黒猫荘
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オーナー:ないとー 

ここの管理人のないとーです。

ミステリなら、ほとんどなんでも読みますが、「やっぱりミステリといったら本格でしょ?」派です。現在、書店員。
好きな作家は山田風太郎、若竹七海、舞城王太郎、西尾維新、友成純一、ロス・トーマス等々。今はユベール・モンティエという作家にはまってまして、作品探索中です。

読了本、購入本の記録や(感想はこっち)、その他日々を徒然なるままに。若竹七海ビブリオグラフィー作成しています。こちらに載ってない情報をお持ちでしたら、ぜひとも教えてくれませんか?みなさんの書き込みお待ちしています。気軽にどーぞ。


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114. 2002年10月25日 04時44分21秒  投稿:ないとー 
『ウサギ料理は殺しの味』、うわさに違わない傑作じゃのう。
どうしてこう、おフランスの作家って、へんてこりんな発想出てくるんだろうね。
しかも、昔のジャプリゾみたいに腰砕けになってないのが凄いよね。

『顔のない告発者』ブリス・ベルマン 創元推理文庫(’85)
「ドートリーブ夫人の死は事故ではない」という匿名の手紙によって、事件を調査した
警察は、車に細工がされていたことを知る。
小粒ながらも、プロットのひねりにひらめきの感じられる作品。地味でも、こうしっかり
ツボを押さえてある作品を読むとすがすがしい気持ちもするね。

『メリー・ウィドウの航海』ニコラス・ブレイク ハヤカワミステリ文庫(’78)
探偵のナイジェル・ストレンジウェイズと恋人のクレアはギリシャ周遊の船旅に出かける。
そこで未亡人のメリッサとノイローゼ気味の妹のアイアンシー、ギリシャ文学の翻訳家、
アイアンシーの元教え子の少女とその双子の兄、精神分析に凝る少女といった人々に出会う。
彼らは必ずしも友好的な関係ではなく、船旅は不穏な緊張感をはらんだものとなる。そして、
ついに船上プールで少女が死体となって発見され、同時にアイアンシーが行方不明になって
しまう。
前半がたっぷりと個性的な登場人物を描くことに費やしていて、冴えた人物描写とストー
リーテリングで、巧みにサスペンスを盛り上げていく。その分、事件ー尋問の繰り返しと
いった退屈しやすいところが最小限に抑えられていて、それが僕には読みやすかった。隙の
ないロジックを展開するストレンジウェイズの推理に、縦横無尽に張り巡らした伏線が十分
な説得力を持たせ、本格推理の王道をゆく容疑者を一堂に集めて謎解きをするスタイルが決
まっている。裏で展開されるストレンジウェイズと犯人との心理戦も読みどころ。
今のハヤカワ文庫には『野獣死すべし』しか残ってないブレイクだけど、これだけ良く出
来た本格推理作品が、なぜ今でも残ってないのか不思議なくらい。
[210.165.145.231][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

113. 2002年10月22日 03時19分47秒  投稿:ないとー 
はやくも読書ペースが落ちてきてる・・・

杜呂さん 
本が多くなると大変ですよね。
今、僕のところは、本は片っ端からダンボール箱につっこんであるので、
いったん何か探すとなったら大事です(笑)。
読みたくなった時に読まないと、なかなか読めなくなるので、
なんとか、この状況から抜け出したいです。やっぱり本棚欲しいなぁ。
今は、取り出しやすい方からどんどん読んでこうと思ってるんですが、いつまで続くやら(^^;


『楽園を求めた男』M・バスケス・モンタルバン 創元推理文庫(’85)

行方不明になっていた事業家が刺殺体となって発見される。被害者の妻から、行方不明の
間の夫の消息を探って欲しいとカタルーニアの私立探偵カルバイヨの許に持ち込まれる。

初めて読むスパニッシュ・ハードボイルド。読み慣れないスペイン名がなかなか頭に入ら
なくて、読むのに少し苦労してしまったけど、カルバイヨの助手兼料理人、八年間付き合っ
ている恋人の現役の娼婦、エキセントリックな上流社会の人間たちのそれぞれ個性的なキャ
ラクターや、捜査中、いきなりノワールのコンヴェンション会場に飛び込んだり、暖炉の薪
がわりに蔵書を火にくべたりする細かいエピソードなど、なかなか面白い読み物だった。

