黒猫荘
(mobile版)

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カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真

(OPEN:1999年7月19日)

「白梅軒」へようこそ。

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4769. 2012年09月03日 01時02分56秒  投稿:かわぐち 
細々と続けている日常雑記であるが、溜まるとなかなか苦しい。
こうしていつしか止めてしまうのであろうか。
ひとまず今日までのことを箇条書きだけでもしておこうと思います。

7月24日 東急文化村にて「クライドルフ展」。

7月27日 東京国立近代美術館にて「吉川霊華展」。

7月28日 早稲田大学大隈講堂にて「歴博フォーラム 河童とはなにか」。その前に坪内博士記念演劇博物館、 會津八一記念博物館見学。
これで早稲田大学近代建築はひととおり押さえられた(校舎も味のある建物多いんですけどね)。

8月4日 江戸東京博物館にて「二条城展」。

8月7日 江東区森下文化センターにて「杉浦茂のとと?展」

8月10日 東急文化村にて「レーピン展」。

8月11日 東京藝術大学美術館にて「契丹展」、都立美術館にて「東京都立美術館ものがたり」、東京国立博物館常設展。

8月15日 三の丸尚蔵館にて「珍品ものがたり」。

8月17日 銀座松屋にて「タツノコプロテン」。

8月19日 約25年ぶりに全生庵にて「円朝幽霊画コレクション」。

8月24〜27日 大阪・和歌山旅行。以下はツイッターの再利用。

大阪では1日目は「大阪周遊パス」を使い、大阪城・歴史博物館・四天王寺・市立美術館・天然温泉なにわの湯・空中庭園と忙しく回ってきた。これだけ回り、交通費もすべてコミで2000円は安い。
2日目は、住友大社・綿業会館・東洋陶磁美術館・中之島公会堂・中之島図書館・日本銀行・大阪倶楽部・大阪ガスビルなど建築巡り。炎天下の中、よく倒れなかったと我ながら思う。先にツイートした学天則も嬉しい対面。
3日目は大念仏寺の後はレンタカーで寺巡り。観心寺・金剛寺・根来寺・そして高野山へ。私は後部座席でタバコをくゆらせては連れて行ってもらうだけのお大名。まるで澁澤龍彦スタイルだね。この日は宿坊泊。
最後の4日目は、高野山見学の後、丹生都比売(にうつひめ)神社・善福院・長保寺・紀三井寺。高野山の金剛三昧院の多宝塔が改修中で残念。これさえなければ和歌山県の国宝建造物が制覇できたのに。
大阪では1軒の古本屋にも寄っていない!自分でも信じられないくらいだ。

9月2日 世田谷美術館「村山知義の宇宙展」、横浜高島屋「ルパン三世展」、松濤美術館「藤田嗣治と愛書都市パリ展」。


ひとことずつくらいはコメントつけたいのになぁ・・・・・・。

読了本
吉野裕子『山の神』(講談社学術文庫)
フンボルト『自然の諸相』(ちくま学芸文庫)
『大下宇陀児探偵小説選I』(論創社)
『横溝正史探偵小説選I』(論創社)
『宮原龍雄探偵小説選』(論創社)
前川道介『愉しいビーダーマイヤー』(国書刊行会)
横山泰子『妖怪手品の時代』(青弓社)
トレヴァー・ノートン『世にも奇妙な人体実験の歴史』(文藝春秋)
『守友恒探偵小説選』(論創社)
前川道介『アブラカダブラ奇術の世界』(白水社)
ジム・ステインメイヤー『ゾウを消せ 天才マジシャンたちの黄金時代』(河出書房新社)
レオ・ペルッツ『夜毎に石の橋の下で』(国書刊行会)
佐伯泰英『惜櫟荘だより』(岩波書店)
『大阪圭吉探偵小説選』(論創社)
『延原謙探偵小説選』(論創社)

