黒猫荘
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近況報告風
PLMS : mys044  
オーナー:ないとー 

ここの管理人のないとーです。

ミステリなら、ほとんどなんでも読みますが、「やっぱりミステリといったら本格でしょ?」派です。現在、書店員。
好きな作家は山田風太郎、若竹七海、舞城王太郎、西尾維新、友成純一、ロス・トーマス等々。今はユベール・モンティエという作家にはまってまして、作品探索中です。

読了本、購入本の記録や(感想はこっち)、その他日々を徒然なるままに。若竹七海ビブリオグラフィー作成しています。こちらに載ってない情報をお持ちでしたら、ぜひとも教えてくれませんか?みなさんの書き込みお待ちしています。気軽にどーぞ。


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94. 2002年07月20日 01時42分22秒  投稿:天野一 
 [http://www2.wbs.ne.jp/~amano1/]
 天野@21号室です。

 PC壊れたってまじっすか。うーん、復帰をお待ちしております。
 お休みの間、何冊のポケミスを読んでいらっしゃるのか、ちょっと楽しみにしています。

 私はとりあえず一ヶ月で27冊が目標です……。

 ではまた。
[202.248.54.81][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

93. 2002年07月19日 09時18分07秒  投稿:kei 
お早うございます。
カキコありがとうございます。
こちらこそどうぞ宜しくお願いします。
学寮祭〜に限らずセイヤーズは難しすぎて結構難儀です。
「ナインテイラーズ」に至っては未だに分からないところが一杯あります。
>若竹七海さんの作品は読んだことがありません。
おもしろうそうですね。こりゃ今から図書館に駆け込まなきゃいけないです。
最近読んだ日本物は鮎川哲也です。
時間表のトリックは頭が混乱してきていつも「えーと、これは一体どうなってるのかな」と独り言をいいながら
読み進んでいるのですが、トリックを考えるよりも先に
時間表の見方を勉強しないといけないみたい…トホホ。
長くなりましたがまた遊びに来ます。
[218.41.23.211][Mozilla/4.7 [ja] (Macintosh; I; PPC)]

92. 2002年07月18日 05時41分25秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
パソコンが壊れた〜。
なので、いつ復活できるかわかりません。
ここは、しばらくお留守にします。
[211.5.207.162][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

91. 2002年07月10日 11時38分46秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/100a.htm]
天野さん
>ないとーさんの謎がまた深まりました(?)。
あれ、そんなこと書いてあったかな。
どこらへんが謎だったのかしらん(^_^;)

>なんていうか、語りがうまいなあと感じました。
なんというか、だんだん語りに深みが出てきたような感じがしますね。
巧いのは変らないにしても、以前は才気煥発という感じだったけど、
最近は巧さを悟らせない巧さを感じさせるようになってきたように思います。
葉崎シリーズ、次も楽しみですね。
[210.165.150.46][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

90. 2002年07月07日 00時01分13秒  投稿:天野一 
 [http://www2.wbs.ne.jp/~amano1/]
 どうも、天野@21号室です。

 100の質問の解答、ありがとうございましたー。さっそくリンクをはらせていただきました。ないとーさんの謎がまた深まりました(?)。

 そうそう、『死んでも治らない』読みました。なんていうか、語りがうまいなあと感じました。
 私的に、カッパノベルスの若竹作品はあたりが多いです。葉崎シリーズの新刊が早く出ないかなあ、と思ってます。

 ではまた〜。
[202.248.54.64][Mozilla/4.5 [ja] (Win98; I)]

89. 2002年07月05日 01時17分03秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/100a.htm]
いつのまにか、連載始まってたカイン・シリーズ。
やっぱり、ダークでいいね、由貴香織里。
「黒い羊」がメッチャかっこええわ。

『わしの息子はろくでなし』ジャネット・イヴァノヴィッチ 扶桑社ミステリー文庫 読了
 シリーズも6作目。大きな驚きこそないもののすっかり安定期に入っている感じ。もともとプロットづくりも堅実で、今回もシンプルだけど、まぁよく出来ている。一番驚いたのはおばあちゃんが運転試験に受かってしまったことだったけど。
 どうしても、キャラクターだとかギャグの方に目が行ってしまうけれど、なにかというと拳銃密売組織だとか、麻薬売買組織だとか出してきても、それこそ誰もが知り合いという「下町」みたいなバーグという土地柄を背景にしているとわりと違和感がなく読める。意外と巧みなところもあるんだよねぇ。プラムと同様いきあたりばったりなのが、たまたまうまくいってしまうだけなのかもしれないけど。
 翻訳についてちょっと気になる点もある。たぶん、原書で読んでもこんな感じなんだろうってノリの良さとかは申し分ないんだけど、それだけに、時々、直訳らしき硬い言葉が混じるところが、どうしてもひっかかっちゃうんだよねぇ。
[210.165.150.86][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

