ね備えております。 この本、題名こそ『現代民話《考》』となっておりますが、実は論考は各章の冒頭に短めの文があるだけ。つまりこれは膨大な民話資料ともいうべきもので、「考える」のはそれを手に取った読者自身でなければならないということ。 「民話」とは「昔話」ではなく、我々が生きている現在でも息づいており、また新たに誕生していることが覗えます。 また、「民話」というと神や妖怪の話、あるいは怪談の類かととらえられがちですが、決してそうではなく、戦争の悲惨な物語、タクシー運転手から聞いたヘンなお客の話まで、多種多様にわたることがわかるでしょう。 例によって知ったかぶりをしておくと、本書以前の「昔からの」民話としては『日本の民話』全12巻(角川文庫)を、民話研究の基本文献としてはS・トンプソン『民間説話』全2巻(現代教養文庫)を、そして本書を読んでドキュメンタリと民話が紙一重になることを認識したうえで、『日本残酷物語』全5巻(平凡社ライブラリー)を併せて推奨したいと思います。 松本さま お忙しいなか、いろいろ手を伸ばされてますよね。 紹介いただいた『DIVE!』はぜひとも読んでみたくなりました。 自分にとって新しい分野や作家に接するのは、なかなかエネルギーがいるものなので、しばらく先になりそうですが……。 マンガにいたっては、今年になって買った新刊は諸星大二郎と花輪和一だけです。 もはや完全に現在のマンガの状況はわからない状態。 「フィアメーカーズ」、先に話しましたが、なんと月が変わったら12回で終了してしまいました。 うぐぐ…一番観たかったローランド・ウェストが……。 ちょこっとだけ調べてみると、この番組1996年くらいに作られたみたいで、ビデオ3巻(全何回分あるのか不明)、そして本にもなっているらしい。 しかし、これまた品切れで、高い本ではないのですが、安い本だとかえって古本って注文しづらいんですよね(5〜10ドルの本1冊だと送料がそれ以上で、勿体無くなってしまう貧乏性)。 月うさぎさま 激励ありがとうございます。 いつもなにか書こうと思いながらも、最近は何を書いて良いのやらわからない状態なんです。 読んだ本や買った本をずらずら並べても、おもしろくない気がして(それでいながら、なぜか他人の買物日記はおもしろいんだよな)。 ところで、もうかれこれ3年も前になろうかと思いますが、岩波文庫の中でも大のオススメとして、『江戸怪談集』とならんで『ギリシア奇談集』を挙げたのを憶えておられるでしょうか? 当時は品切れでしたが、先月ようやく重版が出ました。 これまたすぐに読む本ではないと思いますが、「この本はいいぞぉ!」とふれまわりたい本です。 (アテナイオス『食卓の賢人たち』も店主は愛してやまない本です) MOさん う〜ん、さすが格調高い?→某所とは別人みたいだ(笑) ヘミングウェイの高見訳、結局短編集のほうも未読です。 新訳って、もともとその本が入手困難とか、すごい悪訳で泣かされていたという過去でもないかぎり買えませんね(あるいは注目の名訳でもないかぎり)。 どうしても世代的に大久保康雄訳のイメージが強いのですが、高見氏の訳で全作品出るなら読み返してもみたいなあ。 なお、大久保訳を現物引っ張り出してきたところでは、こうなっています。 『あなたがたはみなうしなわれた世代の人たちです』 確かに「なのよね」っていうのは……。 |
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4536. 2003年07月08日 23時58分25秒 投稿:MO |
川さん、皆様こんばんは。 大した話題ではないのですが・・・。 ヘミングウェイの「日はまた昇る」の高見浩訳(平成12年角川春樹事務所刊)が、新潮文庫の 6月刊行分(平成15年7月1日発行日付)で出たんですね。 最近はサリンジャー「ライ麦畑でつかまえて」なんてのも村上春樹訳で出たみたいですが (買っていません)、新訳は過去の翻訳成果を踏まえているだけあって、誤訳・誤理解の 訂正などがされてるのはいいけど、全般的に「読み易くしようとして軟らかくなっちゃう」 結果が多いような気がします。 「日はまた昇る」も新潮文庫の旧版(大久保康雄訳)では、冒頭のガートルード・スタインの 言葉は確か、 「――あなた達はみんな、失われた世代(ロスト・ジェネレーション)の人間です。」 (手元にないので曖昧です。すみません)みたいな感じで、多少の礼儀正しさ(?)がある文だっ たと思うんですが、この本では、 「あなたたちはみんな、自堕落な世代(ロスト・ジェネレーション)なのよね。」 となってます。 「・・・なのよね。」ってのもなぁ(笑) |
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4535. 2003年06月29日 02時25分12秒 投稿:松本 |
