黒猫荘
(mobile版)

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カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真
(OPEN:1999年7月19日)
「白梅軒」へようこそ。
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4774. 2013年09月10日 19時59分48秒
投稿:かわぐち
店主でございます。再開店したと思えば、またもや休業状態になり赤面のいたりでございます。近頃は屋台(twitter)のほうがメインになってしまい…。やはり簡便さ・テクノロジーには勝てません。大概ばれてしまったので明かしてしまうと、アカウントはCentaurus@GingaStationです。
カトリーヌ・ミエ『カトリーヌ・Mの正直な告白』(早川書房)読了。
フランスの美術雑誌『アート・プレス』の編集長の職にある女性が、その奔放な男性遍歴を赤裸々に記述し、大ベストセラーになった本。
私は正直、とても〈感動〉した。ポルノグラフィは「我々が当然のように考えている道徳に対して価値の転換を提示するファンタジーである」というのが私の持論だが、本書はまさに私なんかのつまらぬ世界観に転換を迫るものであった。
興味深いのは、著者の関係を持つ相手の選択である。いわゆる〈ヤリマン〉女性はナンパされたら応じるという印象があったが、著者は
・旅先や酒場で声を掛けられた相手と寝ることはまずない。
・乱交パーティーのようなものはいとわないが、それ以外では関係した相手の紹介、あるいは仕事関係と寝ることが多い。
私が男性だからか、日本人だからか、(まあこれが一番の理由だが)小心者だからか、仕事関係は異性関係を求めるには一番避けたいところなので、衝撃であった。
さて、本書は性描写はもちろんあるものの、それが下品ではない。いってしまえば〈実用〉とはほど遠いのだ。これは絶えず著者が自分のセックスを〈批評・観察〉する視線を持っているためであろう。ここで著者が雑誌編集長であるということを忘れてはならない。
批評とは、「自分がなぜそれに感動する(あるいはしない)のかを分析して言葉にするものが根本であると思う。著者は男性、セックスについて、自分がどうしてそれを感じて知るのか、どういうセックスは好ましい、あるいはその逆なのかを絶えず分析して記述する。
本書に比べると、たとえ女性が書いたといわれるポルノグラフィでさえ、登場人物が絵空事にみえてならない。
万人に薦められる本ではないだろうが、私は人間というものに関心があれば決して読んでソンはない名著だと感じた。
三島由紀夫は、澁澤龍彦『サド侯爵の生涯』書評で「これを教科書として採用する高校があったら、それは人間性について最もまじめな見地を持った学校として推賞できるのである」と書いたが、本書に対して私も同じ気持ちである。
4772. 2012年10月12日 01時36分37秒
投稿:かわぐち
ああ、すみません。まさか書き込みがあるとは思いもよらず(汗)、
9月30日ならまだそれほど間も空いてないじゃん、くらいに考えていました。
東映チャンネル、以前は確かに契約しておりましたが、いまはしてません。
「江戸川乱歩シリーズ 明智小五郎」を放送してくれたら直ちに契約と、
毎月「来月のラインアップ」をチェックしているんですけどね。
前回契約したのも、この放送があったからなんですが、ビデオで録画したため、
いまではテープはあるものの観られない状態です(涙)。
4771. 2012年09月30日 20時26分27秒
投稿:砂時計
こんばんは。
明日から東映チャンネルで「特捜最前線 傑作セレクション」が放映されますね(「2012」のほうはまあいいとして)。
店主さまはご覧になります?(たしか契約なさってたかと……)
第1話以外はすべて長坂秀佳脚本回で、それもテンションの高い話ばかり。
