黒猫荘
(mobile版)

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カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真
(OPEN:1999年7月19日)
「白梅軒」へようこそ。
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4713. 2011年09月17日 00時48分31秒
投稿:かわぐち
9月16日
都築響一氏のブログで知ったのだが、文京区本郷にあった「本郷館」が8月に壊されたと知り愕然。
知る人は知る建物だが、1905年(明治38年)に建てられた木造3階建てのアパート。
詳しくは氏のブログを(エラーメッセージ「URLを漢字で」ってどうすれば・・・・・・)。
http//:roadsidediaries.blogspot.足すcom/2011/09/blog-post_10.html
私にとってはまさに乱歩の小説の住まいのようなイメージを勝手に抱いており、今年3月に20年ぶりに訪れ(といっても関係者でもなんでもないので外観だけの見学)、変わらぬ佇まいに安心と力強さを感じただけにショックもひとしおでした。
ホント、建築はある日突然なくなるものだと、いまさらながら実感。
購入本 『フューチャーメン出動せよ!』(宇宙軍文庫)−2010年12月、新宿で開催された「キャプテンフューチャーCON」に向けて作られたファン出版物。
内容は故・野田昌宏氏のあとがき、インタビュー他、キャプテンフューチャー関連の文章を集めたものであり、その多くは読んでいるもの。
しかし、ハヤカワ文庫SFの世代としては、それを模して作られた装丁だけでも欲しくなっても仕方ない(でしょ?)。
さすがに40代半ばも過ぎてはきついかなと、手を出さずにいた創元版全集だが、刺激されて読みたい気持ちがムラムラと。
購入DVD PULP FICTION ART: Cheap Thirills & Painted Nightmares (KULTER)
DVDを買うのは久しぶり。ブルーレイ(持ってません)が普及したいまとなっては、よほどのものでないと手が出せない。
しかし、こうした日本ではまず出ないものとなっては話は別。
タイトル通りパルプ・アートの世界を紹介するドキュメンタリー。本日届いたばかりなのでまだ未見。
ジャケットによれば、2006年「Dragon Con Film Festival」および「International Sci-Fi Horror Film Festival」で各ベスト・ドキュメンタリー賞を受賞とある。
amazon.jpで1609円にて購入。リージョン・フリーだが、英字幕もなし。
読了は『世界の名著 スピノザ/ライプニッツ』(中央公論社)。
4712. 2011年09月11日 21時32分31秒
投稿:かわぐち
9月11日
一日家に閉じこもり仕事。夕方になり本が到着。
Gary Lovisi- Dames, Dolls & Delinquentis: A Collector's Guide to S●xy Pulp Fiction Paperbacks (krause pub.)
タイトルどおり、セクシー美女のカバー画ペイパーバックの紹介本(市場価格入り)。
2000円以下の割にはオールカラー224頁で700点近くのカバー画がみられる。
米amazonのレビューの評価も高く期待していたのだが、やはりアメリカと日本では違うのだろうか(単に私の趣味の違いかもしれないが)、それほど面白いものでもない。
昔買った "The Paperback Covers of Robert Mcginnis" を期待しているのだが、なかなか匹敵するような本は現れないなあ。
当店休店中に購入した "True Crime Detectiove Magazines 1924-1969" (TASCHEN) も期待を上回るものではなかった。
で、下品なものが嫌いだからかというと、そんなことはなく、同じTASCHEN社から先に出た "MEN'S ADVENTURE MAGAZINES" はもっと下品なのに大満足。
思うにスタイリッシュなものはもちろんいいのだが、下品も窮めて<バッドテイスト>まで昇華(?)されるとまた魅力がでてくるのであり、多くはその間にあるのであろう。
追記:吃驚! 上の書名の●部分、正しく綴るとエラーで投稿できなくなってしまうんですね。オーナーのスパム対策がこんなところに!