最近、コミックはあまり熱心に追わなくなったのですが、珍しくまとめて読みました。 「ハチミツとクローバー」羽海野チカ なかでも手にしなくなったのが少女マンガ。評判を聞きつつも躊躇していたこの作品、 読み出したらハマってしまいました。ラブ・ストーリーよし、コメディよしという感じ (ちょっと、うすた京介っぽい気もするが)。次巻が待ち遠しい。 「NANASE」山崎さやか 「七瀬ふたたび」のマンガ化。絵は人によっては趣味が合うかどうか微妙なところですが 原作をうまく消化していると思います…って、小説を読んだのは四半世紀(!)も前なので 偉そうなこたぁいえません。冒頭のエピソード(テレパシーを使い、発狂させるところが 「家族八景」の一篇…「水蜜桃」?…を思わせる)以外はほぼ原作に忠実みたいです。 「鉄人」3巻 矢作俊彦、落合尚之 相変わらず面白いけど、もっと早いペースで読みたいなあ。 「金魚屋古書店出納帳」2巻 芳崎せいむ コミック専門の古書店を舞台にしたシリーズ。ちょっと1巻より出来が落ちたかな。 特に田淵由美子の「フランス窓便り」をモチーフにしたエピソードは、あの作品に 私自身、愛着があるだけに、「おいおい、勘弁してくれよ」と思ってしまう。 「漫画家残酷物語」1巻 永島慎二 このマンガは、サンコミックス版、小学館漫画文庫版、朝日ソノラマ合本旧版、同新版と 4種類持っているのですが、違う版が出ると聞けば、やはり買ってしまいます。特に 今回は初の生原稿から起こしたものとくればなおさらに(いままでの版がすべてトレース とは知りませんでした)。このマンガを読み返すのも何度目か…? 中年となってしまった いまの目からすると青臭さは否めませんが、やはりジーンときてしまう。 |
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4534. 2003年06月17日 01時06分15秒 投稿:月うさぎ |
本当にもう少し顔だしてくれないとグレちゃうぞ(ーー;) > 先に「『現代民話考』(ちくま文庫)は買っておけ!」という話をしましたが、もうひとつから出た、鈴木棠三『江戸巷談 藤岡屋ばなし』正続の2冊(ちくま学芸文庫)。 『現代民話考』は3巻目も買ったよん(^^) その学芸文庫面白いあるか? でも店主さまのお薦めにはめったにはずれはないし…。今度、本屋で見かけたら買うことにいたしましょう。 セイヤーズあと2作?頑張って読んでくださいまし(^^) |
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4533. 2003年06月16日 23時44分29秒 投稿:松本 |
おひさしゅうございます、店主さま。一ヶ月に一度といわず、もそっと頻繁にご登場してくださいな。 ところで「フィアメーカーズ」、コーマンなどはぜひ見たいですね。 最近読んだのはこんな本です。 野田昌宏「科学小説神髄」「SFパノラマ館」 どちらも、例の独特の語り口が楽しめるエッセイ集。「レモン月夜の宇宙船」「あめましておめでとう計画」 の二冊に収められた私小説的(?)作品群も大好きなので、あの手の小説をまた書いてほしいものです。 鷲尾三郎名作選「文殊の罠」 正直、前半はさほど面白いとは思えませんでしたが、後半の毛馬久利の四作、特に「白魔」は好きです。 森絵都「永遠の出口」 知人に「いいよ」とすすめられて、読んだ一冊。著者はヤングアダルトの分野では人気作家で、 その代表作「カラフル」を数年前に買ってはあるのですが、積読状態。 ひとりの少女の小学4年生から高校卒業に至るまでを描いた長篇(あるいは連作短篇)。 要するに、普通の人のごくごく普通の人生を綴っているのですが、けっこう面白い。 で、引き続き、同じ著者のヤングアダルトものを読んでみたのですが、これがまた……。 「DIVE!!」1〜4 飛込み競技を題材にしたスポーツ小説あるいは青春小説。全くタイプの違う3人の少年ダイバーが オリンピックを目指す物語で、読んでいて胸が熱くなってしまいました。いやあ面白い! 主人公3人が魅力的なのはもちろん、脇の人物も存在感充分。 1〜3巻は3人の少年ひとりずつの視点で捉え、オリンピック選考会を綴る4巻は 各章をメイン、脇ふくめた9人の視点で描き分けるという趣向がまた泣かせます。 2000年から2002年にわたって刊行され、このあいだまで存在すら知らなかった本なのですが、 読んでよかった。いまのところ今年のベスト1はこれに決定! |
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4532. 2003年06月15日 13時04分54秒 投稿:かわぐち@白梅軒 |
