黒猫荘
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THE TELL-TALE HUT
オーナー:庵本譚

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  37〜40件 
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179. 2005年03月23日 07時20分17秒  投稿:庵本譚 
庵主です。
昨日はディキンスンの「ガラス箱の蟻」を読んで、
ぶっとびました。<珠玉>という言葉がぴったりくる
作品でした。処女作からディキンスンはディキンスン
だったんですねえ。
取り急ぎレスのみ。

B&Wさん

>相変わらずのすさまじい読書量、感服です。
一年365冊ペースだけは守りたいと思っております。
まあ、ほら通勤時間が長いですから(泣)

>久生の「顎さん」は私も大好きな短編集であります。
おお!

>好きな作品は? と聞かれますと「遠島船」と月並みな答えに
>なってしまうのが悔しいですが。
これを読むまで遠島船がどんな格好しているのかも
知りませんでした。いや勉強になる小説です。

>樹下「プロムナード・タイム」は未所持未読ですが、
>出来はあまり芳しくないようですね。
私にとってはそうでした。
まあ、夫と妻に捧げる犯罪系のものにはそれなりの作品もあるのですが、
表題作を始めとするSFはいけません。
時代に取り残された作品群といった感じです。
多少なりともSFを齧っていると、耐え難いものがございます。

>樹下は、「サラリーマンの勲章」という短編集を偏愛しております。
>スチャラカリーマンの私ですが、なぜかこの短編集は気に入っております。
おお、そうなんだ。ミステリの味付けがされているのでしょうか?

またおこしくだされ。
178. 2005年03月23日 01時02分45秒  投稿:B&W 
庵主様

 相変わらずのすさまじい読書量、感服です。
 久生の「顎さん」は私も大好きな短編集であります。好きな作品は? と聞かれますと「遠島船」と月並みな答えになってしまうのが悔しいですが。
 樹下「プロムナード・タイム」は未所持未読ですが、出来はあまり芳しくないようですね。樹下は、「サラリーマンの勲章」という短編集を偏愛しております。スチャラカリーマンの私ですが、なぜかこの短編集は気に入っております。

 それでは。

177. 2005年03月22日 07時11分50秒  投稿:庵本譚 
庵主です。
以上、2月の読了本でした。
買った中でめぼしい古本

「妻のための嘘」ジョルジョ・シムノン(集英社:帯)2000円
「悪党パーカー/人狩り」リチャード・スターク(ポケミス:映画カバー)2000円
「探偵小説昔話」横溝正史全集18巻(講談社:月報欠け)100円

全然不調です。
ではまた。
176. 2005年03月22日 07時06分16秒  投稿:庵本譚 
2月28日「飛ぶ女」樹下太郎(東方社)

図書館で借りた樹下太郎三冊目。借りた中では、ベストでした。
窓から惑い、窓から窓へ、危険な不倫へ飛ぶ女。殺意が満ちた後、落ちていくのは誰?
「飛ぶ女」

資産家の御曹司に弄ばれた女二人。祝福の虚言の果てに恨みが滾り、罠が舞う
「岬にて」

純愛を胸に男は小さな栄達と小さなしあわせを掴む。神が仕掛けた死の瞬間まで
「ちょっぴりしあわせ」

何故、職場の三冠王は表彰式から逃げるのか?そこに待つハレと破滅の
「壇上」

地方出張所に赴任し前任者の不正を探る若手社員。木乃伊取りが毒の皿を食う
「素晴らしい夜」

男を手玉に取って来たBGに迫る殺しの魔手。貞操観念のない探偵の推理と逆襲を描く
「死んでください」

男女の機微を描かせると相当の力量であることが判る作品揃いです。
飛ぶのが怖かった「飛ぶ女」がふてぶてしさを増していく過程、
「ちょっぴりのしあわせ」で女が漏らす「お情けを」という言葉の重さ、
「素晴らしい夜」の終盤で開き直る悪女の啖呵、
「死んでください」のラストで、タフな筈の女の流す泪の深さ、
この持ち味を伸ばしていくと、結局、普通の通俗小説になってしまったんだなあ
と納得する事しきりでありました。

[NAGAYA v3.13/N90201]