むしろ、そういったエピソードの方が面白くて、本筋であるプロットの方が一見なおざり
にされているような感じもするんだけど、次第に浮かび上がってくる楽園を求めた男の姿は
地味だが忘れがたい印象を残す。そして、それがそのままカルバイヨを始めとしたその他の
登場人物たちが問題を抱える姿と重ねあわせて読むことが出来るようになっていて、この作
品をいっそう味わい深いものにしている。

作者は「『私はそこからもう戻りたくなくなるような場所へ行くのが好きだ』と。そんな
場所を、誰もが探しているんです」というカルバイヨに言わせている。だが、静かに誰にも
そんな場所がありえないという苦い認識をつきつけ、印象的なエピソードで幕切れを迎える
この物語に深い余韻を与えている。
[210.165.150.73][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

112. 2002年10月21日 09時04分41秒  投稿:杜呂 
 [http://kamakura.cool.ne.jp/torone/]
おはようございます!

昨日、一生懸命本の整理をしまして、ほこりをかぶった『カストロバルバ エッシャー宇宙の探偵局』を見つけ出しました!!
まだ読むのは先になりそうですが、一安心・・・

本はやはり整理して、一箇所にまとめておくべきだとしみじみ思いました。ヾ(´▽`;)ゝウヘヘ
[218.45.253.125][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 98; Win 9x 4.90)]

111. 2002年10月20日 02時43分13秒  投稿:ないとー 
ないとー@『くたばれ健康法』読み中です。

吐呂さん
自分の感想が読むきっかけになってくれるのは嬉しいです。
読みたくなったっていう書き込みだけでもありがたいです。

本が見付かるといいですね。
ちなみに、僕は買ってから読むまで3、4年かかってます(笑)。>カストロバルバ

[210.165.150.93][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

110. 2002年10月16日 16時43分15秒  投稿:杜呂 
 [http://kamakura.cool.ne.jp/torone/]
ご無沙汰しております、33号室の杜呂です。

ないとーさんは読書絶好調ですね。

『カストロバルバ エッシャー宇宙の探偵局』の感想を見ていて急に読みたくなりました。
実はその本を昨年、ある方からいただいたのですがまだ読んでおらず、さらにどこにしまったかを忘れていました。ヾ(´▽`;)ゝ
本当にどこにしまったんだろう?とにかく探してみようと思います。

ミステリーねたなしのショボイ書きこみで申し訳ありませんでした。(((((((((((((ーー;) さささっ・・・
[218.224.166.22][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98; Q312461; .NET CLR 1.0.3705)]

109. 2002年10月16日 04時52分29秒  投稿:ないとー 
絶賛好評絶版中。
ますます、最近の話題にはついていけなくなるわ。最近、一番新しい本でも15年前
くらいなんだもの。まぁ、たまには買うだけじゃなくて読まなきゃね。

『カストロバルバ エッシャー宇宙の探偵局』荒巻義雄 中央公論社(’83)
夢の世界の港町・カストロバルバで、夢探偵の万治陀羅男が直面するエッシャーの絵
そのままに起こる4つの殺人事件。
エッシャーの絵のミステリ的解釈、夢の世界で起きる殺人というアイディアが、なんとも
いえない魅力を放ってる。夢世界の奇妙な論理を堪能させてくれる作品もあり、密室の謎を
解く凝った作品もあったり、 もうひとつのミステリとでもいいたくなるような型破りな作品
だ。

『私のすべては一人の男』ボアロー、ナルスジャック ハヤカワ・ノヴェルス(’67)
処刑された死刑因の人体のパーツを、頭部や腕など体の一部を事故で失った七人の男女に
移植するという実験が、フランス政府の元で極秘裏に遂行された。手術は成功したが、その後、
被験者の一人が自殺した頃から、事態は思いもよらぬ方向へ進行しはじめた。

