黒猫荘
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sweetbox
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オーナー:kanau 
ミステリーと紅茶とお菓子が大好きです。
ここではミステリー以外にも紅茶やお菓子、日常のことなんかも書いていこうと思っています。
国内外問わずおすすめの物があったら教えて下さい。

好きな作家
 綾辻行人、有栖川有栖、乙一、小野不由美、加納朋子、西澤保彦、法月綸太郎、森博嗣、横溝正史、米澤穂信

好きな作品
 犬はどこだ、QED 百人一首の呪、巷説百物語、GOTH −リストカット事件−、失踪HOLIDAY
 十角館の殺人、十二国記、すべてがFになる、ステップ・ファザー・ステップ、獄門島、本陣殺人事件

最近読んだ本

 法月 綸太郎 『怪盗グリフィン、絶体絶命』 講談社
 水田 美意子 『殺人ピエロの孤島同窓会』 宝島社 
 加藤 実秋 『インディゴの夜 チョコレートビースト』 東京創元社 
 アガサ・クリスティー 『おしどり探偵』 クリスティー文庫
 ダン・ブラウン 『ダ・ヴィンチ・コード (上)(中)(下)』 角川文庫
 岸田 るり子 『出口のない部屋』 東京創元社
 大崎 梢 『配達あかずきん』 東京創元社
 乾 くるみ 『林真紅郎と五つの謎』 カッパノベルス
 森 博嗣 『εに誓って』 講談社ノベルス
 森 博嗣 『カクレカラクリ』 メディアファクトリー
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124. 2005年11月20日 23時15分41秒  投稿:kanau 
kanauです。
めっきり寒くなりました。


読了本更新

「平井骸惚此中ニ有リ 其弐」
「平井骸惚此中ニ有リ 其参」

其弐は華族の家督争いに絡む殺人事件で館モノ。
某有名作品を思い浮かべながら読みました。

其参は貿易商の養女の誘拐事件。
それに絡み主人公・河上君を巡る女の戦いが勃発(笑)。
骸惚の恐妻家ぶりも窺えて笑いを誘う場面もあります。


「少女には向かない職業」

ちょうど女子高生による母親毒殺未遂事件が話題になっていた時期に読み始めたこともあり、非常に印象に残っています。

本の紹介にもあるように2人の少女の「闘い」の記録としかいいようがありません。
やりたくてやった訳ではない「人殺し」。
それに向かっていっていく少女達の行動に惹きつけられました。
プロローグとラストで彼女達の「それから」についても考えさせられます。
読後に改めて表紙を見てちょっと切なくなりました。
今の中高生はもちろん大人にも読んで欲しいです。


櫻庭一樹さんはこれが初読なのですが、例によってすごく面白かったので、他の作品もチェックしていきたいです。
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123. 2005年11月11日 14時16分47秒  投稿:kanau 
kanauです。

>砂時計さん

11号室の砂時計です。

>『エラリー・クイーン Perfect Guide』ですが、なんと来月文庫版が発売されるという情報が。

ホントですかっ!!
ラッキーな事にまだ購入しておりません。
来月まで待ってみます。


>一年で文庫化って早っ!!

1年て早いですね。私のようなクイーン初心者にも最適という事で、ニーズが多かったのでしょうか。
さすがはクイーンですね。


貴重な情報どうもありがとうございました。

[150.59.230.2][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; (R1 1.3); .NET CLR 1.0.3705)]

122. 2005年11月11日 10時08分42秒  投稿:砂時計 
11号室の砂時計です。

『エラリー・クイーン Perfect Guide』ですが、なんと来月文庫版が発売されるという情報が。一年で文庫化って早っ!!
なので、もしお買いになるようでしたら、そちらをお待ちになっても良いかと。
既に注文なさってなければ良いのですが(汗)。

>ファンの方が聞いたら明らかに怒りそうです。

いやいや、むしろ、クイーンに興味をお持ちというだけで大歓迎だと思いますよー。

ではでは。
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121. 2005年11月09日 16時22分52秒  投稿:kanau 
kanauです。
砂時計さん、カキコありがとうございます。

