黒猫荘
(mobile版)

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カフェ「白梅軒」
オーナー:川口且真
(OPEN:1999年7月19日)
「白梅軒」へようこそ。
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4786. 2013年10月11日 12時19分03秒
投稿:よしだ まさし
いつもお世話になっている新宿区の図書館に「ファントマ」があったので、ついつい予約しちゃいました。
楽しみ、楽しみ。
4785. 2013年10月10日 22時43分54秒
投稿:かわぐち
赤塚敬子『ファントマ』(風濤社)読了。面白い!夢中になり読みふけってしまった。
フランスの暗黒小説のヒーローの誕生からその与えた影響までを詳細に記述。なかでも本書の特徴は、約半分を費やしてシュルレアリスムを中心とした芸術面への影響に言及していることであろう。通常ならこうしたものが生み出される社会的背景、さらにまた逆に社会的影響が語られるのが(わかりやすいといえばわかりやすい)常套手段ではなかろうか。
とにかく紹介すれば「へぇ〜」と思う人が多いに違いない〈ネタ〉は幾多もあるが、他人の紹介をいただいて得意になるのも恥ずかしい。ぜひお読みいただきたい。
ちなみにファントマが広く知られたのはやはり映画の影響、それも1913-14年にかけて制作されたルイ・フイヤード監督によるものが大きい。
この作品、2004年にNHK-BSで放送されたのだが、昼間で、放送時間の移動があり、そのために3・4作目は録画に失敗…。以後、放送されていないのでは。
海外でDVDも発売されてはいるが、なまじ日本字幕放送があっただけに再度の放送を期待して買いそびれている。
4784. 2013年10月10日 00時07分40秒
投稿:かわぐち
立研介『ほとけを造った人びと』(吉川弘文館)読了。
題名・全書判サイズから仏像入門の1冊にみえる。そう思って読むと困惑するだろう。飛鳥時代から鎌倉前期までの仏師の足跡を史料で探る学術書。
仏像の本はたいてい○○仏とはどういうものかの解説ばかり。それを造った仏師が話題になることは少ない。まあ、本書で記述される人たちのように記録が残っている人のほうが少数で、大部分の仏師は名前も不明なのだから当たり前か。
気軽に読むにはきついかもしれないが、〈入門〉ばかり読んでいて物足りなくなっている人にはおすすめしたい。
ルイ・シュヴァリエ『三面記事の栄光と悲惨』(白水社)読了。
ロミの『三面記事の歴史』(国書刊行会)の翻訳が刊行されたこともあり、この機会にモネスティエ『図説 世界三面記事全書』(原書房)と併せて読むことにした。現在私が知っている限りでは、この分野で日本語で読めるのはこの3冊くらい。
本書は、『歓楽と犯罪のモンマントル』の著者だけあって、興味本位に扇情的な三面記事をセレクトして紹介した本ではない。
三面記事が近代フランスにおいてどのように受け止められていたかを、特に文学者に比重を置き概観したものだ。したがって、好事家的な楽しみのみを期待する分には失望するであろう。
私が本書で心に残ったフレーズは「三面記事はいつも他人事」。確かに自分の身内なら三面記事で知ることではなく、国家・政治・経済のように回りまわって関係してくる分野は三面記事にはならないであろう。
4783. 2013年09月28日 17時53分23秒
投稿:かわぐち
ゲイビー・ウッド『生きている人形』(青土社)読了。
おそらく翻訳が出た2004年に割とすぐ読んだはずだ。しかし、印象は薄かった。
今回、このところのからくり人形に関する知識を整理するために再読してみた。
ヴォーカンソン、「ターク」、エジソンの人形がテーマとなっている1〜3章は、知識の整理はできたものの、目新しいことはなかった(再読だから当たり前か)。
しかし4章メリエス、5章「フリークス」に関する記述は、まさかこういうものが対象になっているとも思わず(すっかり忘れていたわけだ)興味深く読めた。
これは本書は「からくり人形の本」という思い込みのため、これらの章の内容は別の本だとインプットされていたからだろう(たとえば第5章は完全に柳下毅一郎『興行師たちの映画史』だと思っていた)。
[NAGAYA v3.13/N90201]