■ Remington M870 (Wing Master) page2





チューブマガジンを持ったポンプアクションの
ショットガンで給弾装置と言えば、エレベーターだ。

写真はフォアエンドを少し下げた状態だけど、エレ
ベーターはこの時点では全く変化がない。
射撃中であれば、空のショットシェルを排出する
寸前の状態なのだ。



フォアエンドを下げきったところ。
ここでもエレベーターは全く動かない。
ただ、チューブマガジンからタマを押出すロックが
1発分だけ作動して、タマをエレベーターに乗せる。
マガジンからショットシェルが供給されるのをコント
ロールするのは、フレーム内にある板バネ状の
ラッチをアクションバーが作動させるからだ。


そしてフォアエンドを前に戻すと、エレベーターは
グッと上に上がる。この時にタマが入っていれば、
このままフォアエンドを戻すだけでチェンバーに装填
される事になる。
ちなみに、エレベーターはすぐに元の位置に戻る。


このM870で便利なところは、タマをマガジンに
入れるのが楽チンなのだ。
エレベーターはスプリングのテンションでのみ、
ローディングゲートを塞いでいるだけで、フォアエンド
がどの位置にあっても、また、他にボタン等の操作
をしなくてもタマを装填する事が出来るのだ。
クレー射撃ではそれなりに有り難いけど、猟場では
スゴク有り難い機能だ。
ただし、普通のフォアエンドの場合は違う。
下に写ってるのが普通のフォアエンド。
写真を見ても分かるように、フォアエンドを引いた
時にフレームを大きくカバーしてしまい、ローディ
ングポートまでも塞いでしまうからだ。
その点、POLICEのものは違う。
でもね、フォアエンドが手前まで伸びていると、
それはそれで撃ちやすいもんなのよ。
だから、どっちが良いとは一概には言えない。
ま、アタシゃ、短い方がいいけどさ〜。









エジェクターは、フレーム内にネジ止めされている。
まるで叩いて薄く伸ばしたヘアピンのような部品だ。
しかし、板バネ状になっているおかげでジャムったり
する事も無いし、ワタシの見た限り壊れる事も無い。
このページの上の方にも写っているけど、エキスト
ラクターも頑丈この上ない。
どちらも壊れたって話は聞かないから、特に問題に
する事も無いのだろう。






こちらは、セフティーボタンのアップ。
右側から押し込めばセフティー解除。
左から押し込めばセフティー作動。
どちらにしても、ファイアリングピンをブロックしたり
ハンマーをブロックしたりするものではなく、あくまで
もトリガーの動きを止めるだけの機能でしかない。







この銃は、替え銃身も豊富だ。
銃身交換も、10秒とかからずに出来てしまう。

銃身の交換作業は、分解作業の第一歩と共通で
まず最初にマガジンキャップを外す。
カチカチと、ベアリングのテンションが緩やかに
なってくると、あとは勢いをつければアっと言う間
にキャップは外れるのだ。




スポっとバレルは外れる。あっけ無いくらいだ。
この時、フォアエンドはロックさせない方が作業は
スムースに進むけど、そんな事は大した問題には
ならない。
もし、これが射撃中のバレル交換であれば、折角
だからカーボンで汚れたブリーチフェイスもサっと
拭いてやれば良い。






違うバレルを着けたら、またマガジンキャップを
締め付ければ良い。今度は、締めていくに従って
カチカチとベアリングが音を立てる。
あまりキツク締める必要も無いが、数発射撃したら
もう一度くらいは緩み具合の確認をしよう。

870を使う人は、射撃中や狩猟中に用も無いのに
このキャップに手をかけて、緩み具合のチェックを
している姿を良く見かける。
まるで、オートマ車のサイドブレーキが解除されて
いるかが不安になり、無意識に走行中に確認して
いる姿を見るのと一緒なのだ。



もし、バレルの交換ではなく、分解するのであれば
バレルを外した次にフレームのラッチを解除して、
フォアエンドごとブリーチを引っこ抜くのだ。
ラッチはフレームのチューブマガジンの付け根の
左右にあって、それがアクションバーの脱落をスト
ップさせる働きもしている。
写真のように、ラッチを押し込みながらフォアエンド
を前方に引くとスルっとボルト一式は抜け出るのだ。








この時に、ブリーチボルトをアクションバーに載せた
状態で引き抜くのがポイント。
写真のように、スルスルっと抜け出てくる。
が、ブリーチのたぐいは単純にアクションバーの溝
に入ってはいるものの、載っかっているだけなので
すぐに脱落してしまうから注意が必要だ。
まぁ、別に汚れてもいいなら布団の上で分解しよう
とアタシゃ知ったこっちゃないが・・・。


ブリーチボルトが抜き去られ、真ん中にはハンマー
が見える。
ずいぶん薄いと思うだろうけど、こんなんで良い。
これでもちゃんと、ファイアリングピンを叩いてくれ
るし、アタシゃ使っていて問題を感じた事はない。
むしろ、大きめのハンマーがドチャって落ちる音と
このカチンって小気味良い音を比べれば、こちら
のような薄いハンマーの方が音だけでも豪華に
感じてしまうのはワタシだけだろうか?