店主でございます。 先の発言4531で、本筋とは関係ないところでナンクセをつけるような発言をしてしまったので、削除させていただきました。 それにしても、当店を開いて約4年、これまで発言には責任を持つつもりで、リンクの貼り間違い以外は一度も「改竄」することのないように気をつけてきたつもりでしたのに、残念でなりません。 一応該当箇所を削除し、タイプミス等若干修正したものを再度貼りつけておきます。 (以下再投稿) 読了は、特に言うべき本もない気も。 ヴァン・ダインは『誘拐殺人事件』、セイヤーズは『ナイン・テイラーズ』まで到着。 バークリー『シュリンガムとヴェインの謎』、これって、1964年の某傑作コメディ映画の先駆けなんですね。 小松和彦編『日本妖怪学大全』(小学館)は、学術書ですが、きわめて刺激的。あくまでも「妖怪学大全」であり、「妖怪大全」ではないので、念のため。京極夏彦も執筆しております。 洋書購入(そろそろこれも報告は止めようと思ってます)は、 PALAST DES WISSENS: Die Kunst- und Wunderkammer Zar Peters des Grossen(ss=エスツェット)(Hirmer)ISBN3777410861 本年ドルトムントで開かれた、ピョートル大帝コレクション展のカタログ。カタログ(図録)編と論考編の2分冊。同種の展覧会としては、1996−97年にアムステルダムで開催された Peter de Grote en Holland展があり、コレクションの様相はほぼわかってはいたものの、やはり念のため購入。 James Taylor & Kathleen Kotcher- Shocked and Amazed! (The Lyons Press) ISBN1585747076 アメリカの見世物(ショービジネス)の関係者のインタビューを集めた本。 Michaell Mitchell (ed.)- MONSTERS: Human Freaks in America's Gilded Age (ECW) ISBN1550225324 Eisenmannという写真家が写した19世紀の奇形人の写真を集めた本。「良識」ある方にはあまりおすすめできない……。 A.W.Stencell- SEEING IS BELIEVING: America's Sideshow (ECW) ISBN1550225294 最近もっとも夢中にさせられたのがこの本。タイトル通りアメリカの見世物歴史の総覧。図版も豊富で、これは翻訳が出て欲しい。横長の版型で読みづらいんだ……。著者はサーカス出身者で、かつ見世物の研究に携わったというから、われらが故・人間ポンプ・安田里美氏のコレクションが同様にまとめられることも渇望してやまない。 本書購入と機を一にして、『別冊太陽 見世物はおもしろい』(平凡社)も購入。 こちらがまた、カラー図版満載(Stencellの本はモノクロ図版)で、すばらしい本。 巻末の案内に寄れば、2003年11月1日から12月14日まで、東京・渋谷の「たばこと塩の博物館」で「大見世物」という企画展が開かれるとか! 今から心待ちでなりません。 |
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4531. 2003年06月15日 07時44分54秒
投稿:かねたく [http://www2u.biglobe.ne.jp/~kinko/index1.htm] |
こんにちは。 たいへんご無沙汰しております。 松谷みよ子さんの『現代民話考』は早くも三冊目が出ていますが、ようやくこのシリーズを 強く推されている方にめぐりあいました。嬉しいです。 たんに私の見ている範囲が狭いからだけなのかもしれませんが、このシリーズが文庫化された ことがもっと話題になっていてもいいような気がするのです。 もっともそういう私だって、拾い読みとも言えないような読み方しかしていないのですが。 |
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4529. 2003年06月15日 02時28分38秒 投稿:かわぐち@白梅軒 |
店主でございます。 徐々に登場ペースが落ちてきて、月に一度になってきました……。 月うさぎさま え〜と、すっかりマヌケなレスとなってしまいましたが、お祝いのお言葉ありがとうございます。 毎年言っている気もしますが、いまさら祝う歳でもありませんが。 これだけではなんですので、個人的なお勧め本を。 先に「『現代民話考』(ちくま文庫)は買っておけ!」という話をしましたが、もうひとつから出た、鈴木棠三『江戸巷談 藤岡屋ばなし』正続の2冊(ちくま学芸文庫)。 宮武外骨『明治奇聞』の先駆のような本でして、ムチャクチャおもしろい! さすがに原典『藤岡屋日記』(三一書房刊行、全15巻)は文庫にできないだろうが、その現代語訳エッセンス。 SPOOKYさま 「黒猫」「黒い足音」御紹介ありがとうございました。 絶対に買うつもりですが、まだ手に入れてません。 どうしてもまずは店頭で探してみたくなるんですよね。 来週にはタワーレコードあたりに行ってみるつもりです。 それにしても、ヤマタケブームもここまできたかと、感慨深いものがあります。 Yuuka川さま(苦笑) わざわざこちらにまで足を運んでいただき、恐縮です。 他のお客様はいざ知らず、店主の場合は、ただ新しい本を追いかけるのがメンドウなので、古いものにしか手を出さないだけなんですが。 最近は、本を読むことさえ熱意も持てず、もっぱら通勤電車の中だけが読書タイム。 