88. 2002年07月04日 08時50分06秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/100a.htm]
なんとなくモリナツを読み返してます。
やっぱり『西城秀樹のおかげです』は名作だわ。
なんか読んでると、この世に何の怖いことも無いような気分になれますな。
[210.165.145.228][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

87. 2002年06月27日 14時00分00秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
ないとー@『嘲笑う闇』読み中。

あきらさん
>Vシリーズ
ミステリとしては『黒猫の三角』や『夢・出会い・魔性』なんかの
仕掛けは好きですが、お話としてもだんだん面白くなってきましたね。

[210.165.150.78][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

86. 2002年06月26日 00時14分16秒  投稿:あきら 
58号室のあきらです。コメントありがとうございました。
「六人の超音波科学者」は私も大好きです。森さんの作品は専門的な事がさらりと書かれていて、全然私にはわからないのですが、そこがまた、新しい発見になって、とても勉強になる本ですよね。Vシリーズは、最初あまり、前作と比べて、面白くないなと、思っていたのですが、保呂草の正体が段々と分かるにつけて、もうたまらなく面白くなってきましたね。前作に引けをとっていません。早く新作が読みたくてたまりませんね。

では、また投稿よろしくおねがいします。
[218.47.114.148][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.0; Windows 98; DigExt)]

85. 2002年06月21日 03時06分20秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
『死んでも治らない ―大道寺圭の事件簿―』若竹七海 カッパノベルス 読了

 『名探偵は密航中』に続いて、今回のカッパノベルスはまた、個々の連作短編にひとつのストーリ−が絡んでいくという構成。このパターンもすっかりお手のものって感じですが、今回はまた格別の味わいを引き出すことに成功してますな。読んでいる間感じたある違和感もすっかり最後で落ちました。行く先にポッカリと開いた暗い穴に突然落っこちたような感覚。最後にあえて苦い後味を残す辺りも若竹らしい。やりきれないんだけど、ちょっと切なくなりました。暗い情念を直接描かずに、ノワール的世界を生み出している。最近の作品はさらりと凄みさえ感じさせるようになりましたね。ほんと、個々の短編の出来といい、いうことないわ。   
[210.165.145.215][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

84. 2002年06月19日 23時26分11秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
今は、イヴァノヴィッチのプラム・シリーズの最新刊を読んでます。

『緑色の犯罪』甲賀三郎 国書刊行会 読了
 やっぱり、この作者は複雑なプロットやストーリーテリングの妙を堪能できる長編の方が、破綻が多かろうがキャラがムチャクチャやろうが、断然、面白い。作者の資質は短編向きじゃないんだろうなぁという印象。トリックで「おっ」と唸った作品は先行作品があるそうだし。とはいっても、それなりに面白くは読みました。プロットのひねりを読ませるタイプの作品はそこそこ満足。特に手塚弁護士ものの三篇と最後の一篇は面白かった。おれが拘りを感じる理化学トリックに面白みを感じられる人間だったら、もっと面白く読めたでしょう。
無報酬で事件を引き受ける清廉の士という顔の裏で、ちゃっかり犯罪者のあがりを掠め取っていく悪徳弁護士、義賊風のスリとかキャララクタ−づくりはツボを突いていて、
エンターテインメントの作家としてはやはり一流の人だと思うんだけど。
ああ、長編読みてぇ〜
[210.165.150.65][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

83. 2002年06月17日 16時35分14秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
あいかわらず、読書がなかなか進みません。

『とむらい機関車』大阪圭吉 国書刊行会  読了
 いろんなアンソロジーに収録されているので、未読のものは半分くらいだったんだけど、今回、通して読んでみて思ったのは、優れた本格作家というより、優れた短編の書き手だということ。読んでいる時の感触は同じくラジカルなパズラー短編の名手、ホックをも連想させる。そして、比べてもあんまり違和感を感じない。人物造詣がやや平坦で物語の膨らみには乏しいけど、逆にその分謎解きにこだわったことが、この作品を古びさせていないと思う。優れた作品は、新しい古いは関係無く、やはり面白いものだなぁと感じた。
ところで、「幽霊妻」はたしかによく出来た作品だと思いますが、何度読んでも吹きだしそうになっちゃうんだよね。だって犯人が……
[210.165.150.23][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

