■ Winchester M94 (改)410番 ■
1. ライフルからショットガンへ
30-30口径のライフルを410番に改造 したM94は、外観はライフルそのまま の姿を残して、バレル、チェンバーと ブリーチが410番散弾用に加工されて いる。加工は今は存在しないトム銃砲 のものだ。 写真は30-30と410を比較したもので、 410の方が一回り大きい。 近年、Winchester社からは改造では ない410番専用のM9410と言うモデル が発表された。しかし、製造は日本の ミロクが行っているらしい。 このM94は、高い確率でアメリカ製だ。 |
410番に改造されたライフルやカービン は、刻印も削られる事がある。 しかしこのM94は30-30のスタンプ がそのまま残っている。 ライフルの外観を持ったショットガン。 本物のクセして、M94のモデルガン のようだから実にイカしているでしょ。 超合法的・可動実銃なのだ。 勿論、金属製弾丸発射機能を有する! あと、カモも獲れるよ〜。 |
この銃を見た目だけでショットガンと判断できるのは、唯一銃口 だけなのだ。410番は小さいと言えども、ライフルに比べれば 遥かに大きい口をアングリと開けているのだ。ちょうど、44Mag. のM94を眺めている感じかもしれない。 バレルの下はチューブマガジンになっている。 この銃に関して言えば、日本の法律に適合させる為に、太鼓の バチを加工したような木の棒が弾数制限の番人になっている。 銃口下から挿入されている棒は、マガジンスプリングのテンショ ンのおかげでガタつく事は無いし、銃の重量バランスにも大きな 影響は与えない。 |
この銃のイメージはこれだ! 恐らく大抵の人がこんな画を連想する んじゃないかとワタシは思う。 が、細かい事を言えば、見た目は同じ ようでも西部劇のウインチェスターとは チト違うんですねぇ〜。 デザイナーはジョン・ブローニング。 どちらかと言えば、古き良き時代の 温故知新型ハンティングカービンと 言ったトコかもしんない。 ちなみにM94には色んな口径の バリエーションが存在する。 |
この銃は、まるで杖のように小ぶりで小さい。 その代わり、大物を狙ったハンティングの相棒としては パワーも含めて、やや信頼に欠ける。 だけど、小川や池のカモを狙うのにはワタシは最高の ショットガンではないかと思う。 不要な散弾はバラ巻かないし、獲物もスポットで狙える。 エアライフルと違って飛び上がったカモも撃てるのは、 やっぱりショットガンのなせる技なんだと思う。 それと、410番の発射音は12番のようにズ太くなく、 離れた所で農作業をしている人を驚かす事も少ない。 |
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リコイルパッドは安そうなプラ製なのだ。 スキートを意識しているのか、ライフルの元々が こうだったか、それは分からないけど、とっさに 構えてもラバーパッドのように服に引っ掛かる 心配は少ないし、リコイルそのものも少ないので、 こんなので充分と言えば充分かもしれない。 30-30もリコイル軽そうだし・・・。 でも、410に改造ついでに真鍮か何かで美しく 仕上直してげてもらいたいもんですね。 パッドにはWinchester Armsの文字が見える。 ・・・別に、チェッカリングだけでもいいのに。 |
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トリガーガードを兼ねたレバーの中にトリガーを見る。 溝の切ってないフラットなトリガーは、角が落として あるので不快な感覚は感じられない。 しかし、このトリガー、重いのだ。 安全過ぎるほど重いトリガープルになっていて、精密 な射撃には向かないけど、そういう銃じゃないから別 に良い。 でも、射撃場でスラッグを撃つには多少チューニング をした方が良いのかもしれない。 ワタシのM94に関して言えば、普通の射撃用上下二連 の5倍以上のトリガープルなのだ。 |
ライフルのタマと410番の空薬莢を並べると そんなに変わらない大きさだと分かる。 しかし、410番のパワーはライフルの足元 にも及ばないくらい弱い。 と言っても、銃口初速は357magより早かっ たりするし、50mくらいならそれ以上パワー のあるタマも案外と多い。 ライフル弾にパワーでは勝てないものの、 スラッグから散弾まで存在するので用途は ライフル以上なのだ。 |
レバーアクションはお馴染みの通り、レバーの往復 動作一つでハンマーのコックと装填・排莢が出来る 画期的なシステムだ。・・・・いや、昔は画期的だった。 写真はハンマーが起きたままになっているけど、 ハンマーはコックされていようが落ちていようが レバーの作動には特に問題はない。 これは、レバーが閉鎖している通常の状態。 |
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レバーを起こすと、ブリーチとフレーム下部が動く のが分かる。M92やM73のように弱いタマを撃っ てた時はレバーの支点のフレームはフレーム本体 と一体になってたけど、M94は44-40なんかと違って 長くて強烈なライフル弾を発射するように改良され て、フレームの一部も飛び出すようになっている。 このままだと、実にブザマな格好なのだ。 |
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飛び出したブリーチがハンマーを起こす。 このハンマーとブリーチの接点を磨きこむだけ でも作動のスムースさに違いが出る。 レバーアクションのレバーを動かす時に感じる 抵抗はこのハンマースプリングが大きく影響し ている事が多い。 ちなみに、ハンマースプリングは松葉バネ。 ブリーチの2つの小さい穴は、エキストラクター を留めるピンの穴なんだけど、穴が1個のもの もある。製造年によって違いがある。 |
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これは、開いたエジェクションポートからエレベーター を撮ったものだけど、先がUの字に切り欠いてある板 がそれだ。 この状態は、バレルの下のマガジンから飛び出した 新しいタマが乗っかる位置にエレベーターはあるのだ。 この時、レバーは完全に下げきっていない。 |
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レバーを下げ切ると、エレベーターが上にせり上がっ てるのが分かる。この位置でタマが乗っかっていたら この後はローディングという事になる。 それと、せり上げられる新しいタマは排出されようとし ている空薬莢に対しても、下からテンションを加えて エジェクターの働きを助けたりするのだ。そして、この時 に空薬莢は排出される事になる。 特に410に改造されたM94で最後の一発が排莢され にくいのはこの為だ。 |
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最後の一発がエジェクトされにくいのは加工の 問題もある。 ブリーチが410用に大きくエグられてるのが 分かるだろうか?ここで問題なのは410のリム のサイズに強引に加工した為に、エジェクター とエキストラクターの加工が結構イイ加減にな っちゃってる事だ。 これらは、自分でも何とか調整が出来そうだけ ど、ハナっから「ここは自分でやりなさい」って 事なんだろうか? ついでに言うと、ファイアリングピンも少しだけ へコませた方が良い。飛び出る部分が長すぎ るのだ。 |
デッカク口を開いたチェンバーは、ライフルの面影が 完全に無くなっている。 この銃で一番問題なのは、フィーディングトラブルが 起こる事なのだ。つまり、タマが引っ掛かったりする。 それでも内部のタマのガイドを調整する事で、今は 何とかスムースに装填されるようになった。 しかし、タマを選ぶんですねぇ〜・・これが。 |
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実際にタマがチェンバー行きを嫌がって、ダダを こねて引っ掛かってるところ。 ライフル弾と違って先っぽが絶壁なショットシェル なんだから仕方無い・・・。 特に、発射前のタマの長さとタマの重量バランス に左右されちゃうのだ。写真のは、Lioのスラッグ。 ワタシのM94では、このタマだとまともにレバーの 動きについてきてくれない。レミントンかWinのタマ ではスムースに行くようにしたんだけどね・・・。 ちなみにM9410ではこんな問題は無いそうだ。 |
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