>「クイーンをあまり知らない人が読んだら、どんな感じなのかなあ」と思っていたところなので、kanauさんのご感想を読んで、なんか嬉しくなっちゃいました

クイーンは子供向けとマンガで読んだものがほとんどで、いわゆる一般書では「Yの悲劇」と「エジプト十字架の謎」くらいという人間です。
あまりというかほぼ知らない、といっても過言ではないです。

けれど(もちろん人によるとは思いますが)逆に知らなかったからこそ素直に感心できたのではないかと。
中途半端に読んでたら反発心を持ったかもしれません。
ネタバレも私が実際読む頃には忘れてしまっているだろうからいいや、という感じで一切気にしませんでした(笑)。

>これからクイーンをお読みになっていくとしたら、『エラリー・クイーン Perfect Guide』(ぶんか社)なんかは役に立つかも

ありがとうございます。
こんないい本があったんですね。
実は生誕100周年というのも最近知ったばかり。ファンの方が聞いたら明らかに怒りそうです。
お値段もそう高くないですし、思い切って購入してみるのもいいかもしれません。
表紙イラストがJETさんというのも私的には嬉しいです。
上記のマンガというのはJETさんが描かれていたものなので、いっそう親しみがわきます。


クイーンはもちろん他の古典ミステリをほとんど読んでいないので、他におすすめがあれば是非また教えて下さい。



[150.59.230.2][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; (R1 1.3); .NET CLR 1.0.3705)]

120. 2005年11月08日 17時26分50秒  投稿:砂時計 
11号室の砂時計です。

自分も『ニッポン硬貨の謎』を読んだばかりで、「クイーンをあまり知らない人が読んだら、どんな感じなのかなあ」と思っていたところなので、kanauさんのご感想を読んで、なんか嬉しくなっちゃいました(なんて書いてますが、自分もクイーン作品は半分くらいしか読んでなかったり)。

これからクイーンをお読みになっていくとしたら、『エラリー・クイーン Perfect Guide』(ぶんか社)なんかは役に立つかも(なーんて、お節介に感じられたらすみません)。

ではでは。
(書き直しのため119番の書きこみを削除しました。すみません)
[219.109.153.22][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.0)]

118. 2005年11月07日 00時51分33秒  投稿:kanau 
まただいぶ期間が空いてしまいました。kanauです。

現在はようやく購入した「ミステリーズ!」をチマチマと読んでます。
今回は松尾由美と芦原すなおの連載に加えて、米澤穂信の小市民シリーズの短編、近藤史恵の連載等、個人的に好きなシリーズ目白押しでいつも以上に満足です。
ミステリーズ短編賞の受賞作も気になっています。


読了本更新

『競作 五十円玉二十枚の謎』

実際に若竹七海が遭遇した出来事についての解答をプロ作家に加え、一般からも応募し選ばれた作品をまとめたもの。
デビュー前の倉知淳の作品ものっています。
本当の解答が何かがわからないため発想にある程度の制限がなく、非常に面白かったです。
にしても、本当は何だったんだろう?
このおじさんがミステリー好きならわかるかもしれませんが。


『ニッポン硬貨の謎』

上記「五十円玉二十枚の謎」を絡めた幼児連続殺人事件の謎にエラリー・クイーンが挑む。
「五十円玉二十枚の謎」に関して北村薫の解答でもある作品。
何より興味深かったのがエラリー・クイーン論。
クイーンファンの方には非常に申し訳ないのですが、私はほとんどクイーンを読んでいません。
なので、言っている事の1割もわかりませんでしたが、逆にそれでクイーンを最初から読んでみたい、という気にさせられました。

装丁はもちろん、中も凝っていてそれだけでワクワクしました。


『クドリャフカの順番』

古典部シリーズ第3弾。
前作を読んでいないのですが、特にそれで困る事もありませんでした。
ちょっとした手違いで、作製した文集の部数がとんでもない量になり、文化祭の間にこれを全て売り切らないといけない。
文化祭当日、校内では妙な「いらないもの盗難事件」が発生し、これを解決して古典部の名をあげ、文集を売ってしまおう、というお話。