被験者たちが次々と謎の死を迎えていくというストーリーが生み出すサスペンスはもちろん
のこと、移植された七人の男女の困惑し混乱する様が(女性の被験者に男の死刑因の足が移植
されてしまうことで起こる悲喜劇なんか)、時として、それにユーモアを加えているし、SF
でありながら、まぎれもなくミステリでもあるという、いろいろな面白さを堪能できる作品。

特殊な設定を採用することによって、従来のミステリでは書けなかった破天荒なアイディア
を実現させるところは、西澤保彦のSFミステリと方法論は似ているが、こちらも巧妙に設定
を活かし、不可能を可能にしてみせる手際はなかなかのもの。まぁ、それこそ西澤とか最近の
本格ミステリを読み慣れた人なら、ネタにはそうそうに気づくかもしれないけど、さすがにボ
アナルの最高傑作といわれるだけはあるかな。


『穢れなき殺人者』ブリス・ペルマン 創元推理文庫(’84)
母子家庭で、まだ幼い双子の母親が殺されるが、子供たちが寄宿学校に入れられるのが嫌さ
に、母親が死んだことを秘密にして、いつものどおりの生活を続けることにしてしまったこ
とで、話はおかしな方向に進んでしまうのだった。
異色のプロットと子供のかわいらしさと恐ろしさが、不気味なサスペンスとブラックな笑いを生み出してる。あとは、オチにもう少しヒネリでもあったら、もっと面白かったんだけどな。


『コンピューター検察局』エドワード・D・ホック ハヤカワミステリ文庫('80)
物体高速移転装置の発明者が、手術用マシンで行われた虫垂炎の手術中、機械の誤作動により
死亡する。今まで一度も起きたことのない事件の捜査にコンピューター検察局が動き出した。
死亡した人物には死を願う者も多かったが、手術用プログラムに手を加えることは不可能なは
ずであり、事故の可能性も少ない。事件が仕組まれたものだとすれば、どうやってやったのか。
近未来の不可能犯罪に挑むSFミステリ。

密室などではない、新しい謎を創出し、近未来という設定をどう活かすかという点でも力業
を発揮しているけども、基本的な骨格はオーソドックスなパズラーで、大胆なトリックなどが
使われているわけではないけど、計算された人物像、隅々まで巧妙に張り巡らされた伏線など、
要所要所はしっかりと押さえ、その点でも申し分のない出来だった。


『コンピューター404の殺人』エドワード・D・ホック ハヤカワミステリ文庫('80)
大統領選挙が間近に迫ったある日。選挙専用マシーンの点検中、なぜかインプットされた
ことのない選挙結果が打ち出される。その謎を追ううちに、点検にたちあった技師とコン
ピューター検察局のジャジーンが襲われ、技師が命を落とす。

近未来という設定ならではの大技がない分、SFミステリとしては前作に一歩譲るけど、
より一層パズラーとしての手堅さが顕わに出ているかも。ちょっと小粒ではあるけど、
さりげない伏線、意外な犯人といった条件は満たしていて、いささか通俗的なものの謎が
謎を呼び読者を煙に巻くストーリーはなかなか読ませる。

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108. 2002年10月14日 17時39分23秒  投稿:ないとー 
『天皇賞レース殺人事件』草野唯雄 徳間文庫(’72)
八百長疑惑で出場停止処分になった騎手・成瀬幸吉。身に覚えのない成瀬は自分で真相を追求しようとするが、協力を頼んだ人物は殺され、その容疑までかけられてしまう。反撃の糸口を探す成瀬とその恋人も、ことごとく犯人に先手を打たれ、また一つまた一つと無罪を証明する手がかりを奪われていく。
無実の主人公がどんどん窮地に追い込まれていく過程で生じるサスペンスで読ませる作品はいくらでもあるけれど、ここまで徹底して、あの手この手で手段を選ばず主人公を追いつめていく作品は、なかなかないんじゃないだろうか。最後の最後まで、緊張感の途切れないストーリーテラーぶりで、ページをめくる手を止めさせない。そういう意味では、ディック・フランシスの競馬シリーズを連想させるけど、あくまで意外性なども盛り込んだ草野流のミステリになってる。
とにかく引っ張る引っ張る。終わり近くになっても主人公の冤罪を晴らす努力が実を結ばず、どう考えてもこんな残り少ないページでは決着をつけられる話じゃないよなぁとまで思うような頃になって、鮮やかな逆転劇を演出し、ちゃんと意外な真相まで提示してくれる。豊富なアイディアが頭かしっぽまで詰まったサスペンスの傑作。大変美味しく頂きました。