それにしたって、本当なら女の子でも眺めていたいのですが、それをしているとアブナイ人や痴漢と思われかねないので、本に目を向けているのが真相です。 砂時計さま 熱意の篭った文章、ありがとうございます。 もはや独壇場で、店主ごときがレスできるレベルではないですが。 確かに日本映画で本格ミステリの傑作と呼べるものは少ないというか、ちょっと思いつきません。 金田一耕助シリーズを除くと、野村芳太郎による一連の松本清張ものは「本格」と呼ぶにはためらわれるし。 >このところ自宅にいる時間は、ハードディスク録画したTV番組の編集に追われて満足に本が読めない状態です この点は、店主もまったく同様です。 店主の場合は編集なんてものではなく、ただただ録画した番組の消化に追われているのですが。 ハードディスクは限られた容量しかないため、これまでビデオで録画したら安心して観なかったものを確実に観るように義務付けた、店主個人には画期的な機械でした。 おかげで家にいる間はテレビ浸けです。 さてものはついでなので、どうしても一言触れておきたい番組が。 これまで極力ケーブルテレビの番組には触れないできました。 理由は、もちろん視聴できない方も多く、そのような立場の人にとっては面白くない話題であるからです(店主がその立場なら絶対そう思います)。 その禁を犯してまで触れるのは、店主自身も迂闊にも放送に気づかなかったため。 その番組は「ミステリチャンネル」で放送中の「フィアメーカーズ」。 ホラー監督12人の紹介番組(全14回)。 1 ダリオ・アルジェント 2 ジャック・アーノルド 3 トッド・ブラウニング 4 ジョン・カーペンター 5 ウィリアム・キャッスル 6 テレンス・フィッシャー 7 ロジャー・コーマン1 8 ロジャー・コーマン2 9 ジャック・トゥールヌール 10 スチュアート・ゴードン 11 トビー・フーパー1 12 トビー・フーパー2 13 ローランド・ウエスト 14 ロマン・ポランスキー もちろん、この顔ぶれを見て「おおっ!」とのけぞった方だけでいいのですが(10人くらいはいるでしょう)。 ウィリアム・キャッスルで1回分!(知らない方はジョー・ダンテ監督作「マチネー」を) 「キャット・ピープル」は知っていても、その監督名を言える人が何人いるのか? さらにさらに、トッド・ブラウニングはまだしも、ローランド・ウエストですぜ、旦那! |
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4528. 2003年06月06日 20時06分03秒 投稿:砂時計 |
お久しぶりです。 このところ自宅にいる時間は、ハードディスク録画したTV番組の編集に追われて満足に本が読めない状態です(自分の場合は、出演者目当てで録っている地上波のしょーもない情報番組やバラエティ番組がほとんどですが)。 そんな中で読んだ本の一つが、「小説だけが本格じゃない!すべてのミステリ狂に捧ぐ「非小説」本格ミステリ完全ガイドブック!」と銘打たれた、[監修]小山正・日下三蔵『越境する本格ミステリ』(扶桑社)。 資料性や研究性は強くなく、ガイドブックに徹したつくり。充実した内容で、楽しい時間が過ごせました。 他のジャンルには有る作品レビューのコーナーが邦画一般についてだけ無いのはバランスを欠いているような気もしますが、小山氏曰く「戦後の日本映画界には「本格ミステリ」マインドがきちんと取り込まれたミステリ映画の傑作は少ないように思われる」ということなので仕方ないのかな。とは言え、(野村芳太郎 監督の項はあるけれど)『配達されない三通の手紙』は作品として取り上げて欲しかった気もするし、三谷幸喜作品として個人的に『古畑』の諸作よりも完成度が高いと思っている『12人の優しい日本人』には1ページ割くぐらいの価値があると思うんだけどなあ……といった具合に読者はわがままなもので、この本に載っている作品のごく一部しか見ていない自分のような人間でも、好きな作品が抜けていると残念な気持ちになってしまうんですよね。 もちろん、アンケートページの編集部の言葉にあるように、紙幅の都合で割愛せざるをえなかった作品が多々あるのを承知の上で、個人的に「取り上げられてなくて残念」度が高い作品を三つほど。 1.『太陽にほえろ!』 『Gメン'75』の項があり池田雄一脚本の作品群が取り上げられていますが、この項で紹介されている「土曜日21時のトリック」は、前年に放映された『太陽にほえろ!』のエピソード「逆転」を意識し、それを超えようとした作品じゃないかと(勝手に)思っているので(ほとんどが取調べシーンという構成、凶器をめぐるやりとりなど、いくつか共通点がある)、その他の傑作群(特に山さん主演作)も含めて『太陽』にも触れて欲しかった。なお、「逆転」は犯人を落とす決め手が弱いという欠点があるんですが、「土曜日21時のトリック」のほうは、(この本でも指摘されているように)その点が見事です。海外の某短編ミステリが元ネタだと思うんですが、アレンジが絶妙の一言。ただ、そのあとのどんでん返しは話の整合性を壊していて完全に蛇足だと思いますが。 2.