古典部員4人の各自の視点からストーリーが進行するので、少々わかりづらいかな、という部分もありましたが、それが逆に各自の心理を浮き彫りにしていて面白く、そういう意味ではやはり青春もの。


『犬はどこだ』

同じく米澤作品のノン・シリーズもの
主人公は高校生ではなく社会人。
ある理由で会社をやめ、無気力になった主人公が始めたのが探偵事務所(犬探し希望)。
本人の希望とはうらはらにやってきた依頼は失踪人探しに古文書の解読。
しかも調べていくとただの失踪ではなさそうな展開。古文書解読とも微妙にリンクしていきます。

上記の話よりこっちの方が個人的には好きです。
決して後味のいい終わり方ではないし、失踪している女性もあまり好きではないし、むしろここで悪い印象持ってしまいそうですが、ストーリーについつい引き込まれました。
最後まで読むとタイトルが主人公の哀愁漂う切実な呟きに聞こえてきます。
意外とシリーズ化しても面白いと思うのは私だけでしょうか。
ぜひぜひ読んで下さい。


今回は全部面白かったです。特に『ニッポン硬貨の謎』は確実に今年の上位にランクインするのではないでしょうか。
『クドリャフカの順番』と『犬はどこだ』も入ると思います。
もし、どっちかだけなら私は後者を希望。

ランクインといえば『容疑者xの献身』の評価が高いみたいですね。
『探偵ガリレオ』は割と好きなお話なので読むつもりでしたが、更に楽しみになりました。
[211.19.160.3][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

117. 2005年10月28日 14時26分25秒  投稿:kanau 
trick or treat?

もうすぐハローウィン!!なkanauです(何のことやら)。
日本ではあまり馴染みのないこの行事、あまり小説でもお目にかかれない気がします。
私はクリスティの「ハロウィーン・パーティ」ぐらいしか思いつかないのですが、他に何かありますかねぇ?
もしご存知の方がいらしたらゼヒとも教えて下さい。


あきらさん、いらっしゃいませ。

>「平井骸骨此中二有リ」私も読みました。特に好きなのは四巻かな。関東大震災の巻です。

一応5巻まで全て読んでいるのですが、単に私がのんびりし過ぎているせいで更新まで至っていません(^_^;)。
できれば一気に紹介したいなとは思っています。
私も好きなのは4巻ですね。時代設定を上手く使っているというか、チャレンジャーというか。


>骸骨先生も、子供(特に撥子嬢)に甘い所がキュートで素敵です。

お嬢様方はもちろんですが、奥様に頭があがらないのが何ともいえませんね(笑)。

>58号室もよろしければ覘いてみて下さい

ゼヒゼヒお邪魔させて頂きます。
更新が亀の歩みよりものろい気がしますが、また遊びにきて下さい。


[150.59.230.2][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; (R1 1.3); .NET CLR 1.0.3705)]

116. 2005年10月25日 00時10分28秒  投稿:あきら 
はじめまして。58号室のあきらです。

「平井骸骨此中二有リ」私も読みました。私は絵にひかれて買いました。時代設定がいいですよねぇ。なんか江戸川乱歩が出てきそうな気がします。特に好きなのは四巻かな。関東大震災の巻です。骸骨先生も、子供(特に撥子嬢)に甘い所がキュートで素敵です。
58号室もよろしければ覘いてみて下さい
ではでは…
[220.220.187.224][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; .NET CLR 1.0.3705; .NET CLR 1.1.4322)]

115. 2005年10月01日 13時26分44秒  投稿:kanau 
1週間更新が1ヶ月更新に・・・のkanauです。
月日の経つのは早いものですね・・・

SAMANAさん
>ミス・マープルの姿を私が思い浮かべようとすると、どうしてもハヤカワ
 ミステリ文庫でのクリスティ本の裏表紙にある著者近影のお顔が浮かんできます。

確かにすごく魅力的なお顔ですよね。
クリスティ女史はミス・マープルについて「自分の祖母に似ている」というような事をおっしゃっていたので、そう考えるとミズ・マープルも謎解きの時なんかはああいう茶目っ気たっぷりの表情をしていたのかもしれません。


