■ Izhmash  Saiga 410gauge

 
   




   1. ロシア製のショットガン

この銃は、誰が見てもロシアの銃である事が解る。
カラシニコフのシステムを採用しているサイガは
AKのデザインをそのままショットガンにした武骨な
ものなのだ。
蛙の子はカエルだ。・・・いや、それより良いのだ!
蛙の子は、親と見た目が全然違うけど、サイガは
カラシニコフシリーズと見た目も近いからだ。
この410番モデルは見た目もスラリとしていて、
まるでライフルのように見える。
勿論サイガは民間用なのでセミオートオンリーと
なっている事は言うまでも無かろう・・。












見よ!このスバラシイ仕上がり具合を!
実にザツでいい加減な仕上がりとなっている。
もしこのサイガが西側製品だとしたならば、
「も一度、新品持って来いっ!」って感じだ。
共産圏だと、これでもエエんか?
確かに、機能に主眼を置くならば見た目は苦にする
必要もなかろうが、コレだったらワタシがスプレーで
塗った方が上手なのだ。
しかし、「それもサイガの良さ!」と気に入ってる人
も多いので余計な事は言わんようにする・・・。
ちゃんと、メイド・イン・ロシアって英語で書いてあるし。




  サイガを後ろから眺めたトコだ。
  この銃を誉めようとして昔の彼女を思い出した。
  ○△□ちゃんの作った料理みたいなのだ!
  味は悪くないんだけど、見た目がヒドいと言うか
  大雑把と言うか・・・。
  「眺めてもお腹いっぱいになる訳じゃナシ!
  アンタ、目から食べるワケじゃないでしょ!?」
  確かに目からは食わないが、目で楽しむ事が
  如何に重要かを理解しない人に対して、見た目
  も必要だと納得させるのはとっても大変なのだ。
  なので、"妥協"と言う言葉と一緒に飲み込んで
  しまえば良いのだ。
  ほら!ホントにサイガと同じじゃんか!











本国やアメリカ向けモデルにはライフルサイトの仕様
も存在するが、日本に輸入された物はビーズサイトと
なっている。
日本人に馴染みのある狩猟用ショットガンであるならば
ビーズサイトの方が受け入れられ易いって事か?
この写真の銃に関して言えば、ビーズのネジが手でも
回ってしまうほど緩んでいたのだ。
ビーズが乗ったリブはガスシリンダーの上部に位置して
いるので、バレルは遥か下方に追いやられているのだ。
カラシニコフシステムの都合上仕方ないんだけど、こん
なにバレルとサイトの軸線が離れていても良いのか?
まぁ、そう言うショットガンじゃないから気にせんでも
良いと思うけどね。



  これはバレルの先端だ。
  本来は外付け交換チョークが選べるんだけど、
  日本に輸入されたサイガ410は、本来はフル
  チョークだった物が装着され、固定されている。
  ちなみに、外周に開けられた穴は純正ではなく
  後加工と思われる。
  ついでに言うと、穴を開けても意味はない。











マズルを覗くと、フルチョークの内面が若干削がれて
やや径が大きくなっている気がするけど、この銃の
マズルは実測で9.6mmだ。なので絞りはあるのだ。
もしかしたら、その為のガス抜きとしてチョーク外周に
穴ポコを開けたのか?
どうせなら、もっとカッコ良いマズルの仕上げにして
もらいたいモンだ。これじゃ味気無さ過ぎるのだ・・。
基本的に、この銃の全長はチョーク先端までを含む。
それでも固定されているのだからそれで良い。
・・なんて納得してはイケナイ!銃身長も法律を十分
にクリアしているのにチョークを固定する必要が果た
してあったのだろうか!?



樹脂部品もまた、西側と違った感じなのだ。
一言で言うと、これもまた雑な仕上がりなのだ。
"雑"と言うと聞き味が悪いので、言い替えるなら
"実用上に問題なし"と言えば良いのだ。
質感も、レミントンやモスバーグとかの物に比べると
ちとショボイ感じって事は否定出来ない。
リコイルパッドと言うか、バットプレートもテキトーで、
チェッカリングや刻印の一つも無いプラスチック製だ。
だけど、ワタシゃこのストックとハンドガードの
デザインは悪くない気がする。
まぁ、ブスい子を誉める時に「足がキレイだねぇ!」
と言ってるのと同じような気もするが・・。
じゃぁ、実際にキレイかと言うと、それは気のせいだ。
ブスに向かってブスと言ってはイケナイのだ。
ちなみに日本には入っていないと思うが、木スト仕様
のもある。・・ワタシゃそっちが良かった。
馬子にも衣装ってトコか?