82. 2002年06月01日 02時21分58秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
また読めなくなってるなぁ。
『とむらい機関車』読み中。

『悲しみの時計少女』谷山浩子 サンリオ(’91) 読了
 時計の顔を持つ少女とサカナ男とともに、浩子は時計屋敷を探して彷徨う。
 次々と現われてくる奇妙なヴィジョン、こまごまとした表現も含めて楽しかった。なにより(刺々しくない)毒もあるところが好き。残酷味のあるメルヘンって、やっぱりいいよね。

『『クロック城』殺人事件』北山猛邦 講談社ノベルス 読了
 首切りの理由は荒唐無稽だが面白い。トリックのためのトリックだけど、そのためのシチュエーションづくりは、こんなものだろう。やはり、終末に瀕した世界という設定も謎解きの要素に加えて欲しかったが、結局、なんの関係もなくて残念。雰囲気としては悪くないけど。続編があるのかな。ネタだけを取り出せば、面白いところもあるんだけど、全体の完成度はまだまだというところ。本格ミステリを書きたいのか、それっぽい小説が書きたいだけなのか、正直言って、この作品だけではこの作者の未来は見えてこない。
[210.165.150.8][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

81. 2002年05月28日 03時34分34秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
ないとーです。

>SAMANAさん
ごめんなさーい。『わらの女』読んだことないですー(^_^;)。
だいたいサスペンス・スリラー系の基本は、ほとんどすっ飛ばしてきてるんです。
『わらの女』は中途半端にプロット知ってるので、手が出なかったってのもありますが。

まぁ、ノワール=「悪漢小説」ってのは、当たらずとも言えども遠からずって感じですが、
ノワールといえば、おフランスでは盛んですからね。
ノワールの解釈は、池上冬樹の『1974 ジョーカー』(ハヤカワ文庫)の解説を
読むといいかもしれません。

一番いいのは、やっぱり読むことかな。
SAMANAさんもトンプソン読みましょう(^_^)
[210.165.150.58][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

80. 2002年05月28日 00時58分00秒  投稿:SAMANA 
16号室SAMANAです〜。

 「たまにはよそのお部屋にお邪魔しよう!!」シリーズ、第四弾。
 このお部屋にお邪魔するのは相当久しぶりかもしれないっす(猛汗)。

 ないとーさんと言えば、ノワール。
 ノワールといえば「悪漢小説」のこったろうと理解してる私。
 で、最近読んだ悪漢小説、カトリーヌ・アルレーの『わらの女』が
 無茶苦茶面白かったですぅ〜。
 
 悪漢小説として非常にノーマル&ベーシックで、「シンプル・イズ・ベスト」
 を地でいってるようなこの作品。
 ないとーさんがこの作品をどう読まれたのか気になって、HPにお邪魔して
 みたんですけど、感想がなかったのが残念(泣)。
 もし、読まれることがあったら、感想を楽しみにしております〜(笑)。

そいでは!!
[210.224.52.27][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]

79. 2002年05月22日 03時03分12秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
ふと気づくと、また本読んでない。
そのかわりというか、最近はHPの方を、ちょくちょくいじってます。

『宇宙からの性服者』朝松健 ケイブンシャ文庫(’92) 読了
結局、ケッ作な著者近影と献辞が一番面白かったような……
[210.165.150.37][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

78. 2002年05月09日 01時34分08秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
ホームページの方、久しぶりに更新しました。
感想文の再アップと、一部工事中ですが、Specialコーナーに、若竹七海レヴューリンクを
アップしました。レヴューリンクは一年前に作ってほったらかしにしてたもので、制作時の
データをそのままアップしてるので、リンク切れとかあると思いますが、興味のある方は、
ぜひ見てください。労作です(笑)。

『UMAハンター馬子(1)』田中啓文  学研M文庫  読了
UMA(未知生物)なんてわけのわかんないものをテーマにした連作ですが、ちゃんと伏線もオチもある、さらに、いつものダジャレもグロテスクな描写もしっかりあります。

『猫の地球儀 焔の章』 『猫の地球儀 その2 幽の章』秋山瑞人  電撃文庫  読了
宇宙に浮かぶトルクは猫の世界。地球儀に生きて辿り着くことを夢見、その夢が支配層に知れれば粛清される運命にある幽、自分よりも強いものと戦うことを求め続ける焔、その焔が好きで好きでしょーがない楽(かぐら)。そんなどうしようもない業を背負った3匹の猫の物語。それゆえに、交わることのない、だけど、惹かれ合う魂の行きつく先は……。なんて書いてたら、泣けてきたぜ。
[210.165.150.72][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