『特捜最前線』 巻末のアンケート企画「私のジャンル別ベスト3&隠し玉」で麻耶雄嵩氏がベスト3に『特捜最前線』の「天才犯罪者・未決囚1004号!」を入れた上に隠し玉として『快傑ズバット』の「涙の河を振り返れ」を紹介し、長坂秀佳脚本の『特捜』のミステリ度について語っていて、それはそれで嬉しいんですが、やっぱり『特捜』の項が無いのは残念。なんといっても、この本の執筆者の一人・大倉崇裕氏は、自身のサイトの日記の中で、『特捜最前線』の長坂作品について熱い文章を何度も披露してくれているんですから。大倉氏による「私的コロンボ・ベスト10」のページがありますが、「私的長坂特捜・ベスト10」も読んでみたかったなあ。 3.白虎丸『まりなミステリーファイル』(ぶんか社)全4巻(4巻目は未読ですが) 『金田一少年の事件簿』以降の、ストレートな本格ミステリ志向のマンガはほとんど網羅されている感がありますが、その中にこれが無いのは惜しい。 主人公の高校教師・観王丸(かんのうまる)まりなの「性的快感を得ると脳細胞が活発化し、驚くべき推理力を発揮する」という設定のバカバカしさ(「灰色の乳細胞を刺激してちょうだい」には笑ったなあ)、教え子で恋人の石山とおるに3巻でふりかかる出来事(唖然!)、といった部分も好きですが、ちゃんと伏線を張りながらもアンフェアすれすれの手を使って読者に挑戦しようとする稚気が(成功不成功は別として)魅力の作品なんです。作者のミステリ好きが分かる巻末のあとがきも楽しいし(ただしこのあとがき、1巻では『十角館の殺人』、2巻では『そして誰もいなくなった』の微妙なネタばらしを含んでいるので注意が必要)。 と勝手なことを書きましたが、今回取り上げられなかった作品についてはもちろん、取り上げた作品でも重要度の高いものについては深く掘り下げるなどした第二弾を是非出版して欲しいと願っています。 あ、細野不二彦の項で「明智クンReport」への言及があったのは嬉しかったです(掲載誌を毎号買っていたもので)。明智小五郎の娘と二十面相の息子がメインの短編マンガですが、かつての美少年の面影がかけらも無い中年刑事・小林が渋くて好きなんですよね。クライマックスでのカッコよさったら。 連載にならないかなあ、と期待していて、少し経ってから始まったのが『東京探偵団』。それはそれで面白かったんですが、ちょっと残念に思ったのを憶えています。 |
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4527. 2003年06月06日 02時36分53秒
投稿:Yuuka川(笑) [http://www.aa.alpha-net.ne.jp/hanasyan/] |
某所でお世話になっています・・・初めましてだったかな?m(_ _)m みなさんレベルの高いのを読んでるのですねぇ。 私は、ん十年前は渡辺淳一読破→赤川次郎いっぱい→浅田次郎少し→東野圭吾はまり・・・です。 今後とも宜しくお願いいたします |
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4526. 2003年05月28日 00時23分13秒 投稿:SPOOKY |
こんばんは。 大家さんの掲示板でもすでに触れられていますが、「ジャイアントロボ」「スーパージェッター」「ルパン3世」etc. etc. で知られる山下毅雄の初期作品『黒猫』と『黒い足音』が2イン1で復刻されました。 いずれも日本探偵作家クラブの監修による、「耳で聞くミステリ(スリラー)」です。 当然のようにテルミンが大活躍していますが、それ以上におもしろいのが『黒い足音』のナレーションやコーラス。 とくに「精神病院の一夜」という曲は悶絶モノです。 ウルトラ・ヴァイブという再発専門のレーベルからの発売なので、その辺のCD屋で買うというわけにはいかないと思いますが(わたしはタワー・レコードのネット通販で買いました)、機会があったらぜひ一度聴いてみてください。 |
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4525. 2003年05月23日 00時48分12秒 投稿:月うさぎ |
店主さま、おばんでした。 21日お誕生日だったんですよね。 お誕生日おめでとうございました。<すでに2日遅れ(^^; またすぐに追いついてくれてありがとう(笑) 最近はご近所に頻発している強盗事件で本読むどころじゃないある…。。。 警○庁の役立たず〜〜〜! |
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4524. 2003年05月19日 00時31分42秒 投稿:かわぐち@白梅軒 |