『ダイナマイト円舞曲(ワルツ)』小泉喜美子 カッパノベルス('73)
ロンバルド王国の后妃となった留学時代のルームメイトに招かれた「わたし」は、后妃の命を狙う何者かの影に脅かされ、王制打倒をめぐる陰謀に巻き込まれる。
わりあいシンプルな作りなので、簡単にネタは割れてしまうかもしれないけども、大胆なアイディアも盛り込まれているし、架空の王国を舞台に持ってきたことで、普通のミステリとはちょっと一線を画した存在になっていると思う。ただ、『弁護側の証人』級の作品を期待してしまうと裏切られるかな。

『美しい蠍たち』山田正紀 トクマノベルス(’89)
莫大な遺産、それを巡る複雑な家族関係など、シチュエーションはすこぶるオーソドックス。芝居や映画の構成を意識して書かれただけあって、展開に淀みはなく、数時間で手軽に読めるような作品だが、 小味ながらも殺人をめぐるトリックがあり、女たちの虚々実々の入り乱れた駆け引きがあり、それらが無駄なくまとまっていて、心地よくストーリーに翻弄されつつ読み終えた。意表をつく一風変わったエンディングにもニヤりとさせられる。


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107. 2002年10月13日 02時51分54秒  投稿:ないとー 
ボアロー、ナルスジャックの『私のすべては一人の男』を読んでます。
このところ国内物が続いてたので、今度は海外の積読を消化していこうかなと思ってます。
最近、買いたい本も買えないんだけど、そのかわり、どれを読もうか迷うことがなくなって、
積読の消化には良いかも。でも、せめて河出の「本格ミステリコレクション」くらいは、
帯がなくなるまでには欲しいな。

『上を見るな』島田一男 光文社文庫 読了
今では無理な気もするけど、大胆なトリックが面白かったです。時代は感じさせるけど、
かえってその雰囲気がなんとなく懐かしいような気分にしてくれます。

『月下の蘭』小泉喜美子 徳間文庫 読了
歌舞伎の舞踏劇もしくは能の作品をモティーフにした4つの作品を収録。題材のせいかどの作品も怪奇幻想小説風味もあるミステリばかりになっている。
なんとなく連城三紀彦を連想させるような作風だけど、その分、意外な真相、巧妙なトリックなんかとは無縁で、やはりそれが僕などには物足りないけど、独特のしゃれた雰囲気と肌の
あう人なら面白く読めるかも。
「月下の蘭」
この作品には、ミステリ的なオチはいらないのではないかとも思ったら、かえって
それが凄艶なラストシーンを演出している。
「残酷なオルフェ」
三角関係の男女の息詰まる化かしあい。裏切り、企みというテーマは好みだけど・・・
「宵闇の彼方より」
急死した作家の死因をめぐる疑問。構成は巧いと思うけど、インパクトが足りない。
「ロドルフ大公の恋人」
集中で最もミステリ的にはおいしい作品。
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106. 2002年10月10日 22時46分05秒  投稿:ないとー 
ないとー@『ダイナマイト円舞曲』読み中。
やっぱり、若竹の道を踏み誤らせたのは、この人でしょう。
ブッキッシュなとこも、こっから来てるっぽい。

天野さん
>作中人物とけっこう共通点が多くて、かなり感情移入してしまった気がします。
フラットだけど活き活きとしたキャラクターは、若竹作品の魅力のひとつですね。
ただ単にトリッキーでシニカルな作風だけだったら、ここまで惹かれなかっただろうし。
いっつも簡単に感情移入させられちゃうんだよねぇ。しかも、クセものなのが、
「ああ、おれもこんなイヤなヤツやったわー」というとこまで映し出すところ。
読んでて恥ずかしくなるくらい、シビアにそういうとこ抉ってくるので、
「痛い」の好きなおれにはたまりません。



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105. 2002年10月10日 00時31分44秒  投稿:天野一 
 [http://www2.wbs.ne.jp/~amano1/]
 ども、21号室の天野です。

