ハルザキヤマガラシと標高

  

ハルザキヤマガラシについて

 ハルザキヤマガラシは、ヨーロッパから侵入した、アブラナ科の帰化植物です。明治末に植物園で栽培されていましたが、ここと同じ群馬県の下仁田町にある神津牧場というところで、1960年に帰化しているのが発見されました。
 その姿は、ちょっと見ると丈の詰まったアブラナのようで、春に黄色い花をつけます。また、花を噛んでみると、苦味の後に辛味が来ます。

 

ハルザキヤマガラシ

ハルザキヤマガラシのロゼット

 

 

郡内のハルザキヤマガラシの分布

 吾妻郡内でのハルザキヤマガラシの分布はかなり偏っていて、私の自宅周辺のように全く見られない所がある一方、嬬恋村のように道端にそって花が立ち並んでいる所もあります。そこで、去年からハルザキヤマガラシの分布について、ちょっと意識してみました。


○吾妻町〜榛名山にかけて

 4月下旬、吾妻町の市街地(標高約350m)から、榛名山へ向けて、最近できた自動車道でなく細い旧道を登っていきます。すると、途中からハルザキヤマガラシが道端に見られるようになります。この時の標高は、500mぐらいの感じです。

○吾妻町〜長野原町〜嬬恋村にかけて

 4月下旬、吾妻町から長野原町を通って嬬恋村まで行く時、途中から道端にハルザキヤマガラシが見られるようになります。見られ始める場所は、吾妻渓谷を過ぎてしばらく行った、標高550mぐらいの所です。


 以上のようなことから、吾妻郡においては、ハルザキヤマガラシは標高500〜600mぐらいから上のところに分布している感じです。そういえば、最初に見つかった神津牧場は、標高が1000mを越えています。このことから、ハルザキヤマガラシは寒冷地の気候に合っており、そのような所に分布しているのかもしれません。
 帰化植物というと、都市部(標高の低いほう)から山間部へ侵入してくるというイメージですが、ハルザキヤマガラシはだいぶ違うようですね。
 ハルザキヤマガラシとその分布について気づいたことがある方がいましたら、ぜひメールをいただけたらと思います。