黒猫荘
(mobile版)

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幽霊だし。
オーナー:soka
<最近の読了本>
一週間に文庫本一冊程度という遅いペースの読了リスト。
漫画は小説の三倍は読むので入っていません。
書名をクリックすると、アマゾンかセブンアンドワイの紹介ページに飛びます飛びます。日本を印度に、しーてしまえ。
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64. 2005年03月15日 16時40分29秒
投稿:soka
溜まっていた感想を。三冊とも当たりでした。ほくほく。
「秋の花」(北村薫)
小さい頃からいつも一緒だった真理子と利恵。ある日、夜の学校で真理子が不可解な転落死を遂げてしまう。しかしこの話の核は謎解きではなくて、残された人たち、特に利恵の心の動きにあると思います。利恵が真理子との思い出を語るところ、「私」と正ちゃん江美ちゃんとの旅行、そしてラストの雨のシーンは、北村薫ってほんと季節(風景)の描写が上手いんだなぁと思いました。
【グッと来た文】
「絵が、小説が、詩が、焼けても消えても残る。舞台でも我々の芸でも、またこの世に生きている皆なの生活の中の、言葉でも動作でも、あるいは一瞬の表情一つでも、それが本当にいいものならば、どこかに永遠に残るような気がするのです」
「針がとぶ Goodbye porkpie hat」(吉田篤弘)
それぞれがちょっとずつ繋がっている短編集。謎も冒険もないけれど、想い浮かぶ風景がとても綺麗。表紙も素敵です。ああ、巧く紹介出来ないのが悔しい。
【グッと来た文】
坂道の途中/振り向いて/少しだけ海の見えるところを/探す
「撲殺天使ドクロちゃん 5」(おかゆまさき)
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ〜♪
桜くんを想うがゆえに、思わず彼を割とコンスタントにトゲ付バットでミンチにしてしまうドクロちゃん。今回は新キャラも登場、木工ボンド部の活動も見れる<文化祭編>を収録。
今巻の桜くんの撲殺数:七回。
【グッと来た文】
【一、開会の辞/オープニングセレモニー】
四校合同吹奏楽部&合唱部の演奏が終了した直後、体育館中央、円形ステージ上で篝火が燃え上がるのと同時に、柔道部員が投げ飛ばしたバスケット部員がダンクシュートを決めたボールを背中で受け止めた新体操部員にタックルをかましたレスリング部員を発射台とした器械体操部員が平行棒からマットへ着地する瞬間、剣道部員が真剣白羽取り。
『ルネッサンス!』『ルネッサ――――ンス!!』(※これは『文武両道競技会』期間中、「ブラボー!」「ゴージャス!」または「こんにちは」「いただきます」「まいどありがとうございます」などの代わりとして使われる感嘆詞)
63. 2005年01月25日 22時52分04秒
投稿:soka
>キリ@65さん
こんにちは。
>清涼院流水は、ちょっと苦手な作家さんですが
>この本に関しては興味がわいてきました。
氏の他の作品を読んだ事があまりないのですが、他のサイトさんの感想を見てみると、この「エル」は清涼院さん独特の癖が少ない作品なのだそうです。語尾に♪やハートマークがやたら付くのに耐えられる方なら是非。
>それにしても「バカミス」という言葉があったとは・・・φ(.. )メモメモ
私もこれを読むまであまり意識した事のないジャンルだったのですが、このミスなどでは専用コーナまで作られていますね。「金閣寺に密室」とか、タイトルだけでも面白そうです。
「春期限定いちごタルト事件」(米沢穂信)読了。
自分の性格の所為で中学で色々あって、高校に入学してからは清く正しい「小市民」になろう、と固く逆高校デビューを誓い合った小鳩くんと小佐内さん。謎に出会うとつい口出ししてしまう性格だった小鳩くんは、日常で面白そうな謎に出会ってもがまんがまんがまん……でも結局解いちゃうんですこれが。果たして二人は、見事小市民の星を掴むことができるのでしょうか、という話。
小佐内さんがちっちゃくて可愛い、とか思ってたら最後の方は「……おお」という感じでした。小佐内さんもある性格の所為で、色々あったみたいです。
一番面白かった短編を紹介。
「おいしいココアの作り方」
おいしいココアの作り方を知ってますか? 最初に少量の熱湯でココアパウダを練ってから作ると粉っぽくならないのだそうです。今回はそのおいしいココアがテーマ。
小鳩くんがまだ探偵していた頃を知っている知人・健吾くんの家に呼ばれた小鳩くんと小佐内さん。健吾くんが作るおいしいココアをふうふう吹きながら飲んだあと。ふと台所に行くと、健吾くんのお姉さんが何か考え事をしている様子。聞くと、ココアを作ったのに鍋がないのはおかしいのだと言うのです。電子レンジを使ったとしても、それには金属でない器がどうしても必要になるのに、シンクは全く濡れておらず、そこにはスプーンがひとつあるだけ。作ったのが「おいしいココア」のため、カップをそのまま温めることも出来ない。さて、どうやって健吾くんはおいしいココアを作ったのでしょう。
「バカ健吾にできることができないのはなんか悔しい」という彼の姉と共に、二人は(健吾くんを別室に待たせたまま)謎に挑むのです。こういう日常の謎、大好き。
【グッと来た文】
「本当にお見事。鮮やかな推理。綺麗な証明。でも、その、まあ、なんていうか、言いづらいんだけど、はっきり言わせてもらうとさ。
きみ、ちょっと鬱陶しいんだよね」
62. 2005年01月17日 22時06分31秒
投稿:キリ@65
おじゃましま〜す。65号室のキリです。
お部屋の名前が基本に戻ってるので、
今度は何をお読みになったのかと覗きに来てみました。
清涼院流水は、ちょっと苦手な作家さんですが
この本に関しては興味がわいてきました。
機会があったら読んでみたいと思います。
それにしても「バカミス」という言葉があったとは・・・φ(.. )メモメモ
61. 2005年01月17日 21時20分17秒
投稿:soka
何年か前に買って本棚に置きっぱなしだった「エル 全日本じゃんけんトーナメント」(清涼院流水)を読了。
姉の勝手な応募で、「全日本じゃんけんトーナメント」に参加することになった木村彰一は、勝ちたくもないのに次々と勝負に勝ち進んでいってしまう。今までじゃんけんで二勝以上したことのない自分がなぜ……とか思いながらも彰一くんはどんどん勝ち進んで行っちゃいます。他の参加者も文系のイメージそのまんまの数学教授とか、百%自分の予想が外れる予想屋とか、自称読心術師とか変な人盛りだくさんなのです。
こりゃバカミスだわ……と語尾にやたら付く「♪」を見ながらしみじみ思ったり思わなかったりしていますと、これが! 後半からかなり面白くなってくるんですよ。ライバル(?)天草翔との準決勝戦を境に、負けたい負けたいとばかり考えていた彰一くんがどんどん成長していく様とか、決勝戦の白熱する連続あいことか。そして、熱い本編を読み終えた後にくる、「舞台裏」のどんでん返し。すべてを裏で操るエルの正体とは? ……これはバカミスじゃない。「すごいバカミス」(流水大説と読む)だ!
こんなに薄い本でここまでの事をやるなんて、やっぱり清涼院流水は神なんでしょうか。後書きも面白かったけど少し長い気も。
現在、このノベルス版、文庫版共にセブンアンドワイでは購入できないようです(アマゾンで中古が買えるみたいですが)。そういえば私もブックオフで買いましたっけ。
【グッと来た文】
「――相手はジンガイ(外人)か」
ジンガイて!
[NAGAYA v3.13/N90201]