黒猫荘
(mobile版)

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カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真

(OPEN:1999年7月19日)

「白梅軒」へようこそ。

  49〜52件 
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4761. 2012年06月03日 23時14分42秒  投稿:かわぐち 
5月15日
仕事の帰りに國學院大学伝統文化リサーチセンターへ。わずか1週間開催の「物語絵巻の世界」を観るため。
『伊勢物語』『竹取物語』の絵巻を中心とした、無料でひっそりと開かれるにはもったいない展示。
会場でもらった冊子がこれまた充実。
同館に行ったのは初めてであるが、神道文化、そして考古学の展示がすばらしい。

5月20日
伊豆へ。生まれて初めて踊り子号乗車。車で松崎町へ向かう。
ここに来たのは伊豆の長八の鏝絵を観るためだ。
鏝絵とは−−左官職人が漆喰でつくりあげた装飾のことで、それを始めたのは、この長八だといわれている。
十数年前、島根県邇摩郡の西往寺にある鏝絵(龍、道成寺、玉藻前の揃い)や、大分県安心院の鏝絵を観て回ったことがあるが、
肝心の祖・長八を観る機会を持たなかった。
職人の「魂の爆発」作品ではなく、意外なほどに繊細な作品だ。狩野派の絵を学んだことがあるらしい。
伊豆の長八美術館、長八記念館(浄感寺)、岩科学校と回る。
鏝絵については、藤田洋三『消えゆく左官職人の技 鏝絵』(小学館)が、カラー写真も豊富で1500円と手頃。

その後は堂ヶ島で島巡りクルーズ、城が崎海岸と観光。
いつも「取材旅行みたいだ」と不満げな家人も少し機嫌がよくなる。
城が崎海岸は戦隊モノのロケによく使われる場所。ああ、あの橋、あの岩って「ボウケンジャー」のオープニングのだ!

その日は川奈ホテルに宿泊。

5月21日
金環日食の日。そして奇しくもこの日は私の誕生日でもある。
今回、川奈ホテルに宿泊したのもこのためであった。
昭和11年開業のクラシックホテル。ここの売りはなんといってもゴルフ。
というより、このホテルは大倉財閥がゴルフを楽しむためにつくったもの。
したがって、ゴルフなんかには縁のない私が泊まることは、まず一生あるまいと思っていた。
しかし、ホテルが「日食鑑賞コース」として割安のプランをつくったのだ。
部屋からは東に面して見渡す海。水平線さえ見える。

さていよいよそのときだが・・・・・・空はどんよりとした雲に覆われ、雨さえ降ってきた。
テレビのニュースでは、各地で日食を楽しむ様子が流れている。悔しいことに、東京でさえ見えているというではないか。
わざわざ安からぬお金を使い、ここまで来たのに見られませんでした(思えば、これがこの日の前兆であった)。

ホテルをチェックアウトして熱海に。MOA美術館へ。
3月から連続3ヶ月の岩佐又兵衛絵巻物公開も、いよいよ最後の『堀江物語』。
同作には、不揃いの3巻分が残されているのだが、どうやらそちらがオリジナルに近いらしく、MOAのはそれを縮約した模本らしい。
確かに、先の『山中常盤』『浄瑠璃』に比べ、イマイチ過激さに欠け、また連続した場面なのに部屋の調度や服が変わっていても、それに注意をはらっていない気がした。
おそらくこれは分業作業によるせいではなかろうか。
それでも長年公開の機会をうかがっていた3本を今年度前半で全巻目にすることができたのは僥倖であった。
これとボストンン美術館展、千葉の蕭白展前後期に行けただけでも、本年は実り多い年といえよう。

このあと、わざわざ遠方まで行かなくてはならない展覧会といえば、11月に高知で開催される絵金だ。
高知県立美術館と香美市立美術館の2箇所で展覧会が開催される。
これに行けば、この土佐の血みどろ芝居絵のほぼ全貌がわかるのではないかと思われるので、飛行機乗ってでも行くつもりだ。