読了本更新

『平井骸惚此中ニ有リ』

第3回富士見ヤングミステリー大賞 大賞受賞作

時は大正。天下のエリート帝大生・河上太一は探偵作家・平井骸惚の本に出会い、弟子入りを志願。けれど許可がもらえず困っていた所、骸惚の知人、池谷是人が不可解な自殺を図る。事件解決の折には弟子入りを認められると言われはりきる河上だったが……

タイトルに魅かれて買いました。
時代設定が大正という事もあってか講談調のような文体に語尾にカタカナが入っていて読みにくいかも?と思ったんですが、会話のテンポが良くスラスラと読めてしまいました。

ライトノベルでこの時代設定だとまとめるのが難しそうなのに、良くまとまっていると思います。
キャラも帝大生なのに軽くておっちょこちょいの主人公河上太一、骸惚の娘でおてんばな涼嬢、雑誌編集者で女権論者の香月女史など特に女性陣が魅力的。
骸惚の出番はほとんどないので、探偵としての魅力は正直よく分からなかったのですが、奥方に頭が上がらない所などは非常に味があります。
トリックはある意味無いに等しいもの(と私は思っています)なので、そこが物足りないといえば物足りない所です。
ただ骸惚を通して語られる犯人の心理(罪を犯す時の心理)を考えるとその方が自然のような気もしたり。
実在の超有名探偵作家を(名前だけですが)物語に絡めていたりサービス心もあって楽しめました。


『賢者はベンチで思索する』

20歳前後の思春期よりちょっと大人になったぐらいの女の子と謎の老人の織り成す物語。
3本の中編からなる日常の謎もの。
設定から『隅の老人』を思い出しましたが、ラストは違っていて読後感が良かったです。
この話の中で1番好きなのはラストの部分です。

何より好感が持てるのは主人公の女の子が等身大で描かれていること。
就職問題に始まり彼女が日常に感じている事は私にも覚えがある事もあり、身近に感じます。
日常の生活の中で起こりうる問題を謎として取り上げている事で、彼女自身の成長過程を無理なく
受け入れる事ができました。

ぜひ同年代の女の子にも読んでもらいたい1冊です。


『てるてるあした』

親の夜逃げでせっかく合格した高校進学をあきらめ、田舎の街「佐々良」にやってきた照代。魔女と呼ばれる”遠い親戚”久代さんの元で暮らし始めた照代の元には差出人不明のメールが届き、女の子の幽霊が現れる。特別なことが起こる街「佐々良」での照代のまったく新しい生活は?

『ささらさや』の姉妹編だそうですが、前作を読んでいなくても大丈夫です。
もちろん読んでいる方がより深く味わえます。
謎といえるほどの謎もなく、むしろこのお話は1人の女の子の成長物語、として読んだ方がいいでしょう。

照代は「自分ばかりが不幸」だと思って周囲の人を妬んだり僻んだりでかなり可愛げのない性格です。
それは照代だけが悪いわけじゃないんだけど、でも最初は「ムカツク子だな」と思ってました。
しかし、昔の自分を思い返してみて「私もこうだったなぁ」と感傷にひたってしまうと、そこからは各章を読むたびに泣いてしまいました。

少し切なく、それでいて未来への希望を持つ事のできるラスト。
やはり加納さんのお話は好きです。






[150.59.230.2][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; (R1 1.3); .NET CLR 1.0.3705)]

114. 2005年08月29日 23時12分11秒  投稿:SAMANA 
 [http://www.asahi-net.or.jp/~yu4m-nkns/index]

16号室SAMANAです〜。かなりご無沙汰しております(汗)。

>ミス・マープルという人は寛大かつおちゃめで素敵な人。

 ミス・マープルの姿を私が思い浮かべようとすると、どうしてもハヤカワ
 ミステリ文庫でのクリスティ本の裏表紙にある著者近影(手を組んでカメ
 ラ目線で微笑みを浮かべてるパターンのほう)のお顔が浮かんできます。
 そのお顔はまさに「寛大かつおちゃめで素敵な人」という雰囲気が漂って
 る気がしてなりません(笑)。

