トライアングル・タワーについて

 6ヶ月が過ぎて

 東日本大震災後、6ヶ月が過ぎました。もうすぐ7ヶ月になろうとしています。避難所で生活していた多くの人たちも仮設住宅や借上げアパート等へ入居、また、壊れたお家の修繕も少しずつ進んで来ています。勿論、まだまだ大変な人たちも沢山いますが、以前と比べると、生活は大部落ち着いて来ているようにも思います。

 このような中、幼稚園では新しい計画が進んでいます。実は、4月にボランティアに来てくださった方の紹介で、“TOTOギャラリー・間”に展示する建物、10坪程度500万円相当のものを、幼稚園に寄贈してもらうことが決まったのです。経緯は次の通りです。

 3月29日から5月8日まで、教会の礼拝堂・集会室また幼稚園2階ホールに寝泊まりしながら、ボランティアの人たちがワークに入りました。そんな中、4月4日、愛知県一宮市からS.啓介、Y.浩介、T.大介という、私たちが“三介さん”と呼んでいたグループが来て、物置のヘドロ掃除等をしてくれました。

 Y.浩介さん(デザイナー)の大学の同級生が東京の長谷川豪建築設計事務所におられ、そのような関係から、Y.浩介さんが当園に上記の打診をしてくれたのが発端でした。最初はお断りしたのですが、諸事情から結局当園に寄贈してくださることになりました。

長谷川豪建築士が設計する建物ですが、「子どもたちが安心し喜んで遊べる空間(建物・遊具)」というモチーフで、既に打ち合わせに入っています。この建物は、2012.1/14~3/24、“TOTOギャラリー・間”(長谷川豪展)に展示したあと、来年の3月末頃、当幼稚園に移築する予定です。

 すばらしい贈り物ですが、喜んでばかりはいられません。移築には諸費用がかかります。具体的には、①輸送費(建物を解体し、東京から当園まで運んでくる移送費)、②こちらの遊具等の撤去費(老朽化していた上、津波の直撃を受け現在使用禁止の冒険ロッジ(ログハウス)、物置、鶏小屋、犬小屋等の撤去費)、また、③移築のための基礎工事費等です。これだけで約100万円位かかるでしょう。また、この建物(遊具)に付属するものとして「親子ベル」を設置する計画ですが、この費用もこちらで負担する予定です。

 現在、これらの諸費用の捻出を検討中ですが、「主の山に備えあり」の信仰(神様が必要なものを備えてくださるという信仰)をもって歩んでいます。(クリスマス前には、全国の諸教会・幼稚園等に「募金趣意書」を郵送し、協力をお願いする予定)

 震災後、苦難がいっぱいです。園舎の修理もまだです。でも、「苦難は忍耐を、忍耐は練達を、練達は希望を生む」(ローマ5:4)のです。神様は私たちに希望を与えてくださるお方なのです。
                               (栄光幼稚園長 小鮒 實)
幼稚園報「ひかりのこ」(No.365 2011.10月)より


寄贈(移築)建物について 
  「ひかりのこNo.365(2011.10)」でお知らせした幼稚園に移築する建物の建築が、“TOTOギャラリー・間”で始まっています。以前、このプロジェクトが、一人のボランティアに来てくださった方の紹介から始まったことを書きましたが、今回は、その後の経過を記します。

 8月26日、長谷川 豪建築士が設計図を持参してくださり、第1回目の打ち合わせが行われました。しかし、こちらでいろいろ注文を出したので、次回の打ち合わせとなりました。

 この後、長谷川氏は、ヨーロッパの各地を視察、オランダの「鐘」(ベル)に心を惹かれ、鐘(ベル)を取り入れることになりました。(鐘の代金は、こちら持ち) 最初は「親子ベル」。その後、子ベルの方が現地で盗難に遭い、親ベルだけになりました。

 長谷川氏帰国後、第2回打ち合わせが11月4日に行われました。そのとき、お持ち下さった設計図は鐘楼を中心としたもので、こちらで考えていたものとは、またずれていました。このとき打ち合わせたこと(確認事項)は、

1.「子どもたちが安心し喜んで遊べる空間(遊具)」を中心に、2.地域のコミュニティーの場にもなるとよい。3.被災地の「希望のシンボル」(希望のベル等)。 以上3つの事柄が融合したものが出来ればということでした。そして、11月18日、3回目に来ていただいたとき、別紙のような図面と模型を示されました。

 大きさはおおよそ今までの冒険ロッジ(ログハウス・長方形)を対角線で半分にした大きさ(底辺3.6m×高さ2.7mの三角形の平面図)。高さは鐘(ベル)の関係もあり9m。1階が大人が座っておしゃべりなど出来る空間、2階、3階は子どもたちが遊べる場所(空間)。その上は鐘楼部分です。