グリップ部だけを見ると、普通のポンプアクション
やオートマチックショットガンと大差無く見える。
見た目によらず、握り心地は非常に良く、ガサツな
仕上げを忘れさせてくれるのだ。
オッパイと銃のグリップは手に取るまでは解らん。
・・・と、夢の中でエライ神様が言ってたのだ!
他にも多種のグリップ&ストックタイプが存在して、
トリガーがもっと前方に位置して、このサイガの
トリガーの位置にピストルグリップが付くモデルも
あるが、そのタイプのモデルは今のところ日本に
は輸入されていないと思う。
別にあったとしても全く違法性はないし、ワタシゃ
そっちのタイプの方がカッコ良いと思う。










このサイガに根強いファンがいるワケは、独特のスタイル
もあるし、天才カラシニコフの銃って事もあるけど、何たっ
てマガジン式ってトコが大きいんじゃないかな?
やっぱり、マガジンチェンジをしたりとかアクションのある
銃はカッコ良いからね!
このマガジンは日本仕様として2発に改造されている。
ふと、タマがマガジンの底の方に深く入るから、ムムム?
と思ったけど、実は銃に装着した際にボルトが通る為の
遊びだったのだ。
実際マガジンにタマを入れて銃に装着してみると、確実
にチェンバー1発+マガジン2発となっているので無用な
心配をする事は無かった。


このマガジンの装着方法は64式やAK47とかと同じで、
マガジンの前方のツメを銃本体に引っ掛けて、その部分
を軸にしてマガジン後方を銃に押し込めばOKなのだ。
マガジンを抜き取る時はマガジンリリースレバーとマガ
ジンを一緒に掴む感じで、後は装着時の巻き戻し再生を
すれば良い。
このタイプのマガジン装着方法を採用している銃は多い
んだけど、マガジンチェンジに時間がかかるのが弱点だ。
ま、このサイガの場合はハンティング・ショットガンだから
これでもいいんだけどね。
むしろボタン式のように、うっかりボタンを押してしまって
マガジンを脱落させる事が無いので山歩きにも安心だ。
それにしても、マガジンも30-06クラスのライフルと同じ
ような大きさだから、銃に装着した姿もカッコ良いのだ。



  トリガーガードは曲げた鉄板をスポット溶接
  しただけのシンプルなモノなのだ。
  プレスやリベットで出来ているサイガだから、
  トリガーガードが曲げられた鉄板であっても
  仕上がりなんて多少粗末でも構わないのだ。
  トリガーガードなんてモンは、その名の通りに
  トリガーをガードすれば良いのだ!と、この銃
  に出会った人は納得させられる事に違いない。
  代わりに、トリガーその物はしっかりした作り
  になっていて、プルも重過ぎず、逆に軽過ぎ
  たりする事もなく心地よい引き味だ。
  やっぱし、多少ブサイクな子でもお行儀が良け
  れば、挨拶すら出来ない美女よりもマシなのだ。











見よ!このメカメカしい感じを!
と言うか、鉄板を切ったり貼ったりして何かを作って
みると、何となくカッコ良く見えたりするモンだ。
それでも、サイガは単に貼り付けたワケじゃなくって、
必要機能として貼り合わせたら偶然とデザインされた
銃に仕上がったって感じだ。
写真はレシーバーを下から眺めたところ。







   2.メカニズム



これがお馴染みのカラシニコフスタイルのセィフティーだ。
このポジションはセィフティー・オフで、チェンバーにタマが
入っているならばトリガーを引くだけで発射される。
このセィフティーレバーは実に単純な構造だ。
レバーその物がプレス製で板バネを兼ねていて、銃本体
に押さえつけられている。
そしてプレス製のレバー先端には、ポンチで叩いたような
ボッチがあって、銃のフレームの上側か下側にボッチが
引っ掛かる事によってレバーの位置を決めるだけなのだ。
写真のセィフティーオフ・ポジションの場合はボッチが
フレーム下側に引っ掛かってレバーの動きが止まる。