>加納朋子さんの解説も個人的には嬉しかったです。

 新刊?(クリスティ文庫?)だと、こういう組合せが実現されてることが
 あって、単純に「いいなぁ〜」と思うこともたびたび(苦笑)。

そいでは!!
[211.132.45.65][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; .NET CLR 1.1.4322)]

113. 2005年08月29日 14時16分26秒  投稿:kanau 
kanauです。1ヶ月以上更新サボってました・・・
これまでに読みためてた分をゆっくり更新していきたいと思います。

花森さん、来て下さってありがとうございます。
石田衣良は「池袋ウエストゲートパーク」だけチマチマと読んでます。


読了本更新

『夢幻巡礼』

チョーモンイン・シリーズの番外編。
シリーズにおいて神麻嗣子の「最後の敵」・奈蔵渉の視点による長編。

ノベルス版ではいつもある水玉蛍之丞さんのイラストがなく、あるのは目玉、という気分的に暗くなるような表紙にプラスして主人公が猟奇殺人犯という何とも言えず暗そうな雰囲気にいつか読もういつか読もうと思いここまでズルズルときてしまいました。
友人が貸してくれなければ一生このままだった可能性が大です。

根本にあるテーマとしてはタックシリーズの『依存』と同じ「母子癒着」のようです。
あちらは希望のある終わり方ですが、こちらはある種救いようのない歪んだ終わり方です。
ビックリさせられたといえば、させられました。
しかし、ある人物の協力者に関しては納得がいかず、結果としてやや曖昧になってしまった感があります。

まったく分からなかった冒頭部分が最後になって初めて意味がわかるのですが、その時「恐い」と「気持ち悪い」が混ざり合ったような気持ちになりました。
このお話の中で1番印象に残るシーンでした。


『魔術の殺人』

ミス・マープルもの
旧友の依頼で、マープルは変わり者の男と結婚したキャリイという女性の邸を訪れた。
その家は非行少年たちを集めた少年院で、異様な雰囲気が漂っていた。
そんな中でキャリイの夫が妄想癖の少年に命を狙われる事件が起きる。
しかも同時刻に別室で不可解な殺人事件が発生していた。 

旧友が用意したマープルがキャリイの邸に滞在するための口実というのが非常に面白いです。
なんせ「生活に困り、三度の食事にも事欠く有様」ですからね。しかも本人には事後承諾。
それを大して怒りもせず、わざとみすぼらしい服装で出かけていくんだから、ミス・マープルという人は寛大かつおちゃめで素敵な人。
そして後はそれをフル活用して邸に集う人々からじっと話を聞きながら、マジックの種あかしを披露してくれるというわけです。

タイトルにあるように謎解きが終わった時、今まで見ていたものが一瞬で変わってしまいます。
読後の爽快感もクリスティならでは、といった所でしょう。
加納朋子さんの解説も個人的には嬉しかったです。

[150.59.230.2][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; (R1 1.3); .NET CLR 1.0.3705)]

112. 2005年07月26日 23時31分42秒  投稿:花森こま 
 [http://plaza.rakuten.co.jp/hansulove/]
ご挨拶に来てくださってありがとうございます。最近はほとんどミステリを読まなくなっているので、どのお部屋にもご無沙汰しています。石田衣良だけかたつむりのようなスピードで読み進めています。
まだまだ暑いですが、就職が決まってよかったですね。心は涼しいでしょうね。また、よろしくです。
[60.237.80.201][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

111. 2005年07月18日 19時29分39秒  投稿:kanau 
暑くて死にそうになってます。kanauです。

今日ってテレビで金田一耕介あったんだ!! あれ?でも『真珠郎』て金田一ものじゃなくて、由利先生ものだったハズ・・・
金田一耕介の方がネームバリューがあるから、ってことなのでしょうか?
それでも見ますけどね。


読了本更新

『螢坂』

香菜里屋シリーズ第3弾。
あいもかわらず香菜里屋の料理が美味しそうです。
そして徐々に徐々にマスター・工藤の過去が示唆されてきています。
何となく後味の悪い話もありましたが、やはり心に残る作品ばかり。やはり北森鴻は巧いなあと思います。
お気に入りは「孤拳」。心に沁みいるお話です。

