黒猫荘
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MIDNIGHT WHISPERS
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59. 2003年02月27日 09時57分14秒
投稿:みわっち。
13号室のみわっち。です。
ズレたことをいいますね。語彙など豊富でなくっても平気なのでは。所詮、各時代の作家たちはその時代と言うタームから逃れられなかっただけではないでしょうか。各時代時代では当たり前だった表現を当たり前に使っていただけでは。それを後世の人間が見て「語彙が豊富」といっているだけなのではないのかな。
ミステリでいえば「平易な文章の天才」江戸川乱歩の作品は長い年月を何度も何度も復刊されて読み継がれてきましたが、同時代(戦前から作品を発表している)の作家は正直ここ数年の復刊ブームというものに乗っかるまでは、入手すら困難になっているものが少なくありませんでした。その差異を「文章の読みやすさ」にだけ求めるのは間違っていると思いますが、少なくともその文章の読みやすさが読み継がれてきた原因の一つではないでしょうか。
平易な文章=語彙が少ないと言う訳ではもちろんありませんが、小説という文章は他人に読まれることを大前提にしているわけですから、その文章が読みにくければ(語彙の少ない現代人に読みにくいと感じさせるものであれば)いくら語彙が豊富にあっても、好んで読む人は少ないでしょう。
……てなところで、時間切れ。
58. 2003年02月27日 08時06分39秒
投稿:nanami
>桐人さん
桐人さんが全ての人に本を薦めているわけではないということは分かっていますよ。
ただ、本を読みたくない人もいるんだ、というだけの話です。
桐人さんのご意見を否定しているわけでもありませんしね。
ただ、日本語を読んだり書いたりするのが多いからといって、
世の中をそんなに悲観しないでください、と、そういうことを言いたかったのです。
何しろ日本は識字率100%を誇っているんですからね。
それだけでも大したものです。
『パラサイト・イヴ』の注釈は、薬学の分野ではそんなに難しいものではないのですが、
一般の人にしてみれば、かなり難しいことを書いていると思います。
それが理解できたのなら、桐人さんがすごいんだと思いますよ。
あと、化学・生物系のことなら、あるある大事典などで簡単なことについては
触れたりしているので、あれらの番組の内容が信用できるものかどうかは別として、
一般の人たちにも、多少は親しまれているでしょう。
でも、物理系のこととなるとどうでしょう。
分からない人が極端に増えるんじゃないでしょうか……
57. 2003年02月27日 01時12分06秒
投稿:桐人
確かに語彙は僕の周囲の人はかなりのものだと思います。
大学受験のために勉強している人間ばかりなので自然とそうなります。
その中でもやはり最近は本を読まない人が増えているようですが。
ストーリーを追うことすら煩わしいという云々についてですが、僕は別に世の中のすべての人に読むことを勧めたいというわけではありません。
もしそうとらえられてしまったのならば釈明しておきます。
僕も生物学の論文を書く際に三島由紀夫や森のような日本語を書いて欲しいとは別に思いません。
それはやはり、その文章の価値が、文にあるのではなく内容にあるからでしょう。
よむひとがわかればいい文章さえ書けていればよいと思います。
数学の証明の際にも、きれいな日本語など必要ありませんし、僕も証明の際にそのようなことを心がけてはいません。
そのような道に進んだ人は必要のないきれいな日本語は排除し、専門分野の知識をひたすらに増やすことが大切だと思います。ただ、その知識をずぶの素人でもきちんと理解できるように説明できないようになっては一人よがりの秀才になってしまうので、それはできるようになっているべきだと思います。いくら難しいことでも、きちんと段階を追って説明できるのが本当に頭のいい人だと思いますから。
