ヤセウツボはハマウツボ科の帰化植物で、ヨーロッパから北アフリカにかけてが原産地です。寄生植物であるために、葉は鱗片状に退化していて植物体に葉緑素はなく、褐色の腺毛が密生しています。寄生主にはマメ科、セリ科、キク科などがあり、寄生根で養分を吸収しています。 |
ヤセウツボの茎と花
5月、アカツメクサなどが広がる草地で、群生するヤセウツボを見つけました。褐色の不気味な棒のような物体が、文字通りにょきにょき立っていました。
寄生主を調べてみたらムラサキツメクサでした。そこで、さっそくそっと掘ってみました。 根の部分を↓クローズアップ |
さらに、そこより少し下ったところにも、やや小型のヤセウツボがありました。これは、シロツメクサに寄生していました。中には、シロツメクサの群落に完全に埋没しているものさえありました。寄生植物なので、これでも平気なのでしょう。ただ、受粉の時は大丈夫なのかな?
また下っていくと、今度はずっと小型の、ひ弱なヤセウツボが何本もありました。これもそっと掘ってみたところこれは、ノチドメに寄生していました。 |
以上のように、このあたりには、3種類の植物がヤセウツボに寄生されていました。また、寄生主によって、ヤセウツボの大きさにかなり違いが見られました。まとめると、次のようになります。
こうして見ると、寄生主によって10倍もの差があるんですね。他の寄生植物ではどうか、機会が合ったら調べてみたいです。 |