 この建物が現在建築中ですが、1月14日~3月24日まで“TOTOギャラリー・間”(長谷川豪展)(東京都港区南青山1-24-3 TOTO乃木坂ビル3F、Tel 03-3402-1010)に展示されますので、この間、東京に行く機会がありましたら是非お立ち寄りください。下記HPにも載っています。(http://www.toto.co.jp/gallerma/) (このHPに記されている内容は、建築士の視点から書かれていますので、こちらの視点とは少しずれていますが、そこのところはご理解ください。) 展示終了後、3月末には幼稚園の庭に移築される予定ですので楽しみにしていてください。 なお、このプロジェクトに必要な移築費・ベル等の募金は、多くの方々の協力のもと順調に進んでいますので、ご安心ください。
                            (栄光幼稚園長 小鮒 實)
幼稚園報「ひかりのこ」(No.368 2012.1月)より 


<トライアングル・タワー> 
  幼稚園の門を入って左側の所が現在工事中です。在園児のご家庭には、昨年2011年10月の「ひかりのこ」でお知らせしましたが、新入園児のご家庭にあっては「何の工事なのか」と思われる方もいらっしゃると思いますので、もう一度説明させていただきます。

 <経緯>
 昨年の3月29日から5月8日まで、教会の礼拝堂・集会室また幼稚園2階ホールに寝泊まりしながら、ボランティアの人たちがワークに入りました。そんな中、4月4日、愛知県一宮市からS.啓介、Y.浩介、T.大介という、私たちが“三介さん”と呼んでいたグループが来て、物置のヘドロ掃除等をしてくださいました。

 その中のひとり Y.浩介さん(デザイナー)の紹介で、陶器メーカーの“TOTO”が出資し、長谷川豪建築士が設計する建物(“TOTOギャラリー・間”に展示する建物、500万円相当のもの)を幼稚園に寄贈してもらうことが決まりました。

 長谷川建築士は何度も石巻を訪れ、いろいろなアイデアを出してくれ、最終的に合意した建物が三角形の塔です。私たちはこれを「トライアングルタワー」と呼ぶことにしました。(呼称は後日決定しました)

 この塔の理念は次の通りです。 (1)「子どもたちが安心し喜んで遊べる空間(遊具) (2)地域のコミュニティーの場にもなるとよい。 (3)被災地の「希望のシンボル」(希望のベル) 以上3つのことを兼ね備えたものということで、下記のようなものが生み出されました。

 外観は、おおよそ今までの冒険ロッジ(ログハウス・長方形)を対角線で半分にした大きさの塔(底辺4.5m×3.6m×2.7mの三角形。高さ8.9mの塔、塔の上に鐘(76cm、263kg)が付く)。1階は大人が座っておしゃべりなどが出来る空間(コミュニティーの場、勿論子どもたちも遊べる)、2階、3階は子どもたちが遊べる場所(階段、のぼり棒付)になっている。なお、塔の上に付く「鐘」(希望のベル)は、1930年代にオランダのヴァン・ベルヘン(Van Bergen)鐘鋳造所で鋳造され、70~80年間ドイツのメレ(Melle)市庁舎で鳴らされていた由緒あるものです。

 このトライアングルタワーの完成は、当初「入園式」に間に合う予定でしたが、少し遅れ、4月20日(金)になりました。また、この工事のため、ブランコ、すべり台、鉄棒等の遊具も今は使えません。子どもたちには本当に申し訳ないのですが、塔が完成したらすぐ設置しますので、もうしばらくお待ちください。なお、工事期間中、子どもたちの安全には十分気をつけますが、お家の方々もご協力ください。

 震災後1年が過ぎ、少しずつ落ち着きを取り戻しつつあります。勿論、まだまだ復旧・復興の道のりは遠いですが、みんなで希望をもって歩んで行きたいと思います。
                              (栄光幼稚園長 小鮒 實)
幼稚園報「ひかりのこ」(No.371 2012.4月)より 


トライアングル・タワー寄贈感謝会(2012年5月26日) 
 ◆2012年5月26日(土)午前11時15分~「トライアングルタワー寄贈感謝会」が教会員・幼稚園の保護者立ち会いのもと盛大に執り行われました。
プログラム
 1.園児のうた(ひかり ひかり)
 2.聖書朗読
 3.お祈り
 4.感謝状贈呈
<出資者>
   TOTO株式会社 文化推進部 部長 大出 大様
  <設計者>
   長谷川豪建築設計事務所  長谷川 豪 様
  <施工者>
   (株)高橋工務店  高橋 忠男 様
 5.園児からのプレゼント
 6.TOTO株式会社から園児へのプレゼント
 
 
(2012年5月26日撮影)
 ★なお、トライアングルタワー移築完了報告書は下記をご覧下さい


 トライアングルタワー移築完了報告 
 主の御名を讃美いたします。
昨年来からの「栄光幼稚園寄贈建物」の移築プロジェクトがやっと完了しましたので、ご報告申し上げます。建築士との度重なる打合せ、また、途中「親子ベル」の「子ベル」の方の盗難等ハプニングもありましたが、最終的に右の写真のような三角形の塔になりました。 


