■ Izhmash  Saiga 410gauge page2


 



▲▼マウスを乗せるとロックの解除が解る。





ピストンの僅かな後退は、ロッドを介してロータリーボルト
を回転させ、ロックを解除させる。
左の写真にマウスを乗せると作動が解るようにしてみた。
これもまた、若くて美しい女性以外のクレームは一切
受け付けないので、解り難くてもガマンして見るように。

ボルトのロックが解かれると、エンプティーケースは残り
のガス圧でボルトと共に後退してエジェクトされる。
つまり、ガスがロックを解除してくれさえすれば、薬莢は
勝手に飛び出してくれるのだ。
ガスオペレートとは言え、実に単純明快な構造なのだ。
しかし、ショットガンであるこのサイガは、410ショットガン
であるが故の問題もあるのだ。
それは、410番はショットガンにしては遅燃性のパウダー
を使用しているので、分解なんかをした日にゃ〜、機関部
やシリンダー内が不完全燃焼のパウダーだらけになって
いるのだ。
シリンダー内を吹き戻ってきたガスは、機関部まで色んな
ヨゴレを運んで内部に撒き散らかしてくれる。
内部のヨゴレの内訳は、カーボン30%、火薬が30%、
ワッズのカスが30%、残りの10%がホコリやゴミだ。



では何故、ロータリーボルトは回転するのか?
これも実に簡単で、オペレーティングロッドと
一体となったボルトのウラ側に斜めの溝が
掘ってあって、そこにロータリーボルトの
デッパリが収まる事になる。
だから、前後にボルトグループが動くと、直接
ケースを保持するロータリーのボルトは回転
するのだ。ついでにアタシゃ、ノータリンだ。
ちなみに、下ネタ好きのアナタの為に言って
おくけど、ロリータではなくロータリーなのだ。
アナタがバカな事を言わせるから言い忘れる
トコだったけど、ボルト内に組み込まれている
ファイアリングピンのリターンスプリングは結構
きついテンションとなっていたのだ・・。













とても見難いかもしんないけど、パウダーまみれに
なっているチェンバーを上から覗いたトコだ。
410のパウダーは、ハンドガンで言えば44マグナムとか
と同じと思って良い。場合によっては、30カービンと同じ
なんてタマもある。逆に12番散弾や38spl.並の速燃性
は410には危険であったりもする。
44マグナムのハンドガンだって、大抵はパウダーが燃え
残るし、射撃後にはウデがススやパウダーだらけになっ
てたりするのだ。
それにしても、こんだけヨゴレまみれでも作動に一切の
問題が生じないんだからカラシニコフシステムはエライ!
この状態でもっと射撃を続けたなら、銃内部に飛び散っ
たパウダーを集めただけで1発作れてしまいそうだ。



これは、ライフリングでもないし、肛門でもない。
シリンダー内部を後ろから覗いたトコだ。
線状になっているのは、オペレーティングロッド
のピストンに押される部分が通過するレールだ。
でもって、余剰ガスやパウダーはその隙間から
後方に排出される。
おかげで機関部がパウダーだらけになるのだ。
仮に砂だらけの場所での射撃や、パウダーの燃
え残りが多いタマを使った場合、それにワッズの
屑が大量に出たとしても問題なく作動するだろう。
本来は銃なんて、シビア過ぎてはイケナイのだ。
この部分はグリスをベットリ塗っておくと良さそう
に思えるけど、そんな事したら吹き戻しで機関部
がベトベトになるしシリンダー内の圧も高くなる。
ここは、しっかり膜を張ってくれるオイルが良い。












バレルとシリンダーの位置関係が解る写真だ。
勿論、下の穴ポコがバレルで上がシリンダー部。
このシリンダー内部へ無給油だとしたらどうかと言えば、
全く問題なく作動するんだからカラシニコフはスゴイ!
ただ、デザイン的な事で欲を言えば、シリンダーとバレル
の軸線をもっと近づけてくれれば、ドラグノフっぽい感じ
でスマートになってカッコ良いんじゃないかと思う。
それにしても、M16のストーナーか、AKのカラシニコフ
かと論議が尽きないのがテッポ好きの実態だけど、
ヘビーデューティーな使用を考えて機能面だけを比較
したならば、ストーナーに勝ち目が無いと誰もが思う
事だろう。ストーナーはシビア過ぎるのだ。
ところで、410弾薬として一般的な2-1/2インチ装弾を
使用した場合に、サイガ410は作動しないと思っている
人も多いと思うが、実際にそんな事はない。
2-1/2でもちゃ〜んと作動してくれるのだ。
ジャムってしまうと言う問題はマガジンにあるのだ。
確か、2-1/2用のマガジンも存在していた気がする。
それを使えば、ジャムったりする事は無いだろう。




