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| ひまわり44号に投稿 (2011.09.30) ついに治癒者の仲間入り この冊子が発行される頃、私は治癒者と呼ばれる身になります。肺がんの手術を受けて丸五年が経過するからです。 ひまわりの会は三十年余も前に誕生しました。当時のがん患者の多くは告知されること無く、胃潰瘍の病名で胃を全摘されることも稀ではありませんでした。 不治の病のがんは病名を知らせないことが患者のためとされましたが、多くの患者はがんをそれとなく察知し、思い悩みながらの治療だったように思います。 それだけに、治療の甲斐あって全快を告げられた時の喜びはまた格別なものだったに違いありません。 発足当時のひまわりの会がその入会資格を治癒者とした理由がわかるような気がします。 ひまわりの会が加わる、日本対がん協会の1道8県の支部にサポートされるがん患者会はその名を単刀直入に「全国よろこびの会」としています。この会は、毎年会場を持ちまわりにし、がんでも旅ができるとばかりに、気張りながら名所巡りも兼ねた全国総会を開催してきました。 私も、ひまわりの会に加わったお陰で、手術の翌年が長野、それから順次、福島・北海道・群馬・山形と五会場県の良いとこ取りをすることが出来ました。 多分に忙しぶった生活をしていましたから、がんにならなかったら、こうした旅行とも縁がなかったに違いありません。思いがけない幸運に巡り会えた感があります 昨今のがん事情 私のがんが発覚したまさにその日、国のがん対策基本法が成立しました。直後から各県が競うようにがん対策推進基本計画に具体策を盛り込みはじめました。群馬では一〇年後のがん死亡率を二〇%引き下げるとしました。 国の音頭で、何処に住んでいても等しく最高水準の治療を受けられるようにする目的で、がん診療連携拠点病院の整備が進められました。 がん治療の前進を背景に、早く発見し適切に治療すれば社会復帰も可能とする考え方・見方が広がり、患者・家族に対し積極的に告知する方向が、広まって来ました。 私は肺腺がんの初期で手術すれば完治できると診断されましたが、肺気腫がありましたので在宅酸素治療が必要になるかもしれないと言われました。退職少し前から家内の手ほどきで始めたハイキングで多少の山歩きが出来ましたので、それをもう少し続けたい思いで、肺を取らない治療法(放射線治療)を求めセカンドオピニオンを受けました。放射線治療が可能との診断で、その準備を始めた矢先、念のためにと撮ったPET/CTでリンパ節への転移が発覚、再び手術へと逆戻りしました。 リンパ節への転移がわからないまま、胸腔鏡手術を受けていたら、転移したリンパ節を見逃し、早晩の再発は必至だったでしょう。そのことがあったために、在宅酸素治療が必要になるかもと言われ、一旦は回避した手術に踏み切ることができました。 手術の結果、病理病期は進みましたが、偶然のようですが、肺気腫を示す数値も改善され、化学療法を併用したのでわずかな副作用は残りましたが、元気に社会復帰することができました。 しかし、この過程でこれからの「がんの治療」は総てを医師任せにすることは出来ないと思うようになりました。 がん治療とは、多少の違いはあるかもしれませんが外観や身体的機能・臓器などの一部、或いは全部を犠牲にして命をながらえるわけです。 その結果、元気に社会復帰したように見えても、永らく様々な副作用や機能喪失の不便さ・無念さと付き合うことになります。 大変過酷ですが、検査を尽くし、病状を正確に把握した上で、医師などの充分な情報提供とアドバイスを受けながらも、最終的な選択は自らの生き方と照らし合わせ、自分で選ぶことが求められます。 そうしないと、その後の人生に悔いが残リかねません。他人任せから生じた結果との付き合いは辛いものがあるからです。 科学的で適切ながん情報の提供が求められています それだけに、治療法の選択は慎重さが求められます。診断に疑問があったり、治療法の選択で迷うときなど、セカンドオピニオンを受けることが奨励されているのはそのためのように感じられます。 がん患者とその家族はがんを告知されてから、がんの勉強を始めます。最近でこそ、科学的で信頼できるがん情報(「患者必携」がんになったら手にとるガイド=編著 国立がん研究センターがん対策情報センター)などを手に入れる体制の整備が始まりましたが、必要ながん情報を得ることはさほどたやすいことではありません。よしんば、それを手に入れたとしても使いこなすことは至難の業です。 「患者力」という言葉を耳にします。医師や医療関係者の話を大枠で理解し、自らの希望などを伝えることが出来る力、みたいな意味で使っているように感じますが、ある程度の患者力がないと医療提供者もむずかしい対応になると思います。時たま「赤ちゃん言葉」みたいな言い回しで説明している医師を見かけますが、辛いものがあるのだと思います。患者・家族の側も辛いです。 情報提供体制の整備が叫ばれていますが、このことでがん体験者にできることも少なくないような気がします。 自分のがんを隠さなくていい方は、がんを患いましたが、地域で・職場でみなさんとご一緒に暮らしています、といった情報発信そのものが実は大変大事な社会的貢献なのだと思います。 お互い正々堂々とがん体験者として暮らそうではありませんか。そして、必要な方々にがん情報が届くような環境づくりを推し進めましょう。 |
| 最終更新日 2011.10.13 |