キカイダー伴直弥氏もゲスト出演する神代夏子死亡前後編、大滝秀治氏熱演の「死刑執行0秒前!」&「子供の消えた十字路」、怒涛の津上殉職前後編、そして終幕三部作。
もしよろしかったらこの機会に……。
4770. 2012年09月19日 01時20分05秒
投稿:かわぐち
9月9日
思い立ち新宿御苑へ。「旧洋館御休所」が第2・第4土曜のみの公開なので。
建築としては、同苑内にある旧御涼邸も見逃せない。
一度帰宅して、武蔵野美術大学へ。「博物図譜とデジタルアーカイヴV」。
同大学が所蔵する、旧荒俣宏蔵書を中心とした博物書が並ぶ展示。
5回目なのだが、先の4回が図書館の一角の展示スペースであったのに対し、
今回は美術館の1室を使用した大規模な展示であった。
先のイメージを持っていたので、すぐに見終わると思い出掛けたのが大誤算。
100冊になろうかという博物書がずらりと並ぶ展示に時間はあまりにも少なかった。
図録、クリアファイル、豆本、付箋を購入。
クリアファイルと付箋は、大好きな美しいエルンスト・ヘッケルのクラゲ図だ。
9月15日
三井記念美術館「近江路の神と仏 名宝展」へ。
東京で近江の宗教美術を観られる機会は滅多にない。本展のチラシでも「初」と謳っている。
期待して見に行ったのだが・・・う〜ん、これはというモノは、昨年の滋賀3館合同企画「神仏います近江」で観たものがほとんどだ。
わざわざ滋賀に行った甲斐はあったなと認識はできたが・・・。これを先に観ていなかったら、感動できたと思う。
しかし、点数は単独一館の企画なので仕方ないが、すべてがガラスケースの中とあっては、滋賀近代美術館でそれこそ息がかかるほど間近で眺められただけあって、
物足りなさを感じずにはいられない。
「マウリッツハイス展」もそうであったが、こうして徐々に贅沢な不感症になっていくのかもしれない。
続いて葛西臨界水族園へ。今回足を運んだのは、「“うをのぞき”から“葛西臨海水族園”まで」という特別展が目当て。
上野動物園の水族館から130周年を記念して行われる歴史展示。期間が9月15〜23日と短い。
水族園は3連休初日とあってすごい賑わい。友達もいない私はぼっち見学なので、明らかに場違いであった。
9月16日
府中市美術館「ポール・デルヴォー 夢をめぐる旅展」へ。
今回のデルヴォー展は、まだデルヴォーがその世界を確立していない青年期、そして最期に描かれた作品まで、画家の作歴が紹介されている点に特徴。
いわゆる誰もが思い描く「デルヴォー」とは違った面が観られるのは貴重だが、多くは「デルヴォー世界」に浸りたくて来るんじゃないのかな。
そうした観客は肩透かしを食らう可能性大。そういう意味ではマニアックな企画なのだが、驚くことにこれが姫路・埼玉・岡崎・秋田と巡回してしまうのだからわからないものだ。
読了本
『瀬下耽探偵小説選』(論創社)
『角田喜久雄探偵小説選』(論創社)
ジョセフ・ニーダム『ニーダム・コレクション』(ちくま学芸文庫)
『大下宇陀児探偵小説選II』(論創社)
小野不由美『残穢』(新潮社)
エドモント・ハミルトン『キャプテン・フューチャー全集11 鉄の神経お許しを他全短編』(創元SF文庫)
日夏耿之介・矢野目源一・城左門『巴里幻想譯詩集』(国書刊行会)
『ヘルメス叢書1 象形寓意図の書・賢者の術概要』(白水社)
キャプテン・フューチャーの本の解説で、海外では日本で観られないアニメがDVD化されていることを知る。
それもドイツ、フランス、イタリアで。ドイツは廃盤らしく、アマゾン中古でもまあまあの値段(それでも日本でリリースされると、きっとそれ以上の値段だろう)。
フランスも廃盤らしいが、それでもテレビ版全52話7枚組が45ユーロほどだ。日本語音声収録らしい。
私は、実はアニメはほとんど(1話しか)観ていないので思い入れはないのだが、原作のファンなので見たくなっているところ。
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