今度はボッチがフレーム上側に引っ掛かって、セィフティー
がオンの状態だ。つまり、フレーム側面を乗り越えるだけの
単純なレバーなのだ。
フレームのボッチが擦れた跡が解るだろうか?
ついでにこのレバーがオンのポジションに位置している時
はボルトを引く事が出来ない。
物理的にボルトハンドルをジャマするだけだけどネ。
ただ、機関部へゴミの進入をガードしてくれるのは有り難い。
ちなみにこの状態だと内部機能自体もトリガーもロックする
ので、トリガーを引く事は出来ない。
結果的に、発射に関する動作は一切出来ないのだ。


  このレバーの使い勝手は好みの問題だけど、
  慣れるには時間が必要かもしんない。
  で、これが軍用AKの場合は、フレーム側面の
  ボッチが通過するコース上に穴があって、
  その位置でフルオートとなる。
  普通の「セーフ、セミ、フル」の順番じゃなくて
  「セーフ、フル、セミ」の順になっているのだ。
  セィフティーを解除した途端にショッパナから
  フルオートなんて、東側ったらスゴ〜くやる気
  マンマンなんだからスゴイ!
  ちなみに民間用は、どうにガンバってみても
  フルオートにはならないので悪しからず・・。







▲ボルトハンドルは物理的にボルトハンドルの
後退を邪魔する。したがって、セィフティーが
オフの時だけコッキングする事が出来るのだ。




▼セィフティーは決して気の利いた機構ではない。
写真だと解り難いけど、これもまた物理的にトリガー
の動きを阻害するだけのもので、ファイアリングピン
ブロックシステムやハンマーブロック等の装備は無い。









カラシニコフシステムならではの独特なボタンだ。
押してもピンポ〜ンとは鳴らない。
これはボルトのスプリングガイドと分解用のボタンを
兼ねていて、これを押し込む事でレシーバーのカバー
を簡単に外す事が出来る。
このボタンを押し込む事が分解への第一歩なのだ。
リコイルスプリングのテンションがかかっているので、
そんなに柔らかな押し味じゃないけど、苦になる程の
テンションを感じるワケでもない。
アタシにゃ、ケータイのボタンを押す事の方がよっぽど
難しく感じる。








レシーバーのカバーを外したトコだ。
カバーを外すには、カバーの後端の窓からボタンを
更に中に押し込むだけで簡単に外す事が出来る。
つまり、ボタン部分がカバーの窓から飛び出している
事だけでカバーは銃に固定されているシンプルな構造
なのだ。銃にはカバーの全部と後部に当たる部分に溝
があって、左右・前後方向にズレる事はない。
このボタンは、単にカバーが上方に外れない為の
ストッパーなのだ。
なので、写真の状態でも機能的には問題なく射撃が
出来てしまうのだ。
・・ただ、ガスや不完全燃焼のパウダーを顔面に浴び
る事と、油まみれになる事の覚悟が必要だ。



リコイルスプリングガイドを兼ねているボタンを銃
本体のレールから外してやる事で、写真のように
分解するのは簡単だ。どんだけ簡単かと言うと、
携帯メールで顔文字を入れて送信するより簡単だ
と言えば、ある年齢以上の人には分かり易いのだ。
写真は大きく分けて5つのパーツに分解されている
のが解るけど、銃本体上の2つのパーツは1つの
まとまりと考えて良い。
ついでにクリーニングしようと思ったので、あえて
ロータリーボルト部を外してみたのだ。
なんて言うと、専門的分解だと思いそうだけど、
レバー部分を持って軽く振ってやる程度でも
ボルトは外す事が出来ちゃうのです。











このヘンで、カラシニコフのガスオペレートの説明を
サラ〜リと簡単にしてみる事にする。
まず、シリンダー先端のキャップを外してやる事で
ピストンを取り出す事が出来る。








あんまりにもピストンがバっチかったので、軽く拭いて
からオペレーティングロッドと並べて写真を撮ってみた。
バレルに開いたガスポートからピストンの窪んだ部分
の穴を経由して、そこからピストンの内側にガスが吹き
込む事でピストンは後ろに下がりロッドを押すのだ。
押すと言っても、ロータリーボルトを回転させてやる
程度、つまりロックを解除する程度の後退量なのだ。



解り易く図にしてみた。絵がヘタとかのクレームは
制服の似合う美しい女性から以外は受け付けない。
サイガのピストンとシリンダーのクリアランスは案外
とシビアではない。
それがトラブルが低い事の名声を勝ち得ているの
かもしんないけど、ロシア製のスラッグを撃つと
やたらとワッズのカスが溜まってしまうのだ。
図では、ある程度後方にピストンが下がると、それ
以上は下がらないトコも再現してみた。









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