MOA美術館のあとは、伊豆山神社など熱海を少しぶらついて帰ることにする。

しかし・・・・・・このあと、事情を説明するのは面倒だし意味もないのでしないが、私は家にも入れず、誕生日の夕食を一人ファミレスで済ませ、ハチ公のように家人の帰りを駅前で夜10時半まで待つことになったのだ。
それもこれも「良かれと思ってしたことが裏目となった」ことが重なって起きた不幸のため。
最低の誕生日であった。

5月27日
鎌倉へ。鎌倉国宝館でこの日まで開催された「鎌倉の至宝」展を観るため。
鎌倉→横浜市美術館「マックス・エルンスト フィギュア×スケープ展」→そごう美術館「細見美術館 琳派・若冲と雅の世界」と回る。
近年、西洋美術より日本美術への関心のほうが強くなっていると感じている。
西洋美術は、当たり前の話だが、ヨーロッパで観たほうがはるかに凄い作品が揃っており、とくに中世〜ルネサンスという一番関心を引かれる時代のものは、日本で観られるものなど限られている。
というわけで、今回エルンストはどうしようか迷ったほどだ。
自分の中では「もうわかっているから」のような気持ちがあったことは否めない。
鎌倉国宝館、そごう美術館とも、行ってよかったと思える収穫はあった。しかし、一番〈感動〉したのは、躊躇したエルンストであった。
〈わかっている〉とか、そういうものではない、アートによる感動があったのだ。
思えば、数年前、東京芸術大学美術館の「シャガール展」のときも、〈わかっている〉つもりのシャガールの作品を前にして、涙ぐむように感動してしまった。
日ごろ、本にしても映画にしても展覧会にしても、もはやルーティンワークと化しており、もちろんそのときそのときで、良いものをみれば「いいなぁ」と思いはするのだが、
結局は優劣を判断しては、頭の中にファイリングすることを繰り返しているのだろう。
先に五来重『石の宗教』で感じた、仏像を美術的な優劣だけで判断して、劣る道祖神には目もくれなくなる罠。

なにはともあれ、先週の不運より「どうせ俺なんて・・・」的に落ち込んでいたのが随分救われたような気持ちになれた。


4760. 2012年05月14日 01時33分48秒  投稿:かわぐち 
4月29日
府中市美術館「三都画家くらべ」後期へ。
さすがに半月前の記憶はあやしい。後期で最も個性的で魅了するのはやはり、祇園井特であろう。
このなんともいえない妖しさ、ただものではない。三畠上龍という、少し似た画家も今回の発見であった。
月岡雪鼎はこれまでノーマークであった画家。この人も気になる。なんと芳年の父親であったのか。
なお同館では9月12日から11月11日まで「ポール・デルヴォー展」が開催予定。

5月4日
砂時計さん上京歓迎オフ。ここ数年間ではネット関係の唯一の集まりになってしまった感がある。
中華&珈琲とも私が店を決めたのであるが、個人的には両方満足。
砂時計さん以外はカラオケ好きというわけではなさそうなので、ただただ話をするだけで終了。
最近はすっかり小説離れなので、話題が提供できない。
このところミュージックプレーヤーですっかり覚えた戦隊モノ主題歌が歌えなかったことが残念と思っていたことは内緒である。

5月5日
立川へ。「都市を描く−京都と江戸−」第2部「江戸名所と風俗画」を観るために国文学研究資料館へ。
うう、一番観たかった「江戸図屏風」(国立民俗博物館)は前期だけの展示であったのか・・・・・・。
みんぱくの京都編と比べると、地味な刊本の出典が多く、思ったよりはあっさりと終わってしまった。
しかし、こんな地味な展示、それも立川のはずれ、せいぜい3人くらいの人出だろうと思っていたら、結構な賑わいであったのに驚かされる。
ついでにこれまで存在も知らなかった「南極・北極科学館」へ。
ここがまた相当の人出。みんな、なんでこんなとこ知ってるんだ?
展示が予想を超えて充実していたのにもビックリ。南極の氷や隕石に直に触れることもでき、なるほど、これは親子連れで楽しめるわい。