 久々に若竹を読みました。今ごろ『スクランブル』です。
 面白かった……というよりも、作中人物とけっこう共通点が多くて、かなり感情移入してしまった気がします。

 次の若竹は『火天風神』(だっけ)を読む予定です。

 では〜。
[202.248.54.88][Mozilla/4.5 [ja] (Win98; I)]

104. 2002年10月09日 23時41分37秒  投稿:ないとー 
このところ、昭和作家をまとめ読みです。

『やぶにらみの時計』都筑道夫 中公文庫 読了
目覚めたら、自分の知らないお屋敷に寝ていた男。さらに、そこにいた見知らぬ女からは
夫と呼ばれ、住んでいるアパートに辿り着いてみれば、顔見知りの住人、同棲相手の女に
さえ、知らない人間だといわれてしまう。一夜にして別人になってしまうというSFじみた
設定、二人称形式の叙述、独特の文章、全体的に凝っていてしゃれた作品。
かなり手の込んだ仕掛けがなければ成立しそうにない状況を、シンプルなトリックだけで成立させている。個人的にはそれだけでも満足のいく作品だった。

『他殺岬』笹沢左保 光文社文庫 読了
ルポライター天知の息子が誘拐された。犯人は天知の書いた記事によって、身ごもった
子供とともに、投身自殺に追い込まれたとされる女性の夫であり、子供を奪われた苦しみ
を天知にも思い知らせようと五日後に殺すと予告。天知は女性の死亡時に感じた違和感から、
その死が他殺であることが証明できれば、息子が開放されるのではないかと、独自に調査を
開始する。
タイムリミットまでに真犯人を見つけなければならないというサスペンス物は珍しくない
ものの、本書ではちょっとヒネりを加えてある。自殺を他殺と証明しなければいけないという
設定に、誘拐事件を絡めたことで、謎解きに必然性を与えていて、発端から工夫が凝らされて
いて、錯綜した謎のひとつひとつをまとめあげる構成力もまったく隙を感じさせない。それに
加え、人物造詣や恋愛の機微といったもの、豊かな風景描写などが情感を醸していて、かなり
良くできた作品だった。
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103. 2002年10月07日 00時39分48秒  投稿:ないとー 
ないとーです。

里崎さん
ご挨拶、ありがとうございます。

僕のイチオシといえば、若竹七海です。
もし読んでなければ、ぜひ一読をお勧めします。
特にお進めなのは『プレゼント』『製造迷夢』などの短編集、
『ヴィラ・マグノリアの殺人』などの葉崎市ものです。
里崎さんも新本格系は読んでらっしゃるみたいなので、
新本格以前の作家として、連城三紀彦、本格派にもすすめたい
ハードボイルド/サスペンス作家として逢坂剛なんかも、お勧めしておきます。

イチオシ海外作家なのは、サラ・コードウェルです。
『かくてアドニスは殺された』から始まるテイマー教授のシリーズが4冊、
ポケミスで出ています。今なら4作目の『女占い師はなぜ死んでいく』が、
比較的手に入りやすいと思います。ユーモアも堪能できて伏線の妙が味わ
えます。
個人的にはユーモアのある英国本格派が好きなので、クリスチアナ・ブランド、
エドマンド・クリスピンなどもおすすめです。
新本格に通じるゲーム性の強い作品として、ジョン・スラデックの『見え
ないグリーン』、デアンドリアの『ホッグ連続殺人事件』などは、定評も
高いので、読んでみてはいかがでしょうか。

とまぁ、とりあえず本格にこだわって、いくつか挙げさせていただきましたが、
中に何か気に入るのが出てくれば幸いです。

>これからはメキメキ読書するぞ!!
どんどんいろんな作品にあたって、読書生活を楽しんでください(^^)。
それでは。
[210.165.150.18][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

102. 2002年10月06日 21時56分37秒  投稿:里崎 
68号室の里崎です。

ご挨拶が遅くなってしまってすみません。
ミステリのことを知らないミステリ好きの私ですが、
よろしくお願いします。(^^)