3インチマグナムと一般的な2-1/2をそれぞれ
同じマガジンに入れてみたトコだ。
一目見ただけでも、2-1/2装弾が3インチよりも
短いのが良く解る。
2-1/2のタマは、1発だけマガジンに装填した
場合には問題が起こらないが、2発をマガジンに
装填して初弾が2-1/2だとすると問題が発生して
しまうのだ。
もし2-1/2をマガジンに装填するなら、初弾が
3インチで次が2-1/2とするならば差し支えない。
2-1/2を2発か、初弾が2-1/2で次が3インチの
計2発の場合、給弾不良を引き起こしてしまう。
マガジンスプリングのテンションと、マガジンの
フォロワー(タマを押し出す面)の仕業なのだ。
再び言っておくが、2-1/2でも問題なくケースは
ブローバックしてくれる。
つまり、2-1/2の薬量でも3インチのケースの長さ
があればジャムを心配する事はないだろう。










これは、3インチマグナムをローディングしたところだ。
何の問題もなくスムースにチェンバーに送る事が出来る。
タマの頭部はバレルの基部にスッポリ入り込んでいて、
放っておいてもローディングに影響はない。







ところが2-1/2インチのタマは、バレル基部に引っ掛かっ
てしまい、タマの頭頭が食い込んでしまっているのだ。
つまりが、タマの長さが短い事がネックとなっている。
しかし、マガジンに2-1/2弾を1発のみ装填した場合は
タマの起立角度が浅いので問題なくローディング出来る。




これはリコイルスプリングアッセンブリーだ。
サイガはリコイルスプリングとリコイルスプリング
ガイド等がアッセンブリーで確立しているので、
分解の時にバネ・ボヨヨ〜ンを味わう事はない。
万一の時に、野外での分解も心強いのだ。











サイガ410だけって言うワケじゃないが、アタシゃ410番
のクリーニングには米軍のクリーニングキットを使う。
勿論、古いサープラスでコルトガバメント用のブラシが
付いている物じゃないと意味が無い。
なんたって、410番は45口径用のブラシがピッタリと
合うし、元々がM16用のキットなのでサイガのような
長いバレルでもロッドの短さを嘆かずに済むのだ。
ガバメント用のブラシは、元来ライフリングに付着した
カーボンやカッパーのカスをゴシゴシ落とす為に使う物
なので、410番でスラッグを撃った後の鉛落しにもある
程度の効果はあるし、散弾しか撃たないのであれば
クリーニングには充分過ぎるブラシなのだ。






   3. 操作





説明するまでもないけど、まずマガジンにタマを入れる。
このマガジンは3インチ用なので、3インチマグナムを2発
か、3インチがモッタイナイ時は初弾を3インチで次弾を
2-1/2にする。
この時、マガジンにタマを入れるのにはコツがあって、
ショットシェルのリムが入るトコはマガジンには一ヶ所
しかないので、そこから斜め後方に滑り込ませるのだ。
で、次のタマ(・・と言っても、発射時は最初の方)を入れる
時は、始めにマガジンに入れたタマのブラス(ロンデル)
とプラの継ぎ目にリムが引っ掛かるので、グリグリしなが
ら押し込むのだ。入れる時にグリグリするのは世界的な
常識だと大人は知っている。
ところでこのマガジン、バネとマガジンリップの口金を
除くと全てプラスチックで出来ている。







