黒猫荘
(mobile版)

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[入居者リスト]


カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真

(OPEN:1999年7月19日)

「白梅軒」へようこそ。

  65〜68件 
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4745. 2012年01月30日 01時58分47秒  投稿:かわぐち 
1月24日
仕事の後、ワタリウム美術館で開催中の「北斗七星の庭 重森三玲 1896-1975」展へ。
建築家でもあるが、作庭家としてより有名な重森の美意識が伝わってくる展覧会であった。
重森の書画などの公開とともに、東福寺の「北斗七星の庭」「小市松の庭」を原寸で復元。
近代の庭にはほとんど知識がないのであるが、新たな美の世界に目が見開かれた思いがした。
代表作は松尾大社庭園や東福寺方丈など。
関西以西にしか作品がないため、おいそれと実見することができないのが残念。
さらに刺激を受けたのは、「重森の原風景」と題された中国・四国の庭。
これまで名園というと○○園の類や鎌倉・京都の寺社が浮かんでいたが、それらとはまるで違う、自然の息吹をモロに感じさせる風景はカルチャーショック。

1月29日
府中市美術館「石子順造的世界」展へ。
60年代から70年代にかけて、漫画・キッチュ・現代美術を中心に活動した評論家の展覧会。
いまでこそサブカルチャー、オタク的なものの評論は珍しくもなんともないが、当時は前衛的であったのであろう。
私にしたところで、石子の著書は没後に購入したものばかりで、リアルタイムの読者ではない。
正直なところ、時代の先駆者としての石子の人物自体には関心があるものの、いま、その著書を若い人間に対して「これを読まなくちゃ」と薦める気にはなれないのだ。
しかし、石子自体に興味がある人には、見逃せない好企画であることには間違いない。
さらには、キュレーターの思い入れがひしひしと伝わってくる、展覧会というものを作品にすらしている姿勢には共感を覚えた。
その思い入れは図録を見るとますます感じられる。
巡回もない一展覧会(それも市立美術館)の図録でありながら、ハードカバーB5版300ページ。
石子自身の文章もふんだんに、さらにエッセイ、対談、資料と盛り沢山。
たとえ展覧会に行くことが不可能でも、石子順造について知りたければ絶対に入手すべき本である。
美術出版社よりISBNを付された書籍として発行(ISBN978-4-568-20210-6)。

同館では常設展示で小山田二郎の小特集も開催。特異な幻想画家として知られる(知っている人には)が、その作品が50点弱一堂に並んでいるんです。

4744. 2012年01月21日 23時54分16秒  投稿:かわぐち 
1月21日
仕事の前に東京国立博物館と江戸東京博物館へ。
国立博物館は例によって常設展を観るためだが、「北京故宮博物院展」の長蛇の列は相変わらず。
10時の段階で入場70分待ち、「清明上河図」は240分待ち・・・もう笑うしかない。
職員の話では、8時で50メートルくらいすでに列ができているとか。

江戸東京博物館「平清盛展」・・・大河ドラマにはまったくといってよいほど関心はないのだが、「平家納経」が観られるというので出かけた。
会場に入るなりいやな予感がした。展示されている絵が江戸作品ばかりであったからだ。
しかし、その不安ははずれ、厳島神社の至宝がかなりの数来ており、なかなか充実した展示であった。
といっても厳島神社に行った人ならそれほど珍しいものはないのかも。

読了本は、
笠井潔『吸血鬼と精神分析』(光文社) 矢吹駆シリーズ6作目。不可能だと思っていたけど、本当に10作書き上げてしまうかもしれないな。
今回のテーマはジャック・ラカン。ミステリとしては、推理の働く余地などまずないのでは。読者はひたすら文字を追うしかない。
ユダヤ経も絡み、いつものように<お勉強>させていただきました。
しかし、ソ連、亡命、など、いまとなっては「いつの時代だよ!」と突っ込みたくなるような世界ですが、『バイバイ、エンジェル』から本書までわずか2年間のできごとだったんですね。