5月8日
仕事の前に国立東京博物館へ。
月に一度の常設チェック。今回は新しく国宝・重要文化財認定されたものの特集展示がある。
こういってはなんだけど、これまで認定されていなかったものだから、当然、先に認定済みのものに比べると「これはすごい!」といえるほどのものではない気がする。
しかし、こうしたものをまとめて観られるチャンスはありがたい(終了後はそれぞれの所蔵者に返却)。
仏像室の深沙像(教応護国寺)がすごい! 屏風コーナーには等伯。仏画がまた、ボストン美術館展に負けじと思ったのか、優品が並ぶ。
「北野天神絵巻」も必見。

5月12日
千葉へ。千葉市美術館「蕭白ショック!!」後期を観るため。
前期・後期合わせると蕭白のみで61点。ボストン美術館展に11点来ているので、計72点を観ることができたわけだ。
展覧会は、前期よりも後期のほうが蕭白の魅力がわかりやすいのでは。後期だけでも観てない人には薦めたくなる。
もうなんというか、蕭白のアドレナリンが大放出という感じだ。
いつも思うことだが千葉は遠い。しかし、たいていは来てよかったと思わせてくれる。
今回も「たいていは一度は観た作品だから」とも思いはしたのだが、やはり行って正解であった。
代表作「群仙図屏風」など5回目くらいの鑑賞だが、今回もその異様な迫力に感動してきた。
次回の英泉展の前売り券も買う。これで絶対に行くことになるだろうと、自己縛り。

その後は成田へ足を延ばす。他になにがあるのか知らないが、目的は当然成田山だ。
ここへは2001年に来ている。そのときは、日本のバロックともいえる極彩色の塔が目当てであった(「芸術新潮」特集「江戸の奇態美」でも紹介)。
しかし、今回は別の目的があった。ここの釈迦堂にはあの「五百羅漢図」の狩野一信の絵をもとにつくられたレリーフがあることを知ったからだ。
レリーフは、あの増上寺の「五百羅漢図」の奔放・奇抜さに敵うべくもないが、よく見ると妖しい、いわくありげな人相の羅漢様がずらり。
例の「顔びろ〜ん」や「お腹パックリ」のモチーフもあって嬉しくなる。

5月13日
静嘉堂文庫美術館「東洋絵画の精華 日本絵画コレクション」へ。
今回の目玉はなんといっても、「ボストン美術館展」&東京国立博物館・国宝室と並び「平治物語絵巻」が出品されていることであろう。
この3本が現存するすべてなのだ。しかし、静嘉堂の展示は3回に分けて巻き替えが行われる。結局、3回も足を運ばなければすべてを観ることはできないのだ。
そこまでするだけの気力はないので、最後の部分だけを観てきた。一度に広げられるだけのスペースがないとは思えないのだが。
それ以外の展示もなかなかではある。点数は少ないので疲れずに鑑賞できる。
「四条河原遊楽図屏風」は当時の見世物の風俗を描写したもので、非常に興味深く見ることができた。

読了本
山折哲雄『死の民俗学』(岩波現代文庫)
ガスケ『セザンヌ』(岩波文庫)
『益田勝実の仕事1 説話文学と絵巻』(ちくま学芸文庫)
ステファヌ・オードギー『モンスターの歴史』(創元社・知の再発見叢書) 原著買ったのに読めないまま翻訳本
中田勝康『重森三玲庭園の全貌』(学芸出版社)
『益田勝実の仕事2 火山列島の思想』(ちくま学芸文庫)
『益田勝実の仕事3 記紀歌謡』(ちくま学芸文庫)

購入本
『完本 石井輝男映画魂』(ワイズ出版映画文庫) こんな本が! たまたま目に付いたからよかったものの、見逃しそうだ。
Masako Watanabe- STORYTELLING IN JAPANESE ART (The Metropolitan Museum of Art) 昨年11月から5月6日までメトロポリタン美術館で開催されていた日本の絵巻物展図録。
4759. 2012年04月27日 00時26分17秒  投稿:かわぐち 
4月21日
根津美術館「KORIN展」へ。
尾形光琳の杜若図2点−根津美術館所蔵(国宝)「燕子花図」とメトロポリタン美術館所蔵「八橋図」−が並ぶという、待望の展覧会。
昨年開催の予定だったのが、震災で1年間延びていたのだ。
いまさら何をかいわんというほど、圧倒的な存在感。
しかし、予期していなかった酒井抱一「青楓朱楓図屏風」に驚かされた。
根津美術館は庭が見事なことでも有名。涼しくて快適な休日のひととき。
常設がまたすばらしい。

