◆東北教区総会の「協議会」(夜)で、小鮒が報告した石巻の「近況報告」(レジメ」です
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1.地域の近況(全体的なこと)
石巻は2005年(平成17年)4月1日、1市6町(石巻市・河北町・雄勝町・河南町・桃生町・北上町・牡鹿町)が合併し、広域になった。
(女川町は原発があり、多額の補助金をもらっていた関係で合併せず。) 女川町の回りは石巻市。
◆被災前(2011年2月末)の住民基本台帳によれば、石巻の人口は 162,822人、60,928所帯でした。
◆2012年4月末現在の人口は 152,037人、58,351所帯になっています。1万人以上の減少。(震災で亡くなった人、他県・地域に移住した。)
・2012年4月末現在の石巻市で被災されたとする死者数及び行方不明者数
直接死 3,224名 関連死 189名 行方不明者 507名 計 3,920名
・2011年10月11日全避難所を閉鎖、現在、「仮設住宅」や「借り上げ住宅」に入居、自宅を修理して生活している人たち(だが、完全には修理出来ていない人も多い)
◆2012年5月1日現在、石巻にある仮設住宅
石巻地区 73ケ所 入居戸数 4,172戸 (佐藤:向陽団地、鈴木:大橋団地)
河北地区 9 入居戸数 843
雄勝地区 8 入居戸数 147
河南地区 19 入居戸数 957 (隣にいた田村家族:関ノ入団地)(米倉:町北第1団地)
桃生地区 4 入居戸数 312
北上地区 3 入居戸数 234
牡鹿地区 18 入居戸数 434
(合計)134ケ所の仮設 入居戸数 7,099戸
(正確な人数は不明だが、1万人以上の人たちが現在も仮設生活を続けている)
◆仙石線について、仙台−松島海岸間。矢本−石巻間も開通している。しかし、松島海岸−矢本間は不通(バスは出ている)なので、直接、仙台からバスで石巻まで来ることを勧めしています。不通区間(野蒜駅近辺)、線路を500m内陸に移動計画。まだ開通は数年先になりそう。
◆解体作業、修繕工事が進み、新築工事もボチボチ始まっている。
◆地盤沈下のため、陸地が海になってしまった所もある。教会のある所は、75cm沈下。満潮、大潮のときの「浸水・冠水」していた所(海岸部、漁港)は「かさ上げ」工事が始まっている。湾岸の護岸工事、防波堤、防潮堤の工事はこれから。
◆放射線量については、定期的な測定が行われている。石巻は最高値でも0.225マイクロシーベルト/時。(当教会・幼稚園の園庭は、0.08マイクロシーベルト/時)
◆復旧作業は毎日続いていますが、まだまだ時間はかかります。復興については、8月22日に「石巻市都市基盤復興基本計画図(案)」が公表されましたが、詳細はまだ決まっていません。調整地区として新しいお家を建てることが出来ない人もいる。今は「土地」の問題(値段)が話題になっている。釜・大街道、南浜・門脇、中瀬、湊、渡波地区については震災前の実勢価格の概ね80%、本庁半島部、牡鹿、雄勝、北上、河北地区については震災前の実勢価格の概ね70%
(3500円/u≒坪11,550円 〜 25,600/u≒坪84,480円
2.教会・幼稚園の近況
教会堂の被害 45万(ひび割れ等)
牧師館の被害 85万(給湯器、ひび割れ等)
幼稚園の被害 420万(園舎修理、備品等) 合計550万円
◆教会員のお家は、80%近くの人たち(17名)が全壊・大規模半壊の被害を受けた。現住陪餐会員で死亡1名、家族、震災関連死を含めると5名の人たちが亡くなりました。現住陪餐会員は、震災前17家族22名 → 震災後11家族17名に減少(他県に転居された者、転出された者を含む)
お家の修理・修繕、第1期工事は終わった(生活出来る状態)。第2期工事これからという人もいる。まだ外壁や屋根の工事が終わっていない人もいる。
◆東北ヘルプ(仙台キリスト教連合被災支援ネットワーク)から、教会の被災支援として10万円をいただきました。また、新たに「教会の信徒の人的・住宅被害に対する義捐金」として大規模半壊以上の方に10万円(40万円)いただきました。
日本基督教団からは、東北教区総会議長が「見舞金(一時金)」として3万円をいただきましたが、「教会の信徒の人的被害・住宅被害」についての支援は今の所全くありません。