4711. 2011年09月11日 01時39分42秒
投稿:かわぐち
9月10日
電話して当選を確かめたあと、東京古書会館へ。
購入したのは『伊東忠太建築文献第5巻 見学紀行』(龍吟社、1936)。築地本願寺ほか、不思議な建築で有名な人物の著作集の1冊。
明治35年よりスケッチブック片手にロバに乗り中国からビルマ、インドへ。さらにトルコ、ギリシャ、エジプトと建築調査を3年間にもわたり行った紀行文。
前々から欲しかったのだが、原書房版は高額のうえ品切れ。今回裸本とはいえ、手ごろな値段(2500円)で購入できて嬉しい。
当時の古写真も豊富な大冊。こういう本が買えるから、古本から手は切れないなあ。
重い伊東本を抱えたまま、そろそろ行かなくてはと思っていた、現代美術館開催中の「フレデリック・バック展」へ。
本の興奮を引きずったままだったせいか、考えもなく観だしてしまう。最初のほうは学生時代からの風景画など、いわゆる画家修業時代の作品。
ここでなまじ力を入れたのが大失敗! 本当に観たかったアニメ作品のあたりでは足がフラフラ。
出品作はかなりな量で、配分考えないとえらいことになります。
私個人でいえば、出口から反対に観るとちょうどよかったのになあ。出品作リストがないのも敗因だと思います。
もちろんアニメ関連、そしてイラストレーションなどは素晴らしい。
角度を変えて見ると絵柄が変わる(何て呼ぶんだろう?)絵葉書を購入したが、これがアニメを表現するのにぴったり!
まさにアニメがそのまま1枚に凝縮されたようだ。これでノルシュタインとか他のアニメ作品も作ってもらえないものか。
読了本は『世界の名著 ヘーゲル』(中央公論社)、ル・コルビジェ『伽藍が白かったとき』(岩波文庫)。
4710. 2011年09月08日 00時28分00秒
投稿:かわぐち
9月7日
帰りに本屋へ。新刊書店にも行く回数は激減している。
世の中の流れに関心もわかず、「アンタなんてお呼びでないよ」といわれているような気がして・・・・・・。
そんななか、渡辺温全集『アンドロギュノスの裔』(創元推理文庫)購入。東京堂になく、書泉に回って発見。
いまさら恥ずかしくて説明もしないが、こういう本が出るのは僥倖ですね。
薔薇十字社版が出たとき、中井英夫は「いわばこの夭逝した白面の青年を生前さながらに納めたガラスの柩で、その中で死者は永遠に若い」と評したが、
ここに再びその姿に死後81年経ったいま接することができるわけですね。
照合したところ薔薇十字社版の作品はすべて収録、増補されています。
横溝・谷崎・水谷・そして渡辺啓介の文が収録されていないのは残念かなぁ。
こういう本が書架に並ぶだけで嬉しくなります。
そのほかは、ミステリー文学資料館編『悪魔黙示録 「新青年」一九三八』(光文社文庫)−こちらも今頃になって購入。ついつい忘れてしまって。
もう1冊は、荒俣宏『衛生博覧会を求めて』(角川文庫)−これを紹介するのは、私の義務(?)。
ぶんか社から1997年に出た本の文庫化だが、比べてみるとかなりの加筆・修整されております。
乱歩『悪魔の紋章』『白日夢』にも出てくる衛生博覧会ですが、その実態はわれわれの世代になると知らないのが当たり前。
田中聡『衛生博覧会の欲望』(晶文社)と並び、いかなるものであったかを解き明かします。
ショッキングな図版も含まれており、一方、世の怪奇大好き少女は、こういった歴史的な事実より都筑響一氏の本のようなビジュアル主体を好むでしょうから、正直申し上げて初版がなくなったら、重版は苦しいかと。
しかし、荒俣氏の本では、近年中、最も力の入った部類ではないかと思います(本書と『20世紀雑誌の黄金時代』(平凡社)が双璧)。
あとがきによれば、単行本は初版3000部が相当売れ残ったそうで。今回の文庫は部数がどれくらいなのかわかりませんが、お好きな人だけにはぜひ押さえておいてもらいたいと思います。
なお、本書中でも言及されている最大のネタ本ミシェル・ルミール『芸術家と死体』ですが、この本、荒俣氏の本の中で紹介されているよりはるかにエグイ、強烈な写真が満載です。
本書にも絶版・版元消滅・著者死亡と書かれておりますが、なかにはどうしてもという方もおられるかもしれないので、原書を挙げておきます(これを持ってる人は日本にはそんなに多くはないと思うので、せっかくですから)。
Michel Lemire- Artistes et Mortels (CHABAUD, 1990) ISBN2-87749-019-X
本当にグロテスクなものが嫌いな人は買うと後悔しますよ。
[NAGAYA v3.13/N90201]