黒猫荘
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乱読の部屋(ネコソギって!)
オーナー:きっし〜
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63. 2002年07月18日 01時40分45秒
投稿:きっし〜
台風一過、今日は晴天かと思ったら、意外や意外。
昼に雨が降って参りました。。。
さて、昨日読了本を。。。
ミステリーでは無いので興味ない人は無視してくださいな。
『鬼の武蔵』志津三郎氏(光文社文庫)
久し振りの時代小説。しかも題材は武蔵と小次郎。その因縁を鬼一族(といっても
普通に想像する鬼という意味ではないです。)と「六韜三略」という秘伝書に持って
きているのですが、いやはや、久し振りに最低の気分を味わされてしまいました。
この内容ならば普通に伝奇的に小説として書けばいいのに、歴史書のような形を
取り、しかも文章が乗ってきてかと思うと、読者に対しての妙な語りかけがあり、
興を削ぎます。
特に許せないのは、先人達や伝承の気に入らない点(というかこの小説の流れに
合わない部分)は徹底的におかしいと叩いており、倣岸なその手法にあきれはてて
しまいました。
その割に武蔵は宿命というかまるで一族の傀儡のようにしか動いておらず、武蔵の
心も性格も何も表現しておらず、根本の「六韜三略」も世を動かす、あるいは権力の
基盤となりうるとしているくせに、その内容の説明を読むと、全く大したこともなく、
結局この秘伝書によって成功した大人物が全く見受けられないし、最終的に手に入れた
武蔵側もどうするでもなく。。。という全く一本の筋すら通っていない作品でした。
まじめにこの作品を楽しめる人っているのでしょうか?この作家は何を書きたかった
のでしょうか?来年のNHK大河に武蔵が決まったので、鬼一族や「六韜三略」という
思いつきに合わせて書いてしまったのではないかな?と思ってしまいました。
微妙に史実と合わせようとしたり、合わない部分を攻めるような無駄なこともしないで、
この筋を膨らませた上で、不要なコメントや説明を抜いて文章をスリム化すれば、きっと
もっと良い作品なったはずだと思います。
まあ、読者の勝手な言い分の領域を越えてしまっているかもしれませんが、久し振りに
読書をしながら、ムカついてしまいました。
62. 2002年07月15日 23時40分24秒
投稿:きっし〜
あ、暑い。。。暑すぎる。。。。
さ、早速、読了本をやっつけちまいましょう。
まずは一昨日の読了本。
『月の影 影の海(下)十二国記』小野不由美嬢(講談社文庫)
上巻から続けて一挙に読み終えました。上巻ではまだまだ何のことか分からなかった事が
下巻になって(しかもラストに近付いて)一挙に解明されていきました。
十二国のほんの3国だけの話ではあるのですが、十二国の世界観を知るには丁度良い作品
だったと思います。でも、主人公の陽子の成長、自覚の旅の話であったのが、最後の方に
なって、急遽歴史書のような事実の羅列になって終わったのは、少し残念でした。
名前だけ出てきて、どういうつもりでその行動を起こしていたのかが気になる舒栄や、
大きな役割なのに少しだけ幻影の中で自分の意志を述べただけの塙王をもっと掘り下げて
欲しかったと思います。もしかしたら、後に続く作品にそのあたりが出てくるのかも
しれませんが。。。
お次は昨日、読了本。
『樒/榁』殊能将之氏(講談社ノベルス)
登場人物はかなり嬉しいです。これまで3作の名探偵、石動戯作と前作に出てきた過去の
名探偵、水城優臣。競演とは言いませんが、まあすれ違い程度はあったので、何故か
嬉しく思ってしまいました。
この作品を読む前に、前作の『鏡の中は日曜日』を読むべきだと思いますが、それにしても
石動探偵よりも水城探偵の方が上だなと思ってしまいました、今回も。
さて、これは密室本なのですが、トリック的にはまあ不満かな。どこかで使われた手だと
思いますが、そんなことは気にせず、ニヤリとできる箇所が多くあるので、それを楽しめる
作品だと思います。満足、満足。
ただ不満なのは、本の帯や裏表紙のコメントです。確かに内容に嘘はないと思うのですが、
中身の雰囲気と全く違う。。。実際、これまでの作品と同様、重い雰囲気を出しているかの
ようになっていますが、そうではありません。内容がこれまでの作品と毛色が違うのは、
当たり前の話だと思いますし(逆に同様の事件にばかり遭う探偵も変ですよね。)、そこに
不満はないのですが、本を購入するのに参考になる部分が中身を正直に表現していないのは
いただけないと思います。このあたりは発行側に責任があると思います。
61. 2002年07月13日 01時25分51秒
投稿:きっし〜
昨日読了本。
『月の影 影の海(上)十二国記』小野不由美(講談社文庫)
別世界である十二国を舞台に、妖魔なんかも出てくる中国的な伝奇ファンタジーである
十二国シリーズの第一作目の上巻です。まだ下巻を読み終えていないので、謎の部分も多く、
感想も書ききれません。今のところは、主人公の陽子が現実世界から別世界に連れ込まれて
戸惑いながらも旅をしてタフになっていく過程が書かれており、あまり妖魔との戦いや、
緊迫したシーンは少ないので、今ひとつ物足りない気はしています。
しかしながらこれから下巻で色々な事が判明してくるのでしょうから楽しみにしています。
確かにティーン向けの作品の内容だと思いますが、まだ一作目だからでしょうかね。
60. 2002年07月10日 23時35分34秒
投稿:きっし〜
まだらのひもさん
>「ドラキュラ」なんですラヴクラフトの・・・「少年少女世界不思議・怖い話」のはず
なのに挿絵が健全なる少年少女がうなされそうなほど(笑)グログロだったのを覚えて
いまして、最近図書室で再発見。
う〜ん。ラヴクラフトのドラキュラって何?知らないぞぉ〜。ブラム・ストーカーの原作では
ないやつなのかな?確かにドラキュラは城が舞台でしたねぇ。
本日の読了本。
『奇巖城』モーリス・ルブラン(創元推理文庫)
当たり前のことながら、アルセーヌ・リュパンもの。だから純粋な推理小説ではありません。
でも、この話は一種、歴史ミステリーではあります。ルイ十四世以降見つからなかった
エギュイーユ城を探す事がメインの謎解きなのですが、ここで注目!リュパンの敵役が
ガニマール警部やホームズではなく、高校生のイジドール・ボートルレなのであります。
しかもかなりの線までリュパンを追い詰めるのですよ!これが!!でも一方で、ホームズの
ポジションがかなり許せないほど良くない。さすがにホームズをここまで貶めるのは、
いかがなものかと思います。
また、リュパンの性格や言動が、今回はあまり好きになれないですね。まあリュパンに
とっては哀しい物語ではあるので同情はしますが、その原因となる人間を考えると。。。
しかし、他のリュパンシリーズにこのボートレルほどの人物が出ていないと思うのですが、
何故でしょう?
[NAGAYA v3.13/N90201]