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大阪圭吉の評価
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江戸川乱歩
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大阪君の作風は、ポオによって創始され、ドイルによって、更らに通俗化されながら、完成された所の、短編探偵小説の純粋正統を受継ぐものである。
(中略)併し、従来日本のどの作家が、かくまで純粋に、かくまで根強く、正統短編探偵小説への愛情と理解とを示し得たであろうか。
どの作家が、これ程深く理智探偵小説の骨法を体得し得たであろうか。
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「序」(大阪圭吉著『死の快走船』1936年6月)
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甲賀三郎
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彼の作品はどの一つを取っても、ガッチリと組立てられている。短い枚数の中で、書くべき事をちゃんと書いている。
大体に於ては、弱々しく感ずるペエソスであるが、それがある故に彼の探偵小説には或る気品がある。
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「大阪圭吉のユニクさ」(大阪圭吉著『死の快走船』1936年6月)
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村山徳太郎
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元来、本格作家の少ない吾国の探偵小説界とって大阪氏を失ったことは、少なからぬ損失である。
大阪氏の斯界にのこした足跡は小さいながら確実であった。いつまでも消えることなく、真面目な本格愛好者の記憶にこびりついて離れない
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「大阪圭吉研究」(「黄色の部屋」1号 1949年10月)
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鮎川哲也
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大阪圭吉氏は、戦前を代表する本格短編の第一人者だった。通俗がかった探偵小説の多かった時代に、これだけ本格物のテクニックを身につけた作家のいたことは、奇蹟という他はない。
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「甦る幻の探偵作家たち −若い読者に−」
(国書刊行会「探偵くらぶ」内容見本 1992年5月)
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法月綸太郎
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戦前の日本にこんなセンスのいい本格があるとは、奇跡です。
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「ミステリ研の新入生に読ませたい「国内本格ミステリ」Best10」
(「ブルータス」 1996年5月15日号(No364))
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有栖川有栖
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戦前の作家を紹介するアンソロジーを開くと、必ず大阪さんの作品が名を連ねています。それもほとんどが、今読んでもびっくりするようなトリックを使った傑作ぞろいです。
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「有栖が語るミステリ100」
(『有栖の乱読』株式会社リクルート 1997年3月28日)
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(C)小林文庫
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