しかし、小説家や評論家は、内容もやはり大事ですが、文の組み立て方、単語の選び方など、そこまでを自分の価値として売り出しているのだから、それなりの日本語を書くべきだと思います。
たとえば倫理学の論文で論点がずれたものを提出すると教授による諮問会で恐ろしく非難されます。
やはりそれらを専門としていきる人は文の構造理解、文体、論法をきちんと勉強するべきだからでしょう。
つまり、自分に必要なことはしなければならない、ということですね、端的にいえば。尤も、そんなことは誰もがわかっていることでしょうが。
僕ら高校生はそのように排除することなく、大学入試の為に古典文法を学んだり源氏物語を読んだり、さまざまな論説文、表論文、随筆を読むことを余儀なくされます。
勿論、数学の公式も覚えますし、化学の公式やRNA転写に免疫反応、仏像の名前や政変の起こった年代までも覚えます。
僕はそれらの勉強の中で、大量に本を読んでいることが役に立っています。興味で読んだ微積分の本、パラサイト・イヴに触発され少し学んだ遺伝子やミトコンドリア、歴史小説や逆説の日本史、好きで呼んだ伊勢物語。
それらはどこかで役に立ちました。僕はそれを実感したから、同年代の友達に、本は読んだら得すること有るよ、読まないことで損することはないけど、といっています。
やはり現代文の問題など、今までの人生で何一つそのような本を読まずに来た人と読んできた人では差が少なからず出るものですし。
専門用語、パラサイト・イヴについていたものは容易に理解できたのですが、やはりそれより難しいことを扱っているんですかね、最先端となると。
というか、パライヴが容易過ぎるないようだったのかもしれません。
でも、今思うとパライヴの瀬名秀明(論文は本名の鈴木秀明で書いていますが)は、かなり理系畑の方なのに普通に上手だったなぁ、文章。すごいですね、瀬名さん。
56. 2003年02月25日 22時48分57秒
投稿:nanami
>桐人さん
書き込みありがとうございます。
語彙が低下しているのは、別に高校生に限った話ではありません。というかおそらく、
桐人さんの周囲の人の方が、私の周囲の人よりも語彙は豊富だと思いますよ。
私は完全に理系の研究室にいますから、本どころか日本語自体を読まない人たちばかりです。
私の他に一人だけ、私よりも本を読んでいる人がいますが、私たちは特殊な部類に入ります。
「所為」が読めないことぐらい、普通です。
いや、読める人って、おそらく2、3人しかいないんじゃないかと思います。
というか、論文を書いても日本語になっていなかったり、それ以前に、
「今までどうり」とか平気で書いている人すらいます。
もう三十歳なのに(私が、ではありませんよ)。
というわけで、桐人さんのおっしゃることは尤もです。
先人の残したものを読むことは大事です。それは私も賛成です。
ただ、世の中には、本どころか、漫画やテレビドラマのストーリーを追うことすら、
煩わしいという人もいるのです。
だけど彼らは決して頭が悪いわけではなく、創作された物語そのものが嫌いなだけなのです。
方程式ならいくらでも頭の中に入ってくるけれども、
物語なんて(たとえ実話や雑談であっても)興味がない、というわけで、
要するに趣味の問題ですね。
私は他人に「本を読みましょう」とは決して言いません。
それは数学の嫌いな人に「この方程式を解いてください。将来、あなたの役に立ちますから」と
言っているようなものなのです。
私のいる環境においては、多少日本語ができなくても、漢字が書けなくても、生きていけますが、
専門用語を知らないと、生きていけません。
まあ、そういうようなことです。
専門用語について、注釈を付けたこともあるんですが、
注釈そのものの意味が分からない、と言われました。
注釈に使われている言葉の意味がまず分からない、と言うんですね。
で、その言葉の意味の注釈が必要になります。
科学の最先端で用いられている用語を一般人に分かりやすく説明するのは、
そんなに簡単なことではないんですよ。けっこう疲れます。
……言い方が少々きつかったかもしれません。
でもこういう言い方をするのは、私が真剣な時なので、悪く思わないでくださいね。
私、どうしても議論モードに入ってしまうんですよね。
[NAGAYA v3.13/N90201]