購入本
Dawn Jacobson- CHINOISERIE (PHAIDON, 1993)
Michael Sappol- HIDDEN TREASURE: The National Library of Medicine (Blast Book, 2012)
今森光彦『好奇心の部屋デロール』(福音館・たくさんのふしぎ傑作集)

次回はもう少しきちんと書きます。

4768. 2012年07月21日 21時59分13秒  投稿:かわぐち 
7月20日
仕事帰りに国立西洋美術館「ベルリン国立美術館展」へ。
「学べるヨーロッパ美術400年」なんて副題が付いているけど、これで美術史概観はなんぼなんでも無理だろう。
しかし、展示自体は渋い名品が並ぶ、私個人としては「マウリッツハイス美術館展」よりもはるかに満足のいくものであった。
観客もそれほど多くはないし、なんといっても鑑賞マナーが大違い。
久々によい気分で美術館鑑賞ができた気がする。
リーメンシュナイダーはやはりよかったし、イグナーツ・エルハーフェンの細妙な彫刻は目を疑うほどすばらしい。
ジャン=アントワーヌ・ウードンといった、これまで未知であった作品の紹介も楽しめた。
素描コーナーも印象深いものでした。ミケランジェロはやっぱりさすがとしか言いようがない。

読了本
山折哲雄『仏教民俗学』(講談社学術文庫)
アルベルトゥス・マグヌス『鉱物論』(朝倉書店)
堀江あき子『怪獣博士!大伴昌司「大図解」画報』(河出書房新社)
五味文彦『後鳥羽上皇』(角川選書)

Stephen D. Korshak (ed.)- A Hannes Bok Showcase (Charles F. Miller Pub.,1995)
アメリカパルプマガジンのイラストレーター・ハネス・ボクの画集。
カラー図版は8点しかないが、状態も良く、満足できる買い物ではあった。
9月のHannes Bok: A Life in Illustrationが楽しみだ。
しかし、この本、アメリカamazonマーケットプレイスに注文したのは5月。
まさか2ヶ月もいまどき郵送にかかるとは(フランス・ポストで送られてきた)。
4767. 2012年07月16日 15時46分12秒  投稿:かわぐち 
7月13日
福岡へ。あいにくの雨(これがすごい災害になる)。
今回の旅行のきっかけとなった福岡市博物館で開催中の「幽霊・妖怪画大全集」へ。
日本画家吉川観方のコレクションが中心であるが、これを知ったのは1997年発行の別冊太陽『幽霊の正体』であった。
その後、2001年の国立歴史民俗博物館「異界万華鏡」で一部を観る。
そして、今回、その全貌がこの展覧会で知ることができると思ったのだが・・・・・・。
なんと吉川コレクションの総計は約12000点、今回はそのうち160点の出品だという。
もちろん、厳選された見応えのある作品なんだろうが、「全貌」とはまだまだいかないようだ。
現にみんぱくに出品されていて、最も印象に残った月岡芳年「幽霊図」がない。
女陰のような顔の幽霊で、見忘れるべくもない強烈な作品だ。

ともかく、状態の良い、もちろん質の高い幽霊肉筆画をこれでもかというほど堪能。
さらに、妖怪図の決定版ともいえる佐脇嵩之「百怪図巻」を一気に見せる。

このあと、大阪、横浜にも巡回するが(今回の旅行は知らずに予約をいれてしまった)、
そのことを忘れれば、福岡まで観に来てよかったと思わずにはいられない。
今年は約25年ぶりに谷中の全生庵の円朝コレクションにも出掛けよう。
そして、先の『幽霊の正体』で知った大阪・大念仏寺の幽霊画公開にも行くつもりだ。