それにしても香菜里屋のようなお店はないでしょうか?ビールが苦手な私でも行ってみたいと思うお店です。


『きみにしか聞こえない ―CALLING YOU』

表題作を含む3編を収録した短編集。

表題作の「Calling You」は切ないお話。
こういうのを読むと作者が「せつなさの達人」と呼ばれるのも納得。
携帯という身近なアイテムを取り入れているのも巧いなあと思います。


『GOTH リストカット事件』

(恐らく)連作短編集。
以前、講談社ノベルスの『本格ミステリ03』に収録されていた表題作を読んで読みたくなりました。
これまで読んだ(といってもそう多くはありませんが)乙一作品の中では『失踪HOLIDAY』と並んでベストに入ります。
ややリアリティには欠ける感がありますが、逆にそれが作品にいい意味での不可思議さを与えています。
あとがきで「ファンタジーのつもりで書いた」というような記述があったので、そう言われれば納得です。
「やられた!!」と思わせられたり、ちょっとジーンとしたり色々と楽しませてくれます。オススメです。

欲しいのですが、文庫が2冊に分かれたのには納得がいきません。
ぶ厚くてもいいから1冊にまとめてくれればいいのに・・・


[211.19.160.3][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1; SV1; (R1 1.3); .NET CLR 1.0.3705)]

110. 2005年07月18日 00時07分20秒  投稿:kanau 
ちょっと更新サボリ過ぎ、なkanauです。

読了本更新
更新さぼっていた間もチマチマと読んでいたので、かなりたまっています。
現在ペースが落ちているので、しばらくこれまでに読んでいた本の紹介になると思います。


『青空の卵』『仔羊の巣』『動物園の鳥』

「ひきこもり探偵」シリーズ3部作。
作者と同名の坂木司をワトスンに、友人でひきこもりの鳥井真一を探偵役にした謎解きものであり、彼らの成長物語のお話でもあります。

素直にいいお話だと思います。
作中に出てくる謎がいじめや性に関する差別、親子の関係といった問題が根本にあるので、ある意味では社会派もので。
作者自身が「最後は大家族になる話を書きたかった」と述べているように、ヒューマンドラマでもあります。
また作中に出てくる全国銘菓や鳥井の作る数々の料理も魅力の一つです(って、最近こればっかり言ってる気が・・・)。
今年個人的にイチオシのシリーズです。

作者は覆面作家で性別不明ですが、私は女性じゃないかと思っています。
ただし、北村薫を女性だと思っていた人間なので自信はまったくありません。


『てとろどときしん』『二度のお別れ』

多分ご存知の方の方が多いと思われるクロマメコンビ。
実は私はまったく知りませんでした。
たまたま東京創元社のHPでテレビ化されるという情報を見て、初めて知りました。

2人の掛け合いや周囲の人たちとのやりとりなど、大阪弁のテンポが非常に心地良く読みやすかったです。
犯人の方は何となく予想できましたが、赤い三輪車と表紙のデザイン(文藝春秋で出版されたバージョンです)の関係にはラストでようやく納得しました。


『θは遊んでくれたよ』

ミステリというよりも最終的にM博士へと収束させるためのエピソードのような気がします。
正直犯人よりも「θ」の意味の方ばかり考えていました。
なので、このシリーズは謎解きよりも作者がどういう方向に持っていきたいのか、という事に注目したいと思います。
それにしても犀川先生の印象がS&Mシリーズの時より変わりましたね。


『パズル自由自在』

千葉千波シリーズ第4弾。
今回は「ぴいくん」の本名に辿り着くためのヒント目白押しでした。
おかげさまでコレだろう、という答えに辿り着きました。
本を貸してくれた友人にも言った所「多分それで合ってる」というお言葉を頂いたので、個人的にはコレでいいと思ってます。
にしてもかなりシュールな名前ですね。芸名とかならともかく本名がコレってイヤでしょうね。



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109. 2005年06月26日 18時02分54秒  投稿:kanau 
kanauです。

久しぶりに雨が降りましたが・・・暑い。とにかく暑いです。
じめじめしているのが何とも言えず気分を降下させられます。


読了本更新

『邪馬台国はどこですか?』

収録作
 悟りを開いたのはいつですか?
 邪馬台国はどこですか?
 聖徳太子はだれですか?
 謀叛の動機はなんですか?
 維新が起きたのはなぜですか?
 奇蹟はどのようになされたのですか?

