黒猫荘
(mobile版)

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幽霊だし。
オーナー:soka
<最近の読了本>
一週間に文庫本一冊程度という遅いペースの読了リスト。
漫画は小説の三倍は読むので入っていません。
書名をクリックすると、アマゾンかセブンアンドワイの紹介ページに飛びます飛びます。日本を印度に、しーてしまえ。
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28. 2004年06月03日 21時44分19秒
投稿:soka
久し振りの書き込み。いやぁ、読むのが遅い遅い。
「人形式モナリザ Shape of Things Human」(森博嗣)読了。
避暑地にやってきたいつもの阿漕荘一行。訪れた人形の館で、伝統芸能『乙女文楽』の観覧中、演者が謎の死を遂げる。数年前に他界した天才人形師が遺した最後の作品『モナリザ』と、殺人事件はどう関係があるのか。
Vシリーズ第二段。今回は林さんの浮気相手(?)、祖父江七夏さんが登場します。この二人と紅子さんの三角関係も見どころ。『モナリザ』の正体も良かったです。
【グッと来た文】
「そんなの、言葉だけのことだわ」紫子が顔を上げる。
「そう」紅子は頷いた。「それを忘れないで。言葉だけのことなの。全部そうなんです。言葉で理由をつけて、どんなふうにでも変えてしまえるの。言葉こそが、神であり、悪魔であり、私たちの罪でもある。でも、そこにしか、真理はないのよ」
27. 2004年05月09日 00時20分50秒
投稿:soka
「マリア様がみてる いとしき歳月(前編)」(今野緒雪)読了。
「黄薔薇まっしぐら」
黄薔薇さまこと鳥居江利子が、ここ数日の間、複数の男性とデートをしているところを目撃されていた。さては援助交際か、と焦る山百合会面々。そしてとうとう、江利子は生活指導室に呼び出されてしまう。
そういえばあまり紹介されていなかった、我らがデコ様の話です。デコ様の好みが最高です。
「いと忙し日日」
学校行事である三年生を送る会の準備に忙しい山百合会。さらに山百合会内での『三年生を送る会』では、一年生は出し物をする事になり、その準備も大忙し。薔薇様方が抜けた山百合会は、無事に二つの会を成功させられるのか?
仲間の大切さが解かる話。祐巳の笑いのセンスはもう、神のレベルにまで達しているようです(笑)。
「一寸一服」
動物園で観た不思議な光景。『彼』と『私』の出会いの物語。
ほんわか。良いですね。その後の話も読んでみたいです。
【グッと来た文】
たぶん、大丈夫。
私が、私を過大評価したり過小評価したりしない限り、今みたいにお互いを信頼していられるならば、私たちはきっと助け合っていける。
「マリア様がみてる いとしき歳月(後編)」(今野緒雪)読了。
「will」
卒業が迫っていた。薔薇様達は各々、後輩に意志を託し、後輩は先輩に餞別を渡す。心残りが、無いように。
この、もうすぐいなくなる雰囲気が寂しいです。祥子の、「もちろん、わかるわよ。だって、私たちは妹ですもの」の台詞がもう……。
「いつしか年も」
ついに始まった卒業式。蓉子、聖、江利子は、いまいち緊張感がなかった。友人達との出会いを思い出す。国家斉唱、仰げば尊し、送答辞……。温かい日差しの中、誰も「さよなら」とは言わずに、そうして三人は旅立った。
紅薔薇姉妹による送答辞に泣きました。寂しいですが、しょうがないですね。最後の一行が最高。
「片手だけつないで」
しかし、それにしても何ということだろう。
白い少女は、まるで鏡に映った自分のようではないか。
――ソメイヨシノの花びらが舞う中、佐藤聖と藤堂志摩子は出会った。