仁賀克雄編訳『猫に関する恐怖小説』(徳間文庫) いや〜ある程度年齢いってるかたには懐かしい本ですよね。
短編アンソロジーなので、鞄に入れたまま、手もちの本を読み終えて開いたときの「保険」として少しずつ読んでました。
おかげで読了まで1カ月以上、内容はほとんど覚えていないといった体たらく。
サキ「トバーモリー」、クィーン「七匹の黒猫」のような有名作は忘れようがないのですが、結局最後のルイス・パジェット(実はカットナー&ムーア夫妻の合作ペンネーム)「著者謹呈」が一番印象強い。
有名どころに混じってバイロン・リゲット、バリー・ペイン、クリーヴ・カートミルなんて、これまで知らなかった作家の作品も。

エドモント・ハミルトン『キャプテン・フューチャー全集1』(創元推理文庫) 約30年ぶりにキャプテン・フューチャー読んじゃいました!
どこかで読んだことのある、よくある展開、推理モノとしてはあきれるほどの<意外な正体>、しかし、この面白さはどういうこと?
まさに「活劇」の小説版で、娯楽作としては実に楽しめる作品です。
正直、今読んでここまで楽しめるとは思ってもいませんでした。これ書かれたのは70年前の小説ですよ。
途中で飽きるかもしれませんが、とにかく全巻読むことにしました。
それにしても、普段は喧嘩がちな4人組が、いざ事件が起こると依頼のものとに解決する・・・・・・あれ?このパターンはどこかで・・・・・・あ、西村寿行の「鯱シリーズ」の仙石文蔵一味じゃないか!

届いた本
G.Quilley & J.Bonehill- William Hodges 1744-1797: The Art of Exploration (Yale U.P.,2005)
キャプテン・クックの第2次航海に同行し、熱帯の風景を写生した画家の展覧会図録。
本書を手にして気づいたのだが、これまで1次のシドニー・パーキンソン、3次のジョン・ウェッバーの絵は目にすることがあっても、
なぜか有名ながらもホッジスの絵を認識していなかったようだ。
英国ロマン主義とまさに時代を一にする風景画になっている。

4743. 2012年01月09日 00時27分04秒  投稿:かわぐち 
さらに足を延ばして銀座「ヴァニラ画廊」へ。
ここでは「秘蝋の宴 満珍全席」なる展示が行われている。
なんでも、北九州の蔵から発見された、胴体の性器部分(臍から腿まで)だけの蝋人形があるという。
発注した老人は亡くなったのだが、自分一人のために作らせたというその人形は、とにかくリアルに様々な男女性器を模っている。
なんだかとんでもないものを見せられた気分いっぱいの、妖しい世界です。
決して善男善女の皆様にはオススメできません。

最後に恵比寿の「Nadiff」へ。都築響一写真展「暗夜小路 上野〜浅草アンダーグラウンド・クルーズ」を観る。
私のような平々凡々に生きている人間とは別の、まるで知らない世界を垣間見る気がしました。
元「竹の子族」が集って踊る店、本格的社交ダンスの店、演歌のライブが行われているレコード屋、女装趣味の方が商売とは関係なくただ集まる場・・・・・・
しかし、それとは趣を異にしながらも衝撃的であったのは、現代のラブドール(いわゆるダッチワイフ)。
これがもう妖しいアート作品としかいいようがない。これと四谷シモンの人形となにが違うというのか。
会場では、70万円もするという、そのラブドールの胸にも触れます。私も触ってきましたとも。

なんだかんだと、疲れた一日になりました。

本が到着。
John Iddon- STRAWBERRY HILL & HORACE WALPOLE:Essential Guide (Scala, 2011)
『オトランド城奇談』で有名なゴシック小説の祖ウォルポールは、自宅もゴシックの城そのものにして住んでいた。
本書はその城の建築・内装までを紹介したガイドブック。今回のイギリス旅行で行けずに残念だったのが、このウォルポールの城と、『ヴァテック』のベックフォードの住まい。
せめてもの慰めと、もちろん次回を期する気持ちもゼロとはいえないので購入。

読了は、テリー・ビッスン『平ら山を越えて』(河出書房新社・奇想コレクション)
よし、ようやく既刊分に追いついた。

4742. 2012年01月09日 00時07分32秒  投稿:うさぎ 
おめでとうございます。今年もよろしくm(__)m
でー!復活してたのまったく知らなかったわ!もうっ!!!<見に来なかった私が悪いけど。

清明上河図の情報感謝。ちょっと様子見てですね。
国芳はやはり後期も見たいなと思う私ですが、どうもなんか上から目線のM嫌いだわ。

[NAGAYA v3.13/N90201]