楽しんで読めました。
宮田の推理が真実ではないとしても「そうかも」と思わせられるような勢いがあります。
歴史が苦手な人でもすんなり読めるので、そういった方におすすめです。
現在の定説をかたく信じていらっしゃる方にはお気に召さないかもしれません。


『館という名の楽園で』

「館」に入れ込むあまり、自分で奇妙な館を建ててしまった探偵小説愛好家が、そこに仲間たちを集めて殺人ゲームに興じる、といった内容。

中編のためかトリックもストーリーもシンプルで分かりやすく、設定もありそうだと思わせられるものでした。
ただ、ラストが私には心情的に理解できませんでした。
そのせいで何か曖昧な印象を受けてしまい、私の評価としてはあまり良くありません。


『消えた山高帽子』

東京創元社ミステリ・フロンティア
幕末から明治にかけて日本で活躍した実在の英国人記者チャールズ・ワーグマンを探偵役にした短編集。

収録作
 坂の上のゴースト
 ジェントルマン・ハラキリ事件
 消えた山高帽子
 神無月のララバイ
 ウェンズデーの悪魔

当時の居留区に住む人たちやその周辺の日本人の暮らしや人情、文化の違いや人種差別などを巧みに取り入れた作品だと思います。
もちろん推理小説としてもまとまっていて面白かったです。
おすすめは表題作「消えた山高帽子」。

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108. 2005年06月19日 22時02分10秒  投稿:kanau 
kanauです。
だいたい週1のペースに落ち着いてきたような気がします。
もう少し早く更新できるようにしたいです。

読了本更新

『れんげ野原のまんなかで』

東京創元社ミステリ・フロンティア

表紙が非常に綺麗で優しいので、それだけで思わず手に取ってしまいます。
デビュー作が個人的に面白かったので期待していたのですが、正直前作の方が面白かったかな、という印象です。
恐らく主人公から受ける印象のせいなのでしょうが。

ただ、謎というのが本当にさりげないもので、日常にこういう事があっても不思議ではなく、そういう所が上手だなと思います。
最初の話で何となく植えた「れんげ」が最終話で意味を持ってくる所もすごいです。
余談ですが、どうして田んぼにれんげが咲いているのか、初めて知りました。


『やさしい死神』

「季刊落語」の編集者、間宮緑と編集長の牧コンビが活躍する落語シリーズ(といっていいのでしょうか?)第3弾の短編集。

前作『七度狐』では非常にシリアスで、落語世界のダークな場面を描いていたのに対し、本作では人情話が主体となっています。
落語と絡めた謎とその解明にオチまでしっかりとつけてくれて、その話を知らなくてもすんなりと入っていける所が非常に好きです。
あとがきで、次回では緑の恋人候補が出るらしいとの事でますます先が楽しみです。


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107. 2005年06月13日 11時50分33秒  投稿:kanau 
kanauです。

四国も梅雨入りしました。この時期から夏バテしやすくなるので、正直嬉しくありません。

読了本更新

『幽霊座』

金田一耕介ものの短編集。
収録作「幽霊座」「烏」「スペード台上の首」。
「幽霊座」「烏」では人間消失を、「スペード台上の首」では生首のみを残し、胴体を隠すという犯人の不可思議な行動にスポットを当てています。
確か、「幽霊座」はテレビドラマ化されていたと思いますが、記憶が定かではありません。


『虹の家のアリス』

本格ミステリ・マスターズ。『螺旋階段のアリス』の続編。
収録作
「虹の家のアリス」「牢の家のアリス」「猫の家のアリス」「幻の家のアリス」
「鏡の家のアリス」「夢の家のアリス」