トリガーアッセンブリーを外すのも至って簡単。
フレームのピンを2本抜くだけでアッセンブリー
はスポっと抜ける。
ここまでの分解は、通常は必要ない。
ただ、ハンターなら猟期が終わった時に一度くらい
は是非やるべきだ。
タンマリと、泥や枯葉が出て来るに違いない。
外したアッセンブリーやフレーム内部は、ホーム
センターで売っている車のブレーキクリーナーとか
で洗い流せば楽に掃除が出来る。
乾いたら、注油も忘れずに〜。


外したアッセンブリーをフレームに乗せてみると、
部品の位置関係が良く分かる。
この銃はディスコネクターがあるので、一発発射
したらトリガーを一旦戻さなければ次弾は発射出来
ない構造になっている。
しかし、慣れればオートより早く連射が出来るように
なる。ワタシでさえ、実用の範囲で2発を1秒以内
で撃っているのだ。







   3. 操作




この銃は12番なので、室内での取扱の練習や空撃ち
の際は12番用のスナップキャップを使用する。
基本的に壊れる銃じゃないんだけど、ファイアリング
ピンの破損防止には使用を勧めたい。
実際ワタシは、これを使わずドライファイアをしている
時にファイアリングピンを1本折っているのだ。
ただし、このスナップキャップは完全な消耗品と考え
た方が良い。高い割りには、寿命が短い。
リムは傷むし、プライマー部も凹んでくるので連射の
練習なんかしていると、アッと言う間にダメになる。




それでは、M870の使い方を説明しよう。
説明するって言っても、そんなに大したもんじゃない。

まず、下からタマをマガジンに入れる。
この時、ただタマを押し込めば良いだけだ。
実際の使用では初弾をマガジンではなく、チェンバー
に直接入れる事が多い。
その方がすぐに撃てるし、マガジン+1発の装弾数
となってファイアーパワーを最大に生かせるワケだ。


写真のように、タマでエレベーターを押し下げながら
チューブマガジンに装填する。
力も、知恵も、運も、何にも要らない。


マガジンにグっと押し込むと、ラッチのおかげで
タマは逆流しない。
日本の法律では、この4発のキャパシティーを持つ
チューブマガジンも装弾数は2発のみとなる。
仮に、1mのエクステンションマガジンを着けてても
2発だけなのだ。
  マガジンにタマを入れても、チェンバーにタマ
  を送らない限り発射はしない。
  これはチェンバーが空の状態で、ハンマーも
  落ちた状態って事だ。



  フォアエンドを下げると、タマが1発だけ
  エレベーターに送られる。
  先ほど説明した通りの事なのだ。


  フォアエンドを前に戻すと、こんな感じでタマ
  はホールドされてチェンバーに送られる。




  そして、フォアエンドを前に戻しきるとロック
  され、実弾だったら発射!って事になる。


  そして、空になったショットシェルをエジェクト。
  同じ動作が繰り返される。







▲M870の折れたファイアリングピン
ある日ワタシが空撃ちをしていると、銃口から銀色
の棒が飛び出した。
はて?何じゃろ?・・・と思ったのも束の間、折れた
ファイアリングピンの先端だったのだ。
中古の古いM870だったせいもあって折れたのかも
しれない。参考までに、他の870オーナーに聞いて
も、空撃ちで折れた事はないと言っていた。
アタシゃ運が悪かったのか?と考えても仕方ない。
部品を買いに行ったら、M1100用しか無かった。
そういうのを、運が悪いと言うモンだ。
そして、ワタシのM870には現在、互換性のある
M1100用のファイアリングピンがついているのだ。
やっぱし、運が良いのか!?



   4. 感想



ワタシ、Joe-Shoeの感想・・・

この銃を使ってみて感じるのは、壊れそうも無いって事。とにかくタフ!
・・・この際、ファイアリングピンの事は忘れてしまおう。
元々が○○射撃専用としてのショットガンではなく、バレルやストックの変更だけであらゆる
用途に使えるショットガンなんだから素晴らしい。
あとは、シューターが使いこなせるかどうかってだけの問題なのだ。
やっぱり、M870と言えば一度は持ちたいショットガンである事には違いないと思う。
それを使いこなせるようになったら、さらに喜びと愛着が湧き出してくるんだろう。
そして、ポンプした時の音は頼もしさとカッコ良さの両方の音なのだ。ガシャキィーンって。
ワタシは、このガシャキーン音を猟場でも射撃場でも楽しんでいる。
ドン、ガシャ、ドン!ではなく、ドンドンって連射してクレーを割ったり獲物が獲れたりすると
それはまた最高の気分になれる。車好きがエンジン音を楽しむのと、全く変わりは無いのだ。
いつかはM870も手にしたいって人がいるなら、早いほうがいい。
何故なら、M870がシューターを受け入れてくれるまでに時間がかかる事もあるからだ。







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