マガジンにタマを入れたら、今度はそれを銃に装着する。
入れる前に装着しないで、入れてから装着するのは人間
と違うトコロだ。でも、タマを抜かれると役に立たなくなる
のは人間と一緒だったりする・・・。
写真のマガジン前部上方にボッチが見えるだろうか?
そのボッチの下に僅かに窪みがあって、その部分が
プレス鉄板で作られた銃本体の内側に引っ掛かるのだ。
ただ、ちゃんと入れないと角度が悪くてマガジン後部の
ボッチが銃本体のマガジンキャッチレバーに引っ掛から
ない事もあるから、マガジン装着は落ち着いてやろう。
昔から落ち着きが無いと言われてた子も、カラシニコフ系
のマガジンは落ち着いて入れないとちゃんと入らないぞ。
正しい角度でマガジンを挿入すると、長〜い3インチマグ
ナムのタマが銃のボルトの底部に当たってマガジンスプ
リングのテンションを感じながら押し込む事になる。
すると、パチンと確実にマガジンキャッチが受け止めて
くれるのだ。







マガジンを装着したら、いよいよローディングだ。
ボルトと一体となったオペレーティングレバーを後ろまで
引き下げて、遠慮せずにパッと放す。
そうする事でマガジンからチェンバーに初弾が送られて、
発射の準備が完了するのだ。
この時にリコイルスプリングのテンションを過信し過ぎて
ゆっくり装填しても必ずチェンバーにタマが送られると思っ
たり、ガシャ〜ンとすると銃が壊れそうだから優しくしたい
とかって思っちゃイケナイ。
モデルガンじゃなくってホンモノなんだからちゃんと扱わな
ければならないのは、どんな銃についても言える事だ。
初弾の装填不良の大半は生温っこい銃の扱いが原因だ。
・・考えてみ?射撃時には勝手にガシャガシャなるんだし。







この状態でトリガーを引けばタマは発射される。
でも、2連発じゃなくって3連発したいって時は、セィフティー
をオンにしてから一度マガジンを外し、1発マガジンに追加
してから再装着すれば良い。
ただし、サイガでは気を付けなければならない事がある。
それは最終弾を発射した後もボルトがホールドオープン
状態にはならないので、全弾撃ち終わったとしてもボルト
を手で操作してチェンバーにタマがない事を確認する習慣
を身に付ける必要がある。
それと、その為に初弾を最初からチェンバーに入れるのは
少々大変なので、マガジンからの給弾が手っ取り早い。
どのみち日本でショットガンは最高で3発しか発射できない
ワケだから自分が何発撃ったかなんて直ぐ解るけどね。
何発撃ったかを常に把握していれば、万一の不発の時に
焦ってボルトをすく開いたり、銃口を危険な方向に向けずに
済む事は言うまでも無い。



実際狙った感じはこんなトコだ。
ありがちなショットガンと大差ない感じだ。
リブの上にビーズが見えるトコは、フツーの
ショットガンでしかない。
ストックのグリップも手伝って、構えた感じも
ますますフツーのショットガンと大差ない。
後ろのレシーバーのカバーに付いた白く反射
している点々はホコリだけじゃなくって、燃え残
ったパウダーが飛び散ったものだ。











せっかくカッコ良い銃なのに、何かもう一つカッコ良さって
言うか、カラシニコフっぽさが無ければつまんないって人も
きっと多いハズ。
だからってフロントサイトやリアサイトを装着するのは大掛り
な事になるし、お金もかかる。
そんな時は、銃に無加工で何かを付けてカッコ良くしちゃ
えば良いのだ。・・ま、誰もが考える事だけどね。
サイガは左側面にマウントベースが着いている。
着けるトコないから、ココにくっ付けたって感じだ。
リベットと溶接で着いているので豪華さは無いが、武骨な
機械っぽさがカッコ良いのだ。
ちなみにここはAKシリーズと共通のハズだ。




そこで、AK用のマウントを着けてみた。
このマウントにはワケの解んないロシア語と、
「メイド・イン・ベラルーシ」とちゃんと英語で
書いてあって、20mmのベース仕様となって
いるので便利そうだ。
最初はズーム付きのスコープを着けていたん
だけど、スラッグってそんなに当たるワケじゃい
し、そんなんだとストレスが溜まるので、ドット
サイトを着けたのだ。
このマウントは、銃のベースに対して後ろから
レールに合わせて前方に滑らせてやるだけ
で装着出来ると言うスグレ物だ。
しかし、写真の下のレバーで締め付けるって
だけの単純構造で、良いモノだか悪いモノだか
はワタシにゃ解らない。
でも、実用上はガタついたり緩む事はない。