今回のテーマは「家庭」。また後半部分では、前作では語られなかった仁木の家庭や安梨沙の生い立ちについても記述されています。
ミステリとしては少し物足りない気もしましたが、お気に入りは「虹の家のアリス」。「犯人」の動機が非常に健気というか可愛らしく、いいなぁ、と思いました。




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106. 2005年06月08日 20時30分57秒  投稿:kanau 
kanauです。
私事ですが、就職決まりました。地元の企業です。
後は卒業に向けてがんばるのみです。


読了本更新

『さよなら妖精』

創元社ミステリフロンティア。
ミステリーというよりは青春小説といった方がいいのかもしれません。
実際、謎の主題は某国周辺の当時の世界情勢を知っている人であれば予想のつくものです。
個人的にはチョコチョコと出てくる小さな謎のようなものが面白かったです。


『生存者、一名』

完全な陸の孤島で一人、また一人と死んでいく。
犯人は誰か。そして最後に生き残るのは。
冒頭で新聞記事のスタイルで無人島で一人が生き残るという風に提示されています。
そこからはフーダニット、ホワイダニット、構造トリックと中編としては濃い内容のものだと思います。
最後の最後でタイトルの本当の意味がわかります。


『恋刃』

全10作、10年にわたって執筆予定の「革命」シリーズ、第4弾。
各物語毎に違う主人公が事件を通じて謎の男・サーシャが目指す「革命」の渦に巻き込まれていくというお話。
ちなみに各巻の頭文字が全部揃うと<REVOLUTION>つまり「革命」が完成する仕掛け。また、ハードカーバでは全部揃うと背表紙が一枚の絵になります。

ミステリーではありませんが、サーシャの正体と彼の目的というのがこのシリーズ最大の謎といえるかもしれません。



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105. 2005年05月29日 22時56分46秒  投稿:kanau 
久々の書込みなkanauです。

読了本更新しました。

『赤ちゃんがいっぱい』
『スタジアム 虹の事件簿』

前者は助産婦探偵シリーズ第2弾で著者の初の長編もの。後者はデビュー作(当初は自費出版されたそうですが)。
青井夏海さんの作品はテンポ的に短編集の方が面白いのではないかと思います。


『時計を忘れて森へいこう』

光原百合さんは初読です。
ミステリー?というには弱い謎ですが、この作品はむしろ自然の素晴らしさや登場人物たちそれぞれの思いにこそスポットをあてるべきなのかもしれません。
アウトドアが苦手の私でも「ちょっとハイキングに行ってみたい」と思わせられる森の描写がたくさんあります。


『砂楼に登りし者たち』

ミステリ・フロンティア
著者は第10回創元推理短編賞受賞。
戦国時代を舞台にした連作短編集。
トリックは予想のつくものもありましたが、実際に起こった出来事を上手く取り入れているな、という印象を受けました。
作品に書かれている事が実際にあってもおかしくない、というかそうであっても面白い。
歴史小説が好きな人はミステリとは違った意味で面白く感じるかもしれません。



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104. 2005年05月12日 13時13分38秒  投稿:kanau 
kanauです。

先週の土曜日に「交渉人 真下正義」を見に行きました。
踊る2よりも面白かったと思います。
前作を見ていない人でも楽しめるので、ご覧になっていない方はぜひ1度、とお薦めします。

しょーじさん

『キノの旅』本屋でチェックしてきました。面白そうです。
今はまだ無理ですが、そのうち購入する気がしています。
ぜひ、また遊びにいらして下さい。


読了本更新。

『あきらめのよい相談者』
『啄木鳥探偵處』

共に「創元推理短編賞」受賞作を収録した短編集。
前者は特に可もなく不可もなく、といった所。
後者は探偵役が石川啄木という所が面白いですが、その結末が啄木の未来を暗示させるようで、気分が少し落ち込んでしまいました。


『魔王城殺人事件』

ミステリー・ランド第5回配本
子ども達が死体を見つける経緯や死体消失などはさすが、という感じなのですが、事件解明を行うのが大人、という所に少し不満が。
現実的といえば現実的ですが、希望としてはもう少し子ども達に謎解きをさせてやりたかったです。


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