 1階は大人が座っておしゃべりなどが出来る縁側、2階3階は子どもたちが遊べる空間(遊具としての機能)、天辺に鐘(ベル)がある高さ約9mの三角形の塔です。4月から移築工事が始まり5月に完了しました。私たちは、この建物を「トライアングルタワー」と名付け、毎日午前10時に園児が交代で鐘(ベル)を鳴らしています。音色がとってもすばらしいです。

 皆様方には、この計画にご理解ご賛同いただき募金依頼にも快くお応えいただき過分なるご献金をおささげていただきましたこと心より感謝しています。心配していた資金もおかげさまで満たされました。「主の山に備えあり」の恵みを実感しています。
(詳細は、別紙「献金者のご芳名」「会計報告」をご覧下さい)

 被災地にあって、まだまだ困難は沢山ありますが、神様に守られ、また皆様に覚えられて励んで行きたいと思っております。また、「トライアングルタワー」の鐘(ベル)を、復旧・復興のシンボル、また希望の鐘(ベル)として鳴らし続けて行ければと願っています。引き続きお祈りに覚えていただければ幸いです。


 こちら(石巻)に来る機会がありましたら、是非当教会・幼稚園にお立ち寄りください。お支えいただきましたこと、重ねて感謝申し上げお礼の言葉と致します。ありがとうございました。感謝、感謝です。
 

  <追 記>
  被災した園舎の修理は第一期工事が5月末完了。教会堂・牧師館の修 理はこれからです。教会員の自宅の修理も業者の人手不足のためまだ終 わっていません。園児は比較的元気です。仮設住宅からの通園者が2名 います。
                                2012年6月
                          日本基督教団石巻栄光教会牧師
                            栄光幼稚園園長  小 鮒  實
                            教会員一同・幼稚園職員一同

 
「栄光幼稚園寄贈遊具(建物)移築費・ベル購入費募金」
 献金者ご芳名(敬称略)-順不同- (2012年6月8日現在まで)
 谷 信幸・ゆみ(神戸教会)、杉浦トシコ、倉敷教会、栗原昂太郎(ホザナ幼稚園)、真船 純(函館千歳教会)、東口 豊(奥沢教会)、小雀保育園、矢島 聡(ドイツ)、清水英男(千葉教会)、吉田 博、前橋教会、宮川喜代子(阿佐谷東教会)、カワラダ ミヤコ(阿佐谷東教会)、イナガキ フジコ(阿佐谷東教会)、飯田和子(阿佐谷東教会)、バングラデッシュ「ミーナ友の会」、安原美世子(松原教会)、宮﨑達雄(倉敷教会)、川村邦彦(新潟教会)、生田教会、御子柴聖子、飛騨高山教会、飛騨AA救援衣料チャリティー実行委員会、富山建材株式会社、あらたに整形外科・内科、武蔵野扶桑教会、仙台川平教会、戸塚ルーテル教会附属幼稚園、昭島幼稚園、的場幼稚園、キ保連神奈川部会、桜美林教会、寒河江 健、恵泉女学園生徒会、ペニントン・有子(前橋教会)、稲城教会、武田芳枝(石巻栄光教会)、函館千歳教会、早苗幼稚園、紫野幼稚園、小西 望(仙台北教会)、奥沢教会、向日町教会、まこと幼稚園、会津地区新年礼拝より、英和幼稚園、渋谷同胞幼稚園、原宿幼稚園、篠原愛義(鴻巣教会)、相模翠ヶ丘幼稚園、ホザナ幼稚園、函館ちとせ幼稚園、向日町教会女性会、沖縄キリスト教学院、洛南教会、水戸教会、流山教会、同志社国際学院きずな会、高崎教会教会学校、竹村英樹(石神井教会)、国際日語教会(台北)、国際日語教会教会学校(台北)、石神井教会、不明者
◆銀行にお振り込みいただいた方で不明な方もおられます。銀行に確認しましたがよく分かりません。お許しください。また、複数回にわたりご献金いただいた方(教会・幼稚園等)もあります。なお、石巻栄光教会に献金された方のお名前は含まれていませんので、ご了承ください。 

<会計報告>

収入の部 
 項     目 金  額 
 献金総額(合計)  3,913,019

 支出の部
 項     目 金  額 
 鐘(ベル)代金(送料等含む)   817,844
 地盤調査費(サムシング)  21,000 
 建築確認申請費用((ジェイ・イー・サポート)  50,840 
 ログハウス・物置・鶏小屋等解体費、及び遊具移設費  420,000 
 移築建物再建築費(本体工事)(高橋工務店) 1,856,900 
 トップライト工事(屋根:オプション)(高橋工務店)  262,500 
 園庭整備費  37,800 
 物置設置工事(解体したので新しく設置)  96,000 
 犬小屋工事(解体したので新しく設置)  100,000 
 その他諸経費(追加工事費、寄贈感謝会・事務費ほか)  228,600 
 (総 合 計) 3,891,484 
◆収支差額 21,535 円は、被災した園舎の修繕費に用いさせていただきました。
◆ご協力、本当にありがとうございました。 

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