なんかスゴイ先進光学機器が装着された感じになって
微妙にカッコ良いが、ただドットサイトが付いただけなのだ。
単に赤い点がガラス越しに見える照準器なだけだ。
何故か西側の銃より大袈裟に見えてしまう。
そして、こうやってドットサイトにしてもスコープにしても
サイガに装着すると、これがまた重いのだ。
射撃場なら良いが、実猟だと重量とカサ張りがアダとなる。
しかしながら、ドットサイトを使い慣れている人であれば
重さ以外は問題にもしないと思う。
それと、射撃場ではスコープを着けると良い事もある。
それは、410番スラッグの弾痕は肉眼では確認し辛いので
高倍率のスコープを使えば観的スコープが不要なのだ。



このサイガは410番のタマなら何でも発射
出来るけど、特にサイガ用にメタルカートの
スラッグが用意されているのだ。
タマのパッケージにもサイガ410を撃っている
オッちゃんの写真がプリントされている。
このタマ、何が良いかって言えば、薬莢が
金属音を立ててエジェクトされるのが良い。
他に誉めるトコは特に無い。
このスラッグ自体はフォスター型なんだけど、
ワッズに包まれていて命中精度を期待する
タマではない。命中精度ならブリネッキ弾だ。
それと、パウダーも決して良いモノでもなく、
このタマを使うとサイガのシリンダーはワッズ
のカスだらけになってしまう。











今回のサイガ410は、どんな410弾薬でも作動してくれる。
この場合の作動とは、発射、排莢と言う事だ。
唯一、排莢不良のジャムを起こしたタマはワタシがリロード
したライトロードのスラッグだった。
散弾であれば、弾頭重量も十分にあるので排莢不良を
心配する必要もないだろう。
ちなみに、3インチ散弾と、さっきのメタルケースのスラッグ
でのジャムはワタシゃ一度も経験して無い。
写真は、2-1/2、3インチ、メタルケース弾の比較だ。
左グループが発射前で、右グループが発射後。
どれを撃ってもリコイルを強く感じる事はない。
体感度で言えば、AR15で223を撃ったようなリコイルだ。






   4. Saigaの感想



ワタシ、Joe-Shoeの感想・・・

この手のショットガンは、一律に他と比べてどうとか論評する物ではないと思う。
ある見方をすればよい銃だと言えるし、見方を替えれば使い物にならないとも言える。
それは、サイガを使う人によって評価が分かれるところだろうが、ハンティングを目的と
したならば、やや実用性に乏しいとワタシは評価するのだ。
まず、セィフティーの解除がグリップを握った右手を放さないと出来ない事と、410番で
ある事が実用性に不満を感じるところだ。それとボルトがホールドオープンしない。
しかし、410番である事は、410番なんだから仕方ないし、ボルトのホールドオープンは、
セィフティーレバーをボルトレバーキャッチの切り欠きのある物に交換すれば良い。
それに最近では、マガジンが空になったらホールドオープンするモデルも出たらしい。
それでも・・・いつまでたってもセィフティーは使い辛いのだ。
でも、そこがカラシニコフなんだから仕方が無い。
この銃は、ヘタな理屈や評価の目で見るのではなくって、カラシニコフを使うんだって
言う楽しみを持って接すれば余計な事は気にせずに済む。
実際にスラッグなんかをバンバン撃っていると、快調な作動に嬉しくなってきたりもする。
それにキジバト撃ちの時なんかは、ちょっとミリタリーなカッコに身を包んで野山を歩っ
たりするとスゴク楽しかったりする。
つまりが、射撃やハンティングが好きで、尚、銃が好きな人の最高のオモチャなのだ。

ちなみに、サイガとはどんな意味かって思って調べてみると、カモシカみたいな動物の事
で"Saiga"は英語でもある。
これは、ロシアのイズマッシュ社が思いっきり海外向け商品にしようと企んで名付けた名前
に他ならないとアタシゃ思った。
・・でも、イズマッシュ自体は銃メーカーかと思ったら、工業製品をまんべんなく作る会社
だったのだ。
つまりが、日本だったとしたら64式小銃をベースとした民間用の銃があったとして、その
ラインナップの一つに散弾銃を作って「ホーワ・カモシカ410」って名前にしたようなモンだ。
その前に、どっかがサイガに対抗したストーナー・ショットガンを作ってくんないかな?









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