歩いて六本木に向かう。国立新美術館の「セザンヌ展」を観るつもりで前まで行ったが、入場待ちこそなかったものの、次々と人が入り口に吸い込まれていく。
これは金曜夜など他日を期することにして、サントリー美術館「毛利家の至宝展」へ。
雪舟「山水長巻」が呼び物となっているが、どうしてどうして、他の出品物も見応えあります。
「山水長巻」は、一度目は細かく凝視。その後二度観て、別の展示へ。下の階へ降りる前にもう一度と思い、結局さらに3回。
これまで良さがイマイチわからなかったが、これはやはり凄いや。
色彩もいいし、雪舟といえば黒云々いわれるが、私には、白い部分がかえって気に入った。霧が立ち込める海と山の境目に魅力を感じ、舟の櫓の音が聞こえてくるよう。

夜間開館あるのでセザンヌに行けないこともなかったのだが、体力と足の限界を感じて帰宅。

4月24日
仕事が意外なほど早く終わった。おお、セザンヌ行けるじゃん!と思ったら、国立新美術館は火曜休館。
では、と向かったのは国立科学博物館。「インカ展」が開催中。
平日の昼間だというのに、結構な人出。これで休みならどうなっているんだか。
ちなみにリピートパスを持っていると、入場料は800円。
展示はまあはずれなしの面白さ。数年前の「マヤ・アステカ・インカ展」ほどのインパクトはなかったけど。
やはり私はアステカ→マヤ→インカの順で好きだなあ。
話題にもなっているが、シアターの3D映像は確かに凄い。これを観ずしては帰れません。
その後、地球館を楽しむ。

4月26日
火曜で予測はついたが、やはり今日も仕事は早めに終了(念のため言っておくが、会社員と違って早く終わればそれだけギャラは減るので、決して喜んでばかりもいられない)。
今日こそはと思い、国立新美術館「セザンヌ展」へ。
正直なところ、セザンヌについては〈わかった〉気になって、今回の展覧会も特に期待していたわけではない。
セザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、マネ・・・・・・こうしたメンバーは絶えず展覧会が開催されており、また海外のみならず、日本国内でも観る機会はざらにあるからだ。
しかし、現物を前にするとやはり来てよかったと思わずにいられない。
印刷では再現不可能な色と筆遣い。こちらも「インカ展」同様、平日の昼間だというのにかなりの集客数。
国立新美術館では「エルミタージュ美術館展」も開催中だが、さすがにそこまでの余裕はない。

読了本
五来重『石の宗教』(講談社学術文庫)
黒田日出男『吉備大臣入唐絵巻の謎 』(小学館)
黒田日出男『謎解き洛中洛外図』(岩波新書)
メーテルリンク他『室内』(国書刊行会・フランス世紀末文学叢書)
田中淳一他訳『詞華集』(国書刊行会・フランス世紀末文学叢書)
曽根元吉編『評論・随筆集』(国書刊行会・フランス世紀末文学叢書)

フランス世紀末文学叢書はこれで全巻読了できた。全集・シリーズものはひとつ読み通すと、憑き物がおちるようで嬉しい。
レニエにここまで惹かれるとは思わなかった。モーリス・ロリナの詩がもう少し読みたい。