読了は、 『日影丈吉全集6』(国書刊行会) 『決定版 三島由紀夫全集28』(新潮社) ――想像つくと思いますが、この2冊だけでも相当時間を費やしてしまいました。 先にkashibaさまのところで日下さまが名前を出してくださってましたが、これらの本を通勤で読むのは体力的にはいささかしんどいものがあります。よく「老後に」と書かれている方を見ますが、店主(体弱い)ではとてもそのころにはこの重い本を持てなくなっている気がしてならないです。 日影全集は、かつて牧神社から刊行された「未刊短編集成」全4巻を1冊に収録。 やはり個人的には日影の最上の作品はここにある気がしてなりません。 牧神社、教養文庫、河出書房新社、そしてこの国書刊行会版と、最低でも再読、多いものになると(「かむなぎうた」「吉備津の釜」など)五回以上読んでいる作品がありながらも、豊饒な小説を味わった気がします。 その他は、 池波正太郎『鬼平犯科帖6、7』『剣客商売8』 角田喜久雄『妖棋伝』 ヒューリック『雷鳴の中』 中村融・山岸真編『20世紀SF1 1940年代』――チャールズ・ハーネスの短編が気にかかる。『ウルフヘッド』しか読んでいないが、それなりにおもしろかった。しかし、解説によれば、『ウルフ』は力の落ちてからの作品だそうだ。どれが既読でどれが処読かわからない状態でしたが、ハミルトン、ムーアはやはりおもしろいな。これまた解説で知ったのだが、スタージョンは向こうでは全10巻の短編全集が出ているとか。晶文社から短編集刊行の予定はあるようだが、これはこれで気にかかる。 ヴァン・ダイン『ガーデン殺人事件』――ようやく9作目。 購入した洋書 Le Cere Anatomiche della Specola (Arnaud, 1979)――これも数年探していた本だった。フィレンツェの人体博物館の蝋標本を集成。79年当時としては確かに画期的であったろうが(その後の類書にはまずこの本が参考文献として挙げられている)、TachenからEncyclopaedia Anatomicaが出た今となっては、ムリに他人に買えとはいえない本だ。 輸入DVDは7枚。 THEM!――50年代の巨大生物映画の古典。この分野の中ではおそらく一番出来がよいのでは? 脚本とカメラワークの勝利か。なおこのDVD、パッケージには「リージョン1」表示されているが(アマゾンでも1として販売)、実はリージョンフリーで、当家の機械でもちゃんと映りました。日本語字幕付き! なお、ワーナーではこれからもリージョンフリー仕様で販売をするらしく(リージョンなんてやっかいなものを決めたのはハリウッド映画会社だから、実はリージョンフリーというのは表向きにされていないのかも ?)ロバート・ワイズの「たたり」(The Haunted)なんてのまで日本語字幕付きでリリース予定だそうだ。 NOSFERATU――1922年ドイツサイレント映画。レストア(修復)バージョン。音楽は2バージョンを収録。 DARK STAR――SF映画ファンなら誰でも知っている、ジョン・カーペンターとダン・オバノンが学生時代製作した伝説の自主映画。その後認められ劇場公開に。本品は当初の68分バージョンと、劇場公開版83分バージョンを収録。 The Fantasy Film Worlds of George Pal――「宇宙戦争」「タイム・マシン」でアカデミー特殊効果賞を受賞したジョージ・パルの世界を紹介したドキュメント。作中、彼が残した短編が数多く紹介されるのが嬉しい。 Animation Legend Winsor McCay――リトル・ネモの作者として(日本ではそれだけ?)知られる作者の先駆的アニメーション作品集。作品は1911〜21年のもの。今見れば素朴で他愛無いととる人もいそうだが、これら歴史的にも貴重な作品が手元においていつでも見られることに感謝したい。もちろんアート的にはすぐれた作品であることはいうまでもないだろう。 The Brothers Quay Collection――今から15年ほど前だろうか、六本木で不思議な人形アニメーションがレイトショーでロング・ランとなったことがある。それがこのクエイ兄弟の「ストリート・オブ・クロコダイル」であった。それまでの人形アニメーションは、いかに「リアル(人間らしく)」見せるかを追求したものであったのに対し、彼らの作品の人形はあくまでも人形であり、夜中人形が意思を持って動き出すという、幻想世界を画面に打ち出したのであった。もちろん彼らの作品はどちらかといえば「異端」である。しかし、この作品のヒットにより、その師シュワンクマイエルの作品が次々に公開され、本まで出版されるようになったことはある面で確かである。DVDは日本で以前出ていたビデオよりも倍(全10本)収録されている。 Gozilla and other Movie Monsters――ゴジラがアメリカでも怪獣の代名詞とされていることを感じさせる作品。ゴジラをはじめ、映画に登場した巨大怪物を概観(したがってドラキュラ、フランケンシュタインの怪物、狼男等は出てこない。恐竜系、巨大生物系)。ジャケットに書いてないので、詳しいことはわからないが、おそらく向こうのテレビ特別番組? オマケには、コナン・ドイル自身が1925年「ロスト・ワールド」を語るトレイラー、本編の主題歌らしい「ゴジラ・ラップ」、そして知る人ぞ知るアニメ「バンビ対ゴジラ」を収録(本当にくだらないものです)。 |