会場では図録はもちろん、絵葉書、若冲「付喪神」日本てぬぐい、観芳幽霊画うちわ、妖怪カルタと買ってしまった。
うちわ、いいですよ〜。

その後、雨が降りしきる中、福岡市文学館へ。
辰野金吾による煉瓦建築。
ここで2003年に開催された「福岡ミステリー案内 赤煉瓦館事件簿」を購入。
ミステリと福岡市の関係を作家別紹介、都市論、実在事件とそれを題材にした作品など多方面な切り口で紹介。
「警察管区別」という視点はこれまでに見たことがない気がする(東京ならあるかな?)
ちょっと長いが、目次を引用

はじめに
総論
警察管区別事件簿
座談会 夏樹静子の登場と福岡の文壇状況
福岡ゆかりのミステリー作家/作品紹介
 夏樹静子 石沢英太郎 中村光至 杉本章子 白石一郎 大下宇陀児
 多岐川恭 渡辺啓助 大西巨人 花田清輝 加田伶太郎 久丸修
 原寮(ウ冠なし) 赤川次郎 野阿梓 乙一 夢野久作
コラム 私の夢野久作体験 友成純一
    二人のミステリー翻訳家〜中村能三と田中小実昌
インタビュー 乙一
都市
事件
 イルマ殺し 黒焦げ死体事件 吉塚駅ふとん包み死体事件
 広域指定105号事件 保険金替玉殺人事件 ホテル「月光苑」放火殺人事件
関連作家一覧
著書年譜

著書年譜は年代順に収録作品まで網羅したすごいもの。
網羅性・正確性はどこまでのものなのか、私には判断ができないが、よくもここまでと思う。

7月14日
大宰府→九州国立博物館へ。「美のワンダーランド 十五人の京絵師」開催中。
九州国立博物館は、評価が微妙。他館所蔵のものが目立つ。少なくとも、こんな場所では仕事帰りに立ち寄ることはできないわなぁ。

雨はまさに土砂降り。このあとは端折るが、仕事のため帰る家人と別れて、私一人、小倉へ向かう。
小倉には松本清張記念館があるのだが、それほど強い思いいれもないため、今回はパス。

7月15日
ようやく雨も上がり、この日は建築三昧。
門司港→下関→さらに博多に戻り九州大学建築群→旧福岡県公会堂貴賓館と、近代建築を回る。
食事する時間も取らず回ったおかげで、約20個の建築見学ができた。
朝は前日に買っておいたコンビニパン、夕方、やはりコンビニで買ったおにぎりを地下鉄待ちの時間で取る強行軍。
家人がいたら、列火のように怒るだろう。私一人だからできたこと。
こうして無事に帰ってきたものの、足は豆ができ、日焼けで首や腕は火ぶくれ状態です。

事前に調べておいた福岡県古本屋にまるで行かず。人間、変われば変わるものだ。

読了本
西桂『日本の庭園文化』(学芸出版社)
クリス・ボルディック選『ゴシック短編小説集』(春風社)
中村喜和編訳『ロシア中世物語集』(筑摩叢書)
ランペドゥーザ/A・フランス/メリメ『南欧怪談三題』(未来社・転換期を読む14)
 ランペドゥーサ、フランスはともかく、メリメがいまさら「イールのヴィーナス」とは・・・。
 もちろん傑作なんだけど、もう少しレア作品にしてほしいよ。
那谷敏郎『「魔」の世界』(講談社学術文庫)