でも、全国からお見舞金を沢山いただきました。そして、石巻栄光教会より、全壊の所には各5万円(逝去者の所にはご家族に)、大規模半壊の所には各1万円の「お見舞金」を差し上げました。
◆教会の被災(被災教会)という場合、教会堂等の建物のことがよく報じられますが、教会(エクレシア)は、主イエス・キリストを信じる人たちの群れ(共同体)です。建物の被害だけでなく、主イエス・キリストを信じる人たちの群れ(教会には人がいる、家族がいる(教会は神の家族)、兄弟姉妹がいる)ということも考えて、被災教会の支援ということも考えていただきたいと願っています。
聖書には「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣きなさい」(ローマ12:15)という御言葉があります。苦しんでいる兄弟がいる、悲しんでいる姉妹がいる。泣いている兄弟姉妹がいます。「喜ぶ人と共に喜び、泣く人と共に泣く」ことが出来るような教会・教団であってほしいと思います。
また、「善いサマリア人」のお話しもあります。困っている人・助けを必要としている人たちがいます。そのような人たちに「寄り添えるようなあり方」共に生きるあり方を共に考えて行きたいと思います。
<附属施設・宗教法人立の「幼稚園」があります。その近況>
◆園舎の修繕工事、今年の夏休みに修理が出来ればと思っていましたが、補助金の関係もあり、5月末までに完了予定。(本当は3/31まで)大工さんの人手不足で2ヶ月延期。昨日まで塗装屋さんが入っていた。外壁工事の足場の解体はまだ。
◆幼稚園の先生ですが:お家を流され祖母を津波で失った先生、大規模半壊の被害を受けた先生。今は、借り上げ住宅、自宅を修理し住んでいます。
幼稚園の保護者:80%近くが全壊・大規模半壊の被害を受けました。
園児については、家がすべて津波で流されてしまった子、津波に追いかけられながらも、なんとか助かった子、津波に流され隣の人に助けてもらった子、また、母親を津波で失った子、妹を失った子等々、いろいろな子どもたちがいます。心に大きな傷が残っています。“子どもたちに寄り添う”歩みをして来ました。最近では、以前と違う環境(祖父母や親戚と同居)の中で、嫁姑等の問題で母親の精神状態が不安定になり、それが園児に微妙に影響し不安定になっている子どもたちもいます。生活が少しずつ落ち着いて来ると、新たな問題が出てくるようになって来ました。
◆全国から園児に対する支援も沢山いただきました。
◆4月、ボランティアでお手伝いくださった方の紹介で、TOTOが出資し長谷川豪さんという方が設計した建物(“TOTOギャラリー・間”(長谷川豪展2012.1/14〜3/24)に展示した建物、10坪程度500万円相当)を幼稚園に寄贈してもらうプロジェクトがあり、それがやっと完成し、5/26(土)トライアングルタワー寄贈感謝会を行いました。鐘や移築のための募金にご協力いただきましたこと、心より感謝します。(約390万円)毎日午前10時、園児が鐘を鳴らしています。(希望の鐘)
◆最近の教会の動向
5/22(火) 故・梅本政志・よし子夫妻納骨式(震災で死亡)
5/17、5/24 藤村滋子姉(Bob の妻)、幼稚園奉仕
524(木) 河北新聞の取材(トライアングル寄贈感謝会)5/25(金)に掲載
5/26(土) トライアングルタワー寄贈感謝会
TOTO(出資者)、長谷川 豪氏(設計士)、高橋工務店(施工者)、
エマオ石巻の方(沖縄キリスト教学院学生3名・お話し)も奉仕
ボランティアで湊分館でコンサートをする御子柴聖子姉、牧師館宿泊
5/27(日) 御子柴聖子姉(湊分館コンサート奉仕)、奏楽奉仕
5/28(月) 小雀保育園(野園長)、岩村田教会(宇田 真牧師)5名問安
6/9(土) 故・佐藤功男・雅子夫妻1周年記念会
6/19(火)18:30 お能(観世流・八田達弥氏)を見る会(幼稚園ホール)
◆これからのボランティアの働きで大切になるのが本格的な「被災者の心のケア」だと思います。阪神・淡路の大震災の時のような「孤独死」問題が生まれないためにも。
まだまだ長丁場です。多くの人たちが疲れ切っていますが、現実から目をそらすことは出来ません。復旧、復興に向けて何が出来るか、これからも祈りながら目を向けて行きたいと思っています。
(以上「近況報告」)
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