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4523. 2003年05月19日 00時31分08秒 投稿:かわぐち@白梅軒 |
そろそろ忘れ去られそうな店主でございます。 相変わらずテレビ消化に追われる毎日。「新仕置人」が終ったかと思えば、「五人の野武士」、さらにこのあと「風」と続くというんですから(わかる人にしかわからない嬉しい悲鳴)。 彩古さま 貴殿の幅広さというか、知らない本はないんじゃないかというところにはたいがいわかっておりましたが、今回ばかりはオドロキです。 「ザ・秘宝館」なんて、一日に100人くらいの訪問者の中に他に持っている方がいるとは思いませんでした。 店主も今回初めて遭遇したのですが、実は注意深く探せば見つかる本なのでしょうか? これが池尻の山陽書房で買ったといわれると面白いんですが(いや、なんとなく、この本を見た時、あの店なら並んでいそうと感じたもんで)。 >これは良い本です。わたしもお勧めします。 貴殿のお墨付きが出ましたか! さあ、探し出した方いらっしゃったんでしょうか? 類書ございましたら、ぜひ御教授いただきたく存じます。 松本さま >「ぼくは劇画の仕掛人だった」桜井昌一 この本、持ってないんですよね。 でもどこかの図書館の閉架図書にあり、借りて読んだ記憶はあります。 これと佐藤まさあきの『劇画の星をめざして』は併読したほうがよいかもしれません。 >ただし、恋人が死ぬ話、しかも白血病で(!)という点、読む気も起こらん人はいっぱいいるだろうなあ><店主さまとか月うさぎさんとか(笑) 確かに(笑)。この話で読もうとは思わないでしょうね。 ただし、若い頃って恋愛小説の類はまるで読む気も起りませんでしたが、ここ数年、そういったものにも眼が向くようにはなってきました(まあ、ぶっちゃけていえば、この手の本の話は女の子との会話のネタになるということに気づいたからなんですが……)。 >「いつかこんな恋をしてみたいです」なんていう柴咲コウの言葉が刷られているし これまた、買う気をなくさせるというか、「ケンカ売ってんのか、オラ!」という宣伝ですな。 十蘭は、はまってしまうんですよ。 あの文章が読み返したくなって、二度三度と手にするようになる気もします(このあたり、鏡花と似ているかも)。 『幻想文学別冊 中井英夫の世界』だったかで、笠井潔と竹本健治の対談で「中井さんが十蘭十蘭言っていますが、僕は久作派なんです」「僕もそうです」のようなことを言っていました(記憶に頼って書いてますので、正確性には欠けます)が、当時店主もそうでした。その後、店主は久作より十蘭派になった気がしています。 好き嫌いは個々の趣味の問題になりますが、ちくまの一冊は広く読まれて欲しいです。 土田さま >店主殿の影響ではないのですが、俄然DVDに興味を覚えている今日この頃ですが ふふふ、まさに魔界ですよ。といっても歴史が浅いだけに、本の世界に比べたらぜんぜんですが。 なにせDVD化されている作品なんてのは、ほんの一部だけですから。 それにしても新しい本をよく読んでおられますよね。感心。 このうち店主が買ったのは『「密室」傑作選』だけ。読了はゼロ。 現在、河出文庫の「20世紀SF」を週イチで読むことにしています。 天野さま 幹事ご苦労様です。メールで「反応少ない」と言っていましたが、どうしてどうしてもう20人も参加希望があったとか。 店主の意向はメールでお伝えしたとおりです。といって隠すことじゃないか。半々くらいの確率で参加ということで、一応予約しました。 風々子さま う〜ん、なんだかえらくゼイタクな読書されているような気がします。 タイトルの字面を眺めるだけで、ぞくぞくしてくるような。 (あれ?「妖僧記」や「高野聖」は?) 店主の好みは「ベタ」ですが、「悪獣篇」でしょうか。 「女客」まったく覚えていない……。近いうちに再読します。 以前、角田喜久雄全集読破目指すような大言壮語したような記憶もありますが、結局、現在のところミステリの13巻を除けば、『霧丸霧がくれ』『鍔鳴浪人』以後は『妖棋伝』が再読できたのみ。 |
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4522. 2003年05月18日 18時49分13秒 投稿:風々子 |
「泉鏡花集成4」ちくま文庫 読みました。 今回は怪奇幻想譚が満載でなかなか。 「伊勢之巻」 シュールな展開が驚きの幻想譚。押入れの暗闇がいきなり夢幻の空間に通づる怪奇。 「悪獣篇」 金目、銀目、赤目の三妖婆が跳梁する怪奇編。 魔物が姿を現すあたりの描写はまるっきり怪談ですな。 「海異記」 海上で漁師が出会う舟幽霊の話から、一転していきなりのカタストロフへ 「吉原新話」 序盤の呑気な太平楽ととぼけたユーモアが素晴らしい。 中盤以降の、光と音で夜の静けさを表す描写。 終盤の、魔物との問答の不気味さ。 「朱日記」 何か昔話の趣がある。 避けられないカタストロフに向かって、さりげない予兆が積み重なる様が恐ろしくも面白い。 でも一番のお気に入りは、怪奇の要素がまったくない「女客」でしたね。 極く短い話に濃縮された情感がたまらん。 |
