肝炎類似症状が表れるジアルジア(ランブル鞭毛虫)感染症


病原

ジアルジアというよりランブル鞭毛虫といった方が馴染みがあると思われるが、この寄生虫は世界中に分布しており、感染者は推計で4000万といわれているが、その実体はつかめていないが極めて深刻である。ジアルジアが十二指腸から小腸上部の粘膜の上皮部分に吸着し、またその部位に寄生することにより下痢を生じる。幼少期における小児に感染しやすいため、熱帯地方では、小児の吸収不良症候群として発症がみられる。また、ほとんどは飲食物の摂取からその胞子を経口することにより感染しその症状が表れるが、近年においては、赤痢アメーバと同様にanal sexやoral sexでも感染するため、STD(性感染症)としても研究されている。

症状

主症状は、下痢及び上腹部痛である。潜伏期間は10日程度であるが、この寄生虫の感染者は、感染者の3分の1程度が下痢を訴えるが、大部分が発症せず無症状のキャリアになり、潜伏するという問題を抱える。軟便ないしは脂肪便の症状の後、食欲不振、腹部膨満感を訴え、放置すると吸収不良症候群になる。また、胆嚢炎、胆管炎の原因ともなり、黄疸症状や血液検査による、GOT・GPTの上昇がみられ肝炎と誤診されることもある。腸管分泌性IgA欠損症等の免疫不全がある場合は高度の感染により重症化の原因になる。

治療

メロニダゾール、チニダゾール投与。キナクリンは副作用が大きい。


関連URL

在インドネシア日本国大使館医務室ホームページ

検査のための寄生虫図鑑

感染症、エイズ、結核関係

女と男の辞典

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