77. 2002年05月05日 12時36分30秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
『オクトパスキラー8号』、結局、最後まで読んじゃったけど、霞にしか書けないアイディアを惜しげもなく注ぎこんだ傑作、と改めて思いました。


『謀略(わな)』西東登  カイガイ出版('78)  読了

 かつて、自分の両親を死に追いやった男と、偶然、再会した女。復讐を思う女は、なに
も知らない男の求婚を受け入れ、妻の立場から虎視眈々と復讐の機会を窺う。しかし、
事態は、男の意外な行動で、複雑になっていく。
 二重の謀略が絡み合って、一方の企みが分った時は、「ああ、そうだったのか」って思
ったんだけど。構成の妙は光りますが、うーん、地味。



[210.165.150.54][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

76. 2002年05月02日 03時37分16秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
なぜか『オクトパスキラー8号』(霞流一)を再読してます。最初に読んだ頃は、
「笑えないギャグばっかり」と侮っていたけど、なんのことはない、おれの目が
節穴だっただけじゃないか。思ったより大分楽しめました。なんともいえない独
特の間合いを感じる文章が良いですね。ギャグそのものとかより、文章に漂って
るユーモアを楽しむのが、霞の読み方だったのね。
あと、言ってることは大分不穏当だけど、どことなく憎めないってっていうか、
飄々としてて、からっとしてる感じする。「もの好きだねぇ」とは思うけど。

『シスターズ』パット・ブース  集英社('96)  読了

この手のロマンス小説って、女という女が色情狂なんじゃねえかって気さえしてくる。
あるいは、そんなに満たされない恋愛・セックスしてるのかってね。男としては、濡れ
場に興奮するより、剥き出しの「女の性欲」に辟易としちゃうんだよね。(や、現実なら、
大歓迎だけどさ。)

閑話休題

さて、いわくありげなプロローグが、興味をそそります。それからハリウッドの内幕を
描写しながら、ベストセラー作家の姉が、世間知らずの妹をとにかくひどい目にあわ
せようと、あの手この手で妹を追い込んでいくっていうストーリーが展開するんだけど、
エンディングでまさかの大逆転が。驚いたのなんのって。それから、読み返してみれ
ば、思い当たることもあるけれど。しかし、呆気にとられちゃいました。『古書店アゼリ
アの死体』で書名を見かけて、興味を惹かれて手に取ったんですが、読んだ甲斐は
充分ありました。
[210.165.150.83][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

75. 2002年04月25日 12時20分04秒  投稿:ないとー 
 [http://www43.tok2.com/home/schizophonic/]
『蘇った脳髄』草野唯雄  角川文庫('84) 読了

作者の短編の中から、恐怖小説あるいは恐怖小説的色彩の強い作品を集めた短編集だと
いう。とは言っても、超自然現象が起こるものもあったり、トリックのあるものだった
り、マッド・サイエンティストの出てくるSF色感じられるものなど、作品のパターンは
さまざま。作者の引出しの多さが窺える。ミステリに恐怖小説の手法を用いた(あるい
はその逆)点が、異彩を放っている。

「根絶やし」ある人物が不気味な存在感を放っている。まるで悪意が一人歩きしている
ようなラストシーンは怖い。超自然現象などは出てこないのに、巧みな緩急をつけた叙
述テクニックが、この作品を恐怖小説として、集中で一番のものにしている。

「死霊の家」本書の中でも、もっとも恐怖小説的な色合いの濃い作品だが、あるミステ
リのパターンを、ちょっと違った視点から描いたものと見ることも出来ると思う。あえ
て、ミステリとして考えると面白いんじゃないかな。この作品。

「蘇った脳髄」この草野版『アルジャーノンに花束を』には凄惨な結末が待っている。
でも、ばあさんが……。クックックッ。ブラック・ユーモアもの(?)の佳品。

「皮を剥ぐ」リアルな犬の皮を剥ぐ描写(友成さんの人間解体に似てるから笑っちゃっ
た)など、グロさでは集中でも随一。因縁話で終わるかと思いきや、ひとひねりして、
さらにショッキングなエンディングへと誘う。

「闇の中の棺」恐怖小説的な要素のない本格ミステリだけども、犯人の人物像に、得体
の知れない不気味な印象を受けた。
[210.165.150.67][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

   181〜200件(保存数204件) 

[NAGAYA v3.13/N90201]