今回、一番考えさせられたのは五来重の本。
ショックであったのは、いつのまにか〈美術〉としての物差しでしか仏像等を見られなくなっていたことに気づかされた点だ。
当然、これらはまず〈信仰〉あってのものであり、そこには〈救い〉を求める心があったはず。
それを〈美術的に優れた作品ではない〉という理由でいつのまにか気にも留めなくなっていたものがずいぶんあるのではないか。
そんなことを考えてしまった。
4758. 2012年04月18日 01時10分37秒  投稿:かわぐち 
読了本
H・ルベル『ニキーナ』
G・ダリアン『泥棒』
G・ロデンバック『死都ブルージュ/霧の紡車』
R・ド・グールモン『仮面の書』(以上国書刊行会・フランス世紀末文学叢書)
所功『伊勢神宮』(講談社学術文庫)
五来重『高野聖』(角川ソフィア文庫)
和歌森太郎『神と仏の間』(講談社学術文庫)

五来重『高野聖』は名著といわれながらも恥ずかしながら未読であった本。昨年角川ソフィア文庫に入っていたことを知らなかった。
網野善彦や阿部勤也により日本でも「常民史」(それまで「歴史」といえば権力者のつくりあげてきたものが中心であったものを、名もない庶民の生活を解き明かすことで探る方法)
が定着した感があるが、五来氏の本では宗教における「常民史」といえるかもしれない。
つまり名僧・高僧のつくりあげてきた宗教史に対して、勧進などでその活動を支えてきた「俗僧」に焦点を当てたといえよう。

こうした本が文庫になっていることを〈発見〉したときは、なぜかうれしくなる。
「こんな本が出てたよ、知ってた?」というのは、本好きならつい言いたくなる言葉だが、単行本だと値段もそれなりにするし、長い出版史で出た本を知り尽くすことなぞ、最初から不可能。
文庫化というのは、もっと広く気軽に言えるし、なにより文庫ファンは多いのでは。
私にしても、もっと人から「こんな文庫があるの知ってた?」と教えてもらいたい気持ちは強い。

購入本
Marcello Toffanello- Cosme Tura (GUINTI, Art Dossier)
気にはなりつつも日本で画集が出ていないのはないかと思われるコスメ・トゥーラの本。
安かったが、それもそのはず。50頁の、日本でいえば「週刊グレート・アーティスツ」のようなものかも。
しかし、当たり前だが図版は豊富で、巻末の他の刊行画家の名前を見ると、「え!こんな画家のも出ているんだ」と、欲しくなるものがいっぱい。
残念ながらイタリア語なんで、図を見て楽しむ程度なんだけど・・・。

IN MORBID COLOURS: Art and the Idea of Decadence in the Bohemian Lands 1880-1914 (Arbor vitae, 2009)
プラハで開かれたデカダンス美術展覧会の図録。特徴はサブタイトルにも見えるとおり、ボヘミア地方の画家の作品であるということ。
世紀末デカダンスといえば、まずはウィーン、ドイツ、さらにはフランス、イギリスといったあたりの画家なら何人も挙げられるのではなかろうか。
しかし、それ以外の国となると・・・私はわからない。
大冊400頁には、これまで知らなかった画家の作品がほとんどで、有名どころは図版も小さく添え物程度。
図版をアップできないのが本当に残念だが、退廃的な妖しい幻想画が多く含まれている。
Richard Teschner, Frantisek Drtikol, August Bromse などの名前をグーグルの画像でご覧ください。

購入DVD
Tatsumi Hijikata SUMMER STORM: The Final Performance BUTOH
60年代、暗黒舞踏の創生者として活動を始めた土方巽。本DVDはその舞踏を映像として収めたもの。
私は舞台に間に合わなかったことをいまだに悔やんでいる。「ぴあ」誌で公演があるのを知り行こうかと思ったが、最終日の前日であり、「次回にしよう」と思って行かなかった。
そして、それが土方最期の公演となってしまったのだ・・・。
実際に見ると、かなりグロテスクな面があり、妖しくも生理的にきつい人もいるのではなかろうか。
ともあれ、こうした貴重な映像が自宅で見られるのだから嬉しい。
本DVDはアメリカで出されたもの。amazon.co.jpで購入可能。1600円前後。
これは言わずもがなだとは思うが、「恐怖奇形人間」で奇形を作る父親が土方巽ですから。

[NAGAYA v3.13/N90201]