聖と志摩子が姉妹になるまでの物語。この「片手だけつないで」というタイトルも、「いばらの森」を読んでおくと、意味が判ります。二人の距離感がなんとなく良いな、と思いました。
【グッと来た文】
「なぜ?」
私はそう言って、身を翻した。
「志摩子には、私の方がいいに決まってるからじゃない」
26. 2004年04月11日 20時21分50秒
投稿:soka
「マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(前編)」(今野緒雪)読了。
「びっくりチョコレート」
新聞部のヴァレンタイン企画により、宝探しゲームをする事になった薔薇のつぼみ達。宝は薔薇のつぼみとの半日デート券。ゲームに参加した祐巳は、祥子さまに一番似合う花、ロサ・キネンシスの根元に宝があると予想したのだが、掘ってみても宝はない。しかし暫くして、祥子さまと共にもう一度そこを掘ってみると、なんと宝はあったのだった。
ミステリ風味な感じがグッド。この謎は、後編にて解かれます。
「黄薔薇交錯」
鳥居江利子と島津由乃は悩んでいた。支倉令から貰ったヴァレンタインチョコは、もしかしたら誰かのと間違えたのではないだろうか――。悩む二人をよそに、当の令は自宅でのんびり風呂に浸かっていた。
最後のオチが良いですね。ほのぼの。ところで、風呂に浸かっている令ちゃんの挿絵があるのですが、これが男にしか見えなかったり。
【グッと来た文】
「やだやだ。チョコレートくれなきゃ、祐巳ちゃんを食っちゃうぞ」
「マリア様がみてる ウァレンティーヌスの贈り物(後編)」(今野緒雪)読了。
「ファースト デート トライアングル」
「びっくりチョコレート」の当たりを引いた祥子さまに、思わず「当たりは私とのデート券です」と答えてしまった祐巳。令の宝を見つけられず、令が他の人とデートをするのに耐えられなくて、二人を尾行してしまう由乃。生徒会選挙で敵だったロサ・カニーナに宝を見つけられ、その真意が解からぬままデートをする事になった志摩子。更には新聞部と写真部がスクープを押さえようと街中をうろついていて――。
オムニバスっていうんですか。色々な人がひとつの街で繰り広げる物語の数々。視点が目まぐるしく変わりますが、それぞれのストーリィがきちんと面白いのです。
「紅いカード」
密かに祥子さまに憧れている鵜沢美冬。ヴァレンタインデーの朝、彼女は宝を隠す祥子さまの姿を見てしまい――。
前作の「びっくりチョコレート」で謎のままになっていた部分が明かされます。あとがきに書かれている、「福沢祐巳にあって鵜沢美冬に足りない物」の解答も綺麗ですね。
「紅薔薇さま、人生最良の日」
乗り越してしまったバス、生理痛と風邪を抱えたまま迎えた受験日。そんなヴァレンタインデーの中、ロサ・キネンシスこと水野蓉子は、それでも今日は人生最良の日だと確信する。
そういえば前作の宝探しの時に紅薔薇さまがいなかったなーという疑問が解ける作品。物語の回収が巧いですね。ラストも綺麗でした。
【グッと来た文】
今日の日が、こんなに楽しいものだったから、たぶん、明日も素晴らしい日になるに違いないと思えた。
25. 2004年04月03日 22時05分36秒
投稿:soka
>キリさん よつやさん
初めまして。よろしくお願いします。
「マリア様がみてる ロサ・カニーナ」(今野緒雪)読了。
「ロサ・カニーナ」
リリアン女学園次期山百合会役員選挙に、「ロサ・カニーナ」と呼ばれる二年生が立候補する事になった。薔薇のつぼみ達は勝てるのか?
【グッと来た文】
(もしかして私、マゾ?)
「長き夜の」
正月。白薔薇さまに合宿に誘われた祐巳。しかし、合宿先はお姉さまの実家で――
【グッと来た文】
ああ、もう完全にヘンタイ親父だよこの人。
やっぱり面白いです、このシリーズ。姉妹のやりとりに、思わずニヤニヤしてしまいます。良作。
[NAGAYA v3.13/N90201]