購入は図録類以外はなし。
Riner Michael Mason- KURT SELIGMANN OEuvre Grave
 日本では『魔法』の著者としてのみ知られる(この本自体はオカルティズムの超基本図書)セリグマンだが、
本来はシュルレアリスムの画家である。本書は1982年ジュネーヴで開催の版画展図録。
セリグマンの絵はこれまで何点か観た機会はあるのだが、絵葉書として売られることもなく、まとめて観る機会はないものかと思っていた。
本書は版画作品の本なので、カラー図版はなし。まだまだ絵画作品を観るために本を探し続けなくてはならないようだ。
4766. 2012年07月16日 15時45分03秒  投稿:かわぐち 
7月5日
都立美術館「マウリッツハイス美術館展」へ。
平日16時の段階で入場制限! 10分くらいの待ちではあったが、会場内はすごい人、人、人。
デン・ハーグの美術館が改装休館のため、フェルメールをはじめとした名品が来日との触れ込み。
正直、私は行かなくてもよかった気がしてならない。
レンブラントは確かにすばらしい作品がきているのだが、レンブラントは点数が多いだけに来日の機会も、国内所蔵作品も多い。
17世紀以降のオランダ絵画は、旅行の際、見飽きるほどの点数を見ており、特に今回新たな発見があったわけでもない。
そして、フェルメールの例の絵は、5時も過ぎると列が短くなり、並んでいるのも20人ほど。
で、前に立ち鑑賞していると(この間せいぜい2〜3分)、「早く動け!待ってるんだぞ!」と怒鳴られた。
これまで美術館でこんな無神経なことを言われたことがなかったのでビックリ。右も左も空いているのに。
会場内もやかましいし、こうした野次を口にする観客が来るだけでも、フェルメールなんて、正直来ないほうがいいや。
いっそのことフェルメール1点だけで開催し、オランダ絵画だけで別の展覧会にしてくれればよかったなあ。
(もちろんそれでは興行的に成り立たないのはわかっているけど)
コットンスカーフ付きのチケットが1500円であったので買ってしまったが、いっそチケットは誰かに1000円で売ってしまえばよかった。
その後、ツイッターで「よかった」「感動した」なんて発言見ると、荒んだ自分がますます嫌になってくる。

7月7日
弥生美術館「奇っ怪紳士!怪獣博士!大伴昌司の大図解 展」へ。
大伴の創造した少年誌グラビアの世界を満喫。例の怪獣図解の原稿(ラフ)を興味深く観る。
柳柊二、南村喬之、水氣隆義らの挿絵原画もある。
大伴がSFファンとして活動していたころの同人誌も貴重。
会場では絵葉書3種、クリアファイルを購入。どれも限定1000ということであるので、欲しい人は早めの来場がおすすめ。

その後は歩いて東京国立博物館へ。
1階は前回とそれほど展示替えはなかったが、2階の屏風絵のコーナーには尾形光琳、曾我蕭白が並ぶ。
そういえば、トーハクは140周年記念であり、毎月変わるスタンプラリーをやっている。
1月はそれに気づかず、2月から始めたものの、ようやく7月でスタンプが6個集まった。
先着3000名ということで心配していたが、まったくの杞憂で、20番目くらいで記念品をゲット。
「松林図屏風」の一筆箋とボールペンのセットでした。

7月12日
仕事がなくて休み。
この機会にと向かったのは、東京都現代美術館「特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」。
会場内は、東宝特撮映画をはじめとした小道具がずらり。
マニア感涙間違いなし、アドレナリン大放出状態で、それでも急ぎながら3時間半で観終えた。
もっとじっくり観たら5時間かかりそう。
途中飲み物飲んで休める場所もなく、坐れる場所もそれほどない。もちろんタバコは論外。
それでいて「再入場不可」というのでは、きつすぎるぞ。
今回の企画のために特撮の技をフル稼働してつくられた短編映画「巨神兵東京に現る」は必見。
ただし、私は「エヴァ」っぽいナレーション、ストーリーはちょっと抵抗が・・・。
そのメイキングは、特撮への愛が充満しており、すばらしい出来であった。
平日なのに人はいっぱい。これで休みの日となったら、どんなんだろう。
先のマウリッツハイスは、人混みの中、出掛けるほどのものかと思ったが、こちらはそれでも満足。
(私がアートよりも特撮の人間だからでしょうけど)
コアな特撮ファンなら、上京するだけの価値があると思う。
こんな展覧会(例えばBOB BURNSのコレクション展)の情報があれば、海外でも出掛けてしまいたい。

[NAGAYA v3.13/N90201]