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4521. 2003年05月12日 00時34分57秒
投稿:天野一 [http://www4.airnet.ne.jp/szur/] |
21号室の天野です。 黒猫荘全体オフの開催が決定しました。 ■日時 7月19日、20日(土日) ■場所 静岡県浜松市 館山寺温泉 ■幹事 アマノハジメ *黒猫荘に入居していない方でも、ミステリ好きな方なら参加は大歓迎ですので、お気軽にどうぞ。 *詳細は、黒猫荘3号室に書き込んでありますので、そちらをご参照ください。 ご意見、ご希望などもそちらにお願いします。 ご参加お待ちしております。 |
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4520. 2003年05月08日 00時25分44秒
投稿:土田裕之 [http://www.02.246.ne.jp/~pooh] |
店主殿の影響ではないのですが、俄然DVDに興味を覚えている今日この頃ですが たまには書き込みでも。 先月はこんな本を読みました。 『カオス・レギオン』冲方丁 富士見ファンタジア文庫 『絹の変容』篠田節子 集英社 『愛の回り道』ヴィクトリア・ホルト 日本図書刊行会 『滅びのモノクローム』 三浦明博 講談社 『「密室」傑作選』ミステリー文学資料館編 光文社文庫 『<虐殺魔>ジン』(上)(下)マシュー・B・J・ディレーニー 早川文庫NV 『アルマ・アドラタ』エドガー・ソールタス エディション・イレーヌ 『なぞの宇宙人』ボレシチューク 偕成社 『幸福の遺伝子』早野梓 新潮社 『新本格<猛虎会>の冒険』東京創元社 『真牡丹灯籠』遠藤明範 学研M文庫 ベストは今さら読んだ『絹の変容』で怪獣小説でした。ウルトラQが好きな人は気に入るにちがいない。 あと拾いものは『真牡丹灯籠』でご都合主義と言われればそれまでの展開ですが 意外に(といっては失礼ですけれど)面白かったです。 『カオス・レギオン』もゲームと競作の小説ですが、ファンタジーが苦手で ゲームをやらないぼくにも面白かったです。 最後は『新本格<猛虎会>の冒険』で阪神の好調を祝いつつ、フェードアウト。 |
[210.253.195.96][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows NT 5.0)] |
4519. 2003年05月03日 23時38分49秒 投稿:松本 |
最近はこんな本、読んでます。 「ぼくは劇画の仕掛人だった」桜井昌一/東考社・桜井文庫 劇画がいかに誕生し成長したのか、その裏面がよくわかり、面白い本でした。 たとえば、以前から、永島慎二とさいとうたかをのつながりというのがいまひとつ納得できなかったのですが、 これを読んで理解できました。 著者は最近亡くなられたようですね。 ときに、著者の実弟である辰巳ヨシヒロ氏が経営していたマンガ古書店、ドンコミックは完全に閉店したのかなあ。 「世界の中心で、愛をさけぶ」片山恭一/小学館 「満月の夜、モビイ・ディックが」〃 どちらも恋愛小説もしくは青春小説。「世界の〜」は2年前に初版8千部でスタートして、地道に積んで現在10万部。 最近、あちこちの書店で平積みにもなってるし、ちょっと読んでみました。 ハーラン・エリスンの件の短篇小説が好きな人間としては、タイトルは気に食わないのですが、中身は悪くなかった。 ただし、恋人が死ぬ話、しかも白血病で(!)という点、読む気も起こらん人はいっぱいいるだろうなあ<店主さまとか月うさぎさんとか(笑) 帯には「いつかこんな恋をしてみたいです」なんていう柴咲コウの言葉が刷られているし。さすがに、私もひっぺがして、すぐ捨てました。 若い女性に人気のある柴咲だからこそ、この後帯がセールスに貢献していることは想像に難くないが、あざとくって嫌だねえ。 「満月の夜〜」は並の出来。 「ハムレット 久生十蘭名作集」ちくま文庫 なんとなく機会がなくて、アンソロジーは別として、十蘭をまとめて読むのははじめて。 収録作は粒ぞろいで、うまいなあ、面白いなあ…と堪能しつつも、熱狂はできないなというのが正直なところでした。 |
[218.229.221.143][Mozilla/4.6 [ja] (Win98; I)] |
4518. 2003年04月30日 14時57分14秒 投稿:彩古 |
『THE HIHOKAN(ザ・秘宝館) ビバセックスナウ!!』(吐夢書房) おお、この本、わたしも昨年12月に購入しています。 この本の存在自体知らなかったけど、購入して正解。 これは良い本です。 わたしもお勧めします。 |
[219.101.181.169][Mozilla/4.75 [ja] (Win98; U)] |
以下はありません。 |
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