私も有栖川氏の『山伏地蔵坊』は好きです!
とは言っても一番好きなのは…、う〜ん、どれも好きだけど、
『孤島パズル』と『朱色の研究』かな〜。
どれも好きなんですよね、有栖川氏の作品は。(^^;

ないとーさんのイチオシは何ですか?
今までミステリの話が出来る人がいなかったため、
みんなにいろんな小説を勧めてもらって本当にうれしいです。
今までは偏っていたんだなー、って実感してます。
これからはメキメキ読書するぞ!!
[210.133.162.133][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

101. 2002年10月01日 04時01分12秒  投稿:ないとー 
matsuoさん
まぁ、なにはともあれ、ありがとうございます(笑)。 


『瀬戸内海殺人事件』草野唯雄 読了
各章のタイトルにすべて「奇妙な」という形容詞がついてるのだが、それだけではなく潔癖症の探偵役という設定や、巧みなミス・ディレクションが施されたひねったプロットなども、奇妙な味わいを醸し出していて、優れたミステリというだけでなく、どこか不思議な読後感を残す作品だった。

『牙王城の惨劇』霞流一 富士見ミステリー文庫 読了
「驚愕の真理とはバカなもんなんだよ」って、ほんとにばかばかしいんだから。こんなバカなこと考える作家はいないから、ますます惚れ込んでしまうのであった。あいかわらず、とんでますな。
[210.165.150.76][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.5; Windows 95)]

100. 2002年09月27日 22時35分52秒  投稿:matsuo 
 [http://www5b.biglobe.ne.jp/~mystery/]

何はともあれ、復活できたことはめでたいです(^^)

[61.193.47.145][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows NT 5.1)]

99. 2002年09月27日 07時20分15秒  投稿:ないとー 
天野さん
結局、8月はポケミスどころか本自体ほとんど読めませんでした。

>『悪魔の舗道』
ほ、欲しいですー。ありがとうございます。
でも、いつでもいいので、ゆっくり読んでくだされ。

おーかわ 
>ふっ、世俗から離れすぎだぜよ
最近、すっかり情報に疎くなっちまったい。
ガイド本のことも、霞の長編でたことも知らなかったよー。
いまごろ、『牙王城の惨劇』読んでるし。



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98. 2002年09月25日 02時53分51秒  投稿:天野一 
 [http://www2.wbs.ne.jp/~amano1/]
 ないとーさんお帰りなさい〜。

 結局8月は、ポケミス23冊読みました。
 ところで、『悪魔の舗道』いります? なんでしたら、読み終わったら差し上げますけど。(まだ読んでないんかい)

 ではまた〜。
[202.248.55.133][Mozilla/4.5 [ja] (Win98; I)]

97. 2002年09月25日 01時02分55秒  投稿:おーかわ 
ふっ、世俗から離れすぎだぜよ。
原書房から出たガイド本で挙げられた本そのままだじょ。

霞の長篇を早速読みましたが、うーん、評判悪そう。
読みどころをおさえれば面白いんだけど、
つまらない人にはとことんつまらない作品になりそうな感じがします。
オイラは、とても面白かったです。
[210.249.207.126][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 5.01; Windows 98)]

96. 2002年09月24日 03時03分05秒  投稿:ないとー 
パソコン借りてきて、何とかネットにはつなげるようになりました。
真っ先にここにつないだら、「本格ミステリ度調査」を見かけたので、
やってみました。既読は195でした。
しかし、このリストの選択基準って、どうなってるのかなぁ?
ちょっと不思議。

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95. 2002年07月25日 04時07分36秒  投稿:ないとー 
『ロマンス作家は危険』オレイニア・パパゾグロウ 読了

作者は『ホッグ連続殺人事件』のデアンドリア夫人、密室殺人ネタもあるということで、
ほんのちょっぴり期待してなくもなかったんですが、登場人物がエンディングで洩らす
「(犯人の)行動は支離滅裂だな」という一言に象徴されるような作品、とでも
いっておきましょうか。
しかしまぁ、ロマンス出版界を舞台裏にした一種の暴露本としては、なかなかのものでしたかな。
[211.5.207.162][Mozilla/4.0 (compatible; MSIE 6.0; Windows 98)]

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[NAGAYA v3.13/N90201]