黒猫荘
(mobile版)

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カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真
(OPEN:1999年7月19日)
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4782. 2013年09月25日 20時16分51秒
投稿:かわぐち
A・M・ルロワ『ヒトの変異』(みすず書房)読了。
奇形学を遺伝子面から見た考察。見世物、文化史面から見た本は読んではきたが、こうした面からのアプローチは私個人にとっては新鮮。
どうしてもその問題上、〈差別〉とは向き合わざるをえない分野だが、こうして遺伝子異常の面から解説されると、どう向き合えばよいのかヒントをもらったような気になる。
奇形学ではフィードラー『フリークス』(青土社)が価値を変えることのない名著であるのは間違いないところだが、ヤン・ボンデソン『陳列棚のフリークス』(青土社)も必読書であろう。
そのボンデソンが症例の典拠としているのが、G.M.Gould & W.L.Pyle- Anomalies and Curiosities of Medicineである。約900頁に図版約300点が収載。まだネットのない時代に6000円ほどで購入したが、検索を使えばもっと安く買えるはず。
日本では天保年間に『畸形図』という本があり、諸例が載っているが、その中のシャム双生児については馬琴『兎園小説外集』(日本随筆大成第2期24巻)に引用されている。
まあ、この分野の本は他にも多少持ってはいるが、引く人も多いだろうからよしておこう。
4781. 2013年09月20日 22時36分54秒
投稿:かわぐち
>よしださま
早速読み始められたんですね。エイズ以前の時代ということをお忘れなく。いまではさすがに怖いでしょう。
著者はヌード写真集まで出しておるので顔は簡単にネットで見られます。まあ平凡な顔かなと。
ピエール・プチ『モリニエ、地獄の一生涯』(人文書院)読了。
倒錯したエロスの特異な画家の実像。伝記というわけではないので、幼少期や学生時代のことはそれほど詳しいわけではない。ブルトンに認められ、画家として活動しながらの奇矯な行動が中心といえようか。
なにせ人物が人物だけに、どんな破天荒なエピソードが出てきても驚かない。
私が関心を抱いたのもブルトンの知遇を得てからのこと。意外にもブルトンは倒錯した性には冷淡(彼の父は警察官)。対してモリニエは破滅型のマゾヒスト。どうしてこの二人が親交を持てたのかと思ったが、やはり長続きはしなかったようだ。
モリニエについてはJean-Luc Mercie- Pierrre Molinier (les presses du reel)の英語版が出ている。
日本でも美蕾樹などでの個展はあったが公共美術館での展覧会は開催されていない。まあ、ハンス・ベルメール展もないような国では望めないか。
4780. 2013年09月20日 12時50分52秒
投稿:よしだ まさし
今朝から『カトリーヌ・Mの正直な告白』を読み出しました。
ううっ、これって、通勤電車の中で読んでいていい本なのか?
しょっぱなからひたすら派手な展開に圧倒されています。
このレベルになると、ほとんど異世界ファンタジーのようなもので、とても本当の話とは思えないです。思わず、文庫本の背中に「ハヤカワ文庫NV」って入っていないか、確認しちゃいました(NFでした)。
とりあえず、ぐいぐい読めてしまいそうですね。
4779. 2013年09月19日 20時28分32秒
投稿:かわぐち
本が到着。The Resurrectionist- The Lost Work of Dr. Spencer Black
amazonのカートに入れたままであったが、先日のCuriosity Historyの紹介で俄然欲しくなり購入。
内容は、スフィンクスや人魚、ペガサスなど幻獣の解剖図(!)なのだ。ただ記述は生物学的にまともであろうとしており、「ペガサス脳」や「ミノタウロス胃袋」があるわけではないw。
巻頭にはこれを残したスペンサー・ブラック博士の生涯が語られる。しかし、私にはどうもこの人物が実在したとは思えないのだが。
モルゲンシュテルン(鼻行類)やアーマイゼンハウフェン博士(秘密の動物誌)の仲間じゃないのかな。
[NAGAYA v3.13/N90201]